JPH0717277B2 - タイルの匣鉢詰め、匣鉢出し装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、成形したタイル素地を焼成のために匣鉢へ収
容する匣鉢詰めまたは焼成済みのタイルを匣鉢から取り
出す匣鉢出しに使用する装置に関する。

従来の技術及び発明が解決しようとする問題点 タイル素地を匣鉢に収容する匣鉢詰めは、匣鉢詰め位置
を中央にしてその一側にタイル素地を、他側に匣鉢を、
夫々、匣鉢詰め位置から等距離の位置に搬入し、タイル
保持装置と匣鉢保持装置とを、匣鉢詰め位置から両搬入
位置までの間隔と等間隔で下面に取付けた移動体を、タ
イル保持装置がタイル素地搬入位置に、匣鉢保持装置が
匣鉢詰め位置に、夫々、対応する位置と、タイル保持装
置が匣鉢詰め位置に、匣鉢保持装置が匣鉢搬入位置に、
夫々、対応する位置との、２位置間を往復運動させるこ
とにより、匣鉢とタイル素地とを交互に匣鉢詰め位置に
供給して匣鉢内にタイル素地を収容しつつ多段に積み上
げる方法が一般に行なわれており、また、焼成済みのタ
イルを匣鉢から取り出す匣鉢出しは、匣鉢出し位置を中
央にしてその一側にタイルの搬出位置を、他側に匣鉢の
搬出位置を夫々設け、下面にタイル保持装置と匣鉢保持
装置を間隔を空けて取付けた移動体を往復運動させるこ
とにより、匣鉢出し位置において多段に積み上げられた
タイル入りの匣鉢の上段からタイルと匣鉢とを交互に夫
々の搬出位置へ移送する方法が一般に行なわれており、
匣鉢詰め位置または匣鉢出し位置に積み上げられた匣鉢
の最上段の高さを常に一定に保つ必要があるため、匣鉢
詰め位置においては、１枚の匣鉢にタイル素地が収容さ
れる度に１枚の匣鉢の厚さ分ずつ下降し、また、匣鉢出
し位置においては、１枚の匣鉢とその中のタイルが搬出
される毎に１枚の匣鉢の厚さ分ずつ上昇するようにした
リフタの上に積み上げるようになつているが、従来のリ
フタは、床面上に立設された油圧シリンダの上方へ突出
したピストンロツドの先端に取り付けられて、床面から
油圧シリンダの長さだけ高い位置を最下方位置として昇
降するようになつていたため、タイルや匣鉢の搬入、搬
出ラインを高い位置に敷設する必要があつて、安全上及
び保守管理上の問題点があり、これを回避するために、
床面を堀り下げて油圧シリンダを立設すると、設備コス
トが高く、また、移設が困難となる。そのため、匣鉢の
積み上げ高さを低くする方法も採用されているが、そう
すると、匣鉢詰め後の匣鉢を台車上に積み込む前に、数
本ずつの積み上げ匣鉢を１本に積み上げる作業が必要と
なり、また、匣鉢出しにおいては、台車から降した背の
高い積み上げ匣鉢を数本に分割する作業が必要となつ
て、余分な設備及び工数を要する欠点があつた。

問題点を解決するための手段 上記の問題点を解決するための手段として、本発明のタ
イルの匣鉢詰め、匣鉢出し装置は、匣鉢詰め位置または
匣鉢出し位置に、チエーンまたはワイヤ等の可撓条によ
り吊り下げられ、上下方向の案内に沿つて昇降するリフ
タを設置し、そのリフタを一回の匣鉢詰めまたは匣鉢出
しサイクル毎に匣鉢の厚さ分ずつ下降または上昇させ
て、最上段の匣鉢の高さを一定に保つ構成とした。

発明の作用及び効果 本発明は上記構成になり、匣鉢詰めの場合は、匣鉢詰め
位置において１枚の匣鉢にタイル素地が収容される度
に、可撓条で吊り下げられたリフタが案内に沿つて１枚
の匣鉢の厚さ分ずつ下降して、リフタ上に、タイル素地
を収容した匣鉢が多段に積み上げられ、匣鉢出しの場合
は、リフタ上に焼成済みのタイルを収容した匣鉢を多段
に積み上げておいて、最上段の匣鉢内のタイルとその匣
鉢が搬出される度に、リフタが１枚の匣鉢の厚さ分ずつ
上昇することにより、リフタ上に積載されたタイル入り
の匣鉢の上段から順次に匣鉢出しが行なわれるのであつ
て、リフタを可撓条で吊り下げて上下方向の案内に沿つ
て昇降させる構造としたから、リフタを床面のすぐ上ま
で下降させることができて、タイルや匣鉢の搬入、搬出
ラインを低い位置に敷設することができ、安全性が向上
するとともに保守管理も簡単となり、また、上記のよう
に、リフタが床面のすぐ上まで下降し得るから、匣鉢詰
め位置、匣鉢出し位置の高さが一定の場合、匣鉢をリフ
タ上に積み上げ高さを高くして積むことが可能となり、
匣鉢詰め後に台車に積み込む場合、あるいは、焼成後に
台車から降して匣鉢出しを行なう場合にも、背の高い積
み上げ匣鉢のまま処理することができて、作業能率が大
巾に向上する効果がある。

実施例 以下、本発明の一実施例を添付図面に基づいて説明す
る。

本実施例は匣鉢詰め位置を示し、第１図及び第２図にお
いて、床面Ｆから離れた高い位置に、釉薬を塗つたタイ
ル素地ａを載せて搬入する搬入コンベア１と、新しい匣
鉢ｂを載せて搬入する搬入コンベア２とが、上側の水平
走行部が下側へ回り込む終端の回曲部を互いに間隔を空
けて向き合わせて水平に敷設され、タイル素地ａ並びに
匣鉢ｂが夫々搬入コンベア１及び２の終端方向へ搬入さ
れてストツパ３に当つて一定位置で停止するようになつ
ており、このタイル素地ａの搬入コンベア１と匣鉢ｂの
搬入コンベア２の終端の間の床面Ｆに近い位置に、タイ
ル素地ａを収容した匣鉢ｂを多段に積み重ねて搬出する
ための、２本の無端ベルト６を間隔をあけて並列してな
る水平な搬出コンベア５が、搬入コンベア１、２の終端
の間の直下位置を始端側の回曲部として両搬入コンベア
１、２と直角方向に敷設されており、搬出コンベア５の
始端の回曲部から少し離れた位置と、搬出コンベア５の
途中を跨ぐ位置に夫々設置した門形フレーム８、８の上
端部に軸支された一対ずつの揺動アーム10、10の上端部
の間に、図示しない負圧源に接続された吸引ボツクス13
の下面に吸盤14を装着したタイル保持装置12をタイル素
地ａの搬入コンベア１側の端部に、一対の挟持板16を空
圧シリンダ17の伸縮により開閉する匣鉢保持装置15を匣
鉢ｂの搬入コンベア２側の端部に夫々吊り下げて取付け
た移動体11が水平姿勢で軸支され、モータ19の駆動力で
クランク軸20に固定した円板21を回転させることによ
り、円板21と揺動アーム10とを連結したリンク22及び駆
動レバー23を介して一対の揺動レバー10が一定角度範囲
で揺動して、移動体11が水平姿勢を保つたまま円弧形の
軌跡で往復運動し、タイル保持装置12が、タイル素地ａ
の停止位置と、この停止位置と匣鉢ｂの停止位置の中間
位置の間を、また、匣鉢保持装置15が、匣鉢ｂの停止位
置と上記の中間位置の間を、夫々交互に移動し、上記の
中間位置に、空の匣鉢ｂとタイル素地ａを交互に供給し
て多段に積み上げつつ匣鉢詰めを行なうようになつてい
る。

前記のタイル素地ａと匣鉢ｂの停止位置の中間位置の下
方には、匣鉢詰めされた匣鉢ｂを多段に積んで搬出コン
ベア５に移乗する主リフタ25が装置され、この主リフタ
25は搬出コンベア５の始端部の無端ベルト６の間を上下
に通過可能な細長い形状になり、その駆動機構は、第
３、４図に詳細に示すように、搬出コンベア５の始端部
の外側の門形フレーム８の両側の柱の対応面に、上下方
向のガイドレール28を形成した一対の縦長の案内板27が
搬出コンベア５の幅方向に間隔をおいて取付けられ、こ
の両案内板27の間に、ガイドレール28に触転するローラ
31を取付けた昇降体30が昇降自由に嵌装され、この昇降
体30の前面に前記の主リフタ25が片持ち状に取付けられ
ているとともに、前記の両案内板28の間の下方位置にお
いて搬出コンベア５の始端の外側の門形フレーム８に突
設したブラケツト33上に、油圧シリンダ34が上向きに取
付けられ、そのピストンロツド35の先端にスプロケツト
36が軸支され、一端を上記のブラケツト33に固定したチ
エーン37の他端がスプロケツト36に掛けられて昇降体30
に連結され、ピストンロツド35の伸縮により、主リフタ
25が、第２図の鎖線に示す前記の匣鉢詰めを行なう中間
位置から少し下方の位置と、同図の実線に示す搬出コン
ベア５の下面に下つた位置の間で昇降するようになつて
いる。

この主リフタ25の上方には、主リフタ25の両側を通過可
能で、匣鉢ｂの下側縁を受ける載置爪40を出し入れ可能
に取付けた一対の補助リフタ39が、別の油圧シリンダ41
の伸縮により、第２図に実線で示す上記の匣鉢詰め行な
う中間位置と、同図に鎖線で示す最上昇位置にある主リ
フタ25の下面に下つた位置の間で昇降可能に装置されて
いる。

なお、本明細書では、これ以降、タイル素地ａの停止位
置をタイル素地ａの搬入位置Ａ、匣鉢ｂの停止位置を匣
鉢ｂの搬入位置Ｂ、また、両停止位置の中間位置を匣鉢
詰め位置Ｃと夫々称する。

次に、本実施例の作動を説明する。

主リフタ25上に匣鉢詰めされた匣鉢ｂが積み上げられた
状態において、第１図に示すように、匣鉢保持装置15が
空の匣鉢ｂを挟持した状態から、移動体11がタイル素地
ａの搬入位置Ａ側へ揺動すると、匣鉢保持装置15が匣鉢
詰め位置Ｃに移動したところで挟持体16が開くことによ
つて、空の匣鉢ｂが主リフタ25に積まれた匣鉢ｂの上面
に載せられるとともに、タイル保持装置12がタイル素地
ａの搬入位置Ａに移動して吸盤14がタイル素地ａに押し
付けられて、タイル素地ａが吸着され、続いて、移動体
11が匣鉢ｂの搬入位置Ｂ側へ移動すると、タイル保持装
置12が匣鉢詰め位置Ｃに移動したところで、吸盤14の負
圧が解除されることによつてタイル素地ａが匣鉢ｂ内に
収容されるとともに、匣鉢保持装置15が匣鉢ｂの搬入位
置Ｂに移動して挟持体16が閉じることによつて次の匣鉢
ｂが挟持され、再び、移動体11かタイル素地ａの搬入位
置Ａ側へ揺動すると、匣鉢保持装置15及びタイル保持装
置12が夫々匣鉢詰め位置Ｃとタイル素地ａの搬入位置Ａ
に移動し、この間に、主リフタ駆動用の油圧シリンダ34
のピストンロツド35が匣鉢ｂの厚さの半分の寸法だけ収
縮することにより主リフタ25が匣鉢ｂの１枚の厚さ分だ
け下降し、新しい空の匣鉢ｂが先のタイル素地ａを収容
した匣鉢ｂの上面に載せられ、次の移動体11の揺動によ
りその匣鉢ｂ内に次のタイル素地ａが収容され、このく
り返しにより、主リフタ25上にタイル素地ａを収容した
匣鉢ｂが順次に積み重ねられ、匣鉢ｂが一定枚数重畳さ
れたところで主リフタ25が搬出コンベア５の下面に下が
ると、匣鉢ｂが搬出コンベア５上に移され、搬出コンベ
ア５が走行して匣鉢ｂが搬出され、続いて主リフタ駆動
用の油圧シリンダ34のピストンロツド35の伸長により、
主リフタ25が匣鉢詰め位置Ｃの少し下方の最上昇位置ま
で上昇する間は、補助リフタ39が、載置爪40を突出させ
た状態で、補助リフタ駆動用の油圧シリンダ41の収縮に
より、匣鉢詰め位置Ｃから匣鉢ｂの１枚の厚さ分ずつ下
降して、載置爪40上に匣鉢詰めされた匣鉢ｂが順次に積
み上げられ、補助リフタ39が最上昇位置に復動した主リ
フタ25の下面に下つたところで、補助リフタ39上に重畳
された匣鉢ｂが主リフタ25上に移され、これとともに載
置爪40が側方に退避し、それ以降は、前記のように主リ
フタ25が匣鉢ｂの１枚の厚さ分ずつ順次に下降して、主
リフタ25に積まれた匣鉢ｂの上段で匣鉢詰めが行なわれ
る。

なお、本実施例では、主リフタ25の昇降機構が、一端を
固定したチエーン37の他端を、門形フレーム８の下端部
に上向きに取付けた油圧シリンダ34のピストンロツド35
に軸支されたスプロケツト36に掛けて主リフタ25に連結
した構造となつているから、ピストンロツド35の伸長ま
た収縮量の２倍の距離だけ主リフタ25を上昇または下降
させることができ、伸縮ストロークの小さい油圧シリン
ダ34を用いても、主リフタ25の昇降ストロークを大きく
取ることができる。

また、匣鉢出しを行なう場合は、中央を匣鉢出し位置と
して、焼成済みのタイルを収容した匣鉢を供給し、主リ
フタ25及び補助リフタ39により匣鉢を１段ずつ上げなが
ら、最上段の匣鉢から順次に、焼成済みのタイルとタイ
ルを収容していた匣鉢とを交互に両側の搬出位置に運ぶ
ようにすれば良い。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例の正面図、第２図はその側面
図、第３図はその主リフタの駆動構造の斜視図、第４図
はその側面図である。 a:タイル素地、b:匣鉢、A:（タイル素地ａの）搬入位
置、B:（匣鉢ｂの）搬入位置、C:匣鉢詰め位置、11:移
動体、12:タイル保持装置、15:匣鉢保持装置、25:主リ
フタ、27:案内板、34:油圧シリンダ、35:ピストンロツ
ド、36:スプロケツト、37:チエーン

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】タイル素地を匣鉢内に収容する匣鉢詰め位
   置または焼成済みのタイルを匣鉢から取り出す匣鉢出し
   位置を中央にしてその一側にタイル素地の搬入位置また
   は焼成済みのタイルの搬出位置を、他側に新しい匣鉢の
   搬入位置または使用済みの匣鉢の搬出位置を、等間隔で
   夫々設置し、タイル素地または焼成済みのタイルを保持
   するタイル保持装置と新しい匣鉢または使用済みの匣鉢
   を保持する匣鉢保持装置とを前記匣鉢詰め位置または匣
   鉢出し位置と両側の前記搬入または搬出位置との間隔と
   同一の間隔を空けて下面に取り付けた移動体を、前記タ
   イル保持装置が前記タイル素地の搬入位置または前記焼
   成済みのタイルの搬出位置と前記匣鉢詰め位置または前
   記匣鉢出し位置の間を、また、前記匣鉢保持装置が前記
   新しい匣鉢の搬入位置または前記使用済みの匣鉢の搬出
   位置と前記匣鉢詰め位置または前記匣鉢出し位置の間
   を、夫々、交互に移動して、新しい匣鉢とタイル素地を
   交互に前記匣鉢詰め位置に供給して順次に積み上げつつ
   匣鉢詰めを行ない、または、前記匣鉢出し位置に多段に
   積み上げられて供給された焼成済みのタイルと該タイル
   を収容した匣鉢とを分けて最上段から順次に搬出するよ
   うにしたタイルの匣鉢詰め、匣鉢出し装置において、前
   記匣鉢詰め位置または匣鉢出し位置に、チエーンまたは
   ワイヤ等の可撓条により吊り下げられ、上下方向の案内
   に沿つて昇降するリフタを設置し、該リフタを一回の匣
   鉢詰めまたは匣鉢出しサイクル毎に匣鉢の厚さ分ずつ下
   降または上昇させて、最上段の匣鉢の高さを一定に保つ
   構成としたことを特徴とするタイルの匣鉢詰め、匣鉢出
   し装置
2. 【請求項２】前記リフタが、床面に立設された油圧また
   は空圧シリンダの上方向へ突出したピストンロツドに軸
   支されたスプロケツトまたはプーリに掛けられて一端が
   固定された前記チエーンまたは前記ワイヤに連結されて
   いることを特徴とする特許請求の範囲第１項記載のタイ
   ルの匣鉢詰め、匣鉢出し装置