JPH07157304A - 一酸化炭素の製造方法 - Google Patents
一酸化炭素の製造方法Info
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- JPH07157304A JPH07157304A JP5340856A JP34085693A JPH07157304A JP H07157304 A JPH07157304 A JP H07157304A JP 5340856 A JP5340856 A JP 5340856A JP 34085693 A JP34085693 A JP 34085693A JP H07157304 A JPH07157304 A JP H07157304A
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Abstract
採用し、しかも比較的低温においても効率良く選択的に
一酸化炭素を製造することのできる一酸化炭素の製造方
法を提供することを目的とする。 【構成】 ルテニウムカルボニル錯体と塩素化合物とか
らなる均一系液相反応触媒の存在下に、溶媒中で炭酸ガ
スを水素化する。たとえば、Ru3 (CO)12 0.2mmo
l、N−メチル2−ピロリドン20ml、ビス(トリフェ
ニルホスフィン)イミニウムクロライド1mmolをオート
クレーブに仕込み、炭酸ガスと水素との容積比1:3の
混合ガスを室温で80気圧になるまで圧入した後、温度
を160℃に保ちながら5時間反応させる。
Description
触媒の存在下、溶媒中で炭酸ガスを水素化することによ
り、一酸化炭素を製造する方法に関するものである。
造方法として各種の金属や金属酸化物、金属硫化物等を
触媒として用いる方法が知られており、このような触媒
を用いた方法による特許出願や報告が多数なされてい
る。一例をあげると、特開平5−43215号公報に
は、硫化タングステン上に炭酸ガスと水素を導入し、加
熱あるいは太陽光の照射により、炭酸ガスを水素ガスと
反応させて一酸化炭素に転化するようにした炭酸ガス還
元方法が示されている。
固体の状態で用いられているので、水素化反応は気固不
均一系で行われることになる。
の水素化反応は、金属や金属酸化物、金属硫化物等の触
媒を担体上に担持させて実施するが、炭酸ガスの水素化
による一酸化炭素の生成反応のような吸熱反応を気固不
均一系で行う場合には、反応器の温度管理が難しく、吸
熱により触媒表面の温度が低下し、反応速度の減少を招
くという問題点がある。
応を液相で均一系の反応を行うことを考え、ルテニウム
カルボニル錯体とヨウ素化合物との組み合わせからなる
均一系液相反応触媒の存在下に炭酸ガスを水素化して、
メタノール、メタンおよび一酸化炭素等を製造する炭酸
ガス接触水素化法につき、特願平5−52272号とし
て特許出願を行っている。
反応温度では充分に反応を進行させることができないと
いう限界があり、さらにその改良を図る必要がある。
酸ガスの水素化反応に際し、均一系反応を採用し、しか
も比較的低温においても効率良く選択的に一酸化炭素を
製造することのできる一酸化炭素の製造方法を提供する
ことを目的とするものである。
造方法は、ルテニウムカルボニル錯体と塩素化合物とか
らなる均一系液相反応触媒の存在下に、溶媒中で炭酸ガ
スを水素化することを特徴とするものである。
ムカルボニル錯体と塩素化合物とからなる均一系液相反
応触媒を用いる。
のみを配位子とするRu(CO)5、Ru3 (CO)12
のほかに、COと共にハロゲン、水素、ホスフィン等を
配位子とするもの、たとえば、Ru4 X4 (CO)12、
Ru4 H4 (CO)12、Ru(CO)2 (PPh3 )3
なども用いられる。ここで、Xはハロゲン、PPh3は
ホスフィンである。これらの中では、Ru3 (CO)12
が特に好ましい。
l、KCl等のアルカリ金属塩化物;CaCl2 、Mg
Cl2 等のアルカリ土類金属塩化物;ZnCl2 、Cd
Cl2等の遷移金属塩化物;[PPN]Cl、[(C2
H5 )4 N]Cl等の有機化合物を陽イオンに持つ有機
塩素化合物などが用いられる。ここで、PPNはビスト
リフェニルホスフィンイミニウムである。これらの中で
は、KCl、NaCl、LiClおよび[PPN]Cl
が重要である。これらの塩素化合物は単独であるいは2
種以上を混合して用いることができる。
の使用割合は、Cl/Ruの原子比で 0.5〜10、殊に
1〜5の範囲にあることが好ましい。Cl/Ruの原子
比が0.5未満の場合は反応が円滑に進行しがたく、一方
Cl/Ruの原子比が10を越えると一酸化炭素の代り
にメタノール、メタン等の副生成物の生成量が増加す
る。
からなる均一系液相反応触媒は、ルテニウムカルボニル
錯体と塩素化合物とを別途反応系外で溶媒に溶解して調
製し、これを反応系に加えることができるが、操作性を
考慮して、通常は反応容器にルテニウムカルボニル錯
体、塩素化合物および溶媒を供給し、反応系内で均一系
液相反応触媒を形成させる方法が採用される。
および塩素化合物を溶解しうるものであれば、芳香族炭
化水素、ジエチレングリコールジアルキルエーテルをは
じめ種々の有機溶媒が用いられるが、特にN−メチルピ
ロリドン、N−エチルピロリドン、1,3−ジメチルイ
ミダゾリジノン等の極性非プロトン溶媒が好適である。
の濃度は、1〜100mmol/l、好ましくは5〜25mmol
/lであり、1mmol/l未満では反応が進行しにくく、一方
100mmol/lを越えると溶媒への溶解が困難になる。
と塩素化合物とからなる均一系液相反応触媒を溶解した
溶媒中に炭酸ガスおよび水素を供給し、加圧下に加熱す
ることにより行われる。
2 )は 0.1〜1の範囲に設定され、この範囲でこの比が
小さいほど反応率が高くなる傾向がある。反応時におけ
るガス(炭酸ガス+水素)の全圧は1〜400気圧程
度、好ましくは20〜200気圧、反応温度は120〜
250℃、好ましくは140〜180℃である。圧力が
余りに低いときには反応速度が遅く、一方余りに高いと
きは装置の耐圧構造上不利となる。反応温度が余りに低
いときには反応が進行しにくく、250℃を越えると触
媒が分解してルテニウムが析出する。
の液相で行われるので、温度管理が容易である。加え
て、均一液相反応触媒を触媒としてルテニウムカルボニ
ル錯体と塩素化合物とからなる特定の均一液相反応触媒
を用いることを見い出したため、160℃前後の比較的
低い温度条件であっても円滑に二酸化炭素の水素化反応
が進行し、しかも副生成物の生成量が少ない。
る。
錯体の一例としてのRu3 (CO)12を 0.2mmol、溶媒
の一例としてのN−メチル2−ピロリドン(NMP)を
20ml、塩素化合物の一例としてのビス(トリフェニル
ホスフィン)イミニウムクロライド([PPN]Cl)
を1mmol仕込んで混合することにより均一溶液となし、
ついで炭酸ガスと水素との容積比1:3の混合ガスを室
温で80気圧になるまで圧入した後、温度を160℃に
保ちながら5時間反応させた。反応終了後、得られた生
成物をガスクロマトグラフィーにより定量分析した。
のものを用いたほかは実施例1に準じて反応を行った。
条件を下記に示す。なお比較例1においては塩素化合物
の使用を省略してあり、比較例2においては塩素化合物
に代えてヨウ素化合物を用いてある。
よび比較例1〜2の条件および結果を表1にまとめて示
す。
ウムクロライド ・[PPN]Iは、ビス(トリフェニルホスフィン)イミニウ
ムアイオダイド ・NMP は、N−メチル−2−ピロリドン ・diglyme は、ジエチレングリコールジメチルエーテル
Ru3 (CO)12は金属に分解しておらず、均一な液相
で反応が進行していることが確認された。また、一酸化
炭素、メタノールおよび極微量のメタンのほかには生成
物は見い出されなかった。
0℃に設定すると共に、塩素化合物の種類をビス(トリ
フェニルフォスフィン)イミニウムクロライド、塩化カ
リウム、塩化ナトリウム、塩化リチウムと変更してある
が、塩素化合物の種類のかかわらずほぼ同様の好ましい
結果が得られている。
160℃に設定すると共に、溶媒の種類をN−メチル−
2−ピロリドン、トルエン、ジエチレングリコールジメ
チルエーテルと変更してあるが、溶媒の種類にかかわら
ず一酸化炭素の水素化が進行すること、溶媒の中では極
性非プロトン溶媒であるN−メチル−2−ピロリドンの
場合に特に反応性が大きいことがわかる。
度のみ160℃、140℃、180℃、200℃と変更
し、他の条件は同じに設定してある。本反応は吸熱反応
であるため反応温度は高いほど熱力学的に有利である
が、200℃を越えると、生成した一酸化炭素がさらに
水素化されてメタノールを生成し、一酸化炭素の収量が
減少するため、余り高い温度は好ましくない。
ムカルボニル錯体のみを使用し、塩素化合物を併用して
いないため、一酸化炭素の水素化反応が事実上進行しな
い。この場合、Ru3 (CO)12の分解により金属ルテ
ニウムが析出する。
ヨウ素化合物のビス(トリフェニルホスフィン)イミニ
ウムアイオダイドを用いているが、温度160℃という
ような比較的低い反応温度では一酸化炭素の水素化反応
が円滑に進行しないことがわかる。
いては炭酸ガスの水素化は均一系の液相で行われるの
で、温度管理が容易である。加えて、均一液相反応触媒
を触媒としてルテニウムカルボニル錯体と塩素化合物と
からなる特定の均一液相反応触媒を用いているため、1
60℃前後の比較的低い温度条件であっても円滑に二酸
化炭素の水素化反応が進行し、しかも副生成物の生成量
が少ないというすぐれた効果が奏される。
Claims (2)
- 【請求項1】ルテニウムカルボニル錯体と塩素化合物と
からなる均一系液相反応触媒の存在下に、溶媒中で炭酸
ガスを水素化することを特徴とする一酸化炭素の製造方
法。 - 【請求項2】塩素化合物がアルカリ金属塩化物、アルカ
リ土類金属塩化物、遷移金属塩化物および有機塩素化合
物よりなる群から選ばれた少なくとも1種の塩素化合物
である請求項1記載の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP05340856A JP3108714B2 (ja) | 1993-12-08 | 1993-12-08 | 一酸化炭素の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP05340856A JP3108714B2 (ja) | 1993-12-08 | 1993-12-08 | 一酸化炭素の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07157304A true JPH07157304A (ja) | 1995-06-20 |
JP3108714B2 JP3108714B2 (ja) | 2000-11-13 |
Family
ID=18340944
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP05340856A Expired - Lifetime JP3108714B2 (ja) | 1993-12-08 | 1993-12-08 | 一酸化炭素の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3108714B2 (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7432410B2 (en) | 2004-08-11 | 2008-10-07 | Japan Gas Synthesize, Ltd. | Production of LPG containing propane or butane from dimethyl ether or methanol |
JP2016037415A (ja) * | 2014-08-07 | 2016-03-22 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 | 一酸化炭素の製造方法 |
JP2017192913A (ja) * | 2016-04-22 | 2017-10-26 | 国立大学法人北海道大学 | 一酸化炭素製造用触媒組成物および一酸化炭素製造方法 |
JP2021010873A (ja) * | 2019-07-05 | 2021-02-04 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 | 二酸化炭素を原料とするヒドロホルミル化反応用触媒 |
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---|---|---|---|---|
US8912240B2 (en) | 2013-02-22 | 2014-12-16 | Eastman Chemical Company | Production of methanol and ethanol from CO or CO2 |
CN109908960A (zh) * | 2019-04-08 | 2019-06-21 | 中国科学院过程工程研究所 | 一种用于二氧化碳加氢反应的催化体系及合成正丁醇的方法 |
-
1993
- 1993-12-08 JP JP05340856A patent/JP3108714B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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