JPH07155594A - 吸水性複合体およびその製造方法 - Google Patents
吸水性複合体およびその製造方法Info
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- JPH07155594A JPH07155594A JP5306521A JP30652193A JPH07155594A JP H07155594 A JPH07155594 A JP H07155594A JP 5306521 A JP5306521 A JP 5306521A JP 30652193 A JP30652193 A JP 30652193A JP H07155594 A JPH07155594 A JP H07155594A
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Abstract
主成分とする不織布ウェブからなる第一層と、第一層よ
りも著しく水分保有度の高い、形態安定化された高吸水
性ポリマーシートからなる第二層とが一体化されて、厚
さ方向に吸水能力勾配をもつ吸水性複合体。 【効果】 第一層に供給された液体は第一層に瞬間的に
受容されるが、ここに保有されることなく速やかに通過
し、第二層に吸い込まれて安定に吸収されるので、第一
層は常に次の排泄を待機している状態になり、オムツお
よび生理用ナプキンを含む多くの用途に有利に利用でき
る。
Description
関し、さらに詳しくは、薄くて柔軟なシート状の形態を
もちながら、大きい液体吸収性を有する新規なシート状
複合吸収体、およびこのようなシート状複合吸収体を製
造する方法に関する。このシート状複合吸収体は、衛生
用品、とくに生理用品やオムツ等に有利に使用すること
ができる。
収体製品に用いられている素材は、まず上面から表面シ
ート(トップシート)とその下に配置される吸収部材、
そして防漏機能を有するフィルムとから構成されてい
る。
材パルプの解織物いわゆるフラッフ状パルプと粉体状の
高吸収性樹脂(SAP)の混合体が一般的に使用されて
きた。しかし最近の省資源、物流効率の改善等の世論の
要請と同時に、着用感の向上を狙って、より超薄型化、
超コンパクト化した製品への市場要請が高くなってきて
いる。
収体としては、シート状吸収体を多層に使用することが
行われている。これらの吸収体は、液体の拡散と一時貯
留性を目的とする層(トランスファーシートあるいはセ
カンダリーシートと呼称されている)と、SAPおよび
フラッフパルプの構造化シート(主吸収体層)との組合
せからなっている。
特開平4−27226号公報に記載されているような、
表面親水性化した不織布ウェブ、あるいはレーヨン、コ
ットン等のセルロース系の不織布、エアーレイドされた
パルプを結合剤で形態安定化したもの等が使用され、そ
の下層にSAP/パルプ混合体をティッシュや不織布で
被覆して主吸収体層が形成される。
してより着用性に優れた吸収体製品の開発が推進されて
いるのが現状である。
ような従来技術にもとづく層構成では、共通の欠点とし
て、多層化シートの層相互間の連結がなされていないこ
と、および主吸収体層の形態安定性が不十分であること
から、吸収体の利用効率がまだまだ不十分であり、また
液体の吸収後に構造がバラバラになり易いという欠点が
ある。
欠点をなくし、液体の吸収効率がきわめて高く、そして
液体吸収後にも優れた形態安定性を保持することができ
るシート状複合吸収体を提供することである。
対して表面濡れ特性をもつ合成繊維を主成分とする不織
布ウェブからなる第一層と、前記第一層よりも著しく水
分保有度の高い、形態安定化された高吸水性ポリマーシ
ートからなる第二層とを備え、前記第一層および第二層
が結合一体化されていることを特徴とする、厚さ方向に
吸水能力勾配をもつ吸水性複合体が提供される。
の2層から構成され、この2層を安定に結合一体化して
なるものである。
合成繊維を主成分とする不織布ウェブ。
高い、形態安定化された高吸水性ポリマーシート。
から説明する。
つが、水分を吸収する能力はほとんどない合成繊維から
なり、水濡れ状態においても初期の形状を安定に保持す
る能力を有する。これに対して第二層は、第一層に比べ
て著しく大きい液体吸収能力を有する。
間に隙間を生じないように結合一体化されているので、
第一層と第二層との間には液体透過性能力の差、すなわ
ち吸水能力勾配が生じることになる。この吸水能力勾配
は、吸水性複合体が、第一層が人体の皮膚に近接した状
態で使用された場合、排泄された液体は第一層に瞬間的
に受容されるが、ここに保有されることなく速やかに通
過し、第二層に吸い込まれて安定に吸収される。第一層
は常に次の排泄を待機している状態になる。また第一層
と第二層との間の大きい吸水能力勾配により、第二層か
ら第一層への液体の逆流も確実に防止される。
適なシート状材料の一つは、ポリプロピレン繊維を主成
分とする密度の低いサーマルボンド不織布である。とく
にこの不織布に表面活性剤処理を施したものは、表面濡
れ特性が賦与されており、しかも湿潤状態でも乾燥状態
と同等の物理的強度と形態保持性を有するので、第二層
と結合することによって、たとえ第二層が吸水により軟
化もしくは保形性の低下を生じても、吸水性複合体とし
ては初期のシート状を安定して維持することができる。
料としては、ポリエチレンあるいはポリプロピレンの水
流交絡不織布、収縮加工した高収縮性ポリエステルを添
加した不織布、密度の低いポリエチレンまたはポリプロ
ピレン系樹脂を主成分とするスパンボンド等も使用可能
である。
とするため、極めて高い吸収性を持ち、少なくとも自重
の10倍以上、好ましくは30倍以上の吸水能力を有す
る。従って、第一層と比較すると、第二層は少なくと
も、第一層の3倍以上、好ましくは5倍以上の吸収量勾
配を有し、しかも湿潤時にも形態保持性を有する素材か
ら構成される。このような高吸収性層は、あらかじめ形
成されたシートを骨格にして、これに高吸収性ポリマー
を適宜の手段で一体化させることによって形成すること
ができる。
吸収性ポリマーの好適な例としては、ポリアクリル酸ソ
ーダ、カルボキシルメチルセルロース、ポリサッカライ
ド類などの架橋物がある。これらのポリマーをシート化
する方法としては、合成繊維の嵩高不織布を構成し、こ
の不織布にアクリル酸モノマーを含浸させたのち、この
モノマーを重合させる方法、あるいは高吸収性ポリマー
繊維と易熱融着性繊維とをカードによりウェブ化し、熱
処理により熱融着性繊維を部分的に溶融し、その結合力
により吸収性ポリマーシートを得る方法、等を採用する
ことができる。
ピレン乾式不織布、ポリプロピレンスパンボンド、ポリ
エチレンメルトブローンのような水に安定なネット状不
織布を使用し、これにアクリル繊維あるいはセルロース
繊維の前駆体ウェブを水流交絡させ、ついでこの繊維層
をアクリル繊維の場合には加水分解処理により、セルロ
ース繊維の場合にはカルボキシルメチル化および架橋処
理により高吸収化して高吸収性シートを得る方法であ
る。
湿潤状態でも安定であり、後述するように、第一層と第
二層との層間の結合に寄与させることができる。
状態は、厚さ方向に大きい吸収能力勾配をもつ吸水性複
合体としての性能を左右する重要な要素である。良好な
結合状態を得るために適用できる方法は、下記の3つの
方法に大別される。
両層を結合する方法:第一層に相当する、たとえばポリ
プロピレン繊維のカードウェブに、第二層に相当する、
たとえば表面をポリアクリル酸ソーダ処理して高吸収性
とした繊維ステープル(たとえば東洋紡績(株)社製商
品名「ランシール」)を重ね合わせ、この2つの層を水
流交絡により一体化する。
層を高吸収性にする方法:あらかじめ形成された第一層
に相当する、たとえばポリプロピレン繊維のカードウェ
ブに、第二層となるべき、たとえばアクリル繊維のカー
ドウェブ(ただし高吸収性処理されていない)を重ね合
わせ、この両層を水流交絡のような適宜の手段で結合し
て一体化されたウェブとし、このウェブのアクリル繊維
部分に対して加水分解処理を施して吸水性複合体とす
る。
性第二層を一体化する方法:ポリプロピレン繊維のカー
ドウェブのようなシートからなる第一層と、あらかじめ
高吸収性としたシートからなる第二層とを、適宜の手段
で一体化する。この一体化は、ホットメルト接着剤のよ
うな結合剤を使用して行うこともできるが、製品の吸収
性能を変化させるおそれのあるホットメルト接着剤を使
用しないという点で、熱圧着が最も有利である。この熱
圧着による一体化を容易にするために、第二層として、
たとえばポリプロピレンやポリエチレンのスパンボンド
等からなる易熱融着性のスパンボンドを骨格として用
い、これにカルボキシルメチル化および架橋処理した木
材パルプ繊維を交絡させ、その木材パルプ繊維部分をカ
ルボキシメチル化処理により高吸収性としたものを使用
することが好ましい。この場合、スパンボンド骨格は、
第二層の厚さ方向の中央ではなく、第一層に接する面に
近い位置に遍在していることが望ましい。
水性ポリマーシートは、繊維を化学的に処理して高吸収
性を賦与することによっても得ることができる。たとえ
ばアクリル繊維を部分加水分解処理してポリアクリル酸
塩となし、高吸収性としたものを有利に使用できる。あ
るいはセルロース繊維の場合には、これをカルボキシル
メチル化および架橋処理することにより高吸収性を賦与
することができる。このカルボキシメチル化の例につい
て以下に詳しく説明する。
る方法自体は、すでに広く知られている。基本的には水
酸化アルカリとモノクロロ酢酸塩を水あるいはイソプロ
ピルアルコールなどの溶媒中でセルロース系繊維に反応
させることにより行うことが可能である。
水酸化物が一般に用いられ、コストの面で水酸化ナトリ
ウムが好適である。モノクロロ酢酸塩としてはアルカリ
金属塩またはアンモニウム塩が用いられ、一般的にはモ
ノクロロ酢酸ナトリウム、及びモノクロロ酢酸カリウム
が用いられる。
限定はないが、予めセルロース系繊維に架橋剤を反応さ
せた後、カルボキシメチル化させても良いし、カルボキ
シメチル化を行う際に架橋剤を同時に作用させても良い
し、カルボキシメチル化を行った後で架橋剤を作用させ
ても良い。架橋剤としては、ホルムアルデヒド、及びグ
リオキザールなどのアルデヒド類;ジメチロールウレ
ア、ジメチロールエチレンウレア、及びジメチロールイ
ミダゾリドンなどのN−メチロール化合物類;蓚酸、マ
レイン酸、こはく酸、及びポリアクリル酸などの多価カ
ルボン酸類;エチレングリコールジグリシジルエーテ
ル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、及
びジエポキシブタンなどの多価エポキシ化合物類;ジビ
ニルスルホン、及びメチレンビスアクリルアミドなどの
ジビニル化合物類、ジクロロアセトン、ジクロロプロパ
ノール、及びジクロロ酢酸などの多価ハロゲン化合物
類;エピクロルヒドリン、エピプロモヒドリンなどのハ
ロヒドリン化合物類;並びに多価アジリジン化合物類な
どが使用できる。
反応条件により異なるが、対セルロース系繊維当り0.
1〜10重量%であることが好ましい。
ルロース系繊維の純水吸水量は、主にカルボキシメチル
基の置換度及び架橋密度によって決定される。純水吸水
量はカルボキシメチル基の置換度が高いほど理論的には
高くなるが、実用的には置換度が0.35〜1.6が適
当である。置換度を1.6を越えて高くしても、吸水量
はほぼ飽和してしまい、得られるシートのコストが高く
なるため不利となる。またカルボキシメチル化を行う際
に、セルロース分子の解重合が起こり、逆に吸水量が低
下するという現象が起こることがある。一方、置換度が
0.35未満では、十分な純水吸水量が得られない。
び架橋処理されたセルロースを主体とする層すなわち第
二層は、上に述べた第一層に、結合一体化されている。
この一体化は、繊維を主体とする複数のシートもしくは
ウェブを相互に接合するために一般に使用されている手
段、たとえば接着剤による接着、熱融着、高周波融着、
水流交絡、ニードルパンチ等の手段を用いて行うことが
可能であるが、好ましくは、第二層を構成する骨格繊維
の一部と、第一層の繊維部とを熱融着させることで行わ
れる。第一層と第二層との熱融着は、交絡結合とは異な
り、全面接着をすると、全体に剛性が高くなることか
ら、柔軟性を保つことと、拡散性のコントロールとを行
う意味から、部分的なパターンをもった結合を適用する
ことが望ましい。
複合体の斜視図、図2は図1のP−P’方向(MD方
向)における部分断面図、図3は図1のS−S’方向
(CD方向)における部分断面図である。図1〜図3に
おいて、第一層1と、第二層2は、適当な間隔で配置さ
れて互いに平行にMD方向に延びる複数の結合部3にお
いて相互に結合されている。図2に示すように各結合部
3の幅A、および隣接する結合部3間の間隔Bは自由に
設定できるが、幅Aは1〜5mm、間隔Bは5〜20m
m程度が適当である。
に、吸水性複合体の全面にわたって延びていてもよく、
あるいは図4(B)に示すように、周辺部を除いて設け
てもよい。また吸水性複合体が生理用ナプキンのような
特定の用途に使用される場合には、図4(C)に示すよ
うに、最も大きい吸収力を有することが望まれる楕円形
の中央部(スイートスポット)4部分以外の部分に結合
部3を設けてもよい。また結合部3は、図4(D)に示
すように、中央部4を囲む1または複数のリング状に配
置することもできる。
層からなる本発明の吸水性複合体は、第一層が有してい
る比較的小さい水分保有度と、第二層が有している著し
く高い水分保有度のために、厚さ方向に急峻な吸水能力
勾配をもつことになる。この吸水能力勾配は、第一層上
に液体が供給されたときに、この液体を第一層から第二
層に速やかに移動させ、ついで第二層に安定に保持させ
るように働く。したがって本発明の吸水性複合体が、た
とえば生理用ナプキンの吸収体として使用された場合、
十分に大きい吸収能力を示すとともに、皮膚に接触して
いる第一層はほとんど水分を保有していないために、き
わめて良好な肌触りを与える。また第二層が大量の水分
を吸収して膨潤した状態となっても、これに接合されて
いる第一層は乾燥時と同等の強度を保持しているので、
吸水性複合体全体としての形状はきわめて安定してい
る。
する。
量、湿潤引張り強さ、及びカルボキシメチル基置換度
は、以下に述べる方法により測定した。
方の供試試料4枚を、10cm×10cm平方の250
メッシュナイロンワイヤー製の袋に封入し、これをイオ
ン交換樹脂を通して脱イオンした水を蒸留して得た純水
中に10分間浸漬して吸水させ、次いで、これを引き上
げて吊り下げ、10分間水切りを行った後、供試試料の
重量を測定し、供試試料1g当たり吸収した純水の重量
(g)をもって吸水量を表示した。
方法に従い、25mm幅の試験片を用いて縦方向の値を
測定した。
×2.5cm平方の供試試料4枚を60℃の真空乾燥器
中で4時間乾燥した後、重量を測定し、この値から合成
繊維不織布の重量を差し引いた値を、複合シート中のカ
ルボキシメチルセルロース重量とした。重量測定後の試
料をシャーレに移し、メタノール塩酸溶液(70重量%
メタノール水溶液に塩化水素を1モル/リットルの濃度
になるように溶解した混合液)50mlを添加し、1時
間放置した後、メタノールで充分洗浄して塩酸を完全に
除去し、風乾した。次いで、風乾した試料を300ml
容の三角フラスコに入れ、0.1規定の水酸化ナトリウ
ム溶液約20mlと純水100mlを添加して1時間ゆ
っくり撹拌した後、0.1規定塩酸でフェノールフタレ
インを指示薬として滴定し、次式により置換度を計算し
た。
(ml) B:0.1規定塩酸の量(ml) Y:カルボキシメチル基量(ミリ当量) W:カルボキシメチルセルロース重量(g) (実施例1)坪量30g/m2のポリプロピレン繊維の
ステープル(2.2d×51mm)からなるカードウェ
ブを用意した。一方、坪量40g/m2のポリノジック
繊維のステープル(1.5d×45mm)からなるカー
ドウェブを用意した。
80kg/cm2の高圧柱状水流を噴射して、カードウ
ェブの繊維と繊維ステープルとを交絡、一体化させて積
層シートを得た。
m(重量4g)の寸法に切断し、水酸化ナトリウム1
0.4重量%、モノクロロ酢酸カリウム34.6重量
%、エピクロルヒドリン1.0重量%、水54.0重量
%からなる混合液中に一分間浸漬した後、濾紙の間に挟
んでプレスし、複合シート1g当たり2gの混合液が付
着するようにした。これをポリエチレン製の袋に入れ、
60℃に保った乾燥器に4時間入れてポリノジック繊維
部のカルボキシメチル化と架橋を行った。
漬し、濾紙の間に挟んでプレスする操作を4回繰り返
し、積層シートを十分洗浄した。最後に100%メタノ
ールに浸漬し、濾紙の間に挟んでプレスした後、風乾し
て吸水性不織布を得た。なお、得られた吸水性不織布中
のポリノジック繊維部のカルボキシメチル基の置換度は
0.47であった。
示すような構造をもつ。図5において、符号11はポリ
プロピレン繊維のステープルからなる層、12はカルボ
キシルメチル化されたポリノジック繊維の層を示す。
したのちには、その構造は図6に示すように変化した。
この吸水性複合体の純水吸水量は35g/gであり、乾
燥状態での引張強度(MD)は4.5kgf、湿潤強度
は3.0kgfで、乾燥強度比は約67%であった。ま
たこの吸水状態において、吸水前とほぼ同じ形状を保持
していた。
5mm)60部、ポリプロピレンとポリエチレンのシー
スコア型複合繊維ステープル(2.0d×45mm)4
0部の混合繊維から25g/m2カードウェブを調製
し、このウェブを130℃の熱風乾燥機を通過せること
により乾燥させて乾式不織布とし、これを第一層とす
る。
レンスパンボンド不織布(繊度2.5デニール)に、針
葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)を80g/m2の量
になるように水流交絡させ、複合シートを作製した。得
られた複合シートを20cm×30cm(重量5.4
g)の寸法に切断し、水酸化ナトリウム10.4重量
%、モノクロロ酢酸カリウム34.6重量%、エピクロ
ルヒドリン1.0重量%、水54.0重量%からなる混
合液中に一分間浸漬した後、濾紙の間に挟んでプレス
し、複合シート1g当たり2gの混合液が付着するよう
にした。これをポリエチレン製の袋に入れ、60℃に保
った乾燥器に4時間入れてNBKPのカルボキシメチル
化と架橋を行った。
漬し、濾紙の間に挟んでプレスする操作を4回繰り返
し、複合シートを十分洗浄した。最後に100%メタノ
ールに浸漬し、濾紙の間に挟んでプレスした後、風乾し
て吸水性不織布を得た。なお、得られた吸水性不織布中
のNBKPのカルボキシメチル基の置換度は0.47で
あった。
二層を重ね合わせ、140℃に加熱された溝付ロール対
の間を通過させて熱圧着させて、図4に示すような波形
のパターンを有する吸水性複合体を得た。
/g不織布、第二層の純水吸水量は35g/g吸収体で
あった。また得られた吸水性複合体の純水吸水量は27
g/g複合体であった。
燥時の引張強度(MD)は5.5kgf、純水に10分
間浸漬したのちの湿潤引張強度(MD)は4.0kgf
であった。したがって乾湿強度比は約72%であり、こ
の吸水性複合体は吸水状態においても、吸水前とほぼ同
じ形状を保持していた。
織布(ファイバーテック社製商品名「ウルトラドライソ
フト」)を用意する。この不織布の純水吸水量は5.2
g/g不織布であった。
高吸水性繊維ステープル(東洋紡製商品名「ランシー
ル」)75部に、易溶融繊維としてポリプロピレン/ポ
リエチレンのシースコア型複合繊維ステープル(2.0
d×45mm)25部を添加し、坪量50g/m2の混
合繊維カードウェブを調製した。このウェブを135℃
の熱風乾燥機を通過せることにより乾燥させて高吸収性
シートを作成し、これを第二層とする。この第二層の純
水吸水量は25g/g不織布であった。
二層を重ね合わせ、表面温度150℃に加熱された溝付
ロールとフラットロールからなるペアロールを通過させ
て熱圧着させて、図4に示すような波形のパターンを有
する吸水性複合体を得た。
g/g複合体であった。この複合体の乾燥時の引張強度
(MD)は6.2kgf、純水に10分間浸漬したのち
の湿潤引張強度(MD)は4.0kgfであった。した
がって乾湿強度比は約65%であった。
得られた吸水性複合体を、トップシートおよびバックシ
ート間に配置して、全体の厚さが約1.0mmの生理用
ナプキンを作成した。各ナプキンをテストしたところ、
優れた吸水性を示し、しかも吸水後も表面がきわめてド
ライな状態を保ち、生理用ナプキンとして優秀な性能を
有していた。
合体は、水分に対して表面濡れ特性をもつ合成繊維を主
成分とする不織布ウェブからなる第一層と、第一層より
も著しく水分保有度の高い、形態安定化された高吸水性
ポリマーシートからなる第二層とが結合一体化された構
成を有しているので、第一層に供給された液体は第一層
に瞬間的に受容されるが、ここに保有されることなく速
やかに通過し、第二層に吸い込まれて安定に吸収され
る。したがって第一層は常に次の排泄を待機している状
態になり、オムツおよび生理用ナプキンを含む多くの用
途においてシート吸収体として有利に利用できる。
示す斜視図。
水性複合体に設けられる結合部パターン例を示す平面
図。
を示す部分縦断面図。
縦断面図。
Claims (11)
- 【請求項1】 水分に対して表面濡れ特性をもつ合成繊
維を主成分とする不織布ウェブからなる第一層と、前記
第一層よりも著しく水分保有度の高い、形態安定化され
た高吸水性ポリマーシートからなる第二層とを備え、前
記第一層および第二層が結合一体化されていることを特
徴とする、厚さ方向に吸水能力勾配をもつ吸水性複合
体。 - 【請求項2】 前記第一層および前記第二層が水流交絡
により相互に結合されている請求項1に記載の吸水性複
合体。 - 【請求項3】 前記第一層の主成分である合成繊維が、
水濡れ特性を付与した易熱融着性繊維からなり、前記第
二層が、易熱融着性のネット状不織布を骨格とし、これ
に高吸水性ポリマー繊維を複合させたものからなり、前
記第一層および前記第二層が熱融着により一体化されて
いることを特徴とする請求項1に記載の吸水性複合体。 - 【請求項4】 前記第一層が、ポリプロピレン繊維のウ
ェブからなり、前記第二層がポリプロピレンスパンボン
ドの骨格と、これに複合された高吸収性処理された繊維
とからなる請求項3に記載の吸水性複合体。 - 【請求項5】 前記高吸収性処理された繊維が、加水分
解されたアクリル繊維、またはカルボキシルメチル化お
よび架橋処理されたセルロース繊維である請求項4に記
載の吸水性複合体。 - 【請求項6】 前記第二層の吸水能力が、前記第一層の
吸水能力の3倍もしくはそれ以上である請求項1〜5の
いずれか1項に記載の吸水性複合体。 - 【請求項7】 湿潤時の強度が乾燥時の強度の50%以
上である請求項1〜6のいずれか1項に記載の吸水性複
合体。 - 【請求項8】 厚さ方向に吸水能力勾配をもつ吸水性複
合体を製造する方法であって、 水分に対して表面濡れ特性をもつ合成繊維を主成分とす
る不織布ウェブからなる第一層を準備する工程と、 前記第一層よりも著しく水分保有度の高い、形態安定化
された高吸水性ポリマーシートからなる第二層を準備す
る工程と、 前記第一層および前記第二層の繊維を相互に交絡させる
ことにより層間に隙間を生じないように一体化する工程
と、を備えたことを特徴とする方法。 - 【請求項9】 前記第二層を準備する工程が、ポリプロ
ピレン繊維を主成分とする骨格に、前駆体繊維を水流交
絡により結合することにより得られた複合不織布に、高
吸収性処理を施すことからなる請求項8に記載の方法。 - 【請求項10】 厚さ方向に吸水能力勾配をもつ吸水性
複合体を製造する方法であって、 水分に対して表面濡れ特性をもつ合成繊維を主成分とす
る不織布ウェブからなる第一層を準備する工程と、 易熱融着性の繊維からなる骨格と、この骨格に交絡した
高吸収性繊維とからなる、前記第一層よりも著しく水分
保有度の高い、形態安定化された高吸水性ポリマーシー
トからなる第二層を準備する工程と、 前記第一層および前記第二層を熱融着により結合して一
体化する工程と、を備えたことを特徴とする方法。 - 【請求項11】 前記骨格が、易融着性のスパンボンド
からなり、前記高吸収性繊維が、加水分解されたアクリ
ル繊維またはカルボキシルメチル化および架橋処理され
たセルロース繊維である請求項10に記載の方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30652193A JP3296521B2 (ja) | 1993-12-07 | 1993-12-07 | 吸水性複合体およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30652193A JP3296521B2 (ja) | 1993-12-07 | 1993-12-07 | 吸水性複合体およびその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH07155594A true JPH07155594A (ja) | 1995-06-20 |
JP3296521B2 JP3296521B2 (ja) | 2002-07-02 |
Family
ID=17958031
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP30652193A Expired - Lifetime JP3296521B2 (ja) | 1993-12-07 | 1993-12-07 | 吸水性複合体およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3296521B2 (ja) |
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WO1997002946A1 (fr) * | 1995-07-10 | 1997-01-30 | Japan Absorbent Technology Institute | Feuille composite poreuse et son procede de fabrication |
JP2015021670A (ja) * | 2013-07-19 | 2015-02-02 | 日本エクスラン工業株式会社 | 潜熱交換素子 |
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1993
- 1993-12-07 JP JP30652193A patent/JP3296521B2/ja not_active Expired - Lifetime
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