JPH07149774A - オルガノシロキサン重合体の重縮合及び再分布用の新規触媒 - Google Patents

オルガノシロキサン重合体の重縮合及び再分布用の新規触媒

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JPH07149774A
JPH07149774A JP6160478A JP16047894A JPH07149774A JP H07149774 A JPH07149774 A JP H07149774A JP 6160478 A JP6160478 A JP 6160478A JP 16047894 A JP16047894 A JP 16047894A JP H07149774 A JPH07149774 A JP H07149774A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 オルガノシロキサンの重縮合及び再分布のた
めの新規触媒。 【構成】 短鎖線状ホスファゼンならびにそれらと水、
アルコール及びオルガノシロキサン等との反応生成物は
オルガノシロキサン重合体の重縮合及び再分布用の活性
な触媒である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は短鎖線状ホスファゼンな
らびにそれらと水、アルコール、酸、フェノール及びオ
ルガノシロキサンのような化合物との反応生成物に関す
るものである。これらの化合物はオルガノシロキサン重
合体の重縮合及び再分布に対して活性な触媒である。
【0002】
【従来の技術】低分子量シロキサノール油の重縮合又は
重合は数年前から実用化されている。これらの反応工程
を適度な反応時間及び温度で達成するために広範囲の触
媒が使用されている。使用し得る触媒は硫酸、トリフル
オルスルホン酸、ある種のルイス酸、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム、テトラメチルアンモニウムヒドロ
キシド、テトラブチルホスホニウムシラノレート及びあ
る種のアミンを包含する(たとえば(a)Voronk
ov,M.G.;Mileshkevich,V.
P.;Yuzhelevskii,Yu.A.編、“T
he SiloxaneBond”,Consulta
nt Bureau,New York and Lo
ndon,1978年発行;及び(b)Noll,W.
“Chemistry and Technology
of Silicones”,Academia P
ress,New York,1968年発行参照)。
線状塩化ホスホニトリルの製造及び低粘度シロキサン重
合体の重縮合及び再分布用の触媒としてのそれらの使用
については多数の特許文献に開示されている。特に、W
acker Chemie社の米国特許第2,830,
967号(1958)、同第3,186,967号(1
965)、同第3,839,388号(1974)、同
第4,725,643号(1988)、同第4,97
5,510号(1990)明細書には式Cl3 P(NP
Cl2 n NPCl3 + PCl6 - (式中、nは1−
6の整数、好ましくは1である)によって表わされる線
状塩化ホスホニトリルが低粘度シロキサン重合体の重縮
合及び平衡化用の触媒として有効であることが開示され
ている。これらの触媒はヒドロキシル末端基を低含量で
有するシリコーンゴム及びシロキサン油の製造に特に有
効である。より最近の米国特許第4,888,405号
及び同第5,008,229号(1991)明細書(W
acker Chemie社)には塩化ホスホニトリル
及び/又は塩化ホスホニトリルとオルガノポリシロキサ
ン及び/又はオルガノシランとの反応生成物を含有し、
後者はさらに可溶化剤及びハロゲン不含溶剤も含有する
新規触媒組成物が開示されている。最近の特許明細書
(1992年発行のダウ・コーニング社の英国特許第
2,252,969号明細書)には一般式:Cl3
(NPCl2 n NPCl3 + EClm - (式中、E
はAl、Sb、P、Sn、Zn及びFeのような1.2
−2の電気陰性度値をもつ元素である)の触媒化合物が
開示されている。
【0003】前述した技術の開発にもかゝわらず、オル
ガノシロキサンの重合における活性を改善するであろう
触媒についての研究が続けられている。標準的な線状塩
化ホスホニトリル(LPNC)を低分子量シロキサンジ
オールの重縮合用の触媒として使用すると環式オリゴシ
ロキサンを含まない高分子量ゴムを製造し得ること及び
該ゴムは短いサイクル時間で製造し得ることは既知であ
る。本発明者の研究は高分子量オルガノポリシロキサン
及び低分子量シロキサンの物理的混合物を有意量の環状
体を生成することなしに平均数の分子量をもつ線状重合
体に再分布し得ることを示した。さらに、線状塩化ホス
ホニトリルと活性プロトンを含み、18より低いpKa
値をもつ化合物との新規反応生成物を含有する組成物は
オルガノシロキサン重合体の重縮合及び再分布用の活性
触媒であることが認められた。特に、たとえば式: Cl3 P(NPCl2 n NPCl3 ・PCl6 のLPNC1モルと、活性プロトンを含み、18より低
いpKa値をもつ化合物の好ましくは1−4モルとの反
応により得られる新規生成物はオルガノシロキサンの重
縮合及び転位のためのきわめて活性な触媒を与えること
が認められた。使用した溶剤及び低沸点生成物は80℃
で2時間真空吸引することによって反応系から除去され
た。生ずる薄黄色残渣は塩化メチレン、メタノール、エ
ーテル及び低粘度シリコーン油のような多数の有機溶剤
中に可溶である。塩素の分析はこの新規組成物は出発物
質であるLPNCよりも著しく低含量で塩素を含有する
ことを示した。前述した新規化学組成物をさらにオルガ
ノシロキサンの重縮合及び再分布用の触媒として試験し
た。この新規触媒の触媒活性は標準LPNCよりも高か
った。オルガノシロキサン重合体の重縮合及び再分布反
応の生成物はオリゴマー状の環状体を含有しない。本発
明の本質はオルガノシロキサンの重縮合及び再分布用の
かゝる標準の及び新規な改善された触媒の開発及び使用
にある。
【0004】
【発明の目的】本発明の主目的はオルガノシロキサンの
重縮合及び再分布のための新規方法及び新規触媒を提供
するにある。本発明の別の目的は低分子量シロキサンジ
オールの環状オリゴシロキサンを含まない高分子量ゴム
への重縮合用の触媒としての線状ホスファゼン及びそれ
らの誘導体を提供すること及び該重縮合を短いサイクル
時間で行うことにある。
【0005】本発明のさらに別の目的は高分子量オルガ
ノポリシロキサン及び低分子量シロキサンの物理的混合
物−−該混合物はこれら両方の出発物質の間の平均分子
量をもつ線状重合体に、しかも環状重合体を同時に形成
することなしに、再分布されるべきものである−−を提
供するにある。
【0006】
【発明の概要】本発明によれば、これらの目的及びその
他の目的は、一般式(Ia)又は(Ib): O(X)2-m m P{NP(X)2 n NP(X)3-q
(Y)q (Ia) O(X)2-m m P{NP(X)2 n N(H)P
(O)(X)2-p (Y)p(Ib) [式中、n=0又は1−8の整数;m=0又は1の整
数;p=0又は1の整数;q=0又は1−2の整数;X
=ハロゲン;Y=OH、OR、O(O)CR(たゞしR
はアルキル又はアリール基)]の短鎖線状ホスファゼン
を製造しかつそれらをオルガノポリシロキサンの重縮合
及び再分布のための触媒として使用することによって達
成される。
【0007】さらに本発明は前記短鎖線状ホスファゼン
化合物と活性プロトンを含有し、18より低いpKa値
をもつ化合物、たとえばカルボン酸、ハロゲノアルカン
カルボン酸、スルホン酸、アルコール、フェノール及び
水、との反応生成物を提供するものである。本発明の新
規触媒の好ましい種類は低含量の塩素を含有するもので
あり、式(Ic)、(Id)及び(Ie): OCl2 P(NPCl2 n NPCl2 OH (Ic) OCl2 P(NPCl2 n N(H)PCl2 O (Id) OCl2 P(NPCl2 n NPCl3 (Ie) (式中、nは0又は1−8の整数、好ましくは1−3の
整数である)の化合物を包含する。nが0又は1である
式(Ic)、(Id)及び(Ie)の化合物はエーテ
ル、ケトン、たとえばアセトン、エステル、たとえば酢
酸エチル、芳香族炭化水素、たとえばトルエン、それら
の任意の混合物、等のようなハロゲン不含溶剤中に可溶
である。
【0008】本発明の新規触媒の好ましい実施態様によ
れば、各X基が塩素原子を表わす場合の式(Ia)、
(Ib)、(Ic)、(Id)及び(Ie)の短鎖線状
ホスファゼン触媒;各Y基がヒドロキシル基を表わす場
合のこれらの式の触媒;mの値が0ないし1である場合
のこれらの式の触媒;qの値が0ないし2である場合の
これらの式の触媒;pの値が0ないし1である場合のこ
れらの式の触媒が挙げられる。
【0009】本発明はさらに、ケイ素に結合された有機
基をケイ素原子当たり1.9−2.1個の平均置換度で
有する低分子量オルガノポリシロキサンジオールの重縮
合を触媒有効量の前記に規定した式の短鎖線状ホスファ
ゼンを使用して行なうことによって短いサイクル時間で
実質的割合の環状体を生成することなしに高分子量オル
ガノポリシロキサンを製造する重縮合法を提供するもの
であり;さらにまた該反応混合物中にオリゴオルガノシ
ロキサノール又はトリオルガノシロキシ末端オルガノシ
ロキサンを連鎖停止剤として含有させることを特徴とす
るかゝる方法を提供するものである。
【0010】本発明のさらに別の形態によれば、前記に
規定したごとき触媒を、ケイ素に結合された有機基をケ
イ素原子当たり1.9−2.1個の平均置換度で有する
オルガノポリシロキサンの低分子量トリオルガノシロキ
シ末端オルガノシロキサンの存在における再分布反応に
よる低粘度トリオルガノシロキシ末端油の製造、特に増
加した割合の環状副生物を実質的に含有しないかゝる低
粘度油の製造に使用することが意図される。
【0011】本発明の方法の好ましい実施態様は最終生
成物を170℃を超える温度、好ましくは200℃に加
熱することによって触媒を失活させる工程;又は最終生
成物をアンモニア、アミン、オルガノシラザンのような
塩基性窒素化合物で処理することによって触媒を失活さ
せる工程;又は最終生成物を金属酸化物、金属水酸化
物、金属炭酸塩(たゞし金属はリチウム、ナトリウム、
マグネシウム、カルシウム、バリウム、亜鉛、及びアル
ミニウムのような一価、二価及び三価金属から選ばれ
る)のような強塩基化合物、ブチルリチウム、リチウム
ビス(トリメチルシリル)アミドのようなオルガノ金属
化合物、又はそれらの任意の混合物、等で処理すること
によって触媒を失活させる工程を包含する。
【0012】本発明はその好ましい特徴の中で、とりわ
け、式:X3 P(NPX2 n NPX3 ・EXv+1 (式
中、nは0−6の範囲で変動し得る値であり、そしてE
は燐又はポーリングの尺度に従って1−2の範囲の電気
陰性度をもつ他の元素、たとえばアルミニウム、アンチ
モン、鉄等を表わし、そしてvは平衡収支する原子価状
態又は酸化状態である)のハロゲン化ホスホニトリルと
活性プロトンを含みかつ18より低いpKa値をもつ化
合物、たとえばカルボン酸、ハロゲノアルカンカルボン
酸、スルホン酸、アルコール、フェノール及び水、との
反応の生成物を含有してなるハロゲン化物含量、好まし
くは塩化物含量の低い新規触媒組成物、好ましくは各X
基が塩素原子を表わすかゝる触媒組成物の合成法を包含
する。好ましい製造法は活性プロトンを含む化合物を塩
化メチレン中の塩化ホスホニトリルの溶液中に添加し、
その後に低沸点物質を除去する工程、たとえばカルボン
酸を塩化メチレン中の塩化ホスホニトリルの溶液中に添
加し、ついで低沸点物質を除去する工程を含んでなる。
さらに本発明は、かゝる触媒組成物を、ケイ素に結合さ
れた有機基をケイ素原子当たり1.9−2.1個の平均
置換度で有する低分子量オルガノポリシロキサンジオー
ルの重縮合のために使用すること;及びかゝる触媒組成
物を、ケイ素に結合された有機基をケイ素原子当たり
1.9−2.1個の平均置換度で有する低分子量シロキ
サンジオールの重縮合のために、連鎖停止剤としてオリ
ゴオルガノシロキサノールの存在下で使用すること;及
びかゝる触媒組成物を、ケイ素に結合された有機基をケ
イ素原子当たり1.9−2.1個の平均置換度で有する
オルガノポリシロキサンジオールの重縮合及び再分布の
ために、連鎖停止剤として低分子量トリオルガノシロキ
シ末端オルガノシロキサンの存在下で使用すること;な
らびにかゝる触媒組成物を、ケイ素に結合された有機基
をケイ素原子当たり1.9−2.1個の平均置換度で有
するトリオルガノシロキシ末端オルガノポリシロキサン
の再分布のために、低分子量トリオルガノシロキシ末端
オルガノシロキサンの存在下で使用して低粘度トリオル
ガノシロキシ末端油を製造することを意図するものであ
る。
【0013】
【発明の詳細な開示】本発明のホスファゼンは上記した
一般式の線状低分子量重合体、すなわちオリゴマー及び
前述したそれらの誘導体である。ハロゲンXはクロル、
ブロム、ヨード、フルオル等であり得るが、ハロゲンX
は塩素原子であることが好ましい。nが8よりも大きい
値をもつホスファゼンは触媒としてあまり適当ではな
い。nが0−3の値である場合のホスファゼンがもっと
も好ましい。異なるn値をもつオリゴマー状ホスファゼ
ンは分離が困難な場合があり、しばしば混合物が使用さ
れる。nが1の値をもつホスファゼンオリゴマーはもっ
とも活性な触媒であるので、該オリゴマーの含量ができ
るだけ高いことが特に好ましい。nが1の値をもつ本発
明に従う化合物のみからなる触媒が特に好ましい。
【0014】Yで表わされる触媒の部分はヒドロキシ
ル、アルコキシ、フェノキシ、アリールオキシ、カルボ
キシルオキシ基でありそしてR基はたとえば1−18個
の炭素原子をもつアルキル又は置換アルキル基、又は6
−18個の炭素原子をもつアリール又は置換アリール基
である。本発明に従う線状短鎖ホスファゼン触媒は五ハ
ロゲン化燐及びハロゲン化アンモニウム、硫酸アンモニ
ウム、又は他の等価の塩を反応させ、そして所望ならば
ついで対応する試薬:水、アルコール、フェノール、カ
ルボン酸又はそれらの反応性誘導体、オルガノシロキサ
ン、オルガノシラン、オルガノシラザン、それらの任意
の混合物、等を反応させることによって製造し得る。好
ましくは、これらは不活性溶剤として芳香族炭化水素又
はより好ましくは塩素化脂肪族又は芳香族炭化水素、た
とえばトルエン、対称−テトラクロルエタン、塩化メチ
レン、又は1,2,4−トリクロルベンゼン、等の存在
下で五ハロゲン化燐、たとえば五塩化燐、アンモニウム
塩、たとえば塩化アンモニウム又は硫酸アンモニウム、
及び選定された随意の試薬を反応させることによって製
造される。適当な随意の試薬の例は水、メチルアルコー
ル、エチルアルコール、t−ブチルアルコール、n−オ
クタノール、2−エチルヘキサノール、オクタデカノー
ル−1、等、フェノール、4−エチルフェノール、1−
ナフトール、等、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、n−ヘキ
サン酸、ステアリン酸、等、二酸化硫黄、オクタメチル
シクロテトラシロキサン、ヘキサメチルジシシラザン、
ヘキサメチルジシロキサン、オクタメチルテトラシロキ
サンジオール、それらの任意の混合物、等である。五塩
化燐及びアンモニウム塩の両試薬は任意の時間、たゞし
好ましくは1−10時間の範囲で変動し得る時間、相互
に接触させ得る。この反応は3時間を超える時間続ける
ことが好ましい。これらの試薬は生成するホスファゼン
のかなりの量が2個を超える単位をもつオリゴマーとな
るまで反応させることが好ましい。反応条件は線状トリ
マー及びテトラマーを高割合で与えるように適合させる
ことが好ましい。環状ホスファゼンハライドに対する線
状ホスファゼンハライドの収率は化学量論量よりも少な
い量のアンモニウム塩を使用することによって増加する
ことができ、それが好ましい方法である。かゝる好まし
い方法においては、五ハロゲン化燐1モル当たり0.9
−0.05モル、より好ましくは0.6−0.2モルの
選定されたアンモニウム塩が使用される。
【0015】本発明において使用し得る不活性溶剤であ
る代表的な塩素化脂肪族又は芳香族炭化水素は対称−テ
トラクロルエタン、塩化メチレン、モノクロルベンゼ
ン、o−ジクロルベンゼン及び1,2,4−トリクロル
ベンゼンを包含する。溶剤として使用される塩素化炭化
水素の使用量は固体反応剤、すなわち五ハロゲン化燐及
びハロゲン化アンモニウム、硫酸アンモニウム、等の少
なくとも一部を溶解するに十分な量で使用される限り、
臨界的であるとは考えられない。勿論、固体反応剤のか
なりの割合が溶液状である場合には反応速度が実質的に
改善される。しかしながら、大量の溶剤の使用はその後
に反応生成物から溶剤を除去する必要があるので推奨さ
れない。所望の変性ホスファゼン重合体組成物の回収法
は臨界的ではない。反応混合物中に何等かの固体物質が
存在する場合、それは任意慣用の方法で、たとえば熱濾
過、傾瀉、遠心分離、等によって除去し得る。揮発性物
質、たとえば溶剤もまた、慣用の方法、例えば蒸留によ
って除去し得る。触媒の好ましい回収法は蒸留、結晶
化、又はもっとも好ましい化合物のみを溶解しない溶
剤、たとえばヘキサン、石油エーテル、等の添加を包含
する。これらの好ましい化合物はついで濾別することが
できる。本発明に従う触媒はそのまゝで又は溶剤中で、
好ましくは窒素ガスシール下で好都合に貯蔵し得る。し
たがって、本発明はさらに、本発明に従う触媒を含有し
てなる触媒組成物を包含する。該組成物の他の部分は溶
剤、担体、支持体及び触媒の製造に使用された若干の未
反応物質を包含し得る。上記の式に従うがnが8より大
である若干の化合物が存在することもある。かゝる化合
物の量は最低限に保持されることが好ましい。かゝる組
成物中における触媒の濃度は1−50重量%の範囲であ
り得る。触媒濃度5−20重量%の範囲が重合工程にお
けるその使用を一層容易にする点で特に好ましい。
【0016】本発明の触媒はオルガノシロキサンの重合
のために有用である。したがって、本発明はさらに前記
に規定したごとき式(Ia)、(Ib)、(Ic)、
(Id)及び(Ie)の線状ホスファゼン触媒のオルガ
ノシロキサンの重合法における使用を提供する。これら
の触媒は縮合触媒として特に有用であるが、再分布触媒
としても適当である。たとえば、これらの触媒は一般式
(II): R1 a SiO4-a/2 (II) (式中、R1 は水素原子、1−18個の炭素原子をもつ
炭化水素基、1−18個の炭素原子をもつ置換炭化水素
基を表わし、そしてaは平均で1.8−2.2の値をも
つ)の単位を有するオルガノポリシロキサンの製造法の
ために有用であろう。R1 置換基はアルキル基、たとえ
ばメチル、エチル、プロピル、イソブチル、ヘキシル、
ドデシル又はオクタデシル基;アルケニル基、たとえば
ビニル、アリル、ブテニル、ヘキセニル又はデセニル
基;アルキニル基、たとえばプロパルギル基;アリール
基、たとえばフェニル基;アラルキル基、たとえばベン
ジル基;アルカリール基、たとえばトリル又はキシリル
基;置換炭化水素基、たとえばトリフルオルプロピル、
クロルプロピル又はクロルフェニル基であり得る。すべ
てのR1 基の少なくとも80%はアルキル又はアリール
基であることが好ましく、メチル基であることがより好
ましい。実質的にすべてのR1 基がアルキル又はアリー
ル基、特にメチル基であることがもっとも好ましい。オ
ルガノポリシロキサンは好ましくは末端ブロック単位を
除いて実際上すべての単位についてaの値が2であるよ
うなものであり、そして該シロキサンは一般式(III): R2 (R1 2 SiO)r SiR1 2 2 (III) (式中、R1 は前記の意義を有し、R2 は基R1 、又は
アルコキシもしくはアリールオキシ基、又はヒドロキシ
ル基であり、そしてrは整数である)の実質的に線状の
重合体である。しかしながら、aの値が0又は1を表わ
す少量の単位が存在することもできる。鎖中にかゝる単
位をもつ重合体は少量の分岐の存在を示すであろう。R
2 基は好ましくはヒドロキシル基又はアルキル又はアリ
ール基、たとえばメチル又はフェニル基を表わす。本発
明に従う触媒を使用する方法によって製造し得るオルガ
ノポリシロキサンの粘度は本発明の方法において使用さ
れる反応条件及び原料物質に応じて50mm2 /sない
し数百万mm2 /sの範囲であり得る。本発明の触媒を
使用する重合法において試薬として使用するに適当なオ
ルガノシロキサンは末端ヒドロキシジオルガノシロキサ
ン単位をもつポリジオルガノシロキサン、たとえばヒド
ロキシジメチルシロキサン末端停止ポリジメチルシロキ
サン、ヒドロキシジメチルシロキサン末端停止ポリジメ
チルポリメチルフェニルシロキサン共重合体;トリオル
ガノシロキサン末端停止ポリジメチルシロキサン、たと
えばトリメチルシロキサン末端停止ポリジメチルシロキ
サン;及び環式ポリジオルガノシロキサン、たとえばオ
クタメチルシクロテトラシロキサンを包含する。
【0017】本発明の触媒は重合工程において試薬とし
て使用されるオルガノシロキサンの全重量に基づいて1
−1000重量ppmの濃度で使用し得る。この使用量
はより好ましくは5−150重量ppm,もっとも好ま
しくは5−50重量ppmの範囲である。本発明の方法
における触媒の使用量は該オルガノケイ素化合物と該触
媒との接触温度が増大する場合には減少し得る。本発明
の方法は好都合には室温で実施し得る。接触温度はまた
190℃程度の高温でもよく、あるいは0℃程度の低温
でもよい。しかしながら、温度範囲は好ましくは20−
160℃、もっとも好ましくは50−120℃である。
真空下で操作することが好ましく、真空は縮合反応速度
を顕著に増大する。
【0018】本発明に従う触媒は、反応生成物をたとえ
ばその粘度について安定化するために、重合反応の終了
時に中和し得る。中和は重合工程の任意の段階で、たと
えばオルガノポリシロキサンの粘度が所望の値に達した
時点で直ちに行い得る。これらの触媒に対する中和剤は
アルカリ性物質、好ましくは軽度にアルカリ性の物質で
ある。適当な中和剤の例はジエチルアミン、プロピルア
ミン、アンモニア及びヘキサメチルジシラザンである。
【0019】式(Ia)、(Ib)、(Ic)、(I
d)及び(Ie)の短鎖線状オリゴホスファゼンはオル
ガノシロキサンの重縮合及び再分布用のきわめて有効な
触媒であることが認められた。オルガノシロキサン重合
体の重縮合及び再分布に使用した場合のこれらの新規触
媒の触媒活性は線状塩化ホスホニトリルの触媒活性に匹
敵する。オルガノシロキサン重合体の重縮合及び再分布
の生成物は痕跡量を超える、すなわち2.0重量%を超
えるようなオリゴマー状環状体を含有しない。
【0020】さらに、式Cl3 P(NPCl2 n NP
Cl3 ・PCl6 の線状塩化ホスホニトリル(LPN
C)1モルと低分子量シロキサンジオール(PS34
1、MW=4,000、Huls)1モル及びノナメチ
ルテトラシロキサン−1−オール1モルとを塩化メチレ
ン中で室温で反応させると2、3分程度の短時間でLP
NC、シロキサン重合体及び水を含有する低粘度の二相
混合物を与えることも認められた。該塩化メチレン、
水、HCl及びシロキサン物質を80℃で2時間真空吸
引することによってこの系から除去した。得られる黄色
残渣は塩化メチレン、メタノール、エーテル及び低粘度
シリコーン油のような多数の有機溶剤中に可溶性であ
る。塩素分析の結果、この新規触媒は出発物質であるL
PNCの塩素含量80%に比較して、わずかに57.5
%の著しくより低含量の塩素を含むことを示した。
【0021】上述した新規な化学的組成物を、後記の実
施例に詳述するごとく、オルガノシロキサンの重縮合及
び再分布用の触媒として試験した。この新規触媒は標準
的なLPNCよりもさらに一層高い触媒活性を有してい
た。低分子量シロキサンジオールの重縮合による高分子
量生成物は増加した含量のオリゴマー状環状体を含有し
ない。この触媒が0℃ないし160℃の温度範囲で活性
であることは注目すべきことである。160℃を超える
温度では、この触媒の活性は急激に減少する。200℃
では、この新規触媒は不活性である。触媒のこの挙動は
最終生成物中の触媒の失活を200℃に短時間加熱する
ことによって達成可能とする。この新規触媒を120℃
で使用することによって製造され、ついで200℃に5
分間加熱することによって得られる高分子量シリコーン
ゴムは高い熱安定性を示す。かく得られるシリコーン物
質はGE社のシリコーン規格E−68試験に合格する。
【0022】
【実施例の記載】つぎに本発明を実施例によってさらに
詳述するがこれらは特許請求の範囲に規定した本発明の
技術的範囲を何等限定するものではない。特に示さない
限り、すべての部は重量部を表わす。E−68試験法は
つぎのごとく実施する。すなわち、試験条件は試料1g
を金属カップ中に装入しそしてこのカップを350℃に
加熱された加熱室中に装入する。室温で水で飽和され、
ついで350℃まで加熱された窒素流をこのオーブン中
の試料上に吹き込む。15分後、この試料を取り出しそ
して重量減少を測定する。この試験は該重合体の熱安定
性を評価するものであり、そして温度はきわめて安定な
ポリジメチルシロキサンが熱分解し始める温度に丁度合
致するように選定される。この試験において、低い重量
減少度は供試重合体が活性な平衡化触媒を含まないこと
を示している。
【0023】実施例1 OCl2 PNPCl3 の製造 容量100mlのフラスコに五塩化燐20.8g(0.
1モル)、硫酸アンモニウム2.93g(0.022モ
ル)及び対称−テトラクロルエタン50mlを装入し
た。この混合物を1時間撹拌下に還流した。反応終了
後、溶剤を除去し、そして生成物を真空蒸留によって精
製した(沸点:110−115℃/0.1mmHg)。
薄黄色結晶としての標題の生成物の収量は12gであっ
た。
【0024】実施例2 OCl2 PNPCl2 NPCl3 の製造 容量100mlのフラスコに実施例1の標題の化合物1
3.5g(0.05モル)、HN(Si(CH3 3
2 11.6ml(0.055モル)及び塩化メチレン2
0mlを装入した。この混合物を12時間撹拌下に還流
した。反応終了後、PCl5 10.3g(0.05モ
ル)を添加し、そして反応混合物をさらに12時間還流
した。溶剤を回転式気化器上で除去しそして生成物を真
空蒸留によって精製した(沸点:170−175℃/
0.1mmHg)。薄黄色液体としての標題の生成物の
収量は8gであった。
【0025】実施例3 実施例2の生成物の加水分解による OCl2 PNPCl2 NPCl2 OHの製造 容量100mlのフラスコに実施例2の生成物0.5g
(0.0013モル)及び塩化メチレン5mlを装入し
た。ついで水(23.3μl、0.0013モル)を添
加した。この混合物を2時間撹拌した。反応終了後、溶
剤を回転式気化器上で蒸発除去した。黄色液体としての
標題の生成物の収量は0.36gであった。
【0026】実施例4 実施例1の触媒を使用する室温での ポリジメチルシロキサンジオールの重縮合 容量50mlのビーカーにPS341(MW=4,00
0のポリジメチルシロキサンジオール、Huls)10
g及び塩化メチレン中の実施例1の触媒の3%溶液10
μlを装入した。塩化メチレンの代わりに酢酸エチルを
使用して同一の結果を得ることができる。この混合物を
2分間撹拌した。2分後、濁った混合物が生成した。こ
の混合物を室温(23℃)で24時間放置した。2時間
後、この曇りを帯びた混合物の上面に透明な高分子量ポ
リシロキサンが生成した。透明な高分子量ポリシロキサ
ンの層は時間とともに増加しそしてそれは24時間でビ
ーカーの底部に達した。
【0027】実施例5 ハーケミキサー中で、実施例1の触媒を使用し、 ドデカメチルテトラシロキサン連鎖停止剤の存在下に 120℃で行なうポリジメチルシロキサンジオールの重
縮合 ハーケ(Haake)ミキサーにPS343(MW=2
6,000のポリジメチルシロキサンジオール,Hul
s)50g及び連鎖停止剤としてのドデカメチルテトラ
シロキサン0.0196gを装入した。このミキサーを
120℃に加熱した。所望の温度に達した後、塩化メチ
レン中の実施例1の触媒18ppm(3%溶液30μ
l)を添加した。塩化メチレンの代わりに酢酸エチルを
使用しても同一の結果を得ることができる。重縮合反応
はトルクをモニターすることによって追跡した。40分
間反応させた後、トルクは最大の読みに達し、それ以上
は時間の経過によっても変化しなかった。得られる高分
子量シロキサンゴムは分子量MW=400,000をも
ち、オリゴマー状環状体を全く含まなかった。
【0028】実施例6 ハーケミキサー中で、実施例2の触媒を使用し、 ドデカメチルテトラシロキサン連鎖停止剤の存在下に 120℃で行なうポリジメチルシロキサンジオールの重
縮合 ハーケミキサーにPS343(MW=26,000のポ
リジメチルシロキサンジオール,Huls)50g及び
連鎖停止剤としてのドデカメチルテトラシロキサン0.
0196gを装入した。このミキサーを120℃に加熱
した。所望の温度に達した後、塩化メチレン中の実施例
2の触媒18ppm(3%溶液30μl)を添加した。
塩化メチレンの代わりに酢酸エチルを使用しても同一の
結果を得ることができる。重縮合反応はトルクをモニタ
ーすることによって追跡した。40分間反応させた後、
トルクは最大の読みに達し、それ以上は時間の経過によ
っても変化しなかった。得られる高分子量シロキサンゴ
ムは分子量MW=400,000をもち、オリゴマー状
環状体を全く含まなかった。
【0029】実施例7 実施例3の触媒を90℃で使用する トリオルガノシリル末端置換低分子量油の合成 機械的撹拌機、冷却器及び真空排出口を備えた容量25
0mlのフラスコに分子量80,000のポリジメチル
シロキサン10g及びヘキサメチルジシロキサン1gを
装入した。このフラスコを90℃に加熱した。所望の温
度に達した後、実施例3の触媒18ppm(塩化メチレ
ン中の3%溶液30μl)を添加した。粘度のきわめて
速やかな減少が観察された。20分後、該触媒をヘキサ
メチルジシラザンを用いて失活処理することによって反
応を停止させた。得られるトリメチルシリル末端置換シ
リコーン油は分子量MW=1000をもち、有意量のオ
リゴマー状環状体を含有しなかった。
【0030】実施例8 線状塩化ホスホニトリル、シロキサンジオール及び テトラシロキサノールの反応生成物を含有してなる触媒
の製造 (a)線状塩化ホスホニトリルの製造 容量100mlのフラスコに五塩化燐20.5g(0.
5モル)、塩化アンモニウム2.7g(0.05モル)
及びテトラクロルエタン50gを装入した。この混合物
を8時間撹拌下に還流した。反応終了後、反応混合物を
石油エーテル中に注入した。生成した沈殿を塩化メチレ
ン中に溶解しそして石油エーテルで再沈殿させた。痕跡
量の溶剤を真空下で除去した後、標題の生成物(LPN
C)の薄黄色結晶14gを得た。 (b)触媒の製造 容量50mlのフラスコにPS341(MW=4,00
0ポリジメチルシロキサンジオール、Huls)オルガ
ノシロキサンジオール4.0g及びノナメチルテトラシ
ロキサン−1−オール0.8g及び塩化メチレン10m
lを装入した。ついで、塩化メチレン10ml中のLP
NC1gを室温で一度に添加した。2、3秒後、大量の
水が生成した。得られる濁った二相混合物を15分間撹
拌した。この系を減圧(0.05mmHg)下で80℃
に2時間加熱することによって溶剤及びオルガノシリコ
ーン物質を系から除去して薄黄色の触媒活性をもつ粘稠
油状物0.7gを得、これを塩化メチレン23ml中に
溶解した。
【0031】実施例9 実施例8(b)の触媒を使用する ポリジメチルシロキサンジオールの重縮合 容量50mlのビーカーにPS343(MW=26,0
00ポリジメチルシロキサンジオール、Huls)10
g及び塩化メチレン中の実施例8(b)の触媒の3%溶
液10μlを装入した。この混合物を2分間撹拌した。
2分後、曇りを帯びた混合物が生成した。この混合物を
室温で24時間放置した。2時間後、この曇りを帯びた
混合物の上面に透明な高分子量ポリシロキサンが形成さ
れた。時間の経過とともに、透明な高分子量ポリシロキ
サンの層は次第に厚くなりそして24時間でそれはビー
カーの底部に達した。
【0032】実施例10 ハーケミキサー中で、実施例8(b)の触媒を使用し、 120℃で行なうポリジメチルシロキサンジオールの重
縮合 ハーケミキサーにPS343(MW=26,000ポリ
ジメチルシロキサンジオール、Huls)50gを装入
した。このミキサーを120℃に加熱した。所定の温度
に達した後、実施例8(b)の触媒18ppm(塩化メ
チレン中の3%溶液30μl)を添加した。重縮合反応
はトルクをモニターすることによって追跡した。40分
間反応させた後、トルクは最大の読みに達し、それ以上
は時間の経過によっても変化しなかった。得られる高分
子量シロキサンゴムは分子量MW=900,000をも
ち、オリゴマー状環状体を全く含まなかった。
【0033】実施例11 ハーケミキサー中で、実施例8(b)の触媒を使用し、 ノナメチルテトラシロキサノール連鎖停止剤の存在下で 120℃で行なうポリジメチルシロキサンジオールの重
縮合 ハーケミキサーにPS343(MW=26,000ポリ
ジメチルシロキサンジオール、Huls)50g及び連
鎖停止剤としてノナメチルテトラシロキサノール0.0
26gを装入した。このミキサーを120℃に加熱し
た。所望の温度に達した後、実施例8(b)の触媒18
ppm(塩化メチレン中の3%溶液30μl)を添加し
た。重縮合反応はトルクをモニターすることによって追
跡した。40分間反応させた後、トルクは最大の読みに
達し、それ以上は時間の経過によっても変化しなかっ
た。得られる高分子量シロキサンゴムは分子量MW=4
20,000をもち、オリゴマー状環状体を全く含まな
かった。
【0034】実施例12 ハーケミキサー中で、実施例8(b)の触媒を使用し、 ドデカメチルテトラシロキサン連鎖停止剤の存在下で 120℃で行なうポリジメチルシロキサンジオールの重
縮合 ハーケミキサーにPS343(MW=26,000ポリ
ジメチルシロキサンジオール、Huls)50g及び連
鎖停止剤としてドデカメチルテトラシロキサン0.01
96gを装入した。このミキサーを120℃に加熱し
た。所望の温度に達した後、実施例8(b)の触媒18
ppm(塩化メチレン中の3%溶液30μl)を添加し
た。重縮合反応はトルクをモニターすることによって追
跡した。40分間反応させた後、トルクは最大の読みに
達し、それ以上は時間の経過によっても変化しなかっ
た。得られる高分子量シロキサンゴムは分子量MW=4
30,000をもち、オリゴマー状環状体を全く含まな
かった。
【0035】実施例13 ヘキサメチルジシラザンの導入による 実施例11の重縮合シロキサン物質の失活化 実施例11からの重合体にヘキサメチルジシラザン1μ
lを添加し、そして得られる混合物を120℃でさらに
5分間混合した。得られる重合体は高い熱安定性を有す
る(GEシリコーン試験法E−68に合格)。
【0036】実施例14 200℃への加熱による 実施例11の重縮合シロキサン物質の失活化 実施例11からの重合体を混合しながら200℃に5分
間加熱した。得られる重合体は高い熱安定性を有する
(GEシリコーン試験法E−68に合格)。
【0037】実施例15 ヘキサメチルジシラザンの導入による 実施例12の重縮合シロキサン物質の失活化 実施例12からの重合体にヘキサメチルジシラザン1μ
lを添加し、そして得られる混合物を120℃でさらに
5分間混合した。得られる重合体は高い熱安定性を有し
ていた(GEシリコーン試験法E−68に合格)。
【0038】実施例16 200℃への加熱による 実施例12の重縮合シロキサン物質の失活化 実施例12からの重合体を混合しながら200℃に5分
間加熱した。得られる重合体は高い熱安定性を有してい
た(GEシリコーン試験法E−68に合格)。
【0039】実施例17 トリオルガノ末端置換低分子量シロキサン油の合成 機械的撹拌機、冷却器及び真空排出口を備えた容量25
0mlのフラスコにPS343(MW=26,000ポ
リジメチルシロキサンジオール、Huls)50g及び
連鎖停止剤としてドデカメチルテトラシロキサン7.0
gを装入した。このフラスコを90℃に加熱した。所望
の温度に達した後、実施例8(b)の触媒18ppm
(塩化メチレン中の3%溶液30μl)を添加した。き
わめて速やかな重縮合が観察された(著量の泡が形成さ
れそして水は真空トラップ中で凝縮された)。30分反
応させた後、該触媒をヘキサメチルジシラザンを用いて
失活処理することによって反応を停止させた。得られる
トリメチル末端置換シリコーン油は分子量MW=300
0をもち、有意量のオリゴマー状環状体を含有しなかっ
た。
【0040】実施例18 線状塩化ホスホニトリル及び酢酸の反応生成物を含有し
てなる触媒の製造 (a)線状塩化ホスホニトリルの製造 実施例8、工程(a)の方法を反復して標題の化合物を
製造した。 (b)触媒組成物の製造 容量50mlのフラスコに工程(a)からのLPNC1
g(0.00154モル)及び塩化メチレン20mlを
装入した。ついで、酢酸0.185g(0.00308
モル)を室温で一度に添加した。得られる混合物を2時
間撹拌した。この撹拌期間中にHClの発生が観察され
た。2時間後、反応系を減圧(0.05mmHg)下で
80℃に2時間加熱することによって溶剤及び低沸点物
質を系から除去して薄黄色の粘稠油状物0.7gを得、
これを塩化メチレン14ml中に溶解した。この溶液を
つぎの実施例で触媒組成物として使用した。
【0041】実施例19 ポリジメチルシロキサンジオールの室温での重縮合 容量50mlのビーカーにポリジメチルシロキサンジオ
ール(PS341、MW=4,000、Huls)10
g及び実施例18の酢酸変性触媒組成物10μlを装入
した。この混合物を2分間撹拌した。2分後、曇りを帯
びた混合物が形成された。この混合物を室温で24時間
放置した。2時間後、この曇りを帯びた混合物の上面に
透明な高分子量ポリシロキサンが形成された。この透明
な高分子量ポリシロキサンの層は時間の経過とともに増
加し、そして24時間でこの層はビーカーの底部に達し
た。
【0042】実施例20 ハーケミキサー中、ドデカメチルテトラシロキサンの 存在におけるポリジメチルシロキサンジオールの重縮合 ハーケミキサーにポリジメチルシロキサンジオール(P
S343、MW=26,000、Huls)50g及び
連鎖停止剤としてのドデカメチルテトラシロキサン0.
0196gを装入した。このミキサーを120℃に加熱
した。所望の温度に達した後、実施例18の触媒組成物
18μlを添加した。重縮合反応はトルクをモニターす
ることによって追跡した。30分間反応させた後、トル
クは最大の読みに達し、それ以上は時間の経過によって
も変化しなかった。得られる高分子量シロキサンゴムは
分子量MW=400,000をもち、オリゴマー状環状
体を全く含まなかった。
【0043】実施例21 トリオルガノシリル末端置換低分子量シロキサン油の合
機械的撹拌機、冷却器及び真空排出口を備えた容量25
0mlのフラスコにポリジメチルシロキサンジオール
(PS341、MW=4,000、Huls)40g及
びドデカメチルテトラシロキサン0.154g(4×1
-4モル)を装入した。このフラスコを90℃に加熱し
た。規定した温度に達した後、実施例18の触媒組成物
20μlを添加した。得られる混合物を真空(0.1m
mHg)下で撹拌した。きわめて速やかな重縮合が生起
した。5分間反応させた後、高分子量ポリジメチルシロ
キサン(PDMS)が形成された(MW=90,00
0)。この時点で、ヘキサメチルジシロキサン1g
(0.006モル)を添加した。得られる混合物を90
℃で撹拌した。粘度のきわめて速やかな減少が観察され
た。20分後、該触媒をヘキサメチルジシラザンを用い
て失活処理することによって反応を停止させた。得られ
るトリメチルシリル末端置換シリコーン油は分子量MW
=7,000をもち、有意量のオリゴマー状環状体を含
有しなかった。
【0044】実施例22 短鎖ホスファゼンの存在下でのビニルジメチル末端置換
シロキサン油の合成 機械的撹拌機、冷却器及び真空排出口を備えた容量25
0mlのフラスコにポリジメチルシロキサンジオール
(PS341、MW=4,000、Huls)50g及
び連鎖停止剤としてビニルジメチル末端置換シロキサン
油(MW=4,200)5gを装入した。この混合物を
90℃に加熱した。所望の温度に達した後、実施例18
からの酢酸変性触媒20ppm(塩化メチレン中の5%
溶液22μl)を添加した。この反応混合物を0.1m
mHgの真空下で撹拌した。きわめて速やかな重縮合が
観察された(著量の泡が形成されそして水は真空トラッ
プ中で凝縮された)。2分間反応させた後、高分子量重
合体が形成された(粘度>200,000センチストー
クス)。つぎの8分間で、反応混合物の粘度は低下し、
10分後には2,600センチストークスになった。こ
の時点で、触媒の別量20ppmを添加したが、得られ
る重合体の粘度は変化しなかった。得られるビニルジメ
チル末端置換シリコーン油はMW=50,000をも
ち、そのオリゴマー状環状体の含量は1%未満であっ
た。
【0045】実施例23 短鎖ホスファゼンの存在における 低分子量ビニルジメチル末端置換シロキサン油の合成 機械的撹拌機、冷却器及び真空排出口を備えた容量25
0mlのフラスコに実施例21からのビニルジメチル末
端置換シロキサン油(MW=50,000)50g及び
連鎖停止剤としてジビニルテトラメチルジシロキサン
4.25gを装入した。この混合物を90℃に加熱し,
所望の温度に達した後、実施例18からの触媒20pp
m(塩化メチレン中の5%溶液22μl)を添加した。
この反応混合物を90℃に加熱した。粘度の速やかな減
少が観察された。20分間反応させた後、重合体の粘度
は31センチストークスまで低下した。この時点で、触
媒の別量20ppmを添加したが、得られる重合体の粘
度は変化しなかった。得られるビニルジメチル末端置換
シリコーン油はMW=4,200でありかつ少量のオリ
ゴマー状環状体を含有していた。
【0046】実施例24 短鎖ホスファゼンの存在における ビニルジメチル末端置換シロキサン油の合成 機械的撹拌機、冷却器及び真空排出口を備えた容量25
0mlのフラスコにポリジメチルシロキサンジオール
(PS341、MW=4,000、Huls)50g及
び連鎖停止剤としてビニルジメチル末端置換シロキサン
油(MW=4,200)3gを装入した。この混合物を
90℃に加熱した。規定した温度に達した後、実施例1
からの触媒20ppm(酢酸エチル中の9%溶液12μ
l)を添加した。この反応混合物を0.1mmHgの真
空下で撹拌した。きわめて速やかな重縮合が観察された
(著量の泡が形成されそして水は真空トラップ中で凝縮
された)。2、3分反応させた後、高分子量重合体が形
成された(粘度>100,000センチストークス)。
20分間で、この粘度は40,000センチストークス
まで低下した。この時点で、触媒の別量12μlを添加
した。つぎの2時間で、反応混合物の粘度は最終的に1
8,000センチストークスまで低下した。
【0047】実施例25 短鎖ホスファゼンの存在における ビニルジメチル末端置換シロキサン油の合成 機械的撹拌機、冷却器及び真空排出口を備えた容量25
0mlのフラスコにポリジメチルシロキサンジオール
(PS341、MW=4,000、Huls)50g及
び連鎖停止剤としてビニルジメチル末端置換シロキサン
油(MW=4,200)3gを装入した。この混合物を
90℃に加熱した。規定した温度に達した後、実施例2
からの触媒28ppm(酢酸エチル中の9%溶液17μ
l)を添加した。この反応混合物を0.1mmHgの真
空下で撹拌した。きわめて速やかな重縮合が観察された
(著量の泡が形成されそして水は真空トラップ中で凝縮
された)。2、3分反応させた後、高分子量重合体が形
成された(粘度>100,000センチストークス)。
10分間で、この粘度は23,000センチストークス
まで低下した。さらに50分後、重合体の粘度は17,
200センチストークスに達した。この時点で、触媒の
別量17μlを添加した。つぎの2時間で、反応混合物
の粘度は15,500センチストークスの最終粘度まで
低下した。
【0048】上記に引用した特許及び刊行物文献及び試
験法の記載を本明細書中に組み入れる。本発明の多数の
変形は上記した詳細な説明に基づいて当業者には自明で
あろう。すべてのかゝる自明の修正ないし変形は特許請
求の範囲に規定した本発明の範囲内である。

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(Ia)又は(Ib): O(X)2-m m P{NP(X)2 n NP(X)3-q
    (Y)q (Ia) O(X)2-m m P{NP(X)2 n N(H)P
    (O)(X)2-p (Y)p(Ib) [式中、n=0又は1−8の整数;m=0又は1の整
    数;p=0又は1の整数;q=0又は1−2の整数;X
    =ハロゲン;Y=OH、OR、O(O)CR(たゞしR
    はアルキル又はアリール基)]の短鎖線状ホスファゼ
    ン。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の短鎖線状ホスファゼン触
    媒と少なくとも1個の活性プロトンを含み、18より低
    いpKa値をもつ少なくとも一種の化合物との反応生成
    物。
  3. 【請求項3】 前記化合物がカルボン酸、ハロゲノアル
    カンカルボン酸、スルホン酸、アルコール、フェノー
    ル、水又は前記の任意の混合物から選ばれる請求項2記
    載の反応生成物。
  4. 【請求項4】 nが1−3である請求項1記載の短鎖線
    状ホスファゼン。
  5. 【請求項5】 各X基が塩素原子を表わす請求項1記載
    の短鎖線状ホスファゼン。
  6. 【請求項6】 ケイ素に結合された有機基をケイ素原子
    当たり1.9−2.1個の平均置換度で有する低分子量
    オルガノポリシロキサンジオールの重縮合を触媒有効量
    の請求項1記載のホスファゼン化合物の存在下で行なう
    ことを特徴とする低分子量オルガノポリシロキサンジオ
    ールの重縮合法。
  7. 【請求項7】 前記重縮合を連鎖停止有効量のオリゴオ
    ルガノシロキサノールの存在下で行なう請求項6記載の
    方法。
  8. 【請求項8】 ケイ素に結合された有機基をケイ素原子
    当たり1.9−2.1個の平均置換度で有するオルガノ
    ポリシロキサンジオールの重縮合及び再分布反応を触媒
    有効量の請求項1記載のホスファゼンの存在下かつ連鎖
    停止有効量の低分子量トリオルガノシロキシ末端オルガ
    ノシロキサンの存在下で行なうことを特徴とするとする
    オルガノポリシロキサンジオールの重縮合及び再分布
    法。
  9. 【請求項9】 ケイ素に結合された有機基をケイ素原子
    当たり1.9−2.1個の平均置換度で有するオルガノ
    ポリシロキサンの再分布反応を触媒有効量の請求項1記
    載のホスファゼン化合物の存在下かつ連鎖停止有効量の
    低分子量トリオルガノシロキシ末端オルガノシロキサン
    の存在下で行なうことにより低粘度トリオルガノシロキ
    シ末端油を製造することを特徴とするオルガノポリシロ
    キサンの再分布法。
  10. 【請求項10】 重縮合又は再分布反応後に、最終生成
    物を170℃より高い温度に、請求項1記載のホスファ
    ゼンを含む触媒を失活させるに十分な時間、加熱し、そ
    れによって最終生成物を熱安定化させることを特徴とす
    る請求項1記載のホスファゼンを含む触媒の失活法。
  11. 【請求項11】 重縮合又は再分布反応後に、最終生成
    物をアンモニア、アミン、オルガノシラザン、それらの
    混合物等から選んだ塩基性窒素化合物で、請求項1記載
    のホスファゼンを含む触媒を失活させるに十分な時間、
    処理し、それによって最終生成物を熱安定化させること
    を特徴とする請求項1記載のホスファゼンを含む触媒の
    失活法。
  12. 【請求項12】 重縮合又は再分布反応後に、最終生成
    物を金属酸化物、金属水酸化物、金属炭酸塩(たゞし前
    記金属はリチウム、ナトリウム、マグネシウム、カルシ
    ウム、バリウム、亜鉛、及びアルミニウムを包含する一
    価、二価及び三価金属から選ばれる)、ブチルリチウ
    ム、リチウムビス(トリメチルシリル)アミドから選ん
    だ強塩基化合物又はそれらの任意の混合物で、請求項1
    記載のホスファゼンを含む触媒を失活させるに十分な時
    間、処理し、それによって最終生成物を熱安定化させる
    ことを特徴とする請求項1記載のホスファゼンを含む触
    媒の失活法。
  13. 【請求項13】 式: X3 P(NPX2 n NPX3 ・EXv+1 (式中、nは0−6の範囲で変動し得る値であり、そし
    てEは燐又はポーリングの尺度に従って1−2の範囲の
    電気陰性度をもつ他の元素、たとえばアルミニウム、ア
    ンチモン、鉄等を表わし、そしてvは平衡に収支する原
    子価状態又は酸化状態である)のハロゲン化ホスホニト
    リルと活性プロトンを含みかつ18より低いpKa値を
    もつ化合物とを、より高い触媒活性をもつ触媒組成物の
    形成が実質的に完了するまで反応させることを特徴とす
    る低い塩素含量をもつホスファゼン触媒組成物の製造
    法。
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