JPH0716458A - 成形吸着体 - Google Patents

成形吸着体

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JPH0716458A
JPH0716458A JP19083293A JP19083293A JPH0716458A JP H0716458 A JPH0716458 A JP H0716458A JP 19083293 A JP19083293 A JP 19083293A JP 19083293 A JP19083293 A JP 19083293A JP H0716458 A JPH0716458 A JP H0716458A
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molded
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JP19083293A
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Takafumi Hayashi
隆文 林
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HAYASHI SEISAKUSHO KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 成形体の製造過程におけるウエット強度、乾
燥強度、湿潤強度、および湿熱強度が高く、しかも寸法
安定性にも優れた成形吸着体を得る。 【構成】 活性炭を主成分として成形してなる成形吸着
体において、フィブリル化されたアクリル繊維を結着材
とし、この結着材の絡み合いで前記活性炭を結合させ
る。そして、内添用の湿潤紙力増強剤としてエポキシ化
ポリアミドポリアミンなどを適量含有させる。フィブリ
ル化された繊維の絡み合いで活性炭を結合させた構造で
あるために、強度が高い。また、加熱溶融によらず結合
させたから、寸法安定性もよく、比較的低比率の結着材
でたりる。さらに、内添用の湿潤紙力増強剤を含有して
いるために湿潤強度、湿熱強度に優れている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、気相或いは液相中に含
まれる着色物質、臭気成分、その他の有害物質などを吸
着除去するために使用される成形吸着体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の成形吸着体(以下単に「成形体」
ともいう)としては、結着材(バインダー)に熱溶融性
の繊維状合成樹脂を用い、これを熱溶融させることで活
性炭相互を結合(接着)させてなる構造のものが知られ
ている。そして、このものは次のようにして製造されて
いた。すなわち、例えば、繊維状の活性炭を主成分とす
る成形体にあっては、その全重量に対し、熱溶融性の繊
維状合成樹脂を10〜25重量%混合して均一な水性ス
ラリーとして調製し、この液中に成形型を浸漬して型面
に固形分を所定量、吸引法により積層して液中から取出
し、脱水処理してウエット(湿潤時)状成形体とした
後、これを成形型より取り出し、乾燥型(型枠)に装填
した状態で所定温度に加熱し、結着材を熱溶融させるこ
とで活性炭相互を結合、乾燥させるというものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記の技術に
あっては、成形体の製造過程におけるウエット状成形体
(乾燥前の成形体)の段階では形状保持強度が著しく低
く、手で把持する場合には、よほど慎重に行わないと変
形や形崩れを起してしまうなど、ハンドリングに難点が
あった。したがって、その分、生産効率ないし歩留まり
が悪いといった問題があった。また、所定の温度まで加
熱して溶融することで活性炭相互を結合させるものであ
るために、必然的に、加熱溶融の工程(生産設備)が必
要となる。しかも、この工程においては、前記したよう
に乾燥型を用いない限り、結着材として一般的な、繊維
状の合成樹脂(ポリビニルアルコール(PVA)、ポリ
エチレン、ポリプロピレン、ポリエステルなど)を用い
た場合にも、成形体の乾燥後の収縮が、10〜15%と
大きく、また加熱条件によっては5%以上も膨脹するも
のがあるなど、成形吸着体(製品)の寸法の高精度化を
期待できないといった問題もあった。しかも、上記した
ように乾燥型が別途に必要となり、したがって一乾燥工
程で乾燥させる成形体の個数分、それが準備されている
必要があり、コストの上昇を招く一因ともなっていた。
【0004】こうした中、本願発明者は、活性炭を主成
分とする成形体について、結着材として種々の材料を用
いて各種の試料を製作し、試験を繰り返したところ、次
のような事実を見出だした。すなわち、フィブリル化さ
れたアクリル繊維を結着材として適量用い、その繊維の
絡み合いで活性炭を結合させたものにあっては、その製
造過程における乾燥前のウエット状成形体においても強
度が極めて高い。しかも、このアクリル繊維を溶融させ
ることなく、その絡み合いで結合させたものにあって
は、乾燥型を使用することなく乾燥させたものでも収縮
又は膨脹も数%以内に止まり、寸法安定性が極めて高
く、乾燥後(製品)の強度も高いことが解った。なお、
フィブリル化してないアクリル繊維を結着材として用い
た場合には、乾燥前のウエット状時の強度は著しく低
い。また、乾燥型を用いて加熱、溶融、および乾燥を行
った場合にも、十分な乾燥強度は得られず、しかも寸法
安定性の点でも極めて不十分であることが解った。そし
て、内添用の湿潤紙力増強剤(エポキシ化ポリアミドポ
リアミン)をフィブリル化されたアクリル繊維と併用す
ることによって、製品としての成形体の湿潤強度および
湿熱強度が極めて高くなることも解った。本発明は、こ
うした知見に基づいて上記した従来技術の持つ問題点を
解消すべく案出したものであって、成形体の製造過程に
おけるその乾燥前の(ハンドリング)強度、乾燥強度、
湿潤強度、および湿熱強度ともに高く、しかも寸法安定
性(精度)の点においても優れた成形吸着体を得ること
を、その目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明は、活性炭を主成分として成形してなる成形
吸着体において、フィブリル化されたアクリル繊維を結
着材とし、この結着材の絡み合いで前記活性炭を結合さ
せてなり、しかも内添用の湿潤紙力増強剤を含有させた
ことにある。ここに、フィブリル化とは、アクリル繊維
の単位(糸状体)を、絡み合いやすい微細な樹枝状構造
のものにすることをいう。なお、内添用の湿潤紙力増強
剤とは、成形吸着体(製品)の湿潤時、湿熱時の寸法安
定性ないし形状保持強度を高めるための添加剤であっ
て、乾燥された製品の表面に塗布(又は含浸)されて使
用されるものでなく、スラリーにおいて添加されて使用
されるものをいう。そして、この内添用の湿潤紙力増強
剤としては、エポキシ化ポリアミドポリアミンを用いる
とよい。
【0006】
【作用】本発明は、上記の構成により、結着材としての
アクリル繊維がフィブリル化されており、その樹枝状構
造による絡み合いにより活性炭を結合させてなるもので
あるために、結着力ないし、成形体の製造過程における
ウエット状成形体(乾燥前の成形体)における形状保持
力が高く、しかもその強度は乾燥時にも保持される。し
たがって、ハンドリング(取扱い)性がよく、その分生
産効率を向上させることができる。また、フィブリル化
されているアクリル繊維が、水性スラリー中の活性炭な
どの物質を凝集させる作用を成すために、成形体の均質
化が図られ、したがって、製品の高品質化が期待され
る。また、アクリル繊維を熱溶融により結合した構造と
することなく、フィブリル化された繊維の絡み合いで結
合させてなる構造であるから、乾燥型を要することな
く、その熱溶融温度以下の比較的低温での乾燥で得るこ
とができる。したがって、工程(設備)の簡略化が図ら
れ、製造コストが低減されるとともに、乾燥にともなう
収縮(膨脹)を小さくでき、寸法安定性の高い成形体を
得ることができる。
【0007】なお、本発明における結着材すなわちアク
リル繊維は、フィブリル化されているために結着力が強
く、したがって、従来における熱溶融による結合の場合
に比べ、その使用量(組成比率)を格段に少なくでき、
活性炭100重量%に対して、0.5〜15%程度とす
ることができた。このために、フィブリル化されてない
熱溶融性の合成繊維を結着材として成形したものに比べ
て、成形吸着体としての吸着能力の高度化も図られる。
しかも、アクリル繊維は、パルプや麻などの有機物と異
なり、水中(湿潤状態)で使用する場合にも腐敗やそれ
に起因する形崩れを起こしにくいなど耐水性にも優れて
いる。さらに、内添用の湿潤紙力増強剤が含有されてい
るために、フィブリル化されたアクリル繊維と併用した
ことにより、製品としての成形体の寸法安定性ないし形
状保持強度が一層高く、とりわけ液(水)中、湿潤状
態、或いは湿熱状態におけるその効果が著しく大きい。
【0008】
【実施例】本発明を具体化した実施例及びその製法につ
いて詳細に説明する。本例の成形吸着体は、活性炭が粒
状活性炭と繊維状活性炭を混合したものであり、また添
加物として抗菌材を付加したものであるが、その具体的
な内容(組成)、配合比率は次のようである。ただし、
本例における成形吸着体は浄水器用のもので、中空円筒
状に形成されるもので、外径が65mm、肉厚が15m
m、そして長さが250mmに設定されている。すなわ
ち、粒状活性炭は、ミクロポアが主体のヤシ殻系粒状活
性炭で、粒度は0.18〜0.36mmのものとし、比
表面積は1550m2 /g以上のものである。因みに、
このものは、臭気成分等の吸着能力が高く、浄水器用に
好適とされている。また、繊維状活性炭は、本例では石
炭ピッチ系のもので、繊維太さが10μm〜15μm
で、比表面積が1500m2 /g以上のものであって、
長さが0.5mm程度に調製されている。なお、このも
のは繊維状活性炭としては比較的安価で吸着性能(速
度)も高く、また粒(粉)状活性炭より小さい分子径を
もつ物質を吸着できるものである。そして、抗菌材は、
ゼオライトに抗菌性金属イオンが付与された抗菌性ゼオ
ライト(粉体)である。このものは、活性炭中の残留水
中の細菌の繁殖を防ぐ作用がある上に、安全性も高いの
で浄水器用に好適とされている。なお、本例におけるこ
れらの混合比(重量)は、45:45:10(wt%)
に設定されている。
【0009】一方、結着材(バインダー)としてのアク
リル繊維は、このアクリル繊維と湿潤紙力増強剤を除く
成形体100重量%に対して、本例では5重量%であっ
て、3デニール、3mmカット品をリファイナー及びビ
ーターにより、十分にフィブリル化させ、繊維を絡み合
いやすい微細な樹枝状構造としたものに調製されてい
る。さらに、本例において添加される内添用の湿潤紙力
増強剤は、エポキシ化ポリアミドポリアミン(10%水
溶液)であって、フィブリル化されたアクリル繊維10
0重量%に対して、約10重量%(固形分)を次記する
スラリーにおいて添加する。
【0010】しかして、こうして調製された材料は、パ
ルパーに溜められた水中に、攪拌しながら順次、投入し
て水性スラリーとし、次いでスラリー濃度調整用タンク
に流送し、水量を加減してその濃度を0.5%の均一な
水性スラリーとし、要すれば、適宜の添加材(薬剤)を
添加し、成形用タンクに流送する。なお、こうした過程
においては、フィブリル化したアクリル繊維が、スラリ
ー中の活性炭および抗菌材を凝集する作用がある。そし
て、成形用タンク内におけるスラリー中に所定の成形型
を浸漬し、型面に固形分を所定量、吸引(バキューム成
形)法により積層し、これを液中から取出して脱水処理
し、脱型してウエット状成形体を得るのである。なお、
こうして得られた本例における成形体の製造過程におけ
るウエット状成形体(乾燥前の成形体)は、フィブリル
化されたアクリル繊維の絡み合いにより活性炭を結合
し、形状を保持しているために、ハンドリング強度が極
めて高く、脱型時の変形ないし形崩れも殆どなく、した
がって、その取扱いが極めて容易となった。
【0011】さて、次にこのウエット状成形体を、乾燥
型に装填することなく、所定温度(アクリル繊維の融点
以下)、本例では120℃の下、3時間、乾燥させた。
かくして、フィブリル化されたアクリル繊維の絡み合い
により活性炭を結合した状態のものから、水分のみ蒸発
により除去された高強度のドライ状成形体すなわち成形
吸着体(製品)を得ることができた。なお本例において
は、乾燥型を要せずして乾燥時の縮みを0.5〜1%程
度に保持できた。
【0012】また、上記実施例と同様にして、直径50
mm,厚さ20mmの試料(円板)を10個製作し、比
較例として内添用の湿潤紙力増強剤(エポキシ化ポリア
ミドポリアミン)を添加しない点を除き、同じ条件で製
作した同じ大きさ形状の試料を10個製作し、それぞれ
を沸騰水中にいれ湿潤強度及び湿熱強度を比較試験し
た。結果は、内添用の湿潤紙力増強剤の添加されてない
試料(比較例)においては、沸騰を2〜3時間継続した
後、いずれのものも形状が崩れてしまったが、上記実施
例による試料は24時間継続後においても形状の崩れは
みられなかった。この結果からも実証されるように、本
例に係る成形吸着体は、湿潤状態及び湿熱状態における
強度(寸法安定性ないし形状保持力)が著しく高いこと
がわかる。したがって、水中において露出状態で使用さ
れる場合やスチーム処理による再生などの過酷な条件下
にも十分耐えることができる。なお、内添用の湿潤紙力
増強剤(エポキシ化ポリアミドポリアミン)の量が、フ
ィブリル化されたアクリル繊維100重量%に対して、
0.5重量%の場合には、上記試験において2〜3時間
継続後に形状が崩れ始めたものがあったが、1重量%の
場合には3時間継続後においても形状の崩れが生じない
ことを確認している。
【0013】本例では、加熱乾燥させた場合を例示した
が、本発明における成形吸着体は、自然乾燥によっても
得ることができる。なお、本例では、低廉な粒(粉)状
活性炭を適量比、混合したために、著しい低コスト化が
可能となった。当然のことながら、この混合比は適宜の
ものに設定することができる。ただし、活性炭に粒体を
使用する場合には、本例におけるように、粒径が0.1
8〜0.36mmのものとするとよい。この範囲のもの
とすると、バキューム成形が可能であり、しかも通水性
能の低下を招くこともなく、また十分な比表面積(活性
炭の吸着面積)を保持できるからである。
【0014】上記実施例では、活性炭は、粒状活性炭と
繊維状活性炭を混合したものとしたが、本発明において
は、粒(粉)状活性炭または、繊維状活性炭のみを活性
炭として用いることもできる。なお、フレーク状などこ
れら以外の形態をなす活性炭を用いることもできる。ま
た活性炭は、石油ピッチ系など成形吸着体の用途などに
応じて、適宜のものを選択、使用すればよい。因みに、
繊維状活性炭にあっては、その繊維直径が2〜30μ
m、繊維長が0.5〜10mm、半径が8〜20オング
ストローム程度の細孔を有し、比表面積が1500〜2
500m2 /g程度のものを用いるのが好ましい。
【0015】一方、結着材としてのアクリル繊維のフィ
ブリル化は、絡み合い性を高めるために、ビーターなど
でなるべく長時間、10〜40時間程度行うのが好まし
い。長時間行うほど、成形体の強度が高くなり、しかも
収縮率が低下する。また、フィブリル化の度合いが高い
ほど、エポキシ化ポリアミドポリアミンを凝集しやす
く、したがって、スラリー吸引成形時におけるエポキシ
化ポリアミドポリアミンの歩留まりを高めることができ
る。すなわち、スラリー中に混入されたエポキシ化ポリ
アミドポリアミンがその吸引成形時に成形型面(通水
孔)を透過してしまう割合が小さくなり、効率よく湿潤
紙力増強剤として働く。なお、フィブリル化するアクリ
ル繊維は、1〜5デニール程度のものが好適である。た
だし、この範囲のものに限定されるものでないことは言
うまでもない。また、その繊維の長さは、1〜10mm
程度のものが、ビーティングの作業性の点から好まし
い。また、本発明におけるアクリル繊維には、フィブリ
ル化するものであってアクリル繊維に膠着性物質(ゼラ
チン等)としてアクリル酸ソーダなどの物質を含んだア
クリル系の繊維も含まれる。なお、このものにあって
は、乾燥時には繊維の絡み合いに加えて膠着ないし接着
による結合力もあるために、一層高い形状安定性があ
る。
【0016】また、フィブリル化されたアクリル繊維の
配合比は、成形吸着体の用途などに応じて適宜に設定す
ることになるが、一般的には全活性炭100重量%に対
して、0.5〜15重量%程度とされる。因みに、水を
精製、濾過するための浄水器用の吸着材に使用する場合
には、5%程度が適当である。なお、この配合比率が大
きい程、強度が増大するが、吸着能力は低下する。反
面、この配合比率が小さいと、逆に強度が低下するが、
吸着能力は向上する。ただし、乾燥にともなう収縮の低
減のためには小さい方がよい。この比率を上記の実施例
において成形吸着体全重量に対して、10重量%とした
場合には0.7〜1.5%程度、また、3重量%とした
場合には0.2〜0.5%程度の収縮率であった。
【0017】さらに、内添用の湿潤紙力増強剤(上記実
施例ではエポキシ化ポリアミドポリアミン)のスラリー
における添加量は、その種類や成形吸着体の使用目的、
用途によって適宜に設定すればよいが、フィブリル化さ
れたアクリル繊維100重量%に対して、1〜20重量
%の範囲が一般的である。0.5重量%以下であると、
前記したように製品としての湿熱強度、湿潤強度の向上
に殆ど寄与しない。一方、多く添加するほど、成形時に
おける歩留まりを低下させる(スラリー吸引時に成形型
面の通水孔を透過してしまう割合が大となり無駄が多
い)上に、過剰に添加してもそれに見合う湿潤強度、湿
熱強度の向上は期待できない。また、活性炭の細孔に詰
まりやすくなり、成形吸着体の吸着性能の低下を招いて
しまう。なお、内添用の湿潤紙力増強剤としては、エポ
キシ化ポリアミドポリアミンが、とりわけカチオン性の
ものが凝集性がよく、歩留まりの点から好適といえる。
これ以外の内添用の湿潤紙力増強剤として、例えば、尿
素ホルマリン樹脂、ポリエチレンイミンなどが代表的な
ものとして挙げられる。ただし、エポキシ化ポリアミド
ポリアミンは、ホルマリンを含有していないので浄水器
(食品)用に適する。
【0018】なお、本発明においては、フィブリル化さ
れたアクリル繊維の他、フィブリル化されたアラミド繊
維、熱溶融性合成繊維など適宜の結着材を含んだものと
しても具体化できる。また成形吸着体の性能を損なわな
いかぎり、その用途によっては、歩留り向上剤、乾燥紙
力増強剤、凝集剤を添加してもよいし、通水性能を高め
るための繊維状物質(材料)を混合してもよい。
【0019】本発明に係る成形吸着体は、飲料水の脱
臭、脱色、塩素成分の除去に使用される浄水器用の吸着
材(フィルター)、空気清浄器用の吸着材、或いは、化
学工場における溶剤などの回収に使用される吸着材な
ど、種々の用途に適用できる。なお、成形吸着体は、両
端が開口された円筒形のみならず、多角形断面の角筒形
や、一端部が閉鎖された筒形(コップ形)、或いは、平
坦な板状など、適宜の形状のものとして具体化できる。
【0020】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
における成形吸着体は、結着材としてのアクリル繊維が
フィブリル化されており、その樹枝状構造による絡み合
いにより活性炭を結合させてなるものであるために、結
着力が強く、成形体の製造過程におけるウエット状成形
体(乾燥前の成形体)での形状保持力が高い。したがっ
て、従来においては、脱型に際して極めて慎重に取り扱
わないと形崩れを起し易いなど、ハンドリング(作業
性)に著しい困難さがあったが、本発明における成形吸
着体においては、取扱における損傷や変形の発生を著し
く低減できるために、作業性ないし生産性の向上に極め
て有効である。しかもその強度は乾燥時にも保持され
る。また、熱溶融によることなく、フィブリル化された
繊維の絡み合いで結合させてなる構造であるから、常温
又は比較的低温乾燥で得ることができ、格別の溶融工程
(設備)や乾燥型を不要とできるから、その面でも生産
効率の向上ないし低コスト化が期待され、しかも、乾燥
時の収縮(膨脹)が小さいから、寸法安定性の高い成形
体となすことができる。さらに、結着材がフィブリル化
されているために結着力が強く、結着材の使用量(組成
比率)を低減できる分、成形吸着体としての通水性能や
吸着能力の向上も期待される。さらに、内添用の湿潤紙
力増強剤が含有されているために、製品としての成形体
の寸法安定性ないし形状保持強度が一層高く、とりわけ
液(水)中、湿潤状態、或いは湿熱状態におけるその効
果が著しく大きい。露出状態で使用されるような過酷な
条件下の使用やスチーム処理による再生にも十分耐える
ことができるので、再生使用される浄水器の吸着材(フ
ィルター)として好適である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 活性炭を主成分として成形してなる成形
    吸着体において、フィブリル化されたアクリル繊維を結
    着材とし、この結着材の絡み合いで前記活性炭を結合さ
    せてなり、しかも内添用の湿潤紙力増強剤を含有してい
    ることを特徴とする成形吸着体。
  2. 【請求項2】 内添用の湿潤紙力増強剤としてエポキシ
    化ポリアミドポリアミンを使用してなる請求項1記載の
    成形吸着体。
JP19083293A 1993-07-02 1993-07-02 成形吸着体 Pending JPH0716458A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2017057536A1 (ja) * 2015-09-30 2017-04-06 キリン株式会社 カフェイン含有飲料の通液用成形体およびその製造法

Cited By (2)

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WO2017057536A1 (ja) * 2015-09-30 2017-04-06 キリン株式会社 カフェイン含有飲料の通液用成形体およびその製造法
JPWO2017057536A1 (ja) * 2015-09-30 2018-07-26 キリン株式会社 カフェイン含有飲料の通液用成形体およびその製造法

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