JP2982026B2 - 温度測定装置とこれを用いた被加熱体の温度測定装置 - Google Patents

温度測定装置とこれを用いた被加熱体の温度測定装置

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JP2982026B2
JP2982026B2 JP3161025A JP16102591A JP2982026B2 JP 2982026 B2 JP2982026 B2 JP 2982026B2 JP 3161025 A JP3161025 A JP 3161025A JP 16102591 A JP16102591 A JP 16102591A JP 2982026 B2 JP2982026 B2 JP 2982026B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、温度測定装置とこれを
用いた被加熱体の温度測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体の進歩は著しいものがあ
り、これに伴って半導体を製造する加工プロセスも複雑
且つ精密な制御が要求されている。特に、加工プロセス
を実行している際のウエハ温度は、加工プロセスの結果
に重大な影響を与える。例えば、CVD装置では、半導
体ウエハの表面温度が成膜条件と密接な関係にあり、ウ
エハ温度を正確に測定し、これに基づいて温度の正確な
制御を行なうことが、緻密な処理を行なう上で不可欠と
なっている。図6及び図7は、従来のウエハの温度測定
方法を示したものである。図6において、半導体ウエハ
2は、チャック4上に支持されており、このチャック4
に温度調整機構が内蔵されている。また、このチャック
4の例えば側壁には、チャック温度を測定するための熱
電対6が設けられており、チャック温度を検出すること
によりウエハ温度を求めるようになっている。
【0003】図7は、ウエハ2の温度を非接触により測
定する一例を示したものである。同図において、半導体
ウエハ2は前記チャック4に変えて、3本の支持用ピン
8によって接触支持されている。また、このウエハ2の
温度調整は、ウエハ2の下方に設置された赤外線ランプ
(図示せず)によって実現される。ウエハ2の温度測定
は、ウエハ2より離れた位置に設置された放射温度計1
0により非接触で測定されることになる。放射温度計1
0は、温度をもった物体から放射される熱線の波長にお
ける放射強度から、その物体の温度を計算で求めるもの
である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】図6による温度測定方
式によれば、チャック4の温度を測定することで、半導
体ウエハ2の温度測定に代用していることになる。しか
しながら、チャック4は相当の体積があるため熱容量が
大きくなってしまい、応答性が良好でないという改善点
を有する。また、この種の加工プロセスは真空中で行な
われる場合が多いため、、ウエハ2とチャック4との間
の気体による熱対流は期待できず、このためウエハ2と
チャック4との間に大きな温度差がある場合が多く、正
確なウエハ温度を検出できない場合があった。そして、
この温度差はウエハ2とチャック4との接触圧力の大き
さにより変化するため、温度測定にばらつきが生ずると
いう改善点があった。また、図7に示す非接触温度測定
法は、物体表面の放射率(完全黒体からどのくらい離れ
ているかを示す数)に依存しており、この放射率はウエ
ハ10の種類によって或いはウエハ裏面の仕上げ状態に
よって異なっている。しかも、物体表面に薄い膜等が付
着しているとこの膜による光の回折或いは干渉現象で放
射率が変わって測定に誤差が生じ、正しい温度測定を実
現できないという問題が生じていた。また、ウエハにド
ープされた不純物の温度変化やその濃度によっても放射
率が変わり、正確なウエハ温度を測定できないという改
善点があった。
【0005】更に、支持用ピン8を介して半導体ウエハ
2の熱が熱伝導によって部分的に逃げていくので半導体
ウエハの面内において温度分布が不均一になり、この状
態で成膜処理を行なうと成膜が面内において不均一にな
る場合すらあった。本発明は、以上のような問題点に着
目し、これを有効に解決すべく創案されたものである。
本発明の目的は、伝導による熱の移動を生ずることなく
被測定値の温度を測定することができる温度測定装置と
これを用いた被加熱体の温度測定装置を提供することに
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、上記問題
点を解決するために、被測定体の温度を測定する温度測
定装置において、先端部が前記被測定体と接触する棒状
部材と、前記棒状部材の実質的に前記先端部の温度を
接触で測定する放射温度計よりなる第1温度測定手段
と、前記先端部より前記棒状部材の長手方向に沿って適
宜間隔だけ離間された測定部の温度を非接触で測定する
放射温度計よりなる第2温度測定手段と、前記測定部に
熱を供給する加熱手段と、前記第1温度測定手段の検出
値と前記第2温度測定手段の検出値とが同じになるよう
に前記加熱手段を制御する制御手段とを備えるようにし
たものである。第2の発明は、上記問題点を解決するた
めに、被加熱体の温度を測定する温度測定装置におい
て、前記被加熱体を加熱する被加熱体加熱手段と、前記
被加熱体を少なくとも3か所にて接触して支持する支持
部材とを備え、前記支持部材の少なくとも1つが、先端
部が前記被加熱体と接触する棒状部材と、前記棒状部材
の実質的に前記先端部の温度を非接触で測定する放射温
度計よりなる第1温度測定手段と、前記先端部より前記
棒状部材の長手方向に沿って適宜間隔だけ離間された測
定部の温度を非接触で測定する放射温度計よりなる第2
温度測定手段と、前記測定部に熱を供給する加熱手段
と、前記第1温度測定手段の検出値と前記第2温度測定
手段の検出値とが同じになるように前記加熱手段を制御
する制御手段とを有するようにしたものである。
【0007】
【作用】第1の発明は、以上のように構成したので、棒
状部材の先端部の温度は第1温度測定手段により測定さ
れ、この先端部より少し離れた部分の測定部は第2温度
測定手段により測定される。そして、両測定手段からの
検出値が一致するように制御手段は加熱手段を動作し、
上記測定部に熱を加える。これにより、熱安定時には棒
状部材の先端部と上記測定部との温度は同一に維持され
るので上記先端部から上記測定部への熱の移動がほとん
どなくなり、結果的に被測定体から温度測定装置側への
熱伝導がなくなるので正確な被測定体の温度を測定する
ことが可能となる。第2の発明は、前述のように構成し
たので、少なくとも3つの支持部材により支持された被
加熱体は被加熱体加熱手段により加熱されており、この
支持部材のうちの少なくとも1つは、前記第1の発明に
係る温度測定装置と同様に形成されているので、前述の
ごとく熱の移動をほとんど生ずることなく被加熱体の温
度を測定することが可能となる。
【0008】
【実施例】以下に、本発明の一実施例を添付図面に基づ
いて詳述する。図1は本発明の第1の発明に係る温度測
定装置の一実施例を示す構成図である。図示するごとく
この温度測定装置12は、電気的絶縁体よりなる棒状部
材14を有しており、この棒状部材14は、熱伝導性の
悪い材料、例えば石英あるいはセラミックス等により構
成されている。そして、この棒状部材14の先端部18
は、被測定体16と直接接触する接触部として構成され
ており、所定の曲率を有する球面形状に成形されてい
る。この先端部18には、この部分に設けられる後述す
る熱電対の磨耗及び汚染を防止するために、例えば水晶
等がスパッタにより厚さ1μmほど形成されている。そ
して、この先端部18の近傍には、上記被処理体16の
温度を測定する第1温度測定手段20が設けられると共
に、この先端部18より適宜間隔だけ上記棒状部材14
の長手方向に沿って離間された測定部22には第2温度
測定手段24が設けられている。これら各測定手段2
0、24は、それぞれ温度測定素子としての熱電対によ
り構成されている。この熱電対は、例えば白金(Pt)
で構成された第1の金属薄膜26と、例えば白金ロジウ
ム(PtRd)で構成された第2の金属薄膜28とをそ
の一部が重なり合うように、例えばスパッタ、メッキ或
いは蒸着などにより厚さ1μm程度に薄膜形成すること
により構成されている。
【0009】尚、これら熱電対としては、スパッタによ
る薄膜成形により形成することなく、市販されている熱
電対を取付けるようにしてもよい。そして、上記第2温
度測定手段24の近傍、具体的には上記第1温度測定手
段20の反対側の部分の上記棒状部材14には、この測
定部22に熱を供給するための加熱手段42が形成され
ている。この加熱手段42は、上記棒状部材14に巻回
された加熱ヒータ44よりなり、このヒータ44の両端
に接続されたヒータ駆動部46にて電力を調整すること
により発熱量を調整し得るようになっている。
【0010】一方、上記第1温度測定手段20の第1の
金属薄膜26及び第2の金属薄膜28には、それぞれ出
力ケーブル30、32が接続されると共に、これらケー
ブル30、32の出力側は温度表示器34に接続されて
いる。また、同様に上記第2温度測定手段24の第1の
金属薄膜26及び第2の金属薄膜28には、それぞれ出
力ケーブル36、38が接続されると共に、これらケー
ブル36、38の出力側は温度表示器40に接続されて
いる。そして、上記各温度表示器34、40の出力は、
これらからの出力値が同じになるように上記加熱手段4
2を制御する制御手段50へ入力されている。具体的に
は、この制御手段50は、上記各温度表示器34、40
の出力値、すなわち上記第1及び第2温度測定手段2
0、24の検出値を入力して、これらの値を比較する比
較部52と、この比較部52の出力値に基づいて上記ヒ
ータ駆動部46を制御する制御部54と、上記加熱手段
42に電力を供給するヒータ駆動部46とにより主に構
成されており、上記制御部54は、上記第1及び第2温
度測定手段20、24の検出温度値が同じになるように
加熱手段42への供給電力を制御するように構成されて
いる。すなわち、第1温度測定手段20を設けた先端部
18、すなわち被測定体16の温度と第2温度測定手段
24を設けた測定部22の温度とを等しくして、熱の移
動すなわち熱流がなくなるように加熱手段42を制御す
る。
【0011】尚、この時の応答性を良好にするために
は、棒状部材14を熱伝導性の良好な材料で構成すると
共に、この棒状部材14の先端部18を平面形状にして
これと被測定体16との接触面積を大きく設定すればよ
い。更に、第1及び第2温度測定手段20、24間の距
離及び第2温度測定手段24と加熱手段42との間の距
離も短くすれば、応答性は良好となる。
【0012】次に、以上のように構成された第1の発明
の本実施例の動作について説明する。まず、被測定体1
6を棒状部材14の先端部18に接続させ、この棒状部
材14の熱は、一時的には熱伝導により、熱電対よりな
る第1温度測定手段20へ伝導されてこれを、例えば加
熱し、ゼーベック効果により第1及び第2の金属薄膜2
6、28の接合面に、温度差に起因した熱起電力が生
じ、熱電流が流れる。この熱電対に接続された温度表示
器34は、上記熱電流をキャンセルするキャンセル電流
に基づいて温度を測定するものであり、従って、第1及
び第2の金属薄膜26、28及び出力ケーブル30、3
2には電流がほとんど流れない。一方、第2温度測定手
段24によって検出された温度も、上記したと同様に温
度表示器40にて表示される。各温度表示器34、40
における温度値は、制御手段50の比較部52へ入力さ
れてこれらの差値が求められ、この差値が零になるよう
に、すなわち両温度値が同じになるように制御部54は
ヒータ駆動部46を介して加熱ヒータ44への電力供給
量を制御する。
【0013】従って、第1温度測定手段20を設けた先
端部18と第2温度測定手段24を設けた測定部22と
の温度は、熱安定時には常に同じになるので、被測定体
16から棒状部材14側への熱の移動、すなわち熱流は
なくなり、被測定体16の温度が局部的に低くなること
なく、この温度を正確に測定することができる。すなわ
ち、もし加熱手段42を設けない場合には、被測定体1
6の熱は棒状部材14を介して次第に移動して行くため
に、被測定体16の温度は局部的に低くなってしまうの
で正確な温度を測定できないが、本実施例によればフィ
ードバック制御により、被測定体16からの熱移動が生
じないように加熱手段42により熱を供給しているの
で、前述のごとく被測定体16を部分的に温度低下させ
ることなくこの正確な温度を測定することが可能とな
る。また、加熱手段42としては、加熱ヒータ44に限
らず、他の手段、例えば棒状部材14として炭化ケイ素
(SiC)を使用した場合には、この棒状部材14自身
の一部に電流を流すことによりこれを抵抗体として使用
し、ジュール熱を得るようにしてもよい。
【0014】次に、本発明の第2の発明の一実施例につ
いて説明する。この第2の発明は、上記第1の発明であ
る温度測定装置を被加熱体の温度測定装置としてCVD
装置に適用したものである。図2に示すようにCVD装
置60は、例えばアルミニウム等により筐体状に成形さ
れた真空容器62を有しており、この真空容器62の側
壁には、この内部に処理ガスを導入するための処理ガス
導入管64及び内部を真空排気するための真空排気管6
6が接続されている。そして、この真空容器62の上部
及び底部には、例えば石英などにより形成された透過窓
68、70がシール材71、73により気密に取り付け
られている。そして、各透過窓68、70の外側には、
上記真空容器62内に支持された半導体ウエハのごとき
被加熱体72を加熱するための被加熱体加熱手段74、
76が設けられている。これら各被加熱体加熱手段7
4、76は、例えばハロゲンランプのような加熱用ラン
プ74a、76aにより構成されており、これらランプ
74a、76aからの熱線が上記透過窓68、70を透
過して上記被加熱体72の表裏からこれを加熱し得るよ
うに構成されている。これら各加熱用ランプ74a、7
6aは、図示しないランプ駆動部に接続されており、後
述する温度測定装置の出力に基づいて上記被加熱体72
を所定の温度にて均一加熱し得るように構成されてい
る。
【0015】そして、上記真空容器62内には、図3に
も示すように上記被加熱体72が、少なくとも3本の支
持部材80によりその裏面が3点で支持されており、各
支持部材80の下部はほぼ直角に屈曲されて真空容器6
2の内壁に取り付けられている。そして、上記支持部材
80の少なくとも1つが、図1に示す前記第1の発明の
温度測定装置と全く同様に構成されている。尚、図示例
にあっては、3つの全ての支持部材80が図1に示す温
度測定装置と同様に構成されている。すなわち、各支持
部材80は、図4に示すように先端部18が被加熱体7
2と接触する棒状部材14と、上記棒状部材14の実質
的に先端部18の温度を測定する第1温度測定手段20
と、上記先端部18より棒状部材14の長手方向に沿っ
て適宜間隔だけ離間された測定部22の温度を測定する
第2温度測定手段24と、上記測定部22に熱を供給す
る加熱手段42と、上記第1温度検出手段20の検出値
と上記第2温度測定手段24の検出値とが同じ値になる
ように上記加熱手段42を制御する制御手段50とによ
り主に構成されている。これら各構成要素の詳細は図1
に示す装置と同様なので、同一部分については同一符号
を付してその説明を省略する。尚、図示されていない
が、上記第1或いは第2温度測定手段20、24の検出
温度値に基づいて、上記加熱用ランプ74a、76aの
出力を調整して、上記被加熱体72の温度を制御し得る
ように構成されている。
【0016】次に、以上のように構成された本実施例の
動作について説明する。まず、このCVD装置60内
に、図示しないアームにより半導体ウエハのごとき被加
熱体72が搬入され、3本の支持部材80上に載置され
る。この受け入れの際に、支持部材80を上下動するこ
とも可能である。その後、真空容器62のゲートを閉鎖
し、真空排気管66を介して所定の真空度まで真空引き
した後に、被加熱体加熱手段74、76の加熱用ランプ
74a、76aにより上記被加熱体72を所定の温度に
加熱維持し、処理ガス導入管64を介して処理ガスを導
入して、被加熱体72に薄膜成長処理を施す。この時、
被加熱体72に対する成膜の精度は、被加熱体72の表
面温度と密接な関係を有し、従って、被加熱体加熱手段
76の駆動を適性に制御するためには、上記被加熱体7
2の温度を正確に測定する必要がある。
【0017】被加熱体72の温度は、先端部18を介し
て直接第1温度測定手段20に伝導してこの温度値が出
力されるが、熱の移動が生ずると言うことは、被加熱体
72の温度が局部的に僅かではあるが低下することを意
味し、その低下した温度が検出されていることになるの
で、被加熱体72の全体の正確な温度を測定していない
ことになる。そこで、本実施例にあっては、上記熱移動
を阻止するために、第1温度測定手段20の出力値と、
これより僅かに下方に設けた第2温度測定手段24の出
力値とを制御手段50の比較部52にて比較し、これら
出力値が正確に同一になるように制御部54はヒータ駆
動部46を介して加熱手段42の加熱ヒータ44への供
給電力を制御している。従って、熱安定時には第1温度
測定手段20を設けた部分と第2温度測定手段24を設
けた測定部22との温度がほぼ正確に同一になるので、
これらの間の熱移動がなくなり、これにより被加熱体7
2から第1温度測定手段20を設けた部分への熱移動、
すなわち熱流もほとんどなくなり、上記第1温度測定手
段20は、被加熱体72に局部的に温度低下を生ぜしめ
ることなく、この全体の真に正確な温度を検出すること
が可能となる。
【0018】また、本実施例にあっては、第1及び第2
温度測定手段20、24として、スパッタ等により形成
した第1及び第2金属薄膜26、28の一部を重ね合わ
せて構成する熱電対を用いているので、これらの熱容量
を十分に低減することができ、従って、被加熱体72の
温度が僅かに変化した場合にあっても、その変動を迅速
に捕らえてこれに対応することができ、熱応答性を向上
させることが可能となる。また、本実施例にあっては、
棒状部材14の先端部18を被加熱体72へ直接接触さ
せているので、上記した理由と相俟って、被加熱体72
の温度を一層精度よく測定することができる。更に、被
加熱体72以外の熱源、例えば加熱用ランプ74a、7
6aから支持部材80へ入る熱に関係なく、すなわち外
乱に対して影響を受けることがなく、被加熱体72の全
体の正確な温度を測定することができる。
【0019】このように、第1温度測定手段20により
被加熱体72の正確な温度を測定することができるの
で、これを被加熱体加熱手段76の駆動部へフィードバ
ックすることにより、被加熱体の均一な加熱を実現する
ことが可能となる。特に、CVD装置では、被加熱体
(半導体ウエハ)72に対する成膜を行なうに際して、
支持部材80が接触する部分での局部的な温度低下を抑
制する必要があるが、本実施例によれば被加熱体72か
ら支持部材80への伝導による熱の移動を阻止すること
ができるので、上述したような被加熱体72の局部的な
温度低下を防止でき、面内均一性の良好な薄膜を形成す
ることが可能となる。上記実施例にあっては、熱電対を
構成する2種の金属として白金と白金ロジウムの組合せ
を用いたが、これに限定されず、ゼーベック効果を生ず
る他の2種の金属の組合せを採用することも可能であ
る。
【0020】また、CVD装置のように処理温度が、例
えば600℃以上の高温となるような場合には、伝導よ
りも輻射による熱移動が多くなるので、このような場合
には、支持部材80をできるだけ短くし、第1および第
2温度測定手段20、24の間の距離を短くする。更
に、上記実施例にあっては、第2の発明をCVD装置に
適用した場合について説明したが、これに限定されず、
正確な温度測定を必要とする装置、例えばアニール等を
行なう高温誘導熱処理装置、塗布装置におけるベーク機
構、プラズマによるスパッタ装置等にも適用することが
できる。
【0021】また、前記第1及び第2の発明の実施例に
おいては、第1及び第2温度測定手段20、24とし
て、熱電対を棒状部材に直接取付けるようにしたが、こ
れに限定されず、例えば図5に示すように、放射温度計
90と角度変動自在の鏡92を設け、この鏡92を角度
変化させることにより棒状部材14の先端部18の温度
および前記第2温度測定手段24が取り付けられた位置
に相当する測定部22の温度を非接触により測定するよ
うにしてもよい。この場合には、1台の放射温度計90
により温度測定を行なうので、2台の測定器を使用する
場合に比較して測定器相互間の誤差を排除することが可
能となる。この場合には、上記放射温度計90が、第1
及び第2温度測定手段の両方を兼ねることになる。ま
た、この場合、鏡92を用いることなく2台の放射温度
計を用いて、先端部18と測定部22の温度を別個に測
定するようにしてもよい。
【0022】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば次
のような優れた作用効果を発揮することができる。第1
の発明によれば、伝導による熱移動を生ずることなく温
度を測定することができるので、被測定体に局部的な温
度低下を生ぜしめることなく正確な温度を測定すること
ができる。第2の発明によれば、上記効果に加え、外乱
の原因となる熱源の影響を受けることなく、被加熱体の
温度を正確に測定することが可能となる。また、第1及
び第2温度測定手段として放射温度計を用いることによ
り、伝導による熱移動を生ずることなく非接触で温度を
測定することができるので、被測定体に局部的な温度低
下を生ぜしめることなく正確な温度を測定することがで
きる。 特に、1台の放射温度計を共用することにより温
度測定時の誤差も排除することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の発明に係る温度測定装置を示す
構成図である。
【図2】本発明の第2の発明に係る被加熱体の温度測定
装置をCVD装置に適用した状態を示す図である。
【図3】図2中の装置の要部を示す斜視図である。
【図4】本発明の第2の発明に係る被加熱体の温度測定
装置を示す構成図である。
【図5】本発明の変形実施例を示す構成図である。
【図6】従来の温度測定装置を示す斜視図である。
【図7】従来の他の温度測定装置を示す斜視図である。
【符号の説明】
12 温度測定装置 14 棒状部材 16 被測定体 18 先端部 20 第1温度測定手段 22 測定部 24 第2温度測定手段 26 第1の金属薄膜 28 第2の金属薄膜 42 加熱手段 46 ヒータ駆動部 50 制御手段 52 比較部 54 制御部 60 CVD装置 62 真空容器 64 処理ガス導入管 66 真空排気管 68、70 透過窓 72 被加熱体 74、76 被加熱体加熱手段 80 支持部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭58−60227(JP,A) 特開 平1−106433(JP,A) 特開 平2−67725(JP,A) 特開 昭59−163527(JP,A) 実開 平4−58718(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G01K 7/00 381 G01J 5/00 G01K 1/20 H01L 21/324 H01L 21/31

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被測定体の温度を測定する温度測定装置
    において、先端部が前記被測定体と接触する棒状部材
    と、前記棒状部材の実質的に前記先端部の温度を非接触
    測定する放射温度計よりなる第1温度測定手段と、前
    記先端部より前記棒状部材の長手方向に沿って適宜間隔
    だけ離間された測定部の温度を非接触で測定する放射温
    度計よりなる第2温度測定手段と、前記測定部に熱を供
    給する加熱手段と、前記第1温度測定手段の検出値と前
    記第2温度測定手段の検出値とが同じになるように前記
    加熱手段を制御する制御手段とを備えたことを特徴とす
    る温度測定装置。
  2. 【請求項2】 被加熱体の温度を測定する温度測定装置
    において、前記被加熱体を加熱する被加熱体加熱手段
    と、前記被加熱体を少なくとも3か所にて接触して支持
    する支持部材とを備え、前記支持部材の少なくとも1つ
    が、先端部が前記被加熱体と接触する棒状部材と、前記
    棒状部材の実質的に前記先端部の温度を非接触で測定す
    放射温度計よりなる第1温度測定手段と、前記先端部
    より前記棒状部材の長手方向に沿って適宜間隔だけ離間
    された測定部の温度を非接触で測定する放射温度計より
    なる第2温度測定手段と、前記測定部に熱を供給する加
    熱手段と、前記第1温度測定手段の検出値と前記第2温
    度測定手段の検出値とが同じになるように前記加熱手段
    を制御する制御手段とを有することを特徴とする被加熱
    体の温度測定装置。
  3. 【請求項3】 前記被加熱体加熱手段は、加熱用ランプ
    を有することを特徴とする請求項2記載の被加熱体の温
    度測定装置。
  4. 【請求項4】 前記放射温度計は、1台設けられ、角度
    変化可能になされた鏡の角度を変化させることによっ
    て、前記各測定部の温度を測定するように構成したこと
    を特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の被加熱
    体の温度測定装置。
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