JPH07162197A - ガイドピン認識による電子部品挿入方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】電子部品挿入機におけるプリント基板の生産に
おいて、挿入エラーを未然に防ぎ、高稼働率を実現す
る。 【構成】電子部品のリード線を支持するガイドピンがプ
リント基板の電子部品挿入穴から正しく上昇しているか
を視覚認識装置を用いて判断し（ステップ＃５）、電子
部品のリード線がガイドピンに正しく支持されているか
を視覚認識装置を用いて判断し（ステップ＃６）、上記
の判断の結果、ガイドピンがプリント基板から正しく上
昇していない場合や、電子部品のリードがガイドピンに
支持されていない場合は、電子部品のリード線をクリン
チする動作を行わずに、チャックツールにより電子部品
を廃棄する（ステップ＃８，＃９）。ガイドピンがプリ
ント基板の電子部品挿入穴から上昇しない場合でも、再
びその挿入位置の挿入穴認識で行い、挿入位置のズレ量
を再度検出して認識装置の認識精度のばらつきを抑える
（ステップ＃１０）。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、電子部品挿入機におけ
るガイドピン認識による電子部品の挿入方法に関するも
のである。

【０００２】

【従来の技術】近年、電子機器製品のダウンサイジング
化にともない、電子部品実装の分野においても、高密度
実装となり良品生産が望まれている。以下、従来のガイ
ドピン認識による電子部品挿入方法について、図３、図
４を参照しながら説明する。図３は、電子部品挿入機の
概略構成図である。１は挿入ヘッドで、部品供給部２か
ら電子部品を取り出し、プリント基板に電子部品を挿入
する。２は電子部品供給部で、電子部品が格納されてい
る。３はアンビルで、プリント基板に挿入された電子部
品のリード線をプリント基板裏面からカット・クリンチ
し、プリント基板に固定させるものである。４はガイド
ピンで、アンビル３に格納され、電子部品を挿入する際
に、アンビル３より上昇し、電子部品のリード線を支持
して電子部品の挿入を正しく行うものである。５は認識
部で、認識カメラ６により、プリント基板の電子部品挿
入穴を認識することにより、挿入位置のズレ量を検出し
高精度な電子部品挿入を実現する。７は認識モニタで、
認識結果を表示するためのものである。

【０００３】以上のように構成された電子部品挿入機に
おいて、従来のガイドピン認識による電子部品挿入の工
程を、図４を参照して説明する。まず、プリント基板の
生産前に、電子部品挿入機において、図３に示す認識部
５の認識カメラ６が、ガイドピン４の上に移動する（ス
テップ＃１１）。次にガイドピン４が上昇し、認識部５
の認識カメラ６で、ガイドピンのメカ的な取付位置を認
識する。これをアンビル３の旋回によりＸ方向、Ｙ方向
に対して行う（ステップ＃１２）。次に認識部５の認識
カメラ６が原点位置に戻る（ステップ＃１３）。その
後、プリント基板の生産を開始し、挿入ヘッド１が、指
定された部品供給装置２から、電子部品を取り出し（ス
テップ＃１４）、指定されたプリント基板の位置へ、ガ
イドピンのメカ的な取付位置誤差を考慮して電子部品を
挿入する（ステップ＃１５）。次に、アンビル３にて、
プリント基板に挿入された電子部品のリード線をカット
・クリンチし、プリント基板に固定させる（ステップ＃
１６）。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ようなガイドピン認識による電子部品挿入方法では、プ
リント基板の生産前に、ガイドピンの取付け位置誤差を
認識して、その結果に基づいて電子部品の挿入を行うた
め、プリント基板生産時の実挿入でのガイドピンの状態
を知ることができない。そのため、ガイドピンがプリン
ト基板から正しく上昇していないときでも、通常の電子
部品挿入動作を行うために、正しく挿入できず、挿入エ
ラーとなってしまうことがあり、挿入率の低下につなが
る。また、ガイドピンが、プリント基板から正しく上昇
していても、電子部品のリード線の不良により、リード
線がガイドピンに乗らない（支持されない）状態でも、
通常の電子部品挿入動作を行うために、上記同様挿入率
の低下につながる。加えて、クリンチによって挿入検出
をするため電子部品のリードの片側だけクリンチされて
いる状態でのエラーは、電子部品挿入機を停止させ、電
子部品をプリント基板から人手で除去しなければなら
ず、リカバリーに手間を要する。

【０００５】本発明は、上記問題点を解決するもので、
電子部品挿入機におけるプリント基板の生産において、
ガイドピンの上昇不良の際、もしくは、電子部品のリー
ド線不良の際にも、挿入エラーを未然に防ぎ、高稼働率
を実現するガイドピン認識による電子部品挿入方法を提
供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の電子部品挿入方法は、電子部品挿入機にお
ける電子部品の挿入に際し、電子部品の挿入を正しく行
うため、電子部品のリード線を支持するガイドピンが、
プリント基板の電子部品挿入穴から正しく上昇している
か否かを視覚認識装置を用いて判断する工程と、電子部
品のリード線が、ガイドピンに正しく支持されているか
否かを視覚認識装置を用いて判断する工程と、挿入した
電子部品のリード線をクリンチせずに、電子部品を除去
する工程と、ガイドピンが、プリント基板の電子部品挿
入穴から正しく上昇していないときには、その挿入穴の
認識を視覚認識装置を用いて行うことにより、挿入位置
のずれを再度検出する工程とを備えたものである。

【０００７】

【作用】本発明は、上記した工程によって、電子部品挿
入機におけるプリント基板生産時の実挿入でのガイドピ
ンの状態を、視覚認識装置を用いて認識するため、プリ
ント基板の電子部品挿入穴から、ガイドピンが正しく上
昇しているかを判断することができる。また、実挿入の
動作の際に、上記同様、ガイドピンと電子部品のリード
線の状態を認識するため、電子部品のリード線が、ガイ
ドピンに正しく支持されているかを判断することができ
る。また、上記の判断の結果、ガイドピンがプリント基
板から正しく上昇していない場合や、電子部品のリード
がガイドピンに支持されていない場合は、電子部品の挿
入が正しく行われないと判断（挿入ミスになると仮定）
し、電子部品のリード線をクリンチする動作を行わない
ため、電子部品実装機を停止させることなく、容易に挿
入ミス部品を自動除去（オートリカバリー）することが
できる。また、ガイドピンがプリント基板の電子部品挿
入穴から上昇しない場合でも、再びその挿入位置の挿入
穴認識を行い、挿入位置のズレ量を再度検出するため、
認識装置の認識精度のばらつきを抑えることができる。
すなわち、電子部品挿入機におけるプリント基板の生産
において、ガイドピンの上昇不良の際、もしくは、電子
部品のリード線不良の際および、認識装置の認識精度の
ばらつきがある場合にも、挿入エラーを未然に防ぎ、高
稼働率を実現することができる。

【０００８】

【実施例】以下、本発明の一実施例のガイドピン認識に
よる電子部品挿入方法について、図１、図２を参照しな
がら説明する。図２は、本実施例を実現する電子部品挿
入機の概略構成図であり、従来と同機能のものには、同
符号を付してその説明は省略する。８はガイドピン専用
の認識装置で、１次元ＣＣＤのラインセンサで構成され
ている。この認識装置８で、ガイドピン４をスポット的
に認識することにより、ガイドピン４がプリント基板の
電子部品挿入穴から正しく上昇しているか、また電子部
品のリード線がガイドピン４に正しく支持されているか
を正しく判断することができる。また、９はＸＹテーブ
ルで、Ｘ，Ｙ軸モータの回転動作によって、電子部品挿
入位置にプリント基板を移動させる。１０はチャックツ
ールで、プリント基板上の固定されていない電子部品を
チャッキングして除去させるためのものであり、廃棄ス
テーション１１に除去させる。

【０００９】図２のように構成された電子部品挿入機に
おいて、ガイドピン４がプリント基板の電子部品挿入穴
から正しく上昇していない場合、また電子部品のリード
線がガイドピン４に正しく支持されていない場合のガイ
ドピン認識による電子部品挿入方法について、図１のフ
ローチャートを参照して説明する。

【００１０】まず、従来の技術と同様もしくは、そのほ
かの方法でガイドピン４のメカ的な取付位置誤差を求
め、あらかじめ電子部品挿入機にその値を入力する（ス
テップ＃１）。次に、挿入ヘッド１が、指定された部品
供給装置２から、電子部品を取り出す（ステップ＃
２）。次に、指定されたＮＣデータの位置へ、ガイドピ
ンのメカ的な取付位置誤差と挿入穴認識による挿入位置
の位置ズレを考慮して、ＸＹテーブル９の位置決めを行
う（ステップ＃３）。次に、ガイドピン４が、電子部品
のリード線を支持するために、アンビル３より上昇する
（ステップ＃４）。次に、ガイドピン専用の認識装置８
にて、ガイドピン４がプリント基板の電子部品挿入穴か
ら正しく上昇しているか判断する（ステップ＃５）。正
しく上昇している場合は、再びガイドピン専用の認識装
置８にて、電子部品のリード線がガイドピン４に正しく
支持されているか判断する（ステップ＃６）。正しく支
持されている場合は、アンビル３にて、プリント基板に
挿入された電子部品のリード線をカット・クリンチし、
プリント基板に固定させ、電子部品の挿入を完了する
（ステップ＃７）。ステップ＃５で正しく上昇していな
い場合もしくは、ステップ＃６で正しく支持されていな
い場合は、おそらく電子部品の挿入が正しく行われない
と判断（挿入ミスになると仮定）し、電子部品の挿入
後、アンビル３にて、プリント基板に挿入された電子部
品のリード線をカット・クリンチする動作を行なわない
（ステップ＃８）。次に、チャックツール１０にて、リ
ード線をカット・クリンチされていない電子部品をチャ
ックし、廃棄ステーション１１に除去する（ステップ＃
９）。次に、再びその挿入位置の挿入穴認識を認識部５
の認識カメラ６により認識し、挿入位置のズレ量を検出
する（ステップ＃１０）。次に、再びステップ＃２に戻
りその挿入位置の挿入動作を継続する。

【００１１】以上のように本実施例によれば、電子部品
挿入機におけるプリント基板生産時の実挿入でのガイド
ピンの状態を、ガイドピン専用の認識装置８を用いて認
識するため、プリント基板の電子部品挿入穴から、ガイ
ドピンが正しく上昇していないときには、電子部品のリ
ードをクリンチする前に挿入エラーになると判断するこ
とができる。また、実挿入の動作の際に、上記同様、ガ
イドピンと電子部品のリード線の状態を認識するため、
電子部品のリード線が、ガイドピンに正しく支持されて
いないときにも、電子部品のリードをクリンチする前に
挿入エラーになると判断することができる。このよう
に、ガイドピンがプリント基板から正しく上昇していな
い場合や、電子部品のリードがガイドピンに支持されて
いない場合は、電子部品の挿入が正しく行われないと判
断（挿入ミスになると仮定）し、電子部品のリード線を
クリンチする動作を行わないため、電子部品実装機を停
止させることなく、容器に挿入ミス部品を自動除去（オ
ートリカバリー）することができる。

【００１２】また、ガイドピンがプリント基板の電子部
品挿入穴から上昇しない場合でも、再びその挿入位置の
挿入穴認識を認識部５の認識カメラ６により認識し、挿
入位置のズレ量を再度検出するため、認識精度のばらつ
きによる挿入ミスも未然に防ぐことができる。このよう
に、電子部品挿入機におけるプリント基板の生産におい
て、ガイドピンの上昇不良の際、および電子部品のリー
ド線不良の際、さらには認識装置の認識精度のばらつき
がある場合にも、挿入エラーを未然に防ぎ、高稼働率を
実現することができる。

【００１３】また、電子部品の挿入率によってガイドピ
ン認識をするかしないかを判断する工程を付加すれば、
さらに稼働率の高い動作を実現することができる。

【００１４】

【発明の効果】以上のように本発明によれば、電子部品
挿入機における電子部品の挿入に際し、電子部品の挿入
を正しく行うため、電子部品のリード線を支持するガイ
ドピンが、プリント基板の電子部品挿入穴から正しく上
昇しているか否かを視覚認識装置を用いて判断する工程
と、電子部品のリード線が、ガイドピンに正しく支持さ
れているか否かを視覚認識装置を用いて判断する工程
と、挿入した電子部品のリード線をクリンチせずに、電
子部品を除去する工程と、ガイドピンが、プリント基板
の電子部品挿入穴から正しく上昇していないときには、
その挿入穴の認識を視覚認識装置を用いて行うことによ
り、挿入位置のずれを再度検出する工程とを備えている
ので、電子部品挿入機におけるプリント基板の生産にお
いて、ガイドピンの上昇不良の際、もしくは、電子部品
のリード線不良の際および、認識装置の認識精度のばら
つきがある場合にも、挿入エラーを未然に防ぎ、高稼働
率を実現することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例のガイドピン認識による電子
部品挿入方法のフローチャートである。

【図２】本発明の一実施例のガイドピン認識による電子
部品挿入方法における電子部品挿入機の概略構成図であ
る。

【図３】従来のガイドピン認識による電子部品挿入方法
における電子部品挿入機の概略構成図である。

【図４】従来のガイドピン認識による電子部品挿入方法
のフローチャートである。

【符号の説明】

１ 挿入ヘッド ２ 部品供給装置 ３ アンビル ４ ガイドピン ５ 認識部 ６ 認識カメラ ７ 認識モニタ ８ ガイドピン専用の認識装置（ラインセンサ） ９ ＸＹテーブル １０ チャックツール １１ 廃棄ステーション

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 電子部品挿入機における電子部品の挿入
   に際し、電子部品の挿入を正しく行うため、電子部品の
   リード線を支持するガイドピンが、プリント基板の電子
   部品挿入穴から正しく上昇しているか否かを視覚認識装
   置を用いて判断する工程と、電子部品のリード線が、ガ
   イドピンに正しく支持されているか否かを視覚認識装置
   を用いて判断する工程と、挿入した電子部品のリード線
   をクリンチせずに、電子部品を除去する工程と、ガイド
   ピンが、プリント基板の電子部品挿入穴から正しく上昇
   していないときには、その挿入穴の認識を視覚認識装置
   を用いて行うことにより、挿入位置のずれを再度検出す
   る工程とを有するガイドピン認識による電子部品挿入方
   法。
2. 【請求項２】 電子部品の挿入率によってガイドピン認
   識をするかしないかを判断する工程を有する請求項１記
   載のガイドピン認識による電子部品挿入方法。