JPH0717180Y2 - 多段ラック - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔概要〕 本考案は電子装置の搭載する引き出し可能なラックに関
し、 多段ラックの複数ラックの内、唯一を引き出し可能する
ことを目的とし、 引き出し式のラック１を積み重ね方向に複数段有する多
段ラックにおいて、 上記各ラック間に往復移動可能に設けられると共に、上
記ラック１の引き出し方向の前段に備えられ、 一端が上記ラック１の引き出し禁止位置に有る場合、他
端が上記ラック１と隣接する他のラック１′の引き出し
可能位置にある引き出し防止部材２により構成する。

〔産業上の利用分野〕

本考案は電子装置を複数個、搭載する多段ラックの引き
出し防止機構に関する。

〔従来の技術〕

従来、電子装置を搭載する多段ラックは、通常は筐体内
に収納られている。

しかし、電子装置は定期的な点検、障害時の保守が必要
であり、引き出し可能となっているものが多々ある。

第６図は、従来技術を示す図である。

この多段ラックのユニット23を搭載する引き出し台は筐
体24に対して引き出し可能となっている。

また、電子装置20のユニット23を搭載した上記引き出し
台が何かの衝撃で飛び出さないように、引き出し方向前
段に、押さえ板62により引き出し台を押さえることよ
り、飛び出しを禁止する。

該押さえ板62を上記筐体24にネジ61を使用し、固定して
いる。

保守、点検等を行う場合には、ネジ61及び押さえ板62を
取り除いた後、引き出し台ごとユニットを引き出す。

この場合、この引き出し台を複数個引き出しても転倒し
ないようにアジャスタ63が取り付けられている。

〔考案が解決しようとする課題〕

このため、装置を設置する場合、設置にアジャスタ63が
邪魔になり、電子装置を設置する場合、アジャスタ63の
分だけは、隣の装置の間に隙間が空いてしまい、装置の
設置に制限がある。

また、アジャスタ63を取り除けば、装置に設置制限を受
けないものの、保守、点検等を行う場合に、誤って複数
個のユニット23を引き出してしまった場合、転倒の恐れ
があり、安全性に欠ける。

従って、本考案では多段ラックとなった電子装置20の設
置に制限を設けるこなく、且つ安全性の高い多段ラック
を提供することにある。

〔課題を解決するための手段〕

第１図は原理説明図である。

上述した課題を解決するために本考案では、積み重ね方
向に複数段設けられたラックと、前記各ラックの引き出
し方向の前段に設けられ、一端が任意のラックの引き出
しを禁止し、他端が該任意のラックと隣接するラックの
引き出しを可能とする位置及び、一端が任意のラックの
引き出しを可能とし、他端が該任意のラックと隣接する
ラックの引き出しを禁止する位置との間を摺動可能な引
き出し防止部材とを有することを特徴とする。

更には、積み重ね方向に複数設けられたラックと、前記
各ラックの引き出し方向の前段に、各ラックに対応して
複数設けられ、各ラックの引き出し可能位置と禁止位置
とを摺動可能に構成し、任意の１つの部材の一端が、任
意の１つのラックの引き出し可能位置にある時、任意の
１つの部材の他端が、他の部材を、他のラックの引き出
しを禁止する位置に位置決めする引き出し防止部材とを
有することを特徴とする。

〔作用〕

このために、この引き出し防止部材をラックの引き出し
可能位置にスライドさせるとこの引き出し防止部材が他
のラックの引き出しを禁止するため、上記引き出し防止
部材を引き出し可能位置に移動してラックのみの引き出
しを可能としたため、保守、点検等の作業時において
も、誤って複数個のユニットを引き出すことを防止でき
るため、安全性が高くなり、且つ、アジャスタ等の転倒
を防止するための指示部材は不要となり、装置の設置に
制限を受けることもなくなる。

〔実施例〕

第２図は本考案の実施例を示す図であり、第３図（ａ）
は引き出し防止部材の斜視図であり、第３図（ｂ）は引
き出し防止部材の断面図であり、第４図は引き出し部材
の位置を示す図であり、第５図（ａ）は引き出し部材の
開放動作を示す図であり、第５図（ｂ）は引き出し部材
の係止動作を示す図である。

以下、図を用いて説明する。

尚、全図を通じて同一のものには同一符号を付す。

第２図は、多段のラックの内、最下位段を引き出したと
きを示す図である。

電子装置20の保守、点検等の作業を行う場合に作業員は
ユニット23が積載された引き出し台21を引き出す。

すると、ユニット23が積載された引き出し台21は、筐体
24の内側に取り付けられたレール25に沿って引き出され
る。

この最下位のユニット23を引き出すためには、引き出し
防止部材22を操作し、引き出し台21が引き出せる位置に
移動する必要がある。

この引き出し防止部材22は第３図（ａ）に示す様に長穴
31を有し、この長穴31にはネジ32が嵌め込まれ、台座33
にこのネジ32に嵌入する穴が設けられており、引き出し
防止部材22はこのネジ32により台座33に取り付けられて
いる。

さらにこの台座33は固定ネジ34により筐体24に螺子止め
されている。

第３図（ｂ）は第３図（ａ）に示すＡ−Ａ′の断面図で
ある。

つまり、引き出し防止部材22はネジ32により完全に固定
されているものではない。このネジ32は引き出し防止部
材23が筐体24より離れない様にしているに過ぎず、引き
出し防止部材22は長穴31が規制する範囲でスライド可能
となっている。

引き出し防止部材22と引き出し台21の位置関係を、第４
図に示す。

つまり、引き出し台21は筐体24に固定されているレール
25に嵌合する突起41を有している。

引き出される場合には、引き出し台21の突起41はレール
25と嵌合しているので、引き出し台21はレール25に沿っ
て引き出される。

この引き出し台21の引き出しを可能とする場合には、第
５図（ａ）に示す様に、引き出し防止部材22を矢印Ｃ′
方向に移動させると、レール25の前面を覆うものがなく
なり、引き出し台21は引き出し可能となる。

逆に、引き出し台21の引き出しを禁止する場合には、第
５図（ｂ）に示す様に引き出し防止部材22を矢印Ｃの方
向に人の力により移動させられる。

このことにより、引き出し防止部材22がレール25の引き
出し方向前段を塞ぐ恰好となる。従って、突起41がレー
ル25に沿って移動できないため、引き出し台21の引き出
しを禁止することができる。

上記引き出し防止部材22と多段に重なったユニット23の
関係について、第２図、第５図（ａ）、第５図（ｂ）を
使って詳細に説明する。

引き出し防止部材22の長さＨは２つの引き出し台21の間
隔Ｅに引き出し23の厚さＤを加えたものと略同一にす
る。

つまり、第５図に示すように、引き出し板21を引き出す
ために、引き出し防止部材22をＣ′方向に押し上げる
と、レール25の前面より、この引き出し防止部材22は退
避し、レール25は開放状態となり、引き出し台21の引き
出しは可能となる。

このとき、引き出し防止部材22の他端が上記引き出し台
21の上段にある引き出し台21′が嵌合しているレール2
5′の前面を覆い、上段の引き出し台21′の引き出しを
規制する。

若し、人手により操作されたとき引き出し防止部材22の
上段にある引き出し防止部材22′が下がっていれば、引
き出し防止部材22が押し上げられるのに連動して、この
上段のある引き出し防止部材22′をも押し上げる。

すると、この上段の引き出し防止部材22′でも同様に、
更に上段にある引き出し防止部材の引き出しも禁止する
ことができる。

逆に上段にある引き出し板21′を引き出すために、引き
出し防止部材22をＣ方向に押し下げると、レール25′の
前面より、この引き出し防止部材22′は退避し、レール
25′は開放状態となり、引き出し台21′の引き出しは可
能となる。

このとき、引き出し防止部材22′の他端が上記引き出し
台21′の下段にある引き出し台21が嵌合しているレール
25の前面を覆い、下段の引き出し台21の引き出しを規制
する。

若し、人手により操作されたとき引き出し防止部材22の
下段にある引き出し防止部材22が上がっていれば、引き
出し防止部材22が押し下げられるのに連動して、この下
段にある引き出し防止部材22′をも押し下げる。

すると、この下段の引き出し防止部材22でも同様に、更
に下段にある引き出し防止部材の引き出しも禁止するこ
とができる。

〔考案の効果〕

上述しました様に、本考案では、１つのユニットの引き
出しを行うためには、引き出し防止部材を移動させる必
要があり、この移動に連動し他の防止部材は他のユニッ
トの引き出しを禁止するため、必ず唯一つのユニットし
か引き出すことができない。

そのため、多段ラックの転倒を防止することが可能であ
る。

また、引き出し防止部材をネジ止めするという簡単な構
成のため引き出し防止を安価で達成することができる。

しかも、引き出し防止部材をネジ止めするという簡単な
構成のために、既存の装置にも取り付けることができ、
安全性の高い、安価な装置を提供することが可能であ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は原理説明図であり、第２図は本考案の実施例を
示す図であり、第３図（ａ）は引き出し防止部材の斜視
図であり、第３図（ｂ）は引き出し防止部材の断面図で
あり、第４図は引き出し部材の位置を示す図であり、第
５図（ａ）は引き出し部材の開放動作を示す図であり、
第５図（ｂ）は引き出し部材の係止動作を示す図であ
り、第６図は、従来技術を示す図である。 １、１′は引き出し台、２は引き出し防止部材である。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】積み重ね方向に複数段設けられたラック
   と、 前記各ラックの引き出し方向の前段に設けられ、 一端が任意のラックの引き出しを禁止し、他端が該任意
   のラックと隣接するラックの引き出しを可能とする位置
   及び 一端が任意のラックの引き出しを可能とし、他端が該任
   意のラックと隣接するラックの引き出しを禁止する位置
   との間を摺動可能な引き出し防止部材とを有することを
   特徴とする多段ラック。
2. 【請求項２】積み重ね方向に複数設けられたラックと、 前記各ラックの引き出し方向の前段に、各ラックに対応
   して複数設けられ、各ラックの引き出し可能位置と禁止
   位置とを摺動可能に構成し、 任意の１つの部材の一端が、任意の１つのラックの引き
   出し可能位置にある時、任意の１つの部材の他端が、他
   の部材を、他のラックの引き出しを禁止する位置に位置
   決めする引き出し防止部材とを有することを特徴とする
   多段ラック。