JPH07164886A - 車両用ドア及びその製造方法 - Google Patents

車両用ドア及びその製造方法

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JPH07164886A
JPH07164886A JP14521894A JP14521894A JPH07164886A JP H07164886 A JPH07164886 A JP H07164886A JP 14521894 A JP14521894 A JP 14521894A JP 14521894 A JP14521894 A JP 14521894A JP H07164886 A JPH07164886 A JP H07164886A
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JP
Japan
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filler
outer panel
polymer
vehicle door
panel
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Application number
JP14521894A
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English (en)
Inventor
Koichi Inaba
晃一 稲葉
Kensuke Uchida
賢典 内田
Raymond F Kolberg
エフ.コルバーグ レイモンド
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissan Motor Co Ltd
General Electric Co
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
General Electric Co
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Publication date
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  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ボデーパネル同志の間に形成される分離幅を
減少でき、その結果として外観、空気力学及び乗員室の
完成度を向上させることができる軽量な車両用ドア及び
その製造方法を提供することを目的とする。 【構成】 外側パネル(2)と内側パネル(3)とで構
成される車両ドアにおいて、外側パネル(2)は、長さ
方向(52)に沿って充填されるポリマーによって射出
成形される。充填材は短い長さのグラスファイバー及び
二酸化チタン等である。これにより長さ方向における熱
膨張率が小さくなり、隣接する車体パネルとの間に形成
される分離幅の熱変動を抑える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、なめらかな塗装可能な
表面を有し、ある方向において限定された膨張を有する
外側ドアパネルを有する車両用ドア及びその製造方法に
関するものであり、特に強化ポリマーで製造される上記
種類の車両用ドア及びその製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、車両用ドアは、圧断又は深絞りが
可能で、従来のペイント・オーブン(paint ov
ens)において容易に塗装が可能である凹凸の少ない
なめらかな表面を有する金属板からつくられていた。さ
らに、ドアパネルを金属でつくるとその厚みによっては
ドアパネルは高い剛性を有するようになり、さらにその
厚みとは関係なくドアパネルは比較的低い熱膨張率を有
するようになる。しかしながら、燃料効率に対する要求
が高まるにつれて、自動車製造会社は近年自動車におけ
る上記のような従来の材料に代わる新しい材料を探すよ
うになってきた。
【0003】大多数の自動車製造業界が選択した材料は
ポリマーであった。近年、自動車製造業界は、重量を減
少し燃料効率を高めるために、自動車の構造及びボデー
の可能な限りの箇所にポリマーを取り入れることを試み
てきた。これにより、ドアパネルの重量を減少すること
によって、車両重量を大幅に減少できることとなり、こ
の目的のために、一部又は全体がポリマー樹脂である自
動車のドアパネルが生産されるようになった。
【0004】ポリマーを使うことの欠点のひとつが、ポ
リマーの弾性率である。従来の鋼と比較して、弾性率が
低いために、ポリマーは自動車のボデーと構造部品に必
要とされる剛性に欠けると考えられることもある。この
欠点は、ポリマーに充填材を添加することによって、弾
性率そして剛性を高めることで部分的には解決されてき
た。しかしながら、充填材を多く加えたポリマーは他の
欠点を有する。ポリマーの充填材含量が高くなりすぎる
と、充填材がある部分の表面に欠陥が形成され、この部
分が塗装に欠陥を生じさせることになる。さらに、従来
の塗装技術を使うと、塗装工程の加熱サイクル時に前記
部分の表面に欠陥がより露出するようになり、塗装にさ
らに大きな欠陥が生じることになる。自動車のドアとボ
デーのパネルは、Aクラスの質の表面を有しなければな
らない。Aクラスの表面とは塗装された鋼の表面の水準
に匹敵するものである。充填材を多く加えたポリマーで
は、塗装工程の間及びそれ以前に、充填材が表面にきて
しまい、それによって塗装の欠陥が生じてしまう。従っ
て、充填材を多く加えたポリマーは、塗装される表面を
有するボデー部品には使うことができない。高い充填材
含量に起因する欠陥のため、塗装が必要な部品の充填材
含量は、塗装を施すのに十分なくらいになめらかな表面
を得られる量まで低下させなければならない。
【0005】図1は、ポリマー又は適度な量の充填材を
加えたポリマー樹脂から部分的に製造される典型的な自
動車用ドアパネルアセンブリ(1)を示している。この
例において、パネルアセンブリ(1)は樹脂製のアウタ
ーパネル(2)と金属製のインナーパネル(3)から成
っている。ポリマー樹脂製のアウターパネル(2)は、
金属製のインナーパネル(3)と比較すると、より高い
熱膨張率を示す。このことのために、アウターパネル
(2)とインナーパネル(3)が固定されると同時に相
互に自由に膨張することが可能になっている箇所におい
て、図2に示される固定構造のような手段が採用されて
いる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ポリマー製のドアパネ
ル又は適度な量の充填材を加えたポリマー製のドアーパ
ネルの問題のひとつは、ポリマー又は部分的に充填材を
加えたポリマーの熱膨張率(CTE)のために、自動車
の設計者たちが、ドアーパネルと他のボデーパーツとの
間の実質的な膨張間隙である大きな分離幅(21)(図
3参照)を設けなければならなかったことである。ポリ
マードアパネルと他のボデーパーツとの間のこの分離幅
(21)は8又は9mmに達することもある。従来の板状
金属製ドアパネルでは、この分離幅は一般に3mm程度で
ある。自動車の設計者たちは、この間隙が自動車の空気
力学(aerodynamics)に悪影響を与えるこ
ともあり、さらにこの間隙が乗員室の完成度を下げるこ
ともあるので、ポリマー製パネルに要求される間隙は大
きすぎるということを認識した。この間隙は自動車の外
観を悪くもする。
【0007】従来技術によれば、ボデーパーツ同志の間
の分離幅(21)を小さくする唯一の方法は、充填材を
多く加えたポリマーを使うことである。充填材を多く加
えたポリマーを使えば、熱膨張率(CTE)の値を過大
な分離幅の問題のない金属の熱膨張率に近い値に下げる
ことが可能である。もし内側のドアパネル(3)がポリ
マーからできていて塗装の必要な表面がないとすると、
充填材を多く加えたポリマーを使うことができる。しか
しながら、塗装を施される基板としてAクラスの質の表
面が要求されるアウタードアパネルの場合には、それ
(充填材を多く加えたポリマー)は使うことができな
い。充填材を多く加えたポリマーを使用すると、表面の
欠陥が生じ、その欠陥は塗装によりさらに大きくなって
しまう。
【0008】自動車用アウタドアパネルは、その大きさ
と形により、一般的に射出成形又は圧縮成形により製造
されてきた。適度な量の充填材を加えたポリマーブラン
ク又は樹脂が、アウタドアパネルを形成するために、そ
れぞれ圧縮成形又は射出成形されると、結果として、ア
ウタドアパネルは、幅及び長さ方向のドアの面に関して
高い熱膨張率を有することになる。射出成形されたアウ
ターパネルでは、部品の大きさ及び形から、一般に中央
点にゲートを設けることになる。中央点にゲートを設け
るということ(図4参照)は、適度な量の充填材を加え
たポリマー樹脂が部品の中央部分(31)で射出される
ことを意味する。そしてポリマーは部品の端に向って半
径方向(32)に流れる。過去において、中央点にゲー
トを設けることは、ポリマーの流れる距離を短くし部品
の製造をより容易にさせるので、より大きな部品を作る
のに用いられた。
【0009】他方、樹脂が部品の端で射出されるところ
のゲートを端部に設けることは、より小さい部品を製造
するのに用いられてきた。しかしながら、一般に、厚み
に対する流れの長さの比によって、成形される部品が満
たされる前に溶融物の流れが止まってしまう場合には、
ゲートを端部に設けることはしない。尚、この比はポリ
マー溶融物の粘度の関数であるけれども、典型的な比の
例としては壁厚3.175mm(0.125インチ)につ
き508mm(20インチ)の流れとなる。
【0010】本発明の目的は、ボデーパネル同志の間に
形成される分離幅を減少できるような一方向における低
い熱膨張率を有し、その結果として外観、空気力学及び
乗員室の完成度を向上させることができる軽量の車両用
ドアを提供することである。
【0011】本発明は、さらに、既存の射出成形の方法
を使いながら、大きなパーツの端部にゲートを設けるこ
とによってパネルを成形するという新しい車両用の製造
方法を含んでいる。
【0012】
【課題を解決するための手段】内側パネルと、外側パネ
ルと、内側パネルに分離可能に外側パネルを連結する連
結手段とを有し、該外側パネルは長さ方向と該長さ方向
に直角の幅方向を有する適度に充填材を加えて成形した
ポリマーパネルを有し、該充填はほぼ上記長さ方向のみ
に沿って行なわれる。
【0013】補強用に充填材を加えたポリマーを加熱す
る工程と、金型の端部全長に沿って設けられたゲート手
段を通して前記充填材を加えたポリマーを射出成形する
工程と、長さを有する前記金型を横切って一方向に前記
充填材を加えたポリマーを充填して、前記充填材をほぼ
前記長さ方向のみに向けた状態とする工程と、なめらか
な表面及び前記長さ方向において低い熱膨張率を有する
前記外側パネルを冷却する工程とを有する。
【0014】
【作用】外側パネルの長さ方向の線膨張係数を小さくし
て、隣接するボディパネルとの間に形成される分離幅の
長さを減少できるようにする。
【0015】
【実施例】図1において、車両用ドアの内側パネル
(3)は金属又は充填材を加えたポリマーから製造する
ことができる。内側パネル(3)は、ほとんどの自動車
において、内側トリム及びトリムパネル(uphols
tery)を取り付けるための基板として使われてい
る。従って、内側パネル(3)は一般にはカバーされて
おり、内側パネル(3)を塗装する必要はない。もし内
側パネル(3)が金属製であるとすると、内側パネル
(3)は一般には耐食層を形成するために浸漬塗りを施
された後に塗装される、塗装によって耐食性がさらに増
す。金属を使用すれば、剛性及び強度は高まり熱膨張率
は低くなるが、重量は増加してしまう。
【0016】重量を減らすには、内側パネル(3)をポ
リマーでつくる必要がある。内側パネル(3)の表面は
一般にはカバーされるので、剛性及び強度を向上させ熱
膨張を小さくするために、充填材を多量に加えたポリマ
ーを使うことがより好ましい。
【0017】さらに、もしポリマーの表面が露出される
場合には、潜在的な塗装の問題を避けるために色をポリ
マーに加えることができる。内側パネル(3)の実施例
の一例として、内側パネル(3)は、長さ10cm以上の
グラスファイバーで補強されたポリエチレンテレフタレ
ートとポリカーボネートの混合物からつくられたポリマ
ーブランクを圧縮成形することによって製造される。
【0018】外側パネル(2)は適度に充填材を加えて
成形したポリマーから製造される。外側パネル(2)を
製造することができるポリマーには、以下の例が含まれ
るが、以下の例に限定されるものではない。これらに
は、ポリフェニレンオキシド(PPO)、ポリフェニレ
ンオキシド/ポリスチレン(PPO/PS)ブレンド、
ポリカーボネート/アクリロニトリル ブタジエン ス
チレン(PC/ABS)共重合体、熱可塑性ポリオレフ
ィン(TPO)、ポリプロピレン(PP)、ビニルエス
テル、ポリウレタン及びポリカーボネート/ポリブタジ
エンテレフタレート(PC/PBT)ブレンドが含まれ
る。好ましいポリマーは高い熱的性能を有するポリフェ
ニレンオキシド/ポリスチレン(PPO/PS)ブレン
ドである。
【0019】ポリマーには、剛性を向上させるために、
好ましくは適度に充填材を加えている。適度に充填材を
加えることによって、ポリマーはある重量パーセントの
充填材を含有することになる。使用される充填材の重量
パーセントは、充填材の大きさ及び形に左右される。該
重量パーセントは、用いられる工程及び用いられるポリ
マーいかんによって変化する。例えば、もしファイバー
が使われるなら、ファイバーの長さに対する周囲の長さ
は重要な影響を与えることになる。同様に、単位重量当
たりの表面積も重要な影響を与えることになる。従っ
て、一般的に受け入れられる範囲は、Aクラスの表面を
得られなくするような表面の欠陥のない外側パネル
(2)が製造できるように、これらの要因の全てを考慮
して決定されていた。
【0020】適度に充填材を加えることによって、最終
のポリマー製品は、ポリマーと樹脂の合計重量と比較し
て、約2重量パーセントから約50重量パーセント、好
ましくは約5から約25重量パーセント、最も好ましく
は約5から15重量パーセントの充填材を含有する。
【0021】外側パネル(2)を製造するためにポリマ
ー樹脂に使用できる充填材には次のような例が含まれる
が、これらに限定されるものではない。これらには、グ
ラスファイバー、鉱物ファイバー、二酸化チタンのよう
な鉱物及びアスペスト比が1:1よりも大きい繊維状の
充填材が含まれる。好ましい充填材は短い長さのグラス
ファイバー及び二酸化チタンである。
【0022】外側パネル(2)は異方性の熱膨張性を有
している。図6は、外側パネル(2)の面において異な
る熱膨張率を有する外側パネル(2)を示している。こ
れらの膨張性は幅方向(51)及び幅方向(51)に直
角の長さ方向(52)の両方において、大きく変化す
る。幅方向(51)の熱膨張率は一般に長さ方向(5
2)の熱膨張よりもはるかに高い。幅方向(51)の熱
膨張率は、一般にバージンポリマー(virgin p
olymer)の熱膨張率と同じかそれよりもやや低い
値である。長さ方向の熱膨張率は一般に7×10-5mm/
mm/℃未満、好ましくは5×10-5mm/mm/℃未満、最
も好ましくは2.5×10-5mm/mm/℃である。
【0023】充填材を好ましい長さ方向(52)に向け
るには、製品は、端部にゲートを設けて射出成形するこ
とによって製造されなければならない。充填材を長さ方
向に向けるには、外側パネル(2)の長さ方向の長さ
が、少なくとも75cm、好ましくは88cm、最も好まし
くは100cm必要である。
【0024】しかしながら、幅方向(51)は、一方向
ではない流れをつくることができる成形時に端部及び流
れの影響を避けるためにはそれほど重要ではなく、外側
パネル(2)の幅方向(51)の長さは、少なくとも5
cm、好ましくは25cm、最も好ましくは50cm必要であ
る。
【0025】ポリマーはほぼ一方向に向けられている。
ほぼ一方向に向けられていることによって、充填材の大
部分は長さ方向(52)に向けられている。
【0026】内側パネル(3)は分離可能に外側パネル
(2)に連結されている(図1参照)。連結手段には、
例えば、タブ(tabs)、ボルト、グローブ(gro
ves)、これらの組み合わせ又は2つのパネルを連結
するための従来のいかなる手段も含まれる。けれども、
これらの例は例として示されたものであり、これらに限
定されるものではない。内側パネル(3)と外側パネル
(2)の2枚から車両用ドアをつくることが好ましいと
しても、内側パネル(3)を複数の部材でつくることも
可能である。
【0027】このドアアセンブリの連結部材の例は図7
に示されている。図7において、内側パネル(3)は、
内側パネル(3)のフランジ(10)を外側パネル
(2)の折り曲げ箇所(11)に挿入することによって
外側パネル(2)に連結されている。内側パネル(3)
は外側パネル(2)の開口部としての穴(16)に挿入
される突起としてのフック(15)を有しており、これ
によって外側パネル(2)は幅方向(51)には支障な
く膨張することができ、長さ方向(52)にはやや制限
された動きが可能となっている。
【0028】外側パネル(2)は端部にゲートを設けて
射出成形することによって製造される。射出成形は熱可
塑性及び熱硬化性材料を最終的製品にするための重要な
加工技術である。射出成形は高い生産率で体積の大きな
パーツを生産する。単位当たりの労働コストは低く、工
程は自動化できる。パーツに仕上げを施す必要はほとん
ど又はまったくなく、多くの異なった表面仕上げが可能
である。同じ装置を使って異なる材料から同じ製品を成
形することができる。公差を精密に維持することができ
る。パーツはプラスチックと充填材を組み合わせて成形
することができ、金属及び非金属部材を挿入することが
できる。
【0029】射出成形におけるゲート(43)はランナ
ー(44)と成形されるパートである外側パネル(2)
との間の連結部である(図5参照)。キャビティに入り
それを満たすのに充分な量の材料が必要である。
【0030】従来、キャビティを満たすためにポリマー
が流れる距離が短く、よりよい成形品をつくることがで
きるよう、中央にゲート部分(31)が設けられ、この
中央のゲート部分(31)は、ドアパネルのような大き
なパーツをつくるのに使われていた(図4参照)。端部
に設けられたゲート手段としてのゲート部分(41)
は、ポリマーの流れる距離が短いようなパーツをつくる
のに用いられていた(図5参照)。
【0031】本発明は、金型を横切るように材料が流れ
るときに、ポリマー及び充填材を一方向に向けたままに
しておくために、端部のゲート部分(41)を設けてい
る。
【0032】図5はこのタイプの射出成形において端部
にゲート部分(41)を設けた金型の切断図である。成
形工程において使われるポリマー材料は、完全に非晶質
であるか、又は一部非晶質で一部結晶質となることもあ
り、該材料には充填材を添加している。ランナー(4
4)に対応するゲート(43)は幅方向(51)に沿っ
て適当な間隔を置いて配列されている(図5参照)。適
度に充填材を加えたポリマーは加熱される。そして材料
はゲート(43)を通って射出され、材料は長さ方向
(42)に沿って金型をほぼ横切るように流れる。これ
によって充填材のほぼ全てが長さ方向(42)に向くこ
とになる。ポリマー、充填材及びほぼ一方向に向くとい
うことの意味は上述のとおりである。
【0033】端部にゲートが設けられた射出成形工程に
おける金型に使用する材料は、実質的な変形を起こさず
本発明の工程で使われる温度に耐えられなければ成らな
い。加えて、表面を成型する材料は、射出成形に使われ
るポリマー又はポリマーに添加されることがある他のい
かなる成分とも化学的に反応してはいけない。
【0034】表面好ましくは金属又は金属合金から成っ
ている。これらの材料は、再使用可能であるため非常に
経済的で、本発明の構成の成分に対して比較的化学的に
不活性であり、妥当な熱伝導率、容易に制御できる温度
及びどの場所においても均一な温度を与える。金型の好
ましい材料はアルミニウムである。
【0035】当業者が本発明の実施をより良い理解でき
るために、以下に実施例を例として示すが、本発明はこ
れに限定されるものではない。当業者に公知であるさら
なる背景の情報は、参照文献として本願に含まれる文献
及び特許に示されているかもしれない。
【0036】端部にゲートを設けたASTM(アメリカ
材料試験協会)D635の3.175mm(0.125イ
ンチ)の厚みの引っ張り棒(tensile bar)
は、6.35mm×6.35mm×3.175mm(1/4イ
ンチ×1/4インチ×0.125インチ)に加工され、
流れ方向及び流れを横切る方向は示された(weven
oted)。前記棒はガラス転移点(Tg)において徐
冷され、その後で前記棒は−40°C(−40°F)か
ら材料のTgまでPMS−2型パーキンエルマー膨張計
において試験された。膨張は線形電圧変位変換器(Li
near Voltage Displacement
Transducer,LVDT)を使って得られ、
温度は1分間につき2.5°Fだけ上昇させた。流れの
方向に向いている充填材の結果は図8に示されている。
流れの方向には向いていない充填材の結果は図9に示さ
れている。
【0037】本発明の範囲及び意図から外れることなし
に、さまざまの他の変更が当業者に自明であり当業者に
よって容易に行なわれるということは理解される。従っ
て、ここに添付された特許請求の範囲が上記の記述に限
定されるものではない。特許請求の範囲は、本発明の特
許性のある新規事項の全ての特徴及び当業者によって本
発明が関係する均等物として扱われる全ての特徴を含む
ものとして解釈される。
【0038】
【発明の効果】以上説明してきたようにこの出願の発明
によれば、ボデーパネル同志の間に形成される分離幅を
減少できるように一方向における熱膨張率を低くでき、
その結果として外観、空気力学及び乗員室の完成度を向
上させることができ、車体軽量化にも寄与することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】車両用ドアパネルアセンブリの概略斜視図。
【図2】従来のインナーパネルとアウターパネルとの連
結部分を示す断面図。
【図3】パネル同志の間の分離幅を示す車両の部分側面
図。
【図4】中央部分にゲートを設けた射出成形過程の略
図。
【図5】端部にゲートを設けた射出成形過程の略図。
【図6】車両用ドアの外側パネルの側面図。
【図7】本発明の1つの特徴によるところの内側パネル
と外側パネルを連結するための連結手段の一部断面斜視
図。
【図8】端部にゲートを設け充填材を加えて射出成形し
たポリマーにおいて、流れの方向(FLOW)及び流れ
を横切る方向(CROSSFLOW)の両方向の熱膨張
率を示すグラフ図。
【図9】端部にゲートを設け充填材を加えないで射出成
形したポリマーにおいて、流れの方向(FLOW)及び
流れを横切る方向(CROSSFLOW)の両方向の熱
膨張率を示すグラフ図。
【符号の説明】
2…外側パネル 3…内側パネル 15…フック(突起) 16…穴(開口部) 41…ゲート部分(ゲート手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // B29L 31:30 (72)発明者 内田 賢典 東京都小金井市関野町2−6−6 (72)発明者 レイモンド エフ.コルバーグ アメリカ合衆国,ミシガン,ロチェスター ヒルズ,プリムロウズ ドライブ 3200

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内側パネルと、外側パネルと、内側パネ
    ルに分離可能に外側パネルを連結する連結手段とを有
    し、該外側パネルは長さ方向と該長さ方向に直角の幅方
    向を有する適度に充填材を加えて成形したポリマーパネ
    ルを有し、該充填はほぼ上記長さ方向のみに沿って行な
    われることを特徴とする車両用ドア。
  2. 【請求項2】 前記長さ方向の長さは少なくとも75cm
    であることを特徴とする請求項1記載の車両用ドア。
  3. 【請求項3】 前記幅方向の長さは少なくとも5cmであ
    ることを特徴とする請求項1記載の車両用ドア。
  4. 【請求項4】 前記外側パネルは長さ方向(orien
    ted direction)において7×10-5mm/
    mm/℃の熱膨張率を有することを特徴とする請求項1記
    載の車両用ドア。
  5. 【請求項5】 前記外側パネルは射出成形されているこ
    とを特徴とする請求項1記載の車両用ドア。
  6. 【請求項6】 前記連結手段は、前記外側パネルに設け
    られた開口部及び前記内側パネルから前記外側パネルの
    該開口部を貫いて延びる突起から成り、該開口部は前記
    外側パネルが前記幅方向(unoriented di
    rection)に動くことを許容する程度に充分大き
    く形成されていることを特徴とする請求項1記載の車両
    用ドア。
  7. 【請求項7】 補強用に充填材を加えたポリマーを加熱
    する工程と、金型の端部全長に沿って設けられたゲート
    手段(a edge gating means)を通
    して前記充填材を加えたポリマーを射出成形する工程
    と、長さを有する前記金型を横切って一方向に前記充填
    材を加えたポリマーを充填して、前記充填材をほぼ前記
    長さ方向のみに向けた状態とする工程と、なめらかな表
    面及び前記長さ方向において低い熱膨張率を有する前記
    外側パネルを冷却する工程とを有することを特徴とする
    車両用ドアの製造方法。
  8. 【請求項8】 前記充填材はグラスファイバーであるこ
    とを特徴とする請求項7記載の車両用ドアの製造方法。
  9. 【請求項9】 前記充填材は鉱物ファイバーであること
    を特徴とする請求項7記載の車両用ドアの製造方法。
  10. 【請求項10】 前記ポリマーは、ポリフェニレンオキ
    シド、ポリフェニレンオキシド、/ポリスチレン ブレ
    ンド、ポリカーボネート/アクリロニトリルブタジエン
    スチレン共重合体、ポリプロピレン、ビニルエステ
    ル、ポリウレタン及びポリカーボネート/ポリブタジエ
    ン テレフタレートブレンドで構成されるグループから
    選択されることを特徴とする請求項7記載の車両用ドア
    の製造方法。
  11. 【請求項11】 前記ポリマーがポリフェニレンオキシ
    ド/ポリスチレンブレンドであることを特徴とする請求
    項10記載の車両用ドアの製造方法。
  12. 【請求項12】 前記金型の前記長さは少なくとも75
    cmであることを特徴とする請求項7記載の車両用ドアの
    製造方法。
  13. 【請求項13】 内側パネルと、外側パネルと、内側パ
    ネルに分離可能に外側パネルを連結する連結手段とを有
    し、該外側パネルは、長さ方向において少なくとも5cm
    の長さを有し、該長さ方向に直角の幅方向において少な
    くとも5cmの長さを有する適度に充填材を加えて射出成
    形したポリマーパネルを有し、該充填はほぼ該長さ方向
    のみに沿って行なわれて、該長さ方向において熱膨張率
    は7×10-5mm/mm/℃未満であることを特徴とする車
    両用ドア。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2002240568A (ja) * 2001-02-21 2002-08-28 Nissan Motor Co Ltd 車輌用パネルアッセンブリ
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