JPH07150353A - 真空処理装置及びそれを用いた成膜装置と成膜方法 - Google Patents

真空処理装置及びそれを用いた成膜装置と成膜方法

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JPH07150353A
JPH07150353A JP16562294A JP16562294A JPH07150353A JP H07150353 A JPH07150353 A JP H07150353A JP 16562294 A JP16562294 A JP 16562294A JP 16562294 A JP16562294 A JP 16562294A JP H07150353 A JPH07150353 A JP H07150353A
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temperature
stage
film forming
vacuum
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JP16562294A
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English (en)
Inventor
Satoshi Kishimoto
里志 岸本
Hide Kobayashi
秀 小林
Akira Okamoto
明 岡本
Hideaki Shimamura
英昭 島村
Susumu Tsujiku
進 都竹
Eisuke Nishitani
英輔 西谷
Yuji Yoneoka
雄二 米岡
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】真空中で基板の正確な温度モニタと制御とを容
易に行なうことのできる真空処理装置を実現すること。 【構成】成膜装置やエッチング装置等に使用される真空
処理装置であって、真空中に置かれる基板の温度を無接
触状態で正確に計測、モニタすると共に、所定温度に管
理する。成膜装置を例に説明すると、スパッタ成膜チャ
ンバ4、成膜前にウェハを加熱または冷却する基板温度
調節チャンバ3において、赤外線輻射温度計14、15
でウェハ10からの輻射強度を測定することによってプ
ロセス中のウェハ10の温度をモニタする際、校正ステ
ージ5及び基板温度調節ステージ6上におかれた成膜前
ウェハ10の成膜を施す面に近接して鏡面20を設置す
る。これによって、チャンバ4にて金属膜成膜中のウェ
ハ10が呈する赤外線輻射特性を疑似し、校正チャンバ
2にて、後のチャンバ3、4での輻射温度測定のための
ウェハ10の輻射率を事前に求める。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、真空内で基体に様々な
処理を施す真空処理装置及びそれを用いた成膜装置と成
膜方法に関するものであって、特に半導体装置の製造工
程に用いるに好適な真空処理装置及びそれを用いた成膜
装置と成膜方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】半導体装置の製造に用いるプロセス装置
では、良く制御された反応等を実現するためプロセス温
度の正確な制御が重要である。温度が最も重要な設定条
件になっているプロセス装置の代表は、酸化炉等の所謂
炉体である。この種の炉体の中は、大気と置換した酸化
性雰囲気である。この場合の置換雰囲気は大気圧または
それ以上であり、炉体中の例えばシリコンウェハは石英
のチューブの回りに設置されたヒータからの輻射と石英
チューブ中の大気圧雰囲気による熱伝導によって加熱さ
れる。即ち、熱を伝導させる媒体が存在するので、温度
の測定はその熱伝導雰囲気に設置した熱電対などの測定
子を使って比較的正確に行なうことができる。 また、
熱伝導の媒体を用いない例としては、例えば蝕刻工程で
のマスクに用いるホトレジストを塗布する工程で用いる
ホトレジストのベーク装置を挙げることができる。この
装置では、ベーキングを大気圧雰囲気で行うが、所定の
ベーク温度に加熱したシリコンウェハよりも大きな熱容
量を持つヒートブロック上にシリコンウェハを置載し、
更にシリコンウェハをヒートブロック側に設けられた真
空チャックによって、シリコンウェハ全面を大気圧によ
ってヒートブロックに押し付ける。このためにウェハの
温度がヒートブロックの温度に平衡するので、ヒートブ
ロックに取付けた熱電対等の温度測定子によって正確に
ウェハの温度を制御、管理することができる。半導体製
造プロセスの多くは、純度の高い材料や、塵埃の無い環
境での良く制御された反応を利用するものであるため、
しばしば真空中での処理が必要となる。
【0003】従来、半導体製造装置において真空中での
ウェハの正確な温度制御は、以下に述べるような理由か
ら本質的に困難であった。
【0004】即ち、ランプヒータでの加熱では熱を伝え
る媒体が存在しないために輻射のみによってウェハは加
熱されるために、良く知られるように金属鏡面では小さ
な吸収しかおこらず、また照体では大きな吸収が起こ
り、結果として加熱されるウェハの表面状態によって加
熱される度合が大きく異なることになる。
【0005】熱電対をウェハに取り付けることによって
プロセス中のウェハ温度を正確に測定することも試みら
れてきたが、熱電対をウェハに点接触させた状態でウェ
ハの温度を測定するため熱電対の接触状態を一定に安定
させることが困難で、測定温度に再現性が乏しい欠点が
ある。
【0006】また、赤外線の輻射によってウェハを加熱
する場合、赤外領域の広い範囲でウェハが殆ど透明であ
るため、熱電対にウェハからの伝導によってのみ熱が伝
わるのではなく、熱電対自身がランプヒータによって加
熱されてしまう場合もあり正確なウェハの測温は困難で
ある。
【0007】また、真空中に強制的に伝導媒体を持ち込
む方法もある。例えば、特開昭56−48132号また
は特開昭58−213434号に述べられているよう
に、シリコンウェハを真空雰囲気中に設置されたヒート
ブロックにクランプし、シリコンウェハの裏面とヒート
ブロックとの間に1トール前後の圧力でガスを充填する
ことによって、ヒートブロックの温度にウェハの温度を
平衡させるというものである。この場合もヒートブロッ
クに取付けた熱電対等の温度測定子によってウェハの温
度ができる。
【0008】しかしながらこの例では、大気圧下での真
空チャックの使用に比較して小さな力によってウェハを
ヒートブロックにクランプするものであるため温度の均
一性、再現性が十分でない。最大の欠点は、熱伝導媒体
の密度が低いためにヒートブロックからウェハへの熱伝
導に時間が掛ることである。最終的にはヒートブロック
とウェハとが熱的に平衡に達するとしても、上記の例に
も述べられているように数秒から数十秒の時間が掛り、
更にこの熱伝導時間の再現性については様々な要因が影
響を与えると考えられる。
【0009】以上述べるように、いずれの加熱手段をと
るにしても、真空中で非接触でウェハの温度を測定する
必要がある。その方法の一つとして赤外線温度計を用い
て赤外領域のウェハからの輻射強度を測定する方法が提
案されている。
【0010】即ち、この方法はスパッタリング装置にお
いてウェハをヒートステージに置載して加熱しながら、
ウェハに対向して設置されたターゲットにあけた貫通孔
を通じて赤外線温度計によってウェハの温度を測定する
ものである。つまり、予め校正用試料によって特定の温
度でのウェハの赤外線輻射率を測定しておき、その値に
よってスパッタ中のウェハ温度を制御するものである。
【0011】なお、この種の技術に関連するものとして
は、例えば特開平1−129966号公報を挙げること
ができる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この方法には
以下に述べるようにウェハの輻射率は必ずしも一定しな
いために、正確な測温は困難であり幾つかの問題点があ
る。即ち、校正用試料にはターゲット材と同一の金属、
例えばアルミを数100Å成膜したシリコンウェハを用
いるが、ウェハの赤外線温度計によって観察する側の表
面の金属膜の有無によって、このウェハ表面からの赤外
線輻射率が異なるため、成膜前の温度制御を行うことが
できない。
【0013】また、成膜開始後も、ある程度の膜厚(例
えば、アルミを500〜1000Å)に成膜するまでは
正確な温度測定を行うことができない。
【0014】真空中でのウェハの正確な温度計測とそれ
に伴う温度制御を行うためには、同じ金属膜を形成した
ウェハでも製品ロットによって赤外線輻射率に相違があ
るため、この例のように校正用のウェハを別に用意する
方式では、実際に成膜を行うウェハそのものでないため
正確な温度制御ができない。
【0015】上述のように従来用いられてきた真空処理
装置では、様々な温度制御手段は用いられているもの
の、そのプロセスの温度を正確に知って制御できている
ものは無かった。
【0016】即ち、赤外線温度計を用いたウェハの温度
制御の理想的な方法は、実際に成膜を行うウェハそのも
のを用いて赤外線温度計の校正を行い、膜の有無やその
状態による赤外線輻射率の違いに左右されずに測定でき
る方法である。しかしながら、未だ実用に供し得るもの
が提案されていない。
【0017】したがって、本発明の目的は、上記従来の
問題点を解消することに有り、その第1の目的は、真空
中での基体の温度を正確に計測し、制御できる改良され
た真空処理装置を、第2の目的は、この真空処理装置を
応用した、例えばスパッタ装置やCVD(Chemical V
apor Deposition)装置のような成膜装置を、そして第
3の目的は、この改良された成膜装置による成膜方法
を、それぞれ提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明者等は以下に詳述するような検討を行い、種々
の知見を得た。即ち、本発明では、赤外線輻射温度計を
主たる温度計測の手段として用いるために、基体(例え
ばシリコンウェハ)ごとに校正する。具体的には対象と
する真空処理装置によって基体の処理を行う前に、温度
校正チャンバ内のステージにおいて基体ごとに既知の温
度に加熱乃至は冷却を行い、1点乃至は複数点の温度に
おいて、第1の赤外線輻射温度計によって基体の温度を
測定する。この時に得られる第1の赤外線輻射温度計の
指示値から、温度校正チャンバ以降、真空処理チャンバ
内の赤外線輻射温度計に補正をかける。具体的には、こ
の補正値を予め知って、例えば粗い補正、または狭い温
度範囲を対象としていれば単なる係数を以て、温度校正
チャンバ以降の赤外線輻射温度計の校正を行う。複数の
温度校正点を持つ場合には、コンピュータにそれぞれの
温度校正データを取り込み、補正のための演算を行う等
の方法がある。
【0019】上記した温度校正チャンバは、真空に限ら
ず大気圧の環境下にあっても構わない。大気圧の環境下
であれば、装置構造が一般に簡易になるばかりでなく、
既知の温度に加熱乃至は冷却したヒートブロック(ステ
ージ)の温度に対象とするウェハの温度をより容易に近
ずけることが可能である。
【0020】具体的には、温度校正チャンバを大気圧下
に設定する場合には、ステージに真空チャックを使用し
て基体を基体よりも大きな熱容量を持ったヒートブロッ
クに密着させることが可能であり、こうすることによっ
てより正確に、また短時間で基体の温度をヒートブロッ
ク温度に近づけることができる。
【0021】上記した温度校正点の温度を高くとる必要
のあるときには、雰囲気によっては対象とする基体の表
面が酸化されるなどの問題が生ずるので、温度校正チャ
ンバの雰囲気を大気との置換雰囲気、例えば窒素やアル
ゴン雰囲気とすることがより好ましい。
【0022】温度校正チャンバを真空下に設定する場合
には、上記したようなヒートブロックと基体との熱伝導
を良好にするため、これら両者間に5パスカル以上の圧
力で加熱もしくは冷却ガスを熱伝導媒体として介在させ
ることによって比較的短時間のうちに基体温度がヒート
ブロックに近づく。
【0023】例えば、スパッタ法によって薄膜を基体上
に形成する装置にあっては、大気中にあった基体を真空
処理槽内に取り込むに際し、基体の表面に吸着している
水分を充分に除去するために基体を150℃以上に加熱
する必要があったり、また、これとは逆にすでに昇温加
熱された基体の温度を例えば50℃程度の成膜開始温度
にまで真空槽内で降温する必要のある場合等がある。こ
の昇温、降温の場合には、温度制御の都度正確な温度の
測定が必要であり、これらの温度を測定する赤外線輻射
温度計について予め基体ごとに温度校正を行うことが必
要である。即ち所定の真空処理を行う前に予め既知の温
度に基体を加熱乃至は冷却し、第1の赤外線輻射温度計
によってこの基体温度を測定し、この測定結果にもとづ
いて以降の真空処理プロセスで使用する単数または複数
の第2の赤外線輻射温度計を校正することのできる機能
を備え、スパッタ装置やCVD装置の如く基体の温度を
正確に制御する必要のある成膜装置を構成すれば、より
電子部品に好適なプロセスを実現できる。
【0024】上記した第1及び第2の赤外線輻射温度計
による測定は、同一の赤外領域の波長にて行うことがよ
り正確な校正を可能とする。また、上記した既知温度で
の第1の赤外線輻射温度計の校正を加熱した基体で行う
場合に、既知温度への加熱行為を真空中で行えば基体に
吸着した水分の除去のための所謂ベーキング処理と兼用
させることができるので、装置規模を縮小させることが
でき、好ましい場合もある。
【0025】例えば、スパッタ装置の真空処理チャンバ
内で基体の昇温を行う場合、予め赤外線輻射温度計が校
正されていれば、ヒートブロックを用いる代わりに、ラ
ンプによる輻射加熱を行うことができ、より安価なスパ
ッタ装置を構成することができる。
【0026】真空処理チャンバ内でランプによる加熱を
用いる際には、ランプの光が赤外線輻射温度計に迷光と
して入る場合があるので、赤外線輻射温度計の測定波長
はランプの輻射する波長とは異なった波長域であること
が本質的に好ましい。
【0027】基体としては例えばシリコンウェハを用い
る場合には、シリコンウェハが赤外領域で殆ど透明であ
ることから、一般に広く用いられている石英ガラス入り
赤外線ランプでは効率的な加熱ができない。また、この
種の赤外線ランプでは赤外線輻射温度計に対して迷光と
なりやすいので、ランプとしてはシリコンウェハの吸収
効率の高い短波長のものを用いることがより好ましい。
【0028】基体からの吸着水分の除去のための真空中
でのベーキング加熱温度に比較して、真空処理チャンバ
内で基体への成膜を開始する温度が低い場合には、ベー
キングを行った後で、真空槽の中で基体を所定温度まで
冷却し、基体を所定の成膜開始温度に合わせなければな
らない。このような成膜プロセスを高精度で実現するた
めには、温度校正チャンバ内の温度校正を行うための第
1の赤外線輻射温度計を備えたステージと、真空中で基
体のベーキングを行うステージと、更に成膜を開始する
前に所定の成膜を開始する温度に冷却するステージと、
そして冷却ステージでの基体温度を第1の赤外線輻射温
度計で得られた補正値を演算し用いることで正確に測定
できる第2の赤外線輻射温度計とを備えたスパッタ装置
が必要である。
【0029】基体を赤外線輻射温度計にて観察するため
には加熱または冷却用ステージに観察用の貫通孔(開口
窓)を設ける必要があるが、このため基体の温度分布に
不均一性が生じることがある。この場合、同一チャンバ
内でステージを2分割し、共に同一の温度になるように
調整しておく、即ち、一方の加熱または冷却用ステージ
には赤外線輻射温度計による基体温度観察用の開口窓を
設けず、他方の温度測定用ステージに開口窓を設け、一
方のステージで基体を加熱または冷却後速やかに他方の
ステージに搬送し温度測定をすることによってこのよう
な不均一性を低減することができる。
【0030】温度校正点を複数点設けることによってよ
り正確なプロセス温度の制御が可能になるが、基体温度
校正チャンバ内の加熱手段または冷却手段を複数設ける
ことによって複数の温度での校正をより短時間に行うこ
とができる。
【0031】また、スパッタリングにより金属膜を成膜
する装置の場合、基体に成膜される金属膜が観察される
表面とは逆の表面に輻射する赤外線を反射するため、後
述するようなシャッタが無ければ、膜の有無によって赤
外線輻射温度計に入射する輻射の大きさが異なり、見掛
けの赤外線輻射率が異なるが、シャッタにより基体の赤
外線輻射温度計によって観察される表面とは反対側の表
面へ輻射する赤外線が殆ど反射されるため、成膜前後で
の見掛けの赤外線輻射率の差を著しく低減することがで
きる。
【0032】また、基体の加熱または冷却用ステージに
おいて、ステージの開口窓を通して基体が赤外線輻射温
度計によって観察される表面の反対側の表面に近接して
赤外線輻射温度計の測定波長に対して充分に鏡面である
部材でその主面が構成されたシャッタ機構を配設するこ
とによって、基体を貫通して赤外線輻射温度計に入射す
る迷光を遮断することができる。
【0033】以上の知見に基づいて本発明は成されたも
のであり、その目的達成手段を以下に具体的に述べれ
ば、上記第1の目的は、(1).ステージに載置された
基体を既知の設定温度に加熱または冷却する手段を備え
た温度校正チャンバと;この温度校正チャンバ内のステ
ージに設けられた開口窓を通して基体の輻射熱を測定す
る第1の赤外線輻射温度計と;前記第1の赤外線輻射温
度計の出力から前記基体の既知の温度に基づいて輻射率
を求め、前記第1の赤外線輻射温度計により前記基体の
温度を正しく表示せしめるための赤外線感度補正値を演
算する手段と;温度校正チャンバを出た基体が載置され
るステージと、この基体を所定の設定温度に加熱または
冷却する手段と、前記基体に真空処理する手段とを備え
た真空処理チャンバと;この真空処理チャンバ内のステ
ージに設けられた開口窓を通して前記基体の輻射熱を測
定する第2の赤外線輻射温度計と;前記第2の赤外線輻
射温度計の出力から前記温度校正チャンバで求めた赤外
線感度補正値に基づき真空処理チャンバ内に置かれた基
体の真の温度を算出する手段と;この第2の赤外線輻射
温度計の出力から求めた基体の温度が、真空処理チャン
バ内の前記所定の設定温度からずれた分量の温度を調整
する温度制御手段とを備えて成る真空処理装置により、
達成される。そして好ましくは、(2).ステージに載
置された基体を既知の設定温度に加熱または冷却する手
段を備えた温度校正チャンバと;この温度校正チャンバ
内のステージに設けられた開口窓を通して基体の輻射熱
を測定する第1の赤外線輻射温度計と;前記第1の赤外
線輻射温度計の出力から前記基体の既知の温度に基づい
て輻射率を求め、前記第1の赤外線輻射温度計により前
記基体の温度を正しく表示せしめるための赤外線感度補
正値を演算する手段と;温度校正チャンバを出た基体が
載置されるステージと、この基体を所定の設定温度に加
熱または冷却する手段と、前記基体に真空処理する手段
とを備えた真空処理チャンバと;この真空処理チャンバ
内のステージに設けられた開口窓を通して前記基体の輻
射熱を測定する第2の赤外線輻射温度計と;前記第2の
赤外線輻射温度計の出力から前記温度校正チャンバで求
めた赤外線感度補正値に基づき真空処理チャンバ内に置
かれた基体の真の温度を算出する手段と;この第2の赤
外線輻射温度計の出力から求めた基体の温度が、真空処
理チャンバ内の前記所定の設定温度からずれた分量の温
度を調整する温度制御手段と;上記各々のチャンバ内の
基体上に近接して配設され、赤外線温度計の測定波長に
対して充分に鏡面である部材でその主面が構成されたシ
ャッタ機構とを具備して成る真空処理装置により、達成
される。
【0034】さら具体的に好ましくは、以下の(3)〜
(12)記載の真空処理装置によっても、達成される。
すなわち、(3).上記第1及び第2の赤外線輻射温度
計は、それぞれ同一の赤外領域の波長にて測定を行うよ
うにして成る上記(1)もしくは(2)記載の真空処理
装置により、また、(4).上記温度校正チャンバ内の
基体を既知の所定温度に加熱または冷却する手段を、上
記真空処理チャンバ外に配設して成る上記(1)もしく
は(2)記載の真空処理装置により、また、(5).上
記温度校正チャンバ内の基体を既知の所定温度に加熱ま
たは冷却する手段は、大気との置換雰囲気内に存在する
ようにして成る上記(1)乃至(4)何れか記載の真空
処理装置により、また、(6).上記温度校正チャンバ
内の基体の温度を既知の所定温度に加熱または冷却する
手段は、基体よりも熱容量の大きな部材に前記基体を熱
的に接触させる手段をもって構成して成る上記(1)乃
至(5)何れか記載の真空処理装置により、また、
(7).上記基体を基体よりも熱容量の大きな部材に熱
的に接触させる手段は、基体と部材とが接触する空間を
真空に排気する手段を持って構成して成る上記(6)記
載の真空処理装置により、また、(8).上記温度校正
チャンバ内の基体の温度を既知の所定温度に加熱または
冷却する手段は真空処理チャンバ内にあり、基体を基体
よりも熱容量の大きな部材に熱的に接触させる手段と、
この基体と部材とが接触する空間には5パスカル以上の
圧力の気体を封入する手段とを配設して成る上記(1)
乃至(3)何れか記載の真空処理装置により、(9).
基体温度校正チャンバと、真空処理チャンバとの間に基
体温度調整チャンバを配設し、前記チャンバ内には、基
体の温度制御用ステージとこのステージの開口窓を通し
て光学的に接続された第1、第2及び第3の赤外線輻射
温度計とを備えて成る上記(1)もしくは(2)記載の
真空処理装置により、また、(10).少なくとも上記
真空処理チャンバ内の基体が載置されるステージを、基
体を所定温度に加熱もしくは冷却する手段の配設された
第1のステージと、温度測定用の開口窓が配設された第
2のステージとに分割し、第1のステージで基体の温度
設定を行い、次いで第2のステージに基体を移動して温
度測定する手段を具備して成る上記(1)乃至(9)何
れか記載の真空処理装置により、また、(11).少な
くとも上記真空処理チャンバ内の基体を加熱する手段の
一つが、ランプ加熱手段から成る上記(1)乃至(9)
何れか記載の真空処理装置により、そしてまた、(1
2).少なくとも上記温度校正チャンバ内の基体を加熱
もしくは冷却する手段の一方を上記ステージに備えると
共に、前記基体上面に近接して第2の加熱もしくは冷却
する手段を配設し、前記基板を両面から温度制御するよ
うに成した上記(1)乃至(9)何れか記載の真空処理
装置により、達成される。
【0035】上記第2の目的は、(13).ステージに
載置された基体を既知の設定温度に加熱または冷却する
手段を備えた温度校正チャンバと;この温度校正チャン
バ内のステージに設けられた開口窓を通して基体の輻射
熱を測定する第1の赤外線輻射温度計と;前記第1の赤
外線輻射温度計の出力から前記基体の既知の温度に基づ
いて輻射率を求め、前記第1の赤外線輻射温度計により
前記基体の温度を正しく表示せしめるための赤外線感度
補正値を演算する手段と;温度校正チャンバを出た基体
が載置されるステージと、この基体を所定の設定温度に
加熱または冷却する手段と、前記基体に真空成膜処理す
る手段とを備えた真空成膜処理チャンバと;この真空成
膜処理チャンバ内のステージに設けられた開口窓を通し
て前記基体の輻射熱を測定する第2の赤外線輻射温度計
と;前記第2の赤外線輻射温度計の出力から前記温度校
正チャンバで求めた赤外線感度補正値に基づき真空成膜
処理チャンバ内に置かれた基体の真の温度を算出する手
段と;この第2の赤外線輻射温度計の出力から求めた基
体の温度が、真空成膜処理チャンバ内の前記所定の設定
温度からずれた分量の温度を調整する温度制御手段と;
上記各々のチャンバ内の基体上に近接して配設され、赤
外線温度計の測定波長に対して充分に鏡面である部材で
その主面が構成されたシャッタ機構とを具備して成る成
膜装置により、達成される。
【0036】そしてさらに具体的に好ましくは、(1
4).上記真空成膜処理チャンバをスパッタリング法に
よって所定条件で薄膜を形成することのできる真空成膜
処理チャンバで構成して成る上記(13)記載のスパッ
タリング成膜装置により、そしてまた、(15).上記
真空成膜処理チャンバをCVD法によって所定条件で薄
膜を形成することのできる真空成膜処理チャンバで構成
して成る上記(13)記載のCVD成膜装置により、達
成される。また、(16).上記基体温度校正チャンバ
と、真空成膜処理チャンバとの間に基体温度調整チャン
バを配設し、前記チャンバ内には、基体の温度制御用ス
テージとこのステージの開口窓を通して光学的に接続さ
れた赤外線輻射温度計とを備えて成る上記(13)記載
の成膜装置により、また、(17).上記基体温度調節
チャンバの設定温度を、基体温度校正チャンバ及び基体
への真空成膜処理チャンバよりも低温もしくは高温の異
なる温度に保持して成る上記(16)記載の成膜装置に
より、そしてまた、(18).上記真空成膜処理チャン
バがスパッタリング成膜チャンバから成る上記(16)
もしくは(17)記載の成膜装置により、達成される。
【0037】上記第3の目的は、(19).成膜処理を
するための所定の基体を基体温度校正チャンバ内のステ
ージに載置し、基体を所定温度に加熱する工程と、次い
で真空下で所定温度に冷却し、基体を真空成膜処理チャ
ンバ内のステージに搬送して所定の第1の成膜設定温度
に制御して成膜を開始する工程と、次いで基体温度を前
記第1の成膜設定温度よりも高い第2の設定温度に制御
して所定厚みになるまで成膜する工程と、成膜終了後、
前記第1の成膜設定温度以下に急冷する工程とを有して
成る上記(13)記載の成膜装置による成膜方法によ
り、また、(20).成膜処理をするための所定の基体
を基体温度校正チャンバ内のステージに載置し、基体を
所定温度に加熱する工程と、次いで基体を基体温度調整
チャンバ内のステージに搬送して所定温度に冷却する工
程と、次いで基体を真空成膜処理チャンバ内のステージ
に搬送して基体の温度を前記基体温度調整チャンバ内の
設定温度よりも高い第1の成膜温度に制御し、第1の成
膜を開始する工程と、一旦成膜を停止しこの基体を前記
基体温度調整チャンバ内もしくは他の温度調整チャンバ
中のステージに移し、前記第1の成膜温度よりも高い第
2の設定温度に一定時間保持して成膜の緒品粒を増大す
る工程と、次いでこの基体を前記真空成膜処理チャンバ
内のステージに戻し、基体の温度を前記基体温度調整チ
ャンバ内の第2の設定温度よりも高い第3の成膜温度に
制御して所定膜厚まで成膜を行う第2の成膜工程と、こ
の基体を再度前記基体温度調整チャンバ内に戻し、急冷
する工程とを有して成る上記(16)記載の成膜装置に
よる成膜方法により、達成される。
【0038】
【作用】真空処理チャンバにて基体に所定の処理を行う
前に、温度校正チャンバ内においては、基体を既知の温
度に加熱または冷却し第1の赤外線輻射温度計と熱電対
によって基体の温度を測定し、その測定結果に基づいて
赤外線輻射温度計の補正値、つまり輻射率を演算する。
この演算結果に基づいてその後の真空処理チャンバ内の
基体の温度を第2、第3の温度計で正確に測定する。そ
してその測定結果に基づいて温度制御系を作動させて真
空処理チャンバ内の基体の温度を所定値に設定して成膜
処理等の真空処理を正確に温度管理された状態で行う。
【0039】また、温度校正チャンバにおいては、第1
の赤外線輻射温度計と熱電対による校正温度の測定を異
なる複数の温度にて行うことによって、以後の真空処理
チャンバ内での基体の温度制御を行うに際し、広い温度
範囲でのプロセス温度の制御が可能になる。
【0040】更に、上述した第1の赤外線輻射温度計と
熱電対による校正温度の測定のための加熱手段または冷
却手段として複数の手段を設けることによって、異なる
複数の温度による校正をより短時間で行うことができ
る。
【0041】基体を加熱または冷却中に基体を赤外線輻
射温度計にて観察するために加熱または冷却用ステージ
に貫通孔(開口窓)を設ける必要があるが、この貫通孔
のために基体の温度分布に不均一性が生じることがあ
る。そこでこの対策としては、基体表裏両面を加熱する
ようにしても可能であるが、ステージを2分割し、一方
の基板加熱または冷却用ステージには開口窓を設けず温
度制御専用のステージとし、他方の温度測定用ステージ
に開口窓を設け、温度測定に当たってはこの一方のステ
ージから他方のステージへ基板を移動して温度測定を行
うようにしても良い。
【0042】本発明において基体の温度測定時に基体に
近接してシャッタを配設することは、基板の正確な温度
測定をする上で極めて重要な役割を果たす。その第1の
役割は、金属膜をスパッタ或いはCVD等により成膜す
る装置の場合には、金属膜の有無にかかわらず、このシ
ャッタにより金属膜が成膜しているのと同じ赤外線輻射
率を得ることができるため、成膜前後での見掛けの赤外
線輻射率の違いを補正するこどができ、正確な温度測定
に基づく基板の正しい温度制御を可能とすることにあ
り、第2の役割は、基体を貫通して赤外線輻射温度計に
入射する迷光を遮断し、迷光による測定誤差を防止する
ことにある。
【0043】このシャッタ機構は、特に、成膜前の基体
の温度計測には必ず必要となる。なお、ここで説明でき
なかったその他の作用については、実施例の項で具体的
に説明する。
【0044】
【実施例】以下、図面を用いて、本発明の一実施例を説
明する。
【0045】〈実施例1〉図1は、本発明真空処理装置
をスパッタ成膜装置に適用した一実施例を示した概略構
成図である。この実施例では、成膜対象である基体をシ
リコンウェハとし、この上にAl薄膜をスパッタリング
により成膜する一例を代表例として説明する。
【0046】本発明の真空処理装置1は、基体温度校正
ステージ5をもつ基体温度校正チャンバ2と、基体の加
熱及び冷却を行う基体温度調整ステージ6をもつ基体温
度調整チャンバ3と、スパッタ成膜ステージ7とAlタ
ーゲット8とスパッタ電極9とをもつスパッタ成膜チャ
ンバ4との三つのチャンバから構成されている。そして
これらのチャンバはそれぞれゲートバルブGV1及びG
V2により接続され独立している。また、基体温度校正
チャンバ2とスパッタ成膜チャンバ4とには、排気系が
接続され、一方では所定の真空状態に保持できると共
に、他方ではガス導入口から所定のガスを導入し基体温
度校正チャンバ2においては空気や窒素ガスを導入して
大気圧にまで設定でき、スパッタ成膜チャンバ4におい
てはスパッタガスを導入して所定の放電によりプラズマ
が生じる環境に設定できるように構成されている。更に
また、各ステージには後述するように加熱及び冷却手段
が設けられていると共に、基体10からの輻射赤外線を
観測するための貫通口から成る開口窓19が配設されて
おり、この開口窓19を通して光学的に結合されて第
1、第2及び第3の赤外線輻射温度計11、14及び1
5が接続されている。基体温度校正ステージ5には、基
体温度校正ステージ5の温度を正確に測定するための熱
電対12が設けられている。そして各赤外線輻射温度計
からの出力及び熱電対12の出力を入力して、第1の赤
外線輻射温度計11の輻射率を演算したり、この演算結
果に基づいて第2、第3の赤外線輻射温度計14及び1
5の補正をし、それぞれのステージ上の基体10の正し
い温度を計測したり、最終的にはこれらの計測データに
基づき所定のステージ温度に設定する指令を各ステージ
の加熱及び冷却手段にフィードバックしてステージの温
度を所定値に設定コントロールする、所謂真空処理装置
全体の温度を管理するための基体温度制御器13を備え
ている。
【0047】そして各チャンバの機能について説明する
と、基体温度校正チャンバは、通常、成膜開始温度より
も高い既知の温度に設定された基体10からの赤外線輻
射を第1の赤外線輻射温度計11で測定し、輻射率を算
出してこの赤外線輻射温度計の校正を行う。基体温度調
整チャンバ3は、次のスパッタ成膜チャンバ4に基体を
搬送する前の温度調整機能をもち、スパッタ成膜チャン
バ4は、基体にスパッタにより成膜を行う機能を持つ。
【0048】以下に各ステージの温度を制御して基体1
0を所定温度に保持してAlターゲット8からシリコン
ウェハ基体10上にAl薄膜をスパッタ成膜する具体例
につき説明する。
【0049】まず、大気圧下におかれた基体温度校正チ
ャンバ2内において、ウェハ10は校正ステージ5上で
200℃、300℃、400℃の3温度点に段階的に加
熱される。なお、これらステージ5、6、7での加熱、
冷却法については、とりまとめて後述する。
【0050】この校正ステージ5上で加熱された基体1
0の裏面を、第1の赤外線輻射温度計11と熱電対12
で観察及び測定し、基体温度制御器13の演算処理部で
各温度段階の温度の指示値を得る。つまり、熱電対12
で基体温度と平行になっている校正ステージの温度を実
測し、その温度を基体温度としてその時の輻射率を赤外
線輻射温度計11で観測して、基体温度制御器13の演
算処理部でこの輻射率に基づく温度の指示値を得る。
【0051】ウェハ10は、予め既知温度に加熱設定さ
れているので、この第1の赤外線輻射温度計11から得
られた輻射率を逆算して求めることができるので、以後
の真空中での基体温度調整チャンバ3とスパッタ成膜チ
ャンバ4の処理温度は、この輻射率を使用して、第2、
第3の赤外線輻射温度計14、15から輻射率を補正し
て読み取る。
【0052】第1の赤外線輻射温度計11による輻射率
の校正が終了した時点で、基体温度校正チャンバ2内を
排気して真空状態とした後、ウェハ10は、ゲートバル
ブGV1を開いて校正チャンバ2から真空下の基体温度
調整チャンバ3に搬送され、第2の赤外線輻射温度計1
4により温度測定される。その測定結果から基体温度制
御器13によりステージ6の温度調整を行い、ウェハ1
0の温度を任意の温度に調整する。この例では、100
℃にセットした。その後ウェハ10は、ゲートバルブG
V2を開いて真空状態のスパッタ成膜チャンバ4のステ
ージ7に搬送され、第3の赤外線輻射温度計15により
温度測定され、その結果をもとにステージ7の温度を任
意の温度に調整し、基体10の温度を任意の温度に制御
してスパッタ成膜を行う。この例では、250℃にセッ
トしてAlのスパッタ成膜を行なった。スパッタ成膜
後、ウェハ10を再度校正チャンバ2に搬送し、輻射率
の再校正を行い、この輻射率を以後のスパッタ成膜時の
温度測定時の補正に用いた。なお、各チャンバ間を搬送
するための簡易手段としては、例えばシリコーンゴム等
の耐熱性ベルトを用いた搬送機構等が用いられる。
【0053】次に、図2により基体を載置するステージ
の構造の概略、加熱、冷却方法及びウェハの輻射率の測
定方法ついて、スパッタステージ7の例を用いて説明す
る。
【0054】(1)基板ステージの構造と加熱、冷却方
法:スパッタステージ7はステージを加熱するための電
熱ヒータ18を内蔵し、真空中でウェハに熱を伝達する
例えば、空気や窒素ガス等の伝熱ガスが流れる構造とな
っており、ウェハに伝熱ガスを均一に接触させるための
クランプ17が設置されている。また、ウェハの温度を
赤外線輻射温度計15により測定するための輻射線観測
用空洞を構成する開口窓19が設けてある。ウェハを冷
却する場合には、図示していないが、ヒータ18の替り
にフレオン等の冷却媒体を循環させステージを冷却し、
上記と同様に伝熱ガスによりウェハを冷却する。
【0055】また、校正ステージ5ではチャンバ内が大
気圧であるため伝熱ガスは用いず真空排気を行い、真空
チャックによりステージとの密着性を保ち熱伝導により
熱伝達を行うようになっている。
【0056】(2)輻射率の測定:次に赤外線輻射温度
計によるウェハ基体の温度計測方法について説明する。
本実施例では、赤外線輻射温度計11、14、15を各
ステージの下部に設置し、ウェハの裏側の温度を設定す
るようになっており、各チャンバ内からの迷光が赤外線
温度計に入射しないように迷光遮断用円筒16を各ステ
ージと赤外線輻射温度計の間に設けてある。
【0057】本実施例では、真空中での処理はスパッタ
リングによる基体へのAlの成膜である。基体がAl金
属の成膜を受けると、Al膜からの反射される分だけ輻
射率が大幅に高くなる。したがって基体温度校正チャン
バで成膜処理に測定して求めた輻射率は、その後の成膜
処理により使用できなくなる。
【0058】本発明では成膜処理が終了したウェハを再
び校正チャンバにて予め設定された既知の温度に加熱
し、再び新しい表面に対して輻射率を測定し、再校正を
する。これによって例えば成膜終了直後のウェハを赤外
線輻射温度計で測定しておき、成膜後の(2回目の)輻
射率測定によって正しい輻射率を算出することで、成膜
直後のウェハ温度を正しく知ることが可能である。
【0059】例えば成膜直後のウェハの温度が高すぎる
場合には、成膜中乃至は成膜前に行う基板加熱量を減少
させるように、加熱条件の設定を変える。
【0060】成膜開始時の設定温度を変更することなし
に、成膜終了直後の温度だけ低下させたい場合には、基
体ステージでのガス冷却を行い、基体裏面のガス圧力を
調整することで、成膜中の基体冷却の設定を成膜中に変
化させることができる。
【0061】上記実施例では、シリコンウェハを基体と
して、その裏面にAl薄膜をスパッタリングにより成膜
する例を示したが、ステージを介して基体の温度制御が
高精度に行えるためウェハ内で再現性が良い結晶性が得
られ高品質の成膜を達成することができた。
【0062】〈実施例2〉赤外線輻射温度計によって観
察される基体10の反対側に金属膜を成膜する場合、膜
の有無によって見掛けの赤外線輻射率の値が大きく異な
る場合がある。図3ではこのような目的のスパッタ装置
において、成膜後の基体の赤外線輻射率を校正するため
に第2の温度校正チャンバ32を、図1のスパッタ成膜
チャンバ4に付加して増設した例を示したものである。
【0063】スパッタによって成膜中に赤外線輻射温度
計15によって基体の温度を測定する。しかしながらこ
の場合には基体10の表面には既に金属膜が形成されて
いるために基体温度校正ステージ2において得られた赤
外線輻射率の補正値は使用することができない。このた
めにスパッタ成膜後、スパッタ成膜チャンバ4から基体
10を第2の温度校正チャンバ32に搬送し、温度校正
チャンバ2と同様に加熱または冷却ステージ33によっ
て所定の温度に加熱または冷却し、赤外線輻射温度計3
4および熱電対35によって温度を測定し両者の指示値
から所定の温度における成膜後の基体10の赤外線輻射
率を算出する。そうして成膜中に知り得た温度データを
この値で補正することで成膜中の基体の温度を正確に知
ることができる。もし、こうして知り得た成膜中の基体
10の温度が所定の値よりも高過ぎた場合には、基体の
温度を適正に調整するために基体温度調整チェンバ3の
加熱手段または冷却手段に適宜フィードバックをかける
ことで、次の基体に対する成膜処理を適正に行うことが
できる。
【0064】なお、成膜後の基体の赤外線輻射率を校正
するための温度校正チャンバは、必ずしもこの例のよう
に成膜前の基体の赤外線輻射率を校正するための温度校
正チャンバ2とは別個に用意する必要はない。即ち、ス
パッタ成膜チャンバ4にて成膜を行った後、基体を再
び、基体温度調整チャンバ3を経て温度校正チャンバ2
へ搬送し、ここで上記第2の温度校正チャンバ32と同
様の赤外線輻射率の校正を行ってもよい。
【0065】〈実施例3〉先の実施例1及び2では、基
体が成膜を受けると基体の輻射率が変化するため輻射率
の校正を再度やり直すという必要があったが、本実施例
ではその点を改良し、一度の輻射率の校正でその後の成
膜処理においてもこの輻射率を基準として赤外線輻射温
度計の補正ができるというものである。
【0066】この実施例も実施例1と同様にシリコンウ
ェハ基体にアルミAlをスパッタリングにより成膜する
装置例について説明するものである。
【0067】図4はスパッタ装置の概略構成図を示した
もので、基本的には図1と同様であるが、この例では後
で詳述するように各ステージに載置された基体10に近
接してシャッタ20、21、22がそれぞれ配設されて
いることである。
【0068】基体10は先ず温度校正チャンバ2中で加
熱または冷却ステージ5によって所定の温度に加熱また
は冷却され、第1の赤外線輻射温度計11および熱電対
12によって温度を測定し、両者の指示値から所定の温
度における基体10の赤外線輻射率を算出する。基体の
赤外線温度計によって観察される側とは反対側に金属膜
をスパッタ成膜する場合、膜の有無によって見掛けの赤
外線輻射率の値が大きく異なる場合があるが、このシャ
ッタの設置によって膜の有無による見掛けの赤外線輻射
率の差を低減することができる。
【0069】なお、赤外線輻射温度計11による計測に
当たっては、シャッタ20を閉ざした状態で測定する。
【0070】次に基体10は温度校正チャンバ2から基
体温度調整チャンバ3に搬送され、加熱または冷却ステ
ージ6にて加熱または冷却しながら第2の赤外線輻射温
度計14によって基体10の温度を測定し、校正チャン
バ2にて求めた所定の温度での基体10の輻射率の値と
の補正により基体温度制御器13を通じて加熱または冷
却ステージ6の温度を所定の温度に調節し基体10の温
度を所定の温度に制御する。なお、この基体温度調整チ
ャンバ3での温度計側も温度校正チャンバ2の時と同様
にシャッタ21を閉ざした状態で測定する。
【0071】その後基体10はスパッタ成膜チャンバ4
に搬送されスパッタステージ7にて加熱または冷却す
る。この時シャッタ22を基体上に閉ざし、第3の赤外
線輻射温度計15によって基体10の温度を測定し、校
正チャンバ2にて求めた基体10の輻射率の値との補正
により正しい温度を知ることができる。更にこのように
して正しい温度を知ることによって、基体温度制御器1
3を通じて加熱または冷却ステージ7の温度を所定の温
度に調節し、基体10の温度を所定の温度に制御してス
パッタ成膜を開始する。成膜終了後、基体10は基体温
度調整チャンバ3に戻され、ステージ6にて加熱もしく
は冷却されながら第2の赤外線輻射温度計14によって
温度測定される。この時、校正チャンバ2にて求めた所
定の温度での基体の放射率の値との補正により、基体温
度制御器13を通じてステージ6の温度を所定温度に調
節して基体温度を所定値に設定する。その後基体は温度
校正チャンバ2を経て真空処理装置1から搬出され次ぎ
の工程に進む。
【0072】なお、基体温度校正ステージ2における第
1の赤外線温度計11と熱電対12による基体10の温
度測定を複数の温度において行い、なおかつ第2および
第3の赤外線輻射温度計14、15を用いることによっ
て、より正確なプロセス温度の制御が可能になる。また
図示していないが、基体温度校正のため第1の赤外線輻
射温度計11で測定するための、基体を加熱または冷却
する手段を複数個設けることによって、同様な複数の温
度における基体の温度の校正をより短時間で行うことが
可能になる。
【0073】図5にステージの代表例として図4のスパ
ッタステージ7の概略構成図を示す。ステージの構成
は、基本的には図2の例と同一であるが、本実施例では
基体10の上部に近接してシャッタ22の設けられてい
る点が異なる。
【0074】つまり、基体の赤外線温度計によって観察
される側とは反対側に金属膜をスパッタ成膜する場合、
膜の有無によって見掛けの赤外線輻射率の値が大きく異
なる場合があるが、このシャッタの設置によって膜の有
無による見掛けの赤外線輻射率の差を低減できるため、
図3のように温度校正のための赤外線温度計による測定
を、第2の温度校正チャンバ32を配設するなどして成
膜前後で2回行う必要が無くなり1回で済むようにな
る。
【0075】このシャッタは、温度測定時に基体表面を
閉ざし、成膜中は開放される開閉自在な機構を有してお
り、例えばステンレス製の円板が回転可能の駆動軸に支
持され、この駆動軸を回動することにより開閉する構成
となっている。
【0076】また、シリコンウェハ基体10は赤外線に
対してほとんど透明であることから、基体を貫通して赤
外線輻射温度計に迷光が入射し、基板の温度測定精度が
低下する場合がある。その対策としてこの例では、赤外
線温度計によって観察される側の反対側に基体に近接し
て、赤外線輻射温度計の測定波長に対して充分鏡面であ
る部材によってその主面が構成されたシャッタ22を備
え、赤外線輻射温度計15による基体10の温度測定中
に、この迷光が入射しないように遮断する構成となって
いる。
【0077】このようにシャッタ機構の役割は、第1に
は金属膜をウェハ基体に成膜する際に金属膜により反射
されるウェハからの輻射光による見掛けの放射率の増加
分を補正することであり、第2には迷光の遮断である。
【0078】なお、図6は図4のステージ6の概略構成
図を示したもので、基本的には図5のステージ7と同様
の構成である。ステージ6にはヒータ18を内蔵し、真
空中ではステージ6と基体10との間の空間に伝熱ガス
が流れる構造になっており、基体に伝熱ガスを均一に接
触させるためのクランプ17が設置されている。基体1
0の温度を赤外線輻射温度計14で測定するための開口
窓19と迷光遮断用円筒16が接続されており、円筒1
6の両端には赤外線を透過する材質の窓板23、24が
装着されている。また、円筒16自身が加熱され迷光の
発生源にならないように水冷する構造となっている。迷
光の影響をさらに低減する場合には、円筒16の内壁を
黒体処理ことで可能となる。また、この例も図5の場合
と同様に基体10に近接して図5と同様にシャッタ21
が配設されている。
【0079】なお、上記シャッタは、(1)成膜金属膜
と同じ赤外線反射率を有する鏡面状態のもの、(2)迷
光の遮断機能を有するものであれば何れの構造でも良
く、例えば基体の温度測定タイミングに同期して開閉自
在に駆動する構成、或いは、チャンバの一領域に固定シ
ャッタを設け、測定時に基板をシャッタ下部に移動する
機構とするなど種々の構成を採用することができる。
【0080】図7はシャッタの有無によるシリコンウェ
ハ基体の赤外線輻射率の違いを示した特性曲線である。
図7(a)は、シャッタ無しの比較例、図7(b)は、
シャッタを設けた本実施例の測定結果を示している。こ
れから明らかなように、図7(a)のアルミAl成膜前
(Al膜無し)のウェハの見掛けの赤外線輻射率はAl
成膜後(Al膜有り)のウェハの見掛けの赤外線輻射率
より小さく両者にかなりの差が生じているが、Al成膜
前のウェハにシャッタを設置することによって、図7
(b)に示すように見掛けの赤外線輻射率がAl成膜後
のウェハとほぼ同等になることが分かった。これにより
シャッタを用いて基体温度を計測することにより一定の
放射率で計測可能と成ることが分かる。
【0081】〈実施例4〉加熱または冷却ステージに基
体の赤外線温度測定のための開口窓19により基体の温
度分布が不均一になる場合には、図8に示すように貫通
孔(開口窓)19より離れた場所に分離して設けた加熱
または冷却専用のステージ25にて基体10を加熱また
は冷却した後、基体10を開口窓19のあるステージに
搬送し赤外線輻射温度計27にて温度測定を行う構成と
することによって基体10の温度分布がより均一な状態
で測定することができる。
【0082】〈実施例5〉基体の加熱または冷却を表面
または裏面の何れか一方側からのみ行った場合、基体の
表面側と裏面側とには温度差が生じる。そこで、図9に
示すように基体の表面と裏面との両側から温度制御でき
るように、それぞれの側に加熱または冷却手段28、2
9を設けることにより両面の温度差を低減することがで
きる。また、これにより開口窓19による基体上の温度
分布の不均一性をも低減することができる。
【0083】〈実施例6〉図4のスパッタ装置1を用い
て、シリコンウェハ基体10上にアルミAl膜をスパッ
タリングにより成膜する他の実施例を説明する。
【0084】シリコンウェハ基体10は、温度校正チャ
ンバ2で500℃まで加熱されて吸着水分等が除去さ
れ、熱電対12で測温されると共にこれをベースとして
赤外線輻射温度計11の放射率の校正を行い、次いでウ
ェハは基体温度調整チャンバ3に搬送される。基体温度
調整チャンバ3に搬送されたウェハ基体10は、赤外線
輻射温度計14で測温され、ステージ6の温度制御によ
り所定の200℃まで冷却され、スパッタ成膜チャンバ
4に搬送される。このスパッタ成膜チャンバ4内で基体
10は、図10に示すような温度プロファイルによって
スパッタされる。ターゲット8は1%Si−3%Cu−
Alの組成のものを用いた。先ず始めに、基体10の温
度を230℃に制御し、膜厚数100Å程度までの第1
のスパッタ成膜を行い、そこで一旦スパッタを停止し、
基体は基体温度調整チャンバ3に搬送される。基体温度
調整チャンバ3では、基体10の温度を300℃に加熱
制御し、第1のスパッタ成膜で得たAl膜の結晶粒を成
長させ配向性等を向上させる。
【0085】次ぎに、基体は再びスパッタ成膜チャンバ
4に搬送され、基体温度を400℃程度に設定した後、
第2のスパッタ成膜を再開させ、膜厚1μm程度まで成
膜を行う。これにより結晶粒が大きく、配向性のよいA
lスパッタ膜が得られる。スパッタ終了後基体は直ちに
基体温度調整チャンバ3に搬送され、50℃程度まで急
冷される。これにより、Alスパッタ膜中のSi及びC
uの折出を抑制することができた。
【0086】上記実施例では、シリコンウェハを基体と
して、その表面にAl薄膜をスパッタリングにより成膜
する例を示したが、ステージを介して基体の温度制御が
高精度に行えるためウェハ内で再現性が良い結晶性が得
られ、品質の優れた成膜を達成することができた。例え
ば、数100Åの薄い膜を加熱する際にその加熱温度が
350℃以上では結晶性の向上が得られなかった。従っ
て、正確な温度を知ることができる本発明なくしては工
業的にこのような成膜方法を実現させることはできな
い。
【0087】なお、本発明の真空処理装置は、上記のス
パッタ装置のほかCVD(Chemicai Vapor Depositi
on)による成膜装置等にも適応可能であることは言うま
でもない。
【0088】例えば、シリコンウェハ基板を基体とし
て、この基板上にCVDにより既知の方法でタングステ
ン膜を成膜する場合などに有効である。
【0089】この種の成膜装置においては、いずれも基
体の温度制御の精度が、形成される膜質を左右すること
から、本発明の成膜装置は、それに十分応え得るもので
ある。
【0090】なお、上記実施例のように真空処理チャン
バを成膜処理チャンバとすれば成膜装置が実現される
が、この真空処理チャンバを成膜チャンバ以外にも例え
ばプラズマエッチング等のドライエッチング処理のチャ
ンバとすることも可能であり、エッチングする基板の温
度制御については上記実施例と同様に容易に実現でき
る。
【0091】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、真
空中での基体の正確な温度制御を可能とするものであ
り、基板の正確な温度管理のできる真空処理装置を実現
すると共に、それを成膜装置に応用することにより正確
な温度制御を必要とする成膜前後、及び成膜中の温度の
管理が容易にできるので、高品質な膜の形成を可能とす
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す真空処理装置の概略説
明用一部断面ブロック構成図。
【図2】スパッタステージの一例を示す概略断面構成
図。
【図3】本発明の他の一実施例を示す真空処理装置の概
略説明用一部断面ブロック構成図。
【図4】本発明の更に異なる他の一実施例を示す真空処
理装置の概略説明用一部断面ブロック構成図。
【図5】それぞれシャッタ機構を配設したスパッタステ
ージ及び基体温度調節ステージの一例を示す概略断面構
成図。
【図6】それぞれシャッタ機構を配設したスパッタステ
ージ及び基体温度調節ステージの一例を示す概略断面構
成図。
【図7】シャッタの有無による温度計測結果を示した特
性曲線図。
【図8】同一チャンバ内でステージを2分割した本発明
の他の実施例となるステージの断面図。
【図9】温度制御手段を基体の両面に配設したステージ
の断面図。
【図10】成膜時の一温度プロファイルを示した説明図
である。
【符号の説明】
1…真空処理装置、 2…基体温度校正チャンバ、 3…基体温度調節チャンバ、 4…スパッタ成膜チャンバ、 5…基体温度校正ステージ、 6…基体温度調節ステージ、 7…スパッタステージ、 8…ターゲツト、 9…スパッタ電極、 10…基体、 11、14、15…赤外線輻射温度計、 13…基体温度制御器、 16…迷光遮断用円筒、 19…開口窓、 20〜22…シャッタ、 GV1、GV2…ゲートバルブ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 島村 英昭 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地 株 式会社日立製作所生産技術研究所内 (72)発明者 都竹 進 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地 株 式会社日立製作所生産技術研究所内 (72)発明者 西谷 英輔 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地 株 式会社日立製作所生産技術研究所内 (72)発明者 米岡 雄二 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地 株 式会社日立製作所生産技術研究所内

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ステージに載置された基体を既知の設定温
    度に加熱または冷却する手段を備えた温度校正ステージ
    と;基体の輻射熱を測定する第1の赤外線輻射温度計
    と;前記第1の赤外線輻射温度計の出力から前記基体の
    既知の温度に基づいて輻射率を求め、前記第1の赤外線
    輻射温度計により前記基体の温度を正しく表示せしめる
    ための赤外線感度補正値を演算する手段と;該ステージ
    と同一ないしは異なる基体が載置されるステージと、こ
    の基体を所定の設定温度に加熱または冷却する手段と、
    前記基体に真空処理する手段とを備えた真空処理チャン
    バと;前記基体の輻射熱を測定する第2の赤外線輻射温
    度計と;前記第2の赤外線輻射温度計の出力から前記温
    度校正チャンバで求めた赤外線感度補正値に基づき真空
    処理チャンバ内に置かれた基体の真の温度を算出する手
    段とを備えて成る真空処理装置。
  2. 【請求項2】ステージに載置された基体を既知の設定温
    度に加熱または冷却する手段を備えた温度校正ステージ
    と、基体の輻射熱を測定する第1の赤外線輻射温度計
    と;前記第1の赤外線輻射温度計の出力から前記基体の
    既知の温度に基づいて輻射率を求め、前記第1の赤外線
    輻射温度計により前記基体の温度を正しく表示せしめる
    ための赤外線感度補正値を演算する手段と;前期基体が
    載置される前期ステージ又は、これとは異なるステー
    ジ、と、この基体を所定の設定温度に加熱または冷却す
    る手段と、前記基体に真空処理する手段とを備えた真空
    処理チャンバと;前記基体の輻射熱を測定する第2の赤
    外線輻射温度計と;前記第2の赤外線輻射温度計の出力
    から前記温度校正チャンバで求めた赤外線感度補正値に
    基づき真空処理チャンバ内に置かれた基体の真の温度を
    算出する手段と;上記各々のステージ上の基体上に近接
    して配設され、赤外線温度計の測定波長に対して充分に
    鏡面である部材でその主面が構成されたシャッタ機構と
    を具備して成る真空処理装置。
  3. 【請求項3】上記第1及び第2の赤外線輻射温度計は、
    それぞれ同一の赤外領域の波長にて測定を行うようにし
    て成る請求項1もしくは2記載の真空処理装置。
  4. 【請求項4】上記温度校正ステージ上の基体を既知の所
    定温度に加熱または冷却する手段を、上記真空処理チャ
    ンバ外に配設して成る請求項1もしくは2記載の真空処
    理装置。
  5. 【請求項5】上記温度校正ステージ上の基体を既知の所
    定温度に加熱または冷却する手段は、大気との置換雰囲
    気内に存在するようにして成る請求項1乃至4何れか記
    載の真空処理装置。
  6. 【請求項6】上記温度校正ステージ上の基体の温度を既
    知の所定温度に加熱または冷却する手段は、基体よりも
    熱容量の大きな部材に前記基体を熱的に接触させる手段
    をもって構成して成る請求項1乃至5何れか記載の真空
    処理装置。
  7. 【請求項7】上記基体を基体よりも熱容量の大きな部材
    に熱的に接触させる手段は、基体と部材とが接触する空
    間を真空に排気する手段を持って構成して成る請求項6
    記載の真空処理装置。
  8. 【請求項8】上記温度校正ステージ上の基体の温度を既
    知の所定温度に加熱または冷却する手段は真空処理チャ
    ンバ内にあり、基体を基体よりも熱容量の大きな部材に
    熱的に接触させる手段と、この基体と部材とが接触する
    空間には5パスカル以上の圧力の気体を封入する手段と
    を配設して成る請求項1乃至3何れか記載の真空処理装
    置。
  9. 【請求項9】基体温度校正ステージと、真空処理チャン
    バとの間に基体温度調整ステージを配設し、基体の温度
    調整ステージには第3の赤外線輻射温度計を備えて成る
    請求項1もしくは2記載の真空処理装置。
  10. 【請求項10】少なくとも上記真空処理チャンバ内の基
    体が載置されるステージを、基体を所定温度に加熱もし
    くは冷却する手段の配設された第1のステージと、温度
    測定を行う第2のステージとに分割し、第1のステージ
    で基体の温度設定を行い、次いで第2のステージに基体
    を移動して温度測定する手段を具備して成る請求項1乃
    至9何れか記載の真空処理装置。
  11. 【請求項11】少なくとも上記真空処理チャンバ内の基
    体を加熱する手段の一つが、ランプ加熱手段から成る請
    求項1乃至9何れか記載の真空処理装置。
  12. 【請求項12】少なくとも上記温度校正ステージ上の基
    体を加熱もしくは冷却する手段の一方を上記ステージに
    備えると共に、前記基体上面に近接して第2の加熱もし
    くは冷却する手段を配設し、前記基板を両面から温度制
    御するように成した請求項1乃至9何れか記載の真空処
    理装置。
  13. 【請求項13】ステージに載置された基体を既知の設定
    温度に加熱または冷却する手段を備えた温度校正ステー
    ジと;このステージ上の基体の輻射熱を測定する第1の
    赤外線輻射温度計と;前記第1の赤外線輻射温度計の出
    力から前記基体の既知の温度に基づいて輻射率を求め、
    前記第1の赤外線輻射温度計により前記基体の温度を正
    しく表示せしめるための赤外線感度補正値を演算する手
    段と;温度校正ステージとは同一ないしは異なるステー
    ジと、この基体を所定の設定温度に加熱または冷却する
    手段と、前記基体に真空成膜処理する手段とを備えた真
    空成膜処理チャンバと;この真空成膜処理チャンバ内の
    ステージに載置された前記基体の輻射熱を測定する第2
    の赤外線輻射温度計と;前記第2の赤外線輻射温度計の
    出力から前記温度校正ステージで求めた赤外線感度補正
    値に基づき真空成膜処理チャンバ内に置かれた基体の真
    の温度を算出する手段と;この第2の赤外線輻射温度計
    の出力から求めた基体の温度が、真空成膜処理チャンバ
    内の前記所定の設定温度からずれた分量の温度を調整す
    る温度制御手段と;上記各々のチャンバ内の基体上に近
    接して配設され、赤外線温度計の測定波長に対して充分
    に鏡面である部材でその主面が構成されたシャッタ機構
    とを具備して成る成膜装置。
  14. 【請求項14】上記真空成膜処理チャンバをスパッタリ
    ング法によって所定条件で薄膜を形成することのできる
    真空成膜処理チャンバで構成して成る請求項13記載の
    スパッタリング成膜装置。
  15. 【請求項15】上記真空成膜処理チャンバをCVD法に
    よって所定条件で薄膜を形成することのできる真空成膜
    処理チャンバで構成して成る請求項13記載のCVD成
    膜装置。
  16. 【請求項16】上記基体温度校正ステージと、真空成膜
    処理チャンバとの間に基体温度調整ステージを配設し、
    前記チャンバ内には、基体の温度調整用ステージとこの
    ステージに赤外線輻射温度計とを備えて成る請求項13
    記載の成膜装置。
  17. 【請求項17】上記基体温度調整チャンバの設定温度
    を、基体温度校正ステージ及び基体への真空成膜処理チ
    ャンバよりも低温もしくは高温の異なる温度に保持して
    成る請求項16記載の成膜装置。
  18. 【請求項18】上記真空成膜処理チャンバがスパッタリ
    ング成膜チャンバから成る請求項16もしくは17記載
    の成膜装置。
  19. 【請求項19】成膜処理をするための所定の基体を基体
    温度校正ステージに載置し、基体を所定温度に加熱する
    工程と、次いで真空下で所定温度に冷却し、基体を真空
    成膜処理チャンバ内のステージに搬送して所定の第1の
    成膜設定温度に制御して成膜を開始する工程と、次いで
    基体温度を前記第1の成膜設定温度よりも高い第2の設
    定温度に制御して所定厚みになるまで成膜する工程と、
    成膜終了後、前記第2の成膜設定温度以下に急冷する工
    程とを有して成る請求項13記載の成膜装置による成膜
    方法。
  20. 【請求項20】成膜処理をするための所定の基体を基体
    温度校正ステージに載置し、基体を所定温度に加熱する
    工程と、次いで基体を基体温度調整ステージに搬送して
    所定温度に冷却する工程と、次いで基体を真空成膜処理
    チャンバ内のステージに搬送して第1の成膜温度にて、
    第1の成膜を開始する工程と、一旦成膜を停止しこの基
    体を前記基体温度調整チャンバ内もしくは他の温度調整
    チャンバ中のステージに移し、前記第1の成膜温度より
    も高い第2の設定温度に一定時間保持して膜の結晶粒を
    増大する工程と、基体の温度を前記基体温度調整チャン
    バ内の第2の設定温度よりも高い第3の成膜温度に制御
    して所定膜厚まで成膜を行う第2の成膜工程と、この基
    体を他の基体温度調整ステージにより、急冷する工程と
    を有して成る請求項16記載の成膜装置による成膜方
    法。
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