JPH0717579A - 鮮度保持用シートおよびこれを使用した保存用容器 - Google Patents

鮮度保持用シートおよびこれを使用した保存用容器

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JPH0717579A
JPH0717579A JP18322293A JP18322293A JPH0717579A JP H0717579 A JPH0717579 A JP H0717579A JP 18322293 A JP18322293 A JP 18322293A JP 18322293 A JP18322293 A JP 18322293A JP H0717579 A JPH0717579 A JP H0717579A
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JP
Japan
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freshness
sheet
film
film layer
permeable film
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JP18322293A
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Inventor
Junichi Kuroki
潤一 黒木
Takuya Yamazaki
拓也 山崎
Kozo Mita
浩三 三田
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Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 経時的な鮮度保持効果の劣化が少なく、ま
た、作業時の刺激臭の発現を極力低減し、快適な作業環
境と安定した鮮度保持効果を同時に得ることができる鮮
度保持用シートを提供する。また、自動包装化に適する
鮮度保持用シートを提供する。 【構成】 任意の基材と、該基材の上に形成され、イソ
チオシアン酸エステルを含有する鮮度保持層と、該鮮度
保持層の上に形成され、イソチオシアン酸エステル蒸気
が透過しやすい易透過性のフィルム層と、該易透過性の
フィルム層の上に形成され、イソチオシアン酸エステル
蒸気が透過しにくい難透過性のフィルム層とを備える鮮
度保持用シートであって、前記易透過性のフィルム層と
前記難透過性のフィルム層は剥離可能に形成されている
とともに、鮮度保持用シート全体としては巻回状形態を
なしており、使用に際して、巻回状形態から繰り出され
た鮮度保持用シートの難透過性のフィルム層を剥離除去
し、シート状に切断した状態で使用されるように構成し
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、流通・保存時の生鮮食
品、加工食品の防黴、静菌、殺菌を目的としたイソチオ
シアン酸エステルを含有する鮮度保持層を備えた鮮度保
持用シートおよびこれを使用した保存用容器に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】わさびは、従来から防腐効果があること
が知られており、その辛味成分であるイソチオシアン酸
エステルは、安息香酸にも匹敵する醗酵、腐敗の防止効
果があるといわれている。
【0003】また、イソチオシアン酸エステルの抗菌性
に着目し、このものを用いて食品の鮮度保持を図ること
もすでに公知である。すなわち、例えば特開平2−11
3876号公報には、イソチオシアン酸化合物を粘土鉱
物に含有せしめたものを揮発量をコントロールする包装
材料で包装した鮮度保持剤が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このも
のに開示されている鮮度保持剤は、その鮮度保持の機構
上、あらかじめ数個から数十個を一纏めにしてイソチオ
シアン酸エステル不透過の包装材料よりなるパウチで包
装した形態を取っている。そのため、食品の包装作業の
直前までパウチ内で一纏めにして保存される必要があ
る。
【0005】従って、食品の包装作業直前にパウチを開
封し、このパウチの中から一つずつ鮮度保持剤を取り出
して食品と同封する必要があり、包装作業が極めて慌た
だしくかつ煩雑となるという問題があった。
【0006】また、イソチオシアン酸エステル不透過パ
ウチの開封と同時に、イソチオシアン酸エステルの揮散
が始まるため、その鮮度保持効果、すなわち、イソチオ
シアン酸エステル残存量は開封からの時間に依存し、パ
ウチから最初に取り出した鮮度保持剤と最後に取り出し
たそれとは効きめが若干異なり鮮度保持効果が不安定に
なるという問題もあった。
【0007】また、さらに不透過パウチの開封の際に、
パウチ内部に貯蓄したイソチオシアン酸エステル蒸気が
一度に放出されるため、包装作業工程での刺激臭は甚だ
しく、作業環境の悪化も問題になっていた。さらに包装
の自動化に適するシート形態であることも要望される。
【0008】本発明はこのような実情に基づいて創案さ
れたものであり、本発明の目的は本来品質保持の対象と
なる食品の品質(鮮度)を保つことはもとより、経時的
な鮮度保持効果の劣化が少なく、また、作業時の刺激臭
の発現を極力低減し、快適な作業環境と安定した鮮度保
持効果を同時に得ることができる鮮度保持用シートを提
供することにある。さらには包装の自動化に適する鮮度
保持用シートを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】このような課題を解決す
るために本発明者らは種々研究を重ねた結果、鮮度保持
シートの構成を、基材と、イソチオシアン酸エステルを
含有する鮮度保持層と、イソチオシアン酸エステル蒸気
が透過しやすい易透過性のフィルム層と、イソチオシア
ン酸エステル蒸気が透過しにくい難透過性のフィルム層
とを備える積層構造とし、この積層体を使用時にいたる
までは、巻回状形態とし、使用に際して、巻回状形態か
ら繰り出されたシート部分の難透過性のフィルム層を剥
離し、任意に切断して使用できる形態とすることによ
り、前記課題が解決可能であることを知見し、本発明に
想到した。
【0010】すなわち、本発明は、任意の基材と、該基
材の上に形成され、イソチオシアン酸エステルを含有す
る鮮度保持層と、該鮮度保持層の上に形成され、イソチ
オシアン酸エステル蒸気が透過しやすい易透過性のフィ
ルム層と、該易透過性のフィルム層の上に形成され、イ
ソチオシアン酸エステル蒸気が透過しにくい難透過性の
フィルム層とを備える鮮度保持用シートであって、前記
易透過性のフィルム層と前記難透過性のフィルム層は剥
離可能に形成されているとともに、鮮度保持用シート全
体としては巻回状形態をなしており、使用に際して、巻
回状形態から繰り出された鮮度保持用シートの難透過性
のフィルム層を剥離除去し、シート状に切断した状態で
使用されるように構成した。
【0011】また、本発明の保存用容器は、巻回状形態
から繰り出された鮮度保持用シートの難透過性のフィル
ム層を剥離除去し、シート状に切断した状態で、このも
のと、鮮度保持対象である食品とを包装用容器の中に収
納するように構成した。
【0012】また、本発明の保存用容器は、巻回状形態
から繰り出された鮮度保持用シートの難透過性のフィル
ム層を剥離除去し、シート状に切断したものを包装用容
器の一部または全部として組み込み、この中に鮮度保持
対象である食品を収納するように構成した。
【0013】
【作用】本発明の鮮度保持用シートは通常の使用前の形
態として、巻回状形態をなしているために、鮮度保持層
からのイソチオシアン酸エステル蒸気の流出は抑制され
る。そして、使用に際しては、巻回状形態から繰り出さ
れた鮮度保持用シートは難透過性のフィルム層を剥離除
去し、シート状に切断された状態で使用されるので、鮮
度保持層より発せられたイソチオシアン酸エステル蒸気
は、少なくとも易透過性のフィルム層(さらには基材)
を透過して外部雰囲気中に流出するようになっている。
さらに、鮮度保持用シートを巻回状形態から繰り出す形
態を採用しているので包装の自動化に容易に対応でき
る。
【0014】
【実施例】以下、本発明の鮮度保持用シートを図面を参
照して詳細に説明する。
【0015】図1には、鮮度保持用シートの使用前の巻
回状形態の平面図、すなわち図4に示されるように長尺
状のシートを巻き取った後の形態が示される。図2に
は、鮮度保持用シートの積層構造を説明するための断面
図が示される。図2の断面図は、基本的には図4の部分
拡大シート部分(円で囲まれた部分)の断面図に相当す
る。
【0016】これらの図に示されるように、鮮度保持用
シート1は、任意の基材3と、この基材3の上に形成さ
れ、イソチオシアン酸エステルを含有する鮮度保持層5
と、この鮮度保持層5の上に形成され、イソチオシアン
酸エステルの蒸気が透過しやすい易透過性のフィルム層
7と、この易透過性のフィルム層7の上に形成され、イ
ソチオシアン酸エステル蒸気が透過しにくい難透過性の
フィルム層9とを備えている。
【0017】基材3の材質には特に制限はなく、例えば
後述するようなイソチオシアン酸エステル蒸気が透過し
やすい材質であっても、基材3面は巻回形状による保存
により、繰り出して使用するまではイソチオシアン酸エ
ステル蒸気の発生が抑えられている。
【0018】この基材3の上に形成される鮮度保持層5
は、前述したようにイソチオシアン酸エステルを含有
し、このものを含有させるために、通常、粘着剤が用い
られる。
【0019】本発明におけるイソチオシアン酸エステル
としては、イソチオシアン酸の脂肪族系および芳香族系
の各種エステルが用いられ、中でも特に好ましくはイソ
チオシアン酸エステル(CH2=CHCH2NCS)や、イソチオシ
アン酸アルキルエステル(RNCS、R: アルキル基)が用い
られる。
【0020】本発明においては、簡易な方法としてカラ
シ油をそのまま、あるいは油性液体に溶解させた形態で
用いることができる。
【0021】このようなイソチオシアン酸エステルを含
有せしめる粘着剤としては、特に、制限はないが、例え
ば、溶剤型粘着剤、無溶剤型粘着剤等が用いられる。
【0022】溶剤型粘着剤としては、例えば、天然ゴム
系、スチレン−ブタジエンゴム系、ポリイソブチレン
系、イソプレン系のゴム系粘着剤の他、アクリル系、シ
リコーン系の粘着剤が使用できる。
【0023】また、無溶剤型粘着剤としては、例えば、
アクリルエマルジョン系、天然ゴムラテックス系、スチ
レン−ブタジエンラテックス系のエマルジョン型粘着
剤、スチレン−イソプレンブロック共重合体系、スチレ
ン−ブタジエンブロック共重合体系、スチレン−エチレ
ン−ブチレンブロック共重合体系、エチレン−酢酸ビニ
ル熱可塑性エラストマー系のホットメルト型粘着剤、天
然ゴム系、再生ゴム系、ブチルゴム系のカレンダー法型
粘着剤、水溶性型粘着剤、液状硬化型粘着剤等が使用で
きる。
【0024】このような粘着剤に含有されるイソチオシ
アン酸エステルの含有量は、その鮮度保持効果と鮮度保
持期間により適宜決定すればよいが、設定の目安として
鮮度保持用シート1枚当たり0.1〜100mgの範囲
となるように粘着剤に含有させることが特に好ましい。
【0025】このイソチオシアン酸エステルの含有量が
0.1mg未満となると、イソチオシアン酸エステル蒸
気の発生量が少なく鮮度保持効果が期待できず、この一
方で、イソチオシアン酸エステルの含有量が100mg
を越えても鮮度保持効果は増大せず、100mgを越え
る使用は経済性に欠ける。
【0026】このようなイソチオシアン酸エステルを含
有する鮮度保持層5の厚さは、通常、1〜50μm程度
とされる。
【0027】このような鮮度保持層5の上に形成される
易透過性のフィルム層7としては、例えば、ポリエチレ
ンフィルム、エチレン−酢酸ビニル共重合体フィルム、
ポリプロピレンフィルム、ポリスチレンフィルム、アイ
オノマーフィルム、塩化ビニルフィルム、ポリブタジエ
ンフィルム、ポリメチルペンテンフィルムから選択され
る1種以上のフィルム、あるいはそれらの1種以上と通
気性包装材料との貼合品であるものが挙げられる。ここ
で、通気性包装材料としては、紙、不織布、微細連通加
工を施したプラスチックフィルム、無機フィラーを添加
し延伸加工を施したプラスチックフィルムの1種または
2種以上が好ましい。
【0028】このような易透過性のフィルム層7の厚さ
は、通常、10〜100μm程度とされる。
【0029】このような易透過性のフィルム層7の上に
形成される難透過性のフィルム層9の包装材料として
は、例えば、ポリエステルフィルム、ポリアミドフィル
ム、ポリアクリルニトリルフィルム、ポリ塩化ビニリデ
ンフィルム、ポリ塩化ビニリデンコートフィルム、エチ
レン−酢酸ビニル共重合体鹸化物フィルム、ポリビニル
アルコールフィルム、アルミ箔、アルミ蒸着フィルム、
無機物蒸着フィルム(例えば、Al23 ,SiOX
の無機物をフィルムに蒸着したもの)の少なくとも1種
以上を含むもの等が挙げられる。厚さは、10〜100
μm程度とされる。
【0030】ところで、本発明においては前記易透過性
のフィルム層7と前記難透過性のフィルム層9は剥離可
能に形成されている。そのため、この易透過性のフィル
ム層7と第二の難透過性のフィルム層9との層間剥離強
度は、JIS Z−1707に示されるヒートシールの
強さの項目に準じた測定条件で、50g/15mm以
下、特に20g/15mm以下とすることが好ましい。
これは、難透過性のフィルム層9を容易に剥離可能とす
るためである。
【0031】易透過性のフィルム層7と難透過性のフィ
ルム層9との接合方法としては、例えば、適度の接着強
度が得られる接着剤で両フィルムを貼り合わせたり、難
透過性のフィルム層9上に易透過性のフィルム層7を構
成する樹脂を押出コーティングしたり、あるいは両フィ
ルムを構成する樹脂を同時に押し出す、いわゆる共押出
成形法により製膜したりすればよい。
【0032】本発明の場合、押出コーティング法ないし
は共押出成形法が好適に使用できる。
【0033】前述の方法により作成した易透過性のフィ
ルム層7と難透過性のフィルム層9とのラミネート体
を、図3に示されるように基材層3と鮮度保持層5とが
形成されている積層体の上に貼り合わせた後、基材3側
を内側にして巻き取ることによって、本発明の鮮度保持
用シート1が形成される(図1)。
【0034】このような鮮度保持用シート1は、通常、
巻回状形状から繰り出されたシート部分の難透過性のフ
ィルム層9を剥離除去し、シート状に切断した状態で使
用される。すなわち、難透過性のフィルム層9が剥離さ
れた鮮度度保持用シート1(図3)は、図6に示される
ようにすぐに、包装用容器50の中に、保存対象である
食品20と一緒に収納される(この商品全体を保存用容
器40と称す)。
【0035】すると、鮮度度保持用シート1の鮮度保持
層5から発せられたイソチオシアン酸エステル蒸気が易
透過性のフィルム層7を透過して包装用容器50内に徐
々に出ていくとともに、包装用外袋50の中に充満し、
これにより食品20に対する抗菌作用が働き食品の鮮度
が保持される。
【0036】ここで包装用容器50の形態としては、パ
ウチ形状、トレー+フィルムの形状、トレー+蓋材の形
状、トレー+ラップフィルムの形状、トレー+蓋材+ラ
ップフィルム形状、紙カートン形状、等任意の形態が可
能である。
【0037】さらに、図6に示されるように、包装用容
器50の一部または全部をイソチオシアン酸エステル蒸
気濃度の調整用の包装材料とすることができる。本図
は、一方の包装材料53をイソチオシアン酸エステル蒸
気難透過性のフィルムとし、他方のフィルム51をイソ
チオシアン酸エステル蒸気濃度の調整用フィルムとした
例である。
【0038】ここで、イソチオシアン酸エステル蒸気濃
度の調整用の包装材料とは、例えば、イソチオシアン
酸エステル蒸気を吸着しやすい材質のフィルムおよびシ
ート、イソチオシアン酸エステル蒸気を透過させやす
いフィルムおよびシート等が挙げられる。また、包装容
器50外部にイソチオシアン酸エステル蒸気を流出させ
る目的で包装容器50の一部に連通孔を設けたり、トレ
ーと蓋材の間に隙間部分を設けることも当然可能であ
る。
【0039】このような包装用容器50の構成にするこ
とにより、包装用容器50中のイソチオシアン酸エステ
ル濃度の調整が可能になり得る(特に、濃度が過剰の場
合)。
【0040】イソチオシアン酸エステル蒸気濃度の調整
・設定は、以下の条件を目安にして行われることが好ま
しい。まず、鮮度保持効果の目安としては、内容物(食
品20)を同封しない包装容器50を用いて、容器内の
イソチオシアン酸エステル濃度が48時間以内に5pp
m(V/V)以上、その最大値が10ppm(V/V)
以上となるように設定する。ここで、包装容器50の空
間(空気体積)は、食品20を同封した時と同等とする
必要がある。また、開封時のワサビ臭の目安としては、
食品を同封した状態で、480時間以内に10ppm
(V/V)以下となるように設定する。
【0041】上記イソチオシアン酸エステル濃度の調整
・設定は、空間率、容器面積、容器材料、鮮度保持用シ
ートの鮮度保持層5中のイソチオシアン酸エステル含有
量等を適宜選択することにより行われる。
【0042】ここで、内容物を同封しない包装容器50
内のイソチオシアン酸エステル濃度が48時間以内に5
ppm(V/V)以上の濃度に達しない場合には、鮮度
保持効果が発現する前に微生物が増殖してしまう恐れが
あり好ましくない。また、イソチオシアン酸エステル濃
度の最大値が10ppm(V/V)未満であると、微生
物の増殖抑制効果が薄れるため、鮮度保持効果が期待で
きず好ましくない。
【0043】また、内容物を同封する包装容器50内の
イソチオシアン酸エステル濃度が480時間以内に10
ppm(V/V)以下の濃度にならない場合には、開封
時のワサビ臭が問題となる場合があり好ましくない。
【0044】ここで、鮮度保持効果に関するイソチオシ
アン酸エステル濃度の設定が、内容物を同封しない空容
器を基準とするのは、内容物(食品20)によってイソ
チオシアン酸エステル吸着量が異なるため、食品同封下
でのイソチオシアン酸エステル濃度の推移が基準と成り
得ないためである。なお、食品20を収納する包装用容
器50と鮮度保持用シート1とによって、商品である保
存容器40が形成される。
【0045】もちろん、包装用容器はイソチオシアン酸
エステル濃度の調整機能を付与しない通常の包装容器で
あってもよい。
【0046】また、包装用容器50の内側の形成材料を
イソチオシアン酸エステル蒸気を吸着しやすい材質のフ
ィルムあるいはシートとし、その外側の形成材料を酸素
バリアー性のフィルムあるいはシートをすることによ
り、酸素バリアー効果が付与される。この場合は包装用
容器50の中に脱酸素剤を封入することや不活性ガス充
填することも可能になる。
【0047】また、鮮度保持用シート1は、そのカッテ
ィングの仕様によっては図7に示されるように蓋材とし
て使用し、容器の一部として組み込むこともできる。す
なわち、図7には、上述してきた鮮度保持用シート1の
難透過性のフィルム層9を剥離除去した後、上蓋形状に
カットし、容器体15の上部開口部に蓋体としてヒート
シールさせた容器40’が示されている。
【0048】この場合、蓋体を形成する鮮度保持用シー
ト1は、易透過性のフィルム層7が容器の内側に位置す
るように設定される。イソチオシアン酸エステル蒸気を
容器内に充満させ、内部に収納されている食品20の鮮
度を保持するためである。
【0049】このように鮮度保持用シート1を容器の一
部として組み込むことにより、いわゆる保存剤(カット
された鮮度保持用シートをも含む)を容器内に同封する
という必要性がなくなるために、保存剤の誤食という危
険性は全くなくなる。さらに、図9には鮮度保持シート
1を容器の一部として組み込んだ、いわゆるピロー包装
形態のものが示される。このピロー包装形態の容器4
0”は、図8に示されるように長手方向に搬送される食
品包装用フィルム60の上に、巻回状態から繰り出され
た鮮度保持用シート1(難透過性のフィルム層9は除去
されている)を同時に供給し、任意長さに切断した後、
ピロー形状に丸められ、端部63がヒートシールされ
る。この場合、食品包装用フィルム60と鮮度保持用シ
ート1は端部で重なった状態でヒートシールされるの
で、容器40”内を鮮度保持用シート1が自由に動くこ
とはない。この場合もまた、前記図7に示される場合と
同様に、易透過性のフィルム層7が容器の内側に位置す
るように設定され、保存剤の誤食という危険性は全くな
くなる。さらに、図10にはピロー包装形態の変形例が
示される。この場合には、一旦、端部63をヒートシー
ルした後、残りの2ケ所の開口部をヒートシールするこ
とにより、鮮度保持シート1が包装容器と一体化され
る。
【0050】以下、具体的実験例を示し本発明をさらに
詳細に説明する。実験例1 以下の組成で、イソチオシアン酸エステル含有粘着剤
(鮮度保持層組成物)を作成した。
【0051】 ・アクリル酸2−エチルヘキシン 75 重量部 ・アクリル酸メチル 18 重量部 ・無水マレイン酸 1.5重量部 ・ヘキサメチレンジアミン 0.5重量部 ・イソチオシアン酸アリルエステル 5 重量部 ・酢酸エチル 300 重量部 このような粘着剤を厚さ50μmのポリエチレンテレフ
タレートのフィルム(基材3)の上に、固形物換算で5
0g/m2 の割合で塗布し、鮮度保持層5を形成した。
【0052】ついで、共押出成形法により、ポリエチレ
ンからなる易透過性のフィルム層7とナイロンからなる
難透過性のフィルム層9とをラミネート接合した剥離性
のフィルムを作製した。すなわち、共押出インフレーシ
ョン法により、ナイロン20μm/ポリエチレン40μ
mの積層フィルムを作製した。しかる後、この積層フィ
ルムを前記イソチオシアン酸エステル含有粘着剤(鮮度
保持層)形成シートの上に、鮮度保持層5とポリエチレ
ンからなる易透過性のフィルム層7とが接合するように
貼り合わせた後、巻回状に巻き取って鮮度保持用シート
を形成した。このような巻回状のシートからシート部分
を繰り出し、難透過性のフィルム層9を剥離した後、シ
ートを80mm×50mmカッティングし、食品ととも
に容器内に収納させる鮮度保持用シート1を作製した。
【0053】このような鮮度保持用シート1を用いて
(難透過性のフィルム層9は剥離除去される)、鮮度保
持用シート1ユニットを大きさ200mm×300mm
の延伸ナイロン(厚さ15μm)/ポリエチレン(厚さ
30μm)からなるパウチ(包装用容器50)の中に、
切り餅(厚さ15mm,幅40mm,長さ60mm)1
0個とともに同封し、保存用容器40を作製する包装作
業を実際に行ってみたところ、難透過性のフィルム層9
を剥離することにより、始めて鮮度保持効果が発現する
ため、経時的な鮮度保持効果の劣化が少なく、また、作
業時の刺激臭も極めて低減されることが確認された。
【0054】さらに、保存用容器40を30℃で1年間
保存したところ、切り餅への臭いの移行はなく、しかも
黴等の微生物による腐敗もなく、切り餅本来の味が維持
されていることも確認された。また、本発明の巻き取ら
れた鮮度保持用シート1は、自動包装にも適することが
確認された。
【0055】
【発明の効果】本発明の鮮度保持用シートは、任意の基
材と、該基材の上に形成され、イソチオシアン酸エステ
ルを含有する鮮度保持層と、該鮮度保持層の上に形成さ
れ、イソチオシアン酸エステル蒸気が透過しやすい易透
過性のフィルム層と、該易透過性のフィルム層の上に形
成され、イソチオシアン酸エステル蒸気が透過しにくい
難透過性のフィルム層とを備える鮮度保持用シートであ
って、前記易透過性のフィルム層と前記難透過性のフィ
ルム層は剥離可能に形成されているとともに、鮮度保持
用シート全体としては巻回状形態をなしており、使用に
際して、巻回状形態から繰り出された鮮度保持用シート
の難透過性のフィルム層を剥離除去し、シート状に切断
した状態で使用されるように構成されているので、経時
的な鮮度保持効果の劣化が少なく、また作業時の刺激臭
も極めて低減されるという効果を奏する。これにより、
快適な作業環境と安定した鮮度保持効果を同時に得るこ
とができる。また、包装の自動化にも適する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の鮮度保持用シートの使用前の巻回状形
態の平面図である。
【図2】本発明の鮮度保持用シートの積層構造を説明す
るための断面図である。
【図3】本発明の鮮度保持用シートを使用するにあた
り、難透過性のフィルム層を剥離除去する状態を示す断
面図である。
【図4】本発明の鮮度保持用シートの巻き取りの状態を
説明するための断面図である。
【図5】本発明の鮮度保持用シートの製造例を説明する
ための断面図である。
【図6】本発明の鮮度保持用シートの難透過性のフィル
ム層を剥離除去したのち、食品と共に包装用容器に収納
した状態を示す断面図である。
【図7】難透過性のフィルム層を剥離除去した後、容器
体の上部開口部に蓋体として鮮度保持用シートをヒート
シールさせた容器の概略断面図である。
【図8】保持用シートを容器の一部として用い、いわゆ
るピロー包装形態を作る前のシート状の配列を示す斜視
図である。
【図9】鮮度保持用シートを容器の一部として用いた、
いわゆるピロー包装形態の斜視図である。
【図10】鮮度保持用シートを容器の一部として用い
た、いわゆるピロー包装形態の他の変形例を示す斜視図
である。
【符号の説明】
1…鮮度保持用シート 3…任意の基材 5…鮮度保持層 7…易透過性のフィルム層 9…難透過性のフィルム層 20…食品 40…保存用容器 50…包装用容器

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 任意の基材と、 該基材の上に形成され、イソチオシアン酸エステルを含
    有する鮮度保持層と、 該鮮度保持層の上に形成され、イソチオシアン酸エステ
    ル蒸気が透過しやすい易透過性のフィルム層と、 該易透過性のフィルム層の上に形成され、イソチオシア
    ン酸エステル蒸気が透過しにくい難透過性のフィルム層
    とを備える鮮度保持用シートであって、 前記易透過性のフィルム層と前記難透過性のフィルム層
    は剥離可能に形成されているとともに、鮮度保持用シー
    ト全体としては巻回状形態をなしており、使用に際し
    て、巻回状形態から繰り出された鮮度保持用シートの難
    透過性のフィルム層を剥離除去し、シート状に切断した
    状態で使用されることを特徴とする鮮度保持用シート。
  2. 【請求項2】 前記難透過性のフィルム層は、ポリエス
    テルフィルム、ポリアミドフィルム、ポリアクリルニト
    リルフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリ塩化
    ビニリデンコートフィルム、エチレン−酢酸ビニル共重
    合体鹸化物フィルム、ポリビニルアルコールフィルム、
    アルミ箔、アルミ蒸着フィルム、無機物蒸着フィルムの
    少なくとも1種以上を含むものであり、前記易透過性の
    フィルム層は、ポリエチレンフィルム、エチレン−酢酸
    ビニル共重合体フィルム、ポリプロピレンフィルム、ポ
    リスチレンフィルム、アイオノマーフィルム、塩化ビニ
    ルフィルム、ポリブタジエンフィルム、ポリメチルペン
    テンフィルムから選択される1種以上のフィルム、ある
    いはそれらの1種以上と通気性包装材料との貼合品であ
    ることを特徴とする請求項1に記載の鮮度保持用シー
    ト。
  3. 【請求項3】 前記通気性包装材料が、紙、不織布、微
    細連通加工を施したプラスチックフィルム、無機フィラ
    ーを添加し延伸加工を施したプラスチックフィルムの1
    種以上であることを特徴とする請求項2に記載の鮮度保
    持用シート。
  4. 【請求項4】 前記易透過性のフィルム層と前記難透過
    性のフィルム層とは、共押出成形により接合されている
    ことを特徴とする請求項2に記載の鮮度保持用シート。
  5. 【請求項5】 前記易透過性のフィルム層と前記難透過
    性のフィルム層との剥離強度は、50g/15mm以下
    であることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいず
    れかに記載の鮮度保持用シート。
  6. 【請求項6】 請求項1の巻回状形態から繰り出された
    鮮度保持用シートの難透過性のフィルム層を剥離除去
    し、シート状に切断した状態で、このものと、鮮度保持
    対象である食品とを包装用容器の中に収納したことを特
    徴とする保存用容器。
  7. 【請求項7】 請求項1の巻回状形態から繰り出された
    鮮度保持用シートの難透過性のフィルム層を剥離除去
    し、シート状に切断したものを包装用容器の一部または
    全部として組み込み、この中に鮮度保持対象である食品
    を収納したことを特徴とする保存用容器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2022246478A1 (en) * 2021-05-21 2022-11-24 Nomoto James Moisture absorbing device for food packaging

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