JPH0717291Y2 - 医療検査用頭部固定具 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、医療検査時に、患者の頭部を固定して動かな
いようにし、検査の精度を上げるようにした頭部固定具
に関するものである。

（従来の技術） 医療用検査、例えば、Ｘ線CT、γカメラ、あるいはNMR
装置等を使用して検査する場合は、患者が静止の状態に
あることが必要で、特に、時間のかかる検査の場合、患
者が動くことによって正しい検査ができないことがあ
る。中でも、精神障害等各種脳疾患を持つ患者は、意識
障害による体動、ふるえなどを自分の意思で抑制するこ
とができないから、検査時は何らかの固定具が必要であ
る。

従来、このような場合の固定方法としては、せいぜい頭
部をその載置台にテープなどで止める程度であった。

（考案が解決しようとする課題） しかしながら、その程度の固定では、十分でなく、検査
途中で患者が動き、そのため検査を最初からやり直すケ
ースがしばしばあった。

本考案は、上記従来の問題点を解決するもので、頭部を
確実に固定し、しかも個人差のある頭頸部の大きさに応
じて押え部材を容易に変更できる医療検査用頭部固定具
を提供するものである。

（課題を解決するための手段） 本考案の頭部固定具は、後頭部を載置する固定座台を備
えたベースシェルと、このベースシェルにそれぞれマジ
ックテープ（登録商標）により連結され、左側前頭部及
び左側頬骨部を押える第１の調整シェル、右側前頭部及
び右側頬骨部を押える第２の調整シェルとから構成され
る。

（作用） 固定座台に後頭部を載せ、第１及び第２の調整シェルを
左右の前頭部及び頬骨部に当ててその両シェル間を前頭
部においてマジックテープ（登録商標）により互いに締
結することにより頭部を確実に固定することができる。

（実施例） 以下、図面を参照して実施例を詳細に説明する。第１図
は、本考案の一実施例を示したもので、頭部を固定した
状態を示している。第１図において、１は後頭部を載置
する固定座台を備えたベースシェル、２及び３は、それ
ぞれベースシェル１にマジックテープ（登録商標）4,5
により連結され、左右の前頭部及び頬骨部を押える第１
及び第２の調整シェル、６は第１及び第２の調整シェル
2,3間を前頭部において互いに締結するマジックテープ
（登録商標）である。

第２図は、第１図の頭部定具をさらに詳細に示したもの
で、７はベースシェル１に設けられ後頭部を載置する固
定座台であり、ポリスチレンから構成されている。また
8,9は第１及び第２の調整シェル2,3に設けられた固定マ
ットで、ポリウレタンから構成されている。この固定マ
ット8,9は、図示していないが、調整シェルの内面にマ
ジックテープ（登録商標）で容易に着脱可能に取付けら
れており、患者の頭部の大きさに応じた固定マットに取
り替えられる。第２図（ｂ）で、マジックテープ（登録
商標）６を外せば、第１及び第２の調整シェル2,3が左
右に開くことは言うまでもない。

以上のように構成された本実施例では、固定座台７に後
頭部を載せ、第１及び第２の調整シェル2,3を左右の前
頭部及び頬骨部に当ててその両シェル間を前頭部におい
てマジックテープ（登録商標）６により互いに締結すれ
ば、頭部は確実に固定される。特に、調整シェルによる
頬骨部の押えは、固定状態が極めて安定し、患者に安心
感を与える。

また、調整シェル2,3の固定マット8,9が着脱自在になっ
ているから、患者の頭部の大きさに応じて適切なものに
取り替えができると共に、消毒の点でも極めて便利であ
る。

（考案の効果） 以上説明したように、本考案によれば、医療検査時にお
いて、患者の頭部を確実、かつ安定して固定することが
でき、検査の精度、信頼性を上げることができる利点が
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の一実施例の、頭部を固定した状態を
示す斜視図、第２図は、同断面図である。 １……ベースシェル、2,3……調整シェル、4,5,6……マ
ジックテープ（登録商標）、７……固定座台、8,9……
固定マット。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】後頭部を載置する固定座台を備えたベース
   シェルと、該ベースシェルにそれぞれマジックテープ
   （登録商標）により連結され、左側前頭部及び左側頬骨
   部を押える第１の調整シェル、右側前頭部及び右側頬骨
   部を押える第２の調整シェルとからなり、第１及び第２
   の調整シェルを前頭部においてマジックテープ（登録商
   標）により互いに締結することにより頭部を固定するこ
   とを特徴とする医療検査用頭部固定具。