JPH07155615A - 水素化脱硫脱窒素用触媒及びその製造方法 - Google Patents

水素化脱硫脱窒素用触媒及びその製造方法

Info

Publication number
JPH07155615A
JPH07155615A JP5309081A JP30908193A JPH07155615A JP H07155615 A JPH07155615 A JP H07155615A JP 5309081 A JP5309081 A JP 5309081A JP 30908193 A JP30908193 A JP 30908193A JP H07155615 A JPH07155615 A JP H07155615A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
catalyst
carrier
metal
boria
hydrodesulfurization
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP5309081A
Other languages
English (en)
Inventor
Kisao Uekusa
植草吉幸男
Toshio Yamaguchi
敏男 山口
Yuji Uragami
裕次 浦上
Eiji Yamaguchi
英治 山口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Metal Mining Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Metal Mining Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Metal Mining Co Ltd filed Critical Sumitomo Metal Mining Co Ltd
Priority to JP5309081A priority Critical patent/JPH07155615A/ja
Publication of JPH07155615A publication Critical patent/JPH07155615A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Catalysts (AREA)
  • Production Of Liquid Hydrocarbon Mixture For Refining Petroleum (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 硫黄化合物、特に窒素化合物を多量に含
有する炭化水素油を水素加圧下で処理し硫化水素とアン
モニアに転化させ原料炭化水素油中の硫黄及び窒素の含
有量を同時に低減させるために使用される水素化脱硫・
脱窒素触媒の提供を目的とする。 【構成】 担体中のボリアの割合がB23として3
〜15重量%の範囲で、水銀圧入法で測定した担体の平
均細孔直径が80〜110μmの範囲にあり、担体の平
均細孔直径±10μmの範囲の直径の細孔の合計容積量
が担体の全細孔容積量の少なくとも60%以上であるボ
リアとアルミナを主成分とする酸化物担体と、活性金属
としての周期律表VIa族金属とVIII族金属と、添加剤と
から基本的に構成される水素化脱硫・脱窒素用触媒。 【効果】 従来提案されている触媒に比べ効率良く
水素化脱硫と水素化脱窒素とを同時に行うことができ
る。従って、本発明の触媒を使用すれば硫黄含有量、窒
素含有量の低い燃料油を安価に、かつ簡単に製造するこ
とができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は炭化水素油中に含まれる
硫黄化合物ならびに窒素化合物の両者を効果的に除去す
るための水素化処理用触媒に関する。さらに詳しくは硫
黄化合物、特に窒素化合物を多量に含有する炭化水素油
を水素加圧下で処理し硫化水素とアンモニアに転化させ
原料炭化水素油中の硫黄及び窒素の含有量を同時に低減
させるために使用される水素化処理触媒に関する。
【0002】
【従来の技術】炭化水素油中に含まれている硫黄化合物
や窒素化合物を除去する方法として、触媒を用い、水素
存在下の高温高圧反応条件で炭化水素油を水素化処理す
る方法が知られている。水素化脱硫法はこの水素化処理
法の1つである。水素化脱硫法に用いる水素化処理用触
媒としては、一般に多孔質のアルミナ担体に周期律表VI
a族金属及びVIII族金属を担持させたものが多用されて
いる。
【0003】しかし、これらの水素化処理触媒を水素化
脱窒素のために用いても十分な活性は得られない。通常
用いられる水素化脱硫条件下においては水素化脱窒素活
性は極めて低いからである。従って、水素化脱硫触媒を
用い、水素化脱窒素反応を十分に行うためには、より高
い温度と圧力、或いは小さい空間速度で炭化水素油を処
理することが必要となる。そのような条件下で実際に炭
化水素油を水素化処理した場合には、水素化脱窒素に関
し満足する結果が得られても、一方では脱硫、水素化、
更には軽質化が必要以上に進む。そして、その結果とし
て水素消費量の増大を招き、経済性を失することにな
り、実用的でない。
【0004】しかし、炭化水素油の水素化脱硫と水素化
脱窒素とを同一反応塔で、同時に行うことができれば、
炭化水素油の処理コストは大幅に低減することが可能で
あり、産業上多大の利益を生むことになる。このため、
水素化脱硫活性と、脱窒素活性とを合わせ持った触媒の
研究が行われており、いくつかの提案もなされている。
【0005】例えば米国特許第3446,730号公報
には、1.2〜2.6の水和水を含有する水酸化アルミ
ニウムを焼成して作られたアルミナ担体を用いる触媒を
開示している。この触媒は、前記担体に、ニッケルまた
は第VI族金属またはそれら金属の酸化物または硫化物を
担持し、さらに0.1〜2.0wt%のリン、珪素また
はバリウムからなる促進剤を担持した触媒である。しか
し、この公報には担体の特性については何も記載されて
いない。しかも処理油に関しては残渣油を含めたいかな
る溜分にも適用可能であるとしているが、公報の記載内
容からすれば、実際は溜出油を対象とするものと解され
る。
【0006】また、米国特許第3749,664号公報
にはアルミナまたはシリカ−アルミナ担体にモリブデン
とニッケルまたはコバルトとリンとを特定の割合で担持
させた触媒が開示されている。また、公報には担体とし
て0.6〜1.4cc/gの細孔容量を有するものが好
ましいと記載されているが、細孔構造については検討さ
れておらず満足できる水素化処理能力は示されていな
い。
【0007】また、米国特許第3954,670号公
報、及び特開昭51−100983号公報にはアルミナ
とボリアからなる担体を用い、活性金属として周期律表
VIa族金属及びVIII族金属を用いた触媒が水素化脱窒素
反応に有効であることを述べているが、組成及び細孔特
性については十分検討されておらず水素化脱硫触媒とし
ての効果については何も記載されていない。
【0008】また、特開平4−166233号公報には
無機酸化物担体に活性金属を担持し、乾燥し、焼成して
得た触媒に、多価アルコール等を担持し乾燥して触媒を
製造する方法、及び活性金属を担持後の乾燥状態の触媒
に多価アルコール等を担持し乾燥して触媒を製造する方
法が提案されている。この方法で用いられている無機酸
化物担体はアルミナで有り、その特性についてはなんら
記載されていない。しかも、この触媒の製造方法では活
性金属を担持した後、乾燥あるいは焼成し多価アルコー
ル等を担持するので工程が煩雑となる。加えて、水素化
脱窒素触媒としての効果については何も記載されていな
い。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】以上述べたように、水
素化脱硫活性と水素化脱窒素活性とを合わせ持つ触媒を
得るべく、種々の検討がなされている。これらは、総じ
てアルミナやシリカを主成分とする担体に活性金属等を
担持した従来の触媒の改良である。しかしながら、これ
らの触媒の詳細は必ずしも十分に説明されておらず、十
分な水素化脱硫活性と脱窒素活性とを持っていない。
【0010】本発明者等は触媒の基体となる担体の酸点
を高めることに注目し、改良を行いボリアとアルミナか
ら成る担体の特定範囲の組成比率と、特定範囲の有効な
細孔径が存在し、該担体に従来から水素化活性金属とし
て提案されている周期律表VIa族金属とVIII族金属を含
浸担持し、乾燥後の乾燥状態の物を触媒として用いるこ
とで、水素化脱硫脱窒素の両活性が向上することを見出
し、特願平5−43288号公報に開示した。
【0011】本発明は、これを更に改良し、炭化水素油
の水素脱硫活性と脱窒素活性とを更に高めた触媒の提供
と、この触媒の製造方法の提供とを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題を解消する本発
明の触媒は、ボリアとアルミナを主成分とする酸化物担
体と、活性金属としての周期律表VIa族金属とVIII族金
属と、添加剤とから基本的に構成される触媒であり、以
下の特徴を持つものである。
【0013】(a)担体中のボリアの割合がB23として
3〜15重量%の範囲であり、(b)水銀圧入法で測定し
た担体の平均細孔直径が80〜110μmの範囲にあ
り、(c)担体の平均細孔直径±10μmの範囲の直径の
細孔の合計容積量が担体の全細孔容積量の少なくとも6
0%以上であり、(d)活性金属としての周期律表VIa族
金属がクロム、モリブデン、タングステンであり、その
担持量が、酸化物換算で触媒全重量中の17〜28重量
%であり、(e)活性金属としての周期律表VIII族金属が
鉄、コバルト、ニッケルであり、その担持量が、酸化物
換算で触媒全重量中の3〜8重量%であり、(f)添加剤
が単糖類及び/又は二糖類であり、(g)添加剤の添加量
が活性金属として担持する周期律表VIa族金属とVIII族
金属との合計モル量の0.05〜1倍量である。
【0014】また、好ましくは周期律表VIa族金属とし
てモリブデンを用い、周期律表VIII族金属としてニッケ
ル及び/又はコバルトを用い、単糖類及び/又は二糖類
としてブドウ糖、果糖、麦芽糖、乳糖、ショ糖の群から
選ばれた少なくとも1種を用いるものである。
【0015】上記担体を製造する際に使用するボリア原
料としては、例えば、ホウ酸、四ホウ酸、ホウ酸アンモ
ニウムなどの水可溶性塩が挙げられ、アルミナ原料とし
ては、例えば、硝酸アルミニウム、硫酸アルミニウム、
塩化アルミニウム、アルミン酸ナトリウムなど及びこれ
らの水可溶性塩類が挙げられる。
【0016】さらに、上記触媒を製造する本発明の方法
は、活性金属成分として担持する周期律表VIa族金属
と、VIII族金属と、添加剤とを含む含浸液を上記担体に
含浸させ、乾燥のみを行うものである。
【0017】
【作用】本発明の担体はボリアとアルミナから主として
構成するが、担体中のボリアの割合がB23として3〜
15重量%の範囲でないと脱窒素活性について飛躍的の
向上が認められない。よって、この脱窒素活性の向上は
担体の持つ酸特性効果であると考えられる。
【0018】触媒としてみた場合、脱硫及び脱窒素に有
効な細孔径を有する細孔をできるだけ多くし、かつ他の
有害な反応を抑制する細孔分布とすることが必要であ
る。そのためには、前記担体の細孔構造を、水銀圧入法
で測定される平均細孔直径が80〜110μmの範囲と
することが必要である。そして、平均細孔直径±10μ
mの直径の細孔の合計容積が全細孔容積の少なくとも6
0%とすることが必要である。そうすることにより、初
めて最終的に得られる乾燥触媒の水素化脱硫活性と水素
化脱窒素活性とが共に向上するからである。
【0019】上記担体の平均細孔直径が80μmより小
さいときは反応物質の触媒粒子内での拡散抵抗が大きく
なる。その結果、実質的な反応面積が低下し、水素化脱
硫活性と水素化脱窒素活性が共に低下する。一方、平均
細孔直径が110μmより大きいと、反応物質が一度に
多量に細孔内に侵入し、細孔内で過剰に水素化反応が生
じることになる。そして、反応生成物である炭素質物質
が過剰に析出し、結果的に水素化脱硫活性と水素化脱窒
素活性とが共に低下する。
【0020】また、上記担体の平均細孔直径±10μm
の細孔の占める容積が全細孔容積の60%未満のとき、
即ち細孔の直径分布が特定の範囲に集中していないとき
には、たとえ平均細孔直径が80〜110μmの範囲に
入っていたとしても、炭化水素油の水素化脱硫、脱窒素
反応に有効な細孔が減少するので両活性が低下する。
【0021】活性金属の担持量が少ないと水素化脱硫脱
窒素活性が得られず、一方担持量が必要以上に過剰であ
っても、水素化脱硫、脱窒素活性のさらなる増加は見込
まれない。本発明においてVIa族金属の添加量を酸化物
換算で触媒全重量中の17〜28重量%、VIII族金属の
添加量を酸化物換算で3〜8重量%とするのはこれを考
慮したものである。
【0022】添加する単糖類及び/又は二糖類について
も同様の観点より添加量が定められている。しかし、上
限については、含浸液の粘度に注目して決定している。
即ち、含浸液の粘性が高くなると、活性金属や添加剤が
担体の外表面だけのみに担持され、細孔内部まで均一に
担持できなくなるからである。
【0023】また、単糖類及び/又は二糖類としてはブ
ドウ糖、果糖、麦芽糖、乳糖、ショ糖から構成される群
から選ばれた少なくとも1種とすることが好ましい。
【0024】ところで、前記したような細孔分布が狭く
平均細孔径が所望値のボリアとアルミナから主として構
成される担体は、例えば、混合法などの一般的な担体製
造法によって製造し得るものである。よって、そのよう
な市販の担体を本発明の触媒用担体として用いても良
い。ちなみに、この担体の一般的製造方法の概要を示す
と以下のようになる。
【0025】(a)硫酸アルミニウム水溶液とアルミン酸
ナトリウム水溶液とを混合し、アルミナ水和物スラリー
を得る。 (b)アルミナ水和物スラリーを濾過し、洗浄してNa2
として0.05重量%、SO4 2+として0.20重量%
含むアルミナ水和物を得る。 (c)アルミナ水和物に、担体としたときのボリア含有量
がB23として3〜15重量%となるように、ホウ酸水
溶液を添加する。 (d)得た混合物を成型可能な水分まで捏和し、十分可塑
化させた後、円筒状、球状、三つ葉型、四つ葉型など一
般的な触媒担体として所望の型形状に成型する。
【0026】(e)成型体を乾燥し、ついで焼成する。 尚、(a)の混合時にグルコン酸、酒石酸等の有機酸を添
加すると、細孔分布を特定の範囲に集中した触媒を得る
ためには効果的であることも知られている。
【0027】このようにして得られた所望の細孔構造を
持った担体に活性金属成分と単糖類及び/又は二糖類の
中から選ばれた少なくとも1種を担持させるには、例え
ば三酸化モリブデン及び炭酸ニッケル、あるいは炭酸コ
バルトを水に懸濁させたスラリーに、クエン酸、酒石酸
等の有機酸を添加して加熱溶解し、得た水溶液にブドウ
糖を添加して、含浸液量全量がボリアとアルミナから成
る担体に丁度吸着可能な量になるように調節し、これを
全量担体に吸着させ、次いで200℃以下で乾燥する。
乾燥温度を200℃以下とするのは担持した単糖類や二
糖類の分解を防止するためである。
【0028】本発明の方法で調製された触媒は、炭化水
素油の水素化脱硫脱窒素反応において、酸化物担体に活
性金属を担持し、乾燥あるいは乾燥し焼成する従来技術
の触媒製造方法で得る触媒に硫化処理を施したものより
優れた活性を示す。その理由は定かではないが、活性金
属種に添加した単糖類及び/又は二糖類の配位能力は低
く錯イオンの形成は考えにくく、むしろ含浸後の乾燥工
程でボリアとアルミナから成る担体の細孔表面に均一に
分散し、固定され、硫化処理工程で活性金属成分が硫化
物形態に変わる際、生成する金属硫化物粒子の凝集が防
止でき、該硫化物の粒径が小さく且つ高分散状態になっ
ているためではないかと考えられる。
【0029】
【実施例】次ぎに、本発明の実施例と比較例について具
体的に述べる。 (実施例1) (a)触媒担体の調製 内容積100リットルの攪拌機付きステンレス製反応槽に、
水49.5リットルと濃度50%のグルコン酸溶液(和光純
薬工業株式会社製)204gを入れ、70℃まで加温し
保持し、攪拌しながら硫酸アルミニウム水溶液(株式会
社島田商店販売の8%硫酸バンド)9540gとアルミ
ン酸ナトリウム水溶液(住友化学工業株式会社製NA−
170)6230gとを反応槽に入れ、pH8.8のア
ルミナ水和物スラリーを得た。次ぎにこのスラリーを3
0分間熟成した後、濾過・洗浄してアルミナ水和物ケー
キを得た。このアルミナ水和物ケーキの5000g(A
23として1000g)にホウ酸197g(B23
して111g)を加え、加温ジャケット付きニーダ中で
加熱捏和した。そして、B23+Al23として63重
量%の可塑性のある捏和物を得た。次いで、この捏和物
を押し出し成型機で、直径1.5mmのシリンダー状に
押出し成型した。得た成型体を、乾燥し、電気炉を用い
て800℃で2時間焼成してB23として10重量%を
含むボリア−アルミナ担体Aを得た。
【0030】次ぎにホウ酸の添加量を18、55、31
2、443gとし、上記と同様にしてB23として1重
量%含むボリア−アルミナ担体Bと、3重量%含むボリ
ア−アルミナ担体Cと、15重量%含むボリア−アルミ
ナ担体Dと、B23として20重量%含むボリア−アル
ミナ担体Eとを得た。
【0031】担体A、B、C、D、Eについて水銀圧入
法で細孔構造を測定した結果、担体A、C、Dいずれも
平均細孔径は100±5μmの範囲であり、平均細孔直
径±10μmの範囲の直径の細孔の合計容積量が全細孔
容積量の60%以上となっていた。しかし、担体B、E
は、いずれも平均細孔径は95±10μmの範囲であ
り、平均細孔直径±10μmの範囲の直径の細孔の合計
容積量が全細孔容積量の60%以上を占めていた。
【0032】次ぎに、前記アルミナ水和物ケーキ250
0gを加温ジャケット付きニーダー中で加熱捏和し、A
l2O3濃度として60重量%の可塑性のある捏和物を
得、次いでこの捏和物を直径1.5mmのシリンダー状
に押出し成型し、乾燥し、電気炉で500℃で2時間焼
成してアルミナ担体Fを得た。
【0033】担体Fについて水銀圧入法で細孔構造を測
定した結果平均細孔径は100μmであり、平均細孔直
径±10μmの範囲の直径の細孔の合計容積量が全細孔
容積量の65%であった。
【0034】次ぎに、アルミナ水和物スラリーを得る際
にグルコン酸を添加しなかったこと以外は前記した方法
と同様にしてボリアを、B23として10重量%含むボ
リア−アルミナ担体Gを得た。
【0035】担体Gについて水銀圧入法で細孔構造を測
定した結果平均細孔径は97μmであり、平均細孔直径
±10μmの範囲の直径の細孔の合計容積量が全細孔容
積量の45%であった。
【0036】次ぎに、担体Aを得た方法とほぼ同様の方
法で得た成型乾燥体の焼成温度を500、900℃と変
化させてB23として10重量%含むボリア−アルミナ
担体H、Iを得た。
【0037】担体H、Iについて水銀圧入法で細孔構造
を測定した結果平均細孔径はそれぞれ73、115μm
であり、平均細孔直径±10μmの範囲の直径の細孔の
合計容積量が全細孔容積量のそれぞれ64、63%であ
った。
【0038】(b)触媒の調製 表1に示された所定量の三酸化モリブデンと、炭酸ニッ
ケルまたは炭酸コバルトとを水50gに懸濁し、酒石酸
2.0gを添加して加熱して溶解した後、添加剤として
のブドウ糖あるいはショ糖を添加し、十分攪拌混合し、
担体の吸水量に見合う液量に水で液量調節して含浸液を
作成し、各担体100gに含浸させ、2時間放置後11
0℃で16時間乾燥して、触媒J(実施例1)、K(比
較例1)、L(実施例2)、M(実施例3)、N(比較
例2)、O(比較例3)、P(比較例4)、Q(比較例
5)、R(比較例6)、S(実施例4)、T(実施例
5)、U(比較例7)、V(実施例6)、W(実施例
7)、X(実施例8)、Y(実施例9)、Z(従来例)
を得た。
【0039】 (*1) 活性金属合計モル量に対する倍率で示した。
【0040】(c)触媒の予備硫化 第1表に示した各種の触媒について触媒充填量15ml
の固定床流通反応装置を用い、硫化剤としてジメチルジ
サルファイドを2.5重量%添加した軽油で水素/油供
給比200Nl/l、LHSV=1.0hr-1、圧力2
0Kg/cm2Gの条件下100℃から316℃まで7
時間かけて昇温し、316℃で18時間通油して予備硫
化を行った。
【0041】(d)水素化脱硫脱窒素試験 触媒の評価は硫黄分1.15重量%、窒素分68重量p
pmのクエート常圧軽油を用い反応条件は圧力30Kg
/cm2G、LHSV=2.0hr-1,水素/油供給比
300Nl/l,反応温度360℃で行った。
【0042】反応開始から50時間後の処理油中の硫黄
分及び窒素含有量を分析して脱硫活性、脱窒素活性を求
め結果を表2に示した。
【0043】尚、硫黄分の分析は(株)堀場製作所製S
LFA−920型を用い、窒素分の分析は三菱化成
(株)製TN−05型を用いて行った。
【0044】第2表に示す脱硫活性は触媒Zを100と
した時の反応速度定数の相対活性値で示すこととし、速
度次数は脱硫反応速度が原料油の硫黄濃度の1.75乗
に比例するものとして下記数1に従い算出した。
【0045】
【数1】 Km=LHSV・(1/n−1)・{(1/Sn-1)−(1/So n-1)}
【0046】ただし、 nは速度次数1.75 LHSVは液空間速度(hr-1) Sは処理油中の硫黄濃度(%) Soは原料油中の硫黄濃度(%) である。
【0047】また脱窒素活性も触媒Zを100とした時
の反応速度定数の相対活性値で示すこととし、速度次数
は脱窒素反応速度が原料油の窒素濃度の1.0乗に比例
するものとして下記数2に従い算出した。
【0048】
【数2】Km=LHSV・1n(No/N)
【0049】ただし、 LHSVは液空間速度(hr-1) Noは処理油中の窒素濃度(%) Nは原料油中の窒素濃度(%) である。
【0050】
【0051】表2の結果から見ると触媒J、L、Mは酸
化物に換算したモリブデン、ニッケルの含有量及びブド
ウ糖の添加量がそれぞれ同一であり、担体のボリアとア
ルミナの組成比、平均細孔直径、担体の平均細孔直径±
10μmの直径の細孔の合計容積量の全細孔容積量にた
いする割合、及び活性金属担持量に関して、いずれも本
発明の範囲内であり、高い水素化脱硫脱窒素活性を示す
ことが明らかである。
【0052】触媒Oは活性成分の担持量、ブドウ糖の添
加量、平均細孔直径、及び担体の平均細孔直径±10μ
mの直径の細孔の合計容積量の全細孔容積量に対する割
合に関してはいずれも本発明の範囲に入る。しかし、担
体成分中にボリアが含まれていないため、水素化脱硫活
性は高いが、脱窒素活性が低い値を示している。
【0053】触媒Pは活性成分の担持量、ブドウ糖の添
加量、担体のボリアとアルミナ組成比については本発明
の範囲に入る。しかし、担体の平均細孔直径±10μm
の直径の細孔の合計容積量が全細孔容積量の45%しか
なく細孔分布が広く本発明の範囲には入らない。そのた
め、水素化脱硫脱窒素活性は触媒Jのそれより低い値を
示している。
【0054】触媒Q、Rは担体のボリアとアルミナ組成
比、平均細孔直径±10μmの直径の細孔の合計容積量
の全細孔容積量に対する割合、活性成分の担持量、ブド
ウ糖の添加量に関してはいずれも本発明の範囲に入る。
しかし、担体の平均細孔直径が本発明の範囲外であるた
め、水素化脱硫脱窒素活性は触媒Jのそれより低い値を
示している。
【0055】触媒K、Nは担体の平均細孔直径、担体の
平均細孔直径±10μmの直径の細孔の合計容積量の全
細孔容積量に対する割合、活性成分の担持量及びブドウ
糖の添加量に関してはいずれも本発明の範囲に入る。し
かし、担体のボリアとアルミナ組成比が本発明の範囲外
であるため、水素化脱硫脱窒素活性は触媒Jのそれより
低い値を示している。
【0056】触媒S、Tは担体のボリアとアルミナ組成
比、平均細孔径、担体の平均細孔直径±10μmの直径
の細孔の合計容積量の全細孔容積量に対する割合、及び
ブドウ糖の添加量に関しては本発明の範囲を満足する。
しかし、触媒Sは触媒Jに比較しモリブデン量を減ら
し、ニッケル量を増した触媒である。また、触媒Tは触
媒Jに比較しモリブデン量と、ニッケル量とを減らした
触媒である。しかし、共に本発明の範囲内であり十分に
高い水素化脱硫脱窒素活性を示している。
【0057】触媒Uは触媒Jに比較しモリブデン量とニ
ッケル量とを減らした触媒であるが、活性金属含有量が
本発明の範囲外であるため水素化脱硫脱窒素活性は共に
低い値を示している。
【0058】触媒V、Wは担体でのボリアとアルミナ組
成比、平均細孔径、担体の平均細孔直径±10μmの直
径の細孔の合計容積量の全細孔容積量に対する割合、活
性金属担持量、ブドウ糖の添加量に関しては本発明の範
囲に入るものである。これらの触媒は共にブドウ糖の担
持量を変化したものであるが、この触媒V,Wの水素化
脱硫脱窒素活性は触媒Jのそれと同等の値を示してお
り、ブドウ糖の添加量が担持活性金属のモル量の0.0
5〜1倍量の範囲内であれば高い活性を示すことが明ら
かである。
【0059】触媒Xは担体でのボリアとアルミナ組成
比、平均細孔径、担体の平均細孔直径±10μmの直径
の細孔の合計容積量の全細孔容積量に対する割合、活性
金属担持量、ブドウ糖の添加量に関しては本発明の範囲
に入るものである。そして、活性金属としてモリブデン
とコバルトとを担持したものである。ニッケルの変わり
にコバルトを担持しても、水素化脱硫脱窒素活性が高い
ことが明らかである。
【0060】触媒Yは担体でのボリアとアルミナ組成
比、平均細孔径、担体の平均細孔直径±10μmの直径
の細孔の合計容積量の全細孔容積量に対する割合、活性
金属担持量に関しては本発明の範囲に入るものである。
そして、活性金属溶液にショ糖を添加し担持したもので
あるが、ブドウ糖の変わりにショ糖を添加しても、水素
化脱硫脱窒素活性が高いことが明らかである。
【0061】触媒Zは担体でのボリアとアルミナ組成
比,平均細孔径及び細孔分布,活性金属担持量に関して
は本発明の範囲に入るものであるが、糖類が無添加の触
媒で、この触媒の脱硫脱窒素活性を100とした。
【0062】
【発明の効果】本発明の触媒は従来提案されている触媒
に比べ効率良く水素化脱硫と水素化脱窒素とを同時に行
うことができる。従って、本発明の触媒を使用すれば硫
黄含有量、窒素含有量の低い燃料油を安価に、かつ簡単
に製造することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山口 英治 千葉県 市川市 中国分 3−18−5 住 友金属鉱山株式会社中央研究所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ボリアとアルミナを主成分とする酸化
    物担体と、活性金属としての周期律表VIa族金属とVIII
    族金属と、添加剤とから基本的に構成される触媒であ
    り、以下の特徴を持つ水素化脱硫脱窒素用触媒。 (a)担体中のボリアの割合がB23として3〜15重量
    %の範囲であり、(b)水銀圧入法で測定した担体の平均
    細孔直径が80〜110μmの範囲にあり、(c)担体の
    平均細孔直径±10μmの範囲の直径の細孔の合計容積
    量が担体の全細孔容積量の少なくとも60%以上であ
    り、(d)活性金属としての周期律表VIa族金属の担持量
    が、酸化物換算で触媒全重量中の17〜28重量%であ
    り、(e)活性金属としての周期律表VIII族金属の担持量
    が、酸化物換算で触媒全重量中の3〜8重量%であり、
    (f)添加剤が単糖類及び/又は二糖類であり、(g)添加剤
    の添加量が活性金属として担持する周期律表VIa族金属
    とVIII族金属との合計モル量の0.05〜1倍量であ
    る。
  2. 【請求項2】 活性金属としての周期律表VIa族金属
    がクロム、モリブデン、タングステンの中の少なくとも
    1種であり、周期律表VIII族金属が鉄、コバルト、ニッ
    ケルの中の少なくとも1種である請求項1記載の水素化
    脱硫脱窒素用触媒。
  3. 【請求項3】 添加剤がブドウ糖、果糖、麦芽糖、乳
    糖、ショ糖の群から選ばれた少なくとも1種である請求
    項1または2記載の水素化脱硫脱窒素用触媒。
  4. 【請求項4】 ボリアとアルミナを主成分とする酸化
    物担体と、活性金属としての周期律表VIa族金属とVIII
    族金属と、添加剤とから基本的に構成される触媒であ
    り、請求項1〜3記載のいずれかの水素化脱硫脱窒素用
    触媒を製造する方法において、酸化物担体に、所定量の
    活性金属と、添加剤とを含む含浸液を含浸させ、200
    ℃以下で乾燥のみを行うことを特徴とする水素化脱硫脱
    窒素用触媒の製造方法。
JP5309081A 1993-12-09 1993-12-09 水素化脱硫脱窒素用触媒及びその製造方法 Pending JPH07155615A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5309081A JPH07155615A (ja) 1993-12-09 1993-12-09 水素化脱硫脱窒素用触媒及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5309081A JPH07155615A (ja) 1993-12-09 1993-12-09 水素化脱硫脱窒素用触媒及びその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH07155615A true JPH07155615A (ja) 1995-06-20

Family

ID=17988663

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5309081A Pending JPH07155615A (ja) 1993-12-09 1993-12-09 水素化脱硫脱窒素用触媒及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH07155615A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016104718A (ja) * 2014-11-20 2016-06-09 花王株式会社 脂肪酸エステルの製造方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016104718A (ja) * 2014-11-20 2016-06-09 花王株式会社 脂肪酸エステルの製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN100496719C (zh) 一种重质馏分油加氢处理催化剂及其制备方法
WO2003000410A1 (fr) Catalyseur pour hydrogenation de gas-oil, procede de preparation dudit catalyseur et procede d'hydrogenation de gas-oil
RU2569682C2 (ru) Состав и способ приготовления носителя и катализатора глубокой гидроочистки углеводородного сырья
US3977961A (en) Heavy crude conversion
CN1056784C (zh) 一种馏分油加氢处理催化剂及其制备方法
US4014821A (en) Heavy crude conversion catalyst
US3977962A (en) Heavy crude conversion
US3985684A (en) Heavy crude conversion
JPH07155603A (ja) 水素化脱硫脱窒素用触媒及びその製造方法
JP2567260B2 (ja) ヒドロゲルから水素処理触媒を製造する方法
JP3106761B2 (ja) 炭化水素油の水素化脱硫脱窒素用触媒及びその製造方法
US3989645A (en) Process for preparing a heavy crude conversion catalyst
JP2711871B2 (ja) ヒドロゲルから水素処理触媒を製造する方法
JPH0661464B2 (ja) 重質炭化水素油の水素化脱硫脱窒素用触媒
US3993601A (en) Process for preparing a heavy crude conversion catalyst
JPH07155615A (ja) 水素化脱硫脱窒素用触媒及びその製造方法
US3993598A (en) Process for preparing a heavy crude conversion catalyst
RU2610869C2 (ru) Катализатор гидропереработки и способы получения и применения такого катализатора
JP3538887B2 (ja) 炭化水素油の水素化処理用触媒とその製造方法
US3993599A (en) Process for preparing a heavy crude conversion catalyst
JP2817622B2 (ja) 水素化脱硫脱窒素用触媒及びその製造方法
JP2556343B2 (ja) ヒドロゲルからの水添処理触媒の製造方法
JP2817558B2 (ja) 炭化水素油の水素化脱硫脱窒素用触媒及びその製造方法
JP3303533B2 (ja) 炭化水素油の水素化処理用触媒とその製造方法
JP2920186B2 (ja) 炭化水素油の水素化脱硫脱窒素用触媒の製造方法