JPH07164366A - ワーク把持用ハンドおよびそのワーク把持方法 - Google Patents

ワーク把持用ハンドおよびそのワーク把持方法

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JPH07164366A
JPH07164366A JP30896193A JP30896193A JPH07164366A JP H07164366 A JPH07164366 A JP H07164366A JP 30896193 A JP30896193 A JP 30896193A JP 30896193 A JP30896193 A JP 30896193A JP H07164366 A JPH07164366 A JP H07164366A
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順慈 小川
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ワークを安定して把持するようにし、ワーク
の高さにバラツキがある場合でも、ロボットハンドを停
止させるティーチング高さの調整を不要にすることを目
的としている。 【構成】 ロボットハンド1に固定された上部ハンド2
aと、この上部ハンド2aに対して上下方向移動自在で
ある下部ハンド2bと、この下部ハンド2bに支持され
ワーク3を押圧するための押圧体4と、下部ハンド2b
に支持されワーク3に係合されるクランプアーム5とを
具備し、押圧体4がワーク3を押圧しながらクランプア
ーム5がワーク3の係合段部3bに係合するように構成
されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ワークを安定して把持
できると共に比較的大きく傾斜させることができ、しか
もワークの高さにバラツキがあっても、ロボットハンド
を停止させるティーチング高さの調整が不要であるワー
ク把持用ハンドおよびそのワーク把持方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ロボットハンドによりワークを移載する
移載装置としては、図4に示されるように、水平及び垂
直方向に移動自在であるロボットハンド100の下端に
取り付けられたワーク把持用ハンド102のクランプア
ーム104によりワーク3を把持して移載する移載装置
がある。
【0003】このワーク把持用ハンド102は、下方に
延伸する2対のクランプアーム(図5において一対のみ
図示)104を有しており、このクランプアーム104
をワーク3の各々の凹所3aの係合段部3bに係合して
ワーク把持用ハンド102に吊り下げるようにしてワー
ク3を把持する。
【0004】また、ワーク把持用ハンド102に把持さ
れるワーク3に形成されている係合穴(図示せず)に、
ワーク把持用ハンド102から下方に延伸するピン10
6を係合することにより、ワーク3の水平方向へのずれ
を防止している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
ワーク把持用ハンド102では、ワーク3をクランプア
ーム104に吊り下げた状態で把持しており、ワーク3
の把持状態としては比較的不安定である。このため以下
のような問題がある。
【0006】すなわち、種々の形状および寸法のワーク
3をクランプアーム104により吊り下げて把持する場
合、ワーク3の形状・寸法によっては、ワークの平衡を
保持することが困難な場合がある。このような場合、ワ
ーク3がワーク把持用ハンド102に対して傾斜した状
態で把持されることとなり、ワーク把持用ハンド102
から脱落する虞れがある。しかも平衡が保たれていない
状態では、ワーク3からクランプアーム104やピン1
06にスラスト荷重がかかる場合があり、構造上好まし
くない。
【0007】また、ワーク3を平衡を保持しつつ把持し
ていても、ワーク把持用ハンド102が傾斜すると、ワ
ーク3の把持状態は比較的不安定になり、ワーク3が脱
落する虞れがある。したがって、ワーク3の脱落防止の
ためには、ロボットハンド100及びワーク把持用ハン
ド102の傾斜を制限する必要がある。
【0008】さらに、従来のワーク把持用ハンド102
にあっては、ワーク3の把持状態が不安定であることに
加えて、クランプアーム104とワーク3の係合段部3
bとの間に上下方向の余裕空間が確保されていないた
め、ワーク3の高さにバラツキがあると、ワーク3の高
さが異なるたびに、ロボットハンド100の移動先の位
置すなわちティーチング高さを調整しなければならな
い。
【0009】本発明は、上述したような問題点に鑑みて
なされたものであり、ワークを安定してた状態で把持
し、これにより比較的大きく傾斜させることができ、し
かも、ワークの高さにバラツキがある場合でも、ロボッ
トハンドの移動先であるティーチング高さの調整が不要
であるワーク把持用ハンドおよびそのワーク把持方法を
提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るための本発明のワーク把持用ハンドは、ワークを移載
するロボットハンドに取り付けるワーク把持用ハンドで
あって、前記ロボットハンドに固定される基部構造体に
対して進退移動自在な先部構造体と、この先部構造体に
取り付けられ、前記基部構造体に対して当該先部構造体
を位置決めする第1駆動手段と、前記先部構造体に対し
て進退移動自在であり前記ワークに当接する押圧体と、
前記ワークに当接された押圧体を当該ワークに押圧し
て、前記先部構造体を前記押圧体に対して後退移動させ
る第2駆動手段と、前記先部構造体に前記進退移動方向
と直交する開閉方向に相対移動自在に設けられ、前記ワ
ークの係合段部に係合された際、前記押圧体との協働に
より前記ワークを把持する一対のクランプアームとを備
えることを特徴としている。
【0011】このようなワーク把持用ハンドの前記先部
構造体に、前記押圧体を前進方向に付勢する弾発部材
や、前記先部構造体に固定され、前記先部構造体および
前記基部構造体が前進移動する際に、前記押圧体を押圧
して前記ワークに当接させる第1ストッパを備えてもよ
い。
【0012】また上記の目的を達成するための本発明の
ワーク把持用ハンドのワーク把持方法は、ワークを移載
するロボットハンドに取り付けるワーク把持用ハンドの
ワーク把持方法であって、前記ロボットハンドに固定さ
れる基部構造体に進退移動自在に支持される先部構造体
を前進移動させて、当該先部構造体に進退移動自在に取
り付けられる押圧体をワークに当接させる工程と、前記
先部構造体に相対開閉自在に取り付けられる一対のクラ
ンプアームを前記ワークの係合段部に係合させる工程
と、前記押圧体を前記先部構造体に対して相対前進移動
させて、当該押圧体と前記先部構造体に取り付けられる
前記クランプアームとにより前記ワークを把持する工程
とを有することを特徴としている。
【0013】このとき、前記押圧体と前記クランプアー
ムとにより前記ワークを把持する工程と相前後して、前
記先部構造体を前記基部構造体に対して固定するのが好
ましい。
【0014】
【作用】したがって、このような構成の本発明に係るワ
ーク把持用ハンドによりワークを把持する場合、先ず、
基部構造体、先部構造体、押圧体およびクランプアーム
が所定の位置にセットされ、押圧体が第2駆動手段によ
り後退した位置に位置決めされる。この状態からロボッ
トハンドを前進移動させると、これらの部材が一体的に
前進移動する。この結果押圧体がワークに当接され、ク
ランプアームがワークの凹所内に挿入される。
【0015】この後ロボットハンドがさらに前進移動さ
れるが、押圧体はワークに当接されているので、先部構
造体および押圧体はワークに対して前進移動されない。
この結果、基部構造体がロボットハンドと共に前進移動
し、この後、停止される。これらの動作と前後して、ク
ランプアームが開閉方向に移動されて凹所内の係合段部
の下方に位置される。
【0016】次いで、第2駆動手段のロッドが前進移動
方向に押し出される。これにより、押圧体がワークに押
圧される一方、先部構造体およびクランプアームが相対
後退移動されてクランプアームがワークの係合段部に係
合される。
【0017】この後、このように押圧体がワークを押圧
しクランプアームがワークの係合段部に係合した状態
で、ロボットハンドが基部構造体と共に後退移動され、
所定の距離だけ後退する。続いて、第1駆動手段のロッ
ドが後退移動方向に押し込まれると、後退限度位置の基
部構造体に対して先部構造体が不動になる。
【0018】このように、ワークは押圧体により押圧さ
れると共にクランプアームにより係合され、基部構造体
と先部構造体とが相互に不動状態になると、ワーク、ワ
ーク把持用ハンドおよびロボットハンドが一体的に固定
された状態になるので、ワークは安定的にロボットハン
ドに把持される。したがって、不用意にロボットハンド
が大きく傾斜しても、安定した把持状態であるので、ワ
ークがワーク把持用ハンドから脱落する虞れがない。ま
た、ワークの寸法の大小、形状の種類に拘らず、ワーク
を安定して把持できる。さらにワークの搬送が開始され
る時期が、ワークがワーク把持用ハンドにより確実に把
持された後であるので、ワークを安定した把持状態で搬
送することができる。またこの際、ロボットハンドを後
退移動させる動作によってワークの把持作業が完了する
ので、ワークに、押圧体の押圧力およびクランプアーム
のクランプ力以外の力が加わることがなく、ロボットハ
ンドに、ワークおよびワーク把持用ハンドの自重以外の
力が加わることがない。
【0019】さらに、押圧体のワーク当接位置とクラン
プアームの係合位置との間に進退移動方向に所定の間隔
が設定されており、クランプアームをワークの係合段部
の下方から引上げられるようにしてワークの係合段部に
係合させる構成であるため、ワークの高さ位置にバラツ
キがあっても、このバラツキは、クランプアームを係合
段部の下方から引上げる際に、クランプアームと係合段
部との当接位置までの距離のバラツキとして許容され
る。したがって、ワークの高さ位置にバラツキが生じて
も、ロボットハンドを停止させるティーチング高さを調
整する必要はない。
【0020】またワーク把持用ハンドの前記先部構造体
に、前記押圧体を前進方向に付勢する弾発部材を取り付
けると、この弾発部材によりワークを押圧し得る。した
がって、ワーク把持状態の時に停電等が生じても、把持
状態が解除されて、ワークが脱落するようなことがな
い。
【0021】一方、本発明に係るワーク把持用ハンドの
ワーク把持方法によりワークを把持する場合、まず、ロ
ボットハンドに固定される基部構造体とこの基部構造体
に進退移動自在に取り付けられる先部構造体を前進移動
させて、先部構造体に進退移動自在に取り付けられてい
る押圧体をワークの当接させる。ワークに当接される
際、押圧体は、先部構造体に対して進退移動自在であ
る。したがって、押圧体の前進移動は、ワークに当接し
た時点で停止することになる。つまり、この後さらに先
部構造体が前進移動しても、押圧体からワークに押圧力
が加わるようなことはない。また先部構造体が前進移動
すると、この先部構造体に取り付けられているクランプ
アームが前進移動されてワークの凹所に挿入される。ワ
ークの凹所に挿入されたクランプアームは、続いて開閉
方向に移動され、ワークの係合段部に係合される。この
ように、押圧体がワークに当接され、クランプアームが
ワークの係合段部に係合されると、押圧体が先部構造体
に対して前進移動される。この押圧体は前進移動される
際には既にワークに当接されているので、ワークに対し
て前進移動することはない。したがって、先部構造体が
ワークに対して後退移動する。このように先部構造体が
後退移動すると、この先部構造体に取り付けられている
クランプアームがワークに対して後退移動するので、こ
こで、押圧体とクランプアームとによりワークが把持さ
れる。
【0022】そして、ワークを把持する動作と相前後し
て先部構造体を基部構造体に対して固定すると、先部構
造体および先部構造体に取り付けられる押圧体とクラン
プアームとに把持されるワークが基部構造体つまりロボ
ットハンドに固定される。
【0023】
【実施例】以下、本発明の一実施例に係るワーク把持用
ハンドを図面を参照しつつ説明する。図1は、本発明の
一実施例に係るワーク把持用ハンドの一断面図であり、
図2は、図1のA−A線に沿う断面図であり、図3は、
図1のB−B線に沿う断面図である。なお、図1及び図
2は、ワークを把持している状態を示している。
【0024】図1に示すように、ワーク把持用ハンド2
は、上部でロボットハンド1に固定されており、下部で
ワーク3を把持する。
【0025】ワーク把持用ハンド2は、概略的には、ロ
ボットハンド1に固定された上部ハンド(基部構造体)
2aと、この上部ハンド2aに対して相対上下動(進退
移動)自在に設けられた下部ハンド(先部構造体)2b
と、この下部ハンド2bに支持されワーク3を押圧する
ための押圧体4と、下部ハンド2bに支持されワーク3
に係合されるクランプアーム5とから構成される。
【0026】上部ハンド2aには、ボルト6によりロボ
ットハンド1に固定されるブラケット7が設けられてい
る。このブラケット7には、平板部7aが形成されてい
る。また、このブラケット7の両側には、リニアベアリ
ングを内蔵した一対のスライド筒8が固定されており、
スライド方向が上下方向となるように配置されている。
【0027】それぞれのスライド筒8には、下部ハンド
2b側の部材であるスライドシャフト9がスライド嵌合
されている。このスライドシャフト9の上端には、第2
ストッパ10がナット11により固定されており、この
第2ストッパ10内には、硬質ゴム12が圧入されてい
る。またスライドシャフト9の下端には、ブラケット1
3が固定されている。
【0028】このブラケット13には、第1シリンダ
(第1駆動手段)14及び第2シリンダ(第2駆動手
段)15がボルト16により共締めされている。第1シ
リンダ14のロッド14aの先端部には、ブラケット7
の平板部7aに当接する止め具17が取り付けられてお
り、止め具17内には硬質ゴム18が圧入されている。
図1に示される第1シリンダ14のロッド14aは押し
出された状態になっており、止め具17の硬質ゴム18
はブラケット7の平板部7aに当接している。また第2
ストッパ10の硬質ゴム12にはスライド筒8の上端が
押圧されている。他方、第2シリンダ15のロッド15
aは、後述する押圧体4のブラケット19に、継手20
を介して取付けられている。
【0029】そして図2に示すように、ブラケット13
には、押圧体4のブラケット19に当接する第1ストッ
パ22が固定されており、ブラケット13の両側には、
後述する押圧体4の一対のスライドシャフト23を各々
スライド嵌合する一対のスライド筒24が設けられてい
る。
【0030】さらに図1に示すように、ブラケット13
には、その下側から下方に延伸する一対の支持部材13
aが形成されており、これらの支持部材13aにより一
組のスライドシャフト25を支持している。両スライド
シャフト25には、リニアベアリングを内蔵する2組の
スライド筒26がスライド嵌合されており、これらスラ
イド筒26に下方に延伸する状態で形成されるブラケッ
ト27には、一対のクランプアーム5がボルト締めされ
ている。また図3に示すように、ブラケット27には、
シリンダ32のロッド32aが継手31を介して接続さ
れており、シリンダ32により水平方向(開閉方向)に
移動される。これにより一対のクランプアーム5は相対
開閉移動される。そして、支持部材13aには、スライ
ド筒26に設けられた止め具29(図3参照)に当接さ
れるアジャスタボルト30が設けられており、このアジ
ャスタボルト30を調整することにより、クランプアー
ム5の開き限度位置を調整することができる。
【0031】また、押圧体4は、図2に示すように、ブ
ラケット19に支持されている。このブラケット19
は、継手20により第2シリンダ15のロッド15aに
支持されており、ブラケット19の両側には、下部ハン
ド2bの両スライド筒24にそれぞれスライド嵌合する
スライドシャフト23が立設されている。そして両スラ
イドシャフト23の上端には、各々一対の止め具33が
設けられている。ブラケット13とブラケット19との
間には、これらを離間する方向の弾発力が付された圧縮
スプリング(弾発部材)34が介在されており、これに
より、ワーク把持状態で停電等が生じても、把持するワ
ーク3が脱落することはない。
【0032】ところで、ハンド2がワーク3を把持する
前にあっては、図1に仮想線で示すように、第1シリン
ダ14のロッド14aは下方に退動しシリンダ内に引き
込まれた状態にあり、ロッド14aの上端の硬質ゴム1
8の上端とブラケット7の平板部7aとの間には、間隔
Cが設定されている。そして、上部ハンド2aのスライ
ド筒8の下端と、下部ハンド2bのブラケット13との
間には、前述の間隔Cより若干小さい距離の間隔Dが設
定されている。また、ハンド2がワーク3を把持する前
にあっては、図1において仮想線Eで示すように、クラ
ンプアーム5と押圧体4の下端との間は、所定間隔a1
に設定される。これにより、クランプアーム5とワーク
3の凹所3aの底面との間には間隔Gが生じ、クランプ
アーム5とワーク3の係合段部3bの下面との間には間
隔Fが生ずる。
【0033】次に、作用を説明する。ロボットハンド1
が降下(前進移動)を開始する前には、第1及び第2シ
リンダ14,15のロッド14a,15aはいずれも退
動して各シリンダ内に引き込まれた状態にあり、下部ハ
ンド2bの第1ストッパ22(図2参照)が押圧体4の
ブラケット19に当接した状態にある。
【0034】このような状態から、ロボットハンド1が
降下される。これにより、上部ハンド2a、下部ハンド
2b、押圧体4、及びクランプアーム5が一体的に降下
される。この結果、押圧体4はワーク3に当接し、図1
に仮想線Eで示すように、クランプアーム5はワーク3
の凹所3a内に挿入される。このとき、クランプアーム
5とワーク3の凹所3aの底面との間には間隔Gが確保
され、クランプアーム5とワーク3の係合段部3bの下
面との間には間隔Fが確保される。
【0035】この後、ロボットハンド1はさらに降下さ
れる。しかしながら、下部ハンド2bの第1ストッパ2
2は押圧体4のブラケット19に当接若しくは第2シリ
ンダ15のストロークエンドで一体化されており、押圧
体4はワーク3に当接されている。このため、下部ハン
ド2b及び押圧体4は降下することがなく、上部ハンド
2aがロボットハンド1と共に降下する。したがって、
図1に示されるように、間隔Dが徐々に小さくなる。な
おロボットハンド1は、間隔Dが初期の状態の1/2に
なると停止するように予めティーチングされている。こ
のように作動されるので、押圧体4がワーク3に当接し
た後、さらにロボットハンド1が降下しても、図1に示
す間隔F及び間隔Gが変化することはない。
【0036】これらの動作と相前後して、シリンダ32
のロッド32aが退動されると、一対のクランプアーム
5は、間隔F及び間隔Gを確保しつつ、水平方向に移動
され、凹所3a内の係合段部3bの下方に配置される。
【0037】続いて、第2シリンダ15のロッド15a
が下方に押し出されると、押圧体4がワーク3に押圧さ
れる一方、これにより生じた反力により下部ハンド2b
及びクランプアーム5が上昇(後退移動)されてクラン
プアーム5がワーク3の係合段部3bに係合される。
【0038】このように、クランプアーム5が係合段部
3bに係合されるとき、クランプアーム5と押圧体4の
下端との間隔は、図1に示すように、a1 からa2 に縮
められる。すなわち、クランプアーム5をワーク3の係
合段部3bの下方から引上げるように移動させることに
より係合段部3bに係合させるように構成している。し
たがって、ワーク3の高さ位置にバラツキがあっても、
このバラツキは、クランプアーム5を係合段部3bの下
方から引上げる際に、クランプアーム5と係合段部3b
とが当接するまでの距離のバラツキとして許容される。
このため、ワーク3の高さ位置にバラツキがあっても、
ロボットハンド1の移動先である停止位置のティーチン
グ高さを調整する必要はない。また、図1に示す間隔D
を間隔Fの2倍より大きく設定しているので、ブラケッ
ト13がスライド筒8に当接することがなく、したがっ
て、ハンド2側からロボットハンド1側に反力が作用す
ることがない。
【0039】次に、押圧体4によりワーク3を押圧する
と共にクランプアーム5をワーク3の係合段部3bに係
合した状態で、ロボットハンド1と共に上部ハンド2a
が上昇され、上昇量が間隔Dに対応する距離になると、
スライド筒8が第2ストッパ10に当接し、上部ハンド
2aの下部ハンドに対する上昇移動が停止される。この
後、ロボットハンド1と共にワーク把持用ハンド2全体
が上昇されることとなり、この段階でワーク3が初めて
上昇され、搬送される。
【0040】このような動作と相前後して、第1シリン
ダ14のロッド14aが上方に押し出されてブラケット
7の平板部7aが押圧されると、スライド筒8が第2ス
トッパ10に押圧される。これにより、上部ハンド2a
が下部ハンド2bに対して不動の状態になる。
【0041】この結果、ワーク3は、押圧体4に押圧さ
れると共にクランプアーム5により係合されることとな
り、また上部ハンド2aが下部ハンド2bに対して不動
の状態になるので、ワーク3、ハンド2およびロボット
ハンド1は、一体的になり、ワーク3は、安定的な状態
でロボットハンド1のワーク把持用ハンド2に把持され
る。したがって、不用意にロボットハンド1が大きな角
度で傾斜することがあっても、常にワーク3はハンド2
により安定的に把持される。また、ワーク3及びクラン
プアーム5の寸法・形状の大小に拘らず、ワーク3を安
定して把持できるため、信頼性の高い把持状態を実現し
得る。さらに、ハンド2により確実にワーク3を把持し
た後、ワーク3を移動させることからも、把持状態の信
頼性は高いといえる。また、ロボットハンド1を上昇さ
せることによりワークの把持動作が完了するので、押圧
体4の押圧力及びクランプアーム5のクランプ力以外の
力が、ハンド2からワーク3に加わることがない。
【0042】そして、ワーク3を所定の場所に移載する
場合には、図1において、第1シリンダ14のロッド1
4aを下方に退動させて間隔Cを設け、移載時に間隔D
が最大値の1/2になるように、ロボットハンド1を移
動させる。
【0043】続いて、第2シリンダ15のロッド15a
が上方に退動されてシリンダ内に引き込まれると、下部
ハンド2bが降下されて、第1ストッパ22がブラケッ
ト19に当接されると共に、クランプアーム5とワーク
3との間に、間隔F,Gが確保される。
【0044】この後、シリンダ32のロッド32aが押
し出され、クランプアーム5は、図1において仮想線E
で示される状態になる。この状態でロボットハンド1が
上昇され、ワーク3からハンド2が完全に離脱される。
【0045】なお、段積みされたワークを移載する場
合、搬出位置にある上段のワークが搬出されると、下段
のワークが搬出位置に上昇される場合があるが、順次上
昇されるワーク3の上面の高さが同一にならず、高さに
バラツキを生ずることがある。しかしながら、このよう
な場合であっても本実施例にあっては、上述したよう
に、高さのバラツキを、クランプアーム5をワーク3の
係合段部3bの下方から引上げる際に、クランプアーム
5と係合段部3bとが当接する位置までの距離のバラツ
キとして許容している。したがって、ワークの高さにバ
ラツキが生じても、クランプハンド5によるワークの把
持状態にバラツキが生ずることはない。
【0046】さらに本実施例では、クランプアーム5の
幅Hに比較してワークのサイズが大きい場合であって
も、押圧体4とクランプハンド5とによりワークを把持
しているので、ワークがワーク把持用ハンドから脱落す
ることがない。
【0047】なお、本発明は、上述した実施例に限定さ
れないのは勿論であり、種々変形可能である。
【0048】
【発明の効果】以上のように本発明では、ワークに押圧
体を押圧すると共にクランプアームを係合してワークを
把持しており、また基部構造体は先部構造体に対して不
動にされているため、ワーク、ワーク把持用ハンドおよ
びロボットハンドが一体的になされた状態で、ワークが
安定的に把持される。したがって、ワークの寸法・形状
の大小に拘らず、ワークを安定した状態に把持でき、信
頼性が高い。また不用意にロボットハンドが大きな角度
で傾斜しても、ワークを安定した状態で把持することが
できる。さらに、ワーク把持用ハンドにより確実に把持
されるまで、ワークを移動させないようになっているの
で、ワークの把持状態が安定する。このため、種々の寸
法・形状のワークを、安定してた状態で把持でき、ワー
クがワーク把持用ハンドから脱落する虞れはない。
【0049】また、ロボットハンドの後退移動動作によ
りワークの把持作業が完了するようになっているので、
ロボットハンドには、ワークおよびワーク把持用ハンド
の自重以外の力が加わることがなく、またワークには、
押圧体の押圧力およびクランプアームのクランプ力以外
の力が加わることがない。さらに、クランプアームをワ
ークの係合段部の下方から引上げられるようにしてワー
クの係合段部に係合させているので、ワークの高さ位置
にバラツキがあっても、このバラツキは、クランプアー
ムを係合段部の下方から引上げる際に、クランプアーム
と係合段部とが当接する位置までの距離のバラツキとし
て許容される。したがって、ワークの高さ位置にバラツ
キが生じても、ロボットハンドの前進移動位置すなわち
ティーチング高さを調整する必要はない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例に係るワーク把持用ハンド
の一断面図である。
【図2】 図1のA−A線に沿う断面図である。
【図3】 図1のB−B線に沿う断面図である。
【図4】 従来のワーク把持用ハンドを示す側面図であ
る。
【図5】 従来のワーク把持用ハンドを示す部分拡大側
面図である。
【符号の説明】
1…ロボットハンド、 2…ワーク把持
用ハンド、2a…上部ハンド(基部構造体)、 2b
…下部ハンド(先部構造体)、3…ワーク、
4…押圧体、5…クランプアーム、
14…第1シリンダ(第1駆動手段)、15
…第2シリンダ(第2駆動手段)。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ワークを移載するロボットハンドに取り
    付けるワーク把持用ハンドであって、 前記ロボットハンドに固定される基部構造体に対して進
    退移動自在な先部構造体と、 この先部構造体に取り付けられ、前記基部構造体に対し
    て当該先部構造体を位置決めする第1駆動手段と、 前記先部構造体に対して進退移動自在であり前記ワーク
    に当接する押圧体と、 前記ワークに当接された押圧体を当該ワークに押圧し
    て、前記先部構造体を前記押圧体に対して後退移動させ
    る第2駆動手段と、 前記先部構造体に前記進退移動方向と直交する開閉方向
    に相対移動自在に設けられ、前記ワークの係合段部に係
    合された際、前記押圧体との協働により前記ワークを把
    持する一対のクランプアームとを備えることを特徴とす
    るワーク把持用ハンド。
  2. 【請求項2】 前記先部構造体に、前記押圧体を前進方
    向に付勢する弾発部材を取り付けたことを特徴とする請
    求項1に記載のワーク把持用ハンド。
  3. 【請求項3】 前記先部構造体に固定され、前記先部構
    造体および前記基部構造体が前進移動する際に、前記押
    圧体を押圧して前記ワークに当接させる第1ストッパを
    備える請求項1に記載のワーク把持用ハンド。
  4. 【請求項4】 ワークを移載するロボットハンドに取り
    付けるワーク把持用ハンドのワーク把持方法であって、 前記ロボットハンドに固定される基部構造体に進退移動
    自在に支持される先部構造体を前進移動させて、当該先
    部構造体に進退移動自在に取り付けられる押圧体をワー
    クに当接させる工程と、 前記先部構造体に相対開閉自在に取り付けられる一対の
    クランプアームを前記ワークの係合段部に係合させる工
    程と、 前記押圧体を前記先部構造体に対して相対前進移動させ
    て、当該押圧体と前記先部構造体に取り付けられる前記
    クランプアームとにより前記ワークを把持する工程とを
    有することを特徴とするワーク把持用ハンドのワーク把
    持方法。
  5. 【請求項5】 前記押圧体と前記クランプアームとによ
    り前記ワークを把持する工程と相前後して、前記先部構
    造体を前記基部構造体に対して固定することを特徴とす
    る請求項4に記載のワーク把持用ハンドのワーク把持方
    法。
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