JPH07173567A - 切削性に優れた鍛造用アルミニウム合金 - Google Patents

切削性に優れた鍛造用アルミニウム合金

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JPH07173567A
JPH07173567A JP32181493A JP32181493A JPH07173567A JP H07173567 A JPH07173567 A JP H07173567A JP 32181493 A JP32181493 A JP 32181493A JP 32181493 A JP32181493 A JP 32181493A JP H07173567 A JPH07173567 A JP H07173567A
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JP
Japan
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machinability
weight
alloy
cutting
aluminum alloy
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JP32181493A
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English (en)
Inventor
Yoshio Watanabe
良夫 渡辺
Teruo Uno
照生 宇野
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Sumitomo Light Metal Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Light Metal Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 旋盤やドリル等による切削に対応しうる快削
性アルミニウム合金であり、冷間鍛造後に熱処理が施さ
れる自動車部品や電気機器部品に好適なアルミニウム合
金を提供する。 【構成】 Cu:1.0〜5.0重量%、Mg:0.2
〜3.0重量%、Si:0.2〜4.0重量%、Fe:
0.1〜0.9重量%、Mn:0.1〜0.8重量%、
V:0.1〜0.5重量%を含み、残部がアルミニウム
と不純物とからなり、10〜80%の加工度による冷間
鍛造の後に実施される熱処理において再結晶し、その平
均粒径が20〜100μmであることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は旋盤やドリル等による切
削に対応しうる快削性アルミニウム合金であり、冷間鍛
造後に熱処理が施される自動車部品や電気機器部品に好
適なものである。
【0002】
【従来の技術】アルミニウム合金の切削加工において
は、切削時に切り屑が連続し、切り屑処理のための工程
が必要となることや、製品外周を旋盤で切削加工を行う
際に製品コーナー部に生成するバリや多数の穴あけ加工
を行う際にドリル孔周囲に生成するバリを除去するため
の工程が必要となることで問題となる場合が多くなって
いる。これらの問題を解決するため、Sn,Pb,Bi
等の低融点元素を含有した快削合金が提案されている。
低融点元素やその金属間化合物をアルミニウムマトリッ
クス中に分散させると、切削加工の際に切り屑の微細化
が促進され、切り屑処理性の向上とバリ抑制の効果がも
たらされるためである。
【0003】しかし、最近では生産性を向上させるため
に切削速度を増加させたり、切削加工の自動化を行う傾
向にあり、単に低融点元素を添加しただけでは、切り屑
の微細化やバリの抑制が困難になる場合が多くなってい
る。このため、低融点元素を添加した上で冷間鍛造前の
金属組織の微細化を実施し、低融点元素や他の合金元素
によって形成される金属間化合物のサイズや分布を調整
することによって切削性を向上させることが提案されて
いる。しかし、金属間化合物のサイズや分布は材料に施
される冷間鍛造の条件によって変化し、この方法でも必
ずしも切削性が向上するとはいえない。
【0004】また、低融点元素の添加量が多いと、材料
の鍛造性が損なわれるという問題がある。上記のように
低融点元素の添加は切削性を向上させる上で、必ずしも
十分な手段ではなく、添加量によっては対象とする製品
に必要な他の性能を阻害する。また、鍛造前のミクロ組
織の制御によって切削性を向上させる方法については、
冷間鍛造条件でミクロ組織が大きく変化することを考慮
していないため、切削性を向上させる手段としては不十
分である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は対象とする製
品に必要な性能を阻害せず、しかも冷間鍛造条件によっ
て切削性が大きく変化しない性能を有する切削性に優れ
たアルミニウム合金を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するため鋭意検討した結果、合金成分を選択し、その
含有量範囲を定め、かつ結晶粒径範囲を定めることによ
り、上記目的が達成されるとの知見を得た。本願の第一
の発明は、Cu:1.0〜5.0重量%、Mg:0.2
〜3.0重量%、Si:0.2〜4.0重量%、Fe:
0.1〜0.9重量%、Mn:0.1〜0.8重量%、
V:0.1〜0.5重量%を含み、残部がアルミニウム
と不純物とからなり、10〜80%の加工度による冷間
鍛造の後に実施される熱処理において再結晶し、その平
均粒径が20〜100μmであることを特徴とする快削
性鍛造用アルミニウム合金である。又、本願の第二の発
明は、Cu:1.0〜5.0重量%、Mg:0.2〜
3.0重量%、Si:0.2〜4.0重量%、Fe:
0.1〜0.9重量%、Mn:0.1〜1.0重量%、
V:0.1〜0.7重量%を含み、且つSn:0.1〜
0.6重量%、Pb:0.2〜0.8重量%、Bi:
0.2〜0.8重量%の内2種類以上を含み、残部がア
ルミニウムと不純物とからなり、10〜80%の加工度
による冷間鍛造の後に実施される熱処理において再結晶
し、その平均粒径が10〜100μmであることを特徴
とする快削性鍛造用アルミニウム合金である。
【0007】上記合金成分の添加意義とその含有量の限
定理由及びその再結晶粒径の限定理由は次のとおりであ
る。 Mn,V:これらの元素は冷間鍛造後の熱処理で形成さ
れる再結晶粒径を制御するために添加されるが、下限未
満では再結晶粒径の限定範囲よりも結晶粒径が大きくな
り、上限を越えると限定範囲よりも結晶粒径が小さくな
る。 Cu,Mg,Si:これらの元素は熱処理の際にアルミ
ニウムマトリックス中に微細に析出して材料強度を高
め、切削性を向上させると共に対象とする製品に必要な
強度を与えるために添加されるが、下限未満では強度が
不足して良好な切削性が得られず、上限を越えると鍛造
性を損なう。
【0008】Fe:Feはアルミニウム中に化合物を形
成し、切削性を向上させる作用が有るが、下限未満では
その作用が得られず、上限を越えると、鍛造性を損な
う。 Sn,Pb,Bi:これらの低融点元素は、前記のとお
り、切削性を向上させるために添加されるが、下限未満
ではその効果が小さく、上限を越えると、鍛造性が著し
く損なわれる。
【0009】結晶粒径:従来の研究では再結晶粒径と切
削性の関係はほとんど明らかにされていないが、本発明
に至る研究の過程で、冷間鍛造後に実施される熱処理で
形成される再結晶粒が切削性に顕著な影響を及ぼすこと
が明らかとなった。すなわち、結晶粒界は材料内で極め
て脆い領域であり、切削加工の際はこの領域を起点とし
て、切り屑やバリが分断されることが多いため、再結晶
粒径を適切に制御することによって切削性が著しく向上
することを見出した。しかし、低融点元素Sn,Pb,
Biが添加されない場合、再結晶粒径が20μm未満で
は切削性の向上は認められず、100μmを越えると再
結晶粒の異方性によって切削加工面の精度が著しく低下
する。また、低融点元素が本発明の限定範囲内で添加さ
れる場合、再結晶粒径が10μm未満では切削性の向上
は認められず、100μmを越えると再結晶粒の異方性
によって切削加工面の精度が著しく低下する。
【0010】
【実施例】次に実施例によって本発明をさらに詳細に説
明する。 実施例1 表1に示した化学成分を有する合金を常法に従って径6
5mmの棒に鋳造し、この鋳造棒を480℃で6時間で
均質化処理したのち、390℃で4時間軟化処理を施し
た後、長さ100mmに切断して長さ方向に15,5
0,75%冷間で圧縮した。これに熱処理(T6処理:
500℃で2時間加熱、水冷、175℃で8時間加熱を
施した後、径60mm、厚み25mmに成形し、下記要
領で切削性を調査した。切削性の試験結果を各素材の再
結晶粒径と共に表2に示す。
【0011】<切削試験> (1)旋盤切削試験 径60mm、厚み25mmの試験片を各合金の各加工度
で3個準備し、円周面を下記条件で10回切削し、1g
あたりの切り屑の数で切削性を評価した。
【0012】切削試験条件 試験片回転数 3000rpm 切込み 0.2mm 0.02mm 工具 超硬バイト (2)ドリル切削試験 上記試験に供した試験片の底面中心部に下記条件でドリ
ル孔あけ加工を施し、ドリル出側に生成するバリの高さ
と切削加工面の面粗度で切削性を評価した。
【0013】切削試験条件 ドリル回転数 1200rpm 送り 2.5mm/s 工具 標準ドリル 表1中、No.1〜5は本願の第一の発明の実施例であ
り、No.6〜10は比較例である。
【0014】実施例No.1〜5は化学成分、再結晶粒径
が本願発明の限定を満たすため、旋盤切削、ドリル切削
共に良好である。これに対して、比較例No.6はCu,
Mg量が多いため、50%以上の圧縮加工で著しい割れ
が発生し、切削性の評価は不可能であった。鍛造性に問
題のある合金である。No.7はSi,Fe量が少ないた
め、旋盤切削加工で切り屑で連続し、またドリル切削加
工では明らかなバリが生成した。No.8,9はそれぞれ
Mn,V量が少ないため、再結晶粒が大きく、旋盤切削
では切り屑が微細化されたが、ドリル切削では面粗度が
著しく大きくなった。No.10はV,Mn量が多いた
め、圧縮加工度が50%以上で再結晶粒が小さくなり、
旋盤切削で切り屑が連続すると共に、ドリル加工では大
きなバリが生成した。
【0015】実施例2 表3に示す合金を用い、実施例1と全く同じ方法で切削
性を評価した。切削性の評価試験結果を表4に示す。表
3中、No.1〜3は本願の第二の発明の実施例であり、
No.4〜7は比較例である。実施例No.1〜3は化学成
分、再結晶粒径が本発明の限定を満たすため、旋盤切
削、ドリル切削共に良好である。
【0016】これに対して、比較例No.4は、再結晶粒
径は限定範囲を満たすものの、Sn,Pn量が少ないた
め、旋盤切削では切り屑が連続し、ドリル切削では大き
なバリが生成した。No.5はPb,Bi量が多いため、
50%以上の圧縮加工で著しい割れが発生し、切削性の
評価は不可能であった。鍛造性に問題のある合金であ
る。No.6はMn,V量が少ないため、再結晶粒が大き
く、ドリル切削加工後の面粗度が著しく大きくなった。
No.7はMn,V量が多いため、圧縮加工度が50%以
上で再結晶粒が小さくなり、旋盤切削で切り屑が連続す
ると共に、ドリル加工では大きなバリが生成した。これ
ら実施例および比較例によって明らかなように、本発明
のアルミニウム合金は、本願発明の合金成分、その含有
量範囲及びその結晶粒径の範囲から、その一以上が逸脱
するものと比較して、良好な耐摩耗性や硬さを維持しつ
つ、切削性、鍛造性に顕著な効果を奏するものである。
【0017】
【表1】
【0018】
【表2】
【0019】
【表3】
【0020】
【表4】
【0021】
【表5】
【0022】
【発明の効果】以上のように、本発明の鍛造用アルミニ
ウム合金は、自動車部品や電器部品等に使用されたと
き、その諸性能を損なうことなく切削性を大幅に向上で
きるものであり、生産性の向上に寄与するものである。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Cu:1.0〜5.0重量%、Mg:
    0.2〜3.0重量%、Si:0.2〜4.0重量%、
    Fe:0.1〜0.9重量%、Mn:0.1〜0.8重
    量%、V:0.1〜0.5重量%を含み、残部がアルミ
    ニウムと不純物とからなり、10〜80%の加工度によ
    る冷間鍛造の後に実施される熱処理において再結晶し、
    その平均粒径が20〜100μmであることを特徴とす
    る快削性鍛造用アルミニウム合金。
  2. 【請求項2】 Cu:1.0〜5.0重量%、Mg:
    0.2〜3.0重量%、Si:0.2〜4.0重量%、
    Fe:0.1〜0.9重量%、Mn:0.1〜1.0重
    量%、V:0.1〜0.7重量%を含み、且つSn:
    0.1〜0.6重量%、Pb:0.2〜0.8重量%、
    Bi:0.2〜0.8重量%の内2種類以上を含み、残
    部がアルミニウムと不純物とからなり、10〜80%の
    加工度による冷間鍛造の後に実施される熱処理において
    再結晶し、その平均粒径が10〜100μmであること
    を特徴とする快削性鍛造用アルミニウム合金。
JP32181493A 1993-12-21 1993-12-21 切削性に優れた鍛造用アルミニウム合金 Pending JPH07173567A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0761834A1 (en) * 1995-08-24 1997-03-12 KAISER ALUMINUM & CHEMICAL CORPORATION Lead-free 6000 series aluminium alloy
JP2009034739A (ja) * 2007-07-31 2009-02-19 Nippon Foil Mfg Co Ltd ドリルによる穴あけ加工に用いるエントリーシート

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EP0761834A1 (en) * 1995-08-24 1997-03-12 KAISER ALUMINUM & CHEMICAL CORPORATION Lead-free 6000 series aluminium alloy
US5810952A (en) * 1995-08-24 1998-09-22 Kaiser Aluminum & Chemical Corporation Lead-free 6000 series aluminum alloy
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