JPH07157558A - 新規オリゴマー、その製造法およびそれからなる界面活性剤 - Google Patents

新規オリゴマー、その製造法およびそれからなる界面活性剤

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JPH07157558A
JPH07157558A JP5308939A JP30893993A JPH07157558A JP H07157558 A JPH07157558 A JP H07157558A JP 5308939 A JP5308939 A JP 5308939A JP 30893993 A JP30893993 A JP 30893993A JP H07157558 A JPH07157558 A JP H07157558A
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oligomer
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formula
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JP5308939A
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Taku Oda
卓 織田
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Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 式(I)で表わされる分子量が 300〜10,000
であるオリゴマー。 【化1】 (R1は炭素数8〜30のアルキル基、R2は水素原子、メチ
ル基またはエチル基、nは重合度、X はCl、Br、I、水酸
基またはトリアルキルアンモニオ基を表わす。) 【効果】 良好な界面活性能、起泡性、可溶化能及び耐
加水分解性を示すため、ノニオン性界面活性剤として最
適である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規なオリゴマー、詳細
には親油生のアルキル基と親水性のポリ(N−ホルミル
エチレンイミン)類またはポリ(N−低級アシルエチレ
ンイミン)類を合せて有する新規な両親媒性オリゴマ
ー、その製造法およびそれからなる界面活性剤に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、2−メチル−2−オキサゾリン、
2−フェニル−2−オキサゾリン等の如き2−置換−2
−オキサゾリンの開環異性化カチオンホモ重合を行う方
法は、例えばポリマー・ジャーナル,,87(1973)、ジ
ャーナル・オブ・ポリマー・サイエンス,B,,871
(1957) 、ジャーナル・オブ・ポリマー・サイエンス,
A−1,,2253(1966)等の文献に記載されており公知
である。また、長鎖アルキルハライド、長鎖アルキル基
を含むカルボン酸ハライドまたは長鎖アルキル基を含む
スルホン酸ハライドを開始剤とし、2−置換−2−オキ
サゾリンの開環カチオン重合を行なうことにより得た化
合物が界面活性剤として優れていることは、USP4261925
号に記載されており公知である。
【0003】さらに、トシル酸(p−トルエンスルホン
酸)またはトリフルオロメタンスルホン酸の長鎖アルキ
ルエステルを開始剤とし、2−置換−2−オキサゾリン
の開環カチオン重合を行なうことにより得た化合物が界
面活性剤として優れていることは、小林、三枝らがマク
ロモレキュルズ,20(8) ,1729(1987)で報告しており公
知である。後者の文献においては、特に、トリフルオロ
メタンスルホン酸の長鎖アルキルエステルを用いた場合
に、重合開始反応速度が重合成長反応速度よりも早く、
オリゴマーの分子量をコントロールすることができ、生
成オリゴマーが有効な界面活性能を示すことが述べられ
ている。
【0004】しかし、トリフルオロメタンスルホン酸の
長鎖アルキルエステルは非常に不安定であるため取り扱
いが困難であるという欠点がある。また、トリフルオロ
メタンスルホン酸エステルを得るための原料であるトリ
フルオロメタンスルホン酸クロライドは高価である上に
かなり強い酸であるため、取り扱いにくいという問題点
もある。
【0005】かかる実情において本発明者らは鋭意研究
を行った結果、ハロゲン化酢酸の長鎖アルキルエステル
を2−置換又は無置換−2−オキサゾリンの開環重合の
開始剤として用いると、重合開始反応が重合成長反応よ
りかなり早くなるため、分子量コントロールが容易であ
り、分子量分布も狭いオリゴマーが得られ、更に得られ
たオリゴマーが優れた界面活性能を示すことを見出し、
既に特許出願した(特開平2−247227号) 。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、特開平2−24
7227号公報に開示されているオリゴマーは長鎖アルキル
基が2−置換又は無置換−2−オキサゾリンの開環カチ
オン重合物とエステル基によって連結されており、洗浄
剤等の水系商品に使用される場合は徐々に加水分解反応
をおこし界面活性能が低下するという欠点があった。
【0007】
【課題を解決するための手段】かかる実情において本発
明者らは鋭意研究を行った結果、長鎖アルキル基が2−
置換又は無置換−2−オキサゾリンの開環重合物とアミ
ド基によって連結されたオリゴマーが耐加水分解性に優
れ、更にエステル基によって連結されたオリゴマーに比
べ優れた界面活性能を示すことを見出し、本発明を完成
した。すなわち、本発明は、一般式(I)で表わされる
分子量が 300〜10,000であるオリゴマー、及びその製造
法並びに該オリゴマーからなる界面活性剤を提供するも
のである。
【0008】
【化5】
【0009】(式中、R1は炭素数8〜30のアルキル基を
表わし、R2は水素原子、メチル基またはエチル基を表わ
し、すべてのR2は同一であっても異なっていても良い。
n は重合度を表わし、X はCl、Br、I 、水酸基またはト
リアルキルアンモニオ基を表わす。)以下、本発明を詳
細に説明する。本発明における上記一般式(I)で表わ
されるオリゴマーは、一般式(II)
【0010】
【化6】
【0011】(式中、R1は前記と同様の意味を表わし、
Y はCl、Br、I または式
【0012】
【化7】
【0013】を表わす。)で表わされる化合物を開始剤
として、一般式(III)
【0014】
【化8】
【0015】(式中、R2は前記と同様の意味を表わ
す。)で表わされる一種または二種以上の2−置換又は
無置換−2−オキサゾリンを開環カチオン重合すること
によって得ることができる。
【0016】本発明において、重合開始剤として用いら
れる上記一般式(II)で表される化合物のうち、Y がC
l、BrまたはI である化合物は、炭素数8〜30の長鎖ア
ルキル基を含む1級アミンとハロゲン化アセチル化剤と
の反応、または炭素数8〜30の長鎖アルキル基を含む1
級アミンと酢酸とのアミドとハロゲン化剤との反応等、
公知の方法で得られるが、長鎖アルキル基を含む1級ア
ミンとハロゲン化アセチル化剤との反応が簡便であるた
め好ましい。
【0017】また、本発明において、重合開始剤として
用いられる上記一般式(II)で表わされる化合物のう
ち、Y が式
【0018】
【化9】
【0019】である化合物は、炭素数8〜30の長鎖アル
キル基を含む1級アミンとグリコール酸を反応させ、さ
らに水酸基をトシルクロリドと反応させることによって
得られる。
【0020】炭素数8〜30の長鎖アルキル基を含む1級
アミンの長鎖アルキル基としては直鎖でも、分岐構造を
有していても、また不飽和結合を有していてもよく、一
種類であっても二種類以上のものの混合物であっても良
い。炭素数8〜30の長鎖アルキル基を含む1級アミンと
しては、オクチルアミン、ノニルアミン、デシルアミ
ン、ウンデシルアミン、ドデシルアミン、トリデシルア
ミン、テトラデシルアミン、ペンタデシルアミン、ヘキ
サデシルアミン、ヘプタデシルアミン、オクタデシルア
ミン、ノナデシルアミン、エイコシルアミン、セリルア
ミン、メリシルアミン、2−エチルヘキシルアミン、イ
ソノニルアミン、イソステアリルアミン、2−オクチル
−ドデシルアミン、2−デシル−テトラデシルアミン、
オレイルアミン等が挙げられる。
【0021】またハロゲン化アセチル化剤としては、ク
ロロ酢酸クロライド、クロロ酢酸ブロマイド、クロロ酢
酸アイオダイド、ブロモ酢酸クロライド、ブロモ酢酸ブ
ロマイド、ブロモ酢酸アイオダイド、ヨード酢酸クロラ
イド、ヨード酢酸ブロマイド、ヨード酢酸アイオダイド
等のハロゲン化酢酸ハライドの他、クロロ酢酸無水物、
ブロモ酢酸無水物、ヨード酢酸無水物等のハロゲン化酢
酸無水物、クロロ酢酸メチル、ブロモ酢酸メチル、ヨー
ド酢酸メチル、クロロ酢酸エチル、ブロモ酢酸エチル、
ヨード酢酸エチル等のハロゲン化酢酸エステルなどが挙
げられる。
【0022】このようにして得た前記一般式(II)で表
される長鎖アルキル基を含む開始剤は非常に安定な化合
物であるため、長期に渡る保存が可能である。また、上
記一般式(I)又は上記一般式(II)中のR1の炭素数が
7以下ではこれによってもたらされる親油性が低下し、
本発明で意図する後述するオリゴマーの特徴がなくなる
ので好ましくない。
【0023】本発明における上記一般式(I)で表わさ
れるオリゴマーを生成せしめるモノマーは上記一般式(I
II) で表わされる2−置換又は無置換−2−オキサゾリ
ンであり、具体的には2−オキサゾリン、2−メチル−
2−オキサゾリン、2−エチル−2−オキサゾリンであ
る。これらの化合物は例えば、Liebigs Ann. Chem. P99
6 〜P1009(1974) に記載の方法によって製造することが
できる。これらの化合物は一種又は二種以上を組み合わ
せ用いてもよい。上記一般式(I)又は上記一般式(II
I) 中のR2の炭素数が3以上となるとこれによってもた
らされる側鎖の親水性が低下し、後述する本発明で意図
するオリゴマーの特徴がなくなるので好ましくない。
【0024】本発明における上記一般式(I)で表わさ
れるオリゴマーの製造方法としては、塊状重合法または
溶液重合法が挙げられる。溶液重合法の場合、使用され
る溶媒としては、アセトニトリル、ジメチルホルムアミ
ド、クロロホルム、塩化メチレン、塩化エチレン、酢酸
エチル等を使用できる。その溶媒の使用量としては、限
定されるものではないが、全仕込みモノマー 100重量部
に対して、10重量部から2000重量部を使用するとよい。
【0025】本発明における上記一般式(I)で表わさ
れるオリゴマーを生成せしめる重合開始剤として用いら
れる上記一般式(II)で表わされる化合物の量は、目的
とするオリゴマーの分子量によって決定されるが、一般
には一般式(III) で表わされるモノマー2〜140 モル当
量に対して一般式(II)で表わされる重合開始剤1モル
当量の割合で使用するとよい。
【0026】本発明における上記一般式(I)で表わさ
れるオリゴマーを生成せしめる重合の手順としては、例
えば溶液重合の場合、脱水、窒素置換した重合容器に、
脱水精製した溶媒を仕込み、脱水精製した前記一般式(I
II) で表わされるモノマーおよび長鎖アルキル基を含む
上記一般式(II)で表わされる開始剤を仕込む。しかる
後に反応系を好ましくは40℃以上1 150 ℃以下の重合温
度に保ち、モノマーを実質的に完全に重合させる。重合
開始剤としてクロロ酢酸またはブロモ酢酸の長鎖アルキ
ルアミドを使用する場合には触媒としてヨウ化カリウム
またはヨウ化ナトリウム等のヨウ素金属塩を用いると重
合がスムーズに進行する。重合は通常1〜40時間行な
う。重合時間は重合温度、重合開始剤の使用量、溶媒の
使用量等によって変化する。重合後、こうして得られた
オリゴマーの溶液から再沈殿、あるいは溶剤留去等の公
知の方法でオリゴマーを単離することができる。再沈殿
を繰り返したり、膜分離、クロマトグラフ法あるいは抽
出法等の公知の方法で、得られたオリゴマー中より未反
応のモノマー等を除去することができる。
【0027】重合触媒としてヨウ素金属塩を用いた場合
には通常良く使う公知の方法で脱塩することができる。
重合後のオリゴマー溶液に析出する塩は濾過によって大
部分取り除くことができるが、イオン交換樹脂法等でさ
らに脱塩してもよい。重合後こうして得られたオリゴマ
ーの分子量は界面活性剤として使用するためには、 300
〜10,000が良いが、好ましくは 500〜5,000 が適当であ
る。
【0028】本発明における一般式(I)中のX は使用
する重合開始剤の種類によって決まる。例えば開始剤と
してブロモ酢酸ステアリルアミド、モノマーとして2−
メチル−2−オキサゾリンを使用するとすれば開環カチ
オン重合し、その結果下記一般式(IV)で表わされる構
造のオリゴマーが生成する。
【0029】
【化10】
【0030】(式中 nは重合度を表わす。)また、この
重合において、重合触媒としてヨウ化カリウムを使用す
ると重合がさらにスムーズに進むが、この場合には下記
一般式(V)で表わされる構造のオリゴマーが生成す
る。
【0031】
【化11】
【0032】(式中 nは重合度を表わす。)上記一般式
(IV)、(V)で表されるオリゴマーは水の作用で加水
分解されると下記一般式(VI)で表わされる構造のオリ
ゴマーとなる。
【0033】
【化12】
【0034】(式中 nは重合度を表わす。)従って上記
の場合、上記一般式(I)中のXはBr、Iまたは水酸基で
ある。開始剤としてヒドロキシ酢酸ステアリルアミドを
トシル酸エステル化した下記式(VII) で表わされる化合
物を使い、モノマーとして2−メチル−2−オキサゾリ
ンを使用するとすれば、下記一般式(VIII)で表わされ
る構造のオリゴマーが生成する。
【0035】
【化13】
【0036】(式中 nは重合度を表わす。)三枝らによ
る2−置換−2−オキサゾリンの開環カチオン重合反応
の解析から、上記一般式(VIII)で表わされる構造のオ
リゴマーは下記一般式(IX)で表わされるオキサゾニウ
ム塩型のイオン活性種になっている可能性が高い。
【0037】
【化14】
【0038】(式中 nは重合度を表わす。)上記一般式
(VIII)、(IX)で表わされるオリゴマーは水の作用で
加水分解されると上記一般式(VI)で表わされる構造の
オリゴマーとなる。また、上記一般式(VIII)、(IX)
で表わされるオリゴマーは1級〜3級アミンと反応する
が、たとえばトリメチルアミン、トリエチルアミン等と
反応すると下記一般式(X)で表わされる構造のオリゴ
マーとなる。
【0039】
【化15】
【0040】(式中、R3は反応したアミンのアルキル基
を、n は重合度を表わす。)従って上記の場合、上記一
般式(I)中のX はトリアルキルアンモニオ基である。
【0041】以前、本発明者らが見出した、特開平2−
247227号公報に開示のオリゴマーは下記一般式(XI)で
表される化合物を開始剤としオキサゾリン系モノマーを
重合することにより得た。下記一般式(XII)で表わされ
るものである。
【0042】
【化16】
【0043】(式中、R1, R2, n は前記と同様の意味を
表わし、X'はCl、Br、I または水酸基を表わし、Y'はC
l、BrまたはI を表わす。)本発明で用いられる一般式
(II)で表わされる開始剤は、特開平2−247227号公報
記載の一般式 (XI) で表わされる開始剤と同様、モノマ
ーと開始剤の仕込みモル比のみで重合度が決定するとい
ったリビング重合性の結果、分子量コントロールがきわ
めて容易であり、分子量がそろったオリゴマーを生成す
ることができる。しかし、前記公報記載のオリゴマーは
長鎖アルキル基が2−置換又は無置換−2−オキサゾリ
ンの開環カチオン重合物とエステル基によって連結され
おり、洗浄剤等の水系の商品に使用する場合には商品保
存中に徐々に加水分解反応をおこし、界面活性能が低下
してしまった。
【0044】本発明の前記一般式(I)で表わされるオ
リゴマーは長鎖アルキル基が2−置換又は無置換−2−
オキサゾリンの開環重合物とアミド基によって連結され
ており、耐加水分解反応性が飛躍的に向上した。また、
おどろくことに表面張力低下能、起泡性、洗浄性といっ
た界面活性能が向上した。これは、オリゴマーにアミド
基を導入することにより長鎖アルキル基間の相互作用
(パッキング性)が向上し、油/水または空気/水界面
への配向性が高まったためと考察している。
【0045】本発明のオリゴマーは白色または淡黄色の
固体または粘稠液体であり、親油性の長鎖アルキル基と
親水性のポリ(N−ホルミルエチレンイミン)またはポ
リ(N−低級アシルエチレンイミン)を合せて含有す
る。本発明のオリゴマーは良好な界面活性能、起泡性、
可溶化能及び耐加水分解性を示すため、ノニオン性界面
活性剤として最適である。また曇点が実質上存在しない
ことから、通常良く用いられるポリエチレンオキサイド
系のノニオン性界面活性剤に比べ、幅広い温度範囲での
使用が可能である。また、汎用高分子の改質材、例えば
帯電防止剤、防曇剤、相溶化剤などの用途にも使用でき
る。
【0046】
【実施例】以下、長鎖アルキル基を含む開始剤の合成例
及び本発明の実施例により本発明を詳細に説明するが、
本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0047】合成例1(開始剤N−テトラデシル−α−
ブロモアセトアミドの合成) 温度計、滴下ロート及び攪拌装置を付した 500ml四つ口
フラスコを乾燥窒素にて置換した後、この 500ml四つ口
フラスコに室温下、1−テトラデシルアミン56.5g(0.2
65モル) 、ジメチルアセトアミド 150mlを仕込んだ。攪
拌を開始し、室温下ブロモ酢酸クロライド50.0g(0.318
モル) を2時間かけて滴下し、さらに20時間、室温下攪
拌した。溶媒を蒸発留去後クロロホルムで希釈し、1N炭
酸ナトリウム水溶液にて3回、イオン交換水にて3回、
飽和塩化ナトリウム水溶液にて2回抽出洗浄した。その
後硫酸マグネシウムにて乾燥し、濾別後溶媒を蒸発留去
した。メタノールにて抽出洗浄後乾燥し、蒸留にて精製
し、白色固体を得た(115〜135 ℃/0.7mmHg)。薄層クロ
マトグラフィー(シリカゲル、溶離液:クロロホルム/
イソプロピルアルコール=90/10(容量/容量)、Rf値
0.65)で純度が良いことを確認した。NMR(溶媒:重水素
化クロロホルム)及びIR(ニート法)により、下記構造
の化合物であることを確認した。収量63.8g(収率72%
/1−テトラデシルアミンの仕込み量より計算)であっ
た。
【0048】
【化17】
【0049】合成例2(開始剤N−テトラデシル−α−
p−トルエンスルホニルオキシアセトアミドの合成) (i) 1−テトラデシルアミンのグリコール酸塩の調製 1−テトラデシルアミン 44.83g(0.210モル) をエタノ
ール50mlに溶かしたものと、グリコール酸 15.97g(0.2
10モル) をエタノール 100mlに溶かしたものとを、500m
l ナスフラスコに入れ混合後、溶媒を蒸発留去すること
により白色固体の1−テトラデシルアミンのグリコール
酸塩を調製した。
【0050】(ii) N−テトラデシル−α−ヒドロキシ
アセトアミドの合成 温度計、脱水管及び攪拌装置を付した 300ml四つ口フラ
スコに1−テトラデシルアミンのグリコール酸塩60g
(0.207モル) を仕込んだ。マントルヒーターにて徐々に
加熱し、 150℃にて3時間、脱水反応を行った。反応と
共に水が生成した。加熱1時間後からは 0.5mmHgにて減
圧し、水を除去し、淡黄色固体を得た。クロロホルム/
ジエチルエーテル=40/60(容量/容量)にて再結晶を
行い、白色結晶粉末を得た。薄層クロマトグラフィー
(シリカゲル、溶離液:クロロホルム/イソプロピルア
ルコール=90/10(容量/容量)、Rf値0.3)で純度が良
いことを確認した。NMR(溶媒:重水素化クロロホルム)
及びIR(ニート法)により、下記構造の化合物であるこ
とを確認した。収量41.0g (収率73%) であった。その
他分析値は以下の通りであった。 水酸基価 207.2KOHmg/g(計算値206.6KOHmg/g) 酸価 0.6KOHmg/g(計算値0 KOHmg/
g) アミン価 0.6KOHmg/g(計算値0 KOHmg/g)
【0051】
【化18】
【0052】(iii) N−テトラデシル−α−p−トルエ
ンスルホニルオキシアセトアミドの合成 温度計及び攪拌装置を付した 300ml四つ口フラスコにあ
らかじめN−テトラデシル−α−ヒドロキシアセトアミ
ド 27.15g (0.10モル) 、無水ピリジン 31.64g(0.4モ
ル) を仕込み、均一化させる。温度を10〜15℃に保ち、
トシルクロリド約25g (約0.13モル) を約30分かけてゆ
っくり投入し、さらに10〜15℃にて24時間熟成した。反
応物を濃塩酸50mlを入れた氷水にそそぎ析出した油状物
を取り出した。クロロホルムに溶解後イオン交換水で3
回、飽和塩化ナトリウム水溶液で2回抽出洗浄した。そ
の後硫酸マグネシウムにて乾燥し、濾別後溶媒を蒸発留
去した。50℃、 100mmHgで2時間、60℃、2mmHgで10時
間真空乾燥することにより淡黄色粘稠液体を得た。薄層
クロマトグラフィー(シリカゲル、溶離液:クロロホル
ム/イソプロピルアルコール=90/10(容量/容量)、
Rf値0.85) で純度が良いことを確認した。NMR(溶媒:重
水素化クロロホルム)及びIR(ニート法)により、下記
構造の化合物であることを確認した。収量27.7g (収率
65%、N−テトラデシル−α−ヒドロキシアセトアミド
の仕込み量より計算)であった。その他の分析値は以下
の通りであった。 水酸基価 0.4KOHmg/g(計算値0 KOHmg/g) 酸価 0.8KOHmg/g(計算値0 KOHmg/g) アミン価 0.9KOHmg/g(計算値0 KOHmg/g)
【0053】
【化19】
【0054】実施例1 温度計、滴下ロートおよび攪拌装置を付した 200ml四つ
口フラスコを乾燥窒素にて置換した後、この 200ml四つ
口フラスコに室温下、モレキュラーシープ4Aにて乾燥し
たクロロホルム25mlと合成例1で得たN−テトラデシル
−α−ブロモアセトアミド4.68g(0.014モル) を仕込ん
だ。攪拌を開始し、油浴にて系を昇温した。還流下、2
−メチル−2−オキサゾリン3.49g(0.041モル)を2時
間かけて滴下し、さらに12時間還流させ重合を行った。
冷却後 500mlのn−ヘキサンにて再沈殿を行ない、濾別
後、80℃にて48時間、重合体の真空乾燥を行なった。こ
のようにして得たオリゴマーの分子量、組成は蒸気圧オ
スモメーター;VPO(溶媒:クロロホルム)、プロトンNM
R(溶媒:重水素化クロロホルム)、ゲルパーミエイショ
ンクロマトグラフィー;GPC(AC802,803 連結、溶媒:ク
ロロホルム)にて測定した。結果を表1に示す。
【0055】実施例2 長鎖アルキル基を含む開始剤として合成例1で得たN−
テトラデシル−α−ブロモアセトアミド3.34g(0.010モ
ル) 、溶媒としてクロロホルム25ml、モノマーとして2
−メチル−2−オキサゾリン9.18g(0.108モル) を反応
試薬とし、実施例1と同様の反応装置、反応条件で重合
を行ない、同様の条件で精製を行ってオリゴマーを得
た。実施例1と同様にしてオリゴマーの分子量、組成を
求めた。結果を表1に示す。
【0056】実施例3 長鎖アルキル基を含む開始剤として合成例1で得たN−
テトラデシル−α−ブロモアセトアミド1.40g(4.2×10
-3モル) 、溶媒としてクロロホルム25ml、モノマーとし
て2−メチル−2−オキサゾリン8.96g(0.105モル) を
反応試薬とし、実施例1と同様の反応装置、反応条件で
重合を行ない、同様の条件で精製を行ってオリゴマーを
得た。実施例1と同様にしてオリゴマーの分子量、組成
を求めた。結果を表1に示す。
【0057】実施例4 長鎖アルキル基を含む開始剤として合成例2で得たN−
テトラデシル−α−p−トルエンスルホニルオキシアセ
トアミド5.53g(0.013モル) 、溶媒としてクロロホルム
30ml、モノマーとして2−メチル−2−オキサゾリン5.
53g(0.065モル) を反応試薬とし、実施例1と同様の反
応装置、反応条件で重合を行ない、同様の条件で精製を
行ってオリゴマーを得た。このオリゴマーをさらに水に
溶かし (15%) 、イオン交換樹脂 (IR120BとIRA400混合
/オルガノ(株)製)にてトシル酸を除去した。凍結乾
燥し淡黄色粉末を得た。実施例1と同様にしてオリゴマ
ーの分子量、組成を求めた。結果を表1に示す。
【0058】実施例5 長鎖アルキル基を含む開始剤として合成例2で得たN−
テトラデシル−α−p−トルエンスルホニルオキシアセ
トアミド5.53g(0.013モル) 、溶媒としてクロロホルム
50ml、モノマーとして2−メチル−2−オキサゾリン 1
6.59g(0.195モル) を反応試薬とし、実施例1と同様の
反応装置、反応条件で重合を行ない、同様の条件で精製
を行ってオリゴマーを得た。このオリゴマーから、実施
例4と同様にしてトシル酸を除去し、凍結乾燥して淡黄
色粉末を得た。実施例1と同様にしてオリゴマーの分子
量、組成を求めた。結果を表1に示す。
【0059】実施例6 長鎖アルキル基を含む開始剤として合成例2で得たN−
テトラデシル−α−p−トルエンスルホニルオキシアセ
トアミド6.81g(0.016モル) 、溶媒としてクロロホルム
20ml、モノマーとして2−メチル−2−オキサゾリン6.
81g (0.08モル) を反応試薬とし、実施例1と同様の反
応装置、反応条件で重合を行なった。反応溶液にトリエ
チルアミン5.05g (0.05モル) を加え5時間還流させ
た。冷却後500mlのn−ヘキサンにて再沈殿を行ない、
濾別後、80℃にて48時間、重合体の真空乾燥を行なっ
た。実施例1と同様にしてオリゴマーの分子量、組成を
求めた。結果を表1に示す。
【0060】合成例3(比較例用開始剤テトラデシル−
α−ブロモアセテートの合成) 温度計、滴下ロート及び攪拌装置を付した 200ml四つ口
フラスコを乾燥窒素にて置換した後、この 200ml四つ口
フラスコに室温下、テトラデシルアルコール18.2g(0.0
85モル) 、ジメチルアセトアミド50mlを仕込んだ。攪拌
を開始し、室温下ブロモ酢酸クロライド16.0g(0.102モ
ル) を2時間かけて滴下し、さらに20時間、室温下攪拌
した。その後、分液ロートに反応物を移して上層の油層
を取り出し、クロロホルムで希釈後、1N炭酸ナトリウム
水溶液にて3回、イオン交換水にて3回、飽和塩化ナト
リウム水溶液にて2回抽出洗浄した。その後硫酸マグネ
シウムにて乾燥し、濾別後溶媒を蒸発留去した。50℃、
100mmHgで2時間、60℃、2mmHgで10時間真空乾燥する
ことにより、淡黄色粘稠液体を得た。薄層クロマトグラ
フィー(シリカゲル、溶離液:クロロホルム/イソプロ
ピルアルコール=90/10(容量/容量)、Rf値0.8)で純
度が良いことを確認した。NMR(溶媒:重水素化クロロホ
ルム)及びIR(ニート法)により、下記構造の化合物で
あることを確認した。
【0061】
【化20】
【0062】比較例1 長鎖アルキル基を含む開始剤として合成例3で得たテト
ラデシル−α−ブロモアセテート4.36g(0.013モル) 、
溶媒としてクロロホルム30ml、モノマーとして2−メチ
ル−2−オキサゾリン5.53g(0.065モル) を反応試薬と
し、実施例1と同様の反応装置、反応条件で重合を行な
い、同様の条件で精製を行ってオリゴマーを得た。実施
例1と同様にしてオリゴマーの分子量、組成を求めた。
結果を表2に示す。
【0063】比較例2 長鎖アルキル基を含む開始剤として合成例3で得たテト
ラデシル−α−ブロモアセテート4.36g(0.013モル) 、
溶媒としてクロロホルム50ml、モノマーとして2−メチ
ル−2−オキサゾリン 16.59g(0.195モル) を反応試薬
とし、実施例1と同様の反応装置、反応条件で重合を行
ない、同様の条件で精製を行ってオリゴマーを得た。実
施例1と同様にしてオリゴマーの分子量、組成を求め
た。結果を表2に示す。
【0064】
【表1】
【0065】
【表2】
【0066】表1及び2から明らかなように、実施例1
〜6及び比較例1、2にて合成したオリゴマーはいずれ
も設定値に近い分子量及び組成となった。またいずれも
分子量分布の狭いオリゴマーが得られた。
【0067】実施例7 実施例1〜6で得たオリゴマーを1%水溶液とし、その
水溶性(曇点)、表面張力、起泡性(速泡性、泡安定
性)、可溶化能力を測定した。結果を表3に示す。
【0068】比較例3 比較例1及び2で得たオリゴマーを1%水溶液とし、実
施例7と同様の測定を行った。結果を実施例7の結果と
比較して表3に示す。
【0069】
【表3】
【0070】(注)測定条件 *1 表面張力:ウィルヘルミー法、30℃ *2 速泡性:反転攪拌法(40℃、500rpm、30秒攪拌、6
秒で1回反転)、攪拌停止10秒後の泡体積 *3 泡安定性: 〔(攪拌停止5分後の泡体積)/(攪拌停止10秒後の泡
体積)〕×100 *4 可溶化能力:スダンIII の可溶化量(500nmの吸光度
より求める)を比較例1のサンプルを 100としたときの
相対値で示した。
【0071】表3から明らかなように本発明のオリゴマ
ー(実施例1〜6)は比較例1及び2のオリゴマーに比
べ特に起泡性、可溶化能力に優れている。これは、分子
内にアミド基を導入することによりアルキル鎖間のパッ
キング性が向上し、界面活性能が増大したためと思われ
る。
【0072】実施例8 実施例1〜6で得たオリゴマーの20%水溶液を調製し40
℃にて保存した。1ケ月、3ケ月、6ケ月後に実施例7
と同様起泡性(速泡性)、可溶化能力の測定を行った。
結果を表4に示す。
【0073】比較例4 比較例1及び2で得たオリゴマーを、実施例8と同様に
保存して、同様に起泡性(速泡性)、可溶化能力の測定
を行った。結果を表4に示す。
【0074】
【表4】
【0075】注) *5:比較例1のサンプルを実験直前に水にとかしたもの
のスダンIII の可溶化量を 100としたときの相対値で示
した。
【0076】表4から明らかなように長鎖アルキル基と
オキサゾリンオリゴマーセグメント間をエステル基で連
結した比較例1及び2で得られたオリゴマーは水溶液保
存中に加水分解反応を受けるため、界面活性能が低下し
た。本発明で得たオリゴマー(実施例1〜6)はそれが
アミド結合よりなるため界面活性能の低下がほとんどな
い。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I)で表わされる分子量が 300
    〜10,000であるオリゴマー。 【化1】 (式中、R1は炭素数8〜30のアルキル基を表わし、R2
    水素原子、メチル基またはエチル基を表わし、すべての
    R2は同一であっても異なっていても良い。n は重合度を
    表わし、X はCl、Br、I 、水酸基またはトリアルキルア
    ンモニオ基を表わす。)
  2. 【請求項2】 一般式(II) 【化2】 (式中、R1は炭素数8〜30のアルキル基を表わし、Y は
    Cl、Br、I または式 【化3】 を表わす。)で表わされる化合物を開始剤として、一般
    式(III) 【化4】 (式中、Rは水素原子、メチル基またはエチル基を表
    わす。)で表わされる一種または二種以上の2−置換又
    は無置換−2−オキサゾリンを開環カチオン重合するこ
    とを特徴とする請求項1記載のオリゴマーの製造法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のオリゴマーからなる界面
    活性剤。
JP5308939A 1993-12-09 1993-12-09 新規オリゴマー、その製造法およびそれからなる界面活性剤 Pending JPH07157558A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2023202735A1 (en) * 2022-04-22 2023-10-26 Ustav Makromolekularni Chemie Av Cr, V.V.I. Polymer conjugate for blocking of non-specific interactions in immunochemical assays, method of its synthesis and use thereof

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2023202735A1 (en) * 2022-04-22 2023-10-26 Ustav Makromolekularni Chemie Av Cr, V.V.I. Polymer conjugate for blocking of non-specific interactions in immunochemical assays, method of its synthesis and use thereof

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