JPH0717519U - コンクリートブロックの切断装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 手持ち操作で使用できるカッタ機を用いて
も、容易にぐらつかないようにして切断できるように
し、切断面の品質の向上を図るとともに、現場等でも簡
単に使用でき、しかも、作業性を向上させるようにす
る。 【構成】 接地される接地枠１１及び接地枠１１に立設
される立設枠１２からなる機枠１０と、手持ち操作で使
用できコンクリートブロック１を切断する円盤状のカッ
タ２２を有したカッタ機２０と、立設枠１２に設けられ
カッタ機２０を摺動可能に支持するスライダ３０と、接
地枠１１に設けられコンクリートブロック１を位置決め
するテーブル５０とを備え、上記スライダ３０を、立設
枠１２に対して着脱可能に形成するとともに、スライダ
３０を他の取付物に取付けるためのフランジを備えて構
成した。コンクリートブロック１を切断するときは、カ
ッタ機２０をスライダ３０に支持させながら摺動させる
ので、手の振れ等がカッタ機２０に伝わって切断面が蛇
行したり曲がったりする事態が防止される。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、コンクリートブロックの切断装置に係り、特に、現場等で簡易にコ ンクリートブロックを切断できるコンクリートブロックの切断装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

図６及び図７に示すように、コンクリートブロック１としては、例えば、法面 を覆うためのものがあり、これは、例えば、矩形状表面を有した表面部２と表面 部２の後側に延び法面側に付設される脚部３とを備えている。そして、このコン クリートブロック１を用いるときは、例えば、図６に示すように、基準線４に対 して表面部２を４５度傾斜させて積層するようにしている。

【０００３】 このようなコンクリートブロック１の積層構築物においては、例えば坂道等で はその上縁５が基準線４に対して傾斜して形成されることがあり、この場合には 、現場において、上段のコンクリートブロック１を切断し、上縁５が凹凸になら ないようにしている。尚、この種のコンクリートブロックとしては、表面部２の 表面が三角形状や五角形状のもの等種々の形状のものがある。

【０００４】 この現場におけるコンクリートブロック１の切断は、従来においては、例えば 、コンクリートブロック１を切断する円盤状のカッタを有し手持ち操作で使用で きる所謂ハンディタイプのカッタ機を用いて行なっている。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

ところで、この従来のコンクリートブロック１の切断にあっては、手持ち操作 によるカッタ機を用いているので、手の振れ等がカッタ機に伝わってしまい、切 断面が蛇行したり曲がったりし易いことから、切断面の品質が悪くなるという問 題があった。また、カッタ機を逐一手で支持しなければならないので、作業が煩 雑で作業性が悪いという問題もあった。

【０００６】 本考案は上記の問題点に鑑みて為されたもので、その課題は、手持ち操作で使 用できるカッタ機を用いても、容易にぐらつかないようにして切断できるように し、切断面の品質の向上を図るとともに、現場等でも簡単に使用でき、しかも、 作業性を向上させるコンクリートブロックの切断装置を提供することを目的とす る。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

このような目的を達成するため、本考案のコンクリートブロックの切断装置は 、接地される接地枠及び接地枠に立設される立設枠からなる機枠と、手持ち操作 で使用できコンクリートブロックを切断する円盤状のカッタを有したカッタ機と 、立設枠に設けられカッタ機を摺動可能に支持するスライダと、接地枠に設けら れコンクリートブロックを位置決めするテーブルとを備えたものである。

【０００８】 また、上記スライダは、上記カッタ機の部品を止めるためのネジ穴を用いて該 カッタ機を着脱可能に取付ける取付体と、立設枠に架設され上記取付体を摺動可 能にガイドするガイド体とを備えて構成されていることが有効である。

【０００９】 更に、上記スライダは、立設枠に対して着脱可能に形成されるとともに、スラ イダを他の取付物に取付けるためのフランジを備えたことが有効である。

【００１０】 そして、必要に応じ、上記カッタ機のカッタの切断部に冷却水を送給する冷却 水送給装置を設けている。

【００１１】

【作用】

上記のように構成されたコンクリートブロックの切断装置によれば、予め、カ ッタ機をスライダに取付け、コンクリートブロックをテーブルに設置しカッタ機 のカッタの移動径路にコンクリートブロックの切断線が沿うように位置決めする 。この状態で、カッタ機のカッタを回転させながら、カッタ機をスライダを介し てコンクリートブロックの方へ移動させ切断していく。この場合、カッタ機はス ライダに支持されながら摺動していくので、ぐらつくことがなく、そのため、手 の振れ等がカッタ機に伝わって切断面が蛇行したり曲がったりする事態がなくな り、切断線に沿って正確にコンクリートブロックが切断されていく。

【００１２】

【実施例】

以下添付図面に基づいて、本考案の実施例に係るコンクリートブロックの切断 装置について詳細に説明する。図１及び図６に示すように、この実施例に係る切 断装置は、上記の矩形状表面を有した表面部２と表面部２の後側に延び法面側に 付設される脚部３とを備えたコンクリートブロック１を切断するものである。

【００１３】 図１及び図２に示すように、実施例に係るコンクリートブロックの切断装置に おいて、１０は機枠であって、接地される矩形の接地枠１１と、接地枠１１の一 側コーナー部に立設され一対の支柱１３で構成された立設枠１２とで形成されて いる。

【００１４】 ２０は手持ち操作で使用できる所謂ハンディ型のカッタ機である。このカッタ 機２０は、モータ等を内蔵した本体２１と、本体２１の前側に取付けられコンク リートブロック１を切断する円盤状のカッタ２２と、カッタ２２を覆う半円盤中 空状のカバー２３と、本体２１の後側に取付けられ手で持つための把持部２４と を備えている。２５は把持部２４に取付けられモータを駆動してカッタ２２を回 転させるためのスイッチとしてのトリガである。また、本体２１の前後には、本 体２１を構成するケース部品２１ａを止めるためのネジ穴２６が左右上下にかつ 前後方向に軸線を有して設けられている。

【００１５】 ３０は立設枠１２に設けられカッタ機２０を摺動可能に支持するスライダであ る。このスライダ３０は、上記カッタ機２０の部品を止めるためのネジ穴２６の うち、一側側の上下のネジ穴２６を用いて該カッタ機２０を着脱可能に取付ける 取付体３１と、立設枠１２の支柱１３に着脱可能に架設され上記取付体３１を摺 動可能にガイドする一対のガイドシャフト３２を備えたガイド体３３とを備えて いる。この取付体３１は、上記ネジ穴２６に対応した取付穴３４を上下に有した 取付板３６を前後に一対備え、この一対の取付板３６を接続連結し上記ガイドシ ャフト３２に摺動可能に挿通される一対の軸受３７を備えて構成されている。３ ８はネジ穴２６にねじ込まれ取付板３６にカッタ機２０の本体２１を止着するボ ルトである。

【００１６】 ガイド体３３において、３９はガイドシャフト３２の両端部を固定する一対の 固定板である。一対の固定板３９にはスライダ３０を他の取付物に取付けるため のフランジ４０を有した断面Ｌ字状の梁部材４１が架設されている。このフラン ジ４０の下面にはゴム板４７が貼着されている。また、一対の固定板３９には夫 々立設枠１２の支柱１３に着脱可能に取付けるためのボルト４２が挿通されるボ ルト穴４３が設けられている。４４はボルト４３にねじ込まれるナット、４５は 立設枠１２の支柱１３に形成され上記ボルト４３が挿通されるボルト穴である。 このボルト４３，ナット４４の締結及び締結解除により、スライダ３０は立設枠 １２に対して着脱可能になっている。

【００１７】 ５０は接地枠１１に設けられコンクリートブロック１を位置決めするテーブル である。このテーブル５０は、図３乃至図４にも示すように、コンクリートブロ ック１の脚部３を支持する円盤５１と、円盤５１に設けられ脚部３を包持する筒 体５２と、筒体５２に設けられ筒体５２内の脚部３をネジ５３の締め付けにより 押える押え板５４とを備えている。また、円盤５１は一対のレール５５に摺動可 能かつ回転可能に支持されている。このレール５５は上記スライダ３０のガイド シャフト３２の軸方向に直交する方向に、接地枠１１に架設されている。５６は レール５５に対して移動可能に設けられレール５５上の円盤５１の外周部を覆っ て円盤５１のレール５５からの脱落を阻止するカバー、５７はカバー５６に設け られカバー５６内の円盤５１外周部をカバー５６とともにレール５５に対して押 える押えネジである。尚、上記スライダ３０は、カッタ機２０のカッタ２２がテ ーブル５０に支持された状態でコンクリートブロック１の表面部２を切断しうる 位置に位置できるように、立設枠１２の支柱１３に対して所要の高さ位置に取付 けられる。

【００１８】 ６０は上記カッタ機２０のカッタ２２の切断部に冷却水を送給する冷却水送給 装置である。冷却水送給装置６０は水を貯留するタンク６１と、タンク６１内の 水を送給するポンプ６２と、ポンプ６２の吐出口に接続される供給パイプ６３と を備えている。冷却水の供給パイプ６３は２又に分岐して、カッタ機２０のカッ タ２２のカバー２３の両側に取付けられている。供給パイプ６３の終端にはカッ タ２２の切断部に冷却水を噴霧状に吹き付ける噴霧ノズル（図示せず）が設けら れている。図１中、符号６４はカバー２３の後ろ側に吊下され、冷却水および切 断粉の後側への飛散を阻止する覆いカバーである。

【００１９】 従って、この実施例に係るコンクリートブロック１の切断装置によれば、予め 、カッタ機２０をスライダ３０に取付け、スライダ３０を立設枠１２に取付けて おく。この状態において、コンクリートブロック１をテーブル５０に設置する。 この場合、コンクリートブロック１の脚部３を筒体５２に差し入れて円盤５１に 支持し、押え板５４をネジ５３で締め付けて脚部３を筒体５２に固定する。次に 、円盤５１をコンクリートブロック１の表面部２を切断する角度に回転させ、更 に、円盤５１をレール５５状にスライドさせ、カッタ機２０のカッタ２２の移動 径路にコンクリートブロック１の切断線が沿う位置に位置決めする。そして、押 えネジ５７を締めつけて円盤５１をレール５５に対して固定する。

【００２０】 この状態で、冷却水送給装置６０のポンプ６２を駆動して冷却水を噴霧ノズル から吐出させ、カッタ機２０の把持部２４を持ってトリガ２５を引きカッタ２２ を回転させながら、カッタ機２０をコンクリートブロック１の方へ移動させ、カ ッタ２２を切断線に当てて、切断していく。

【００２１】 この場合、カッタ機２０は取付体３１に取付けられたガイド体３３のガイドシ ャフト３２に支持されながら摺動していくので、ぐらつくことがなく、そのため 、手の振れ等がカッタ機２０に伝わって切断面が蛇行したり曲がったりする事態 がなくなり、切断線に沿って正確にコンクリートブロック１が切断されていく。 その結果、切断面の品質が極めて良くなり、コンクリートブロック１を積層した 構築物の品質を向上させることができる。また、冷却水送給装置６０からカッタ ２２の切断部に水を噴霧状に吹き付けるので、カッタ２２の熱が吸収され、カッ タ２２の寿命を伸ばすことができるとともに、水が潤滑剤としても機能するので 、それだけ、切断面が滑らかに形成され、この点でも品質が向上させられる。

【００２２】 また、カッタ機２０を手で押すだけで切断できるので、手にかかる負担がほと んどなく、そのため、作業が容易に行なわれ作業性が良いものとなる。また、本 装置は、手持ち型のカッタ機２０を用い、簡単な機枠１０に取付けるものなので 、構造が簡単で、持ち運びも自由であり、そのため、現場等にも容易に設置して 使用できるので、極めて便利になる。

【００２３】 更に、コンクリートブロック１がテーブルに設置できない別の形状の場合にお いて、例えば、図５に示すように、断面コ字状の水路の場合、スライダ３０を立 設枠１２から外し、フランジ４０を市販のバイス６６等でコンクリートブロック １に固定し、この状態で、上記と同様に切断すれば良い。即ち、スライダ３０が 着脱可能になっており、取付のためのフランジ４０を有しているので、他の形状 のコンクリートブロック１に対しても容易に使用することができ、極めて汎用性 が高いものになっている。この場合、フランジ４０の下面にはゴム板４７が貼着 されているので、コンクリートブロック１に弾接することから、フランジ４０が 滑りにくくなり、そのため、スライダ３０の保持が確実に行なわれる。

【００２４】 尚、上記実施例では、表面部２及び脚部３を有したコンクリートブロック１を 切断する場合で説明したが、必ずしもこれに限定されるものではなく、テーブル ５０の形状や、テーブル５０に対するカッタ機２０の位置関係を設計変更する等 して、どのような形状のコンクリートブロック１にも対応することができるよう にして良く、適宜変更して差し支えない。

【００２５】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案に係るコンクリートブロックの切断装置によれば 、手持ち操作で使用できコンクリートブロックを切断する円盤状のカッタを有し たカッタ機を機枠にスライダを介して設けたので、コンクリートブロックを切断 する際に、手の振れ等がカッタ機に伝わって切断面が蛇行したり曲がったりする 事態が抑止され、そのため、切断面の品質を向上させることができる。また、カ ッタ機を手で押してスライドさせるだけで切断できるので、手にかかる負担がほ とんどなく、そのため、作業を容易に行なうことができ、作業性を大幅に向上さ せることができる。更に、手持ち型のカッタ機を用い、機枠も接地枠及び立設枠 からなる単純なものなので、構造が簡単で、持ち運びも自由であり、そのため、 現場等に容易に設置して使用でき、極めて便利になる。また、カッタ機を外せば 、手持ちによりこれを使用することができ、共用できる。

【００２６】 また、スライダがカッタ機の部品を止めるためのネジ穴を用いて該カッタ機を 取付けるようにした場合には、カッタ機に加工を施すことなくそのまま取付ける ことができ、それだけ、構造が簡単になる。

【００２７】 更に、スライダを立設枠に対して着脱可能に形成し、他の取付物に取付けるた めのフランジを備えた場合には、コンクリートブロックがテーブルに取付けられ ない別の形状の場合において、スライダを立設枠から外し、フランジを市販のバ イス等でコンクリート製品に直接固定して切断できるので、切断の自由度が増し 、極めて汎用性が高いものになる。

【００２８】 また、カッタ機のカッタの切断部に冷却水を送給する冷却水送給装置を設けた 場合には、冷却水によりカッタの熱が吸収され、カッタの寿命を伸ばすことがで きるとともに、水が潤滑剤としても機能するので、それだけ、切断面を滑らかに 形成することができ、品質の向上を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例に係るコンクリートブロックの
切断装置を示す斜視図である。

【図２】本考案の実施例に係るコンクリートブロックの
切断装置を示す要部分解斜視図である。

【図３】本考案の実施例に係るコンクリートブロックの
切断装置のテーブルを示す平面図である。

【図４】本考案の実施例に係るコンクリートブロックの
切断装置のテーブルを示す断面図である。

【図５】本考案の実施例に係るコンクリートブロックの
切断装置のカッタ機を他の切断に用いた一例を示す図で
ある。

【図６】コンクリートブロックの一例を示す平面図
（ａ）及び正面図（ｂ）である。

【図７】コンクリートブロックの構築例を示す図であ
る。

【符号の説明】

１ コンクリートブロック ２ 表面部 １０ 機枠 １１ 接地枠 １２ 立設枠 １３ 支柱 ２０ カッタ機 ２２ カッタ ２６ ネジ穴 ３０ スライダ ３１ 取付体 ３３ ガイド体 ４０ フランジ ４７ ゴム板 ５０ テーブル ６０ 冷却水送給装置

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 接地される接地枠及び接地枠に立設され
   る立設枠からなる機枠と、手持ち操作で使用できコンク
   リートブロックを切断する円盤状のカッタを有したカッ
   タ機と、立設枠に設けられカッタ機を摺動可能に支持す
   るスライダと、接地枠に設けられコンクリートブロック
   を位置決めするテーブルとを備えたことを特徴とするコ
   ンクリートブロックの切断装置。
2. 【請求項２】 上記スライダは、上記カッタ機の部品を
   止めるためのネジ穴を用いて該カッタ機を着脱可能に取
   付ける取付体と、立設枠に架設され上記取付体を摺動可
   能にガイドするガイド体とを備えて構成されていること
   を特徴とする請求項１記載のコンクリートブロックの切
   断装置。
3. 【請求項３】 上記スライダは、立設枠に対して着脱可
   能に形成されるとともに、スライダを他の取付物に取付
   けるためのフランジを備えたことを特徴とする請求項２
   記載のコンクリートブロックの切断装置。
4. 【請求項４】 上記カッタ機のカッタの切断部に冷却水
   を送給する冷却水送給装置を設けたことを特徴とする請
   求項１，２または３記載のコンクリートブロックの切断
   装置。