JPH07159871A - カメラとスピードライト間の光コネクタ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 外乱光による誤動作を確実に防止する。 【構成】 カメラ側コネクタ部３に導光部材９を配設
し、この導光部材９の内面にＥＣ膜１７を被覆する。ス
ピードライト側コネクタ部５に導光部材３２を配設し、
この導光部材３２の内面に同じくＥＣ膜４１を被覆す
る。ＥＣ膜１７，４１は、通常不透明で、両コネクタ部
３，５の接続により電圧が印加されると、透明になり、
発光素子２１，４３と受光素子２２，４４間の光通信を
可能にする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、水中カメラと水中スピ
ードライト（電子閃光装置）間の光信号の送受信を行う
場合に使用して好適なカメラとスピードライト間の光コ
ネクタに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、水中カメラと水中スピードライト
間の信号の送受信を可能にするこの種のコネクタとして
は、電気的接続によるものとして実開昭６０−１１８１
２８号公報が、また光学的接続によるものとして実開平
４−６７６３８号公報が知られている。

【０００３】前者の電気的接続によるコネクタは、固定
ピン端子を有するソケットと、接続時に前記固定ピン端
子が接続される受け端子を有するプラグとを備え、接続
時に接続方向に移動し、離脱時に突出する方向に付勢さ
れた可動押圧接点をソケットまたはプラグのいずれか一
方に設け、他方に接続時に前記押圧接点と接触してこの
押圧接点を前記付勢力に逆らって移動させる固定接点を
設けて構成したものである。

【０００４】後者の光学的接続によるコネクタは、それ
ぞれ発光素子および受光素子を収納する第１，第２の防
水ケースの開口部を透明部材によって閉塞すると共に、
各防水ケース内に発光素子と受光素子との間を仕切る遮
光部を設けたものである。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来の電気的接続によるコネクタは、コネクタ接続部
に水が侵入すると、接点間リークが生じ、作動不能にな
るという欠点があった。一方、光学的接続によるコネク
タでは、このような問題は解決されるが、光通信用に受
光素子を使用しているため、コネクタを外したままでカ
メラを使用していると、コネクタ内に侵入した外乱光を
検知し誤動作するという欠点があった。

【０００６】したがって、本発明は上記したような従来
の問題点に鑑みてなされたもので、その目的とするとこ
ろは、外乱光による誤動作を確実に防止することができ
るようにしたカメラとスピードライト間の光コネクタを
提供することにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明に係るカメラとスピードライト間の光コネクタ
は、カメラ本体とスピードライトにそれぞれ設けられ互
いに分離可能に接続される２つのコネクタ部とからな
り、これら両コネクタ部の内部には導光部材と、この導
光部材の後方側にそれぞれ位置して配設されたカメラま
たはスピードライトからの電気信号を光信号に変換する
発光素子、カメラまたはスピードライトからの光信号を
受光する受光素子、磁石および両コネクタ部が接続され
た際相手コネクタ部の磁石からの磁気を検知する磁気セ
ンサがそれぞれ配設されており、また各コネクタ部内に
配設された前記導光部材の内面には両コネクタ部の非接
続時において遮光膜として機能し、両コネクタ部の接続
により電圧が印加されると透光膜として機能するＥＣ膜
が被覆されているものである。

【０００８】

【作用】本発明によれば、透明部材の内面に被覆された
ＥＣ膜は、両コネクタ部が接続されていない時不透明で
外乱光の侵入を遮断し、両コネクタ部の接続により電圧
が印加されると透明になり、カメラとスピードライト間
の光通信を可能にする。

【０００９】

【実施例】以下、本発明を図面に示す実施例に基づいて
詳細に説明する。図１ないし図３は本発明に係るカメラ
とスピードライト間の光コネクタの一実施例を示し、図
１は同コネクタの断面図、カメラ側コネクタ部の正面
図、図３はスピードライト側コネクタ部の正面図であ
る。これらの図において、光コネクタ１はカメラ本体２
のコネクタ取付部に設けられた雌型のコネクタ部３と、
スピードライトのコネクタパイプ４の先端部に設けられ
た雄型のコネクタ部５とで構成されている。

【００１０】前記コネクタ部３は、カメラ本体２のコネ
クタ取付部に貫通形成された貫通孔６内にＯリング等の
シール部材７を介して嵌合され貫通孔６の内周面に設け
られた段差部８によって外部への抜けを防止された導光
部材９と、前記貫通孔６の外側開口部周縁に一体に突設
された円筒部１０と、前記貫通孔６の内側開口部を塞ぐ
如く配設されたプリント基板１１等を有している。

【００１１】前記導光部材９は、樹脂の二色成形によっ
て一体に形成されることにより、不透明部材１２と、透
明部材１３とで構成されている。不透明部材１２は、導
光部材９の外形状を形成するもので、円柱状に形成さ
れ、外周面内側端部寄りには前記シール部材７が嵌着さ
れる環状溝１４が形成され、また前面外周部にはスピー
ドライト側コネクタ部５との位置合わせのための切欠凹
部１５が形成されている。透明部材１３は、不透明部材
１２の裏面を覆う円板状基部１３Ａと、不透明部材１２
の内部にあって一端が不透明部材１２の前面に露呈し、
他端が前記円板状基部１３Ａに連接された一対の円柱状
導光部１３Ｂ，１３Ｃとで構成されている。前記円板状
基部１３Ａの前記プリント基板１１と対向する表面に
は、ＷＯ₃ 等からなるエレクトロクロミック膜（以下Ｅ
Ｃ膜と称する）１７が全面にわたって被覆されている。
このＥＣ膜１７は電圧印加による酸化還元反応により物
質の色が可逆的に変化するもので、通常、すなわち両コ
ネクタ部３，５が接続されていないとき不透明で外部か
らの外乱光の侵入を阻止する遮光膜として機能し、両コ
ネクタ部３，５の接続によって電圧が印加されると透明
になり、これによってカメラとスピードライトとの光通
信を可能にしている。導光部１３Ｂと１３Ｃは、導光部
材９の中心を挟んで対向するよう周方向に略１８０°ず
れて設けられている。そして、前記導光部材９の前端部
は前記円筒部１０の内部途中まで嵌合されている。

【００１２】前記円筒部１０の内孔１８の前記導光部材
９より前方側孔部１８ａは、スピードライト側コネクタ
部５の後述する導光部材３２のガイド孔を形成してお
り、外周面には雄ねじ１９が形成されている。

【００１３】前記プリント基板１１の導光部材９と対向
する面にはカメラからの電気信号を光信号に変換する発
光素子２１と、スピードライトからの光信号を受光する
受光素子２２と、磁石２３と、磁気センサ２４および導
電ゴム２５が配設されている。一方、プリント基板１１
のカメラ内部に臨む面にはリード線２６（１本とは限ら
ない）の一端がプリント基板１１の電気回路に半田接続
されており、このリード線２６の他端はカメラ本体２内
の電気回路に接続されている。前記発光素子２１と受光
素子２２は、前記透明部材１３の各導光部１３Ｂ，１３
Ｃにそれぞれ対応一致して配設されている。磁石２３と
磁気センサ２４は、前記発光素子２１および受光素子２
２に対してそれぞれ９０°ずれた位置に配置されてい
る。導電ゴム２５は、プリント基板１１の表面周縁部に
配設され、前記ＥＣ膜１７に圧接されることで、プリン
ト基板１１の電気回路とＥＣ膜１７を電気的に接続して
いる。

【００１４】前記スピードライト側のコネクタ部５は、
前記コネクタパイプ４の先端部外周面に回転自在に嵌装
されたナット３０と、コネクタパイプ４の先端部内周面
にＯリング等のシール部材３１を介して嵌合されかつ前
記パイプ４に固定された導光部材３２と、導光部材３２
の内面に導電ゴム３３を介して配設されたプリント基板
３４等で構成されている。

【００１５】前記ナット３０は、コネクタパイプ４に嵌
装されたリング状のナット本体３０Ａと、このナット本
体３０Ａの前面に一体に突設されて内周面に前記カメラ
側コネクタ部３の円筒部１０の雄ねじ部１９に螺合する
雌ねじ３５が形成された円筒部３０Ｂとで構成されてい
る。そして、このナット３０は、コネクタパイプ４の先
端に設けられた鍔部４ａによってコネクタパイプ４から
の離脱を防止されている。

【００１６】前記導光部材３２は、上記したカメラ側コ
ネクタ部３の導光部材９と同様に樹脂の二色成形によっ
て一体に形成されることにより、不透明部材３６と、透
明部材３７とで構成されている。不透明部材３６は、導
光部材３２の外形状を形成するもので、円柱状に形成さ
れ、外周面内側端部寄りには前記シール部材３１が嵌着
される環状溝３８が形成され、また前面外周部には前記
カメラ側コネクタ部３の導光部材９に設けられた切欠凹
部１５に嵌合挿入される嵌合突部４０が一体に突設され
ている。透明部材３７は、不透明部材３６の裏面を覆う
円板状基部３７Ａと、不透明部材３６の内部にあって一
端が不透明部材３６の前面に露呈し、他端が前記円板状
基部３７Ａに連接された一対の円柱状導光部３７Ｂ，３
７Ｃとで構成されている。前記円板状基部３７Ａの前記
プリント基板３４と対向する表面には、ＷＯ₃ 等からな
るＥＣ膜４１が全面にわたって被覆されている。このＥ
Ｃ膜４１は電圧印加による酸化還元反応により物質の色
が可逆的に変化するもので、両コネクタ部３，５が接続
されていないとき不透明で外部からの外乱光の侵入を阻
止する遮光膜として機能し、両コネクタ部３，５の接続
によって電圧が印加されると透明になり、これによって
カメラとスピードライトとの光通信を可能にしている。
導光部３７Ｂと３７Ｃは、導光部材３２の中心を挟んで
対向するよう周方向に１８０°ずれて、かつ両コネクタ
部３，５を接続した際カメラ側コネクタ部３の導光部１
３Ｂ，１３Ｃとそれぞれ対応一致するよう設けられてい
る。

【００１７】前記プリント基板３４の導光部材３２と対
向する面にはスピードライトからの電気信号を光信号に
変換する発光素子４３と、カメラからの光信号を受光す
る受光素子４４と、磁石４５と、磁気センサ４６および
前記導電ゴム３３が配設され、カメラ内部に臨む面には
リード線４７（１本とは限らない）の一端がプリント基
板３４の電気回路に半田接続されており、このリード線
４７の他端はスピードライト本体回路部に接続されてい
る。

【００１８】前記導電ゴム３３は、プリント基板３４の
周縁部に配設され、表面が前記ＥＣ膜４１に圧接される
ことで、プリント基板３４の電気回路とＥＣ膜４１を電
気的に接続している。

【００１９】前記発光素子４３は、導光部３７Ｃに対応
して配設されることにより、カメラ側コネクタ部３の受
光素子２２と対応一致している。前記受光素子４４は、
導光部３７Ｂに対応して配設されることによりカメラ側
コネクタ部３の発光素子２１と対応一致している。磁石
４５と磁気センサ４６は、前記発光素子４３および受光
素子４４に対してそれぞれ９０°ずれた位置に配置され
ることにより、前記カメラ側コネクタ部３の磁気センサ
２４と磁石２３にそれぞれ対応一致している。嵌合突部
４０を切欠凹部１５に嵌合し、ナット３０を雄ねじ部１
９に螺合して両コネクタ部３，５を接続すると、カメラ
側コネクタ部３の磁気センサ２４は、スピードライト側
コネクタ部５の磁石４５の磁力を検知し、またスピード
ライト側コネクタ部５の磁気センサ４６はカメラ側コネ
クタ部３の磁石２３の磁力を検知し、その検知信号によ
りＥＣ膜駆動回路が作動して両コネクタ部３，５のＥＣ
膜１７，４１にそれぞれ電圧が印加される。したがっ
て、これらＥＣ膜１７，４１は共に透明になり、これに
よって発光素子２１と受光素子４４間および発光素子４
３と受光素子２２間の光信号通信が可能になる。

【００２０】かくしてこのような構成からなる光コネク
タ１によれば、ＥＣ膜１７，４１の作用により両コネク
タ部３，５が接続された時のみカメラとスピードライト
間の光通信が可能で、光コネクタ１を外して使用する場
合の外乱光による誤動作を確実に防止することができ
る。

【００２１】なお、上記実施例は、雄ねじ１９とナット
３０との螺合によって両コネクタ部３，５を接続した場
合について説明したが、本発明はこれに何等特定される
ものではなく、バヨネット，Ｊスロット等の接続手段を
用いてもよいことは勿論である。また、受，発光素子
は、本発明では一対設けられているが、複数対設けても
よい。さらにまた、本発明ではスピードライトに応用し
ているが、その他カメラの付属品との間で応用してもよ
い。

【００２２】

【発明の効果】以上説明したように本発明に係るカメラ
とスピードライト間の光コネクタによれば、カメラ側コ
ネクタ部とスピードライト側コネクタ部の導光部材の内
面に通常不透明で遮光膜を形成するＥＣ膜をそれぞれ設
け、両コネクタ部の接続時に電圧印加によって前記ＥＣ
膜を透明化させるように構成したので、光コネクタを外
してカメラを使用している際、外乱光がカメラ側コネク
タ部内に侵入しても、外乱光はＥＣ膜によって遮断され
受光素子によって受光されることがなく、したがって、
カメラの誤動作を確実に防止することができる。また、
ＥＣ膜を導光部材にコーティングするだけでよいため、
構造も簡単である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係るカメラとスピードライト間の光コ
ネクタの一実施例を示す断面図である。

【図２】カメラ側コネクタ部の正面図である。

【図３】スピードライト側コネクタ部の正面図である。

【符号の説明】

１ 光コネクタ ２ カメラ本体 ３ カメラ側のコネクタ部 ５ スピードライト側のコネクタ部 ９ 導光部材 １１ プリント基板 １２ 不透明部材 １３ 透明部材 １７ ＥＣ膜 ２１ 発光素子 ２２ 受光素子 ２３ 磁石 ２４ 磁気センサ ２５ 導電ゴム ３０ ナット ３２ 導光部材 ３３ 導電ゴム ３４ プリント基板 ３６ 不透明部材 ３７ 透明部材 ４１ ＥＣ膜 ４３ 発光素子 ４４ 受光素子 ４５ 磁石 ４６ 磁気センサ

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 カメラ本体とスピードライトにそれぞれ
   設けられ互いに分離可能に接続される２つのコネクタ部
   とからなり、これら両コネクタ部の内部には導光部材
   と、この導光部材の後方側にそれぞれ位置して配設され
   たカメラまたはスピードライトからの電気信号を光信号
   に変換する発光素子、カメラまたはスピードライトから
   の光信号を受光する受光素子、磁石および両コネクタ部
   が接続された際相手コネクタ部の磁石からの磁気を検知
   する磁気センサがそれぞれ配設されており、また各コネ
   クタ部内に配設された前記導光部材の内面には両コネク
   タ部の非接続時において遮光膜として機能し、両コネク
   タ部の接続により電圧が印加されると透光膜として機能
   するＥＣ膜が被覆されていることを特徴とするカメラと
   スピードライト間の光コネクタ。