JPH07171488A - ロールコータによる帯状体の塗装膜厚制御方法 - Google Patents

ロールコータによる帯状体の塗装膜厚制御方法

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JPH07171488A
JPH07171488A JP32166893A JP32166893A JPH07171488A JP H07171488 A JPH07171488 A JP H07171488A JP 32166893 A JP32166893 A JP 32166893A JP 32166893 A JP32166893 A JP 32166893A JP H07171488 A JPH07171488 A JP H07171488A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 非ニュートン性の粘性挙動を有している塗料
を用いる場合でも、帯状体に塗装する膜厚を高精度に制
御することを可能とする。 【構成】 弾性流体潤滑理論を適用して求めたアプリケ
ータロールとピックアップロールとの間隙を用いて得ら
れるアプリケータロールから帯状体へ送られる塗料の供
給流量 qA と、弾性流体潤滑理論を適用して求めたアプ
リケータロール16と鋼板Sとの間隙を用いて得られる
アプリケータロール16に残るリーク流量qL との差を
用いて作成した膜厚制御式により膜厚を制御する際、予
めずり速度と実測見かけ粘度との関係を求めておき、実
測見かけ粘度と、間隙を表わす式と、ずり速度を表わす
式とを連立させて真の見かけ粘度を求め、真の見かけ粘
度を用いて前記両間隙をそれぞれ求める。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ロールコータによる帯
状体の塗装膜厚制御方法、特にロールコータにより冷延
鋼板、亜鉛めっき鋼板等の帯状体にコーティングを連続
的に行う際に、膜厚を高精度に制御することができるロ
ールコータによる帯状体の塗装膜厚制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】鋼板では、その耐蝕性等の性能向上を図
るために、例えば亜鉛めっき鋼板上にクロムや樹脂等を
コーティングすることが一般に行われている。
【0003】上記鋼板に対するコーティングは、入側設
備にあるペイオフリールから払い出された鋼板を、連続
的に搬送しながら、脱脂、ロールコータによるコーティ
ング、オーブンによる乾燥の各工程を通過させることに
より行われる(必要に応じて同工程を繰り返すこともあ
る)。そして、コーティング後の鋼板は、出側設備にお
いて巻き取り装置に巻き取られるようになっている。
【0004】一般に、鋼板の連続塗装に使用されるロー
ルコータは、塗料パン内の塗料を引き上げる鋼製のピッ
クアップロールと、ピックアップロールから塗料を受け
取り鋼板の表面に該塗料を転写して塗装するためのゴム
ライニングされたアプリケータロールを備えている。こ
のロールコータで塗装する場合、塗装膜厚の制御は鋼板
の搬送速度に対し、ロールの周速、ピックアップロール
とアプリケータロール間の押付力、鋼板とアプリケータ
ロール間の押付力を適宜制御することにより行われてい
る。
【0005】ところが、近年、家電製品、自動車、建材
等の広い用途に塗装鋼板が使用されるようになり、防錆
能力向上等の要請から要求される品質が高くなると共
に、塗装膜厚の精度も非常に厳しいものとなってきてい
る。
【0006】本出願人は、このような厳しい要請に応え
るべく、ゴムロールのように押付力により変形するため
に、塗装時のロール間隙やロールと鋼板の間隙が見かけ
上負となる場合でも、その間隙を弾性流体潤滑理論によ
り求めることにより、ロール間やロールと帯状体との間
に存在する塗料液の膜厚を定量的に評価し、粘度、濃度
等の性状が異なる種々の塗料を精度良く目標膜厚に制御
する技術を、既に特開平5−220441に提案してい
る。
【0007】この技術は、連続的に移動する帯状体に塗
装される膜厚を、アプリケータロールの回転により帯状
体側へ送られる塗料の供給流量 qA と、該塗料が帯状体
に転写された後に該アプリケータロール上に残存するリ
ーク流量 qL との差を評価した膜厚制御モデル式を用い
て膜厚を制御するに際し、アプリケータロールと、該ア
プリケータロールの前段に位置する前ロールとの間の間
隙を、アプリケータロールが有する弾性材の弾性係数を
考慮する弾性流体潤滑理論を適用して求め、この間隙を
用いて上記供給流量 qA を求めると共に、アプリケータ
ロールと帯状体との間隙を同様に弾性流体潤滑理論を適
用して求め、この間隙を用いてリーク流量 qL を求め、
これら両流量 qA 及び qL を上記制御モデル式に適用す
ることにより、上記両間隙が見かけ上負の状態で行う極
めて薄い膜厚のコーティングについても高精度で且つ安
定した膜厚制御を行うことを可能としたものである。
【0008】ところで、一般に、PCM(Pre−Coade
d Metal)や、一般カラー鋼板と呼ばれている塗装鋼板
の塗装に用いられる塗料は粘性係数がずり速度によって
変化する非ニュートン性の粘性挙動を有しているものが
多い。このような塗料では、その非ニュートン性故にロ
ール周速やニップ圧(押付力)が変化すると、ロール間
又はロールと鋼板との間でのずり速度が変化し、見かけ
の粘度が変化してしまう。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記特
開平5−220441に提案した技術では、膜厚制御式
に粘度を因子として取込んでいるものの、塗料の非ニュ
ートン性を何ら考慮していない。そのため、この公報に
開示されている技術には、非ニュートン性をほとんど無
視できる塗料を用いる場合は極めて精度良く膜厚の制御
が可能であるが、非ニュートン性の大きな塗料を用いる
場合には必ずしも十分な膜厚の制御精度が得られないと
いう問題があった。
【0010】本発明は、前記従来の問題点を解決するべ
くなされたもので、非ニュートン性の粘性挙動を有して
いる塗料を用いる場合でも、極めて高精度に帯状体に塗
装する膜厚を制御することができるロールコータによる
帯状体の塗装膜厚制御方法を提供することを課題とす
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、少なくとも表
面が弾性材で形成されたアプリケータロールを備えたロ
ールコータにより、連続的に移動する帯状体に塗料を転
写・塗装する際、アプリケータロールと該アプリケータ
ロールの前段に連接する前ロールとの間隙を弾性流体潤
滑理論を適用して求め、該間隙を用いてアプリケータロ
ールの回転により帯状体側へ送られる塗料の供給流量 q
A を与える式を導き、且つ、アプリケータロールと帯状
体との間隙を同じく弾性流体潤滑理論を適用して求め、
該間隙を用いて帯状体に転写されずにアプリケータロー
ルに残るリーク流量 qL を与える式を導き、供給流量 q
A を与える式とリーク流量 qL を与える式とを、供給流
量qA とリーク流量 qL との差を評価した膜厚制御式に
適用し、該膜厚制御式を用いて帯状体に塗装される塗料
膜厚を制御するロールコータによる帯状体の塗装膜厚制
御方法において、使用する塗料について予めずり速度と
実測見かけ粘度との関係を求めておくと共に、この実測
見かけ粘度と、見かけ粘度を因子として含む間隙を表わ
す式と、間隙を因子として含むずり速度を表わす式とか
ら、これら三者の関係を満足する真の見かけ粘度を求
め、この真の見かけ粘度を用いて前記アプリケータロー
ルと、前記ロールとの間隙及び帯状体との間隙をそれぞ
れ求めることにより、前記課題を解決したものである。
【0012】
【作用】本発明においては、少なくとも表面が弾性体で
形成されたアプリケータロールを備えたロールコータで
帯状体を塗装する際、弾性流体潤滑理論を適用して算出
した、アプリケータロールと前ロールとの間隙及びアプ
リケータロールと帯状体との間隙を用いて導かれる膜厚
制御式を用いると共に、これら間隙を、その式に含まれ
る見かけ粘度を、間隙とロール周速から求まるずり速度
を考慮して算出するようにしたので、塗料が非ニュート
ン性の粘性挙動を有している場合でも高精度の膜厚制御
が可能となる。
【0013】従って、本発明によれば、非ニュートン性
を含む広い範囲の粘性挙動を示す塗料を用いて、膜厚を
高精度に制御することが可能となる。
【0014】又、ロール周速、ニップ圧の変更によるロ
ール間のずり速度の変化を予測し、塗料の非ニュートン
性に起因する見かけの粘度変化による膜厚変動を防止す
ることが可能となる。
【0015】
【実施例】以下、図面を参照して、本発明の実施例を詳
細に説明する。
【0016】図1は、本発明に係る第1実施例に適用さ
れるロールコータを、その作用と共に示す概略構成図で
あり、図2は、ロールコータが適用可能な塗装設備の一
例を簡単に示した概略説明図である。
【0017】一般に、鋼板(帯状体)に対するコーティ
ングは、図2に示すような流れに従って行われている。
即ち、入側設備のペイオフリール(図示せず)から払い
出され、脱脂工程を経た鋼板Sは、前段設備の第1ロー
ルコータ10、第2ロールコータ20へ搬送され下地塗
装された後、第1オーブンで乾燥され、第1クーラーで
冷却された後、第1付着量計で塗料の付着量が計測され
る。
【0018】前記設備で下地塗装が終了した上記鋼板S
は、次の後段設備で同じく第1ロールコータ10A、第
2ロールコータ20Aで上層塗装された後、第2オーブ
ン及び第2クーラーでそれぞれ乾燥及び冷却された後、
第2付着量計で付着量が計測され、その後、例えば出側
設備の巻き取りリール(図示せず)へ送られ、巻き取ら
れる。なお、製品により、片面のみの塗装の場合、下地
塗装が省略される場合等に応じて符号10、10A、2
0、20Aのコータは使い分けられる。
【0019】本実施例の膜厚制御方法を、図1に示すロ
ールコータ10でコーティングする場合を例にして詳細
に説明する。
【0020】上記ロールコータ10は、塗料パン(塗料
溜め)12内の塗料Pを引き上げるピックアップロール
14と、前記ピックアップロール14と共に塗料を引き
上げ、その一部を鋼板Sの方向に移送すると共に、該鋼
板Sに塗料を転写するアプリケータロール16と、該ア
プリケータロール16によりその塗料を転写する際に該
鋼板Sをアプリケータロール16に押え付けるバックア
ップロール18とで構成されている。
【0021】上記ピックアップロール14は、半径RP
の鋼製ロールであり、周速VP で回転しており、上記ア
プリケータロール16は、表面にゴムがライニングされ
た半径RA のロールであり、上記ピックアッロール14
に対して順方向に周速VA で回転している。これに対
し、上記バックアップロール18は、半径RS の鋼製ロ
ールであり、上記アプリケータロール16に対して逆方
向に周速LSで上記鋼板Sと共に回転するようになって
いる。
【0022】上記ロールコータ10では、ピックアップ
ロール14とアプリケータロール16との間隙を hPA
すると、この間隙 hPAの間を通過する塗料の総流量 qPA
が、ピックアップロール14側とアプリケータロール1
6側に分離される。ピックアップロール14上に付着し
た塗料は塗料パン12へ戻される戻り流量 qP 、アプリ
ケータロール16上に付着した塗料は鋼板S側へ送られ
る供給流量 qA となる。
【0023】供給流量 qA は、鋼板Sへ送られるとその
一部(ストリップ流量という) qSが該鋼板S上に転写
されると同時に残部がアプリケータロール16とバック
アップロール18の間の間隙 hASを抜けるリーク流量 q
L となる。
【0024】従って、乾燥後の塗料付着量(単位面積当
りの固形分付着量であり、塗装膜厚に相当する)をMと
すると、ストリップ流量 qS の下で塗装された鋼板Sの
塗料付着量Mは、次式(1)で与えられる。なお、塗料
付着量Mの単位は[g / m2]で、γは塗料の比重、C
は塗料の固形分濃度である。
【0025】 M= qS ・γ・C/LS …(1)
【0026】上記ストリップ流量 qS は供給流量 qA
リーク流量 qL の差に等しいので、上記(1)式は次の
(2)式とすることができる。
【0027】 M=( qA − qL )・γ・C/LS …(2)
【0028】この供給流量 qA 、リーク流量 qL は以下
のようにして求めることができる。上記ロールコータ1
0においては、次の(3)〜(5)式の関係がある。即
ち、(3)式は総流量 qPAが、ピックアップロール14
とアプリケータロール16との間隙と該両ロール14、
16の平均速度との積で与えられ、(4)式は戻り流量
qP と供給流量 qA の和が総流量 qPAであり、(5)式
は総流量 qPAの分配比率( qA と qP の比)が上記両ロ
ールの周速の比(α、βは定数)から与えられること
を、それぞれ示している。
【0029】
【数1】
【0030】上記(3)〜(5)式の関係から、供給流
量 qA は次の(6)式で与えられる。
【0031】
【数2】
【0032】一方、リーク流量 qL は、次の(7)式で
与えられる。なお、λは定数である。
【0033】 qL =λ hAS(VA −LS) …(7)
【0034】(6)式の供給流量 qA と(7)式のリー
ク流量 qL をそれぞれ前記(2)式に代入し、次の
(8)式を得る。
【0035】
【数3】
【0036】次に、薄い塗装膜を得るために、ロール同
士を強く押え付け、見かけ上のロール間隙は存在しない
状態で塗装する際に適用可能な膜厚制御式を、間隙 hPA
及びhASを弾性流体潤滑理論に基づいて評価し、その値
を前記(8)式に代入して作成する。
【0037】上記間隙 hPAは、弾性流体潤滑理論を適用
した一実施例によると次の(9)式で与えられる。
【0038】
【数4】
【0039】ここで、 2/EPA=(1−νP 2 )/EP +(1−νA 2 )/EA …(10) RPA=(RP ・RA )/(RP +RA ) 但し、NP :ロール間のニップ圧(total ) l :ロール面長 EP :ピックアップロールヤング率 νP :ピックアップロールポアソン比 EA :アプリケータロールヤング率 νA :アプリケータロールポアソン比
【0040】又、上記間隙 hASは、同様に弾性流体潤滑
理論を適用した一実施例によると次の(11)式で与え
られる。
【0041】
【数5】
【0042】ここで、 2/EAS=(1−νA 2 )/EA +(1−νS 2 )/ES …(12) RAS=RA ・RS /(RS ±RA ) (+RA は外接のとき、−RA は内接のとき) 但し、NA :押付力(total ) B :板幅 ES :ストリップヤング率 νS :ストリップポアソン比 EA :アプリケータロールヤング率 νA :アプリケータロールポアソン比
【0043】上記(9)式、(11)式を前記(8)式
に代入して整理すると、次の(13)式の膜厚制御式が
得られる。この膜厚制御式は、前記特開平5−2204
41に提案されているもので、塗料の粘度に対する非ニ
ュートン性が考慮されていない。
【0044】
【数6】
【0045】本実施例では、更に、使用する塗料が非ニ
ュートン性の粘性挙動を示す場合にも適用できるよう
に、ピックアップローラ14とアプリケータロール16
の間における塗料の真の見かけ粘度をμ1 として前記
(9)式から得られる次の(9A)式と、アプリケータ
ロール16と鋼板Sの間における真の見かけ粘度をμ2
として前記(11)式から得られる次の(11A)と
を、前記(8)式に代入して得られる次の膜厚制御式
(13A)式を用いて実際の膜厚制御を行う。
【0046】
【数7】
【0047】上記膜厚制御式(13A)に含まれる真の
見かけ粘度μ1 、μ2 は、以下に詳述する方法で算出す
る。
【0048】まず、予め使用する塗料のずり速度D(1
/s )と見かけ粘度μとの関係:μ=f (D)を回転式
粘度計等により求めておく。図3は、この両者の関係の
一例を示したグラフである。
【0049】ピックアップロール14とアプリケータロ
ール16との間の粘度の場合は、ずり速度D1 を表わす
次の(14)式と、予め求めてある見かけ粘度μ1 を表
わす次の(15)式と、前記(9A)式とを連立させて
この見かけ粘度μ1 について解き、これら3式の関係を
満足するμ1 の値を求め、それを真の見かけ粘度とす
る。
【0050】 D1 (VA −VP )/ hPA …(14) μ1 =f (D1 ) …(15)
【0051】なお、この真の見かけ粘度の求め方として
は、まずμ1 をある値に仮定し、上記(9A)式より h
PAを求め、この hPAを(14)式に適用してずり速度D
1 を計算し、次いで、上記(15)式より求まるμ1
仮定したμ1 とが一致するまでその値を変更しながら繰
返し計算し、両者が一致したμ1 を真の見かけ粘度とし
て求めるようにしてもよい。
【0052】次に、アプリケータロール16と鋼板Sと
の間の粘度について同様の計算を行う。即ち、ずり速度
2 を表わす次の(16)式と、ずり速度がD2 のとき
の見かけ粘度を表わす次の(17)式と、前記(11
A)式とを連立させてこれら三者を満足するμ2 を求
め、これを真の見かけ粘度とする。
【0053】 D2 =(VA +LS)/ hAS …(16) μ2 =f (D2 ) …(17)
【0054】この真の見かけ粘度を求める場合も、ピッ
クアップロール14とアプリケータロール16との間と
同様に、μ2 をある値に仮定して前記(11A)式より
hASを求め、この hASを上記(16)式に適用してずり
速度D2 を計算し、次いで上記(17)式により求まる
μ2 と、仮定したμ2 が一致するまでその値を変更しな
がら繰返し計算し、一致したμ2 を真の見かけ粘度とし
てもよい。
【0055】本実施例においては、前記(13A)式の
膜厚制御式を用いて塗装する際、以上詳述した方法でピ
ックアップロール14とアプリケータロール16との間
及びアプリケータロール16と鋼板Sとの間における塗
料の粘度として、前記(14)式、(16)式で逐次ず
り速度を求めると共に、そのずり速度に応じて算出され
る非ニュートン性の粘性挙動を考慮した真の見かけ粘度
を適用するようにしたので、前記特開平5−22044
1で提案した、非ニュートン性を無視できる塗料に適用
して有効な膜厚制御式(13)に比較して、非ニュート
ン性を含む広い範囲の塗料を用いて、高精度の膜厚制御
が可能となる。
【0056】又、ロール周速、ニップ圧(押付力)の変
更によるロール間のずり速度の変化を予測し、塗料の非
ニュートン性に起因する見かけの粘度変化による膜厚変
動を防止することが可能となる。
【0057】次に、本実施例の効果を明らかにするため
に行った具体例について説明する。
【0058】塗料としてポリエステル系塗料を用い、前
記図1に示したロールコータを用いて、板厚が0.5〜
1.2mm、板幅が700〜1214mmの間にある多数の
合金化溶融亜鉛めっき鋼板について下記条件の下で塗装
した。
【0059】(塗装条件) 目標付着量:25 g/ m2 ±3 g/ m2 ライン速度LS:60mpm (板厚0.5〜0.8mm) 40mpm (板厚0.9〜1.0mm) 30mpm (板厚1.1〜1.2mm) ピックアップロール周速VP :30mpm アプリケータロール周速VA :ライン速度+30mpm ニップ圧:(13A)式により決定
【0060】上記条件の下で、本実施例により板厚及び
板幅の異なる上記鋼板に対して膜厚制御を行ったとこ
ろ、付着量のばらつきσ=1.3 g/ m2 で、不良率=
0であった。これに対し、前記特開平5−220441
に提案してある前記(13)式の膜厚制御式を用いて、
同様の塗装を行ったところ、σ=2.1 g/ m2 で、不
良率=0.55%であった。
【0061】以上、本発明につい具体的に説明したが、
本発明は、前記実施例に示したものにに限られるもので
なく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であ
る。
【0062】例えば、前記実施例では、バックアップロ
ールのあるロールコータ10、10Aについて説明した
が、本発明はバックアップロールの無いロールコータ2
0、20Aにおいてもアプリケータロールと板の張力に
より弾性流体潤滑理論より間隙 hASを求めることが可能
であるため、同様に適用可能である。
【0063】又、ロールコータの種類、ロールの数及び
ロールの回転方向も任意に変更可能である。従って、前
ロールはピックアップロールに限定されない。
【0064】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明によれば、少
なくとも表面が弾性体で形成されたアプリケータロール
を備えたロールコータで帯状体を塗装する際、非ニュー
トン性の粘性挙動を有している塗料を用いる場合でも、
帯状体に塗装する膜厚を極めて高精度に制御することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る一実施例の塗装膜厚制御方法に適
用するロールコータを示す概略構成図
【図2】上記ロールコータが適用される塗装設備を示す
概略構成図
【図3】ずり速度Dと見かけ粘度μとの関係の一例を示
した線図
【符号の説明】
10、20…ロールコータ 12…塗料パン 14…ピックアップロール 16…アプリケータロール 18…バックアップロール S…鋼板 qA …供給流量 qL …リーク流量 qPA…総流量 qP …戻り流量

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも表面が弾性材で形成されたアプ
    リケータロールを備えたロールコータにより、連続的に
    移動する帯状体に塗料を転写・塗装する際、 アプリケータロールと該アプリケータロールの前段に連
    接する前ロールとの間隙を弾性流体潤滑理論を適用して
    求め、該間隙を用いてアプリケータロールの回転により
    帯状体側へ送られる塗料の供給流量 qA を与える式を導
    き、且つ、 アプリケータロールと帯状体との間隙を同じく弾性流体
    潤滑理論を適用して求め、該間隙を用いて帯状体に転写
    されずにアプリケータロールに残るリーク流量qL を与
    える式を導き、 供給流量 qA を与える式とリーク流量 qL を与える式と
    を、供給流量 qA とリーク流量 qL との差を評価した膜
    厚制御式に適用し、 該膜厚制御式を用いて帯状体に塗装される塗料膜厚を制
    御するロールコータによる帯状体の塗装膜厚制御方法に
    おいて、 使用する塗料について予めずり速度と実測見かけ粘度と
    の関係を求めておくと共に、 この実測見かけ粘度と、見かけ粘度を因子として含む間
    隙を表わす式と、間隙を因子として含むずり速度を表わ
    す式とから、これら三者の関係を満足する真の見かけ粘
    度を求め、 この真の見かけ粘度を用いて前記アプリケータロール
    と、前記ロールとの間隙及び帯状体との間隙をそれぞれ
    求めることを特徴とするロールコータによる帯状体の塗
    装膜厚制御方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006281086A (ja) * 2005-03-31 2006-10-19 Jfe Steel Kk 帯状物体の塗装装置及び塗装方法
JP2007222723A (ja) * 2006-02-21 2007-09-06 Sumitomo Light Metal Ind Ltd ロールコータによる帯状体の塗装膜厚制御方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006281086A (ja) * 2005-03-31 2006-10-19 Jfe Steel Kk 帯状物体の塗装装置及び塗装方法
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JP2868987B2 (ja) 1999-03-10

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