JPH07166330A - 蒸着めっき用Cr原料およびAl−Cr系合金蒸着めっき法 - Google Patents
蒸着めっき用Cr原料およびAl−Cr系合金蒸着めっき法Info
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- JPH07166330A JPH07166330A JP31553893A JP31553893A JPH07166330A JP H07166330 A JPH07166330 A JP H07166330A JP 31553893 A JP31553893 A JP 31553893A JP 31553893 A JP31553893 A JP 31553893A JP H07166330 A JPH07166330 A JP H07166330A
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 酸素含有量が0.010重量%以下のCrか
らなる蒸着めっき用のCr原料、および該低酸素含有量
のCrを用いたAl−Cr系蒸着めっき法を開示する。 【効果】 Crを原料として、特にAl−Cr系蒸着合
金めっきを行なったときに見られる蒸着めっき付着量や
めっき組成の不安定もしくはスプラッシュ発生による品
質劣化を防止し、優れた安定性の下で高品質のAl−C
r系合金蒸着めっき製品を得ることができる。
らなる蒸着めっき用のCr原料、および該低酸素含有量
のCrを用いたAl−Cr系蒸着めっき法を開示する。 【効果】 Crを原料として、特にAl−Cr系蒸着合
金めっきを行なったときに見られる蒸着めっき付着量や
めっき組成の不安定もしくはスプラッシュ発生による品
質劣化を防止し、優れた安定性の下で高品質のAl−C
r系合金蒸着めっき製品を得ることができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、Crを原料として蒸着
めっきを行なったときに見られる蒸着めっき付着量やめ
っき組成の不安定もしくはスプラッシュ発生による品質
劣化を防止し、優れた安定性の下で高品質のCr含有合
金蒸着めっき層を得ることのできるCr原料、およびそ
れを用いたAl−Cr系合金蒸着めっき法に関するもの
である。
めっきを行なったときに見られる蒸着めっき付着量やめ
っき組成の不安定もしくはスプラッシュ発生による品質
劣化を防止し、優れた安定性の下で高品質のCr含有合
金蒸着めっき層を得ることのできるCr原料、およびそ
れを用いたAl−Cr系合金蒸着めっき法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】蒸着めっき法とは、真空または希薄ガス
雰囲気下で蒸発原料を加熱蒸発させて被処理物の表面の
一部または全面に蒸着めっき層を形成する方法であり、
電子部品、各種フィルム製品、表面処理鋼板等、幅広い
分野に適用・実施されている。中でも、帯状の被処理物
を連続走行させながら連続的に蒸着めっきする方法は、
めっき効率においても優れたものとして償用されてい
る。
雰囲気下で蒸発原料を加熱蒸発させて被処理物の表面の
一部または全面に蒸着めっき層を形成する方法であり、
電子部品、各種フィルム製品、表面処理鋼板等、幅広い
分野に適用・実施されている。中でも、帯状の被処理物
を連続走行させながら連続的に蒸着めっきする方法は、
めっき効率においても優れたものとして償用されてい
る。
【0003】ところで、蒸発原料を加熱蒸発させるため
の加熱法としては、抵抗加熱法、高周波誘導加熱法、電
子線加熱法、レーザービーム加熱法等があり、これら加
熱源の中でも電子線を用いる方法は、設備およびめっき
効率を含めて工業的生産的に優れたものであるから、広
く実用化されている。
の加熱法としては、抵抗加熱法、高周波誘導加熱法、電
子線加熱法、レーザービーム加熱法等があり、これら加
熱源の中でも電子線を用いる方法は、設備およびめっき
効率を含めて工業的生産的に優れたものであるから、広
く実用化されている。
【0004】即ち電子線加熱方式とは、電子銃から発生
させた電子線を、蒸発させたい原料の表面に直接照射・
走査させて加熱蒸発させる方式であり、電子線はエネル
ギー密度が高く、蒸発させたい原料の表面に直接照射・
走査させることによって蒸発原料の蒸発速度を高め得る
ばかりでなく、高融点材料の蒸発にも無理なく適用でき
るため、得られるめっきの品種、合金めっき、多層めっ
き等の自由度も高く、他の加熱方式と比較して有利な点
が多い。
させた電子線を、蒸発させたい原料の表面に直接照射・
走査させて加熱蒸発させる方式であり、電子線はエネル
ギー密度が高く、蒸発させたい原料の表面に直接照射・
走査させることによって蒸発原料の蒸発速度を高め得る
ばかりでなく、高融点材料の蒸発にも無理なく適用でき
るため、得られるめっきの品種、合金めっき、多層めっ
き等の自由度も高く、他の加熱方式と比較して有利な点
が多い。
【0005】こうした電子線加熱方式が採用される蒸着
めっきの中でもAl系合金めっき鋼板は、耐食性、耐酸
化性等に優れているため、自動車、家庭用電気製品、建
築材料あるいは各種加熱燃焼機器の構成部材等に用いる
めっき鋼板として多用されている。特に、Al−Cr系
合金めっき鋼板は、Al系合金めっき鋼板の中でも特に
耐食性、溶接性、加工性等に優れている。
めっきの中でもAl系合金めっき鋼板は、耐食性、耐酸
化性等に優れているため、自動車、家庭用電気製品、建
築材料あるいは各種加熱燃焼機器の構成部材等に用いる
めっき鋼板として多用されている。特に、Al−Cr系
合金めっき鋼板は、Al系合金めっき鋼板の中でも特に
耐食性、溶接性、加工性等に優れている。
【0006】被処理帯に対し連続的に蒸着Al−Cr系
合金めっきを行なう場合、蒸発槽内に形成された溶融A
l−Cr系合金浴へ連続的または間欠的にワイヤ状のA
l原料とブリケット状のCr原料および必要によりその
他の合金元素を補給しつつ、Al−Cr系合金浴表面に
電子線を照射することにより、Al−Cr系合金浴表面
からAlとCr、あるいはこれらと更に他の元素よりな
る混合蒸気を発生せしめ、被処理帯の表面に蒸着させる
方法が採用される。
合金めっきを行なう場合、蒸発槽内に形成された溶融A
l−Cr系合金浴へ連続的または間欠的にワイヤ状のA
l原料とブリケット状のCr原料および必要によりその
他の合金元素を補給しつつ、Al−Cr系合金浴表面に
電子線を照射することにより、Al−Cr系合金浴表面
からAlとCr、あるいはこれらと更に他の元素よりな
る混合蒸気を発生せしめ、被処理帯の表面に蒸着させる
方法が採用される。
【0007】ところが、めっき原料としてCrを用いて
蒸着めっきを行なう場合、殊にAl系合金浴中にCr原
料を補給しながら連続的にAl−Cr系の蒸着合金めっ
きを行なう場合、蒸着めっき工程でめっき付着量やめっ
き組成が経時的に変動したり不安定になり、あるいは電
子線照射によってスプラッシュ(溶融金属の飛散現象)
が起こってその飛沫がめっき層表面に付着し、めっき製
品の外観を悪化させて製品価値や合格製品の歩留まりを
著しく低下させるという問題がしばしば経験される。
蒸着めっきを行なう場合、殊にAl系合金浴中にCr原
料を補給しながら連続的にAl−Cr系の蒸着合金めっ
きを行なう場合、蒸着めっき工程でめっき付着量やめっ
き組成が経時的に変動したり不安定になり、あるいは電
子線照射によってスプラッシュ(溶融金属の飛散現象)
が起こってその飛沫がめっき層表面に付着し、めっき製
品の外観を悪化させて製品価値や合格製品の歩留まりを
著しく低下させるという問題がしばしば経験される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の様な問
題点に着目してなされたものであって、その目的は、密
着性、加工性および耐食性に優れた蒸着Al−Cr系合
金めっきを行なうに際し、用いるCr原料に由来する前
述の様な問題を解消し、長時間に亘って安定しためっき
組成とめっき付着量を維持すると共に、表面欠陥のない
優れた外観の蒸着めっき製品を得ることのできる技術を
確立しようとするものである。
題点に着目してなされたものであって、その目的は、密
着性、加工性および耐食性に優れた蒸着Al−Cr系合
金めっきを行なうに際し、用いるCr原料に由来する前
述の様な問題を解消し、長時間に亘って安定しためっき
組成とめっき付着量を維持すると共に、表面欠陥のない
優れた外観の蒸着めっき製品を得ることのできる技術を
確立しようとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を達成した本発
明に係る蒸着めっき用Cr原料の構成は、酸素含有量が
0.010重量%以下に抑えられたCrからなるところ
に要旨を有するものであり、また本発明に係る蒸着Al
−Cr系合金蒸着めっき法の構成は、上記の様な低酸素
含有量のCr原料を用いてAl−Cr系合金蒸着めっき
を行なうところに要旨を有するものである。そしてこの
蒸着めっき法は、Al−Cr2元系合金めっきはもとよ
り、Al−Cr−SiやAl−Cr−Tiの様な3元系
以上のAl−Cr系合金めっき、更にはAl/Al−C
r、Al/Cr−Zr、Al/Cr−Ti等のAl−C
r系多層合金めっきにも適用することができる。
明に係る蒸着めっき用Cr原料の構成は、酸素含有量が
0.010重量%以下に抑えられたCrからなるところ
に要旨を有するものであり、また本発明に係る蒸着Al
−Cr系合金蒸着めっき法の構成は、上記の様な低酸素
含有量のCr原料を用いてAl−Cr系合金蒸着めっき
を行なうところに要旨を有するものである。そしてこの
蒸着めっき法は、Al−Cr2元系合金めっきはもとよ
り、Al−Cr−SiやAl−Cr−Tiの様な3元系
以上のAl−Cr系合金めっき、更にはAl/Al−C
r、Al/Cr−Zr、Al/Cr−Ti等のAl−C
r系多層合金めっきにも適用することができる。
【0010】
【作用】本発明者らは、Crをめっき原料として用いて
蒸着めっきを連続的に実施するときに見られるめっき付
着量やめっき組成の変動およびめっき表面欠陥の発生原
因について様々の角度から追求した結果、次の様な事実
が確認された。
蒸着めっきを連続的に実施するときに見られるめっき付
着量やめっき組成の変動およびめっき表面欠陥の発生原
因について様々の角度から追求した結果、次の様な事実
が確認された。
【0011】即ち、蒸発めっき原料として使用されるC
r原料には、不純物としてFe、O、C、Al、Cu等
が含まれているが、これらの不純物の中でも特に酸素が
Cr原料中に多量に含まれると、次の様に多くの問題が
生じてくる。即ち、蒸着Al−Cr系合金めっき工程で
Cr原料を浴中に補給すると、該Cr原料中に含まれる
酸素が浴中の活性なAlと反応してノロ(Al酸化物も
しくはAl−Cr系複合酸化物)が生成し、これが蒸発
槽内のAl−Cr系合金浴表面に浮上してくる。
r原料には、不純物としてFe、O、C、Al、Cu等
が含まれているが、これらの不純物の中でも特に酸素が
Cr原料中に多量に含まれると、次の様に多くの問題が
生じてくる。即ち、蒸着Al−Cr系合金めっき工程で
Cr原料を浴中に補給すると、該Cr原料中に含まれる
酸素が浴中の活性なAlと反応してノロ(Al酸化物も
しくはAl−Cr系複合酸化物)が生成し、これが蒸発
槽内のAl−Cr系合金浴表面に浮上してくる。
【0012】蒸着めっき法では、前述の如く蒸発槽内の
浴表面からめっき原料を蒸発させるものであるから、蒸
発槽の浴表面がノロで覆われるとめっき原料の蒸発有効
表面積が低下し、そのため蒸発速度が経時的に低下した
り変動を起こし、その結果、連続して長時間安定しため
っき組成やめっき付着量が維持できなくなる。
浴表面からめっき原料を蒸発させるものであるから、蒸
発槽の浴表面がノロで覆われるとめっき原料の蒸発有効
表面積が低下し、そのため蒸発速度が経時的に低下した
り変動を起こし、その結果、連続して長時間安定しため
っき組成やめっき付着量が維持できなくなる。
【0013】しかも電子線加熱方式では、蒸発槽表面に
電子線が直接照射されるため、蒸発槽内の浴表面にノロ
が存在すると電子線がノロ発生部を直接照射することに
なり、このときに電子線の照射されたノロが加熱状態と
なってその部分から溶融金属のスプラッシュ(溶融金属
の飛散現象)が発生し、その飛沫がめっき層表面に付着
してめっき製品の外観を著しく損ない、製品価値あるい
は合格製品歩留まりを著しく低下させる。
電子線が直接照射されるため、蒸発槽内の浴表面にノロ
が存在すると電子線がノロ発生部を直接照射することに
なり、このときに電子線の照射されたノロが加熱状態と
なってその部分から溶融金属のスプラッシュ(溶融金属
の飛散現象)が発生し、その飛沫がめっき層表面に付着
してめっき製品の外観を著しく損ない、製品価値あるい
は合格製品歩留まりを著しく低下させる。
【0014】そこで、ノロ発生に伴う上記の様な問題を
解消すべく研究を進めた結果、Cr原料中に含まれる酸
素量を極力低減させてやれば、浴表面へのノロ生成がほ
とんど認められなくなることをつきとめた。そしてCr
原料中の含有酸素量とノロ発生量の関係を追求した結
果、Cr原料中の含有酸素が0.010重量%以下、よ
り好ましくは0.005重量%以下になると、ノロ発生
防止効果が顕著に表われることを知った。
解消すべく研究を進めた結果、Cr原料中に含まれる酸
素量を極力低減させてやれば、浴表面へのノロ生成がほ
とんど認められなくなることをつきとめた。そしてCr
原料中の含有酸素量とノロ発生量の関係を追求した結
果、Cr原料中の含有酸素が0.010重量%以下、よ
り好ましくは0.005重量%以下になると、ノロ発生
防止効果が顕著に表われることを知った。
【0015】ちなみに、蒸着めっき用として用いられて
いる一般のCr原料における酸素含有率の標準的な規格
は0.05重量%以下で、市販品の実績酸素含有量は
0.03重量%前後であり、この様なレベルの酸素を含
むCr原料を使用すると蒸着めっき操業時におけるノロ
発生が著しく、先に指摘した様な問題を解消することが
できない。
いる一般のCr原料における酸素含有率の標準的な規格
は0.05重量%以下で、市販品の実績酸素含有量は
0.03重量%前後であり、この様なレベルの酸素を含
むCr原料を使用すると蒸着めっき操業時におけるノロ
発生が著しく、先に指摘した様な問題を解消することが
できない。
【0016】ところで、上記要件にかなう低酸素量のC
r原料は、Cr溶製工程でたとえば炭素やAl等の脱酸
性元素を加え酸化物として放散もしくは分離除去する方
法が採用されるが、このとき、Cr中の酸素含有量を低
下するにつれてC含有量は逆に増加する傾向がある。そ
してCr原料中のCは蒸着めっき合金の種類によっては
めっき層自身の硬度を上昇させてめっきの加工性や密着
性等に悪影響を及ぼすこともあるので、蒸着めっき材の
用途・特性によっては、該C含有量との兼ね合いを考慮
しつつ、前記酸素含有量の要件を満たす範囲で酸素含有
量を適宜選択することが望まれる。
r原料は、Cr溶製工程でたとえば炭素やAl等の脱酸
性元素を加え酸化物として放散もしくは分離除去する方
法が採用されるが、このとき、Cr中の酸素含有量を低
下するにつれてC含有量は逆に増加する傾向がある。そ
してCr原料中のCは蒸着めっき合金の種類によっては
めっき層自身の硬度を上昇させてめっきの加工性や密着
性等に悪影響を及ぼすこともあるので、蒸着めっき材の
用途・特性によっては、該C含有量との兼ね合いを考慮
しつつ、前記酸素含有量の要件を満たす範囲で酸素含有
量を適宜選択することが望まれる。
【0017】尚、Cr原料中に含まれるその他の不可避
不純物としては、Fe、Si等が挙げられるが、これら
は一般的な含有範囲である限りほとんどノロ発生やスプ
ラッシュの原因になることはなく、従って本発明ではそ
れら他の不可避不純物の含有量は特に規定されない。し
かしながら、これら不純元素がCr原料中に多量に含ま
れていると、得られる蒸着めっき製品の耐食性や加工性
等に悪影響を及ぼす恐れがあるため、これらの不可避元
素については、Feを0.20重量%以下、Siを0.
01重量%以下に抑えることが好ましい。
不純物としては、Fe、Si等が挙げられるが、これら
は一般的な含有範囲である限りほとんどノロ発生やスプ
ラッシュの原因になることはなく、従って本発明ではそ
れら他の不可避不純物の含有量は特に規定されない。し
かしながら、これら不純元素がCr原料中に多量に含ま
れていると、得られる蒸着めっき製品の耐食性や加工性
等に悪影響を及ぼす恐れがあるため、これらの不可避元
素については、Feを0.20重量%以下、Siを0.
01重量%以下に抑えることが好ましい。
【0018】以上の様に本発明では、Cr原料中の酸素
含有量を規制することによって蒸発槽内でのノロの発生
を防止し、それにより蒸発有効面積を安定化させて均一
なめっき組成と付着量を確保すると共に、スプラッシュ
の発生を阻止して高品質の蒸着めっき層が連続的に安定
して得られる様にしたところに特徴を有するものであ
り、こうした要件を満たす限り、該Cr原料を用いた蒸
着めっき法等については一切制限されない。
含有量を規制することによって蒸発槽内でのノロの発生
を防止し、それにより蒸発有効面積を安定化させて均一
なめっき組成と付着量を確保すると共に、スプラッシュ
の発生を阻止して高品質の蒸着めっき層が連続的に安定
して得られる様にしたところに特徴を有するものであ
り、こうした要件を満たす限り、該Cr原料を用いた蒸
着めっき法等については一切制限されない。
【0019】しかしながら好ましくは、常法に従ってC
rの酸化防止のため真空もしくは非酸化性ガス雰囲気下
で粒状もしくはブリケット状のCrを蒸発槽内へ連続的
もしくは間欠的に補充しながら連続的に蒸着めっきを行
なう方法である。尚本発明において蒸着めっきとは、C
VD法、PVD法、イオンプレーティング法等を含めた
広義の蒸着めっきを意味する。
rの酸化防止のため真空もしくは非酸化性ガス雰囲気下
で粒状もしくはブリケット状のCrを蒸発槽内へ連続的
もしくは間欠的に補充しながら連続的に蒸着めっきを行
なう方法である。尚本発明において蒸着めっきとは、C
VD法、PVD法、イオンプレーティング法等を含めた
広義の蒸着めっきを意味する。
【0020】また蒸発のための加熱手段としては、抵抗
加熱法、高周波加熱法、電子線加熱法、レーザービーム
加熱法等が採用可能であるが、これらの中でも加熱効率
等を加味して最も好ましいのは電子線加熱法である。ま
た本発明が適用される非めっき材にも一切制限がなく、
最も汎用性の高い軟鋼のほかステンレス鋼や合金鋼等の
各種金属、更には非鉄金属、ガラス、セラミックス、プ
ラスチック等に適用することができ、またその形状も板
状、帯状、フィルム状、棒状、線状、管状等が包含され
る。
加熱法、高周波加熱法、電子線加熱法、レーザービーム
加熱法等が採用可能であるが、これらの中でも加熱効率
等を加味して最も好ましいのは電子線加熱法である。ま
た本発明が適用される非めっき材にも一切制限がなく、
最も汎用性の高い軟鋼のほかステンレス鋼や合金鋼等の
各種金属、更には非鉄金属、ガラス、セラミックス、プ
ラスチック等に適用することができ、またその形状も板
状、帯状、フィルム状、棒状、線状、管状等が包含され
る。
【0021】
【実施例】次に本発明の実施例を示すが、本発明はもと
より下記実施例によって制限を受けるものではなく、前
後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施
することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の
技術的範囲に含まれる。
より下記実施例によって制限を受けるものではなく、前
後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施
することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の
技術的範囲に含まれる。
【0022】実施例 図2に示す連続蒸着めっき設備を用いて蒸着Al−Cr
合金めっき鋼板の製造を行ない、めっき時におけるめっ
き付着量の安定性およびめっき鋼板の外観調査を行なっ
た。尚図2において、帯鋼1を真空シール装置19a内
のシールロール20間を通して接続ダクト18からサポ
ートロール17を経て真空蒸着室12aへ送り、該蒸着
室12a内の蒸発槽4に形成された溶融金属浴(Al−
Cr)5に電子銃2からの電子ビーム3を照射しつつA
lとCrの混合蒸気を発生せしめ、且つ蒸発量に応じて
Alワイヤ6とブリケット状Cr7を補給しつつ、帯鋼
1の下面側にAl−Crめっきを施す。引き続いてサポ
ートロール17、デフレクターロール21、接続ダクト
18等を経て、帯鋼1を反転させて蒸着室12bへ送
り、同様に蒸発槽4内の溶融金属浴5へAlワイヤ6と
ブリケット状Cr7を補給しつつ電子銃2からの電子ビ
ーム3により加熱してAl−Cr混合蒸気を発生させ、
その蒸気を反転した帯鋼1の下面側へ蒸着させ、サポー
トロール17、接続ダクト18、真空ロック装置19b
のシールロール20を通して系外へ引き出す。
合金めっき鋼板の製造を行ない、めっき時におけるめっ
き付着量の安定性およびめっき鋼板の外観調査を行なっ
た。尚図2において、帯鋼1を真空シール装置19a内
のシールロール20間を通して接続ダクト18からサポ
ートロール17を経て真空蒸着室12aへ送り、該蒸着
室12a内の蒸発槽4に形成された溶融金属浴(Al−
Cr)5に電子銃2からの電子ビーム3を照射しつつA
lとCrの混合蒸気を発生せしめ、且つ蒸発量に応じて
Alワイヤ6とブリケット状Cr7を補給しつつ、帯鋼
1の下面側にAl−Crめっきを施す。引き続いてサポ
ートロール17、デフレクターロール21、接続ダクト
18等を経て、帯鋼1を反転させて蒸着室12bへ送
り、同様に蒸発槽4内の溶融金属浴5へAlワイヤ6と
ブリケット状Cr7を補給しつつ電子銃2からの電子ビ
ーム3により加熱してAl−Cr混合蒸気を発生させ、
その蒸気を反転した帯鋼1の下面側へ蒸着させ、サポー
トロール17、接続ダクト18、真空ロック装置19b
のシールロール20を通して系外へ引き出す。
【0023】上記において、蒸発槽内におけるAl−C
r合金浴の建浴には、表1に示す化学成分のAlおよび
Cr原料を用いた。また、蒸着めっき時におけるAl−
Cr合金浴への原料の補給については、Alは表1に示
す化学成分のワイヤ状(9mmφ)のAl原料をワイヤ
供給装置を用いて連続的に補給し、一方Crは、表2に
示す化学成分のブリケット状Cr原料をバイブレーター
方式により間欠的に補給し、蒸着めっき条件は下記の通
りとした。この連続蒸着めっき時におけるAl−Crめ
っき付着量の安定性および得られためっき帯鋼の表面性
状観察を行ない、その結果を表3および図1に示した。 (蒸着めっき条件) 被処理材 :冷延鋼板(低炭素Alキルド鋼) 蒸発原料の加熱源 :ピアス型電子銃(max300kw) めっき前の被めっき材温度 :200〜350℃ 蒸着室真空度 :5×10-3〜5×10-2Pa 合金浴の組成 :28〜32重量%Cr Cr原料の補給インターバル:30分間に1回、500g補給 狙いめっき付着量 :20g/m2
r合金浴の建浴には、表1に示す化学成分のAlおよび
Cr原料を用いた。また、蒸着めっき時におけるAl−
Cr合金浴への原料の補給については、Alは表1に示
す化学成分のワイヤ状(9mmφ)のAl原料をワイヤ
供給装置を用いて連続的に補給し、一方Crは、表2に
示す化学成分のブリケット状Cr原料をバイブレーター
方式により間欠的に補給し、蒸着めっき条件は下記の通
りとした。この連続蒸着めっき時におけるAl−Crめ
っき付着量の安定性および得られためっき帯鋼の表面性
状観察を行ない、その結果を表3および図1に示した。 (蒸着めっき条件) 被処理材 :冷延鋼板(低炭素Alキルド鋼) 蒸発原料の加熱源 :ピアス型電子銃(max300kw) めっき前の被めっき材温度 :200〜350℃ 蒸着室真空度 :5×10-3〜5×10-2Pa 合金浴の組成 :28〜32重量%Cr Cr原料の補給インターバル:30分間に1回、500g補給 狙いめっき付着量 :20g/m2
【0024】
【表1】
【0025】
【表2】
【0026】
【表3】
【0027】表3および図1からも明らかである様に、
本発明の規定要件を満たすCr原料(No.1〜3)を用
いたものでは、めっき付着量の変動幅がいずれも1g/
m2以下で非常に小さく、且つめっき表面外観も良好で
あるのに対し、酸素含有量の多いCr原料(No.4〜
7)を用いたものでは、めっき付着量が2.0g/m2
以上の幅で大きく変動すると共に、めっき表面にはスプ
ラッシュ飛沫の付着による外観不良が明確に認められ
た。
本発明の規定要件を満たすCr原料(No.1〜3)を用
いたものでは、めっき付着量の変動幅がいずれも1g/
m2以下で非常に小さく、且つめっき表面外観も良好で
あるのに対し、酸素含有量の多いCr原料(No.4〜
7)を用いたものでは、めっき付着量が2.0g/m2
以上の幅で大きく変動すると共に、めっき表面にはスプ
ラッシュ飛沫の付着による外観不良が明確に認められ
た。
【0028】
【発明の効果】本発明は以上の様に構成されており、使
用するCrめっき原料中の酸素含有量を規制することに
よって、美麗でめっき付着量の均一なAl−Cr系合金
の蒸着めっき製品を安定して効率良く製造し得ることに
なった。
用するCrめっき原料中の酸素含有量を規制することに
よって、美麗でめっき付着量の均一なAl−Cr系合金
の蒸着めっき製品を安定して効率良く製造し得ることに
なった。
【図1】酸素含有量の異なるCr原料を使用したときの
めっき付着量の変動状況を示すグラフである。
めっき付着量の変動状況を示すグラフである。
【図2】本発明が適用される蒸着めっき設備を例示する
概念図である。
概念図である。
1 帯鋼 2 電子銃 3 電子ビーム 4 蒸発槽 5 溶融金属浴 6 Alワイヤ 7 ブリケット状Cr 12a,12b 真空蒸着室
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 入江 広司 兵庫県加古川市金沢町1番地 株式会社神 戸製鋼所加古川製鉄所内 (72)発明者 綾部 東太 兵庫県加古川市金沢町1番地 株式会社神 戸製鋼所加古川製鉄所内
Claims (2)
- 【請求項1】 酸素含有量が0.010重量%以下のC
rからなることを特徴とする蒸着めっき用Cr原料。 - 【請求項2】 Al−Cr系合金蒸着めっきを行なうに
当たり、Cr原料として、酸素含有量が0.010重量
%以下のCrを使用することを特徴とするAl−Cr系
合金蒸着めっき方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31553893A JPH07166330A (ja) | 1993-12-15 | 1993-12-15 | 蒸着めっき用Cr原料およびAl−Cr系合金蒸着めっき法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31553893A JPH07166330A (ja) | 1993-12-15 | 1993-12-15 | 蒸着めっき用Cr原料およびAl−Cr系合金蒸着めっき法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07166330A true JPH07166330A (ja) | 1995-06-27 |
Family
ID=18066551
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP31553893A Withdrawn JPH07166330A (ja) | 1993-12-15 | 1993-12-15 | 蒸着めっき用Cr原料およびAl−Cr系合金蒸着めっき法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07166330A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100958975B1 (ko) * | 2007-12-21 | 2010-05-20 | 주식회사 포스코 | 금속소재의 알루미늄-크롬 합금 피막 형성방법 |
-
1993
- 1993-12-15 JP JP31553893A patent/JPH07166330A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100958975B1 (ko) * | 2007-12-21 | 2010-05-20 | 주식회사 포스코 | 금속소재의 알루미늄-크롬 합금 피막 형성방법 |
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