JPH07153619A - 超電導コイルの製造方法 - Google Patents

超電導コイルの製造方法

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JPH07153619A
JPH07153619A JP32116293A JP32116293A JPH07153619A JP H07153619 A JPH07153619 A JP H07153619A JP 32116293 A JP32116293 A JP 32116293A JP 32116293 A JP32116293 A JP 32116293A JP H07153619 A JPH07153619 A JP H07153619A
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JP
Japan
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superconducting
powder
wire
coil
superconducting coil
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JP32116293A
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English (en)
Inventor
Yuuichi Tatsuya
雄一 立谷
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Tokin Corp
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Tokin Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高い磁界を生ずるNb3SnやNb3Ge材の
A−15相の結晶構造の超電導線材を用いた超電導コイ
ルにおいて、超電導コイルを固着するのにA−15相を
形成する650℃ないし800℃で焼結するセラミック
ス粉末で覆い、A−15相を形成する熱処理と同時にセ
ラミックスを焼結し固化して、高い磁界を発生しても電
磁力により線が擾乱を受けることのない超電導コイルの
製造方法とする。 【構成】 セラミックス粉末に、アルミナ、ホルステナ
イト粉末が重量比でほぼ50%ずつの混合粉末に、硼硅
酸ガラス粉末、又は鉛硅酸ガラスで650℃ないし80
0℃範囲で軟化するガラス粉末を混合し、超電導線材4
の周囲及びコイルにセラミックス粉末の泥漿5を塗布
し、超電導線材の超電導性を付与する650℃ないし8
00℃の温度で熱処理を施しセラミックス粉末を焼結す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高い磁界を発生する超
電導コイルの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】容易に強い磁界が発生可能な超電導マグ
ネットは、各種工業製品を製作するための製造プロセス
や、物理化学実験設備、更には医療用等、種々の分野に
於て重要な役割を果たしている。従来これらの超電導マ
グネットを形成する超電導コイルの線材には、塩化ナト
リウム(NaCl)型結晶構造を有する超電導材の代表
であるニオブ・チタン(NbTi)合金を極細多芯化し
て使用したものが主流となっている。しかし、超電導マ
グネットの磁場発生能力は、液体ヘリウム(He)温度
の4.2Kにおいて、NbTi合金線を用いる限りおお
よそ10テスラ(T)程度が限界であり、より高い磁界
を発生する超電導マグネットの要求を満足することは前
述したNbTi線材のみで対応することは困難な場合も
生じている。
【0003】一方、NbTi線材を使用した超電導マグ
ネット以上の高磁界が得られる優れた特性を有している
超電導材として、A−15型の結晶構造を有する材料が
注目されており、具体的には3ニオブ・錫(Nb3
n)や3ニオブ・ゲルマニウム(Nb3Ge)から構成
される線材が実際の使用に供され始めている。しかしこ
れらの材料は構造に脆弱であるという問題を有してお
り、巻線工程時に線材に生じる機械的な歪により、超電
導特性が大幅に劣化する問題点を有している。超電導特
性が大幅に劣化するのを防止する対策としてNb3Sn
相を生成する前に巻線を完了し、その後の熱処理により
Nb3Sn相の生成を行うワインド・アンド・リアクト
法が多用されている。
【0004】又、超電導コイルは高い磁界を発生する領
域で使用するが、高磁界ではソレノイド型コイルの場
合、励磁の際にコイル中心から外周方向と軸方向へと、
コイル端部から中心方向へ強大な電磁力が発生するので
線材に巻き乱れを生じ、クエンチを誘発する原因とな
る。その防止のため、線材を強制的に拘束することが重
要となり、例えばコイルを形成する線材の間隙に真空含
浸法により熱硬化性樹脂を強制的に充填し、その状態で
硬化処理を行い線材を固定する等の方策が実際に行われ
ているが、現存する樹脂では強大な電磁力には耐えられ
ず、超電導コイル内に高い磁界を形成した時、超電導線
材の巻き乱れを誘発しクエンチに至るという問題点を有
していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的とする所
は、ワインド・アンド・リアクト処理後、樹脂含浸硬化
処理により超電導線材の固定を行うことなく、超電導コ
イルを形成する超電導線に電流が流れた時に、超電導コ
イルに作用する電磁力に耐え得る強度に超電導線材を固
定するよう構成した超電導コイルの製造方法を提供する
にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の最大の特長は、
超電導コイルを形成するのに、ワインド・アンド・リア
クト法によるA−15相を形成するNb3SnやNb3
eの超電導線材を使用して超電導コイルとする際、超電
導コイルに超電導特性を付与するための熱処理温度、も
しくはそれ以下の温度で超電導コイルを形成する超電導
線材間に塗布したセラミックス粉末を焼結して超電導コ
イルを固化することである。すなわち、水もしくは有機
溶剤中に分散したセラミックス粉末の泥漿を準備し、巻
線工程で線材に塗布する方法と、ついで巻線後加圧及び
真空含浸する方法等により該セラミックス泥漿を超電導
線材間に充填し、乾燥後A−15相を生成する温度まで
真空中で加熱し、線材のA−15相形成処理とセラミッ
クスの焼結とを同時に行う。この時セラミックス粉末は
焼結に伴い収縮緻密化が進行し線材が強固に拘束され、
一方セラミックスと超電導線材とは反応しないので、耐
クエンチ性に優れた超電導コイルの製作が可能となる。
【0007】使用するセラミックス粉末としては、Nb
3SnやNb3Ge等に代表されるA−15相が形成され
る650℃ないし800℃の熱処理温度の範囲でセラミ
ックス粉末間の焼結を行うようにすることから、アルミ
ナとフォルステライトの混合粉末と、カリウムを含むほ
う珪酸ガラスとの混合粉末、又はアルミナとフォルステ
ライトの混合粉末と、鉛とほう珪酸ガラスとの混合粉末
等が適当である。又、A−15相を形成するための熱処
理を終了した後、該超電導コイルを熱硬化性樹脂を使用
して含浸、硬化せしめる方法や、セラミックス焼結層を
形成した外周面にかしめのリングをとり付けることによ
り、更に超電導線材の固定の強度を高め、本発明の効果
を更に向上させる上で有効となる。
【0008】本発明は、1.巻線完了後に熱処理を施し
て超電導相を形成する超電導線材を巻回して成る超電導
コイルに於て、前記熱処理を施す温度で焼結するセラミ
ックス粉末を超電導コイルを形成する超電導線材の層間
及び外周部分に塗布して後、超電導線材の超電導相を形
成する温度で熱処理を施し、前記セラミックス粉末を超
電導線材の相形成の熱処理と同時に焼結させて、超電導
線材間を強固に固着することを特徴とする超電導コイル
の製造方法である。
【0009】
【作用】3ニオブ・錫(Nb3Sn)や3ニオブ・ゲル
マニウム(Nb3Ge)等に代表されるA−15相を形
成して高磁界を発生する超電導線材を用いた超電導コイ
ルを形成するのに、A−15相を形成する650℃ない
し800℃で焼結し固化するセラミックス粉末を用い
て、予め超電導コイルを形成する時に超電導線材の周囲
に前記セラミックス粉末の泥漿を超電導線材に塗布して
巻き込み、セラミックスが固化し、かつ超電導線材がA
−15相を形成する温度で焼結し超電導線材で巻回され
た超電導コイルをセラミックスで固化する。超電導コイ
ルを形成する超電導線材は従来は熱硬化性樹脂で固定し
ているのに対し、本発明ではガラス質のセラミックスで
固化するので高磁界を発生した時の電磁力により生じて
いた超電導コイルの超電導線材の機械的な乱れを防止す
る。
【0010】超電導線材に塗布するセラミックスには、
アルミナ(Al23)、ホルステライト(MgSi
2)等のセラミックスの平均粒径が1μm以下の微粉
末と、超電導線材がA−15相を形成する650℃ない
し800℃で軟化するガラス粉末とを攪拌したセラミッ
クス粉末を使用する。アルミナ、フォルステライト等の
セラミックスは800℃に於いても軟化することがない
安定なセラミックスであるが、650℃ないし850℃
で軟化するガラス粉末を添加混合したものを超電導マグ
ネットの超電導線材間を固めるためのセラミックス固化
材とする。
【0011】使用するガラスとしては、650℃ないし
800℃の温度範囲で軟化する酸化カリウム(K
2O)、硼酸(B23)、硅酸(SiO2)よりなる硼硅
酸ガラスを用いるもので、実施例では重量比でK2Oが
8%、SiO2が67%、B23が25%で軟化温度が
700℃〜730℃のガラス、及び酸化鉛(PbO)が
60%、硼酸(B23)が15%、硅酸(SiO2)が
25%で軟化温度が650℃ないし700℃の粒径が1
μm以下にしたガラス粉末を使用しているが、硼硅酸ガ
ラスに酸化カリウム(K2O)を添加したガラス、及び
酸化鉛(PbO)を主成分にして硼硅酸ガラスの組成の
成分比を変え、又アルミナ(AlO3)、酸化亜鉛(Z
nO)、酸化バナジウム(V23)、酸化カルシウム
(CaO)、酸化リチウム(LiO)、酸化ナトリウム
(Na2O)等を夫々適当量を添加し組合せたガラスと
することにより、軟化温度の異なるガラスとすることが
出来る。
【0012】又ガラス粉末に添加するアルミナ、ホルス
テライト等のセラミックス粉末とガラス粉末との重量比
は、本実施例ではガラスの添加量を重量比で40%とし
たが、ガラスの組成の組合せによる軟化温度と焼結温度
とにより、ガラス粉末に対するセラミックス粉末の混合
比を20%ないし80%の範囲で組み合わせの比率を変
えて超電導線材の熱処理温度に適合させればよい。
【0013】
【実施例】本発明の実施例を図面を参照して説明する。
図1は、本発明による超電導コイル1であり、従来のN
bTi超電導線材によって構成された外部コイル2と、
本発明の方法により製作した超電導線材にNb3Snを
使用した内部コイル3の組合せにより構成されている。
次に内部コイル3の詳細な製作方法を以下に示す。超電
導線材として銅錫(CuSn)ブロンズ合金中にニオブ
(Nb)ロッドが多数本配置されたA−15相形成前の
線材を準備し、表面に熱処理温度に耐え得るガラステー
プ状の絶縁層が巻いた状態で使用している。
【0014】一方、線材を強固に固定する第1の実施例
のセラミックスには、平均粒径が1μm以下に粉砕した
アルミナ粉末とホルステライト粉末とをほぼ1:1の重
量比で混合した粉末をセラミック粉末全体に対し重量比
で60%に、平均粒径が1μm以下に粉砕した酸化カリ
ウム(K2O)が8%、硅酸(SiO2)が67%、酸化
硼素(B23)25%の硼珪酸ガラスを重量比で40%
を混合して使用し、アルコール中に分散しセラミックス
粉末の泥漿5を作製した。図2は内部コイル3の巻線を
行う方法を示しており、線径が0.80mmの超電導線
材4にセラミックス粉末の泥漿5を塗布し乾燥しながら
巻線を行い、内部コイル3の巻線を終了後、図3に示す
様な内部コイル3の外周面にセラミックス粉末の泥漿5
を約10mmの厚さに塗布し、さらに約40℃で5時間
の乾燥処理を行った。次に、750℃で48時間のNb
3Sn相形成処理とセラミックス焼結処理を兼用した真
空中での熱処理を行い本発明による超電導コイルを完成
した。
【0015】次に、第2の実施例のセラミックスには、
平均粒径が1μm以下に粉砕したアルミナ粉末とホルス
テライトとをほぼ1:1の重量比で混合した粉末をセラ
ミック粉末全体に対し重量比で60%に、平均粒径が1
μm以下に粉砕した硅酸(SiO2)が25%、酸化硼
素(B23)が15%、酸化鉛(PbO)が60%の鉛
入り硼硅酸ガラスを1μ以下に粉砕した硼硅酸ガラス粉
末を重量比で40%添加し、700℃で48時間のNb
3Sn相形成処理とセラミックス焼結処理を行い完成し
た。
【0016】比較例としては、従来のワインド・アンド
・リアクト処理後、樹脂含浸、硬化を行った超電導コイ
ルを使用した。表1には、実施例1、実施例2に示す超
電導コイル1を液体ヘリウム温度まで冷却後電流を印加
した際の結果を示しており、図4には実施例1により作
られた超電導コイルと従来例による超電導コイルのトレ
ーニング回数と発生磁場との関係を示す。本発明によっ
て超電導コイルにした時のコイルに対する通電回数と超
電導電流を流すトレーニング効果が小さく、しかも到達
磁界が大きく向上しており、明かに本発明の超電導線材
を強固に固定する目的が達成できていることが確認出来
た。
【表1】
【0017】
【発明の効果】以上述べたごとく本発明によれば、従来
のワインド・アンド・リアクト法により樹脂含浸硬化し
て製作される超電導コイルに比較して、超電導線材はガ
ラス状のセラミックスで固定されるので超電導線材の固
定が強固となり、安定して高磁場を発生する超電導コイ
ルを提供する事が可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の効果を実証する為に製作された超電導
コイルの断面図。
【図2】本発明からなる超電導コイルを製作する際の巻
線状況を示す概略図。
【図3】本発明による超電導コイルの透視図。
【図4】本発明による超電導コイルと比較例による超電
導コイルの励磁結果を示す特性図。
【符号の説明】
1 超電導コイル 2 外部コイル 3 内部コイル 4 超電導線材 5 セラミックス粉末の泥漿 6 泥漿を付着した線材

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 巻線完了後に熱処理を施して超電導相を
    形成する超電導線材を巻回して成る超電導コイルに於
    て、前記熱処理を施す温度で焼結するセラミックス粉末
    を超電導コイルを形成する超電導線材の層間及び外周部
    分に塗布した後、超電導線材の超電導相を形成する温度
    で熱処理を施し、前記セラミックス粉末を超電導線材の
    相形成の熱処理と同時に焼結させて、超電導線材間を強
    固に固着することを特徴とする超電導コイルの製造方
    法。
JP32116293A 1993-11-26 1993-11-26 超電導コイルの製造方法 Pending JPH07153619A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002510849A (ja) * 1998-04-03 2002-04-09 バクームシュメルツェ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニ コマンディートゲゼルシャフト 高温超伝導条導体の製造プロセスで使用される被覆方法

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