JPH07153616A - 樹脂複合フェライト、その製造方法及び電子部品用材 - Google Patents

樹脂複合フェライト、その製造方法及び電子部品用材

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JPH07153616A
JPH07153616A JP32346293A JP32346293A JPH07153616A JP H07153616 A JPH07153616 A JP H07153616A JP 32346293 A JP32346293 A JP 32346293A JP 32346293 A JP32346293 A JP 32346293A JP H07153616 A JPH07153616 A JP H07153616A
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powder
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ferrite powder
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Yasushi Suganuma
靖 菅沼
Yukio Takeda
幸男 竹田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】フェライトと樹脂からなる複合材の成形性、電
磁特性を高める。 【構成】50〜200μmの第1のフェライト粉体とそ
の1/3の第2のフェライト粉体を併用して樹脂と複合
させた樹脂複合フェライト。 【効果】粒径を限定するとともに、大小の粒径のフェラ
イトを用いたので、樹脂との混合物の溶融物の流動性を
改善でき、成形性を向上できるとともに、大きな粒子の
間に小さな粒子が入り込むのでその充填密度を高め、透
磁率を高めることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、コイル部品や電磁シー
ルドに用いられる、フェライトと樹脂を複合した樹脂複
合フェライト、その製造方法及びこれを用いた電子部品
用材に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、高周波電子部品等から発生するノ
イズを除去するため、各種のフィルタやコイルが使用さ
れており、それらには無端リング状の鉄心や無端リング
状の焼結したフェライトにコイルを巻いた、いわゆるト
ロイダルコイルが使用されることがほとんどであった。
【0003】また、電気機器あるいは電子機器から発生
するノイズの除去や低減には電磁シールドをすることが
行われ、それには樹脂成形体表面に金属メッキを施した
り、導電体をコーテングし、あるいは導電体と樹脂を複
合した複合材からなる成形体を形成し、これら成形体に
より電気機器あるいは電子機器を覆うことが主として行
われている。
【0004】上記のトロイダルコイルを製造するには、
無端リング状の鉄心や無端リング状の焼結したフェライ
トに被覆線を通して巻線を行う必要があり、その作業を
連続的に行えないことと、手作業で行うために生産効率
が悪く、コスト高になるという問題があった。特に大電
流用のトロイダルコイルを製造する場合にはこれらの問
題は大きくなる。また、電磁シールドを行うために樹脂
成形体の表面にメッキやコーティングにより導電層を形
成した成形体、あるいは樹脂と導電材とを複合すること
により導電性を持たせた成形体は、その導電性があるこ
とにより例えば電子部品が密集して設けられるような場
合には隣接部品をショートさせる等の問題があり、その
使用できる範囲が制限されるという問題がある。
【0005】これらの問題点を解決するために、超微粉
体のフェライト粉末と樹脂を混合し、その混合物からな
る複合材を磁性材に用いてインダクタ等のコイル部品を
作成することも行われており、この方法は射出成形、押
出成形、トランスファモールド等の成形方法を用いるこ
とができるので、コイル部品の生産効率を高めることが
できるという利点がある。また、その混合物を塗料化す
ることによりプラスチック成形体表面に磁性材の塗布層
を形成したり、その混合物自体を成形して磁性材からな
るプラスチック成形体を作成し、電磁シールド製品とす
ることもできる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
フェライト粉末と樹脂の混合物からなる複合材は、フェ
ライトと樹脂が混合されており、フェライトは粉末が用
いられているので、フェライトのみからなる焼結体のよ
うに組織が緻密ではなく、そのために透磁率等の電磁特
性が著しく劣ったものになるという問題があり、そのフ
ェライト粉末を緻密に充填させ、電磁特性をいかに向上
させることができるかという課題があった。本発明の目
的は、成形性が良く、電磁特性の優れた樹脂複合フェラ
イト及びその応用として電子部品用材を提供することに
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために、粒径50μm〜200μmの第1のフェ
ライト粉体と、該第1のフェライト粉体の粒径の1/3
以下の粒径の第2のフェライト粉体と、樹脂を含有する
樹脂複合フェライトを提供するものである。
【0008】この際、第1のフェライト粉体及び第2の
フェライト粉体の総量中の第2のフェライト粉体が占め
る割合が30重量%以下であること、第1のフェライト
粉体及び第2のフェライト粉体の総量と、樹脂との混合
割合が94:6〜88:12であること、第1のフェラ
イト粉体と第2のフェライト粉体のうち少なくとも第1
のフェライト粉体がフェライトの焼結体を粉砕して得ら
れたフェライト粉体、結合剤及び溶媒よりなるスラリー
をスプレーし、乾燥することにより造粒し、この造粒粉
を焼成して得られるフェライト粉体であることが好まし
い。また、本発明は、これらの樹脂複合フェライトを磁
性材として用いた電子部品用材を提供するものである。
【0009】また、本発明は、フェライトの焼結体を粉
砕して得られたフェライト粉体、結合剤及び溶媒よりな
るスラリーをスプレーし、乾燥することにより造粒し、
この造粒粉を焼成して粒径50μm〜200μmの第1
のフェライト粉体を得る工程と、該第1のフェライト粉
体の粒径の1/3以下の粒径の第2のフェライト粉体を
得る工程と、該第1のフェライト粉体と第2のフェライ
ト粉体と樹脂とを混合して混合物を得る工程と、該混合
物を成型して成型体を得る工程とを有する樹脂複合フェ
ライトの製造方法を提供するものである。
【0010】本発明において、第1のフェライト粉体及
び第2のフェライト粉体としては後述の実施例に示され
るものの外に、Fe2 3 を主成分とする他のフェリ磁
性化合物も用いられるが、その用い方としてはそのまま
樹脂と混合した混合物を用いて成形し、樹脂複合フェラ
イトとしても良いが、その焼結体を粉砕したものを用い
ても良く、さらにはその粉砕物と、結合剤として例えば
PVA系樹脂(ビニアルコールを有するビニル系樹脂)
等の樹脂と、溶剤等からなるスラリーをスプレーし、乾
燥させて造粒粉にし、さらにこの造粒粉を焼結した造粒
焼結体粉を少なくとも第1のフェライト粉体に用いるこ
とが好ましく、さらに第2のフェライト粉体に用いるこ
とも好ましい。このような造粒焼結体粉は球形であるこ
とが樹脂との混合物の溶融物の流動性の点から好まし
い。粒径としては第1のフェライト粉体が50μm〜2
00μm、第2のフェライト粉体がその1/3以下であ
ることが好ましい。第2のフェライト粉体はその平均粒
径が15μm以上が好ましく、これ未満では球形に近い
粒子を得ることが難しく、第1のフェライト粉体、第2
のフェライト粉体と樹脂の混合物の成形性、その成形物
を磁性材として用いた場合の透磁率が前者のものより劣
る。また、第1のフェライト粉体の平均粒径が200μ
mを越えると、これら第1のフェライト粉体及び第2の
フェライト粉体と樹脂との混合物からなる成形体の寸法
精度がそれ以下のものに比べて劣る。第1のフェライト
粉体の好ましい平均粒径は75μm〜150μm、第2
のフェライト粉体の好ましい平均粒径は15μm〜30
μmである。
【0011】第1のフェライト粉体と第2のフェライト
粉体との総量中の第2のフェライトの占める割合は30
%以下10%以上が好ましく、これが30%より多い
と、これらフェライトと樹脂の混合物の成形性、その成
形物を磁性材として用いた場合の透磁率がそれ以下のも
のに比べて悪くなる。
【0012】本発明において、樹脂としてはポリエチレ
ン、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂、ポリカー
ボネート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂等の
熱可塑性樹脂が好ましく用いられが、その他の樹脂も用
いられる。上記第1のフェライト粉体及び第2のフェラ
イト粉体と、上記樹脂との混合割合は、94:6〜8
8:12であることが好ましく、94:6より樹脂が少
ないときは例えば射出成形等の成形をしたときに流動性
がそれより多い場合に比べ悪くなり、良品の成形品を得
られないことがあり、一方88:12より樹脂が多いと
成形性は良いが成形物を磁性材として用いた場合にそれ
以下のものに比べ透磁率が悪くなる。上記の混合物は、
射出成形、押し出し成形、トランスモールド法等により
通常の樹脂成形体を得る場合と同様に成形される。
【0013】上記混合物には可塑剤、分散剤、離型剤等
の添加剤を加えることもでき、溶剤を加えて液状塗料と
することもでき、この塗料を樹脂成形体表面にコーテイ
ングし電磁シールド材を形成してもよい。また、上記樹
脂に熱硬化性のものを用い、例えはその液状樹脂を用い
た上記混合物を型により成形し、硬化させるようにして
も良い。上記混合物を成形して得られる複合材は、磁性
材としてコア、ビーズ、トランス、コイル等や大型品、
小型品、複雑形状品を大量に得るのに適し、これらの部
品を安価に製造することができる。
【0014】
【作用】第1のフェライト粉体の粒径を限定し、第2の
フェライト粉体の粒径をその1/3以下にしたので、こ
れらフェライト粉体と樹脂の混合物はその溶融物の流動
性が改善されその成形性を良くすることができるととも
に、前者の粉体粒子間の空隙に後者の粉体粒子を充填で
き、樹脂複合フェライト中のフェライト粉体の充填密度
を高めることができ、透磁率を高めることができる。特
に第1のフェライト粉体をフェライトの焼結体を粉砕
し、造粒した後さらに焼成することにより得るようにす
ると、粒子が球形になること等により上記の成形性及び
透磁率がさらに向上する。また、上記混合物は樹脂の成
形法と同様に成形され、成形物の小型化ができる。
【0015】
【実施例】次に本発明の実施例を説明する。 実施例1 Mn−Znフェライト原料粉末を焼結し、さらにこ
れを機械的に粉砕して平均粒径2μmの粉末を得た。 次いで、この粉末1Kgに対してPVA(ポリビニ
ルアルコール)の3%水溶液を30mlの割合で加えて
混合し、25℃で粘度5000±1000cps(東機
産業(株)製回転粘度計B&H形使用)に撹拌調整し
た。この粘性溶液をスプレードライヤーを用いてスプレ
ーし、乾燥させて造粒粉を製造した。造粒は造粒粉体が
できるかぎり球状になるようにスプレー条件、すなわち
そのノズルからの噴出圧力、速度等を設定し、造粒粉体
の平均粒径80μm前後(粒径が50μm〜120μ
m)及び平均粒径が16μm前後(粒径が12μm〜2
5μm)となる2つの造粒粉体を製造した。なお、上記
造粒粉体を製造する装置、方法は特開平4─21460
6号公報にも記載されており、これらを用いることがで
きる。
【0016】 次いで、これらの造粒粉体をそれぞれ
焼成した。焼成は、造粒粉体自身の焼結は進むが造粒粉
体粒子間の焼結がなるべく進まない温度、時間を選択す
るが、例えば880℃、0.5時間で行うと良好であ
る。この際、昇温は空気中で行い、また、保持及び冷却
は窒素雰囲気で行った。 焼結後、造粒粉体粒子そのものは粉砕されないが、
造粒粉体粒子間の融着がほぐれる程度の弱い粉砕条件で
解砕した。このようにして平均粒径の異なる2種類のM
n−Znフェライトの造粒焼結体粉、すなわち第1のフ
ェライト粉体と第2のフェライト粉体を得たが、平均粒
径で造粒時の平均粒径より約5%前後小さい粒径になっ
ており、前者の平均粒径が75μm(粒径範囲65μm
〜85μm)、後者の平均粒径が15μm(粒径範囲8
μm〜25μm)であった。得られた造粒焼結体粉は外
形形状はほぼ球形であり、SEM(電子顕微鏡)観察の
結果、粒子間のネック部の成長が進んでおり、粒子内で
は焼結がかなりの程度に進んでいる状況が分かったが、
粒子内部の緻密化はまだ不完全で、気孔が残っている状
況も同時に確認された。
【0017】 次いで、上記の造粒焼結体粉とポリエ
チレン樹脂を混練した。混練に当たっては、造粒焼結体
粉の平均粒径が75μmの第1のフェライト粉体70重
量%と、平均粒径15μmの第2のフェライト粉体30
重量%の割合で秤量、配合し、さらに両者のフェライト
粉体の合計と、樹脂とを表1に示す割合で混合し、それ
ぞれの混合物をニーダにより230℃に加熱混練した。
混練物は冷却後、塊とし、さらに液体窒素で冷却し、ク
ラッシャを用いて約3mmの大きさに粉砕した。 これらの混練物粉砕物を射出成形機により予めその
機械内にセットした巻線とともに成形し、インダクタを
作成した。その成形性を5段階評価(◎最も良好、○良
好、□普通、△やや不良、×不良)するとともに、イン
ダクタのコアについて透磁率μ(1MHz)を測定した
結果を表1に示す。
【0018】
【表1】
【0019】表1から、造粒焼結体粉/樹脂の割合が9
4/6〜88/12である場合には透磁率も良好である
のに対し、その割合が96/4では樹脂量が少ないため
に射出成形時の流れが前者のものより劣り、さらに85
/15では成形性は良いが特性の点で前者のものより劣
ることが明らかである。
【0020】比較例1 Mn─Znフェライト焼結体を粉砕したままの状態で表
2に示すそれぞれの平均粒径(粒径範囲)の1種類の造
粒粉と、ポリエチレン樹脂とを表2に示すそれぞれの割
合で混合した混合物を混練し、それぞれのインダクタを
得、実施例1と同様に測定した結果を表2に示す。これ
らの場合、Mn─Znフェライトは焼結体を粉砕したま
ま用いているので、角ばった形状をしている。表2中、
平均粒径が70μmのフェライトの粉体を使用した場合
には、粉体/樹脂の割合が90/10でも流れ性が悪
く、良好なインダクタ成形品を得ることが困難であると
ともに、透磁率も劣ることがわかる。一方、粉体/樹脂
の割合が85/15の場合、射出成形は可能で、インダ
クタは成形できるが、樹脂量が多いために良好な透磁率
のインダクタにならないことがわかる。また、平均粒径
が2μmのフェライトの粉体を使用した場合、成形性は
ますます悪くなり、透磁率も良くない。
【0021】
【表2】
【0022】実施例2 実施例1において、成形性と透磁率の優れるものとし
て、造粒焼結体粉と樹脂の割合を90/10にしたもの
を用い、その割合を一定にするとともに、第1のフェラ
イト粉(粗粉)と第2のフェライト粉(微粉)のそれぞ
れの造粒焼結体の粒径を変えた場合以外は同様にしてイ
ンダクタを製造し、その際の成形性、透磁率を実施例1
と同様に調べた結果を表3に示す。
【0023】
【表3】
【0024】表3から明らかのように、微粉が30%を
越えて配合されているとインダクタの成形性が悪く、透
磁率も劣るが、微粉の割合が30重量%以下であって
も、微粉の粒径が15μ以下では透磁率の優れたインダ
クタが得られないが、それ以上では成形性も良く、透磁
率の優れたインダクタが得られる。微粉の割合が40重
量%になると、微粉の粒径を20μmにしても透磁率の
優れたインダクタは得られない。造粒焼結体粉の平均粒
径が15μmより小さい場合には球形に近い粒子を得る
ことが難しく、インダクタの成形性が悪く、透磁率も良
くない。粗粉の平均粒径が200μmを越えるとインダ
クタ製品の寸法精度が悪くなる。
【0025】実施例3 Mn−Znフェライトの代わりにNi−Znフェライト
を用い、造粒粉の焼結を大気中で行い、その他の条件は
実施例1と同様にして造粒焼結体粉を製造し、さらにこ
の造粒焼結体粉を用い、実施例1と同様に樹脂との混練
を表4に示すそれぞれの割合で行い、射出成形してイン
ダクタを得た。その成形性と透磁率を実施例1と同様に
測定した結果を表4に示す。
【0026】
【表4】
【0027】表4からわかるように、造粒焼結体粉/樹
脂の割合が94/6〜88/12の範囲で成形性が良
い、透磁率の優れたインダクタを得ることができる。
【0028】実施例4 Mn−Znフェライトの代わりにNi−Znフェライト
を用い、造粒粉の焼結を大気中で行い、その他の条件は
実施例1と同様にして造粒焼結体粉を製造し、さらにこ
の造粒焼結体粉を用い、実施例2と同様に微粉と粗粉の
粒径を表5に示すそれぞれの値で行い、射出成形してイ
ンダクタを得た。このインダクタについても実施例1と
同様に成形性、透磁率を測定した結果を表5に示す。
【0029】
【表5】
【0030】表5より、微粉の粒径が15μm以上で、
その粗粉との合計に対する割合が30重量%以下であれ
ば、良好な成形性が得られ、透磁率の優れたインダクタ
が得られることがわかる。
【0031】実施例5 実施例1において、ポリエチレン樹脂を用いる代わりに
表6に示すそれぞれの樹脂を用いた以外は同様にしてそ
れぞれのインダクタを製造した。それぞれのインダクタ
の成形性、透磁率を測定した結果を表6に示す。
【0032】
【表6】
【0033】表6に記載された樹脂はいずれも成形性が
良く、透磁率も優れることがわかる。なお、造粒焼結体
粉の微粉と粗粉の粒径の組み合わせを変えた場合の実施
例2、Ni−Znフェライトを用いた場合の実施例3、
Ni−Znフェライトを用いた場合の実施例2に対応す
る実施例4においても表6に示す樹脂はこれらのそれぞ
れの実施例において優れた成形性と透磁率を示している
ものと同様の性能を示した。
【0034】実施例6 実施例1において、Mn−Znフェライトを用いる代わ
りに表7に示すそれぞれのフェライトを用いた以外は同
様にしてそれぞれのインダクタを製造した。それぞれの
インダクタの成形性、透磁率を測定した結果を表7に示
す。
【0035】
【表7】
【0036】表7に記載されたフェライトはいずれも成
形性が良く、透磁率も優れることがわかる。なお、造粒
焼結体粉の微粉と粗粉の粒径の組み合わせを変えた場合
の実施例2、樹脂の種類を変えた場合の実施例5におい
ても表7に示すフェライトはそれぞれの実施例において
優れた成形性と透磁率を示しているものと同様の性能を
示した。
【0037】
【発明の効果】本発明によれば、粒径を限定した第1の
フェライト粉体とその粒径の1/3の粒径の第2のフェ
ライト粉体を樹脂と複合させた樹脂複合フェライトはそ
の成形性が良く、透磁率も優れ、インダクタ等のコイル
部品や電磁シールドに用いる優れた磁性材を提供するこ
とができる。また、その塗料化もでき、樹脂成形体にコ
ーティングして電磁シールド材を得ることができるのみ
ならず、型に流し込み、乾燥させて注型品の磁性材を得
ることもできる。このように樹脂の成形法と同様の成形
法を適用でき、通常の磁性塗料と同様に用いることがで
きるので、トロイダルコイルに比べてその応用範囲を拡
大することができるとともに、その生産性を顕著に向上
させ、コストを低減できる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粒径50μm〜200μmの第1のフェ
    ライト粉体と、該第1のフェライト粉体の粒径の1/3
    以下の粒径の第2のフェライト粉体と、樹脂を含有する
    樹脂複合フェライト。
  2. 【請求項2】 第1のフェライト粉体及び第2のフェラ
    イト粉体の総量中の第2のフェライト粉体が占める割合
    が30重量%以下である請求項1記載の樹脂複合フェラ
    イト。
  3. 【請求項3】 第1のフェライト粉体及び第2のフェラ
    イト粉体の総量と、樹脂との混合割合が94:6〜8
    8:12である請求項1又は2記載の樹脂複合フェライ
    ト。
  4. 【請求項4】 第1のフェライト粉体及び第2のフェラ
    イト粉体の少なくとも第1のフェライト粉体がフェライ
    トの焼結体を粉砕して得られたフェライト粉体、結合剤
    及び溶媒よりなるスラリーをスプレーし、乾燥すること
    により造粒し、この造粒粉を焼成して得られるフェライ
    ト粉体である請求項1ないし3のいずれかに記載された
    樹脂複合フェライト。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれかに記載の樹
    脂複合フェライトを磁性材として用いた電子部品用材。
  6. 【請求項6】 フェライトの焼結体を粉砕して得られた
    フェライト粉体、結合剤及び溶媒よりなるスラリーをス
    プレーし、乾燥することにより造粒し、この造粒粉を焼
    成して粒径50μm〜200μmの第1のフェライト粉
    体を得る工程と、該第1のフェライト粉体の粒径の1/
    3以下の粒径の第2のフェライト粉体を得る工程と、該
    第1のフェライト粉体と第2のフェライト粉体と樹脂と
    を含有する混合物を得る工程と、該混合物を成型して成
    型体を得る工程とを有する樹脂複合フェライトの製造方
    法。
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