JPH07151756A - 抗体の測定方法 - Google Patents

抗体の測定方法

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JPH07151756A
JPH07151756A JP30004093A JP30004093A JPH07151756A JP H07151756 A JPH07151756 A JP H07151756A JP 30004093 A JP30004093 A JP 30004093A JP 30004093 A JP30004093 A JP 30004093A JP H07151756 A JPH07151756 A JP H07151756A
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particles
insoluble
magnetic particles
reaction
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JP30004093A
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Takaaki Munebayashi
孝明 宗林
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Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】 測定しようとする抗体に対する抗体を担持さ
せた不溶性磁性粒子からなる第1試薬と、測定しようと
する抗体とを反応容器の液体媒体中で反応させる。反応
後の該不溶性磁性粒子を磁場の作用により反応容器壁に
付着させ、該液体媒体を除去する。測定しようとする抗
体と特異的に結合する抗原を担持させた不溶性蛍光色素
標識粒子からなる第2試薬と、反応容器壁に付着した該
不溶性磁性粒子とを液体媒体中で反応させる。該不溶性
磁性粒子を磁場の作用により反応容器壁に付着させ、該
液体媒体及び未反応の不溶性蛍光色素標識粒子を除去
し、不溶性磁性粒子と反応した不溶性蛍光色素標識粒子
の蛍光強度を測定する。 【効果】 磁性粒子および蛍光粒子を用いることによ
り、迅速、簡便に反応結合物と未反応物を分離、洗浄す
る操作が実施できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は抗体の測定方法に関す
る。詳しくは、磁性粒子および蛍光標識粒子を用いた抗
体の測定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、抗原抗体反応を利用した免疫測定
法が種々の疾病の早期検出法や、極微量の物質の検出法
として知られている。高感度な免疫測定法には種々の方
法があり、抗体または抗原に標識物質として、放射性同
位体(RI)、酵素、蛍光物質、発光物質などを結合し
て用いるラジオイムノアッセイ(RIA)、酵素イムノ
アッセイ(EIA)、蛍光イムノアッセイ(FIA)、
発光イムノアッセイ(LIA)などに分類される。ま
た、ラテックス等の不溶性担体粒子に担持された抗体ま
たは抗原と、それに対応する抗原または抗体とを反応さ
せ、その反応に伴う反応混合物の透過光の変化から抗原
抗体反応の速度を測定する方法(LPIA)が知られて
いる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、かかる従来技
術は種々の問題を持つ。たとえば、RIAはRIの取扱
いおよび廃棄に対する制約がある。LPIAは簡便性、
操作性などに優れた方法であるが、検出感度の改良が望
まれている。EIA,FIA,LIAなどは取扱いの安
全性については有利であるが、検出感度はRIAに若干
劣る。また、EIAは酵素反応を伴うため取扱いもFI
Aほど簡便ではない。LIAも、分離後、発光させるた
めに水酸化ナトリウムなどの試薬を加える必要があるた
めFIAに比べると複雑であるいう欠点があった。
【0004】ところで、EIA、FIA、LIAなどの
方法は、通常、反応結合物と未反応物を分離、洗浄する
操作(B/F分離)を必要とするが、これらの方法にお
いて、測定操作を煩雑にし、時間のかかるものにしてい
る主な原因はこれらのB/F分離である。B/F分離と
しては、通常、チューブ、マイクロタイターウェルなど
の反応管から、未反応物を含む反応液を廃棄した後、洗
浄液の供給、インキュベーション、洗浄液の廃棄という
洗浄操作を数回繰り返すことが行われている。
【0005】B/F分離を比較的迅速、簡便に行うため
にメンブレン、グラスファイバーなどのフィルターを利
用したものがある。これらは、液の流れる方向が一方向
であるため(液の廃棄時に吸い出す必要がない)、洗浄
工程に必要とする時間も短くてすみ、また、自動化など
装置化しやすい特徴がある。しかしながら、これらの方
法にも、種々の問題点がある。フィルターに一次抗体又
は抗原を直接結合させたものでは、フィルターと測定し
たい項目とが対応している必要があり、フィルターの保
管、供給などを考えると自動化装置とする場合に問題が
ある。
【0006】また、ラテックス等の微粒子に一時抗体ま
たは抗原を結合し、反応後、フィルターに捕集するタイ
プのものでは、フィルター上に孔径より大きい粒子を捕
集するものと、フィルターへの粒子の吸着を利用するも
のがある。前者では、フィルターが目詰まりすることに
より二次抗体などの標識物が完全に洗浄しきれなくて、
バックグラウンドの上昇を生じる可能性がある。また、
後者では、フィルターへの吸着の原因が解明されていな
いため、粒子を完全に捕集しているかどうかの判断、ま
た、吸着しやすい素材を用いることによるバックグラウ
ンドの上昇などの問題が残る。また、フィルター内部へ
の吸着を利用するため、EIAには応用できるが、FI
Aの場合、励起光がとどかない可能性もあり応用できな
い。
【0007】一方、B/F分離の改良法として、磁性粒
子を用いたものも種々報告されている。この方法は、磁
力を利用して磁性粒子を集める操作を迅速、簡便にでき
る特徴がある。しかしながら、現在実用化されているも
のは、酵素、蛍光色素、発光色素、RIなどを標識した
二次抗体を用いるため、測定感度が充分でないことがあ
る。特に、蛍光色素を標識したものは感度の点で問題が
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記問題点
を解決すべく鋭意検討した結果、磁性粒子を用いること
により迅速、簡便にB/F分離が実施でき、かつ、蛍光
粒子を用いることにより通常のFIAよりも測定感度を
上昇させた免疫分析方法を見出した。即ち本発明の要旨
は、下記の工程からなる抗体の測定方法に存する。 (a)測定しようとする抗体に対する抗体を担持させた
不溶性磁性粒子からなる第1試薬と、測定しようとする
抗体とを反応容器の液体媒体中で反応させる。 (b)工程(a)の反応後の該不溶性磁性粒子を磁場の
作用により反応容器壁に付着させ、該液体媒体を除去す
る。 (c)測定しようとする抗体と特異的に結合する抗原を
担持させた不溶性蛍光色素標識粒子からなる第2試薬
と、工程(b)の反応容器壁に付着した該不溶性磁性粒
子とを液体媒体中で反応させる。 (d)工程(c)の該不溶性磁性粒子を磁場の作用によ
り反応容器壁に付着させ、該液体媒体及び未反応の不溶
性蛍光色素標識粒子を除去し、次いで該不溶性磁性粒子
と反応した不溶性蛍光色素標識粒子の蛍光強度を測定す
る。
【0009】以下、本発明を詳細に説明する。本発明で
使用する不溶性磁性粒子は、たとえば、四三酸化鉄(F
34 )、三二酸化鉄(γ−Fe23 )、各種フェ
ライト、鉄、マンガン、ニッケル、コバルト、クロムな
どの金属、コバルト、ニッケル、マンガンなどの合金か
らなる微粒子またはこれらの磁性粒子を内部に含んだポ
リスチレン、ポリアクリロニトリル、ポリメタクリロニ
トリル、ポリメタクリル酸メチル、ポリカプラミド、ポ
リエチレンテレフタレートなどの疎水性重合体、ポリア
クリルアミド、ポリメタクリルアミド、ポリビニルピロ
リドン、ポリビニルアルコール、ポリ(2−オキシエチ
ルアクリレート)、ポリ(2−オキシエチルメタクリレ
ート)、ポリ(2,3−ジオキシプロピルアクリレー
ト)、ポリ(2,3−ジオキシプロピルメタクリレー
ト)、ポリエチレングリコールメタクリレートなどの架
橋した親水性重合体、またはそれぞれのモノマーの2−
4種程度の共重合体などのラテックス、ゼラチン、リポ
ソームまたは、上記磁性微粒子をラテックス、ゼラチ
ン、リポソームなどの表面に固定化した粒子などが用い
られる。
【0010】不溶性磁性粒子の粒径は0.05μm〜5
μmのものが用いられ、0.1μm〜1μmの範囲内の
粒径を有する不溶性磁性粒子が好ましい。不溶性磁性粒
子に抗体を担持させる方法としては、測定しようとする
抗体に対する抗体を物理的に吸着させるか、あるいは化
学的に担持させることにより行われる。
【0011】物理的に吸着させる方法としては、不溶性
磁性粒子に、抗体を直接固定化する方法、アルブミンな
どの他のタンパク質に化学的に結合させてから吸着させ
て固定化する方法が挙げられる。化学的に担持させる方
法としては、磁性粒子の表面に存在するアミノ基、カル
ボキシル基、メルカプト基、ヒドロキシル基、アルデヒ
ド基、エポキシ基などを化学的に修飾することにより抗
体分子と結合させることができる官能基を利用して、直
接粒子上に固定化する方法、粒子と抗体分子の間にスペ
ーサー分子を化学結合で導入して固定化する方法、アル
ブミンなどの他のタンパク質に抗体を化学結合させた
後、そのタンパク質を粒子に化学結合させる方法が挙げ
られる。
【0012】本願発明において、不溶性磁性粒子には、
測定しようとする抗体に対する抗体(以下後者の抗体
を、便宜上「抗体′」と略すことがある)が担持され
る。本願発明でいう抗体′とは、測定しようとする抗体
に対するいわゆる免疫グロブリンと称するタンパク、お
よび測定しようとする抗体の免疫グロブリンクラスと特
異的に反応する物質を意味する。
【0013】前者を担持させる場合、通常IgGクラス
の免疫グロブリンが用いられるが、ペプシン、パパイン
などの消化酵素、あるいはジチオスレイトール、メルカ
プトエタノールなどの還元剤を用いて、F(ab′)2
化、Fab′化、Fab化する等の低分子化したものを
用いても良い。また、IgGだけでなく、IgM、ある
いはこれをIgGと同様の処理で低分子化したフラグメ
ントを用いても良い。また、ポリクローナル抗体、モノ
クローナル抗体のいずれも適用可能である。
【0014】後者を担持させる場合、IgG、IgA、
IgM、IgD、IgEもしくはそれらの抗体軽鎖部分
に対する抗体、プロテインAまたは補体成分の一種であ
るClq等のように、ある種の抗体分子の特徴を選択的
に認識して結合する能力を有する物質が用いられる。一
般的に担持される抗体の量は、用いる不溶性担体粒子の
表面積、官能基量等により異なるが、通常担体粒子1g
あたり1mg〜500mg、好ましくは10mg〜10
0mgである。
【0015】本発明で使用される不溶性蛍光色素標識粒
子において、標識色素としては蛍光色素であればいずれ
も使用できる。例えば、ユーロピウム(Eu)、テルビ
ウム(Tb)、サマリウム(Sm)などの希土類キレー
トや、フィコシアニン、フィコエリスリンなどのフィコ
ビリプロテイン、フルオレッセイン、テトラメチルロー
ダミン、テキサスレッド、4−メチルウンベリフェリ
ン、7−アミノ−4−メチルクマリンなどが用いられ
る。
【0016】色素標識をおこなう不溶性担体粒子として
は、反応させる時に用いる液体媒体に実質的に不溶性
で、0.05〜5μm、好ましくは0.1〜1μmの平
均粒径を有するものが用いられる。担体粒子の材質は上
記不溶性磁性粒子で述べたものと同様に、ポリスチレ
ン、ポリアクリロニトリル、ポリメタクリロニトリル、
ポリメタクリル酸メチル、ポリカプラミド、ポリエチレ
ンテレフタレートなどの疎水性重合体、ポリアクリルア
ミド、ポリメタクリルアミド、ポリビニルピロリドン、
ポリビニルアルコール、ポリ(2−オキシエチルアクリ
レート)、ポリ(2−オキシエチルメタクリレート)、
ポリ(2,3−ジオキシプロピルアクリレート)、ポリ
(2,3−ジオキシプロピルメタクリレート)、ポリエ
チレングリコールメタクリレートなどの架橋した親水性
重合体、またはそれぞれのモノマーの2−4種程度の共
重合体などのラテックス、セラチン、リポソームに加え
て、赤血球のような生体成分、金コロイドのような金属
コロイド粒子等が用いられる。
【0017】不溶性担体粒子に蛍光色素を担持させる方
法としては、粒子表面の官能基を利用して、蛍光色素を
化学的に結合させる方法、粒子を重合して合成する際
に、色素を加えて粒子内部に封じ込める方法、粒子内部
または表面に物理的に吸着、封入させる方法、あらかじ
め、タンパク質、ペプチドなどと物理的または化学的に
色素を結合させておいてからそのタンパク質、ぺプチド
を粒子に固定化する方法などがある。たとえば、特開昭
54−101439号公報には希土類キレートをTOP
O(トリ−n−オクチルホスフィンオキシド)との協同
抽出法を利用して有機高分子のラテックスの内部に閉じ
込める方法が述べられている。これに従って作製した標
識粒子は標識強度、安定性共に良好である。
【0018】蛍光色素標識粒子には、測定しようとする
抗体と特異的に結合する抗原が、前記した不溶性磁性粒
子のときと同様に物理的、または化学的に固定化され
る。かかる「測定しようとする抗体と特異的に結合する
抗原」とは、人、あるいは動物に対して抗体産生を惹起
する能力のあるすべての物質のうちで、診断用途等の特
別の目的下に選択された単一あるいは複数の物質、ない
しはそれらを含有する混合物、さらにはこれらと生物学
的あるいは生理学的に同一なものとして生体に非自己と
して認識され、抗体の産生を導く物質全般を指す。具体
的には、タンパク質、ポリペプチド、ステロイド、多糖
類、脂質、花粉、遺伝子工学的に産生された組換えタン
パク質、薬物などが挙げられる。
【0019】不溶性担体粒子には標識色素と上記抗原等
を担持する順序には特に制限はないが、標識色素を担持
した後、抗原等を担持するのが好ましい。一般的に担持
される抗原の量は、上記不溶性磁性粒子の場合と同様
に、用いる不溶性担体粒子の表面積、官能基量等により
異なるが、通常担体粒子1gあたり1mg−100mg
である。不溶性磁性粒子および不溶性蛍光色素標識粒子
に担持させる物質の組み合せの一例としては以下のもの
が挙げられる。
【0020】
【表1】
【0021】上記において、磁性粒子どうしの凝集反応
を避けることを考慮すると、不溶性磁性粒子に担持させ
る物質としては、ポリクローナル抗体よりもモノクロー
ナル抗体を用いる方が好ましい。
【0022】上記(a)、(b)において、不溶性磁性
粒子に担持させる抗体(ポリクローナル抗体、モノクロ
ーナル抗体)としては、抗ヒトIgG、抗ヒトIgM、
抗ヒトIgA、抗ヒトIgE、あるいはこれらの混合物
等の免疫グロブリンと特異的に反応する物質が使用され
る。
【0023】次に本発明の具体的な測定方法について説
明する。まず測定しようとする抗体を含むと考えられる
試料溶液と、該抗体と特異的に反応する物質(例えば抗
ヒトIgG)を担持させた不溶性磁性粒子(第1試薬)
とを反応容器の液体媒体中で混合し反応させる(第一反
応) 。反応開始時の混合は十分に行う必要があるが、均
一に混合された後は混合を止め放置して反応させてもよ
い。反応は一般の免疫化学反応と同様にpH5〜10、
好ましくはpH7〜9にて行う。温度については、2〜
50℃の範囲で実施可能であるが、望ましくは室温乃至
は37〜40℃で反応させる。反応時間は、反応直後か
ら1昼夜まで任意であるが、感度、操作性を考慮して、
通常3〜60分の範囲で設定される。これらの反応条件
は、以降の工程についても同様である。
【0024】目的のpHを維持するために、通常緩衝液
が用いられる。緩衝液としては、例えばリン酸、トリス
(ヒドロキシメチル) アミノメタン等が用いられるが、
中性から弱アルカリ性で常用される殆どの緩衝液が使用
可能である。多くの場合、非特異反応を避けるために、
塩化ナトリウム等の塩類及び牛血清アルブミン等のタン
パク質が添加される。
【0025】この時、不溶性磁性粒子は反応液に対して
0.0001〜1重量%、好ましくは0.001〜0.
1重量%となるように使用される。不溶性磁性粒子と試
料とを混合すると、試料中に含まれる抗体が粒子表面上
の抗体’と結合する。
【0026】次いで、磁場の作用により、不溶性磁性粒
子を反応液から分離し、反応容器壁に付着させる。残存
する反応液を除いた後、必要に応じて洗浄工程(適当な
洗浄液を加え、撹拌し、直ちに磁場を付与して分離後、
溶液を除く)を数回繰り返す。その後、分離した不溶性
磁性粒子と、測定しようとする抗体に対して特異的に反
応する抗原を担持させた不溶性蛍光色素標識粒子(第2
試薬)とを混合し第一反応と同様にして液体媒体中で反
応させる(第二反応)。不溶性蛍光色素標識粒子も、上
記の不溶性磁性粒子と同様に緩衝液に懸濁させて使用さ
れる。このとき不溶性蛍光色素標識粒子は反応液中に
0.0001〜0.1重量%、好ましくは0.0001
〜0.01重量%で用いられる。
【0027】不溶性磁性粒子と不溶性蛍光色素標識粒子
とを混合すると、磁性粒子上の抗体と結合した試料溶液
中の抗体と蛍光色素標識粒子上の抗原が反応して粒子の
結合が生じる。次いで磁場の作用により不溶性磁性粒子
を反応液から分離し反応容器壁に付着させる。残存する
反応液を除いた後、必要に応じて洗浄工程を数回繰り返
す。その後、分離した不溶性磁性粒子に最終分散液を加
え、懸濁液として、該溶液に含まれる不溶性蛍光色素標
識粒子の量を、蛍光色素に固有の励起光を照射し、放出
される蛍光強度を計測することにより測定する。例え
ば、Euキレートを標識色素とした場合、励起光は30
0〜380nmまたは240〜270mmの紫外光であ
り、蛍光は600〜630nm(615nmに極大値を
有する) である。
【0028】第二反応後の分離により、不溶性磁性粒子
上の抗体′と結合した試料溶液中の抗体と反応した不溶
性蛍光色素標識粒子上の抗原により、磁性粒子と結合し
た蛍光色素標識粒子も一緒に分離されているので、蛍光
色素標識粒子の量を測定することにより、試料中の抗体
と不溶性蛍光色素標識粒子に担持された抗原との反応の
度合いを容易に知ることができる。即ち、磁性粒子に担
持された抗体′と結合した試料液中の抗体の中に、抗原
と特異的に反応する抗体が多い程、蛍光強度は大きくな
る。
【0029】抗体を定量する場合は、予め抗体濃度既知
品を、或は抗体基準品を試料として測定を行い、得られ
た定量値を試料の抗体濃度に対して図示すれば該抗体の
検量線が得られるので、濃度未知試料の反応定量値から
該抗体の濃度が求められる。
【0030】磁場のかけ方に関しては、第一反応後の不
溶性磁性粒子を約1〜3分程度で、また、同様に第二反
応後の不溶性蛍光色素標識粒子と結合した不溶性磁性粒
子も約1〜3分程度で分離できるような磁場の強度及び
反応系の形状が好ましい。分離に要する時間が短すぎる
と、一般に感度、再現性の低下を招き、長すぎると操作
性を悪化させる。こうした理由から反応系の大きさは比
較的小さい方が扱い易い。96穴マイクロプレートなど
は個々のウェルのサイズは小さく、ウェル間の隙間に小
磁石を置けば、マイクロプレートを利用したEIAと同
様にマイクロプレートリーダを用いて容易に抗体を定量
できるので本発明の実施に適した反応容器のための材料
である。また、ポリスチレン、アクリルなどのプラスチ
ックや、ガラスで作成したチューブ、キュベットなども
本発明に適した反応容器のための材料である。磁石とし
ては、永久磁石、電磁石等を使用する。
【0031】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳細に
説明するが、本発明は以下に限定されるものではない。
なお、以下の実験において使用した洗浄液および分散液
の組成は、50mMトリス、0.9% NaCl、0.
1% Tween20、pH9.0からなる。
【0032】実施例1 平均粒径0.7μmの磁性体含有ポリスチレンラテック
ス(以下、Mgラテックスとする。ローヌプーラン社)
に、抗ヒトIgMモノクローナル抗体(Medix B
iochemica社)をカルボジイミドを用いて、化
学結合法により固定化した後、牛血清アルブミン(BS
A)で処理することにより粒子を安定化させ緩衝液に
0.05%の濃度で懸濁させMgラテックス試薬を作製
した。
【0033】希土類キレートのEu−NTA(β−ナフ
トイルトリフルオロアセトン)化合物(自製)3×10
-4モルとTOPO(トリオクチルホスフィンオキシド)
(同仁化学)6×10-4モルをアセトン40gに溶解し
た後、平均粒径0.459μmのポリスチレンラテック
ス(日本合成ゴム社)3gを水40mlに懸濁させたも
のを混合し、エバポレーターによりアセトンを除去する
ことによりラテックス粒子中にEuキレートを含有さ
せ、Eu標識ラテックス(以下、Euラテックスとす
る。)を作製した。
【0034】Euラテックスに、カルボジイミドを用い
て、遺伝子組換え法により産生したB型肝炎ウィルスコ
ア抗原(HBcAg)(化学及血清療法研究所)を化学
結合法により固定化した後、BSAで処理し、緩衝液に
0.003%の濃度で懸濁させ、Euラテックス試薬を
作製した。RIA法にて、IgM型抗HBcAg抗体を
測定済みの、陰性検体98検体、陽性検体93検体を用
いて特異性を調べた。
【0035】検体3μL、BSA含有トリス緩衝液30
0μL、上記Mgラテックス試薬40μLを加えた後撹
拌し、5分間免疫反応を行わせた。次に、磁石を用いて
反応セル中のMgラテックスを反応液から分離し、上清
を除いた後、緩衝液250μL、上記Euラテックス試
薬40μLを加えて撹拌し、10分間免疫反応を行わせ
た。
【0036】磁石を用いて反応セル中のMgラテックス
を反応液から分離し、残りの反応液を除去し、洗浄液を
300μL加える。この分離、洗浄工程を3回繰返した
後、分離したMgラテックスに最終分散液300μLを
加え、撹拌して分散させた後、蛍光強度を計測する。
【0037】結合サンプルに含まれるEuラテックスの
量を、615nmの蛍光色素標識粒子を計測することに
より測定した。自作したXeフラッシュランプ(浜松ホ
トニクス社)を用いた時間分解蛍光測定装置を用いて測
定した結果を図1に示した。陽性検体では、高い蛍光強
度、陰性検体では、低い蛍光強度が観測された。
【0038】
【発明の効果】本発明方法によれば、磁性粒子および蛍
光粒子を用いることにより、迅速、簡便にB/F分離が
実施でき、かつ、通常のFIAよりも測定感度を上昇さ
せて試料中の抗体濃度を測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で、第二反応後、磁場の付与により分
離された粒子(結合サンプル)の蛍光強度と、IgM型
抗HBcAg抗体のRIA測定結果との関係を示した図
である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の工程からなる抗体の測定方法。 (a)測定しようとする抗体に対する抗体を担持させた
    不溶性磁性粒子からなる第1試薬と、測定しようとする
    抗体とを反応容器の液体媒体中で反応させる。 (b)工程(a)の反応後の該不溶性磁性粒子を磁場の
    作用により反応容器壁に付着させ、該液体媒体を除去す
    る。 (c)測定しようとする抗体と特異的に結合する抗原を
    担持させた不溶性蛍光色素標識粒子からなる第2試薬
    と、工程(b)の反応容器壁に付着した該不溶性磁性粒
    子とを液体媒体中で反応させる。 (d)工程(c)の該不溶性磁性粒子を磁場の作用によ
    り反応容器壁に付着させ、該液体媒体及び未反応の不溶
    性蛍光色素標識粒子を除去し、次いで該不溶性磁性粒子
    と反応した不溶性蛍光色素標識粒子の蛍光強度を測定す
    る。
  2. 【請求項2】 ポリクローナル抗体を担持させた不溶性
    磁性粒子および抗原を担持させた不溶性蛍光色素標識粒
    子を用いる請求項1記載の測定方法。
  3. 【請求項3】 モノクローナル抗体を担持させた不溶性
    磁性粒子および抗原を担持させた不溶性蛍光色素標識粒
    子を用いる請求項1記載の測定方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010538298A (ja) * 2007-09-07 2010-12-09 ケアストリーム ヘルス インク ナノ粒子を用いた蛍光共鳴エネルギ移動検出
EP2713162A1 (en) * 2012-09-27 2014-04-02 Industry-academic Cooperation Foundation Dankook University Measurement method and measurement kit of antibiotics concentration

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