JPH07158408A - 蒸気タービンの入口管装置 - Google Patents

蒸気タービンの入口管装置

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JPH07158408A
JPH07158408A JP30797193A JP30797193A JPH07158408A JP H07158408 A JPH07158408 A JP H07158408A JP 30797193 A JP30797193 A JP 30797193A JP 30797193 A JP30797193 A JP 30797193A JP H07158408 A JPH07158408 A JP H07158408A
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JP
Japan
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steam
outer casing
inlet pipe
inlet
temperature
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JP30797193A
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English (en)
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Toru Murakami
透 村上
Noriaki Kitaguchi
典昭 北口
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】外部ケーシング1から蒸気入口管3にかけて形
成される袋穴で蒸気が澱み、外部ケーシング袋穴部の温
度分布が不均一になるのを防止する蒸気タービンの入口
管装置を提供する。 【構成】蒸気連絡管4の環状斜面4aと、止めリング8
cの環状斜面8dとの間にリング8から漏洩する蒸気を
高速で袋穴9の入口に導く環状蒸気通路12が形成され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は蒸気タービンに係り、特
に外部ケーシング袋穴部の温度分布の偏りをなくして局
部的な熱応力の発生を緩和するようにした入口管装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】地球環境保護の観点から、燃料の消費に
伴う炭酸ガスの排出および大気汚染物質の排出を極力抑
制することは、近年、特に重要な課題として注目されて
いる。燃料消費量が多い発電プラントにおいては、蒸気
タービンの効率向上が一つの鍵と考えられ、種々の内部
効率を改良する対策を実施しているが、こうした対策に
も限界があり、単一機器に留まらないランキンサイクル
としてのサイクル効率の向上が強く要求されるところと
なっている。
【0003】一般に、サイクル効率の向上として最も効
果がある対策は、蒸気タービンの主蒸気温度の上昇、再
熱温度の上昇および主蒸気圧力の上昇であることはよく
知られているとおりである。従来の発電用プラントで
は、主蒸気圧力24MPa 主蒸気および再熱蒸気温度56
6℃が主流であったものが、最近では主蒸気圧力31MP
a 主蒸気および再熱蒸気温度593℃あるいはそれ以上
の値を採用するものが主流になりつつある。
【0004】このような状況下で解決を迫られる問題
は、高温蒸気に晒されるタービンケーシングの材料強度
の低下をいかに抑え、従来使用されている実績のある比
較的安価な材料を有効に使用するかという問題である。
【0005】図8は従来の高圧タービンの全体断面図で
ある。この例は高圧タービンを示すが、発電用の高圧タ
ービン・中圧タービンなどの圧力および温度の高いケー
シングは、一般に、二重ケーシング構造となっている。
これは圧力容器としてのケーシングは、一重では大きな
圧力差および温度差に耐えなければならず、構造面でこ
うした構成が不可能となるためである。図8は外部ケー
シング1の内側に内部ケーシング2を設置しており、蒸
気は外部ケーシング1に溶接などにて接続した蒸気入口
管3から流入し、蒸気連絡管4を通って、内部ケーシン
グ2に入り、内部のタービン段落にてロータ5を駆動
し、排気口6より排出される。
【0006】なお、ここで、外部ケーシング1と内部ケ
ーシング2との間の空間にある蒸気7はこのタービンで
仕事を終え、圧力・温度が入口蒸気より下がった蒸気で
満たされている。すなわち、蒸気連絡管4の外部はこの
蒸気に満たされている。この方法によらない場合、外部
ケーシング1と内部ケーシング2との間の空間にある蒸
気7はその蒸気タービンの途中段落から抽気される蒸気
が満たされることになるが、いずれにせよ入口蒸気が段
落で仕事した後の蒸気であるため圧力・温度は入口蒸気
より低くなっている。
【0007】この例では高圧タービンについて説明した
が、中圧タービンおよび高中圧一体型における蒸気入口
部(高圧および再熱蒸気入口部)についても同様に、タ
ービンケーシングは二重ケーシング構造を採用し、入口
蒸気は外部ケーシングに溶接などにて接続された蒸気入
口管から入り、外部ケーシングと内部ケーシングとの間
を連絡する蒸気連絡管を通って内部ケーシング内に流入
する。
【0008】図9はこれらの従来型蒸気タービンの蒸気
入口付近を拡大して示した図である。外部ケーシング1
に設置された蒸気入口管3から流入する入口蒸気は、内
部ケーシング2へ蒸気連絡管4を通って導かれる。ここ
で、蒸気連絡管4の端部にはリング8が複数個設置さ
れ、外部および内部ケーシング1、2間の熱膨張による
伸び差を吸収し、かつ蒸気入口管3および蒸気連絡管4
の中の蒸気がそれより低い圧力である管外へ漏洩しよう
とするのを防止する役目を果たしている。
【0009】この複数個のリング群8は蒸気連絡管4外
周に密着し、外部ケーシング1内周面との間に微小な間
隙を持つリング8aと、外部ケーシング1内周面に密着
し、蒸気連絡管4外周面との間に微小な間隙を持つリン
グ8bとを交互に積み重ねて設置される。これは単一リ
ングを多数蒸気入口管3軸方向に重ね合わせて蒸気の漏
れを最小限に抑えると同時に、内部ケーシング2と外部
ケーシング1との運転中における位置のずれをこの微小
間隙分で吸収させる目的で設置されている。これらのリ
ング群8の端には止めリング8cがあり、ねじ止めや溶
接により8a、8bの脱落を防止している。説明は省略
するが、内部ケーシング2および蒸気連絡管4とリング
8との関係もこれと同様である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
従来の蒸気入口部構造では、入口蒸気温度の高温化に伴
い材料強度が低下するので、これを解決するために種々
の対策が必要となってくる。すなわち、蒸気入口管3、
外部ケーシング1、蒸気連絡管4、さらには内部ケーシ
ング2、すべては直接高温の入口蒸気にその一部、ある
いは内面全部が晒されるので、これらの部材に使用され
る材料の耐熱温度は、すべて入口蒸気温度以上でなけれ
ばならない。
【0011】従来の566℃級の蒸気タービンでは、こ
れらの部材の材料はCr-Mo-V 材などを使用していたが、
593℃級に高くなると、Cr-Mo-V 材では材料強度が非
常に落ちてくるので、より耐熱温度が高い高Cr系の材料
が採用されることになる。さらに、これより高温の蒸気
タービンとなると、オーステナイト系の材料を選定する
必要が生じる。
【0012】高Cr系の材料やオーステナイト系の材料
は、材料自体が高価な添加元素を含み、高価格化を招く
だけでなく、加工性も従来のCr-Mo-V 材などより悪いた
め、このような材料を採用すると、コストの上昇は避け
られない。
【0013】蒸気入口管3および蒸気連絡管4は蒸気温
度の高温化に伴い、より耐熱性の高い材料を採用するこ
とはやむをえないとしても、双方のケーシング1、2は
重量、特に外部ケーシング1は極めて重い構造物のた
め、これに高Cr系統の材料やオーステナイト系の材料を
使用するとなれば、極度にコストの上昇を招き、小さい
部材とは同列に扱えないものである。
【0014】蒸気条件を上げて蒸気タービンの高効率化
が達成されるとしても、建設コストが上がれば経済的効
果が相殺され、結果としてこのような蒸気条件の採用が
進み難くなる。現在の地球環境問題を考慮すれば、建設
コストの問題で蒸気条件の向上が抑えられることは決し
て望ましい状況になく、この点から外部ケーシング1を
比較的安価な従来のCr-Mo-V 鋼などを用いて製作する技
術が重要となってくる。 このような目的で最近使用さ
れている技術に図10に示すものがある。ここで、特徴
的であるのは外部ケーシング1と蒸気入口管3の接続部
であり、ここに袋穴9が設けられていることである。外
部ケーシング1と内部ケーシング2との間の空間にある
蒸気7は、一般に、そのタービンケーシング内から抽気
する蒸気あるいはそのタービンケーシングから排気され
る蒸気で満たされており、入口蒸気に比べ圧力・温度は
下がっており、この蒸気温度はほとんど従来材の適用範
囲である566℃以下となることが多い。したがって、
この袋穴9の温度が外部ケーシング1と内部ケーシング
2との間の空間にある蒸気7の温度にすることができれ
ば入口蒸気温度が593℃あるいはそれ以上あっても外
部ケーシング1の触れる最高温度は、この外部ケーシン
グ袋穴1aの温度であり、Cr-Mo-V 材などの従来の材料
が使用可能と考えられる。
【0015】ここで、この袋穴の大きさ(内径と外径の
差)は蒸気タービンの構造上大きくとれない。通常、蒸
気入口管3は上半2本、下半2本、あるいは下半2本が
使用される。したがって、袋穴9の大きさを大きくする
と、蒸気入口管3と外部ケーシング1との接続部(溶接
部)の直径が大きくなり、蒸気入口管3同士が干渉する
ようになるため、タービンケーシングの直径を大きくす
る必要に迫られる。このため、袋穴9については構造
上、大きさを極力小さくする必要がある。
【0016】このような狭い袋穴9には蒸気が澱みやす
く、その蒸気温度は伝熱やふく射で上昇しやすい。ま
た、この近くにはまたリング群8からの微小な漏れ蒸気
10があり、これは入口蒸気であるため、この蒸気が充
満し、結果として袋穴9の温度が入口蒸気温度に近くな
ってしまう。これでは袋穴9を設けても結果として外部
ケーシング1の袋穴部分1aは高温の蒸気に晒されるこ
ととなり、材料を従来並の耐熱温度に抑えることが難し
くなる。
【0017】これを防止するためには、まずリング群8
からの微小な漏れ蒸気が袋穴9に来ないような構造が考
えられる。そのために考えられたのが図11に示す方法
である。これは蒸気入口管3を延長し、蒸気連絡管3の
役目も兼ねさせた形状である。これによればリング群8
からの微小な漏れ蒸気による温度上昇は抑制され、やや
改善されるが、蒸気入口管3の構造が複雑化して製作上
の困難が増す欠点があるほか、袋穴9に蒸気が澱んでし
まい、伝熱やふく射でその部分の温度が上がるという問
題はこの方法では解決できない。
【0018】蒸気の澱みを少なくする方法としては図1
2に示すように、この袋穴9部分に外部配管11を接続
し、冷却蒸気をそこに導いたり、あるいはこの部分より
も圧力の低い部分に配管を接続し、澱み蒸気を排出する
構造も考えられる。しかし、この方法は有効な蒸気エネ
ルギを冷却に使用したり、あるいは無駄に排出しなけれ
ばならず、結果的に効率低下を招いて高温化の本来の目
的である効率向上効果を損ねてしまう。さらに、外部配
管11を接続する部分は全周の1か所または数個に限ら
れるため、外部配管11近傍は冷え易いが他の部分の澱
みはあまり解消されないという問題もある。また、この
外部配管11を接続する付近と他の部分に生じる温度差
のために熱応力を生じやすい欠点もある。
【0019】本発明の目的は外部ケーシングから蒸気入
口管にかけて形成される袋穴で蒸気が澱み、外部ケーシ
ング袋穴部の温度分布が不均一になるのを防止するよう
にした蒸気タービンの入口管装置を提供することにあ
る。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明は外部に蒸気入口
管を備えた外部ケーシングと、この外部ケーシングの蒸
気入口管と内部ケーシングとにわたして設けられ、それ
ぞれの接続部に蒸気の漏洩防止用のリング部材を有する
蒸気連絡管とを備え、外部および内部ケーシングの間を
満たす蒸気が外部ケーシングと蒸気入口管との接合部に
ある袋穴にかけて流れるように構成した蒸気タービンに
おいて、蒸気連絡管とリング部材または蒸気入口管との
間にリング部材から漏洩する蒸気を高速で袋穴入口に導
く環状蒸気通路を形成したことを特徴とするものであ
る。
【0021】
【作用】蒸気タービンにおける蒸気条件の向上の本来の
目的は効率の向上である。従来の外部配管系統を用いて
外部ケーシングを冷却する方法では有効に使われるべき
蒸気エネルギが無駄に消費されることになり、効率向上
を相殺する可能性がある。 本発明は外部ケーシング袋
穴部の効果的な冷却のためにリング部材からの漏洩蒸気
が利用できることに着眼し、このための有意な構成を提
供するもので、蒸気連絡管とリング部材または蒸気入口
管との間に漏洩蒸気を高速で袋穴入口に噴出させる環状
蒸気通路を用いている。蒸気は高速流となって環状蒸気
通路を流れるので、静圧の低下により袋穴に向かって流
れようとする蒸気が吸い込まれ、外部ケーシング袋穴部
全体が低温の蒸気の流動により常に冷却される。
【0022】これにより従来の外部配管を接続したやり
方で生じやすかった不均一な温度分布をなくすことがで
き、それによる局部的な熱応力の発生を緩和することが
可能になる。
【0023】この利点はタービン構成部材の中で重量が
あり、コスト上の大きな割合を占める外部ケーシングの
材料の選択において、比較的安価な耐熱温度の低い材料
を採用できることであり、発電プラントの建設コストの
低減に大きく寄与することになる。こうして建設コスト
をあまり高めずに発電プラントの効率向上を達成するこ
とができ、高効率発電プラントを本格的に普及させるこ
とが可能になり、地球環境保持に向けて一定の貢献を果
たすことができる。
【0024】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。なお、従来技術を示す図10に示される構成と同
一の部分には同一の符号を付して説明を省略する。
【0025】図1において、蒸気連絡管4とリング群8
の止めリング8cとの間に環状蒸気通路12を形成して
いる。この環状蒸気通路12は蒸気が袋穴9から遠ざか
る方向に、かつ一定した速度を保って流れるように蒸気
連絡管4の環状斜面4a、止めリング8cの環状斜面8
dとの間を狭めて形成される。
【0026】次に、上記構成による作用を説明する。
【0027】一般に、流体はその流れが速くなると、静
圧が下がるので、その流れに向かってまわりの流体が吸
い込まれる働きがある。このため図1のように構成した
とき、リング群8から漏れる高速の蒸気流13に向かっ
て外部ケーシング1と内部ケーシング2との間の空間に
ある温度の低い蒸気7が吸い込まれる吸い込み流14が
生じる。このため袋穴9内部の蒸気は常に入れ替わり、
この部分で蒸気が停滞することがなく、澱みがなくなる
ことで温度は蒸気7にほぼ近い温度となる。熱伝達率は
流れがあると、澱み(流れのない状態)に比較して大幅
に増大する。外部ケーシング袋穴部1aは吸い込み流1
4があること、および吸い込み流14自体が外部ケーシ
ング1と内部ケーシング2との間の空間にある温度の低
い蒸気7であることから、高い熱伝達率で吸い込み流1
4によって冷却されることになる。外部ケーシング袋穴
部1aは熱伝導によって入口蒸気温度の影響は受けるも
のの、この吸い込み流14によって冷却されるため、入
口蒸気温度より充分低い温度に保つことができる。した
がって外部ケーシング1が晒される最高温度は入口蒸気
温度よりも常に低い温度に保たれ、材料を従来と同等あ
るいは入口蒸気温度条件で必要とされる高価な耐熱材料
よりもややグレードの低い材料から選定することができ
る。
【0028】また、この吸い込み流14は袋穴9全周に
わたって形成され、内面全体が均一に冷却され、外部配
管を接続した従来形状(図12参照)の場合に生じやす
かった不均一な温度分布をなくすことができ、それによ
る局部的な熱応力の発生を緩和することが可能である。
【0029】図2は他の実施例を示している。
【0030】リング群8からの漏れ蒸気による高速流を
保つうえで環状蒸気通路の配置の適否は非常に重要であ
る。ここで、環状蒸気通路12は蒸気連絡管4と蒸気入
口管3との間にほぼ平行に形成している。蒸気連絡管4
は環状斜面4aを、また蒸気入口管3は環状斜面3aを
それぞれ有し、それらを互いに接近させて環状蒸気通路
12として構成したものである。
【0031】本実施例の環状蒸気通路12の出口は上記
実施例のものと比較して袋穴9の奥の方に近づいてお
り、漏洩上記による高速の蒸気流13を保つことで袋穴
9内部から蒸気を効果的に吸い出すことができる。した
がって、上記実施例と同様外部ケーシング1が蒸気に晒
される最高温度は入口蒸気温度よりも常に低い温度に保
たれ、外部ケーシング1の材料をグレードの低い材料か
ら選定することができる。 また、図3を参照して本発
明の他の実施例を説明する。
【0032】本実施例は上記実施例の環状蒸気通路に加
えて袋穴9の延長線に沿い、平行流路16を形成する環
状整流板15を設けたものである。この環状整流板15
は一部が袋穴9内に置かれ、そこから真直ぐに袋穴9か
ら遠ざかるように蒸気連絡管4に沿って延ばしたもの
で、環状蒸気通路12の出口は平行流路16の内面に向
くことになる。
【0033】次に、上記構成による作用を説明する。
【0034】リング群8から漏れる高速の蒸気流13
は、整流板15に沿って袋穴9から遠ざかる方向に流れ
る。すなわち、この整流板15と蒸気連絡管4の外面と
の間に形成された平行流路16は高温の漏洩蒸気流を確
実に袋穴9から遠ざかる方向に導く役目を果たす。ま
た、この高速の蒸気流13に向かっての吸い込み流は袋
穴9の奥から吸い出される吸い込み流14aとなる。こ
のため、整流板15の外面に外部ケーシング1と内部ケ
ーシング2との間の空間にある温度の低い蒸気7による
吸い込み流14が形成され、したがって袋穴9内部の整
流板15の外側の蒸気は常に入れ替わり、この部分の蒸
気は澱むことがなく、温度は蒸気7の温度となる。
【0035】このように外部ケーシング袋穴部1aは吸
い込み流14があること、および吸い込み流14自体が
外部ケーシング1と内部ケーシング2との間の空間にあ
る温度の低い蒸気7であることから、高い熱伝達率で吸
い込み流14で冷却されることになる。外部ケーシング
袋穴部1aは熱伝導によって入口蒸気温度の影響は受け
るものの、蒸気7の温度の吸い込み流14で確実に冷却
されるため、入口蒸気温度より充分低い温度に保つこと
ができる。したがって、外部ケーシング1が晒される最
高温度は入口蒸気温度よりも常に低い温度に保たれ、材
料を従来材あるいは入口蒸気温度条件で必要とされる高
価な耐熱材よりもややグレードの低い材料から選定する
ことができる。
【0036】平行流路16は高温の入口蒸気が流れるた
め蒸気連絡管4にとっては内面も外面もほぼ同じ温度と
なり、内外面温度差が生じることがなく、熱応力を小さ
くすることができる。蒸気連絡管4は内面を高温の入口
蒸気が流れるため、その材料を選定するにあたっては入
口蒸気温度に耐え得る耐熱材料を選定するが、熱応力が
減る分その厚さを若干薄くすることも可能であり、経済
的に有利となる。
【0037】もちろん、吸い込み流14は袋穴9全周に
わたって形成され、外部ケーシング袋穴部1aは全体が
均一に冷却されるので、外部配管を接続した従来形状に
生じやすかった不均一な温度分布をなくすことができ、
それによる局部的な熱応力の発生を緩和させることが可
能である。
【0038】なお、整流板15の固定の仕方は固定棒
(図示せず)を用いて蒸気連絡管4から支持するやり
方、外部ケーシング1または蒸気入口管3から支持する
方法、さらに止めリング8cを用いて支持するやり方で
あり、適宜これらの方法を使い分けて固定する。一方、
環状整流板15の形状は様々に変形することができ、こ
れに応じて平行流路16も異なった形態のものが形成さ
れる。
【0039】図4に示すものは袋穴9内部に環状整流板
15を臨ませたもので、平行流路16の入口は外に大き
く拡がり、吸い込み流14を流れやすく構成したもので
ある。これ以外にも、環状整流板15に代えて流路が流
れに沿って徐々に変化する円錐形整流板等を用いること
もできる。さらに、一体形の整流板に代えて組み立て形
の整流板として構成することができる。
【0040】さらに、上記のものと異なる実施例を説明
する。
【0041】図5および図6において、本実施例は環状
整流板15の外面に旋回流を生じさせるら旋体17を装
着したものである。このら旋体17は薄い板材を整流板
15の外面にら旋状に巻き付けて構成する。吸い込み流
14はこのら旋体17に沿って整流板15を上昇すると
き、速度が速くなり、外部ケーシング袋穴部1aとの熱
伝達率が上がってその部分の冷却効果を増進させること
ができる。
【0042】この熱伝達を促進するための手段もら旋体
17以外に様々な突起部材等を設けるやり方が可能であ
り、本発明はこの伝熱促進手段に限定されるものではな
い。さらに、図1の実施例と組み合わせて用いられる実
施例を説明する。図7において、外部ケーシング1内に
臨ませた蒸気入口管3の先端近くに壁面を貫く多数の透
孔18を形成している。この透孔18は蒸気入口管3の
周方向に適宜間隔を保って多数穿たれる。
【0043】次に、上記構成による作用を説明する。
【0044】図1に実施例と同様に、漏洩蒸気による高
速の蒸気流12が袋穴9から遠ざかる方向に環状蒸気通
路12を流れる。この高速の蒸気流12が流れることで
環状蒸気通路12内の静圧が下がり、透孔18を通る流
れが形成される。
【0045】すなわち外部ケーシング1と内部ケーシン
グ2との間の空間にある温度の低い蒸気7はこの透孔1
8から吸い込まれ、環状蒸気通路12を流れる蒸気流1
2と共に流れる。このため、袋穴9内部の蒸気は常に入
れ替わり、この部分で蒸気が停滞することがなく、澱み
がなくなることで温度は蒸気7に近い温度となる。した
がって外部ケーシング袋穴部1aは流速の高い吸い込み
流14によって冷却されることになる。外部ケーシング
袋穴部1aは熱伝達によって入口蒸気温度の影響は受け
るものの、流速の高い吸い込み流14で確実に冷却され
るため、入口蒸気温度より充分低い温度に保つことがで
きる。したがって、本実施例においても外部ケーシング
1の最高温度は入口蒸気温度よりも常に低い温度に保た
れ、材料を従来と同等あるいは入口蒸気温度条件で必要
とされる高価な耐熱材料よりもややグレードの低い材料
から選定することができる。
【0046】吸い込み流14を形成するための透孔18
は周方向に等分に多数設けられており、外部ケーシング
袋穴部1a全体を均一に冷却することができる。これに
より、不均一な温度分布をなくすことができ、局部的な
熱応力の発生を緩和させることが可能である。
【0047】なお、本実施例の透孔18は蒸気入口管3
の壁面を貫いて形成したものであるが、壁面を貫通する
周方向にある長さを有する長孔として形成することがで
きる。これらの透孔18および長孔については、望まし
くは、図7に示すように壁面と直角とするよりも下向き
に角度を持たせる。
【0048】また、図1に示す蒸気入口管3の形状では
透孔18を適切な位置に設けられない。この場合、透孔
18は止めリング8cを少し下方に延ばしてその壁面を
貫いて形成することになる。
【0049】
【発明の効果】以上説明したように本発明は蒸気連絡管
とリング部材または蒸気入口管との間にリング部材から
漏洩する蒸気を高速で蒸気入口管の袋穴入口に導くよう
に環状蒸気通路を形成したので、袋穴に向かって流動す
る蒸気を高速蒸気流によって吸い出すことができ、外部
ケーシング袋穴部が低温の蒸気によって均一に冷却さ
れ、局部的な熱応力の発生を緩和させることが可能であ
る。
【0050】したがって、本発明によれば、外部ケーシ
ングを従来と同等あるいは入口蒸気温度条件で必要とさ
れる高価な耐熱材料よりもグレードの低い材料で構成す
ることができるなど、多大な利点をもたらすものであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による蒸気タービンの入口管装置の一実
施例を示す断面図。
【図2】本発明の他の実施例を示す断面図。
【図3】本発明の他の実施例を示す断面図。
【図4】本発明の他の実施例を示す断面図。
【図5】本発明の他の実施例を示す断面図。
【図6】図5に示すら施体を備えた整流板の斜視図。
【図7】本発明の他の実施例を示す断面図。
【図8】従来の蒸気タービンを示す断面図。
【図9】従来の蒸気入口管と蒸気連絡管との接続部を示
す断面図。
【図10】従来の蒸気入口管と蒸気連絡管との接続部を
示す断面図。
【図11】従来の蒸気入口管の他の側を示す断面図。
【図12】従来の蒸気入口管の袋穴に接続される外部配
管の一例を示す断面図。
【符号の説明】
1…外部ケーシング 2…内部ケーシング 3…蒸気入口管 4…蒸気連絡管 9…袋穴 12…環状蒸気通路 15…環状整流板 18…透孔

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外部に蒸気入口管を備えた外部ケーシン
    グと、この外部ケーシングの蒸気入口管と内部ケーシン
    グとにわたして設けられ、それぞれの接続部に蒸気の漏
    洩防止用のリング部材を有する蒸気連絡管とを備え、前
    記外部および内部ケーシングの間を満たす蒸気が前記外
    部ケーシングと前記蒸気入口管との接合部にある袋穴に
    かけて流れるように構成した蒸気タービンにおいて、前
    記蒸気連絡管と前記リング部材または前記蒸気入口管と
    の間に該リング部材から漏洩する蒸気を高速で前記袋穴
    入口に導く環状蒸気通路を形成したことを特徴とする蒸
    気タービンの入口管装置。
  2. 【請求項2】 前記袋穴入口に環状整流装置を設けたこ
    とを特徴とする請求項1記載の蒸気タービンの入口管装
    置。
  3. 【請求項3】 前記環状整流装置に伝熱促進手段を設け
    たことを特徴とする請求項2記載の蒸気タービンの入口
    管装置。
  4. 【請求項4】 前記蒸気入口管または前記リング部材の
    壁面を貫いて前記袋穴と前記環状蒸気通路とを連通させ
    る複数の連絡流路を形成したことを特徴とする請求項1
    記載の蒸気タービンの入口管装置。
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