JPH07149949A - デンプン含有樹脂組成物 - Google Patents

デンプン含有樹脂組成物

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JPH07149949A
JPH07149949A JP5297899A JP29789993A JPH07149949A JP H07149949 A JPH07149949 A JP H07149949A JP 5297899 A JP5297899 A JP 5297899A JP 29789993 A JP29789993 A JP 29789993A JP H07149949 A JPH07149949 A JP H07149949A
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学 長田
Shuji Takagi
修治 高木
Shinichi Takemori
信一 竹森
Hiroyuki Kamiyama
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 デンプンに対する熱可塑性樹脂の混合割合が
従来より少なく、強度特性に優れた生分解性プラスチッ
クを与える熱可塑性および成形性の良好なデンプン含有
樹脂組成物を提供すること。 【構成】 デンプンと、デンプン100重量部に対し
て、水15〜100重量部およびポリアルキレンオキシ
ド変性物20〜200重量部とを混練して得られる、ポ
リアルキレンオキシド変性物中に糊化状態のデンプンが
均一に分散した混合物であるデンプン含有樹脂組成物。 【効果】 熱可塑性樹脂中に糊化状態のデンプンが均一
に分散しているので、熱可塑性および成形性の良好な樹
脂組成物が得られる。このデンプン含有樹脂組成物は、
強度特性に優れた生分解性プラスチックとしても使用可
能であり、ポリアルキレンオキシド変性物が水によって
膨潤し、デンプンの生分解速度を高めるので、比較的多
量の水が存在する条件下で速やかに生分解される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、植物性高分子材料であ
るデンプンを含有する樹脂組成物に関し、さらに詳しく
は、熱可塑性樹脂中にデンプンを均一に分散させたデン
プン含有樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】植物性炭化水素であるデンプンは、熱可
塑性を有しないので、それ自体では、射出成形、押出成
形、吹込成形などの方法で成形することはできないが、
自然分解性を有する植物性高分子原料であることから、
石油や石炭などの化石原料から化学合成によって得られ
るポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化
物などの熱可塑性樹脂に混合して、いわゆる崩壊性プラ
スチックあるいは生分解性プラスチックの一成分として
利用することができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、熱可塑
性樹脂はデンプンとの相溶性が悪いので、充分な強度特
性を有する成形品を得るためには、デンプン100重量
部に対して、通常、熱可塑性樹脂200〜300重量部
を添加混合しなければならず、多量の熱可塑性樹脂を必
要とするという問題点がある。
【0004】本発明の目的は、デンプンに対する熱可塑
性樹脂の混合割合が従来より少なく、強度特性に優れた
生分解性プラスチックを与える熱可塑性および成形性の
良好なデンプン含有樹脂組成物を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】かかる状況に鑑み、本発
明者らは、上記課題を解決するために種々検討を行っ
た。その結果、デンプンとポリアルキレンオキシド変性
物とを水の存在下で混練して得られる樹脂組成物が良好
な熱可塑性および成形性を有し、強度特性に優れた生分
解性プラスチックを与えることを見い出し、本発明に至
った。
【0006】すなわち、本発明は、デンプンと、デンプ
ン100重量部に対して、水15〜100重量部および
ポリアルキレンオキシド変性物20〜200重量部とを
混練して得られる、ポリアルキレンオキシド変性物中に
糊化状態のデンプンが均一に分散した混合物であるデン
プン含有樹脂組成物を提供する。
【0007】本発明で用いるデンプンは、通常、米、
麦、トウモロコシ、馬鈴薯、サツマイモなどの植物材料
から抽出された、数百個〜数万個のブドウ糖が鎖状また
は房状に連なった高分子物質であるが、その他、酸分解
デンプン、酸化デンプンあるいはカルボキシメチルデン
プン、ヒドロキシアルキルデンプン、カチオン化デンプ
ンなどのエーテル化デンプン、酢酸デンプン、リン酸デ
ンプンなどのエステル化デンプン、さらにはポリアクリ
ル酸、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリルアミド、ポリアク
リロニトリルなどをグラフトしたグラフト化デンプンな
ど、いわゆる化工デンプンと称されるデンプン類も用い
られる。
【0008】本発明で用いるポリアルキレンオキシド変
性物としては、例えば、ポリアルキレンオキシドをポリ
イソシアネートと反応させて得られる反応生成物や、ポ
リアルキレンオキシドおよびジオールをポリイソシアネ
ートと反応させて得られる反応生成物などが挙げられ
る。ポリアルキレンオキシド変性物は、デンプン100
重量部に対して、20〜200重量部の割合で用いられ
る。使用量が20重量部未満であると、成形性が悪くな
り、充分な強度の成形品が得られ難い。逆に、200重
量部を超える使用量で用いても、それに見合う効果が得
られず経済的に有利でない。
【0009】ポリアルキレンオキシド変性物を得るのに
用いるポリアルキレンオキシドとしては、例えば、ポリ
エチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、エチレン
オキシド−プロピレンオキシド共重合体、ポリブチレン
オキシドなどが挙げられる。これらのポリアルキレンオ
キシドは、単独または2種以上を組み合わせて用いるこ
とができる。好ましくは、ポリエチレンオキシド、ポリ
プロピレンオキシド、エチレンオキシド−プロピレンオ
キシド共重合体、またはこれらの混合物が用いられる。
【0010】ポリアルキレンオキシドの重量平均分子量
は、1,000〜10万の範囲内であることが好まし
い。ポリアルキレンオキシドの重量平均分子量が1,0
00未満であると、ポリイソシアネートと反応させて得
られるポリアルキレンオキシド変性物の溶融粘度が極端
に高くなり、デンプンとの混練性が悪くなる。逆に、重
量平均分子量が10万を超えると、ポリアルキレンオキ
シド変性物の架橋密度が低くなり、熱可塑性も乏しくな
る。それゆえ、該変性物を用いた樹脂組成物を成形して
も、充分な強度を有する成形品は得られない。
【0011】ポリアルキレンオキシドと反応させるポリ
イソシアネートとしては、同一分子内にイソシアネート
基(−NCO基)を2個以上有する有機化合物が用いら
れる。その具体例としては、4,4'−ジフェニルメタン
ジイソシアネート(MDI)、ヘキサメチレンジイソシ
アネート、1,8−ジメチルベンゾール−2,4−ジイソ
シアネート、2,4−トリレンジイソシアネート(TD
I)、TDIの3量体、ポリメチレンポリフェニルイソ
シアネート、トリメチロールプロパンなどのポリオール
にその活性水素の数に対応するモル数のジイソシアネー
トを反応させて得られるウレタンイソシアネート化合
物、ポリイソシアネートアダクトなどが挙げられる。好
ましくは、4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート
(MDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,4
−トリレンジイソシアネート(TDI)などが用いられ
る。
【0012】ポリアルキレンオキシド変性物としては、
例えば、ポリアルキレンオキシドとポリイソシアネート
との反応生成物を用いるが、架橋反応時に、1分子あた
り水酸基(−OH基)を2個以上含むポリオール、特に
ジオールを、ポリアルキレンオキシドに添加してポリイ
ソシアネートと反応させれば、溶融粘度の低いポリアル
キレンオキシド変性物が得られ、これを用いることによ
って樹脂組成物の成形性が向上する。添加し得るジオー
ルとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコー
ル、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコー
ル、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、
トリメチレングリコール、1,3−ブタンジオール、2,
3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−
ペンタンジオール、ヘキシレングリコール、オクチレン
グリコール、グリセリルモノアセテート、グリセリルモ
ノブチレート、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナ
ンジオール、ビスフェノールAなどが挙げられる。好ま
しくは、エチレングリコール、プロピレングリコール、
1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、
1,9−ノナンジオールなどが用いられる。なお、1分
子あたり水酸基を3個以上含むポリオールを使用すると
よい場合もある。
【0013】ポリアルキレンオキシドおよびポリイソシ
アネートの混合割合は、ポリアルキレンオキシドが有す
る末端水酸基の数に対する、ポリイソシアネートが有す
るイソシアネート基の数の比率(すなわち、−NCO基
/−OH基;以下、R値という)が0.3〜3.0の範囲
内、好ましくは0.4〜2.5の範囲内になるように選択
される。R値が0.3未満であると、ポリアルキレンオ
キシド変性物の架橋密度が低くなり、該変性物を用いた
樹脂組成物を成形しても、充分な強度を有する成形品は
得られない。逆に、R値が3.0を超えると、ポリアル
キレンオキシド変性物の架橋密度が高くなると共に、溶
融粘度が高くなり、デンプンとの混練性が悪くなる。な
お、ジオールを添加する場合には、それが有する水酸基
の数を、ポリアルキレンオキシドが有する末端水酸基の
数に加えて計算する。また、ポリアルキレンオキシドの
モル数は、重量を平均分子量で割ることにより求めるも
のとする。
【0014】ポリイソシアネートの使用量は、その種類
や反応条件などによって異なるが、一般に、ポリアルキ
レンオキシド100重量部に対して、0.5〜80重量
部、好ましくは1〜50重量部の範囲内である。使用量
が0.5重量部未満であると、ポリアルキレンオキシド
変性物の架橋密度が低くなり、該変性物を用いた樹脂組
成物をフィルムなどに成形したとき充分な強度が得られ
ない。逆に、80重量部を超えると、ポリアルキレンオ
キシド変性物の溶融粘度が高くなりすぎ、高い成形温度
が必要になるなど、樹脂組成物の成形性が劣化する。
【0015】ポリアルキレンオキシドと、必要により添
加するジオールを、ポリイソシアネートと反応させる方
法としては、ポリアルキレンオキシドおよびジオールを
適当な溶媒に溶解した溶液状態で反応させる方法が一般
的である。しかしながら、分散状態で反応させる方法
や、粉末または固体状態で両者を均一に混合した後、所
定温度に加熱して反応させることもできる。
【0016】反応温度は、通常、50〜120℃であ
る。なお、この反応系にトリエチルアミン、トリエタノ
ールアミン、ジブチルスズラウレート、ジブチルスズア
セテート、トリエチレンジアミンなどを少量添加するこ
とによって、反応を促進させることができる。
【0017】本発明で用いるポリアルキレンオキシド変
性物は、上記の方法により得られる測定温度170℃、
荷重50kg/cm2における溶融粘度が1,000〜60万
ポイズのものが好適に用いられる。この溶融粘度は、デ
ンプンとの相溶性や、樹脂組成物から得られる成形品の
強度に影響を与える。溶融粘度が1,000ポイズ未満
であると、充分な強度を有する成形品を得るのが困難で
ある。逆に、60万ポイズを超えると、デンプンとの混
練時の粘度が高くなりすぎ、混練性が悪くなる。
【0018】本発明のデンプン含有樹脂組成物は、デン
プンを水およびポリアルキレンオキシド変性物と所定温
度で混練して製造されるので、デンプンが水によって糊
化し、熱可塑性樹脂であるポリアルキレンオキシド変性
物中に糊化状態のデンプンが均一に分散した混合物とな
る。デンプンの糊化に必要な水量は、デンプンとポリア
ルキレンオキシド変性物との混合割合によって異なり、
広範囲にわたって選択可能であるが、通常、デンプン1
00重量部に対して、15〜100重量部が適当であ
る。水量が15重量部未満であると、デンプンが均一に
糊化しにくい。糊化が部分的に不充分であると、樹脂組
成物から得られる成形品の強度が不足したり、場合によ
っては熱可塑性の乏しさから成形品自体を得ることが困
難になるなどの不都合が生じる。逆に、100重量部を
超えると、デンプンは糊化するが、得られた成形品の強
度が弱く、用途が限定されるという問題がある。
【0019】デンプン、水およびポリアルキレンオキシ
ド変性物の混練は、多軸ロール、バンバリーミキサー、
一軸あるいは多軸スクリューミキサーを用いて、50〜
120℃で行う。混練温度が50℃未満では、デンプン
が水に溶解せず、小粒子状の懸濁液しか得られないばか
りでなく、ポリアルキレンオキシド変性物が軟化せず、
混練が困難となる。120℃を越えると、混練時間にも
よるが、系内に存在する水によって、デンプンの分解が
起こる。一般的な混練順序としては、予め所定量のデン
プンと水とを50℃以下の温度で混合したものを用意
し、これを50〜120℃で加熱溶融したポリアルキレ
ンオキシド変性物に添加し、デンプンを糊化しながら、
50〜120℃で混練していく。しかしながら、特に、
この手順に限定されるわけではなく、結果的に、デンプ
ン、水およびポリアルキレンオキシド変性物の三成分が
所定の割合で均一に混練され、ポリアルキレンオキシド
変性物中に糊化状態のデンプンが均一に分散すればよ
い。混練を高い温度で長時間行う場合、添加した所定量
の水が混練中に蒸発してしまい、デンプンが糊化できな
くなることがあるので注意を要する。
【0020】また、デンプン、水およびポリアルキレン
オキシド変性物の三成分に加えて、ソルビトール、ポリ
エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリ
ンなどの可塑剤や、尿素類などの添加物を添加すること
によって、混練を容易にしたり、樹脂組成物から得られ
る成形品の表面潤滑性を向上させることもできる。
【0021】本発明のデンプン含有樹脂組成物は、ポリ
アルキレンオキシド変性物中に糊化状態のデンプンが均
一に分散しているので、熱可塑性および成形性が良好で
あり、射出成形、押出成形、吸込成形などの方法で成形
することができる。そして、繊維、フィルム、シートな
どの成形品に加工すれば、引張強度や伸度などの強度特
性に優れた成形品が得られる。
【0022】また、本発明のデンプン含有樹脂組成物
は、自然分解性を有する植物高分子原料であるデンプン
を含有することから、特に、生分解性プラスチックとし
て有用である。このような生分解性プラスチックから得
られるフィルム、シートなどの成形品を、比較的多量の
水が存在する条件下、例えば水中あるいは土壌中に廃棄
すると、まず該プラスチック中のポリアルキレンオキシ
ド変性物が水によって膨潤し、生分解を起こす細菌類が
生息しやすい雰囲気を作ったり、該プラスチック内に空
隙が生じ、細菌類が生息する空間が増大するので、澱粉
の生分解が速やかに進行するものと推定される。また、
たとえプラスチックの生分解までには至らなくとも、本
発明のデンプン含有樹脂組成物を用いて製造されたフィ
ルム、シートなどの成形品中のポリアルキレンオキシド
変性物が水によって膨潤することにより、フィルム、シ
ートなどの成形品が破断、場合によっては粒状にまで崩
壊し、嵩が小さくなるので、生分解速度を早めることが
できる。
【0023】さらに、本発明のデンプン含有樹脂組成物
は、各種プラスチック類、例えばポリエチレン、ポリプ
ロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−
酢酸ビニル共重合体ケン化物、ポリスチレン、ABS樹
脂、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリエステルなど
の疎水性樹脂に混入することによって、該疎水性樹脂に
吸水性や吸湿性を付与したり、帯電防止性を付与したり
することもできる。さらに、水性インキなどを用いた印
刷方法、例えばグラビア印刷やフレキソ印刷などの印刷
特性を改良するために使用することもできる。
【0024】
【実施例】以下、本発明を実施例によって詳しく説明す
るが、本発明はこれら実施例に限定されるものではな
い。
【0025】なお、各製造例で得られたポリアルキレン
オキシド変性物の溶融粘度と、各実施例で得られたデン
プン含有樹脂組成物を成形したシートの強度特性とは、
それぞれ以下の方法に従って測定した。
【0026】(溶融粘度の測定)ポリアルキレンオキシ
ド変性物1.5gを測定試料とし、フローテスター(島
津製作所製、CFT−500C)を用いて、加重50kg
/cm2、測定温度170℃、ダイ直径1mm、ダイ長さ1m
mの条件下で溶融粘度を測定した。
【0027】(強度特性の測定)強度特性として、引張
強度(kg/cm2)および伸度(%)を、JIS K71
13に準じて測定した。
【0028】製造例1 冷却器、窒素導入管、温度計および撹拌機を備えた2リ
ットルのセパラブルフラスコに、ポリエチレンオキシド
(重量平均分子量20,000)200gおよびトルエ
ン1,100mlを仕込み、水分を除去するために、トル
エン400mlを留去した。次いで、4,4'−ジフェニル
メタンジイソシアネート6.2gおよびトリエチルアミ
ン0.4gを添加し、80℃で3時間反応させた。反応
完了後、この溶液を、別の容器に入れた6リットルのヘ
キサン中に投入したところ、樹脂沈澱物が得られた。こ
の沈澱物を減圧濾過した後、減圧下で乾燥することによ
って、粉末状のポリエチレンオキシド変性物201gを
得た。得られた変性物の測定温度170℃、加重50kg
/cm2における溶融粘度は50万ポイズであった。
【0029】製造例2 冷却器、窒素導入管、温度計および撹拌機を備えた2リ
ットルのセパラブルフラスコに、ポリエチレンオキシド
(重量平均分子量20,000)200gおよびトルエ
ン1,100mlを仕込んだ後、水分を除去するために、
トルエン400mlを留去した。次いで、4,4'−ジフェ
ニルメタンジイソシアネート6.2g、1,4−ブタンジ
オール1.44gおよびトリエチレンジアミン0.046
gを添加し、110℃で3時間反応させた。反応完了
後、この溶液にヘキサン350mlを添加し、室温まで冷
却したところ、樹脂沈澱物が得られた。この沈澱物を減
圧濾過した後、減圧下で乾燥することによって、粉末状
のポリエチレンオキシド変性物203gを得た。得られ
た変性物の測定温度170℃、加重50kg/cm2におけ
る溶融粘度は5万ポイズであった。
【0030】製造例3 ポリエチレンオキシドに代えてエチレンオキシド−プロ
ピレンオキシド共重合体(エチレンオキシド部80重量
%、プロピレンオキシド部20重量%、重量平均分子量
15,000)を用いたこと以外は製造例2と同様にし
て、エチレンオキシド−プロピレンオキシド共重合体変
性物201gを得た。得られた変性物の測定温度170
℃、加重50kg/cm2における溶融粘度は2万ポイズで
あった。
【0031】製造例4 ポリエチレンオキシドに代えてポリプロピレンオキシド
(重量平均分子量6,000)を用い、1,4−ブタンジ
オールに代えてプロピレングリコールを用いたこと以外
は製造例2と同様にして、ポリプロピレンオキシド変性
物198gを得た。得られた変性物の測定温度170
℃、加重50kg/cm2における溶融粘度は8,000ポイ
ズであった。
【0032】実施例1 酸化デンプン100gおよび水30gを、室温下、ミキ
サーによって充分に混合した。他方、90℃まで昇温し
た2軸ロールに製造例1で得たポリエチレンオキシド変
性物100gを投入してシート化したものに、先に用意
した酸化デンプン/水混合物130gを10分間にわた
って徐々に添加した。さらに5分間混練を続けることに
よって、デンプン含有樹脂組成物240gを得た。こう
して得られた樹脂組成物を、厚み2mm、10cm角のスペ
ーサーを使用し加圧プレスを用いて130℃で成形して
シートを得た。このシートは透明であり、その表面は潤
滑性に富む美しいものであった。該シートの強度特性
は、引張強度が70kg/cm2であり、伸度は15%であ
った。また、厚さ2mm、10cm角のシートを、土壌中表
層下約10cmに埋めて、その生分解性を外観の目視によ
り観察したところ、3ケ月後には損傷の程度がシートの
80%以上に及んでおり、原形を留めない程度までに分
解していた。
【0033】実施例2〜4 製造例2〜4で得たポリアルキレンオキシド変性物を用
いたこと以外は実施例1と同様にして、各種のデンプン
含有樹脂組成物を得た。また、実施例1と同様にして、
シートを作成した。得られたシートは、いずれも透明で
あり、その表面は潤滑性に富む美しいものであった。シ
ートの強度特性を表1に示す。
【0034】実施例5〜9 表1に記載のデンプン、ポリアルキレンオキシド変性物
および添加物を用い、表1に記載の混合割合とすること
以外は実施例1と同様にして、各種のデンプン含有樹脂
組成物を得た。また、実施例1と同様にして、シートを
作成し、その強度特性を測定した。結果を表1に示す。
【0035】
【表1】
【0036】
【発明の効果】本発明によれば、熱可塑性樹脂中に糊化
状態のデンプンが均一に分散しているので、熱可塑性お
よび成形性の良好な樹脂組成物が得られる。このデンプ
ン含有樹脂組成物は、射出成形、押出成形、吸込成形な
どの方法で成形することができ、また、強度特性に優れ
た生分解性プラスチックとしても使用可能であり、ポリ
アルキレンオキシド変性物が水によって膨潤し、デンプ
ンの生分解速度を高めるので、比較的多量の水が存在す
る条件下で速やかに生分解される。さらに、繊維、フィ
ルム、シートなどの成形品に加工すれば、引張強度や伸
度などの強度特性に優れた成形品を与え、これら成形品
は包装材料、家庭用品、農園芸用材料などの多分野で好
適に利用される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 上山 弘之 兵庫県姫路市飾磨区入船町1番地 住友精 化株式会社第2研究所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 デンプンと、デンプン100重量部に対
    して、水15〜100重量部およびポリアルキレンオキ
    シド変性物20〜200重量部とを混練して得られる、
    ポリアルキレンオキシド変性物中に糊化したデンプンが
    均一に分散した混合物であることを特徴とするデンプン
    含有樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 ポリアルキレンオキシド変性物が、ポリ
    アルキレンオキシドをポリイソシアネートと反応させて
    得られる反応生成物である請求項1記載のデンプン含有
    樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 ポリアルキレンオキシド変性物が、ポリ
    アルキレンオキシドおよびジオールをポリイソシアネー
    トと反応させて得られる反応生成物である請求項1記載
    のデンプン含有樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 ポリアルキレンオキシドが、ポリエチレ
    ンオキシド、ポリプロピレンオキシド、これらの混合物
    およびエチレンオキシド−プロピレンオキシド共重合体
    からなる群から選択された少なくとも1種である請求項
    2記載のデンプン含有樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 混練を50〜120℃で行う請求項1記
    載のデンプン含有樹脂組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH1076537A (ja) * 1996-09-05 1998-03-24 Fuji Keiki:Kk 生分解性を有するでん粉系プラスチック成形品の製造方法
WO2003095161A1 (en) * 2002-05-08 2003-11-20 Eveready Battery Company, Inc. Lubricating strip
JP2013028701A (ja) * 2011-07-28 2013-02-07 Mitsubishi Chemicals Corp 樹脂組成物の製造方法

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