JPH0717112Y2 - ディスプレイ装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、装飾用、あるいは広告用として用いるパネル
を使用した光学式ディスプレイ装置に関するものであ
る。

〔従来の技術〕

従来、透明基板に所望の絵柄、文字など着色表示を施し
た表示パネルに後方より拡散照明光を当てて着色絵柄や
着色文字などを表示する構造のディスプレイ装置があ
る。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかしながら上記構造のディスプレイ装置では着色絵柄
や着色文字などの色調や形状のみで観察者へ表示するも
のであることから、絵柄、文字などの表示状態を大きく
変化させることが技術的に困難であり、よって変化に乏
しく装飾用や広告用媒体としての高いアイキャッチャー
効果を期待することができないという問題があった。

そこで本考案は、表示状態が大きく変わり高いアイキャ
ッチー効果が得られる装飾用や広告用の媒体を開発する
ことを目的とする。

〔課題を解決するための手段〕

本考案は、上記した課題を考慮してなされたもので、ボ
ックスなどのケースの開口窓部に配設する前パネルと、
前記前パネル後方のボックス内に配置する展示用物品
と、前記展示用物品へ光を照射する主照明光源とを備
え、前記パネルは、少なくとも片面に微細網状、点状、
線状にした不透明着色層を施した板状の透明基材からな
り、前記主照明光源を点灯、消灯切換可能に設けたこと
を特徴とするディスプレイ装置を提供して、上記課題を
解消するものである。

〔作用〕

本考案においては、パネルの透明基材の片面に不透明着
色層が微細網状、点状、線状などにして微細な空白部を
有した状態で施され、この不透明着色層で着色絵柄や着
色文字が形成される。

また主照明光源を点灯すると、照らし出された展示用物
品がパネルを通して不透明着色層による着色絵柄や着色
文字とともに表示される。そして不透明着色層の着色絵
柄や着色文字による表示と主照明光源の点灯、消灯によ
る展示物品の表示との組み合わせによって表示状態が変
化するようになる。

〔実施例〕

つぎに、本考案を第１図から第８図に示す実施例に基づ
いて詳細に説明する。

図中１は装飾用や広告用として用いられるディスプレイ
装置で、該装置１は、第１図に示すように、箱型を呈し
たケース２の内部に、該ケース２の開口窓部３に平行に
して一定距離（例えば10mm）を置いて前パネル４が配置
され、さらに奥には展示用物品５が配置され、さらに前
記前パネル４の前記開口窓部３と対向する背部側に前記
展示用物品５へ光を照射する主照明光源６が配置されて
いる。また符号７は遮光板を示す。

上記前パネル４は、板状の透明基材８の後面に、不透明
着色層９を微細網状や点状、線状などとして微細な空白
部9aを有した状態で施したもので、前記不透明着色層９
より所望の着色絵柄や着色文字が形成されているととも
に、空白部9aを通して展示用物品の視認が可能に設けら
れている。具体的には第２図に示すように、前記不透明
着色層９は透明基材８の後面に２層構成となっており、
透明基材８側に絵柄層9bとしこれに遮蔽層9cが重ねられ
ている（前記絵柄層9bにより単色または多色のベタ画ま
たは線画または諧調再現が構成される）。

また前パネル４においては、第３図に示すように、透明
基材８の前面にも、不透明着色層９を上記と同様に微細
網状や点状、線状などとして微細な空白部9aを有した状
態で施してもよい。さらに第４図に示すように、透明基
材８の後面に、該基材８側より順に絵柄層9b、隠蔽層9c
を施し、他方、前記透明基材８の前面に、該基材８側よ
り順に反射性隠蔽層9d、絵柄層9bを施してもよい（前記
絵柄層には単色または多色のベタ画または線画または諧
調再現が構成される）。そして開口窓部側の不透明着色
層９の空白部9a自体の面積は、背部側の不透明着色層９
による着色絵柄や着色文字の表示の把握を妨げないもの
となっている。なお、反射性遮蔽層9dは白インキ、銀色
インキ、そしてアルミ蒸着を施して設けることにより、
反射層として構成することができる。

第１図のディスプレイ装置１において、主照明光源が消
灯しているときは、不透明着色層９により絵柄、文字な
どが表示される。主照明光源６が点灯すると展示用物品
５が照らされ、前パネル４の空白部9aを通ってこの展示
用物品５が表示されるとともに、光を遮る不透明着色層
９で絵柄、文字などが表示されるようになる。すなわち
絵柄や文字と展示用物品とが重なった状態で表示される
ようになる。

第５図は側方照明光源10をも備えたディスプレイ装置１
を示し、パネル４の端面に前記側方照明光源10を配置
し、端面から光を透明基材８内方に向けて光が照射する
ようにした装置である。この第５図の装置１において、
側方照明光源10のみが点灯すると、透明基材８内での光
乱反射により不透明着色層９が光を受けてその絵柄、文
字などが表示されるようになる。そして両光源を点灯さ
せると、前記空白部9aを通して照らし出される展示用物
品５と、不透明着色層９の光を受けた状態の絵柄、文字
とを合わせた状態で表示するようになる。すなわち前記
装置１の主照明光源６と側方照明光源10の点灯、消灯で
不透明着色層色合いが変化し、所定タイミングでの点
灯、消灯を繰り返すことによって絵柄、文字の表示形態
が様々に変化し、展示用物品５の表示形態も変化するよ
うになる。

第６図は開口窓部側に不透明着色層９を施した前パネル
４を２枚、所定の間隔で平行に配置した装置を示す。そ
して前記不透明着色層９それぞれを照らし出すように、
前パネル４それぞれの前方に前方照明光源11が配置され
ている。この第６図の装置１においては、第１図に示し
た装置による表示変化に加えて、開口窓部側に位置する
前パネル４の不透明着色層９による絵柄や文字の表示が
重なり、さらには前方照明光源11それぞれの点灯、消灯
で２枚のパネル４の不透明着色層９による絵柄や文字の
表示の変化が重なる。

第７図は第４図に示す前パネル４を有するディスプレイ
装置を示し、第５図の実施例と同様に側方照明光源10を
備えるとともに、前パネル４の前面の不透明着色層９が
施された片面を照らすように前方照明光源11が備えられ
ている。この第７図に示す実施例にあっては、第５図に
示す実施例の表示変化に加え、開口窓部側に施された不
透明着色層９による絵柄や文字の表示が重なり、さらに
は前記前方照明光源11の点灯、消灯による不透明着色層
９による絵柄や文字の表示変化が重なる。

第８図は第５図の実施例において、展示用物品５の背部
に後方照明光源12を配置し、そしてこの後方照明光源12
と展示用物品５との間に、光源側から後方照明光源12の
光が均一に拡がるようにする拡散板13、透明基材15に所
望の絵柄の透明着色層14を施した背景パネル16を配置し
たたものである。この実施例においては、透明着色層14
による色彩を展示用物品５の背景色とし、後方照明光源
12の点灯、消灯による透明着色層14の色合いの表示を付
加することができる。なお、背景パネル16は反射型のひ
ょうじパネルとすることは可能である。

本考案においては、不透明着色層は２層構成に限定され
ない。また透明基材としてスモークシートを用いたり、
パネルの前面あるいは後面にスモークシートを配置した
りしてもよく、光量的に表示効果を損なわない範囲での
変更が可能である。一方、ディスプレイ装置本体のケー
スとしては、ボックス型に限定されず、円筒型など設計
変更が可能である。また、本考案は、透明基材８の後面
又は前面、或は前後両面に分割不透明着色層９を設けた
前パネル４と、前パネル４の側方照明光源10を１単位と
して、又は前記前パネル４と該前パネル４の照明光源11
とを１単位として数単位配列することは可能である。

〔考案の効果〕

以上説明したように、本考案によれば、ディスプレイ装
置は、ボックスなどのケース内に、該ケースの開口窓部
に相対するパネルと、前記パネルの前記開口窓部と対向
する背部に位置する展示用物品と、前記パネルの前記開
口窓部と対向する背部側に位置して前記展示用物品へ光
を照射する主照明光源とを備え、前記パネルは、少なく
とも片面に微細網状、点状、線状にした不透明着色層を
施した板状の透明基材からなり、前記主照明光源を点
灯、消灯切換可能に設けたので、主照明光源の点灯、消
灯の切り換えにより、数多くの表示形態を有して変化に
富んだ表示が得られるようになり、装飾用や広告用の媒
体としても効果がすこぶる向上するなど、実用性にすぐ
れた効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るディスプレイ装置の一実施例を示
す説明図、第２図は一実施例におけるパネルを拡大して
示す説明図、第３図はパネルの他例を示す説明図、第４
図は同じくパネルの他例を示す説明図、第５図は側方照
明光源を備えた実施例を示す説明図、第６図はパネルを
２枚配置した実施例を示す説明図、第７図は両面に不透
明着色層を有するパネルと前方照明光源を配置した一実
施例を示す説明図、第８図は後方照明光源を配置した実
施例を示す説明図である。 １……ディスプレイ装置 ４……パネル ５……展示用物品 ６……主照明光源 ８……透明基材 ９……不透明着色層、9a……空白部 10……側方照明光源 11……前方照明光源 12……後方照明光源 16……背景パネル

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】ボックスなどのケースの開口窓部に配設す
   る前パネルと、前記前パネル後方のボックス内に配置す
   る展示用物品と、前記展示用物品へ光を照射する主照明
   光源とを備え、前記前パネルは、少なくとも片面に微細
   網状、点状、線状にした不透明着色層を施した板状の透
   明基材からなり、前記主照明光源を点灯、消灯切換可能
   に設けたことを特徴とするディスプレイ装置。
2. 【請求項２】上記前パネルの端面からパネル内へ光を照
   射する側方照明光源を備え、主照明光源と前記側方照明
   光源をそれぞれ点灯、消灯切換可能に設けた請求項１記
   載のディスプレイ装置。
3. 【請求項３】上記前パネルの前面に不透明着色層が施さ
   れ、前記前パネルの前面に向けて光を照射する前方照明
   光源を備え、主照明光源と前記前方照明光源とをそれぞ
   れ点灯、消灯切換可能に設けた請求項１または２記載の
   ディスプレイ装置。
4. 【請求項４】上記展示用物品の後方に反射型又は透過型
   の後パネルを配設した請求項１又は２に記載のディスプ
   レイ装置。