JPH0717320B2 - エレベ−タの運転装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この発明は、単一の呼び登録に応答して運転されるエレ
ベータの運転装置の改良に関するものである。

［従来の技術］ 通常荷物運搬を主体としているエレベータにおいては、
かご内に荷物を積載して昇降している際に、他階床にお
ける乗場呼び登録に応答しても、その他階床からは運搬
目的の荷物を到達したかご内へ積載する事は出来ない。
このような理由から、乗場呼び登録あるいはかご呼び登
録に応じて運転されるエレベータの運転効率が、最も良
いとされる方法は単一の呼び登録のみに応答して運転さ
れるものであった。

従来、上記のような方法でエレベータを運転する装置と
しては、第２図に示すものであった。

図中、（＋）（−）は直流電源、（１）〜（４）はかご
操作盤の１階〜４階のかご呼登録ボタン、（５）〜
（８）はそれぞれ１階〜４階のかご及び乗場の共通呼登
録リレーで、（5a）〜（8a），（5b）〜（8b），（5c）
〜（8c）は前記１階〜４階の共通呼登録リレー（５）〜
（８）の常開接点、（９）〜（12）は１階〜４階の乗場
呼登録ボタン、（13）は共通呼登録リレー（５）〜
（８）のいずれか付勢された時付勢される呼登録検出リ
レー、（13a）〜（13d）は呼登録検出リレー（13）の常
閉接点、（14）は戸閉待機中動作する待機検出リレー
（図示せず）の常開接点、（15）は呼登録打消リレー
（図示せず）の常閉接点である。

次に上記構成に基づいて従来装置の動作を説明する。

今、１階でかごに乗り込み、３階のかご呼登録ボタン
（３）を押すと、（＋）−（３）−（13c）−（７）−
（−）の回路により共通呼登録リレー（７）が付勢され
る。その結果、共通呼登録リレー（７）の常開接点（7
a），（7b），（7c）は（＋）−（15）−（7a）−（7
b）−（７）−（−）の回路が自己保持回路を形成する
ので閉成状態を保ち、又上記接点（7c）が閉成状態とな
った結果、常閉接点（13a）〜（13d）は（＋）−（7c）
−（13）−（−）の回路によって開放する。

従って、かご呼登録ボタン（１）〜（４）回路及び乗場
呼登録ボタン（９）〜（12）回路は呼登録打消リレー接
点（15）の開放までその機能は無効となる。

故に、他階床からの乗場呼登録そしてかご呼登録は現在
走行中のかごが３階に到着以降に有効となる。

［発明が解決しようとする問題点］ 従来のエレベータの運転装置は以上のように構成されて
いるので、かご内の荷物取り扱い者が行先階床を変更し
ようとしても、最初に登録されたかご呼登録にエレベー
タが応答した後に、再度希望のかご呼登録ボタンを押さ
なければ行先階床の変更はできないという問題点があっ
た。

この発明は上記のような問題点を解消するためになされ
たもので、エレベータのかご内の荷物取り扱い者がかご
呼登録ボタンを操作してかごが走行中のとき、その行先
き階床を変更するために、他のかご呼登録ボタンが操作
されてもこれを受付けてかご呼登録することのできるエ
レベータの運転装置を得ることを目的とする。

［問題点を解決するための手段］ この発明に係るエレベータの運転装置は、エレベータの
かご内に設けたかご呼登録ボタンと、該かご呼登録ボタ
ンに応答して行先き階床を登録するとともに、他の呼登
録を無効とするかご呼登録回路と、上記かご呼登録に応
答して目的階床へ向うエレベータの走行を検出する走行
検出回路と、走行検出時に、他のかご呼登録の受付を有
効とする走行時かご呼登録受付回路と、上記かご呼登録
回路によって登録されたかご呼登録、又は上記走行時か
ご呼登録受付回路によって追加登録されたかご呼登録
に、エレベータが応答して目的階で停止すると、それま
でに登録された全てのかご呼登録を打消す呼登録打消回
路とを備えたものである。

［作用］ この発明において、所定階でかごに乗り込み、かご呼登
録ボタンによって行先き階床を登録すると、この時点で
は他の呼登録が無効となる。しかし、エレベータが上記
かご呼登録に応答して目的階床へ向け走行を開始し、走
行を開始したことが検出されると、走行時かご呼登録受
付回路が他のかご呼登録も受付け可能な状態にする。こ
の状態でかご内の荷物取り扱い者が行先き階床を変更す
るために他のかご呼登録ボタンを押すと、このかご呼登
録ボタンによる行先き階床も登録される。かご呼登録ボ
タンによる行先き階床の登録が複数になると、エレベー
タはまず登録された複数の行先き階床のうち、走行方向
の手前側に位置する行先き階床に停止する。エレベータ
が停止すると、呼登録打消回路は、それまでに登録され
た全てのかご呼登録を打消し、その停止階以外にかご呼
登録されていた他の階へエレベータが応答できないよう
にする。

すなわち、この発明は、かご呼登録ボタンによって変更
する行先き階床が、先にかご呼登録した行先き階床より
も走行方向の手前側に位置していれば、どの階床への変
更も可能となり、また変更した階床以外にかご呼登録さ
れた階床への無駄な走行もないので、荷物運搬を主体と
しているエレベータ、換言すれば単一の呼登録のみに応
答して運転されるエレベータにおいても複数のかご呼登
録の受付を有効とすることができる。

［実施例］ 以下、この発明の一実施例を第１図に基づいて説明す
る。図中第２図と同一符号は同一又は相当部分を示す。
図中、（16）は走行中動作する走行リレー（図示せず）
の常閉接点である。

次に動作について説明する。

１階でかごに乗り込み、４階のかご呼を登録すると
（＋）−（４）−（13d）−（８）−（−）の回路によ
り、４階の共通呼登録リレー（８）が付勢され、その接
点（8a），（8b），（8c）は閉成する。接点（8a），
（8b）が閉成すると（＋）−（15）−（8a）−（8b）−
（８）−（−）の回路により、共通呼登録リレー（８）
は、呼登録打消リレー接点（15）が開放するまで付勢状
態を自己保持する。接点（8c）が閉成すると、（＋）−
（8c）−（16）−（13）−（−）の回路により、呼登録
検出リレー（13）が付勢され、その接点（13a）〜（13
d）が開放し、かご呼登録ボタン（１）〜（４）及び乗
場呼登録ボタン（９）〜（12）では、共通呼登録リレー
が付勢出来ないようになっている。

しかして、エレベータが走行を開始すると、走行リレー
（図示せず）が付勢されて、その接点（16）は開放す
る。そして、この時、荷扱い者が行先階床を４階より３
階へ変更する場合は以下のように回路を動作する。

即ち、接点（16）の開放により、呼登録検出リレー（1
3）の付勢は解かれて上記検出リレー（13）の常閉接点
（13a）〜（13d）は閉成状態に戻り、又上記常閉接点中
（13c）の閉成により、押下されたかご呼登録ボタン
（３）を含む（＋）−（３）−（13c）−（７）−
（−）の回路で共通呼登録リレー（７）が付勢される。
該登録リレー（７）が付勢されると同時に、その常開接
点（7a），（7b）は閉成され、（＋）−（15）−（7a）
−（7b）−（７）−（−）の回路で自己保持回路が形成
される。これにより、共通呼登録リレー（７）は呼登録
打消リレー接点（15）が開放するまで付勢状態を保つ。

このように３階の共通呼登録リレー（７）が付勢された
ことにより、最初の目的階の４階から３階へ行先を変更
したことになり３階へ停止すると、呼登録打消リレー接
点（15）が開放する為、共通呼登録リレー（７）及び
（８）を消勢される。尚（９）〜（12）の１階〜４階の
乗場呼登録ボタンは、（＋）−（14）−（９）［又は
（10）〜（12）］−（13a）［又は（13b）〜（13d）］
−（５）［又は（６）〜（８）］−（−）の回路に待機
検出リレー（図示せず）の常開接点（14）がある為、走
行中この回路で共通呼登録リレー（５）〜（８）を付勢
することはできず各階床の乗場呼登録を一時無効にし得
る。

［発明の効果］ 以上述べたように、この発明によれば、エレベータのか
ご内の荷物取り扱い者がかご呼登録ボタンを操作してか
ごが走行中のとき、その行先き階床を変更するために、
他のかご呼登録ボタンが操作されてもこれを受付け、登
録された階床で停止すると、この停止階及びそれまでに
登録された全てのかご呼登録を打消すようにしたので、
かご呼登録ボタンによって変更する行先き階床が、先に
かご呼登録した行先き階床よりも走行方向の手前側に位
置していれば、どの階床への変更も可能となり、また変
更した階床以外にかご呼登録された階床への無駄な走行
もなく、荷物運搬を主体としているエレベータ、すなわ
ち単一の呼登録のみに応答して運転されるエレベータに
おいても、複数のかご呼登録の受付を有効とすることが
できるという効果がある。

また、複数のかご呼登録の受付を有効としたことによ
り、例えば後からかご呼登録をした階床が既に通過した
階床であった場合でも、先にかご呼登録した行先き階床
が目的階として存在しているため、エレベータは混乱す
ることなく、目標を失わずに目的階に到達でき、制御が
安定するという効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の一実施例によるエレベータの運転装
置を示す回路図、第２図は従来のエレベータの運転装置
を示す回路図である。 図において、（１）〜（４）は１階〜４階のかご呼登録
ボタン、（５）〜（８）は１階〜４階の共通呼登録リレ
ー、（13）は呼登録検出リレー、（15）は呼登録打消リ
レーの常閉接点、（16）は走行リレーの常閉接点。 なお、図中、同一符号は同一又は相当部分を示す。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】エレベータのかご内に設けたかご呼登録ボ
   タンと、 該かご呼登録ボタンに応答して行先き階床を登録すると
   ともに、他の呼登録を無効とするかご呼登録回路と、 上記かご呼登録に応答して目的階床へ向うエレベータの
   走行を検出する走行検出回路と、 走行検出時に、他のかご呼登録の受付を有効とする走行
   時かご呼登録受付回路と、 上記かご呼登録回路によって登録されたかご呼登録、又
   は上記走行時かご呼登録受付回路によって追加登録され
   たかご呼登録に、エレベータが応答して目的階で停止す
   ると、それまでに登録された全てのかご呼登録を打消す
   呼登録打消回路とを備えたことを特徴とするエレベータ
   の運転装置。