JPH0715169U - 溶接作業用コンベアのアース電源 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 ［目的］ 本考案は、コンベア上のワークに電気溶接
を行う時に使用するアース電源についてである。 ［構成］ 本考案のアース電源は、移動するコンベアプ
レート４上に適宜の間隔でワーク受体６を立設し、前記
コンベアプレート４に接触可能な固定された集電端子１
０を設けて、該集電端子１０にアース電源１２ｂを接続
して構成するものである。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、コンベア上のワークに電気溶接を行う時に使用するアース電源に関 する。

【０００２】

【従来の技術】

近年、建家の骨格、橋梁、船舶等の小組立品等の溶接作業は、該小組立品（ワ ーク）をコンベアに載置しながら自動溶接で行っている。この時、自動溶接のア ース電源は、ワークにクランプ等を介してアースケーブルを接続したり、コンベ アフレームにアース電源を接続している。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

前記記載のアース電源において、前者は、移動するワークに従ってアースケー ブルを延ばすか、ワークが移動する都度クランプを外し、新たな位置でクランプ を取り付ける作業を要する。その結果、溶接ロボットを使用する場合には、所謂 、危険エリアに入って作業を余儀なくされるため、ロボットの一時停止となり作 業効率の減少を招来する。一方、後者は、コンベアフレームに大電流（３００〜 ５００Ａ）が分流して流れるため、コンベアフレームに装着の電装品や機械部品 のベアリング等が溶着したり焼損したりする。 そこで、本考案はかかる不都合を解消する溶接用アース電源を提供するもので ある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

請求項１のアース電源は、移動するコンベアプレート上に適宜の間隔でワーク 受体を立設し、前記ワーク受体を立設するコンベアプレートに接触可能な固定さ れた集電端子を設けて、該集電端子にアース電源を接続するものである。 請求項２のアース電源は、移動するコンベアプレート上に適宜の間隔でワーク 受体を立設し、前記ワーク受体を立設するコンベアプレートの下面に集電端子を 付設し、該集電端子に接触可能な摺動板を敷設して、該摺動板にアース電源を接 続するものである。

【０００５】

【作用】

ワークはワーク受体に載置状態で運搬され、ワークとワーク受体は通電可能状 態であると共にワーク受体には荷重がかかる。一方、ワーク受体に接触可能な固 定の集電端子にはアース電源が接続してあるため、アース電源とワークとは、集 電端子、ワーク受体を介して通電状態となり分流を回避する。 又、請求項２は、アース電源を接続してある摺動板と、移動可能でワークの荷 重を受けるワーク受体に付設の集電端子と接触して通電可能とするものであり、 同様に、分流を回避する。

【０００６】

【実施例】

本考案を図面を参照して説明すると、図１は全体図、図２は断面を含む図１の 部分拡大図である。 １は図示略の制御装置を介して運転されるコンベア１であって、溶接の対象と なるワーク２を所定（溶接）の位置に搬送し、溶接ロボット３を介して溶接され る。尚、溶接ロボット３は、図示略の制御装置を介して溶接作業を行い、溶接完 了後、次の溶接ロボット３の位置まで搬送されたり、或は排出される。 コンベア１は、前後端に配設の歯車１４を介して無端状に形成してあるチェー ン式コンベアであって、両端に配設のチェーン５に付設の滑車５ａは上フレーム １ａ上を載置回転する。又、一対のチェーン５間には、金属製のコンベアプレー ト４が取り付けられている。６は、円筒金属製のワーク受体であって、コンベア プレート４にワークの形状、重量等を考慮して適宜の間隔、本実施例では一つお きに溶接で垂設してある。尚、ワーク受体６の上端には、ワーク２と良好に接触 可能な電極７を形成し、電気抵抗の軽減のため、該電極７とコンベアプレート４ の下面に貼設の摺動板９とをケーブル８で接続してある。一方、フレーム１ｂに は、前記ワーク受体６に対応する位置に、下部がテーパ状の集電端子１０がテー パ角の異なる支持具１０ｂを介して設置してあり、この集電端子１０は、必ずし も必要でないが、より良好に前記摺動板９と接触可能にするために、弾性体１０ ａを介して常時上方向に付勢状態を維持するように形成してある。又、この集電 端子１０はアース電源１２ｂにケーブル１３ｂを介して接続され、一方、溶接ロ ボット３に付設のトーチ１１にはプラス電源１２ａが接続してある。尚、前記電 流が流れる箇所には、電気抵抗の小さい銅を使用する。

【０００７】 前記構成の動作について説明すると、ワーク受体６に載せられたワーク２は、 ワーク２とワーク受体６の電極７とはワーク２の荷重で密着状態で、図示略の制 御装置を介して溶接位置に搬送される。一方、ワーク受体６にはワーク２の重み で下方向に荷重がかかり集電端子１０と接触するが、本実施例では弾性体１０ａ を使用しているため、弾性体１０ａの上方向の付勢力によって、摺動板９と集電 端子１０とはより良好に接触し、アース電源１２ｂは、ケーブル１３ｂ、集電端 子１０、摺動板９、ケーブル８（ワーク受体６）を介してワーク２と接続状態に なる。そのため、トーチ１１側のプラス電源１２ａとで、ワーク２の溶接が可能 となり、プラス電源１２ａからの電流は、ケーブル１３ａ、ワーク２、ケーブル ８（ワーク受体６）、摺動板９、集電端子１０、ケーブル１３ｂを経てアース電 源１２ｂへ流れ、分流状態とならず、フレームに付設の機器類を損傷することな く行うことができる。この様に、本実施例では、集電端子１０を溶接場所に限定 して設けることができると共に、アース電源用のケーブルを引く必要もなく、安 全性及び経済性に富む。

【０００８】 次に、図３は他のアース電源の接続方法を記載する図であり、図２とは集電端 子１０の取付け位置を異にするものである。即ち、図より明らかに、図２と同じ 構造の集電端子１０を、全てのコンベアプレート４の下面に取着し、この集電端 子１０と接触可能な摺動板１５をフレーム１ｂ上に敷設して構成し、摺動板１５ にはアース電源１２ｂを接続する。尚、電気抵抗軽減のため、集電端子１０と電 極７にはケーブル８で接続してある。アース電源１２ｂは、摺動板１５、集電端 子１０、ケーブル８（ワーク受体６）を介してワーク２と接続状態になり、前記 と同様に、電流が分流せずに溶接が可能となり、ほぼ前記と同じ効果を奏する。

【０００９】

【考案の効果】

本考案の溶接作業用コンベアのアース電源は、分流を生じないようにアース電 源を設けると共に、従来のようにケーブルを引く必要もないため、安全性の向上 、作業効率の向上に寄与する。

【図面の簡単な説明】

【図１】全体正面図を示す。

【図２】図１の一部断面を示す部分拡大図である。

【図３】他の実施例を示す図である。

【符号の説明】

１ コンベア ２ ワーク ３ 溶接ロボット ４ コンベアプレート ５ チェーン ６ ワーク受体 ７ 電極 ８ ケーブル ９ 摺動板 １０ 集電端子 １２ａ プラス電源 １２ｂ アース電源 １５ 摺動板

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 コンベア上のワークに溶接加工するコン
   ベアのアース電源において、移動するコンベアプレート
   上に適宜の間隔でワーク受体を立設し、前記ワーク受体
   を立設するコンベアプレートに接触可能で、アース電源
   に接続の固定された集電端子を設置することを特徴とす
   るコンベアのアース電源。
2. 【請求項２】 コンベア上のワークに溶接加工するコン
   ベアのアース電源において、移動するコンベアプレート
   上に適宜の間隔でワーク受体を立設し、前記ワーク受体
   を立設するコンベアプレートの下面に集電端子を付設
   し、該集電端子に接触可能な、アース電源に接続の摺動
   板を敷設することを特徴とするコンベアのアース電源。