JPH0716767Y2 - マンホール梯子用墜落防止装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本願考案は梯子昇降時の墜落を防
止する装置に関するものであり、特に、可動梯子付のマ
ンホール梯子の墜落防止装置について成されたものであ
る。

【０００２】

【従来の技術および課題】従来よりマンホール内の梯子
昇降時の墜落防止対策としては、主として、梯子上端部
に係止した母線ロープをマンホール底迄垂下し、安全器
を母線ロープに嵌着して作業者との間を連結し、万が一
の足の踏み外しに備えるものであった。

【０００３】しかし、垂下した母線ロープは下端の固定
が成されていない為、最先に梯子を降りる作業者に連結
された安全器は通過性が悪かったり、予期せぬ時に安全
器が作動して梯子の降下を妨げられる等の事態が発生し
ていた。

【０００４】又、マンホール内の梯子は、地上より垂直
に設けられているものだけではなく、途中で屈曲してい
る場合もあり、その際には母線ロープが壁に接する状態
となり、安全器の通過にも問題があった。

【０００５】

【課題を解決するための手段】よって本願考案では梯子
の枠に添ってワイヤーを添設し、屈曲した梯子部分に
は、パイプを同形状に屈曲させて取付け、内部にワイヤ
ーを挿通すると共に、可動梯子にはワイヤーと同径の棒
材を添設し、可動梯子と重合する固定梯子部には、先記
した棒材が収容されるパイプを同長添設して両梯子の引
出連結を可能として、可動梯子を引き出した状態で地上
で安全器を装着すれば、マンホール底迄の梯子の形状ど
おり、その枠に添った墜落防止装置を得ることによって
問題を解決するものである。

【０００６】

【実施例】本願考案の一実施例を示すと、マンホール内
の固定梯子部1 の上端部に重合して収容される可動梯子
部2 の梯子枠21には丸棒より成る延長部材3 を固定す
る。延長部材の下端は延長部材収容筒4 の上端部に挿入
されるものであり、延長部材収容筒4 は延長部材3 より
長めに設定され、固定梯子部1 の可動梯子部2 重合部に
固定される。

【０００７】よって、可動梯子部2 の不使用時には延長
部材3 は延長部材収容筒4 内へ収容されており、可動梯
子部2 を地上へ引き上げ固定した際には、延長部材3 と
延長部材収容筒4 は連続した安全器移動軌道9 となるも
のである。又、両者の嵌入接続はできるだけ密接して行
うため、安全器の通過性は保たれるものである。

【０００８】第４図に示すようマンホールの垂直部に屈
曲がある場合、つまり、梯子に屈曲がある場合には、延
長部材収容筒4 をその屈曲に合致させて曲げ加工を施し
て取付けておけば、細径棒材で成る延長部材3 は、その
筒4 内を直進し、屈曲点に設けた孔より突出するもので
ある。尚、安全器の通過に際しては、可動梯子を引き上
げ、進入準備の段階で延長部材3 はこの孔より引き上げ
られる為、問題は発生しないものである。

【０００９】延長部材収容筒4 の下端には、水抜き穴を
設けステンレスワイヤー5 を圧着接続6 し、所定位置に
梯子枠への支持金具7 を取付けてマンホール底迄至る
と、安全器の嵌脱部材8 を圧着するものである。

【００１０】ワイヤーの中間部での屈曲は延長部材収容
筒4 と同様にステンレス製のパイプを用いて曲げを施し
た支持金具7 によって対応するものである。

【００１１】本考案に用いる安全器は第５〜７図に示す
ものである。支持金具のＵ環31を受け入れる放射状の受
入溝S1を有する２枚の羽根S2の間にガイド体S3を挟持
し、該ガイド体S3との間にワイヤ-5又は延長部材3 等を
押圧する押圧爪S4を有するものであり、押圧爪S4の回動
によって作業者の墜落を防止するものである。

【００１２】使用にあたっては、先ず、可動梯子を引き
上げて固定し、延長部材3 先端より安全器S を挿入し、
子ロープ11のフック12を安全帯の環に連結する。梯子を
降りるにおいて、安全器はその重量で足もとを先行し、
屈曲部も通過し、マンホール底の嵌脱部材8 に達する。
屈曲部に施すパイプのアールは安全器の形状との兼ね合
いより、制限があるが、半径２５０ｍｍ程度以上のアー
ルとする。

【００１３】作業が進入したマンホールのみで終了する
場合は子ロープ11と安全帯との連結を外し、安全器をそ
こに停めておいて昇りに備えるものであるが、横孔を移
動し、異なるマンホールを昇る予定の場合には、嵌脱部
材8 より安全器を取り外して携帯するものである。

【００１４】嵌脱部材8 は第10図に示すよう、ワイヤー
5 と同軸上の開閉部材81がネジによって移動し、嵌脱空
間を設けることが出来る構造であり、設計上の都合で、
マンホール底の高い位置でワイヤーの下端を設けた際に
も、万が一の安全器の不作動が発生しても、マンホール
底への作業者の激突を防止する為である。

【００１５】

【考案の効果】以上のように本願考案を用いることによ
って、従来ロープによって行っていたマンホール梯子の
昇降を安全に行えるものである。又、地上へ突出した可
動梯子の先端より、マンホール底迄の間に屈曲部があっ
ても、梯子と安全器の間を一定に保て、スムーズな昇降
動作が得られるものである。

【００１６】

【図面の簡単な説明】

【図１】本装置の左側面図である。

【図２】本装置の正面図である。

【図３】可動梯子部を収納したところの左側面図であ
る。

【図４】マンホール内の屈曲部分の正面図である。

【図５】安全器の使用状態図である。

【図６】安全器のＵ環通過状態正面図である。

【図７】安全器のＵ環通過状態平面図である。

【図８】延長部材取付金具の斜視図てある。

【図９】延長部材収容筒取付金具の斜視図である。

【図１０】嵌脱部材の斜視図である。

【符号の説明】

1 固定梯子部 2 可動梯子部 3 延長部材 4 延長部材収容筒 5 ワイヤー 6 圧着接続 7 支持金具 8 嵌脱部材 9 安全器移動軌道 10 マンホール梯子用墜落防止装置 S 安全器

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 固定梯子部1 の上端部に、該固定梯子に
   重合して収容され、地上へ突出して固定可能な可動梯子
   部2 を有するマンホール梯子の墜落防止装置において、
   可動梯子部2 にはほぼ同長で丸棒よりなる延長部材3 を
   固定してその先端より安全器の嵌脱を可能とし、可動梯
   子が重合する固定梯子部1 には延長部材3 を密接収容す
   る、管材より成る延長部材収容筒4 を固定し、延長部材
   3 を下端より受入れ、該延長部材収容筒4 の下端にはワ
   イヤー5 を所定長嵌入して圧着接続6 を施し、中間所定
   部を支持金具7 により支持されてマンホール底に至った
   ワイヤー下端部には安全器の嵌脱部材8 を設け、地上に
   突出した際の可動梯子部2 の延長部材3 よりマンホール
   底の嵌脱部材8 迄の間を安全器S が連続して移動可能な
   構成を特徴とするマンホール梯子用墜落防止装置。