JPH0715388U - 印鑑付筆記具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 捺印の際に不用意にノックされて筆記先端部
が出没状態に係止される不具合を解消し、堅牢で体裁の
良い名入れ等の表示部を提供可能とする。 【構成】 キャップの前方内孔部にノック作動部が配設
されると共に、キャップの前方軸部に名入れ等の表示部
を設け、前方軸部に透明な筒体を嵌装すると共に筒体を
挟着して先軸が止着され、ノック作動部に連動するよう
に筆記体が配設され、キャップの後方内孔部にホルダー
が固定されて、印鑑がキャップの後端から適宜突出した
状態でホルダーの後端に固定され、スライダーがホルダ
ーに軸推移のみ可能に外装されて、ノック作動部と連動
するよう接続されると共に、印鑑を被覆した状態でノッ
クカバーをスライダーに止着して、ノックカバーの軸推
移によりボールペン等の筆記先端部が先軸の先端口から
出没可能に係止されるか、シャープペンシルで筆記先端
部から芯が繰り出し可能になされる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業状の利用分野】

本考案は、先方部に筆記体を備え、後方部に印鑑を備えた印鑑付筆記具の改良 に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、カム溝とノック棒と回転カム部材よりなるノック作動部を備えて、ノッ ク棒の前後動に連動して回転カム部材が進退位置に位置決めされて筆記体の先端 が軸先から出没するノック式のボールペンが知られている。又、ノック作動部に 印鑑ユニットを直接或いはホルダーを介して着脱自在に取付けて軸筒の後端より 突出させて位置させたものが知られている。又更に、芯ケースを軸推移すること でチャック機構部を連動させて芯を繰り出すようにしたシャープペンシルで、芯 ケースの後端に印鑑を設けたものも知られている。又、筆記軸の表面に印刷等で 表示部を設けること、表示部に透明な筒体を被嵌して設けることは公知である。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

然しながら、従来のものは軸筒の後方を握って捺印する際にノック機構部が連 動して不用意に先軸の先端口から筆記先端部が突出又は没入状態にセットされる 不具合が生じる。又、押圧で印鑑が軸推移するので捺印がしにくい欠点がある。 そこで、本考案はそのような不具合を解決することを第１の課題とする。又、印 鑑付筆記具は氏名等の表示部に対する要望が高く、体裁良く、堅牢で簡便な表示 手段が無い。本考案はそのような要望を満たすことを第２の課題とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

上記課題を達成するために案出された本考案の印鑑付筆記具は、キャップの前 方内孔部にノック作動部が配設されると共に、キャップの前方軸部に印刷又は熱 転写、或いは印刷を施したシール等を転着して名入れ等の表示部を設け、前方軸 部に透明な筒体を嵌装すると共に筒体を挟着して前方軸部の先端に先軸が止着さ れ、先軸内でノック作動部に連動するように筆記体が配設され、キャップの後方 内孔部にホルダーが固定されて、印鑑がキャップの後端から適宜突出した状態で ホルダーの後端に固定され、スライダーがホルダーに軸推移のみ可能に外装され て、ノック作動部と連動するよう接続されると共に、印鑑を被覆した状態でノッ クカバーをスライダーに止着して、ノックカバーの軸推移によりボールペン等の 筆記先端部が先軸の先端口から出没可能に係止されるか、又はシャープペンシル の筆記先端部から芯が繰り出されるように構成されてなる。

【０００５】

【実施例】

図１乃至図３は本考案の実施例を示している。先ず、図に示すようにキャップ １は前方軸部２と後方軸部３で構成される。キャップ１は筒体で、前方軸部２の 先端には螺子部２ｂが設けられ、後端の外周部には突起状の係止部２ｃが形成さ れ、それと対向する位置で後方軸部３の前面には内孔部から貫通した窓部３ｄが 形成されている。又、前軸部２の内孔部後端にはカム溝２ａが形成され、カム溝 ２ａの後端には段部３ｂを有している。又、後方軸部３の後方側面にはクリップ ３ｃが設けられている。又、後方軸部３の内孔部前方の周壁にリブ状で段部３ａ が形成されている。上記カム溝２ａにはノック棒４の先方に形成されたカム部５ を迎合させてノック棒４が前方軸部２に対して前後動自在で嵌装され、ノック棒 ４の全面にはカム部５の先端と対接するカム部９を備えた回転カム部材７がやは りカム溝２ａに迎合して配設されている。

【０００６】 上記の構成によるノック作動部はカーン式ノック機構部として広く知られたも のと同様になされたものである。又、回転カム部材７の後方には筒状の軸部８が 延設されて、軸部８はノック棒４のやはり後方に延設した軸部６の中心孔部に嵌 装され、回転カム部材７はノック棒４に対して適宜範囲で軸推移、且つ回転自由 となる関係で軸部８の外周部とノック棒４の中心孔との間に凸部と凸部の当接に より規制される抜け止めの係合部（図示せず）が設けられている。尚、凸部を設 けた理由は後述するが、キャップ１から先軸１４を離脱して筆記体を抜いた際に 回転カム部材７が脱落するのを防止するためである。

【０００７】 図３に示すように、ホルダー１１は前方に長く延びた２本のガイド片１１ａを 有し、ガイド片１１ａ間にはガイド溝１１ｂが形成され、ガイド片１１ａの先端 には窓孔状の係止部１１ｄを備えた係止片１１ｃが設けられ、又、ホルダー１１ の後方には適宜スリットを備えて弾性変位可能な嵌合筒部１１ｅが設けられて、 弾性に優れた一体の樹脂成形品で形成されている。

【０００８】 又、スライダー１２は前方の中心部に筒状の受け部１２ａを有し、その外周に スリット部１２ｃを有した仕切り部１２ｂが設けられ、後方の嵌合筒部１２ｄの 外周には溝及び突部等で形成される係合部１２ｅが設けられている。

【０００９】 以上により、スライダー１２は前記ホルダー１１のガイド片１１ａをスリット 部１２ｃに嵌装した状態でホルダー１１に軸推移可能に外装され、仕切り部１２ ｂの前面にコイルスプリング１０の後端を当接させた状態でキャップ１の後方軸 部３内孔部に嵌装され、コイルスプリング１０の前端を後方軸部３の段部３ｂに 当接させると共に、ホルダー１１の係止片１１ｃを窓部３ｄに貫通させて窓状の 係止部１１ｄを前方軸部２の突起状の係止部２ｃに嵌着させる。この段階でホル ダー１１は後方軸部３内に固定され、スライダー１２はホルダー１１に対し軸推 移のみ可能に支持される。

【００１０】 又、次の段階で前方軸部２の外側に透明な筒体１３が嵌着されて、上記係止部 位を挟着するので後方軸部３とホルダー１１の固定状態は強固となされる。尚、 前方軸部２の外面には予め印刷又は熱転写、或いは印刷を施したシール等が転着 されて表示部２ｄが構成され、筒体１３を嵌着して表示部が透視可能となる。

【００１１】 組立て順序に於いて、この段階で前記のノック棒４と回転カム部材７が前軸部 ２内に嵌装され、ノック棒４の軸部６の後端に突出した部位に設けた係止部６ａ がスライダー１２の受け部１２ａの内孔に設けた係合部（図示せず）に適宜係合 してスライダー１２とノック棒４（従って、ノック機構部）が連動するように接 続される。又、ノック棒４と回転カム部材７は凸部と凸部の係合で抜け止めされ ているので、前述したように筆記体を抜いた状態で回転カム部材７が脱落するこ とはない。

【００１２】 又、前記回転カム部材７の軸部８の内孔にボールペン等筆記体２４の後端部が 装着され、そのチューブ２５に形成されたクリンプ２５ａに後端を当接してリタ ーンスプリング２７が取付けられて、キャップ１の前軸部２の螺子部２ｂには内 孔部にそれと係止する螺子部１４ａ（相互間を係止可能な弾性係合部としてもよ い）を備えた先軸１４が固定されて、リターンスプリング２７の前端が先軸１４ の内孔先方に設けたリブ１４ｂの段部１４ｃに当接されて、ボールペン等筆記体 ２４は常時後方に附勢される。

【００１３】 又、印鑑２０は取付け台２１の後軸部２１ｃの後面に印字体２２が載置され、 外側をカバー２３で被覆してカバー２３が後軸部２１ｃに固着されている。又、 取付け台２１の前軸部２１ａの孔部に前記ホルダー１１の嵌合筒部１１ｅが適宜 摩擦係合して嵌着され、印面２２ａがキャップ１の後端から適宜突出状態に取付 けられる。又、印字体２２は多孔性の通孔を有してインクを含浸可能とした印材 よりなり、印字体２２の前面には氏名等の印面２２ａが刻設されている。又、必 要により印字体２２と取付け台２１の後端との間にはインク吸蔵体及びクッショ ンが配設される。

【００１４】 又、キャップ１の後端には前記スライダー１２の嵌合筒部１２ｄに設けた係合 部１２ｅと着脱自在に係止する係合部（図示せず）を有したノックカバー１５が 印鑑２０を被覆して止着される。この場合の係合部も相互の突部と突部又は溝と 突部で形成されて、その関係が入れ変わってもよい。ところで、当実施例の場合 は、ノックカバー１５を金属等の筒体１６の後方外周に切欠１６ｂにより縮径方 向に弾性変位可能に窓部１６ａを設け、内孔部に切欠１６ｂに嵌装するリブ１７ ａと窓部１６ａに止着する突起１７ｂを有して後端を開口した天冠受け台１７を 設けて相互を固着すると共に、天冠受け台１７の後端には透明な天冠１９が止着 される。尚、天冠１９の後端又はその内面には適宜レンズ効果を呈するように曲 面が形成されている。

【００１５】

【作用】

本考案の実施例である印鑑付筆記具は以上のように構成されており、キャップ １の後端から印面２２ａが適宜に突出して固定され、捺印の際に印面が押圧され てもノック作動されない。又、スライダー１２にノックカバー１５を止着した時 には、ノックカバー１５の後端を押圧すればスライダー１２がノック機構部と連 動してボールペン等筆記体２４の筆記先端部２６が先軸１４の先端口１４ｄから 出没する。又、ノックカバー１５は印鑑２０と非接触状態でスライダー１２に止 着されるように成されるので、ノックカバー１５の離脱で不用意に印鑑２０を外 してしまう問題も防止可能となる。又、ノック作動部を上記ノック機構部の代わ りにシャープペンシルのチャック機構と連動する芯ケースとすれば、ノック作動 により連動して筆記先端部から芯を繰り出すことが可能となる。又、前記透明な 筒体１３を前方軸部２から着脱可能に成せば、表示部２ｄの交換も容易である。

【００１６】

【考案の効果】

本考案の印鑑付筆記具の構成及び作用は以上の如くであり、捺印の際にノック されて筆記先端部が不用意に出没する不具合が起きない。又、押圧で印鑑が軸推 移しないので捺印がし易い。又、ノックカバーの離脱で印鑑が不用意にキャップ から外れる不具合もない等の効果がある。又、堅牢で体裁の良い表示部が簡便な 手段で可能となり、印鑑付筆記具固有の名入れ等の要望を満たすことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例を示す縦断面図で、ボールペン
の筆記先端部を先軸の先端口から収納した状態を示して
いる。

【図２】本考案の実施例の外観を示す平面図である。

【図３】本考案の実施例である印鑑付筆記具の部品展開
を示す斜視図である。

【符号の説明】

１ キャップ ２ 前方軸部 ２ａ カム溝 ２ｂ 螺子部 ２ｃ 係止部 ２ｄ 表示部 ３ 後方軸部 ３ａ 段部 ３ｂ 段部 ３ｃ クリップ ３ｄ 窓部 ４ ノック棒 ５ カム部 ６ 軸部 ７ 回転カム部材 ８ 軸部 ９ カム部 １０ コイルスプリング １１ ホルダー １１ａ ガイド片 １１ｂ ガイド溝 １１ｃ 係止片 １１ｄ 係止部 １１ｅ 嵌合筒部 １２ スライダー １２ａ 受け部 １２ｂ 仕切り部 １２ｃ スリット部 １２ｄ 嵌合筒部 １２ｅ 係合部 １３ 中軸 １４ 先軸 １４ａ 螺子部 １４ｂ リブ １４ｃ 段部 １４ｄ 先端口 １５ ノックカバー １６ 筒体 １６ａ 窓部 １６ｂ 切欠 １７ 天冠受け台 １７ａ リブ １７ｂ 突起 １８ シール １９ 天冠 ２０ 印鑑 ２１ 取付台 ２１ａ 前軸部 ２１ｂ 鍔部 ２１ｃ 後軸部 ２２ 印字体 ２２ａ 印面 ２３ カバー ２４ ボールペン等筆記体 ２５ チューブ ２５ａ クリンプ ２６ 筆記先端部 ２７ リターンスプリング

フロントページの続き (51)Int.Cl.⁶ 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 Ｂ４３Ｋ 24/08 Ｂ 6863−2Ｃ 29/00

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 キャップの前方内孔部にノック作動部が
   配設されると共に、キャップの前方軸部に印刷又は熱転
   写、或いは印刷を施したシール等を転着して名入れ等の
   表示部を設け、前方軸部に透明な筒体を嵌装すると共に
   筒体を挟着して前方軸部の先端に先軸が止着され、先軸
   内で、上記ノック作動部に連動するように筆記体が配設
   され、キャップの後方内孔部にホルダーが固定されて、
   印鑑がキャップの後端から適宜突出した状態でホルダー
   の後端に固定され、スライダーがホルダーに軸推移のみ
   可能に外装されて、ノック作動部と連動するよう接続さ
   れると共に、印鑑を被覆した状態でノックカバーをスラ
   イダーに止着して、ノックカバーの軸推移によりボール
   ペン等の筆記先端部が先軸の先端口から出没可能に係止
   されるか、又はシャープペンシルの筆記先端部から芯が
   繰り出されるように構成されたことを特徴とする印鑑付
   筆記具。