JPH07165598A - タンパク質合成阻害剤 - Google Patents
タンパク質合成阻害剤Info
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- JPH07165598A JPH07165598A JP5342786A JP34278693A JPH07165598A JP H07165598 A JPH07165598 A JP H07165598A JP 5342786 A JP5342786 A JP 5342786A JP 34278693 A JP34278693 A JP 34278693A JP H07165598 A JPH07165598 A JP H07165598A
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- Japan
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- extract
- protein synthesis
- plant
- acacia
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- Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
- Medicines Containing Plant Substances (AREA)
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 アカシア属植物の抽出物、或いは該抽出物に
含まれるタンパク質画分を有効成分とするタンパク質合
成阻害剤を提供すると共に、アカシア属植物の抽出物を
有効成分とする抗ウイルス剤を提供する。 【効果】 本発明のタンパク質合成阻害剤或いは抗ウイ
ルス剤は、世界中に多量に存在するアカシア属植物から
抽出することができるために、極めて経済的に生産する
ことができる。本発明のタンパク質合成阻害剤或いは抗
ウイルス剤は、強力なタンパク質合成阻害活性の他、強
力な抗ウイルス活性を有しており、ヒトに限らず、動・
植物の抗ウイルス剤、ウイルス病予防薬として、医薬分
野、農業分野などにおいて有効に利用することができ
る。
含まれるタンパク質画分を有効成分とするタンパク質合
成阻害剤を提供すると共に、アカシア属植物の抽出物を
有効成分とする抗ウイルス剤を提供する。 【効果】 本発明のタンパク質合成阻害剤或いは抗ウイ
ルス剤は、世界中に多量に存在するアカシア属植物から
抽出することができるために、極めて経済的に生産する
ことができる。本発明のタンパク質合成阻害剤或いは抗
ウイルス剤は、強力なタンパク質合成阻害活性の他、強
力な抗ウイルス活性を有しており、ヒトに限らず、動・
植物の抗ウイルス剤、ウイルス病予防薬として、医薬分
野、農業分野などにおいて有効に利用することができ
る。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アカシア(Acacia) 属
植物の葉,茎,樹皮,根,種子などの抽出物若しくは該
抽出物に含まれるタンパク質成分を有効成分とするタン
パク質合成阻害剤と、前記抽出物を有効成分とする抗ウ
イルス剤に関する。
植物の葉,茎,樹皮,根,種子などの抽出物若しくは該
抽出物に含まれるタンパク質成分を有効成分とするタン
パク質合成阻害剤と、前記抽出物を有効成分とする抗ウ
イルス剤に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】多くの
植物は、その抽出成分に動・植物ウイルスを不活性化す
る物質若しくは動・植物ウイルスの宿主への感染を阻害
する物質を含んでいる。例えば、ポリフェノール成分な
どは、多くの動・植物ウイルスを不活性化する作用を持
ち、その効果は既に広く知られている。また、近年、ア
メリカヤマゴボウ,カーネーション,オシロイバナ,キ
ミガヨランなどに、非常に強い抗ウイルス活性を持つタ
ンパク質が見出され、これらの多くは RIP(Ribosom
e-inactivating protein)とよばれるタンパク質である
ことが明らかにされた。
植物は、その抽出成分に動・植物ウイルスを不活性化す
る物質若しくは動・植物ウイルスの宿主への感染を阻害
する物質を含んでいる。例えば、ポリフェノール成分な
どは、多くの動・植物ウイルスを不活性化する作用を持
ち、その効果は既に広く知られている。また、近年、ア
メリカヤマゴボウ,カーネーション,オシロイバナ,キ
ミガヨランなどに、非常に強い抗ウイルス活性を持つタ
ンパク質が見出され、これらの多くは RIP(Ribosom
e-inactivating protein)とよばれるタンパク質である
ことが明らかにされた。
【0003】この一連のタンパク質は、リボソーム(Rib
osome)を不活性化することによるタンパク質合成阻害活
性を持ち、ウイルスの感染時に感染細胞に侵入し、その
細胞のタンパク質合成を阻害すると考えられている。こ
れらのタンパク質は、強い抗ウイルス活性とタンパク質
合成阻害活性を持つことから、動・植物の抗ウイルス剤
や、癌細胞などの特定の細胞を攻撃することを狙ったイ
ムノトキシン( Immunotoxin )などへの応用が検討され
ている。しかし、現在までに、このRIPを含む植物は
いくつか報告されているものの、旺盛な生育が期待でき
なかったり、RIPを含有する組織が、植物の種子部分
などに限定されている場合が多いなど、医薬品,農薬な
どに用いる場合には実用上問題が多かった。
osome)を不活性化することによるタンパク質合成阻害活
性を持ち、ウイルスの感染時に感染細胞に侵入し、その
細胞のタンパク質合成を阻害すると考えられている。こ
れらのタンパク質は、強い抗ウイルス活性とタンパク質
合成阻害活性を持つことから、動・植物の抗ウイルス剤
や、癌細胞などの特定の細胞を攻撃することを狙ったイ
ムノトキシン( Immunotoxin )などへの応用が検討され
ている。しかし、現在までに、このRIPを含む植物は
いくつか報告されているものの、旺盛な生育が期待でき
なかったり、RIPを含有する組織が、植物の種子部分
などに限定されている場合が多いなど、医薬品,農薬な
どに用いる場合には実用上問題が多かった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、大量に入
手可能な植物資源の中から、これらの有効成分を得べく
鋭意研究を進めた結果、生育が極めて旺盛で、世界各地
で木材やタンニン原料として広く利用されているアカシ
ア属植物の葉,茎,樹皮,根,種子などに、極めて強力
なタンパク質合成阻害活性や抗ウイルス活性を有するタ
ンパク質が存在することを突き止め、この知見に基づい
て本発明を完成するに到った。
手可能な植物資源の中から、これらの有効成分を得べく
鋭意研究を進めた結果、生育が極めて旺盛で、世界各地
で木材やタンニン原料として広く利用されているアカシ
ア属植物の葉,茎,樹皮,根,種子などに、極めて強力
なタンパク質合成阻害活性や抗ウイルス活性を有するタ
ンパク質が存在することを突き止め、この知見に基づい
て本発明を完成するに到った。
【0005】すなわち本発明は、アカシア属植物の抽出
物、若しくはアカシア属植物の抽出物に含まれるタンパ
ク質画分、を有効成分とするタンパク質合成阻害剤を提
供するものであり、さらにアカシア属植物の抽出物を有
効成分とする抗ウイルス剤をも提供するものである。
物、若しくはアカシア属植物の抽出物に含まれるタンパ
ク質画分、を有効成分とするタンパク質合成阻害剤を提
供するものであり、さらにアカシア属植物の抽出物を有
効成分とする抗ウイルス剤をも提供するものである。
【0006】本発明で用いるアカシア(Acacia) 属植物
としては、例えばメラノキアカシア( Acacia melanoxy
lon )、ギンヨウアカシア( Acacia baileyana )、モ
リシマアカシア( Acacia mollissima )、アカシア・
マンギューム( Acacia mangium )、ペンデュラアカシ
ア( Acacia pendula )など、日本をはじめ、世界各地
で人工的に造林されている種類を利用することができ、
これらのアカシア属植物の葉, 茎, 樹皮, 根, 種子な
ど、ほとんどの部分が利用できる。
としては、例えばメラノキアカシア( Acacia melanoxy
lon )、ギンヨウアカシア( Acacia baileyana )、モ
リシマアカシア( Acacia mollissima )、アカシア・
マンギューム( Acacia mangium )、ペンデュラアカシ
ア( Acacia pendula )など、日本をはじめ、世界各地
で人工的に造林されている種類を利用することができ、
これらのアカシア属植物の葉, 茎, 樹皮, 根, 種子な
ど、ほとんどの部分が利用できる。
【0007】本発明のタンパク質合成阻害剤或いは抗ウ
イルス剤は、このようなアカシア属植物の葉, 茎, 樹
皮, 根, 種子などからの抽出物を有効成分とするか、若
しくはこれら抽出物に含まれるタンパク質画分を有効成
分とするものである。このような抽出物若しくは抽出物
に含まれるタンパク質画分の成分組成は、必ずしも明ら
かではないが、例えば以下の如き手法により得ることが
できる。まず、アカシア属植物の葉, 茎, 樹皮, 根, 種
子を、水又はリン酸緩衝液中で磨砕し、遠心分離を行
う。次いで、生じた上清を集め、水又はリン酸緩衝液で
希釈することにより、アカシア属植物の抽出物を得るこ
とができる。
イルス剤は、このようなアカシア属植物の葉, 茎, 樹
皮, 根, 種子などからの抽出物を有効成分とするか、若
しくはこれら抽出物に含まれるタンパク質画分を有効成
分とするものである。このような抽出物若しくは抽出物
に含まれるタンパク質画分の成分組成は、必ずしも明ら
かではないが、例えば以下の如き手法により得ることが
できる。まず、アカシア属植物の葉, 茎, 樹皮, 根, 種
子を、水又はリン酸緩衝液中で磨砕し、遠心分離を行
う。次いで、生じた上清を集め、水又はリン酸緩衝液で
希釈することにより、アカシア属植物の抽出物を得るこ
とができる。
【0008】以上の如くして、アカシア属植物の抽出物
を得ることができる。このようにして抽出された抽出物
は、そのままタンパク質合成阻害剤或いは抗ウイルス剤
とすることができるが、さらに抽出を進めてタンパク質
画分を分離し、これをタンパク質合成阻害剤とすること
ができる。タンパク質画分の分離は、例えば以下の方法
により行うことができる。すなわち、アカシア属植物の
抽出物に硫酸アンモニウムを添加した後、析出したタン
パク質を遠心分離により集める。次に、これをリン酸緩
衝液に溶解し、さらに透析やゲル濾過により、この溶液
から塩類や低分子を取り除くことにより、タンパク質画
分を分離することができる。
を得ることができる。このようにして抽出された抽出物
は、そのままタンパク質合成阻害剤或いは抗ウイルス剤
とすることができるが、さらに抽出を進めてタンパク質
画分を分離し、これをタンパク質合成阻害剤とすること
ができる。タンパク質画分の分離は、例えば以下の方法
により行うことができる。すなわち、アカシア属植物の
抽出物に硫酸アンモニウムを添加した後、析出したタン
パク質を遠心分離により集める。次に、これをリン酸緩
衝液に溶解し、さらに透析やゲル濾過により、この溶液
から塩類や低分子を取り除くことにより、タンパク質画
分を分離することができる。
【0009】このようにして得られるアカシア属植物の
抽出物、或いはこの抽出物に含まれるタンパク質画分
は、タンパク質合成阻害剤或いは抗ウイルス剤とする場
合には、例えば前記抽出物或いは前記タンパク質画分を
10〜1000μgタンパク質/ml程度含有する溶液
を、植物の葉、茎に噴霧するか、根や切り口をこのよう
な溶液中に浸漬すれば、植物のウイルス病を予防するこ
とができる。また、ヒトや家畜の飲料水に上記タンパク
質画分を同程度添加したり、これをうがい薬として使用
すれば、呼吸器のウイルス性疾患を予防することが可能
である。本発明のタンパク質合成阻害剤或いは抗ウイル
ス剤は、上記した如きアカシア属植物の抽出物、或いは
この抽出物に含まれるタンパク質画分を有効成分とする
ものであり、そのまま単独で用いられる他、本発明の目
的に反しない限度において、同じ目的若しくはその他の
目的で使用される医薬品、農薬等と組み合わせて用いる
ことができる。
抽出物、或いはこの抽出物に含まれるタンパク質画分
は、タンパク質合成阻害剤或いは抗ウイルス剤とする場
合には、例えば前記抽出物或いは前記タンパク質画分を
10〜1000μgタンパク質/ml程度含有する溶液
を、植物の葉、茎に噴霧するか、根や切り口をこのよう
な溶液中に浸漬すれば、植物のウイルス病を予防するこ
とができる。また、ヒトや家畜の飲料水に上記タンパク
質画分を同程度添加したり、これをうがい薬として使用
すれば、呼吸器のウイルス性疾患を予防することが可能
である。本発明のタンパク質合成阻害剤或いは抗ウイル
ス剤は、上記した如きアカシア属植物の抽出物、或いは
この抽出物に含まれるタンパク質画分を有効成分とする
ものであり、そのまま単独で用いられる他、本発明の目
的に反しない限度において、同じ目的若しくはその他の
目的で使用される医薬品、農薬等と組み合わせて用いる
ことができる。
【0010】このようにして得られた抽出物或いはタン
パク質画分は、強力なタンパク質合成阻害活性の他、H
IV( human immunodeficiency virus )(ヒト免疫不
全ウイルス),ヘルペスウイルス,その他、タバコモザ
イクウイルス(TMV)などをはじめ、多くの動・植物
ウイルスに対して、強力な抗ウイルス活性を有してお
り、アメリカヤマゴボウなどに見出されるRIPの一種
と考えられる。これらの抽出物或いはタンパク質画分
は、公知の方法により抗原などと結合させることによ
り、バクテリアや癌細胞など、特定の細胞への結合性、
浸透性を持たせ、これらのタンパク質合成を阻害し、バ
クテリアや癌細胞を死滅させることなどが可能であり、
抗菌剤、抗癌剤などに利用することができる。また、本
発明の抗ウイルス剤は、強力な抗ウイルス活性を有する
ことから、ヒトに限らず、動・植物の抗ウイルス剤、ウ
イルス病予防薬として、医薬分野、農業分野などにおい
て有効に利用することができる。
パク質画分は、強力なタンパク質合成阻害活性の他、H
IV( human immunodeficiency virus )(ヒト免疫不
全ウイルス),ヘルペスウイルス,その他、タバコモザ
イクウイルス(TMV)などをはじめ、多くの動・植物
ウイルスに対して、強力な抗ウイルス活性を有してお
り、アメリカヤマゴボウなどに見出されるRIPの一種
と考えられる。これらの抽出物或いはタンパク質画分
は、公知の方法により抗原などと結合させることによ
り、バクテリアや癌細胞など、特定の細胞への結合性、
浸透性を持たせ、これらのタンパク質合成を阻害し、バ
クテリアや癌細胞を死滅させることなどが可能であり、
抗菌剤、抗癌剤などに利用することができる。また、本
発明の抗ウイルス剤は、強力な抗ウイルス活性を有する
ことから、ヒトに限らず、動・植物の抗ウイルス剤、ウ
イルス病予防薬として、医薬分野、農業分野などにおい
て有効に利用することができる。
【0011】
【実施例】以下に、実施例をあげて本発明を詳細に説明
するが、本発明はこれに限定されることはなく、通常の
技術により変更可能である。また、抗ウイルス剤の実施
例として、TMVとアカザとを用いて説明を行なうが、
対象とするウイルスや宿主は、これらには限定されず、
ヒト、家畜、植物のいずれのウイルス病の予防、治療に
も利用可能である。
するが、本発明はこれに限定されることはなく、通常の
技術により変更可能である。また、抗ウイルス剤の実施
例として、TMVとアカザとを用いて説明を行なうが、
対象とするウイルスや宿主は、これらには限定されず、
ヒト、家畜、植物のいずれのウイルス病の予防、治療に
も利用可能である。
【0012】実施例1〔アカシアタンパク質画分のタン
パク質合成阻害活性〕 メラノキアカシア(Acacia melanoxylon) の仮葉50g
(FW)を、5gのポリビニルポリピロリドン(PVP
P)と共に、10mlのリン酸緩衝液(10mM,pH
7.2, 0.1%の2−メルカプトエタノールを含む) 中で
磨砕し、1000×g,10分の条件で遠心分離を行なっ
た。上清に飽和量の25%に相当する硫酸アンモニウム
を加え、6時間放置した後、1000×g,20分の条件で
遠心分離を行なった。この上清に飽和量の90%に相当
する硫酸アンモニウムを加え、12時間放置した後、10
00×g,10分の条件で遠心分離を行なった。
パク質合成阻害活性〕 メラノキアカシア(Acacia melanoxylon) の仮葉50g
(FW)を、5gのポリビニルポリピロリドン(PVP
P)と共に、10mlのリン酸緩衝液(10mM,pH
7.2, 0.1%の2−メルカプトエタノールを含む) 中で
磨砕し、1000×g,10分の条件で遠心分離を行なっ
た。上清に飽和量の25%に相当する硫酸アンモニウム
を加え、6時間放置した後、1000×g,20分の条件で
遠心分離を行なった。この上清に飽和量の90%に相当
する硫酸アンモニウムを加え、12時間放置した後、10
00×g,10分の条件で遠心分離を行なった。
【0013】生じた沈澱を5mlのリン酸緩衝液(10
mM,pH 6.5)に溶解し、同じリン酸緩衝液中で24時
間透析した。次に、遠心分離を行ない、得られた上清を
タンパク質画分とした。これをリン酸緩衝液(5mM,
pH 6.5 )で所定の濃度に希釈した後、ウサギ網状赤血球
ライセート、[3H]- ロイシン(2μCi) 、TMV-RNA と混合
し( 全量14μl)、30℃で60分間培養した。次
に、10%トリクロロ酢酸100 μl を添加し、反応を停
止させ、さらに90℃で15分間培養した後、氷冷し
た。これを10000 ×gで10分間遠心分離を行ない、沈
澱を得た。この遠心分離を3回繰り返し、得られた沈澱
に1N NaOHを1ml加えて溶解し、15mlのシンチレ
ーター液、0.33mlの6N HCl を加え、一夜静置後、ト
リクロロ酢酸不溶性タンパク質に取り込まれた放射能
を、液体シンチレーションカウンターにて測定した。以
上の方法で測定したものをサンプルカウントとし、アカ
シアタンパク質画分の代わりに、5mMリン酸緩衝液を
加えたものをコントロールカウントとし、TMV-RNA の代
わりに0.05 M Tris-HCl 緩衝液pH 7.4を加えたものをブ
ランクカウントとして、以下の計算式(数式1)を用い
て阻害率を求めた。結果を第1表に示す。
mM,pH 6.5)に溶解し、同じリン酸緩衝液中で24時
間透析した。次に、遠心分離を行ない、得られた上清を
タンパク質画分とした。これをリン酸緩衝液(5mM,
pH 6.5 )で所定の濃度に希釈した後、ウサギ網状赤血球
ライセート、[3H]- ロイシン(2μCi) 、TMV-RNA と混合
し( 全量14μl)、30℃で60分間培養した。次
に、10%トリクロロ酢酸100 μl を添加し、反応を停
止させ、さらに90℃で15分間培養した後、氷冷し
た。これを10000 ×gで10分間遠心分離を行ない、沈
澱を得た。この遠心分離を3回繰り返し、得られた沈澱
に1N NaOHを1ml加えて溶解し、15mlのシンチレ
ーター液、0.33mlの6N HCl を加え、一夜静置後、ト
リクロロ酢酸不溶性タンパク質に取り込まれた放射能
を、液体シンチレーションカウンターにて測定した。以
上の方法で測定したものをサンプルカウントとし、アカ
シアタンパク質画分の代わりに、5mMリン酸緩衝液を
加えたものをコントロールカウントとし、TMV-RNA の代
わりに0.05 M Tris-HCl 緩衝液pH 7.4を加えたものをブ
ランクカウントとして、以下の計算式(数式1)を用い
て阻害率を求めた。結果を第1表に示す。
【0014】
【数1】
【0015】
【表1】
【0016】実施例2〔メラノキアカシア各部位の抗ウ
イルス活性〕 メラノキアカシアの各部位を、PVPPと共に100 mMのリ
ン酸緩衝液(pH 7.0)中で磨砕し、遠心分離を行なった。
生じた上清を同リン酸緩衝液で所定の倍率に希釈し、T
MV(終濃度0.03μg/l) と混合後、直ちにカーボラン
ダムと共にアカザの半葉に塗布した。残りの半葉にはT
MVのみを塗布した。塗布後、これらを直ちに水洗し、
約一週間後に生じた局部病斑を数え、以下の計算式(数
式2)を用いて局部病斑形成阻害率を求めた。結果を第
2表に示す。第2表から明らかなように、アカシア各部
位に抗ウイルス活性が認められた。
イルス活性〕 メラノキアカシアの各部位を、PVPPと共に100 mMのリ
ン酸緩衝液(pH 7.0)中で磨砕し、遠心分離を行なった。
生じた上清を同リン酸緩衝液で所定の倍率に希釈し、T
MV(終濃度0.03μg/l) と混合後、直ちにカーボラン
ダムと共にアカザの半葉に塗布した。残りの半葉にはT
MVのみを塗布した。塗布後、これらを直ちに水洗し、
約一週間後に生じた局部病斑を数え、以下の計算式(数
式2)を用いて局部病斑形成阻害率を求めた。結果を第
2表に示す。第2表から明らかなように、アカシア各部
位に抗ウイルス活性が認められた。
【0017】
【数2】
【0018】
【表2】
【0019】実施例3〔アカシアタンパク質画分のTM
V局部病斑形成阻害活性〕 実施例1で得られたタンパク質画分を、5mlのリン酸
緩衝液(10mM, pH6.5) で所定の倍率に希釈した
後、TMV(終濃度0.03μg/ml) と混合し、直ちにカー
ボランダムと共にアカザの半葉に塗布した。残りの半葉
には、TMV(終濃度0.03μg/ml) のみを塗布した。こ
れらを塗布後、直ちに水洗し、約一週間後に生じた局部
病斑を数え、上記実施例2における計算式(数式2)を
用いて局部病斑形成阻害率を求めた。結果を第3表に示
す。第3表から明らかなように、極めて低いタンパク質
濃度においても、アカシアタンパク質画分は強い抗植物
ウイルス活性を示した。
V局部病斑形成阻害活性〕 実施例1で得られたタンパク質画分を、5mlのリン酸
緩衝液(10mM, pH6.5) で所定の倍率に希釈した
後、TMV(終濃度0.03μg/ml) と混合し、直ちにカー
ボランダムと共にアカザの半葉に塗布した。残りの半葉
には、TMV(終濃度0.03μg/ml) のみを塗布した。こ
れらを塗布後、直ちに水洗し、約一週間後に生じた局部
病斑を数え、上記実施例2における計算式(数式2)を
用いて局部病斑形成阻害率を求めた。結果を第3表に示
す。第3表から明らかなように、極めて低いタンパク質
濃度においても、アカシアタンパク質画分は強い抗植物
ウイルス活性を示した。
【0020】
【表3】
【0021】
【発明の効果】本発明のタンパク質合成阻害剤或いは抗
ウイルス剤は、世界中に多量に存在するアカシア属植物
から抽出することができるために、極めて経済的に生産
することができる。また、本発明のタンパク質合成阻害
剤或いは抗ウイルス剤は、強力なタンパク質合成阻害活
性の他、強力な抗ウイルス活性を有している。すなわ
ち、アカシア属植物からの抽出物或いはタンパク質画分
は、強力なタンパク質合成阻害活性の他、HIV( huma
n immunodeficiency virus )(ヒト免疫不全ウイル
ス),ヘルペスウイルス,その他、タバコモザイクウイ
ルス(TMV)などをはじめ、多くの動・植物ウイルス
に対して、強力な抗ウイルス活性を有している。また、
これらの抽出物或いはタンパク質画分は、公知の方法に
より抗原などと結合させることにより、バクテリアや癌
細胞など、特定の細胞への結合性、浸透性を持たせ、こ
れらのタンパク質合成を阻害し、バクテリアや癌細胞を
死滅させることなどが可能であり、抗菌剤、抗癌剤など
に利用することができる。また、本発明の抗ウイルス剤
は、強力な抗ウイルス活性を有することから、ヒトに限
らず、動・植物の抗ウイルス剤、ウイルス病予防薬とし
て、医薬分野、農業分野などにおいて有効に利用するこ
とができる。
ウイルス剤は、世界中に多量に存在するアカシア属植物
から抽出することができるために、極めて経済的に生産
することができる。また、本発明のタンパク質合成阻害
剤或いは抗ウイルス剤は、強力なタンパク質合成阻害活
性の他、強力な抗ウイルス活性を有している。すなわ
ち、アカシア属植物からの抽出物或いはタンパク質画分
は、強力なタンパク質合成阻害活性の他、HIV( huma
n immunodeficiency virus )(ヒト免疫不全ウイル
ス),ヘルペスウイルス,その他、タバコモザイクウイ
ルス(TMV)などをはじめ、多くの動・植物ウイルス
に対して、強力な抗ウイルス活性を有している。また、
これらの抽出物或いはタンパク質画分は、公知の方法に
より抗原などと結合させることにより、バクテリアや癌
細胞など、特定の細胞への結合性、浸透性を持たせ、こ
れらのタンパク質合成を阻害し、バクテリアや癌細胞を
死滅させることなどが可能であり、抗菌剤、抗癌剤など
に利用することができる。また、本発明の抗ウイルス剤
は、強力な抗ウイルス活性を有することから、ヒトに限
らず、動・植物の抗ウイルス剤、ウイルス病予防薬とし
て、医薬分野、農業分野などにおいて有効に利用するこ
とができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 38/00
Claims (3)
- 【請求項1】 アカシア属植物の抽出物を有効成分とす
るタンパク質合成阻害剤。 - 【請求項2】 請求項1記載の抽出物に含まれるタンパ
ク質画分を有効成分とするタンパク質合成阻害剤。 - 【請求項3】 請求項1記載の抽出物を有効成分とする
抗ウイルス剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34278693A JP3222672B2 (ja) | 1993-12-16 | 1993-12-16 | タンパク質合成阻害剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34278693A JP3222672B2 (ja) | 1993-12-16 | 1993-12-16 | タンパク質合成阻害剤 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07165598A true JPH07165598A (ja) | 1995-06-27 |
JP3222672B2 JP3222672B2 (ja) | 2001-10-29 |
Family
ID=18356493
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP34278693A Expired - Fee Related JP3222672B2 (ja) | 1993-12-16 | 1993-12-16 | タンパク質合成阻害剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3222672B2 (ja) |
Cited By (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2002515430A (ja) * | 1998-05-19 | 2002-05-28 | リサーチ ディベロップメント ファンデーション | トリテルペン組成物及びその使用法 |
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