JPH07149552A - 繊維強化プラスチック製補強材とその製造方法 - Google Patents

繊維強化プラスチック製補強材とその製造方法

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JPH07149552A
JPH07149552A JP29965993A JP29965993A JPH07149552A JP H07149552 A JPH07149552 A JP H07149552A JP 29965993 A JP29965993 A JP 29965993A JP 29965993 A JP29965993 A JP 29965993A JP H07149552 A JPH07149552 A JP H07149552A
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JP
Japan
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resin
fiber bundle
reinforcing material
fiber
reinforced plastic
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JP29965993A
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English (en)
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Toyokazu Mizuguchi
豊和 水口
Tetsuyuki Kyono
哲幸 京野
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Original Assignee
Toray Industries Inc
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B16/00Use of organic materials as fillers, e.g. pigments, for mortars, concrete or artificial stone; Treatment of organic materials specially adapted to enhance their filling properties in mortars, concrete or artificial stone
    • C04B16/04Macromolecular compounds
    • C04B16/06Macromolecular compounds fibrous
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B20/00Use of materials as fillers for mortars, concrete or artificial stone according to more than one of groups C04B14/00 - C04B18/00 and characterised by shape or grain distribution; Treatment of materials according to more than one of the groups C04B14/00 - C04B18/00 specially adapted to enhance their filling properties in mortars, concrete or artificial stone; Expanding or defibrillating materials
    • C04B20/10Coating or impregnating
    • C04B20/1018Coating or impregnating with organic materials
    • C04B20/1029Macromolecular compounds

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 補強効果が優れたFRP製の補強材を提供す
る。 【構成】 この補強材は、一方向に配列された補強短繊
維束1と、前記補強短繊維束1に複合された樹脂マトリ
クス2とを含む棒状体の表面の少なくとも1個所に、樹
脂からなる環状突起部3が形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は繊維強化プラスチック製
補強材とその製造方法に関し、更に詳しくは、セメント
やモルタルなどに配合したときに、優れた補強効果を発
揮する繊維強化プラスチック製補強材とその製造方法、
ならびにその補強材で補強されているセメントモルタル
部材とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】超高層ビルの建造に用いられる部材、た
とえば、外壁部材や内壁部材には、所定の強度を備える
とともに軽量であるということが強く求められる。この
ような軽量化された部材としては、コンクリートの中に
短繊維を単糸オーダーで分散させたものが知られてい
る。たとえば、特開平2−267145号公報には、セ
メント、骨材、好適には長さ1〜100μm程度の短繊
維状の炭素繊維、減水剤、AE減水剤および水を、所定
の割合で混合してなる炭素繊維補強セメントモルタルが
開示されている。
【0003】ここで開示されているセメントモルタルの
場合、モルタルに分散されている炭素繊維によって補強
効果は引き出されているが、使用する炭素繊維の表面は
無加工状態にあるため、炭素繊維とモルタルとの間が充
分に複合しておらず、破断面においては、炭素繊維が部
分的にモルタルから抜けていることがあり、炭素繊維の
特性を充分に生かして複合強化をなしたものであるとは
いいがたい。
【0004】また、特開平1−320242号公報に
は、ビニロン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエチレン
繊維、ポリエステル繊維、アラミド繊維、炭素繊維など
を補強繊維として混合してなるセメント成形体が開示さ
れている。しかしながら、このセメント成形体の場合
も、上記特開平2−267145号公報の部材の場合と
同じように、補強繊維の抜けが生じやすく、セメント成
形体の強度も満足すべき値に達しないので、超高層ビル
用の部材としては好ましくない。
【0005】しかも、上記した先行技術の成形体を製造
する場合、いずれも、短繊維を単糸オーダーでコンクリ
ートの中に分散させているが、この分散処理時に、短繊
維が相互に絡みあってファイバーボールになりやすい。
そして、このファイバーボールが欠陥となって、製造さ
れたセメントモルタルやセメント成形体に対する補強繊
維の補強効果が充分に発揮されないという問題が生ず
る。
【0006】また、モルタルにメッシュ状繊維を埋設し
た部材や、モルタルに炭素繊維強化プラスチック筋(C
FRP筋)を配筋した部材なども知られている。しかし
ながら、これらの部材は、いずれもその特性が不均一で
あったり、またメッシュ状繊維やCFRP筋の製造時に
おける加工コストが高価であったりして、実用性に難点
がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、従来
の繊維強化セメントモルタル部材の製造に際して用いる
補強材における上記した問題を解決し、充分な補強効果
を発揮し、しかも軽量化を実現することができる、繊維
強化プラスチック製補強材とその製造方法を提供するこ
とにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ために、本発明においては、一方向に配列された補強短
繊維束と、前記補強短繊維束に複合された樹脂マトリク
スとを含む棒状体の表面の少なくとも1個所に、樹脂か
らなる環状突起部が形成されていることを特徴とする繊
維強化プラスチック製補強材(以下、第1の補強材とい
う)が提供され、また、マトリクス樹脂の中に連続繊維
束を通して樹脂含浸連続繊維束を得る工程;前記樹脂含
浸連続繊維束を、表面に幅方向に延びる凹溝が形成さ
れ、かつ、前記凹溝が同期して対向するように配設され
た一対のロールの間に通し、前記凹溝の個所で前記樹脂
含浸連続繊維束からその表面にマトリクス樹脂を絞り出
す工程;前記マトリクス樹脂絞り出し後の樹脂含浸連続
繊維束のマトリクス樹脂を硬化させて、表面に前記マト
リクスの硬化物からなる環状突起部が等間隔で形成され
ている繊維強化プラスチック条を得る工程;および、前
記繊維強化プラスチック条を、少なくとも1個の前記環
状突起部を有する短い棒状体に切断する工程;を含むこ
とを特徴とする、繊維強化プラスチック製補強材の製造
方法(以下、第1の製造方法という)が提供される。
【0009】さらに、本発明においては、一方向に配列
された補強短繊維束と、前記補強短繊維束に複合された
樹脂マトリクスとを含む棒状体の少なくとも1個所に扁
平部が形成されていることを特徴とする、繊維強化プラ
スチック製補強材(以下、第2の補強材という)が提供
され、また、マトリクス樹脂の中に連続繊維束を通して
樹脂含浸繊維束を得る工程;前記樹脂含浸連続繊維束
を、表面に幅方向に延びる突起が形成され、かつ、前記
突起が同期して対向するように配設された一対のエンド
レスベルトで挟みつけながら前記マトリクス樹脂を硬化
させて扁平部が等間隔で形成されている繊維強化プラス
チック条を得る工程;および、前記繊維強化プラスチッ
ク条を、少なくとも1個の前記扁平部を有する棒状体に
切断する工程;を含むことを特徴とする、繊維強化プラ
スチック製補強材の製造方法(以下、第2の製造方法と
いう)が提供される。
【0010】さらに、本発明においては、前記した第1
の補強材または第2の補強材で補強されたセメントモル
タル部材が提供され、また、上記第1の補強材または第
2の補強材を、セメントペーストまたはモルタルの中に
無秩序に分散、配合し、ついで、型枠に流し込み成形す
ることを特徴とする、セメントモルタル部材の製造方法
が提供される。
【0011】
【実施態様】図1に第1の補強材Aを斜視図として示
す。この補強材Aは、繊維長10〜300mmの単糸1
a、1aの複数本が一方向に配列されてなる補強短繊維
束1と、この補強短繊維束1に複合された樹脂マトリク
ス2とからなる繊維強化プラスチック(以下、FRPと
いう)製の補強材であり、その表面の少なくとも1個所
(図では3個所)には、樹脂マトリクス2と同じ樹脂の
硬化物からなる環状突起部3が形成されている棒状体で
ある。
【0012】ここで、補強短繊維束1の全長(L)、す
なわち補強材Aの全長は10〜300mmに設定されてい
る。全長(L)が10mmより短い場合は、この補強材A
をコンクリートに分散しても、補強材Aとコンクリート
との接触表面積が小さいので充分な補強効果が発揮され
ない。また、全長(L)が300mmより長くなると、補
強材Aのコンクリートへの分散性が悪くなって、製造さ
れたセメントモルタル部材の強度低下が引き起こされ
る。補強材Aの好ましい全長(L)は30〜100mmで
ある。
【0013】そして、この補強材Aの場合、全長(L)
と直径(D)との比:アスペクト比は10〜600の範
囲内に設定されていることが好ましい。このアスペクト
比が10より小さい場合は、繊維長が短すぎてコンクリ
ートとの接触表面積が小さくなるため、補強効果の低下
が引き起こされるとともに、直径が大きいためコンクリ
ートへの分散性も悪くなって、補強材それ自体が異物的
存在になってしまい、同じく補強効果の低下が引き起こ
されるからである。また、アスペクト比が600よりも
大きくなると、補強材Aの長さが長すぎて、コンクリー
トへの分散時に相互に絡みあって分散不良を起こし、フ
ァイバーボール化が起こって、補強効果は低下するよう
になる。補強材Aにおける好ましいアスペクト比は、5
0〜200である。
【0014】補強材Aにおける上記したアスペクト比の
ことも考慮すると、補強短繊維束1は、100〜50,
000本の単糸を一方向に配列して構成することが好ま
しい。まず、単糸本数が100本未満の補強短繊維束を
製造することは、時間と手間がかかりすぎて製造コスト
の上昇を招くからである。また、単糸本数が50,00
0本より多い補強短繊維束はその直径が大きくなりすぎ
て次のような好ましくない問題が生ずる。
【0015】すなわち、単糸本数が50,000本より
多い補強短繊維束を有する補強材をコンクリートに配合
して所定の補強効果を発揮させようとした場合には、そ
の補強材の直径が大きくなっているので全長(L)も長
い補強材を用いることが必要になるが、補強材の長さが
長くなると、補強材はコンクリートの中で相互に絡み合
って分散不良が起こり、その結果、補強効果は逆に低下
するからである。
【0016】なお、補強材Aの製造に際しては、小型ま
たは薄物のセメントモルタル部材を製造するときには、
単糸本数が100〜50,000本程度の補強短繊維束
を用いることが好適であり、また、大型のセメントモル
タル部材を製造する場合には、単糸本数が5,000〜
50,000本程度の補強短繊維束を用いることが好適
である。
【0017】補強材Aの表面に形成されている環状突起
部3は、補強材Aをコンクリートに配合したときに、コ
ンクリートと噛みあって補強効果を向上させる働きをす
る。この環状突起部3は、樹脂マトリクス2と同じ樹脂
の硬化物からなり、補強短繊維束1の外周を環状に取り
囲むように形成されていて、その直径は補強短繊維束1
の直径(D)よりも0.2〜5.0mm程度大きくなっている
ことが好ましい。この環状突起部3の直径が(D+0.
2)mmよりも小さい場合には、補強材Aへのコンクリー
トとの接着強度が低下するようになり、充分な補強効果
は発揮されない。また(D+5.0)mmよりも大きい場合
には、コンクリートの中で補強材Aが相互に絡みあって
分散不良を起こし、逆に、補強材Aそれ自体が異物的存
在になってしまい、補強効果は低下する。環状突起部3
の直径は、補強短繊維束1の直径(D)よりも0.5〜1.
0mm程度大きいことがとくに好ましい。
【0018】この環状突起部3は、補強短繊維束の表面
に少なくとも1個形成されていればよい。しかし、2個
以上形成させる場合には、環状突起部間の間隔が3〜5
0mmになっていることが好ましい。この間隔が3mmより
狭い場合は、環状突起部同士が互いに近接しすぎている
のでコンクリートとの補強効果はあまり向上せず、徒に
環状突起部になる樹脂の量が多くなってコスト高を招
き、また間隔が50mmより広い場合は、コンクリートと
の噛みあいが少なくなって充分な補強効果の向上を期待
しにくくなるからである。環状突起部3の間隔は、5〜
20mmであることがとくに好ましい。
【0019】上記した第1の補強材Aは、つぎのような
第1の製造方法によって製造される。図2は、上記第1
の製造方法に用いる製造ラインを示す概略図である。図
2で示した製造ラインにおいては、単糸が一方向に配列
されてなる連続繊維束1’が巻かれているボビン4と、
液状のマトリクス樹脂5を収容する樹脂槽6と、後述す
る一対のロール7、7’と、硬化炉8と、冷却装置9
と、引取りロール10と、切断装置11とがこの順序で
直列に配置され、連続繊維束1’はボビン4から引取り
ロール10までを緊張状態で連続走行し、切断装置11
で所定の長さに切断されるようになっている。
【0020】まず、ボビン4から巻きほどされた連続繊
維束1’は樹脂槽6のマトリクス樹脂5の中に通され、
補強繊維の間に未硬化で液状のマトリクス樹脂5が含浸
してなる樹脂含浸連続繊維束1’bが連続的に製造され
る。用いる連続繊維束1’としては、たとえば、ガラス
繊維、炭素繊維、アルミナ繊維のようなセラミック繊
維、アラミド繊維などの高強度・高弾性率の繊維を、単
糸本数が100〜50,000本となるように一方向に
配列したものをあげることができる。上記した各繊維
は、それぞれ単独で用いてもよいが、2種以上を複合し
て用いてもよい。
【0021】マトリクス樹脂5としては、たとえば、ビ
ニルエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ
樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、フラン樹脂の
ような熱硬化性樹脂や、ポリアミド樹脂、ポリカーボネ
ート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチ
レンテレフタレート樹脂、ポリエーテルエーテルケトン
樹脂、ポリサルホン樹脂、ポリエーテルイミド樹脂のよ
うな熱可塑性樹脂を用いることができる。
【0022】上記工程を経た樹脂含浸連続繊維束1’b
を、つぎに、一対のロール7、7’に通過させることに
より、樹脂含浸連続繊維束1’bの表面には、図1にお
ける環状突起部3の前駆体3aが樹脂絞り出し部として
形成される。ロール7、7’はたとえば硬質ゴムからな
り、その表面には、図3で示したようにロールの幅方向
に延びる複数個の凹溝7a、7'aがロールの周方向に等
間隔に形成されていて、これらのロール7、7’を図の
矢印p、p’方向に回転させたときに、各ロール7、
7’の凹溝7a、7'aは互いに同期して対向することに
より、ロール7、7’の間では、それぞれの凹溝7a、
7'aによって空間7cが形成されるようになっている。
そして、それぞれの凹溝7a(7'a)の隣に位置する突
部7b(7'b)は、ロール回転時に互いに同期して接触
できるようになっている。
【0023】したがって、ロール7、7’を矢印p、
p’のように回転させながら、これらロールの間に樹脂
含浸連続繊維束1’bを送入すると、樹脂含浸連続繊維
束1’bはロールの突部7b、7'bによって上方と下方
から圧縮されるので、その圧縮箇所では、含浸されてい
たマトリクス樹脂が絞り出されることになる。そして絞
り出されたマトリクス樹脂は、ロール7の凹溝7aとロ
ール7’の凹溝7'aが同期して形成している空間7cに
溜まり、その空間7cに位置している樹脂含浸連続繊維
束の表面を被包する。その後、ロール7、7’の間を樹
脂含浸連続繊維束1’bが通過すると、この樹脂含浸連
続繊維束1’bに加わっている緊張力とマトリクス樹脂
の表面張力との相互作用により、ロールの凹溝個所で樹
脂含浸連続繊維束の表面を被包していた樹脂は、環状に
なって当該表面に付着する。
【0024】この凹溝7a、7'aは、各ロール7、7’
の表面に周期的に形成されているので、上記した環状の
樹脂絞り出し部3aは、図3で示したように連続走行す
る樹脂含浸連続繊維束1’bの長手方向に等間隔に形成
される。なお、凹溝7a、7'aの深さや幅、ロール表面
に形成する凹溝の数、すなわち、突部7b、7'bのロー
ル周方向の長さなどを適宜に選定することにより、樹脂
含浸連続繊維束1’b表面の環状の樹脂絞り出し部3a
の直径や長手方向における幅、また相互の間隔などを決
めることができる。
【0025】上記した工程を経た樹脂含浸連続繊維束
1’bを、つぎに硬化炉8に導入することにより、連続
繊維束の間に含浸されているマトリクス樹脂と樹脂絞り
出し部を、いずれも硬化する。硬化炉としては、たとえ
ば、150℃の熱風が循環する炉などを使用することが
できるが、その形式は限定されるものではない。
【0026】この硬化工程を経ることにより、連続繊維
束と樹脂マトリクスとからなるFRPであって、その表
面には樹脂硬化物からなる環状の突起部が等間隔で一体
形成されたFRP条1cが連続的に得られる。このFR
P条1cは、硬化炉8を通過したのち、たとえば、空冷
式または水冷式の冷却装置9によって強制冷却されたの
ち、たとえばギロチンカッターのような切断装置11に
よって、長さ10〜300mmに切断される。
【0027】かくして、図1で示した第1の補強材Aが
連続的に製造される。つぎに、第2の補強材を図4に示
す。この第2の補強材Bは、少なくとも1個所(図で
は、両端における2個所)が環状突起部ではなく扁平部
12になっていることを除いては、図1で示した第1の
補強材Aと構成は変わらない。
【0028】この扁平部12は、補強材Bが配合された
コンクリートを破壊しようとする力が加わったときに、
補強繊維がコンクリートから抜けることを抑制し、その
ことによってコンクリートに対する補強効果を向上させ
る働きをする。この補強材Bは、つぎのような第2の製
造方法によって製造することができる。図5は、上記の
第2の製造方法に用いる製造ラインを示す概略図であ
る。
【0029】図5に示した製造ラインは、樹脂槽6と冷
却装置9の間に、硬化炉8とこの硬化炉8内を移動する
一対のエンドレスベルト13、13’が配置されている
ことを除いては、図2で示した製造ラインと変わるとこ
ろはない。ここでエンドレスベルト13、13’はたと
えば硬質ゴムからなり、互いの対向する面には、ベルト
の幅方向に延びる突起13a、13'aがベルトの移動方
向に等間隔に形成されていて、エンドレスベルト13、
13’を図の矢印q、q’方向に駆動したときに、突起
13aと突起13'aが互いに同期して対向するようにな
っている。
【0030】したがって、図6で示したように、矢印
q、q’方向に駆動しているエンドレスベルト13、1
3’の間に樹脂含浸連続繊維束1’bを送入すると、樹
脂含浸連続繊維束1’bは、突起13a、13'aによっ
て上方と下方から挟みつけられその部分が扁平形状に変
形する。この状態が保持されたまま、樹脂含浸連続繊維
束1’bは、硬化炉8に導入され、樹脂含浸連続繊維束
1’bのマトリクス樹脂が硬化しFRPになる。そし
て、硬化炉8を通過した時点で、エンドレスベルトの突
起13a、13'aはそれぞれFRPの表面から離脱して
いく。
【0031】その結果、FRPの長手方向には、エンド
レスベルトの突起13a、13'aで挟みつけられていた
個所が、扁平部として等間隔に形成されているFRP条
1cが連続的に製造される。その後、このFRP条1c
を、第1の製造方法の場合と同じように、冷却したの
ち、切断装置11によって長さ10〜300mmに切断し
て、図4で示した第2の補強材Bが得られる。
【0032】なお、各エンドレスベルトに形成する突起
13a、13'aの幅や同一エンドレスベルト内における
突起間の距離、また、突起13aと突起13'aとの間隔
などを適宜に選定することにより、FRP条1cの長手
方向における扁平部の長さ、扁平部間の距離、扁平部の
厚みなどを決めることができる。上記した第1の補強材
Aまたは第2の補強材Bを、所望する組成のセメントペ
ーストやモルタルに投入し、全体を充分に撹拌して補強
材A、Bを無秩序に均一分散したのち、全体を型枠に流
し込み成形することにより、軽量でかつ高強度のセメン
トモルタル部材を製造することができる。
【0033】
【発明の実施例】
実施例1 図2で示した製造ラインにより、つぎのようにして第1
の補強材Aを製造した。まず、単糸本数が1,000本
のPAN系炭素繊維束1’をエポキシ樹脂5に浸漬して
樹脂含浸連続繊維束1’bを連続的に製造し、一対のロ
ール7、7’の間を通過させた。
【0034】ロール7、7’としては、その表面に、溝
幅2mm、深さ3mmの凹溝が周方向に10mm間隔で形成さ
れているものを用いた。ロール7、7’を通過した樹脂
含浸連続繊維束1’bの表面には、10mm間隔で環状の
樹脂絞り出し部3aが周期的に形成された。ついで、こ
の樹脂含浸連続繊維束1’bを150℃の熱風循環式硬
化炉8に導入したのち、冷却装置9で強制冷却し、さら
にギロチンカッター(小野田製作所製)11で、長さ4
0mmに切断した。
【0035】得られた補強材Aの直径は0.4mmであり、
長手方向には、直径2.4〜2.9mmの環状突起部3が平均
して4個形成された。この補強材Aのアスペクト比は1
00である。つぎに、水/ポルトランドセメント比が6
0%、細骨材が直径4μmのファインセラミックス水砕
スラグ微粉末、増粘剤がメチルセルロースであるモルタ
ル(フロー値180mm)を調製し、ここに、補強材Aを
全体に対し1重量%となるように投入し、オムニミキサ
ーで約10分間混練した。
【0036】得られたモルタルを、JIS−R−520
1に準拠して三連型モルタル供試体成形用型枠に流し込
み、振動締め固めを行ったのち湿気箱中で24時間、水
中で27日間養生して、縦40mm、横40mm、長さ16
0mmの角柱供試体を製造した。この角柱供試体に対し、
最大荷重50トンの曲げ試験機(インストロン社製)を
用いて3点曲げ試験を行い、曲げ強度を測定した。その
結果を表1に示した。
【0037】実施例2 図5で示した製造ラインにより、実施例1の樹脂含浸繊
維束を用いて第2の補強材Bを製造した。すなわち、エ
ンドレスベルト13、13’としては、それぞれの表面
に、高さ10mm、幅5.0mmの突起13a、13'aが40
mmの間隔で形成されているキャタピラー状ベルトを用い
た。
【0038】このベルトの突起13a、13'aで樹脂含
浸連続繊維束1’bを挟みつけた状態のまま、150℃
の熱風循環式硬化炉8に導入したのち、冷却装置9で強
制冷却し、さらにギロチンカッター11で長さ40mmに
切断した。得られた補強材Bの直径0.4mmであり、長手
方向の両端には、長さが18〜22mm、幅が1〜3mm、
厚みが0.05〜0.2mmの扁平部12が形成されていた。
【0039】得られた補強材Bを用いて、実施例1と同
様の条件で同寸法の角柱供試体を製造し、その曲げ強度
を測定した。その結果を表1に示した。 比較例1 ロールを用いることなく、樹脂含浸連続繊維束の表面に
付着している余剰樹脂を吸水性の紙で拭き取ったのち硬
化炉に導入したことを除いては、実施例1と同様にして
FRP製の補強材を製造した。
【0040】得られた補強材を用いて、実施例1と同様
の条件で同寸法の角柱供試体を製造し、その曲げ強度を
測定した。結果を表1に示した。 比較例2 単糸本数が12,000本であるPAN系炭素繊維束を
ロータリーカッターで切断し、長さ40mmのチョップド
短繊維にした。
【0041】この短繊維を用いて、実施例1と同様の条
件で同寸法の角柱供試体を製造し、その曲げ強度を測定
した。結果を表1に示した。 比較例3 単糸本数が12,000本であるPAN系炭素繊維束を
ロータリーカッターで切断し、長さ6mmのチョップド短
繊維にした。
【0042】この短繊維を用いて、実施例1と同様の条
件で同寸法の角柱供試体を製造し、その曲げ強度を測定
した。結果を表1に示した。
【0043】
【表1】
【0044】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明の
補強材は、FRP製であるため軽量である。そして、こ
の補強材の表面には、マトリクス樹脂からなる環状突起
部(補強材Aの場合)が形成され、また扁平部(補強材
Bの場合)が形成されているので、モルタルに配合した
ときに優れた補強効果を発揮する。したがって、本発明
の補強材は、超高層ビルの外壁部材や内壁部材、また、
一般住宅の壁材やスレート板のような建材に用いて有効
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の補強材Aを示す斜視図である。
【図2】第1の補強材の製造ラインを示す概略図であ
る。
【図3】図2の製造ラインで用いる一対のロールに樹脂
含浸連続繊維束を送入する状態を示す斜視図である。
【図4】本発明の第2の補強材Bを示す斜視図である。
【図5】第2の補強材の製造ラインを示す概略図であ
る。
【図6】図5の製造ラインで用いる一対のエンドレスベ
ルトで樹脂含浸繊維束を挟みつけた状態を示す側面図で
ある。
【符号の説明】
1 補強短繊維束 1a 単糸 1’ 連続繊維束 1’b 樹脂含浸連続繊維束 1c FRP条 2 樹脂マトリクス 3 環状突起部 3a 樹脂絞り出し部 4 ボビン 5 マトリクス樹脂 6 樹脂槽 7、7’ ロール 7a、7'a ロールの凹溝 7b、7'b ロール表面の突部 7c 空間 8 硬化炉 9 冷却装置 10 引取りロール 11 切断装置 12 扁平部 13、13’ エンドレスベルト 13a、13'a 突起

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一方向に配列された補強短繊維束と、前
    記補強短繊維束に複合された樹脂マトリクスとを含む棒
    状体の表面の少なくとも1個所に、樹脂からなる環状突
    起部が形成されていることを特徴とする繊維強化プラス
    チック製補強材。
  2. 【請求項2】 マトリクス樹脂の中に連続繊維束を通し
    て樹脂含浸連続繊維束を得る工程;前記樹脂含浸連続繊
    維束を、表面に幅方向に延びる凹溝が形成され、かつ、
    前記凹溝が同期して対向するように配設された一対のロ
    ールの間に通し、前記凹溝の個所で前記樹脂含浸連続繊
    維束からその表面にマトリクスを絞り出す工程;前記マ
    トリクス樹脂絞り出し後の樹脂含浸連続繊維束のマトリ
    クス樹脂を硬化させて、表面に前記マトリクス樹脂の硬
    化物からなる環状突起部が等間隔で形成されている繊維
    強化プラスチック条を得る工程;および、前記繊維強化
    プラスチック条を、少なくとも1個の前記環状突起部を
    有する短い棒状体に切断する工程;を含むことを特徴と
    する、繊維強化プラスチック製補強材の製造方法。
  3. 【請求項3】 一方向に配列された補強短繊維束と、前
    記補強短繊維束に複合された樹脂マトリクスとを含む棒
    状体の少なくとも1個所に扁平部が形成されていること
    を特徴とする、繊維強化プラスチック製補強材。
  4. 【請求項4】 マトリクス樹脂の中に連続繊維束を通し
    て樹脂含浸連続繊維束を得る工程;前記樹脂含浸連続繊
    維束を、表面に幅方向に延びる突起が形成され、かつ、
    前記突起が同期して対向するように配設された一対のエ
    ンドレスベルトで挟みつけながら前記マトリクス樹脂を
    硬化させて扁平部が等間隔で形成されている繊維強化プ
    ラスチック条を得る工程;および、前記繊維強化プラス
    チック条を、少なくとも1個の前記扁平部を有する短い
    棒状体に切断する工程;を含むことを特徴とする、繊維
    強化プラスチック製補強材の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1または3の繊維強化プラスチッ
    ク製補強材で補強されていることを特徴とするセメント
    モルタル部材。
  6. 【請求項6】 請求項1または3の繊維強化プラスチッ
    ク製補強材を、セメントペーストまたはモルタルの中に
    無秩序に分散、配合し、ついで、型枠に流し込み成形す
    ることを特徴とする、セメントモルタル部材の製造方
    法。
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