JPH0716085A - たん白質の殺菌方法 - Google Patents

たん白質の殺菌方法

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JPH0716085A
JPH0716085A JP5148531A JP14853193A JPH0716085A JP H0716085 A JPH0716085 A JP H0716085A JP 5148531 A JP5148531 A JP 5148531A JP 14853193 A JP14853193 A JP 14853193A JP H0716085 A JPH0716085 A JP H0716085A
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JP
Japan
Prior art keywords
protein
sterilization
rays
sterilized
electron beam
Prior art date
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Pending
Application number
JP5148531A
Other languages
English (en)
Inventor
Naomi Ishida
直美 石田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
SANEI GEN F F I Inc
San Ei Gen FFI Inc
Original Assignee
SANEI GEN F F I Inc
San Ei Gen FFI Inc
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Publication date
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Pending legal-status Critical Current

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  • Food Preservation Except Freezing, Refrigeration, And Drying (AREA)
  • Apparatus For Disinfection Or Sterilisation (AREA)
  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 たん白質の品質を維持したまま、加熱するこ
となくたん白質を殺菌する。 【構成】 たん白質の粉末に1〜50kGyの線量の電
子線を照射し、たん白質粉末を殺菌する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、たん白質を変質するこ
となく殺菌する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、たん白質の殺菌方法としては、水
溶液状態や粉末状態で加熱殺菌する方法が利用されてい
る。加熱殺菌方法は、一般に熱源として火炎、水蒸気、
熱水、過熱空気、過熱蒸気などを利用し温度60〜13
0℃の高温にて実施される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記に示すような加熱
殺菌の条件下では、たん白質の本質であるゲル化力、乳
化力、保水力、起泡力が低下してしまったり、変色、組
織の破壊などの品質変化が起こる場合が多く、製品の品
質が低下する。特に、製品が粉末の場合、殺菌効果が著
しく低下し、その上、製品の均一加熱が困難である。ま
た、過熱蒸気を直接利用し殺菌した場合、ケーキングが
問題になる。そのため、殺菌温度、殺菌時間のほか、冷
却時間、雰囲気などの条件を選定し、厳密な管理下で殺
菌を行う必要がある。また、粉末の場合、殺菌は粉末を
溶解した後に行っているのが実情であり、作業工程が増
加するとともに収率が低下する。このように、従来の加
熱殺菌方法では、たん白質の品質を維持したままでの殺
菌が難しい場合が多く、その上、粉末状態での殺菌は実
際面で困難である。本発明は、ゲル化力、乳化力、保水
力、起泡力の低下、変色などの品質低下を生起すること
なく、たん白質の殺菌をすることを目的とするものであ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、たん白質の、
電子線、X線およびγ線の群から選ばれた少なくとも1
種の放射線を照射することにより殺菌することを特徴と
するたん白質の殺菌方法を提供するものである。本発明
に適用されるたん白質としては、小麦、卵、牛乳等の動
植物体、さらにそれらを精製した乳清たん白、卵白、大
豆たん白、小麦たん白、血漿たん白などのたん白質、カ
ゼインナトリウムをはじめとするたん白質誘導体、小麦
グルテン分解物などのたん白分解物に使用できる。本発
明において照射する放射線の量は、電子線の場合1〜5
0kGy、好ましくは1〜20kGy、さらに好ましく
は5〜10kGyである。電子線の線量が1kGy未満
では殺菌が充分でない場合があり、一方50kGyを超
えても殺菌効果が向上しないばかりか変色などの品質低
下をきたす場合がある。また照射する放射線のエネルギ
ーは、照射された物質が放射化しないエネルギー以下で
なければならず、電子線の場合10MeV以下、X線の
場合5MeV以下、γ線の場合には1.17MeV及び
1.33MeVのエネルギーを持つコバルト60線源又
は0.66MeVのエネルギーを持つセシウム137線
源を用いるのが好ましい。本発明の方法によれば、放射
線は、たん白質の中心部まで浸透するため、均一な殺菌
が可能となる。さらに、包装した後に殺菌することがで
き、再汚染されることがない。また、短時間に大量に処
理することができる。
【0005】
【実施例】以下、実施例を挙げ、本発明を詳細に説明す
る。 実施例1 乳清たん白の粉末を14cm(幅)×14cm(長さ)
×1cm(厚み)のポリエチレン製の袋に詰めた。この
サンプルを照射コンベアにセットし、これが走査管の下
を通過する時に電子線ビームを照射した。照射に使用し
た電子線加速器を以下に示す。 電子線加速器 形 式:コッククロフト・ワルトン型 加速電圧:0.8〜2MeV(連続可変) 加速電流:0.1〜30mA(連続可変) 出 力:60kW(最大) ビーム走査幅:垂直ビーム;120cm 垂直ビーム照射用コンベア: 型式;トウコンベア型 速度;0.5〜15m/min 全長;45m(1周) パレット;65cm×65cm 20台 なお、対照として加熱殺菌を実施した。この結果を表1
に示す。
【0006】
【表1】
【0007】*1)耐熱性菌は、75℃×30分で加熱
処理した後、菌液を培養し菌数測定した。 *2)加熱殺菌は、粉末を乾燥機に入れ殺菌。 *3)乳清たん白の15%水溶液を加熱(80℃の温浴
槽にて40分間)しゲル化させて(8℃±1℃にて18
時間冷却)その表面の破断強度を測定した。殺菌前のゲ
ルの破断強度を100とした。 表1から明らかなように、5.0kGyで電子線殺菌し
た乳清たん白は完全に殺菌され、そのうえ、ゲル強度の
97%が残存していた。これに対し、加熱殺菌では、完
全に殺菌されていないばかりか、ゲル強度の残存率が3
0%に低下した。
【0008】実施例2 カゼインナトリウムの粉末に実施例1と同様にして、1
0.0kGyの電子線を照射した。対照として加熱殺菌
を実施した。この結果を表2に示した。
【0009】
【表2】 *1)加熱殺菌は、粉末を乾燥機に入れ殺菌。 *2)カゼインナトリウムの1%溶液140gを撹拌し
ながら大豆白絞油60gを加えホモミキサーで均質化
し、100ml容メスシリンダーに入れ、2日後の乳化
部の割合を示した。 表2から明らかなように、電子線殺菌したカゼインナト
リウムは完全に殺菌され、そのうえ殺菌前のものと比べ
ほとんど低下がなく乳化部が79%で、これに対し加熱
殺菌では60℃×30分では完全に殺菌されていない。
80℃×20分でも殺菌は不完全であり、しかも乳化部
の割合が74%まで低下した。
【0010】実施例3 小麦たん白に実施例1と同様にして、10.0kGyの
電子線を照射した。対照として加熱殺菌を実施した。こ
の結果を表3に示した。
【0011】
【表3】 *1)加熱殺菌は、粉末を乾燥機に入れ殺菌。 *2)小麦たん白10gを2.5倍量の水で練り1時間
放置して均一なドウを作る。加熱(90℃の温浴槽に入
れ40分間)後水を切り重量を測定する。 吸水率(倍)=重量(g)−10(g)/10(g) 表3から明らかなように、電子線殺菌した小麦たん白は
完全に殺菌され、そのうえ殺菌前のものと比べほとんど
低下がなく吸水力が2.2倍で、これに対し加熱殺菌で
は60℃×30分では完全に殺菌されていない。80℃
×20分でも殺菌は不完全であり、しかも吸水力が1.
3倍まで低下した。
【0012】実施例4 小麦グルテン分解物に実施例1と同様にして、10.0
kGyの電子線を照射した。対照として加熱殺菌を実施
した。この結果を表4に示した。
【0013】
【表4】 *1)加熱殺菌は、粉末を乾燥機に入れ殺菌。 *2)小麦グルテン分解物5%溶液を調製し50mlを
300ml容トールビーカーに入れハンドミキサーにて
1分間泡立て、泡立て終了後の気泡量を読みとった。殺
菌前の気泡量を100とした。 表4から明らかなように、電子線殺菌した小麦たん白分
解物はは完全に殺菌され、そのうえ起泡性は殺菌前のも
のと比べほとんど低下せず97%残存していた。これに
対し加熱殺菌では60℃×30分では完全に殺菌されて
いない。80℃×20分でも殺菌は不完全であり、しか
も気泡量の残存率が83%に低下した。
【0014】
【発明の効果】本発明によれば、変色、力価低下などの
品質低下を生じることなくたん白質の殺菌を低温かつ容
易に行うことができる。また、包装した後に殺菌するた
め再汚染されることもない。さらに、大量かつ連続的に
行うことが可能であり、工業的意義は極めて大である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 たん白質を、1〜50kGyの線量の電
    子線、X線およびγ線から選ばれる1種または2種以上
    の放射線を照射することにより殺菌することを特徴とす
    るたん白質の殺菌方法。
JP5148531A 1993-05-25 1993-05-25 たん白質の殺菌方法 Pending JPH0716085A (ja)

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JPH0716085A true JPH0716085A (ja) 1995-01-20

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ID=15454871

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JP (1) JPH0716085A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5858425A (en) * 1996-10-11 1999-01-12 Sun Project Co., Ltd. Process for producing a composite garlic-egg yolk food
WO2000034311A1 (fr) * 1998-12-10 2000-06-15 Director Of National Food Research Institute, Ministry Of Agriculture, Forestry And Fisheries Technique permettant d'accroitre la solubilite d'une proteine
WO2000048472A1 (fr) * 1999-02-19 2000-08-24 Director Of National Food Research Institute, Ministry Of Agriculture, Forestry And Fisheries Procede permettant d'ameliorer les proprietes gelifiantes d'une proteine
JP2019126266A (ja) * 2018-01-22 2019-08-01 地方独立行政法人東京都立産業技術研究センター 殺菌方法

Cited By (6)

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US6613398B1 (en) 1998-12-10 2003-09-02 Director Of National Food Research, Institute, Ministry Of Agriculture, Forestry And Fisheries Method for improving solubility of protein
WO2000048472A1 (fr) * 1999-02-19 2000-08-24 Director Of National Food Research Institute, Ministry Of Agriculture, Forestry And Fisheries Procede permettant d'ameliorer les proprietes gelifiantes d'une proteine
US6586037B1 (en) 1999-02-19 2003-07-01 Director Of National Food Research Institute, Ministry Of Agriculture, Forestry And Fisheries Method for improving gelling properties of protein
JP2019126266A (ja) * 2018-01-22 2019-08-01 地方独立行政法人東京都立産業技術研究センター 殺菌方法

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