JPH07157714A - ポリウレタン塗料および絶縁電線 - Google Patents

ポリウレタン塗料および絶縁電線

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JPH07157714A
JPH07157714A JP30687393A JP30687393A JPH07157714A JP H07157714 A JPH07157714 A JP H07157714A JP 30687393 A JP30687393 A JP 30687393A JP 30687393 A JP30687393 A JP 30687393A JP H07157714 A JPH07157714 A JP H07157714A
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JP
Japan
Prior art keywords
polyurethane
coating material
polyurethane coating
insulated wire
alcohol
Prior art date
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Pending
Application number
JP30687393A
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English (en)
Inventor
Shuichi Sugiyama
秀一 杉山
Shigeru Amano
茂 天野
Akinobu Ono
朗伸 小野
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Fujikura Ltd
Original Assignee
Fujikura Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ポリウレタン塗料中の溶剤に起因するポリウ
レタン絶縁電線の絶縁被膜からのフェノール類の経時的
な揮散を防止する。 【構成】 ポリウレタン塗料の樹脂分100重量部に対
して、沸点が130℃以上の第1アルコール、第2アル
コール、脂肪族アミンおよび芳香族アミンの1種または
2種以上の活性水素化合物を20〜100重量部配合し
た塗料を塗布、焼付する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、ポリウレタン塗料お
よびこれを用いた絶縁電線に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種のポリウレタン塗料として
は、イソシアネート成分としてデスモジュールL(商品
名)などのブロックポリイソシアネートを、ポリオール
成分としてデスモフェン800(商品名)などのポリエ
ステルを用い、これにフェノール、クレゾール、キシレ
ン、ナフサなどの溶剤を配合した1液型のものが広く用
いられている。
【0003】また、このようなポリウレタン塗料を導体
上に塗布し、焼付することによりポリウレタンからなる
絶縁被膜を有する絶縁電線が得られる。そして、このポ
リウレタン塗料の焼付の際に、ブロックポリイソシアネ
ートが加熱されて解離し、ポリイソシアネートが再生
し、この再生ポリイソシアネートがポリエステルと反応
してポリウレタンからなる絶縁被膜が形成される。
【0004】ところが、上記焼付時の反応の際に、溶剤
のフェノールやクレゾール類(以下、フェノール類と称
す。)の一部が再生イソシアネートと反応し、フェノー
ル類が絶縁被膜に残ると言う副反応が生じることがあ
る。そして、このように絶縁被膜中に残ったフェノール
類は、絶縁被膜から徐々に経時的に外部に放散され、ポ
リウレタン絶縁電線の周囲にある金属部品、例えばリレ
ー接点などを腐食させる不都合がある。
【0005】このため、このようなフェノール類の経時
的な放散が許されない用途に用いられるポリウレタン絶
縁電線では、焼付温度を20〜60℃程度高くするなど
の対策を取っているが、このような方法では絶縁被膜自
体が熱劣化し、絶縁被膜の機械的特性や電気的特性が低
下する不都合がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】よって、この発明にお
ける課題は、フェノール類の経時な放散が生じない絶縁
被膜が得られ、かつその絶縁被膜の機械的、電気的特性
の低下がないポリウレタン塗料を得ることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】かかる課題は、ポリウレ
タン塗料の樹脂分100重量部に対して、沸点が130
℃以上の第1アルコール、第2アルコール、脂肪族アミ
ンおよび芳香族アミンの1種または2種以上の活性水素
化合物を20〜100重量部配合したポリウレタン塗料
で解決される。
【0008】以下、この発明を詳しく説明する。この発
明でのポリウレタン塗料としては、電線被覆に用いられ
るものであれば、特に限定されないが、イソシアネート
成分としてブロックポリイソシアネートを、ポリオール
成分としてOH価が100〜300のポリエステルを用
いた1液型のものが好ましい。また溶剤としては、クレ
ゾール、フェノール、キシレン、ナフサなどの混合溶剤
が用いられ、樹脂分が20〜30重量%程度となるよう
に調節される。
【0009】このポリウレタン塗料には、活性水素化合
物が配合される。この発明における活性水素化合物とし
ては、沸点が130℃以上の第1アルコール、第2アル
コール、脂肪族アミンおよび芳香族アミンのいずれか1
種もしくは2種以上の混合物が用いられる。混合物の混
合比は任意である。上記第1アルコールの具体例として
は、n−アミルアルコール、n−ヘキサノール、n−ヘ
プタノール、n−オクタノールなどが挙げられ、第2ア
ルコールの具体例としては、4−メチル−2−ペンタノ
ール、2−ヘプタノール、2−オクタノールなどが、脂
肪族アミンとしては、ジブチルアミン、ジイソブチルア
ミン、トリペンチルアミンなどが、芳香族アミンとして
は、アニリン、トルイジン、シクロヘキシルアミンなど
がそれぞれ挙げられる。
【0010】また、上記活性水素化合物の沸点が130
℃未満であると、ポリウレタン塗料の焼付時においてブ
ロックポリイソシアネートが解離し、ポリイソシアネー
トが再生される以前に活性水素化合物が蒸発、揮散し、
目的とする効果が得られない。また、この活性水素化合
物の配合量は、ポリウレタン塗料の樹脂分100重量部
に対して20〜100重量部とされる。活性水素化合物
が20重量部未満では目的とする効果が得られず、10
0重量部を越えると絶縁被膜の機械的、電気的特性が低
下して好ましくない。
【0011】このようなポリウレタン塗料を通常のもの
と同様の条件で導体に塗布、焼付することにより、ポリ
ウレタンからなる絶縁被膜が形成され、ポリウレタン絶
縁電線とされる。絶縁被膜の厚さは、特に限定されない
が、1〜100μm程度とされる。必要に応じてこの絶
縁被膜上に自己潤滑生被膜や自己接着性被膜を設けるこ
とができる。
【0012】このようなポリウレタン塗料にあっては、
焼付時の加熱によりブロックポリイソシアネートが解離
し、ポリイソシアネートが再生され、この再生ポリイソ
シアネートがポリエステルと反応して樹脂化する際、再
生ポリイソシアネートが溶剤中にフェノール、クレゾー
ル類と副反応する以前に活性水素化合物と反応する。こ
のため、溶剤中のクレゾール、フェノール類は再生ポリ
イソシアネートとは反応せず、加熱によって揮散して、
絶縁被膜に残ることがほとんどなくなる。よって、絶縁
被膜からの経時的なフェノール類の放出は極めて微かな
ものとなる。また、焼付温度条件は、従来のものと同様
とすることができるので、得られる絶縁被膜の熱劣化が
なく、絶縁被膜の機械的、電気的特性が低下することが
ない。
【0013】以下、具体例を示して作用、効果を明確に
する。 (従来例)径30μmの銅線からなる導体を用意し、こ
れに市販のポリウレタン塗料(東特塗料(株)製ポリウ
レタンワニス「TPUF1−24CF2」、樹脂含量;2
4重量%,溶剤;フェノール、クレゾール、キシレンな
どからなる混合溶剤)を塗布、焼付して厚さ2〜2.5
μmの絶縁被膜を形成し、ポリウレタン絶縁電線を作成
した。
【0014】(実施例1〜4,比較例1〜2)従来例で
使用したポリウレタン塗料に活性水素化合物としてn−
オクタノール(沸点195℃)を塗料樹脂分100重量
部に対して10重量部(比較例1)、20重量部(実施
例1)、40重量部(実施例2)、60重量部(実施例
3)、100重量部(実施例4)および120重量部
(比較例2)を添加、混合した塗料を同様にして塗布、
焼付してポリウレタン絶縁電線を得た。
【0015】これらのポリウレタン絶縁電線についての
特性およびガス発生量を測定した結果を表1に示す。表
1の発生ガス量(A)は、絶縁電線3gを150℃で1
時間加熱したときの全発生ガス量(単位はppm/絶縁
電線1g当り)を示し、発生ガス(B)は、絶縁電線3
gを150℃で1時間加熱したときの発生ガス中のフェ
ノールのみのガス発生量(単位は同じ)を示す。
【0016】
【表1】
【0017】(実施例5〜7)従来例で使用したポリウ
レタン塗料に活性水素化合物として、2−オクタル20
重量部(実施例5)、トリペンチルアミン40重量部
(実施例6)、アニリン40重量部(実施例7)を添
加、混合したものを用いて、同様にしてポリウレタン絶
縁電線を得た。これらのものについても同様に特性およ
びガス発生量を測定した。結果を表2に示す。
【0018】
【表2】
【0019】(比較例3,4)従来例で使用したポリウ
レタン塗料にブチルアルコール(沸点118℃)40重
量部(比較例3)、ブチルアミン(沸点104℃)40
重量部(比較例4)を添加、混合したものを用いて同様
にしてポリウレタン絶縁電線を得た。これらのものにつ
いても同様に特性およびガス発生量を測定した。結果を
表2に示す。
【0020】以上の結果から明らかなように、この発明
のものでは、フェノールガスの発生量が従来のものに比
べて1/2〜1/3に低減されることがわかる。また、
活性水素化合物の添加によっても、得られる絶縁被膜の
特性が生じないことがわかる。
【0021】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、ポリウレタン塗料を塗布、焼付してなるポリウレタ
ン絶縁電線の絶縁被膜には、フェノール、クレゾールな
どのフェノール類が残留することが微かとなり、このポ
リウレタン絶縁電線から経時的に揮散するフェノール類
のガス発生量も少なくなる。このため、ポリウレタン絶
縁電線の周辺のリレー接点などの金属部品を腐食させる
ことがない。また、絶縁被膜の機械的、電気的特性の低
下もない。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリウレタン塗料の樹脂分100重量部
    に対して、沸点が130℃以上の第1アルコール、第2
    アルコール、脂肪族アミンおよび芳香族アミンの1種ま
    たは2種以上の活性水素化合物を20〜100重量部配
    合してなるポリウレタン塗料。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のポリウレタン塗料を塗
    布、焼付してなる絶縁電線。
JP30687393A 1993-12-07 1993-12-07 ポリウレタン塗料および絶縁電線 Pending JPH07157714A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2013058318A1 (ja) * 2011-10-19 2013-04-25 古河電気工業株式会社 絶縁塗料、絶縁電線、及び絶縁電線の製造方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2013058318A1 (ja) * 2011-10-19 2013-04-25 古河電気工業株式会社 絶縁塗料、絶縁電線、及び絶縁電線の製造方法
CN103270120A (zh) * 2011-10-19 2013-08-28 古河电气工业株式会社 绝缘涂料、绝缘电线、及绝缘电线的制造方法
JPWO2013058318A1 (ja) * 2011-10-19 2015-04-02 古河電気工業株式会社 絶縁塗料、絶縁電線、及び絶縁電線の製造方法

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