JPH07155304A - 磁気共鳴撮影方法 - Google Patents
磁気共鳴撮影方法Info
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- JPH07155304A JPH07155304A JP5306253A JP30625393A JPH07155304A JP H07155304 A JPH07155304 A JP H07155304A JP 5306253 A JP5306253 A JP 5306253A JP 30625393 A JP30625393 A JP 30625393A JP H07155304 A JPH07155304 A JP H07155304A
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- Japan
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- magnetic resonance
- magnetic field
- blood vessel
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- Measuring Pulse, Heart Rate, Blood Pressure Or Blood Flow (AREA)
- Magnetic Resonance Imaging Apparatus (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】磁気共鳴撮影方法を用いて動脈硬化の程度を診
断する方法を提供する。 【構成】被検体に高周波パルスを照射する際に、互いに
異なる三方向の傾斜磁場のうち、複数の傾斜磁場を振動
磁場として印加するとともに、被検体に含まれる特定の
動脈の異なる複数の部位から発生する磁気共鳴信号を同
時に計測する際に複数個のプローブを用いる。 【効果】動脈硬化の程度を非侵襲的に診断することが可
能となる。
断する方法を提供する。 【構成】被検体に高周波パルスを照射する際に、互いに
異なる三方向の傾斜磁場のうち、複数の傾斜磁場を振動
磁場として印加するとともに、被検体に含まれる特定の
動脈の異なる複数の部位から発生する磁気共鳴信号を同
時に計測する際に複数個のプローブを用いる。 【効果】動脈硬化の程度を非侵襲的に診断することが可
能となる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁気共鳴撮影方法に係
り、血管の弾性率の測定、特に動脈硬化の診断に好適な
方法に関する。
り、血管の弾性率の測定、特に動脈硬化の診断に好適な
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】血管、特に動脈の“硬さ”は、脈波(血
管内の圧力波)の伝播速度の二乗に比例するため、脈波
の伝播速度を計測することにより、血管の弾性率の測
定、特に動脈硬化の診断が可能になることが知られてい
る。現在の脈波伝播速度の一般的な計測方法としては、
異なる二つの部位の圧力波を電気式圧力計で計測する方
法がある。二つの計測部位間の距離を、それぞれの部位
への圧力波の到達時刻の差で割ると、この値が脈波の伝
播速度となる。
管内の圧力波)の伝播速度の二乗に比例するため、脈波
の伝播速度を計測することにより、血管の弾性率の測
定、特に動脈硬化の診断が可能になることが知られてい
る。現在の脈波伝播速度の一般的な計測方法としては、
異なる二つの部位の圧力波を電気式圧力計で計測する方
法がある。二つの計測部位間の距離を、それぞれの部位
への圧力波の到達時刻の差で割ると、この値が脈波の伝
播速度となる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来法では、上記
電気式圧力計をカテーテルを通して血管内部に挿入する
必要があり、患者に苦痛を与えるという問題点があっ
た。
電気式圧力計をカテーテルを通して血管内部に挿入する
必要があり、患者に苦痛を与えるという問題点があっ
た。
【0004】本発明の目的は、磁気共鳴撮影方法を用い
て、血管の弾性率の測定、特に動脈硬化の程度を非侵襲
的に診断する方法を提供することにある。
て、血管の弾性率の測定、特に動脈硬化の程度を非侵襲
的に診断する方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】静磁場および互いに異な
る三方向の傾斜磁場が印加される空間に置かれた被検体
に高周波パルスを照射することにより前記被検体内の核
スピンを励起し、これにより生じる磁気共鳴信号を計測
する磁気共鳴撮影方法において、前記被検体に高周波パ
ルスを照射する際に、前記互いに異なる三方向の傾斜磁
場のうち、少なくとも二つの傾斜磁場を振動磁場として
印加し、前記被検体に含まれる特定の動脈の異なる複数
の部位から発生する磁気共鳴信号を同時に計測する際
に、複数個のプローブを用いることを特徴とする。
る三方向の傾斜磁場が印加される空間に置かれた被検体
に高周波パルスを照射することにより前記被検体内の核
スピンを励起し、これにより生じる磁気共鳴信号を計測
する磁気共鳴撮影方法において、前記被検体に高周波パ
ルスを照射する際に、前記互いに異なる三方向の傾斜磁
場のうち、少なくとも二つの傾斜磁場を振動磁場として
印加し、前記被検体に含まれる特定の動脈の異なる複数
の部位から発生する磁気共鳴信号を同時に計測する際
に、複数個のプローブを用いることを特徴とする。
【0006】また、前記特定の動脈の異なる複数の部位
から発生する磁気共鳴信号を計測する際に、前記高周波
パルスの照射により励起された核スピンの位相を、18
0°反転させるために、複数個の高周波パルスを連続し
て前記被検体に照射することを特徴とする。
から発生する磁気共鳴信号を計測する際に、前記高周波
パルスの照射により励起された核スピンの位相を、18
0°反転させるために、複数個の高周波パルスを連続し
て前記被検体に照射することを特徴とする。
【0007】また、前記被検体に第一の高周波パルスを
照射する際に、前記互いに異なる三方向の傾斜磁場のう
ち、少なくとも二つの傾斜磁場を振動磁場として印加
し、前記被検体に第二の高周波パルスを照射する際に、
前記互いに異なる三方向の傾斜磁場のうち、前記と異な
る少なくとも二つの傾斜磁場を振動磁場として印加する
ことを特徴とする。
照射する際に、前記互いに異なる三方向の傾斜磁場のう
ち、少なくとも二つの傾斜磁場を振動磁場として印加
し、前記被検体に第二の高周波パルスを照射する際に、
前記互いに異なる三方向の傾斜磁場のうち、前記と異な
る少なくとも二つの傾斜磁場を振動磁場として印加する
ことを特徴とする。
【0008】また、前記特定の動脈の異なる複数の部位
から発生する磁気共鳴信号を計測する前に、MRアンギ
オ計測あるいはMRイメージングを行うことを特徴とす
る。
から発生する磁気共鳴信号を計測する前に、MRアンギ
オ計測あるいはMRイメージングを行うことを特徴とす
る。
【0009】また、前記特定の動脈から発生する磁気共
鳴信号の計測を、心電計や脈圧センサで計測された心拍
パルスと同期して行うことを特徴とする。
鳴信号の計測を、心電計や脈圧センサで計測された心拍
パルスと同期して行うことを特徴とする。
【0010】
【作用】被検体に高周波パルスを照射する際に、互いに
異なる三方向の傾斜磁場のうち、少なくとも二つの傾斜
磁場を振動磁場として印加することにより、二つの振動
磁場の交線付近の円柱状の領域に存在する核スピンだけ
を、選択的に励起することが可能となる。そして、被検
体の移動、もしくは各傾斜磁場コイルに流す電流量を変
化させることにより、円柱状の選択励起領域を移動さ
せ、被検体に含まれる特定の動脈内に存在する核スピン
だけを励起することが可能となる。さらに、特定の動脈
の異なる複数の部位から発生する磁気共鳴信号を同時に
計測するために、複数個のプローブを用いることによ
り、部位毎の磁気共鳴信号の強度変化もしくは位相変化
を計測することが可能になる。この磁気共鳴信号の強度
変化もしくは位相変化により、脈波の到達時刻を知るこ
とが出来る。すなわち、ある二つの計測部位aおよびb
間の距離をXabとし、それぞれの部位への脈波到達時
刻をtaおよびtbとした時、ab間の脈波の伝播速度
Vabは、数1で表わされる。
異なる三方向の傾斜磁場のうち、少なくとも二つの傾斜
磁場を振動磁場として印加することにより、二つの振動
磁場の交線付近の円柱状の領域に存在する核スピンだけ
を、選択的に励起することが可能となる。そして、被検
体の移動、もしくは各傾斜磁場コイルに流す電流量を変
化させることにより、円柱状の選択励起領域を移動さ
せ、被検体に含まれる特定の動脈内に存在する核スピン
だけを励起することが可能となる。さらに、特定の動脈
の異なる複数の部位から発生する磁気共鳴信号を同時に
計測するために、複数個のプローブを用いることによ
り、部位毎の磁気共鳴信号の強度変化もしくは位相変化
を計測することが可能になる。この磁気共鳴信号の強度
変化もしくは位相変化により、脈波の到達時刻を知るこ
とが出来る。すなわち、ある二つの計測部位aおよびb
間の距離をXabとし、それぞれの部位への脈波到達時
刻をtaおよびtbとした時、ab間の脈波の伝播速度
Vabは、数1で表わされる。
【0011】
【数1】Vab=Xab/|ta−tb| また、特定の動脈の異なる複数の部位から発生する磁気
共鳴信号を計測する際に、高周波パルスの照射により励
起された核スピンの位相を、180°反転させるために
複数個の高周波パルスを連続して被検体に照射すること
により、静磁場不均一に起因する磁気共鳴信号の減衰を
小さくし、連続的に磁気共鳴エコー信号を発生させるこ
とが出来る。
共鳴信号を計測する際に、高周波パルスの照射により励
起された核スピンの位相を、180°反転させるために
複数個の高周波パルスを連続して被検体に照射すること
により、静磁場不均一に起因する磁気共鳴信号の減衰を
小さくし、連続的に磁気共鳴エコー信号を発生させるこ
とが出来る。
【0012】また、被検体に第一の高周波パルスを照射
する際に、互いに異なる三方向の傾斜磁場のうち、少な
くとも二つの傾斜磁場を振動磁場として印加することに
より、被検体に含まれる動脈の特定領域内に存在する核
スピンだけを励起し、被検体に第二の高周波パルスを照
射する際に、互いに異なる三方向の傾斜磁場のうち、と
異なる少なくとも二つの傾斜磁場を振動磁場として印加
することにより、被検体に含まれる動脈の異なる領域内
に存在する核スピンだけを励起することが出来る。な
お、被検体の移動、もしくは各傾斜磁場発生コイルに流
す電流量を変化させることにより、円柱状の選択励起領
域を移動させることが出来るため、動脈の任意の領域内
に存在する核スピンだけを励起することが出来る。
する際に、互いに異なる三方向の傾斜磁場のうち、少な
くとも二つの傾斜磁場を振動磁場として印加することに
より、被検体に含まれる動脈の特定領域内に存在する核
スピンだけを励起し、被検体に第二の高周波パルスを照
射する際に、互いに異なる三方向の傾斜磁場のうち、と
異なる少なくとも二つの傾斜磁場を振動磁場として印加
することにより、被検体に含まれる動脈の異なる領域内
に存在する核スピンだけを励起することが出来る。な
お、被検体の移動、もしくは各傾斜磁場発生コイルに流
す電流量を変化させることにより、円柱状の選択励起領
域を移動させることが出来るため、動脈の任意の領域内
に存在する核スピンだけを励起することが出来る。
【0013】被検体に含まれる特定の動脈内に存在する
核スピンだけを選択的に励起するためには、特定の動脈
の位置情報が分かっていなければならない。そこで脈波
計測の前に、MRアンギオ計測あるいはMRイメージン
グを行うことにより、あらかじめ特定の動脈の位置を測
定しておくことが出来る。
核スピンだけを選択的に励起するためには、特定の動脈
の位置情報が分かっていなければならない。そこで脈波
計測の前に、MRアンギオ計測あるいはMRイメージン
グを行うことにより、あらかじめ特定の動脈の位置を測
定しておくことが出来る。
【0014】また、特定の動脈から発生する磁気共鳴信
号の計測を、心電計や脈圧センサで計測された心拍パル
スと同期して行うことにより、一回の高周波パルスの照
射によって励起される磁気共鳴信号の計測時間内に脈波
の到達が起きるように、高周波パルスの照射開始時刻の
調整を行うことが可能となる。
号の計測を、心電計や脈圧センサで計測された心拍パル
スと同期して行うことにより、一回の高周波パルスの照
射によって励起される磁気共鳴信号の計測時間内に脈波
の到達が起きるように、高周波パルスの照射開始時刻の
調整を行うことが可能となる。
【0015】
【実施例】図1は、本発明が適用される磁気共鳴撮影装
置の構成を示す。まず被検体11を、静磁場発生マグネ
ット12により生成された一様な静磁場および異なる三
方向の傾斜磁場発生コイル13により生成された傾斜磁
場が印加される空間に配置する。プローブ14により高
周波パルスを被検体11に照射することにより、被検体
11に含まれる核スピンを励起し磁気共鳴現象を生じさ
せて、被検体11内から発生する磁気共鳴信号をプロー
ブ14により検出する。さらに計算機15を用いて、磁
気共鳴信号の強度変化もしくは位相変化等の情報を生成
し、ディスプレイ16に表示させる。なお、傾斜磁場発
生コイル13用の駆動用電源部17,送信器18および
受信器19は、シーケンス制御装置20により制御され
る。
置の構成を示す。まず被検体11を、静磁場発生マグネ
ット12により生成された一様な静磁場および異なる三
方向の傾斜磁場発生コイル13により生成された傾斜磁
場が印加される空間に配置する。プローブ14により高
周波パルスを被検体11に照射することにより、被検体
11に含まれる核スピンを励起し磁気共鳴現象を生じさ
せて、被検体11内から発生する磁気共鳴信号をプロー
ブ14により検出する。さらに計算機15を用いて、磁
気共鳴信号の強度変化もしくは位相変化等の情報を生成
し、ディスプレイ16に表示させる。なお、傾斜磁場発
生コイル13用の駆動用電源部17,送信器18および
受信器19は、シーケンス制御装置20により制御され
る。
【0016】図2は、本発明の実施例を示す第一のパル
スシーケンスである。このシーケンスの作用について以
下説明を行う。図3に示すプローブ14により被検体1
1に高周波パルスRF1 を照射する際に、X軸方向の傾
斜磁場Gxとして正弦波磁場Gp1,Y軸方向の傾斜磁
場GyとしてGp1に対して90°位相のずれた正弦波
磁場Gp2 を印加する。これにより、X軸方向の振動磁
場31とY軸方向の振動磁場32の交線付近のZ軸に沿
った円柱状の領域33に存在する核スピンだけを、選択
的に励起することが可能になる(図3)。
スシーケンスである。このシーケンスの作用について以
下説明を行う。図3に示すプローブ14により被検体1
1に高周波パルスRF1 を照射する際に、X軸方向の傾
斜磁場Gxとして正弦波磁場Gp1,Y軸方向の傾斜磁
場GyとしてGp1に対して90°位相のずれた正弦波
磁場Gp2 を印加する。これにより、X軸方向の振動磁
場31とY軸方向の振動磁場32の交線付近のZ軸に沿
った円柱状の領域33に存在する核スピンだけを、選択
的に励起することが可能になる(図3)。
【0017】ここで、被検体11の移動、もしくは傾斜
磁場発生コイルに流す電流量を変化させることにより、
円柱状の領域33を移動させることが出来る。従って被
検体11に含まれる特定の動脈内の核スピンだけを励起
することが可能となる。例えば、X軸方向およびZ軸方
向の傾斜磁場GxおよびGzとして同じ位相の正弦波磁
場Gp1,Y軸方向の傾斜磁場GyとしてGp1に対して
90°位相のずれた正弦波磁場Gp2 を印加した場合、
円柱状の領域33をY軸を中心として45°回転させた
領域34を選択励起することが出来る。
磁場発生コイルに流す電流量を変化させることにより、
円柱状の領域33を移動させることが出来る。従って被
検体11に含まれる特定の動脈内の核スピンだけを励起
することが可能となる。例えば、X軸方向およびZ軸方
向の傾斜磁場GxおよびGzとして同じ位相の正弦波磁
場Gp1,Y軸方向の傾斜磁場GyとしてGp1に対して
90°位相のずれた正弦波磁場Gp2 を印加した場合、
円柱状の領域33をY軸を中心として45°回転させた
領域34を選択励起することが出来る。
【0018】従来の技術で述べたように、脈波の伝播速
度を測定するためには、異なる二つの部位への圧力波の
到達時刻を計測しなければならない。そこで図4に示す
ように、被検体に含まれる特定の動脈41の異なる二つ
の部位(42および43)から発生する磁気共鳴信号
(図1のSig1およびSig2)を同時に計測するために、二
つのプローブ(14−1および14−2)を用いる。こ
れにより、部位毎の磁気共鳴信号の経時的な強度変化も
しくは位相変化を計測することが可能になる。この磁気
共鳴信号の強度変化もしくは位相変化により、脈波の到
達時刻を知ることが出来る。従って、二つの計測部位間
の距離をそれぞれの部位への脈波到達時刻の差で割るこ
とにより、脈波の伝播速度が得られる。なおn個の部位
の磁気共鳴信号を同時に計測するためには、n個のプロ
ーブを用いれば良い。
度を測定するためには、異なる二つの部位への圧力波の
到達時刻を計測しなければならない。そこで図4に示す
ように、被検体に含まれる特定の動脈41の異なる二つ
の部位(42および43)から発生する磁気共鳴信号
(図1のSig1およびSig2)を同時に計測するために、二
つのプローブ(14−1および14−2)を用いる。こ
れにより、部位毎の磁気共鳴信号の経時的な強度変化も
しくは位相変化を計測することが可能になる。この磁気
共鳴信号の強度変化もしくは位相変化により、脈波の到
達時刻を知ることが出来る。従って、二つの計測部位間
の距離をそれぞれの部位への脈波到達時刻の差で割るこ
とにより、脈波の伝播速度が得られる。なおn個の部位
の磁気共鳴信号を同時に計測するためには、n個のプロ
ーブを用いれば良い。
【0019】図5は、本発明の実施例を示す第二のパル
スシーケンスである。このシーケンスの作用について以
下説明を行う。被検体に含まれる特定の動脈の異なる二
つの部位から発生する磁気共鳴信号を計測する際、高周
波パルスRF1 の照射により励起された核スピンの位相
を、180°反転させるために複数の高周波パルスRF
2,RF3,…,RFn を被検体に照射する。これによ
り、静磁場不均一に起因する磁気共鳴信号の減衰を小さ
くし、連続的に複数の磁気共鳴エコー信号(Sig11,Sig
12,Sig13,…,Sig1n、およびSig21,Sig22,Sig23,
…,Sig2n)を発生させることが出来る。
スシーケンスである。このシーケンスの作用について以
下説明を行う。被検体に含まれる特定の動脈の異なる二
つの部位から発生する磁気共鳴信号を計測する際、高周
波パルスRF1 の照射により励起された核スピンの位相
を、180°反転させるために複数の高周波パルスRF
2,RF3,…,RFn を被検体に照射する。これによ
り、静磁場不均一に起因する磁気共鳴信号の減衰を小さ
くし、連続的に複数の磁気共鳴エコー信号(Sig11,Sig
12,Sig13,…,Sig1n、およびSig21,Sig22,Sig23,
…,Sig2n)を発生させることが出来る。
【0020】図6は、本発明の実施例を示す第三のパル
スシーケンスである。このシーケンスの作用について以
下説明を行う。図7に示すプローブ14−1により被検
体に第一の高周波パルスRF1 を照射する際に、X軸方
向の傾斜磁場Gxとして正弦波磁場Gp1,Y軸方向の
傾斜磁場GyとしてGp1に対して90°位相のずれた
正弦波磁場Gp2 を印加する。これにより、X軸方向の
振動磁場とY軸方向の振動磁場の交線付近のZ軸に沿っ
た円柱状の領域に存在する核スピンだけを、選択的に励
起することが可能になる。従って、被検体に含まれる動
脈41の特定の領域42に存在する核スピンだけを選択
的に励起することが出来る(図7)。次に、図7のプロ
ーブ14−2により被検体に第二の高周波パルスR
F1′ を照射する際に、Y軸方向の傾斜磁場Gyとして
正弦波磁場Gp4 ,Z軸方向の傾斜磁場GzとしてGp
4 に対して90°位相のずれた正弦波磁場Gp5 を印加
する。これにより、Y軸方向の振動磁場とZ軸方向の振
動磁場の交線付近のX軸に沿った円柱状の領域に存在す
る核スピンだけを、選択的に励起することが可能にな
る。従って、被検体に含まれる動脈41の異なる領域4
3に存在する核スピンだけを選択的に励起することが出
来る(図7)。なお、被検体の移動、もしくは各傾斜磁
場発生コイルに流す電流量を変化させることにより、円
柱状の選択励起領域を移動させることが出来るため、被
検体に含まれる任意の動脈の領域内に存在する核スピン
だけを選択的に励起することができる。
スシーケンスである。このシーケンスの作用について以
下説明を行う。図7に示すプローブ14−1により被検
体に第一の高周波パルスRF1 を照射する際に、X軸方
向の傾斜磁場Gxとして正弦波磁場Gp1,Y軸方向の
傾斜磁場GyとしてGp1に対して90°位相のずれた
正弦波磁場Gp2 を印加する。これにより、X軸方向の
振動磁場とY軸方向の振動磁場の交線付近のZ軸に沿っ
た円柱状の領域に存在する核スピンだけを、選択的に励
起することが可能になる。従って、被検体に含まれる動
脈41の特定の領域42に存在する核スピンだけを選択
的に励起することが出来る(図7)。次に、図7のプロ
ーブ14−2により被検体に第二の高周波パルスR
F1′ を照射する際に、Y軸方向の傾斜磁場Gyとして
正弦波磁場Gp4 ,Z軸方向の傾斜磁場GzとしてGp
4 に対して90°位相のずれた正弦波磁場Gp5 を印加
する。これにより、Y軸方向の振動磁場とZ軸方向の振
動磁場の交線付近のX軸に沿った円柱状の領域に存在す
る核スピンだけを、選択的に励起することが可能にな
る。従って、被検体に含まれる動脈41の異なる領域4
3に存在する核スピンだけを選択的に励起することが出
来る(図7)。なお、被検体の移動、もしくは各傾斜磁
場発生コイルに流す電流量を変化させることにより、円
柱状の選択励起領域を移動させることが出来るため、被
検体に含まれる任意の動脈の領域内に存在する核スピン
だけを選択的に励起することができる。
【0021】図8は、本発明の実施例を示す第四のパル
スシーケンスである。このシーケンスの作用について以
下説明を行う。高周波パルスRF1 により引き起こされ
る磁気共鳴信号を計測する際、Z軸方向の傾斜磁場Gz
として正弦波磁場Gp3 を印加し、連続的に複数の磁気
共鳴エコー信号(Sig31,Sig32,Sig33,…,Sig3n)を
発生させる。これによって高周波パルスRF1 により励
起された核スピンにZ軸方向の位置情報を付与すること
が出来る。従って、各位置毎の磁気共鳴信号の経時的な
強度変化もしくは位相変化を計測することが可能にな
る。この磁気共鳴信号の強度変化もしくは位相変化によ
り、脈波の到達時刻を知ることが出来る。従って、ある
二点間の距離をそれぞれの点の脈波到達時刻の差で割る
ことにより、脈波の伝播速度が得られる。また正弦波磁
場Gp3 は、矩形波磁場でも同様の効果を得ることが出
来る。なお、磁気共鳴エコー信号は一つのプローブによ
り計測することが出来るため、この場合には複数のプロ
ーブを必要としない。
スシーケンスである。このシーケンスの作用について以
下説明を行う。高周波パルスRF1 により引き起こされ
る磁気共鳴信号を計測する際、Z軸方向の傾斜磁場Gz
として正弦波磁場Gp3 を印加し、連続的に複数の磁気
共鳴エコー信号(Sig31,Sig32,Sig33,…,Sig3n)を
発生させる。これによって高周波パルスRF1 により励
起された核スピンにZ軸方向の位置情報を付与すること
が出来る。従って、各位置毎の磁気共鳴信号の経時的な
強度変化もしくは位相変化を計測することが可能にな
る。この磁気共鳴信号の強度変化もしくは位相変化によ
り、脈波の到達時刻を知ることが出来る。従って、ある
二点間の距離をそれぞれの点の脈波到達時刻の差で割る
ことにより、脈波の伝播速度が得られる。また正弦波磁
場Gp3 は、矩形波磁場でも同様の効果を得ることが出
来る。なお、磁気共鳴エコー信号は一つのプローブによ
り計測することが出来るため、この場合には複数のプロ
ーブを必要としない。
【0022】なお、被検体に含まれる特定の動脈内に存
在する核スピンだけを選択的に励起するためには、特定
の動脈の位置情報が分かっていなければならない。そこ
で脈波計測の前に、MRアンギオ計測あるいはMRイメ
ージングを行うことにより、あらかじめ特定の動脈の位
置を測定しておくことが出来る。
在する核スピンだけを選択的に励起するためには、特定
の動脈の位置情報が分かっていなければならない。そこ
で脈波計測の前に、MRアンギオ計測あるいはMRイメ
ージングを行うことにより、あらかじめ特定の動脈の位
置を測定しておくことが出来る。
【0023】また、磁気共鳴信号は被検体に含まれる動
脈に存在する核スピンの横緩和時間で決まる減衰を生
じ、人体では一回の信号計測時間が最大数百ms程度に
制限される。信号計測時間内に脈波の到達がなかった場
合、一連の信号計測を繰り返し時間Trで繰り返し行
う。この際、繰り返し時間Trは被検体に含まれる動脈
に存在する核スピンの縦緩和時間により定まるが、高周
波パルスRF1 の照射により核スピンを倒す際の角度を
小さくすることにより、繰り返し時間Trを短くするこ
とが出来る。これにより、連続した信号計測が可能とな
るため、脈波到達時刻を知ることが可能となる。
脈に存在する核スピンの横緩和時間で決まる減衰を生
じ、人体では一回の信号計測時間が最大数百ms程度に
制限される。信号計測時間内に脈波の到達がなかった場
合、一連の信号計測を繰り返し時間Trで繰り返し行
う。この際、繰り返し時間Trは被検体に含まれる動脈
に存在する核スピンの縦緩和時間により定まるが、高周
波パルスRF1 の照射により核スピンを倒す際の角度を
小さくすることにより、繰り返し時間Trを短くするこ
とが出来る。これにより、連続した信号計測が可能とな
るため、脈波到達時刻を知ることが可能となる。
【0024】また、特定の血管から発生する磁気共鳴信
号の計測を、心拍パルスと同期して行うことにより、一
回の高周波パルスの照射によって励起される磁気共鳴信
号の計測時間内に脈波の到達が起きるように、高周波パ
ルスの照射開始時刻の調整を行うことが出来る。
号の計測を、心拍パルスと同期して行うことにより、一
回の高周波パルスの照射によって励起される磁気共鳴信
号の計測時間内に脈波の到達が起きるように、高周波パ
ルスの照射開始時刻の調整を行うことが出来る。
【0025】
【発明の効果】本発明によれば、磁気共鳴撮影方法を用
いて、血管の弾性率の測定、特に動脈硬化の程度を非侵
襲的に診断する方法を提供することが出来る。
いて、血管の弾性率の測定、特に動脈硬化の程度を非侵
襲的に診断する方法を提供することが出来る。
【図1】本発明が適用される磁気共鳴撮影装置のブロッ
ク図。
ク図。
【図2】本発明の実施例を示す第一のタイミングチャー
ト。
ト。
【図3】第一のパルスシーケンスにより選択励起される
領域の説明図。
領域の説明図。
【図4】動脈の異なる二つの部位から発生する磁気共鳴
信号を計測する方法の説明図。
信号を計測する方法の説明図。
【図5】本発明の実施例を示す第二のタイミングチャー
ト。
ト。
【図6】本発明の実施例を示す第三のタイミングチャー
ト。
ト。
【図7】第三のタイミングチャートにより選択励起され
る領域の説明図。
る領域の説明図。
【図8】本発明の実施例を示す第四のタイミングチャー
ト。
ト。
RF…高周波磁場、RF1 …励起用パルス、Gx…X軸
方向の傾斜磁場、Gy…Y軸方向の傾斜磁場、Gp1 お
よびGp2 …互いに90°位相のずれた正弦波磁場、Si
g1 およびSig2 …磁気共鳴信号、Tr…繰り返し時間。
方向の傾斜磁場、Gy…Y軸方向の傾斜磁場、Gp1 お
よびGp2 …互いに90°位相のずれた正弦波磁場、Si
g1 およびSig2 …磁気共鳴信号、Tr…繰り返し時間。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 8825−4C A61B 5/05 311 8825−4C 341 8825−4C 350 G01N 24/08 510 Y (72)発明者 板垣 博幸 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 山本 悦治 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内
Claims (7)
- 【請求項1】静磁場および互いに異なる三方向の傾斜磁
場が印加される空間に置かれた被検体に、高周波パルス
を照射することにより前記被検体内の核スピンを励起
し、これにより生じる磁気共鳴信号を計測する磁気共鳴
撮影方法において、前記被検体に高周波パルスを照射す
る際に、前記互いに異なる三方向の傾斜磁場のうち、少
なくとも二つの傾斜磁場を振動磁場として印加し、前記
被検体に含まれる特定の血管内に存在する核スピンだけ
を励起し、前記特定の血管の異なる複数の部位から発生
する磁気共鳴信号を同時に計測することを特徴とする磁
気共鳴撮影方法。 - 【請求項2】請求項1において、前記特定の血管の異な
る複数の部位から発生する磁気共鳴信号を計測する際
に、複数個のプローブを用いる磁気共鳴撮影方法。 - 【請求項3】請求項1または2において、前記特定の血
管の異なる複数の部位から発生する磁気共鳴信号を計測
する際に、前記高周波パルスの照射により励起された核
スピンの位相を、180°反転させるための複数個の高
周波パルスを連続して前記被検体に照射する磁気共鳴撮
影方法。 - 【請求項4】請求項1,2または3において、前記被検
体に第一の高周波パルスを照射する際に、前記互いに異
なる三方向の傾斜磁場のうち、少なくとも二つの傾斜磁
場を振動磁場として印加し、前記被検体に含まれる血管
の特定の領域内に存在する核スピンだけを励起し、前記
被検体に第二の高周波パルスを照射する際に、前記互い
に異なる三方向の傾斜磁場のうち、前記と異なる少なく
とも二つの傾斜磁場を振動磁場として印加し、前記被検
体に含まれる血管の異なる領域内に存在する核スピンだ
けを励起する磁気共鳴撮影方法。 - 【請求項5】静磁場および互いに異なる三方向の傾斜磁
場が印加される空間に置かれた被検体に、高周波パルス
を照射することにより前記被検体内の核スピンを励起
し、これにより生じる磁気共鳴信号を計測する磁気共鳴
撮影方法において、前記互いに異なる三方向の傾斜磁場
のうち、少なくとも二つの傾斜磁場を振動磁場として印
加し、前記被検体に含まれる特定の血管内に存在する核
スピンだけを励起するとともに、前記特定の血管から発
生する磁気共鳴信号を計測する際に、前記互いに異なる
三方向の傾斜磁場のうち、少なくとも一つの傾斜磁場を
振動磁場として印加することを特徴とする磁気共鳴撮影
方法。 - 【請求項6】請求項1,2,3,4または5において、
前記特定の血管から発生する磁気共鳴信号を計測する前
に、MRアンギオ計測あるいはMRイメージングを行う
ことにより、前記特定の血管の位置を測定しておく磁気
共鳴撮影方法。 - 【請求項7】請求項1,2,3,4,5または6におい
て、前記特定の血管から発生する磁気共鳴信号の計測
を、心拍パルスと同期して行うことにより、一回の高周
波パルスの照射によって励起される磁気共鳴信号の計測
時間内に脈波の到達が起きるように、前記高周波パルス
の照射開始時刻の調整を行う磁気共鳴撮影方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5306253A JPH07155304A (ja) | 1993-12-07 | 1993-12-07 | 磁気共鳴撮影方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5306253A JPH07155304A (ja) | 1993-12-07 | 1993-12-07 | 磁気共鳴撮影方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07155304A true JPH07155304A (ja) | 1995-06-20 |
Family
ID=17954852
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5306253A Pending JPH07155304A (ja) | 1993-12-07 | 1993-12-07 | 磁気共鳴撮影方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07155304A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006346054A (ja) * | 2005-06-15 | 2006-12-28 | Hitachi Medical Corp | 磁気共鳴撮影装置 |
WO2012081399A1 (ja) * | 2010-12-16 | 2012-06-21 | 株式会社 日立メディコ | 磁気共鳴イメージング装置および撮像パラメータ適正化方法 |
JP2018511412A (ja) * | 2015-03-30 | 2018-04-26 | シュムリ ハイム エルティーディー. | 体組織の非侵襲的なリアルタイム磁気共鳴解析のためのシステム及び形態型プローブ |
-
1993
- 1993-12-07 JP JP5306253A patent/JPH07155304A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006346054A (ja) * | 2005-06-15 | 2006-12-28 | Hitachi Medical Corp | 磁気共鳴撮影装置 |
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US20130265053A1 (en) * | 2010-12-16 | 2013-10-10 | Hitachi Medical Corporation | Magnetic resonance imaging apparatus, and imaging parameter optimizing method |
JPWO2012081399A1 (ja) * | 2010-12-16 | 2014-05-22 | 株式会社日立メディコ | 磁気共鳴イメージング装置および撮像パラメータ適正化方法 |
JP5942269B2 (ja) * | 2010-12-16 | 2016-06-29 | 株式会社日立製作所 | 磁気共鳴イメージング装置および撮像パラメータ適正化方法 |
JP2018511412A (ja) * | 2015-03-30 | 2018-04-26 | シュムリ ハイム エルティーディー. | 体組織の非侵襲的なリアルタイム磁気共鳴解析のためのシステム及び形態型プローブ |
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