JPH07151314A - 液体燃料燃焼装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 気化筒への熱回収が良好に行われる液体燃料
燃焼装置を提供することを目的とする。 【構成】 液体燃料を気化して燃焼用空気と混合させる
気化筒１と、この気化筒１の開口部に装着され、外周部
にガスを噴出する多数の炎孔１４、１４…が設けられた
平板状のセラミックス製のバーナヘッド１６と、前記バ
ーナヘッド１６上に設けられ、炎孔１４、１４…に形成
される火炎を横向き或いは斜め上向きに広げる拡炎装置
１５Ｂとを備え、この拡炎装置１５には、前記バーナヘ
ッド１６を前記気化筒１の開口部に固定するためのバー
ナヘッド固定金具１５Ｃが一体に設けられていることを
特徴とする液体燃料燃焼装置。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、石油ファンヒータ等に
使用され、特に気化筒の開口部に平板状のセラミックス
製のバーナヘッドを装着してなる液体燃料燃焼装置に関
する。

【０００２】

【従来の技術】従来のこの種燃焼装置において、気化筒
の開口部にセラミックス製のバーナヘッドを装着したも
のは、例えば、特開平４ー３２０７０８号公報等に開示
されている。この燃焼装置では、窒素酸化物の生成を低
減できるばかりでなく、金属製のバーナヘッドに比べて
耐熱性や耐久性に優れるとともに、燃焼状態を低カロリ
ーから高カロリーまでの広範囲にわたって安定させるこ
とができ、燃焼幅を拡大できる利点がある。

【０００３】また、平板状に形成されたセラミックス製
バーナヘッドは、成形が容易であり、量産化にも適した
ものであった。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た液体燃料燃焼装置では、バーナヘッドに耐圧強度の劣
るセラミックスを用いているため、バーナヘッドの取付
に際しては直接ネジ等で固定することができない問題が
あった。このため、気化筒の開口部にネジ部を設け、環
状部材をこのネジ部に螺合させることでバーナヘッドを
気化筒の開口部に固定する等の部要があり、バーナヘッ
ドの取付構造が複雑となっていた。また、バーナヘッド
が断熱性の高いセラミックスで作られているため、十分
なヒートバックが得られない問題があった。

【０００５】本発明は、上述の実情に鑑みてなされたも
のであり、セラミックス製バーナヘッドの取付構造の簡
素化を図りつつ、十分なヒートバックが得られる液体燃
料燃焼装置を提供することを目的としている。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明では、液体燃料を
気化して燃焼用空気と混合させる気化筒と、この気化筒
の開口部に装着され、外周部にガスを噴出する多数の炎
孔が設けられた平板状のセラミックス製のバーナヘッド
と、前記バーナヘッド上に設けられ、炎孔に形成される
火炎を横向き或いは斜め上向きに広げる拡炎装置とを備
え、この拡炎装置には、前記バーナヘッドを前記気化筒
の開口部に固定するためのバーナヘッド固定金具が一体
に設けられている構成である。

【０００７】

【作用】上述の液体燃料燃焼装置において、バーナーヘ
ッドの各炎孔からは混合ガスが上向きに噴出するが、こ
の噴出した混合ガスは、バーナーヘッド上に設けられた
拡炎装置の下面に沿って拡炎装置の外周方向に向きを変
えて流れる。そのため、炎孔に形成される火炎は横向き
或るいは斜め上向きに広げられ、火炎の先端は周囲の空
気との混合が良好となって短炎化されることになり、火
炎が燃焼筒から流出して機器の外部に吹き出すような心
配がなくなる。従って、気化筒の開口部に平板状のセラ
ミックス製バーナヘッドを装着した液体燃料燃焼装置で
あっても、高さの低いコンパクトな燃焼筒を使用するこ
とができ、拡炎装置の径と高さを適度に設定することに
よって熱回収量を調整することができる。

【０００８】また、拡炎装置が直接、燃焼炎にて加熱さ
れ、しかも、拡炎装置には、バーナヘッドを気化筒の開
口部に固定するためのバーナヘッド固定金具が一体に設
けられているため、拡炎装置の熱がバーナヘッド固定金
具を介して気化筒に伝達され、気化筒への熱回収が良好
となるなるばかりでなく、これらの部品を個別に製作す
る必要が無いため、部品点数が削減されるとともに、取
付構造が簡略化される。

【０００９】

【実施例】以下、本発明の一実施例を図１乃至図４に基
づいて説明する。図１及び図２において、１は上部を開
口した有底円筒状の気化筒であり、この気化筒１はアル
ミダイカストにて作られている。２は前記気化筒１の周
壁上部に埋設したシーズヒータ、３、３は気化筒１の上
端部に気化筒１と一体成形された複数の熱回収突部、４
は気化筒１内に燃焼一次空気を供給する一次空気通路で
あり、この一次空気通路４は送風機５と連通している。
６は気化筒１の外周に設けられ、この気化筒１を収容す
るバーナケース、７はバーナケース６の上に立てて設け
た燃焼筒、８はバーナケース６を介して気化筒１の外側
に燃焼二次空気を供給する二次空気通路であり、この二
次空気通路８は一次空気通路４と同じく送風機５と連通
している。

【００１０】９は燃料ポンプ１０を利用して油タンク１
１の液体燃料（灯油）を気化筒１の内部に供給する燃料
ノズル、１２は気化筒１内の上部に配設した絞り板、１
３は気化筒１の開口部に装着したセラミックス製バーナ
ヘッドであり、このバーナヘッド１３はヒートショック
に強く、かつ、耐熱衝撃性に優れたペタライト等の高密
度低膨張セラミックスにて作られており、その形状は円
形平板状と成されるとともに、外周部には多数の炎孔１
４、１４…が周方向に複数列並べて設けられ、そして、
これら各炎孔１４は孔径が約１〜２ｍｍに設定されてい
る。

【００１１】また、図３及び図４に詳細を示すように、
１５は前記バーナヘッド１３の上方にこのバーナヘッド
１３を覆うように載置固定された拡炎装置であり、この
拡炎装置１５は中央部に設けられた円形平板状の平板部
１５Ａ、この平板部１５Ａから斜め外方に向かってラッ
パ状に拡大された拡炎フランジ部１５Ｂ、前記バーナヘ
ッド１３をネジ１６，１６…によって気化筒１に圧着固
定する固定リング（固定金具）１５Ｃ、及び前記拡炎フ
ランジ１５Ｂの外周から垂下され拡炎フランジ１５Ｂと
固定リング１５Ｃとを連結する複数の支持板１５Ｄ，１
５Ｄ…とから成り、耐熱鋼板製により一体に成形されて
いる。この時、固定リング１５Ｃの外周には前記熱回収
突部を収容する複数の伝熱板１５Ｅ，１５Ｅ…が設けら
れており、気化筒１との接触面積を増加させている。

【００１２】１６は炎孔１４から噴出する混合ガスに点
火する点火プラグ、１７は火炎Ｆを検出するフレームセ
ンサである。

【００１３】また、図２は上記構成の液体燃料燃焼装置
を組み込んだ石油ファンヒータの断面図であり、１８は
石油ファンヒータの外装体、１９は外装体１８の前面部
に設けられた温風吐出口、２０は外装体１８の背面部に
設けられた温風用送風機、２１は温風用送風機２０の送
風を温風吐出口１９に導く送風ダクトである。

【００１４】上記構成の液体燃料燃焼装置において、燃
料ノズル９から気化筒１内に液体燃料（灯油）を噴出さ
せると、この液体燃料は、燃料ポンプ１０の噴出圧と一
次空気通路４を通って気化筒１内に送り込まれる送風機
５からの噴出空気流により微粒化されて飛散し、予めシ
ーズヒータ２によって加熱された気化筒１の内壁に当っ
て気化する。そして、気化ガスは気化筒１内で空気と混
合し、この混合ガスは絞り板１２の通路を通ってバーナ
ヘッド１３へ流れ、バーナヘッド１３の各炎孔１４、１
４から上方に向かって噴出するが、この噴出ガスは拡炎
装置１５の拡炎フランジ１５Ｂの下面に案内されて外向
きに流れ、支持板１５Ｄ，１５Ｄ…間より噴出された
後、点火プラグ１６にて着火され、青火の火炎Ｆを形成
してガス化燃焼を行う。この時、火炎Ｆは拡炎板１５の
働きで横向き或いは斜め上向き広げられるため、燃焼中
は気化筒１上部の熱回収突部３、３が火炎Ｆによって効
率よく加熱される。そして、熱回収突部３、３の熱は気
化筒１に伝達されるため、ヒータ２の通電を停止して
も、気化筒１を液体燃料の気化可能温度に維持でき、燃
焼が継続される。

【００１５】本実施例によれば、拡炎装置１５が直接、
燃焼炎にて加熱されると共に、拡炎装置１５には、バー
ナヘッド１３を気化筒１の開口部に固定するための固定
リング１５Ｃが一体に設けられているために、拡炎装置
１５の熱が固定リング１５Ｃを介して気化筒１に伝達さ
れ、気化筒への熱回収が良好となる。

【００１６】また、平板部１５Ａ、拡炎フランジ１５
Ｂ、固定リング１５Ｃ、及び支持板１５Ｄ，１５Ｄ…を
拡炎装置１５として耐熱鋼板製により一体成形したた
め、これらを個別に製作する必要が無くなり、部品点数
が削減できるとともに、取付構造を簡略化できる。

【００１７】

【発明の効果】本発明は以上のように構成されているた
め、平板状のセラミックス製バーナヘッドの長所を生か
しつつ、拡炎装置の径と高さを適度に設定することによ
って熱回収量を調整することができ、拡炎装置が直接、
燃焼炎にて加熱されると共に、拡炎装置の熱がバーナヘ
ッド固定金具を介して気化筒に伝達されるなど、気化筒
への熱回収が良好となるばかりでなく、拡炎装置とバー
ナヘッド固定金具とが一体成形されており、これらの部
品を個別に製作する必要が無く、部品点数が削減される
とともに、セラミックス製バーナヘッドの取付構造を簡
略化することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を示す燃焼装置の縦断面図で
ある。

【図２】同じく燃焼装置を搭載した石油ファンヒータの
断面図である。

【図３】同じく拡炎装置の半断面図である。

【図４】同じく拡炎装置の平面図である。

【符号の説明】

１ 気化筒 １４ 炎孔 １５ 拡炎装置 １５Ｃ 固定リング（バーナヘッド固定金具） １６ バーナヘッド

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 液体燃料を気化して燃焼用空気と混合さ
   せる気化筒と、この気化筒の開口部に装着され、外周部
   にガスを噴出する多数の炎孔が設けられた平板状のセラ
   ミックス製のバーナヘッドと、前記バーナヘッド上に設
   けられ、炎孔に形成される火炎を横向き或いは斜め上向
   きに広げる拡炎装置とを備え、この拡炎装置には、前記
   バーナヘッドを前記気化筒の開口部に固定するためのバ
   ーナヘッド固定金具が一体に設けられていることを特徴
   とする液体燃料燃焼装置。