JPH0717424Y2 - 洗浄装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は切削加工部品等の部品を洗浄液に浸漬して洗浄
する洗浄装置に関する。

歯車や回転軸などの切削加工部品に切粉等が付着する
と、次の工程において工作機械にクランプする際、切粉
等がクランプ等に挟まり、加工精度の不良を誘発する原
因となる。このため各工程間には部品を洗浄する洗浄装
置が設けられている。

洗浄装置は、例えば実開昭62-24986号公報に開示される
ように、部品を支承する部品支持部を洗浄液内に浸漬し
た状態でエアシリンダ等の昇降駆動装置によって上下動
させることにより部品を洗浄させるものや、実開昭62-1
99189号公報に示されるように部品支持部を上下動させ
つつ回転駆動させて洗浄液を撹拌して洗浄効率の向上を
図ったものが提案されている。

（考案が解決しようとする課題） 従来例に開示した前者実開昭62-24986号公報に開示され
る洗浄装置にあっては、部品を洗浄液内で上下動させる
だけであり、洗浄液を効率良く撹拌して部品に付着した
切粉等を除去するには充分なものではない。また後者実
開昭62-199189号公報に開示される洗浄装置にあって
は、洗浄液内で部品を上下動するとともに回転付与する
ことにより洗浄液の撹拌をより良好なものとしている
が、構造が複雑になり製造コストの高騰を招く等の不具
合がある。

従って本考案の目的は構造が簡単で製造コストの低減が
得られ、更に洗浄効果の向上が得られる洗浄装置を提供
することにある。

（課題を解決するための手段） 上記目的を達成する本考案の洗浄装置は、基台と、基台
に設けられた洗浄液を収容する洗浄槽と、基台に取り付
けられたエアシリンダによって作動する昇降駆動装置
と、上端が昇降駆動装置に支持され、かつ下端に被洗浄
物を支承する支承部を有する略円柱状の洗浄物支承部材
とを有し、昇降駆動装置によって洗浄物支承部材に支承
したて被洗浄物を洗浄液内へ浸漬させた状態で上下動し
て洗浄する洗浄装置において、洗浄物支承部材の上端を
回動自在に昇降駆動装置に支持する回動支持部と、洗浄
物支承部材の外周面に形成した螺旋状溝と、洗浄物支承
部材に形成した螺旋状溝と嵌合する係合部を具備し、か
つ基台に固設された回転付与部とを有するものである。

（作用） 昇降駆動装置によって洗浄物支承部材を上下動すると、
洗浄物支承部材に形成した螺旋状溝と嵌合する回転付与
部に形成した係合部によって洗浄物支承部材が回転駆動
されることにより、洗浄物が上下動しつつ回転駆動され
る。

（実施例） 以下、本考案における洗浄装置の一実施例を第１図及び
第２図によって説明する。

第１図は本実施例を示す概略側面図であり第２図はその
正面図である。

図中符号１は基台であり、基台１の側部には洗浄液を収
容する洗浄槽２が設けてある。更に基台１の上部にはエ
アシリンダ3a,エアシリンダ3aによって出没駆動される
ピストン3b及びピストン3bの先端に一端が取り付けら
れ、ピストン3bの出没によって基台１に設けられた案内
部材1aに沿って上下動する連結部材3cから構成される昇
降駆動装置３が設けられている。

連結部材3cの他端には回動支持部3d、例えばベアリング
等により略円柱状の洗浄物支承部材４の上端4aが回動自
在に支持されている。洗浄物支承部材４の下端には被洗
浄物を吊り下げ支承する鉤状の支承部4bが設けてある。
更に洗浄物支承部材４の外周面には螺旋状の溝4cが形成
されている。

基台１の上端に前記洗浄物支承部材４に形成した螺旋状
溝4cと嵌合する係合部5aを有する回転付与部５が取り付
けてある。係合部5aは第３図に示すように洗浄物支承部
材４に形成した螺旋状溝4cに係合する突起部5a′を設け
た貫通孔により構成、または第５図に示すように螺旋状
溝4cを断面略半円状に形成し、かつ係合部5aに球６の収
容部5a″を形成して、球６を介在させ、洗浄物支承部材
４と係合するように構成して相互の摩擦抵抗の低減を図
るよう形成する。または既存のボールネジを利用しても
よい。

このように洗浄装置を構成することにより、作動装置
（図示せず）によりエアシリンダ3aを縮退せしめること
により洗浄物支承部材４は回転付与部５により回動しつ
つ洗浄液内を降下し、支承部4bが破線4b′で示すまで達
して停止する。またエアシリンダ3aを伸長作動すること
により洗浄物支承部材４が逆方向へ回転しつつ上昇し元
の位置に復帰して停止する。従って支承部4bに吊下した
被洗浄物ｗ、例えば切削加工した歯車は撹拌された洗浄
液内で洗浄され、切粉等が充分に除去される。更に洗浄
液より上方へ持ち上げられた位置においても洗浄物支承
部材４を回転させることにより被洗浄物に付着した洗浄
液の液切りが施される。この際、洗浄槽２の上方に洗浄
物支承部材４の周囲を覆って洗浄液の飛散を防止するカ
バー（図示せず）を設けることが望ましい。洗浄物支承
部材４の周囲に形成される螺旋状溝4cのピッチを下方に
おいて小とすることにより、液切れ時の回転速度を大で
き、液切れ効率の向上を図ることも可能である。

（効果） 以上のように構成した洗浄装置によれば、エアシリンダ
等による昇降駆動装置によって洗浄物支承部材を上下動
することにより、洗浄物支承部材に形成した螺旋状溝と
係合する回転付与部によって洗浄物支承部材が回転駆動
され、被洗浄物を上下動させつつ回転駆動させるので充
分な洗浄液の撹拌が得られ被洗浄物の洗浄が充分に達成
される。この際、駆動源はエアシリンダのみであり、電
源等を用いることなく、小型で容易に設置でき、構造が
簡単で装置の管理が簡素でしかも製造コストの低減が図
れる等実用的効果大なるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の洗浄装置の一実施例を説明する側面
図、第２図は同じく正面図、第３図及び第４図は第１図
における構成の異なるA-A線に沿う断面図である。 １……基台、２……洗浄槽、３……昇降駆動装置、3d…
…回動支持部、４……洗浄物支承部材、4a……上端、4b
……支承部、4c……螺旋状溝、５……回転付与部、5a…
…係合部、ｗ……被洗浄物。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 実開 昭62−199189（ＪＰ，Ｕ) 実開 平１−163488（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭58−156582（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭58−156583（ＪＰ，Ｕ) 特公 昭36−17687（ＪＰ，Ｂ１) 特公 昭49−18698（ＪＰ，Ｂ１) 特公 昭51−792（ＪＰ，Ｂ２) 実公 昭45−3974（ＪＰ，Ｙ１) 実公 昭48−37080（ＪＰ，Ｙ１) 実公 平３−90682（ＪＰ，Ｙ２)

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】基台と、基台に設けられた洗浄液を収容す
   る洗浄槽と、基台に取り付けられたエアシリンダによっ
   て作動する昇降駆動装置と、上端が昇降駆動装置に支持
   され、かつ下端に被洗浄物を支承する支承部を有する略
   円柱状の洗浄物支承部材とを有し、昇降駆動装置によっ
   て洗浄物支承部材に支承したて被洗浄物を洗浄液内へ浸
   漬させた状態で上下動して洗浄する洗浄装置において、
   洗浄物支承部材の上端を回動自在に昇降駆動装置に支持
   する回動支持部と、洗浄物支承部材の外周面に形成した
   螺旋状溝と、洗浄物支承部材に形成した螺旋状溝と嵌合
   する係合部を具備し、かつ基台に固設された回転付与部
   とを有することを特徴とする洗浄装置。