JPH0717177Y2 - 電気機器収納用箱 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は電気機器を取り付けるためのベースを底部内面
に備えた電気機器収納用箱に関するものである。

（従来の技術） 配電盤、制御盤のような電気機器収納用箱には、電気機
器を取り付けるための板状のベースを底面よりもわずか
に浮き上がらせた位置に固定したものが多い。従来この
ようなベースを箱内に取り付けるには、第６図に示され
るように箱本体の底板（20）に溶接されたボルトホルダ
ー（16）を利用してボルト（17）を上向きに取り付けて
おき、その上面からベース（18）を被せてナット（19）
により固定した構造のものが普通であった。

ところがこのような構造の従来の電気機器収納用箱は、
ボルト（17）の先端がベース（18）の上面に突出してい
るために配線を傷つけるおそれがあること、ベース（1
8）のサイズが変更が容易にできないこと等の問題があ
った。

（考案が解決しようとする課題） 本考案は上記した従来の問題点を解消して、ベースを固
定するボルトにより配線が傷付けられるおそがなく、ベ
ースのサイズの変更に容易に対応することができる電気
機器収納用箱を提供するために完成されたものである。

（課題を解決するための手段） 上記の課題を解決するためになされた本考案は、上面に
透孔を持つ逆Ｕ字状部を固定片の両側に連接したナット
ホルダーを箱本体の底板の適当位置に固定するととも
に、ナットを回転不能に抱持させたナットサポーターを
これらの逆Ｕ字状部の下側に挿入してナットを保持さ
せ、これらのナットを利用してボルトホルダーの上面に
ベースを固定したことを特徴とするものである。

以下に本考案を図示の実施例によって詳細に説明する。

（実施例） 図中、（１）は電気機器収納用箱の箱本体、（２）はそ
の底板であり、底板（２）の四隅にナットホルダー
（３）が溶接により固定されている。

ナットホルダー（３）は第２図及び第３図に拡大して示
したように、中央の固定片（４）の両側に逆Ｕ字状部
（５）を連接したものであり、これらの逆Ｕ字状部
（５）の上面にはボルト挿通用の透孔（６）が形成され
ている。実施例では固定片（４）の裏面の溶接用突起
（７）を底板（２）に溶接することにより固定している
が、固定方法はこれに限定されるものではない。

（８）は合成樹脂系の弾性材料からなるナットサポータ
ーである。このナットサポーター（８）はナット（９）
を回転不能に抱持する凹部（10）を備え、ナット（９）
を抱持させた状態における全体形状は上記の逆Ｕ字状部
（５）の内部にぴったりと嵌合できる直方体状である。
なおナットサポーター（８）の凹部（10）の下面にもボ
ルト挿通用の透孔（11）が形成されており、また両側面
には突起（12）を設けて逆Ｕ字状部（５）の切欠（13）
に嵌合できるようになっている。このナットサポーター
（８）はナットホルダー（３）の逆Ｕ字状部（５）の下
側の内部に挿入され、これによってナット（９）を安定
に保持させる。

本考案においてはこのようにしてナット（９）を回転不
能に保持させたナットホルダー（３）の上面にベース
（14）を置き、ベース（14）の上面から挿通したボルト
（15）をナット（９）に螺合させることによりベース
（14）を底板（２）からわずかに浮き上がらせた位置に
固定する。なおこのとき、ベース（14）のサイズに応じ
て第４図のようにナットホルダー（３）の内側の逆Ｕ字
状部（５）を利用したり、第５図のように外側の逆Ｕ字
状部（５）を利用することができる。

（作用） このように構成された本考案の電気機器収納用箱は、上
記したようにナットホルダー（３）にナット（９）を保
持させたので、ベース（14）の上面からボルト（15）を
下向きに挿入してベース（14）を固定することができ
る。このため、従来のようにボルトの先端がベース（1
4）の上面に突出することがなく、配線を傷付けるおそ
れがない。また本考案では逆Ｕ字状部（５）を固定片
（４）の両側に連接したナットホルダー（３）を用いて
いるので、ベース（14）のサイズに応じて使用する逆Ｕ
字状部（５）を使い分けることにより、２種類のベース
（14）を取り付けることができるうえ、内側の逆Ｕ字状
部（５）にベース（14）を取付けたとき、外側の逆Ｕ字
状部（５）をアース端子として使用することができ、ま
た接触面の塗装をはがすことによりベース（14）とナッ
トホルダー（３）の逆Ｕ字状部（５）のベース（14）と
箱本体（１）との間のアースも容易にできる。

さらに本考案では、箱本体（１）の底板（２）に固定し
たナットホルダー（３）に対してナット（９）を抱持さ
せたナットサポーター（８）を後から挿入することがで
きるので、塗装後にナットサポーター（８）を挿入する
ようにすれば、塗料がナット（９）のメネジ孔を塞ぐお
それもない。このほか、本考案ではナットホルダー
（３）をベース（14）取付け時の位置決めに利用できる
ので、ベース（14）の取付け作業が容易に行なえる利点
もある。

（考案の効果） 以上に説明したように、本考案はベースを固定するボル
トにより配線が傷付けられるおそれがないこと、２種類
のサイズのベースを容易に取付けできること、塗料によ
るネジの詰まりのおそれもないこと等の多くの利点を有
するものであり、従来の問題点を解消した電気機器収納
用箱として、その実用的価値は極めて大きいものであ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例を示す一部切欠斜視図、第２図
はナットホルダーを拡大して示す一部切欠斜視図、第３
図はその分解斜視図、第４図と第５図はベースの取付け
状態を示す断面図、第６図は従来例を示す断面図であ
る。 （１）：箱本体、（２）：底板、（３）：ナットホルダ
ー、（４）：固定片、（５）：逆Ｕ字状部、（６）：透
孔、（８）：ナットサポーター、（９）：ナット、（1
4）：ベース。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】上面に透孔（６）を持つ逆Ｕ字状部（５）
   を固定片（４）の両側に連接したナットホルダー（３）
   を箱本体（１）の底板（２）の適当位置に固定するとと
   もに、ナット（９）を回転不能に抱持させたナットサポ
   ーター（８）をこれらの逆Ｕ字状部（５）の下側に挿入
   してナット（９）を保持させ、これらのナット（９）を
   利用してナットホルダー（３）の上面にベース（14）を
   固定したことを特徴とする電気機器収納用箱。