JPH0714943B2 - ピリジン誘導体 - Google Patents

ピリジン誘導体

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JPH0714943B2
JPH0714943B2 JP62254712A JP25471287A JPH0714943B2 JP H0714943 B2 JPH0714943 B2 JP H0714943B2 JP 62254712 A JP62254712 A JP 62254712A JP 25471287 A JP25471287 A JP 25471287A JP H0714943 B2 JPH0714943 B2 JP H0714943B2
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thieno
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昭和 植木
弘 川久保
勝也 岡崎
忠 長谷
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旭化成工業株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、哺乳動物の中枢神経に影響し、抗不安効果、
学習改善効果を有する向精神薬として有用な下記の一般
式(I)で示されるピリジン化合物およびその塩に関す
るものである。
(式中、Aはイオウ原子または酸素原子、R1はアミノ
基、ヒドラジノ基またはアミノ;ジ低級アルキルアミ
ノ;低級アルキルアミノ;カルボキシもしくは低級アル
コキシカルボニル基で置換されていてもよい炭素数1〜
6個のアルキル−アミノ基、R2およびR3ハロゲン原子、
低級アルキル基またはフェニル基を表し、mは0〜2の
整数、nは0〜4の整数であり、mおよびnが2以上の
場合、R2およびR3はそれぞれ同一でも異なってもよ
い。) (従来の技術) 下記の一般式 で示されるβ−カルボ リン−3−カルボン酸誘導体が
抗攻撃作用を有する精神病医薬として有用であることは
知られている(特開昭56−43283)。
また、下記の一般式 で示される1,2,3,4−テトラヒドロベンゾ〔b〕〔2,3−
c〕ピリジン誘導体が中枢神経系抑制剤、精神安定剤と
して有用であることは知られている(特公昭50−251
9)。
さらに、下記一般式 (ただし、Rはアルコキシ、OH、ハロゲン)で示される
ピリジン誘導体が向精神作用を有することも知られてい
る(特開昭61−236779)。
また、1,2,3,4−テトラヒドロベンゾ〔b〕チエノ〔2,3
−c〕ピリジンまたはその誘導体の合成方法、生化学作
用については、ゲルハルト・ウオルフ,フエリツクス・
チモールコブスキー,アーチブ・デア・フアーマジイ
(Gerhard Wolf and Felix Zymalkowski,Arch.Pharm.)
279,309(1976)、およびクリネシユミツト・ブラツド
レイ・ブイ,レイス・デユアーネ・アール,ペチボーン
・ドウグラス・ジエー,ロビンソン・ジヤネツト・エ
ル,ジヤーナル・オブ・フアマコロジー・アンド・エク
スペリメンタル・ゼラペウテイクス(Brandley V Cline
schmidt,Duane R.Reiss,Douglas J.Pettibone and Jane
t L.Robinson,J.Pharmacol.Exp.Ther.),696−708,235
(3)(1985)などにも記載されている。しかし、一般
式(I)で示されるピリジン誘導体については知られて
おらず、その薬効についても知られていない。
(発明が解決しようとする問題点) 本発明者らは、一般式(I)のピリジン誘導体の製法お
よびその有用性を鋭意研究し、抗不安作用および学習改
善作用を有する医薬として有用な新規なピリジン誘導体
を提供することを目的としている。
(問題点を解決するための手段) 本発明は、一般式(I) で示されるピリジン誘導体およびその塩を提供するもの
である。
上記一般式(I)において、Aはイオウ原子または酸素
原子である。R1はアミノ基、ヒドラジノ基または置換さ
れたアミノ基である。この置換されたアミノ基は、例え
ば、アミノ;ジ低級アルキルアミノ;低級アルキルアミ
ノ;カルボキシもしくは低級アルコキシカルボニル基で
置換されてもよい炭素数1〜6個のアルキル−アミノ基
である。具体的なR1として、R1の一例を挙げれば、2−
アミノエチルアミノ基、3−アミノプロピルアミノ基、
アミノ基、ヒドラジノ基、2−ジメチルアミノエチルア
ミノ基、メチルアミノ基、エチルアミノ基、n−プロピ
ルアミノ基、n−ヘキシルアミノ基、酪酸基、酪酸エチ
ルエステル基等である。
R2およびR3はハロゲン原子、アルキル基、アリール基で
ある。これらの基の炭素数としては1〜20個程度であ
り、炭素原子に結合している水素は、他の基で置換され
ていてもよい。R2およびR3の一例を示せば、塩素原子、
メチル基、フエニル基等である。
mは0〜2の整数であり、nは0〜4の整数である。m
およびnが2以上の場合、R2およびR3はそれぞれ同一で
あつても異なつていてもよい。
本発明のピリジン誘導体の一例を以下に示す。
(1)N−(2−アミノエチル)−ベンゾ〔b〕チエノ
〔2,3−c〕ピリジン−3−カルボアミド (2)N−(2−アミノプロピル)−ベンゾ〔b〕チエ
ノ〔2,3−c〕ピリジン−3−カルボアミド (3)N−(2−アミノエチル)−4−メチルベンゾ
〔b〕チエノ〔2,3−c〕ピリジン−3−カルボアミド (4)N−(2−アミノエチル)−6−クロロベンゾ
〔b〕チエノ〔2,3−c〕ピリジン−3−カルボアミド (5)N−(2−アミノエチル)−ベンゾ〔b〕フラノ
〔2,3−c〕ピリジン−3−カルボアミド (6)N−(2−アミノエチル)−(1−フエニルベン
ゾ〔b〕チエノ〔2.3−c〕ピリジン−3−カルボアミ
ド (7)ベンゾ〔b〕チエノ〔2,3−c〕ピリジン−3−
カルボアミド (8)ベンゾ〔b〕チエノ〔2,3−c〕ピリジン−3−
カルボヒドラジド (9)N−(2−ジメチルアミノエチル)−ベンゾ
〔b〕チエノ〔2,3−c〕ピリジン−3−カルボアミド (10)N−メチル−ベンゾ〔b〕チエノ〔2,3−c〕ピ
リジン−5−カルボアミド (11)N−エチル−ベンゾ〔b〕チエノ〔2,3−c〕ピ
リジン−3−カルボアミド (12)N−プロピル−ベンゾ〔b〕チエノ〔2,3−c〕
ピリジン−3−カルボアミド (13)N−ヘキシル−ベンゾ〔b〕チエノ〔2,3−c〕
ピリジン−3−カルボアミド (14)4−(ベンゾ〔b〕チエノ〔2,3−c〕ピリジン
−3−カルボアミノ)酪酸エチルエステル (15)4−(ベンゾ〔b〕チエノ〔2,3−c〕ピリジン
−3−カルボアミノ)酪酸 本発明の前記一般式(I)で示される化合物は、下記の
合成法により得ることができる。
1)方法1 式中、A,R1,R2,R3,m,nは前記と同じ意味であり、R4およ
びR4′は水素またはR2であり、X1はハロゲン原子、メタ
ンスルホン基、4,6−ジメチルピリミジニルメルカプト
基などのように、水素原子と結合して酸になるものか、
あるいは脱離基として優れたものを表わす。
化合物(II)から化合物(III)を得る方法は、エツチ
・アール・シナイダー,ドナルド・エス・マターソン,
ジヤーナル・オブ・アメリカン・ケミストリー・ソサイ
アテイ(H.R.Snyder and Donald S.Matteson,J.Am.Che
m.Soc.),79,2217(1957)を参考にした。
化合物(II)から化合物(III)を合成する方法におい
て用いられる溶媒は、酢酸、ジメチルホルムアミド等の
極性溶媒と、ベンゼン、トルエン等の無極性溶媒の混合
溶媒であり、好ましくは化合物(II)を酢酸に溶解した
溶液に、アルキルデンイソプロピルアミンのベンゼン溶
液を滴下するのがよい。アルキルデンイソプロピルアミ
ンは一般に1〜3当量用いられ、好ましくは1.1〜1.5当
量である。また、アルキルデンイソプロピルアミンに換
えてアルキルデンターシヤリーブチルアミン等を用いて
もよい。反応触媒として塩酸、硫酸等を加えてもよい。
反応温度は−20〜50℃で行われ、好ましくは0〜10℃で
ある。一般には10〜70時間で終了する。
化合物(III)から化合物(IV)および(V)を得る方
法は、デイー・エー・リトル,デイー・アイ・ウエイス
ブレート,ジヤーナル・オブ・アメリカン・ケミストリ
ー・ソサイアテイ(D.A.Little and D.I.Wesblat,J.Am.
Chem.Soc.),69,2118(1947)を参考にした。
化合物(III)から化合物(IV)を合成する方法におい
て用いられる溶媒は、キシレン、トルエン等であり、好
ましくはキシレンである。この反応温度は50〜150℃で
行われ、好ましくは90〜100℃である。一般には1〜12
時間で終了する。アルキルニトロアセテートは1〜3当
量用いる。
化合物(IV)から化合物(V)を合成する方法において
用いられる溶媒は、メチルアルコール、エチルアルコー
ル等の極性溶媒と水の混合溶媒がよい。この反応温度は
10〜120℃で行われ、好ましくは60〜80℃である。一般
には10〜120分間で終了する。鉄粉は1〜10当量用い、
塩化水素は1〜20当量用いる。また、鉄粉の代りに亜鉛
等の金属を用いてもよく、あるいはラネーニツケル、パ
ラジウム−活性炭等の触媒存在下での水素による還元を
行つてもよい。
化合物(V)から化合物(VI)、(VII)を合成する方
法は、ゲルハルト・ウオルフ,フエリツクス・チモール
コブスキー,アーチブ・ベア・フアーマジイ(Gerhard
Wolf and Felix Zymalkowski,Arch.Pharm.),279,309
(1976)を参考にした。
化合物(V)から化合物(VI)を合成する方法において
用いられる溶媒は、エタノール、ベンゼン等の有機溶媒
である。この反応温度は50〜150℃で行われ、一般には
1〜12時間で終了する。
化合物(VI)から化合物(VII)を合成する方法におい
て用いられる溶媒は、メタノール、エタノール、水等で
あり、好ましくは水である。この反応温度は50〜120℃
で行われ、一般には10分間〜2時間で終了する。又反応
触媒として、10〜100当量の塩酸、硫酸、p−トルエン
スルホン酸等の酸を用いる。
化合物(VII)から化合物(I)を得る方法は、ミハエ
ル・カインら、ジヤーナル・オブ・メデイシナル・ケミ
ストリー(Michael Cain et al,J.Med.Chem.),1081,25
(1982)を参考にした。
化合物(VII)から化合物(I)を合成する方法におい
て用いられる溶媒は、ベンゼン、トルエン、キシレン、
ジオキサン、テトラヒドロフラン等の有機溶媒である。
元素状イオウは一般には1〜30当量用いられ、好ましく
は15〜25当量である。この反応温度は50〜150℃で行わ
れ、好ましくは100〜120℃である。一般には1〜7日で
終了する。
また、他の方法としてジクロロジシアノベンゾキノン、
クロロアニソール、四酢酸鉛、パラジウム−黒、パラジ
ウム−活性炭を用いてもよい。
前記(III)式の物質を出発物質とし、以下の方法2で
も行うことができる。
2)方法2 式中、A,R1,R2,R3,R4,R4′は前記と同じ意味である。R
11およびR12はそれぞれ水素原子、無置換または置換さ
れたアルキル基、アミノ基である。R′はメチル基、エ
チル基などの炭素数1から6個までのアルキル基であ
り、Bocはターシヤリー−ブトキシカルボニル基であ
り、X1,X2およびX3はハロゲン原子、メタンスルホン
基、4,6−ジメチルピリミジニルメルカプト基などのよ
うに、水素原子と結合して酸になるものか、あるいは脱
離基として優れたものを表す。
化合物(III)から化合物(VIII)および(IX)を得る
方法は、デイー・エー・リトル,デイー・アイ・ウエイ
スブレート,ジヤーナル・オブ・アメリカン・ケミスト
リー・ソサイアテイ(D.A.Little and D.I.Wesblat,J.A
m.Chem.Soc.,69,2118(1947)を参考にした。
化合物(III)から化合物(VIII)を合成する方法にお
いて用いられる溶媒は、キシレン、トルエン等であり、
好ましくはキシレンである。この反応温度は50〜150℃
で行われ、好ましくは90〜100℃である。一般には1〜1
2時間で終了する。アルキルニトロアセテートは1〜3
当量用いる。
化合物(VIII)から化合物(IX)を合成する方法におい
て用いられる溶媒は、メチルアルコール、エチルアルコ
ール等の極性溶媒と水の混合溶媒がよい。この反応温度
は10〜120℃で行われ、好ましくは60〜80℃である。一
般には10〜120分間で終了する。鉄粉は1〜10当量用
い、塩化水素は1〜20当量用いる。また、鉄粉の代りに
亜鉛等の金属を用いてもよく、あるいはラネーニツケ
ル、パラジウム−活性炭等の触媒存在下での水素による
還元を行つてもよい。
化合物(IX)から化合物(X)(XI)を合成する方法
は、ゲルハルト・ウオルフ,フエリツクス・チモールコ
ブスキー,アーチブ・ベア・フアーマジイ(Gerhard Wo
lf and Felix Zymalkowski,Arch.Pharm.),279,309(19
76)を参考にした。
化合物(IX)から化合物(X)を合成する方法において
用いられる溶媒は、エタノール、ベンゼン等の有機溶媒
である。この反応温度は50〜150℃で行われ、一般には
1〜12時間で終了する。
化合物(X)から化合物(XI)を合成する方法において
用いられる溶媒は、メタノール、エタノール、水等であ
り、好ましくは水である。この反応温度は50〜120℃で
行われ、一般には10分間〜2時間で終了する。また、反
応触媒として10〜100当量の塩酸、硫酸、p−トルエン
スルホン酸等の酸を用いる。
化合物(XI)から化合物(XII)を得る方法は、テイー
・ナカガワ,ケー・クロイワ,ケー・ナリタ,ワイ・イ
ソワ,ブルテン・オブ・ザ・ケミカル・ソサイアテイー
・オブ・ジヤパン(T.Nakagawa,K.Kuroiwa,K.Narita,Y.
Isowa,Bull.Chem.Soc.Japan.),1269,46(1973)を参考
にした。化合物(XI)から化合物(XII)を合成する方
法において用いられる溶媒は、クロロホルム、塩化メチ
レン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド等の
有機溶媒である。
この反応温度は0〜100℃で行われ、一般には1〜48時
間で終了する。化合物(XI)のHX1を中和するために、
トリエチルアミン、N−メチルモルホリン等の三級アミ
ンが用いられる。また、ターシヤリーブトキシカルボニ
ル基(Boc基)を導入する方法として、Boc−アジド等の
Boc化剤を用いてもよい。あるいはBoc基の代りにベンジ
ルオキシカルボニル等の他のアミノ基の保護基を用いて
もよい。
化合物(XII)から化合物(XIII)を得る方法は、イー
・ブランド,ビー・エフ・エルランガー,エツチ・サツ
クス,ジエー・ポラトニツク,ジヤーナル・オブ・アメ
リカン・ケミストリー・ソサイアテイ(E.Brand,B.F.Er
langer,H.Sacks,J.Polathick,J.Am.Chem.Soc.),73,35
10(1951)を参考にした。化合物(XII)から化合物(X
III)を合成する方法において用いられる溶媒は、メタ
ノール、エタノール等のアルコールか水である。この反
応温度は0〜80℃で行われ、一般には1〜48時間で終了
する。水酸化ナトリウムは1〜3当量用いられる。ま
た、水酸化ナトリウムの代りに水酸化カリウム等を用い
てもよい。アルカリを中和する酸としては、クエン酸、
酢酸が用いられる。
化合物(XIII)から化合物(XIV)を得る方法は、ジー
・ダブリユー・アンダーソン,ジエー・イー・ツイマー
マン,エフ・カラハン,ジヤーナル・オブ・アメリカン
・ケミストリー・ソサイアテイ(G.W.Anderson,J.E.Zim
mer−mann,F.Callahan,J.Am.Chem.Soc.),85,3039(19
63)を参考にした。化合物(XIII)から化合物(XIV)
を合成する方法において用いられる溶媒は、クロロホル
ム、塩化メチレン、ジオキサン、テトラヒドロフラン、
ジメチルホルムアミド等の有機溶媒である。この反応温
度は−20〜100℃で行われ、一般には10分〜48時間で終
了する。アミド結合形成反応の方法として、N−ヒドロ
キシスクシイミドによる活性エステル法により行つた。
通常はN−ヒドロキシスクシイミド1〜3当量が用いら
れる。水酸化ナトリウムは1〜3当量用いられる。ま
た、他の方法として、酸クロリド法、ジシクロヘキシル
カルボジイミド法、混合酸無水物法等を用いてもよい。
化合物(XIV)から化合物(XV)を得る方法は、ジー・
ダブリユー・アンダーソン,エー・シー・マクレガー,
ジヤーナル・オブ・アメリカン・ケミストリー・ソサイ
アテイ(G.W.Anderson,A.C.Mcgregor,J.Am.Chem.So
c.),79,6180(1957)を参考にした。化合物(XIV)か
ら化合物(XV)を合成する方法において用いられる溶媒
は、酢酸エチル、ジオキサンである。この反応温度は−
20〜100℃で行われ、一般には10分〜5時間で終了す
る。用いられる塩酸は1〜20当量である。また、塩酸の
代りにトリフロロ酢酸、臭化水素、フツ化水素、メタン
スルホン酸等を用いてもよい。
化合物(XV)から化合物(I)を得る方法は、ミハエル
・カインら,ジヤーナル・オブ・メデイシナル・ケミス
トリー(Michael Cain et al,J.Med.Chem.,1081,25(19
82)を参考にした。
化合物(XV)から化合物(I)を合成する方法において
用いられる溶媒は、ベンゼン、トルエン、キシレン、ジ
オキサン、テトラヒドロフラン等の有機溶媒である。元
素状イオウは一般には1〜30当量用いられ、好ましくは
15〜25当量である。この反応温度は50〜150℃で行わ
れ、好ましくは100〜120℃である。一般には1〜7日で
終了する。
また、他の方法としてジクロロジシアノベンゾキノン、
クロロアニソール、四酢酸鉛、パラジウム−黒、パラジ
ウム−活性炭を用いてもよい。
化合物(I)を得る方法として、前記(IX)式の化合物
から以下の方法3に示すルートにより合成を行つてもよ
い。
3)方法3 また、他のアミド化の方法として、以下の方法4にした
がい、エステルより直接アミドにしてもよい。
4)方法4 この場合は、フエニルリチウム等の触媒を用いてもよ
い。
また、前記一般式(I)で表される化合物は、薬理上許
容される酸または塩基付加塩の形にすることができる。
薬理上許容される酸付加塩としては、例えば、塩酸、硫
酸、リン酸等の無機酸、または酢酸、p−トルエンスル
ホン酸、マレイン酸等の有機酸との酸付加塩を挙げるこ
とができる。また、塩基付加塩としては、例えば、水酸
化ナトリウム、水酸化カルシウム等の無機塩基、または
アンモニア、トリエチルアミン等の有機塩基との塩基付
加塩を挙げることができる。
本発明化合物をヒトに投与する際、中枢神経系疾患の場
合、経口剤または静脈内注射により投与される。その投
与量は、成人1日あたり10ないし300mgを、1ないし3
回にわけて投与する。投与期間は数日ないし6ケ月の連
日投与であるか、患者の状態により、1日投与量、投与
期間ともに増減はある。
また、本発明化合物は、患者の状態に応じて他剤と併用
してもよい。例えば、中枢神経系疾患では抗不安薬、抗
うつ薬、脳代謝賦活薬、脳循環改善薬等と併用される。
(実施例) 以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、
本発明は、これに限定されるものではない。
参考例 ベンゾ〔b〕チエノ〔2,3−c〕イリジン−3−カルボ
ン酸は、下記の方法によつて得た。乾燥ジオキサン700m
lに金属ナトリウムの小片を加え、室温下、アセトアミ
ノマロン酸ジエチルエステル50gを加え、一昼夜還流す
る。反応液に3−クロルメチルベンゾ〔b〕チオフエン
32.3gを加え、さらに1.5日還流する。反応終了後、室温
下、メタノールを20ml加え30分間撹拌した。不溶物を
過し、液を減圧濃縮した後、シリカゲルカラムクロマ
トグラフイー(クロロホルム)により精製し、エチルα
−アセトアミノ−α−カルベトロキシ−β−(3−ベン
ゾ〔b〕チオフエン)−プロピオネート30.5g(収率47
%)を得た。
IR(νmax,cm-1)3275,1740,1640,1510 NMR(δ,CDCl3)1.30(t,J=6Hz,6H)、1.95(s,3H)、
3.67(s,2H),4.17(q,J=6Hz,4H)、6.50〜8.00(m,5
H) エチルα−アセトアミノ−α−カルベトロキシ−β−
(3−ベンゾ〔b〕チオフエン)−プロピオネート30.5
gをメタノール250mlに加え、水酸化ナトリウム13.45gを
水500mlに溶解した液をメタノール溶液に加え、2時間
還流した。反応終了後、メタノールを減圧留去し、水溶
液を濃塩酸によりpH1,0にした後、クロロホルム300mlで
2回抽出した。クロロホルム層は硫酸マグネシウムで乾
燥した後、溶媒を減圧留去しα−アセトアミノ−α−カ
ルボキシ−β−(3−ベンゾ〔b〕−チオフエン)−プ
ロピオン酸16.75gを得た。(収率65%) IR(νmax,cm-1)1730,1635,1540 NMR(δ,CDCl3)1.87(s,3H)、3.45(m,2H)、7.17〜
8.00(m,5H),9.33(s,2H) α−アセトアミノ−α−カルボキシ−β−(3−ベンゾ
〔b〕チオフエン)−プロピオン酸30gを水200mlに加
え、3時間還流した。反応温度を室温に戻し、水酸化ナ
トリウム15.6gを少しずつ加え、2.5日還流した。反応終
了後室温に戻し、クロロホルム100mlで洗浄した。水層
を濃塩酸によりpH4.0にし、一夜冷蔵庫で放置後、析出
するα−アミノ−(3−ベンゾ〔b〕チオフエン)−プ
ロピオン酸を取し、減圧乾燥した。収量16.0g(収率7
4%) IR(νmax,cm-1)1590,1425,1020 NMR〔δ,D2O,(CH33Si(CH23SO3Na〕 3.00〜4.00(m,3H)、7.20〜8.00(m,5H) 乾燥メタノール640mlを0℃に冷却し、塩化チオニル20.
8mlを徐々に加える。30分間0℃で撹拌し、α−アミノ
−(3−ベンゾ〔b〕チオフエン)−プロピオン酸16.0
gを0℃で加え、30分間撹拌した。室温下2日間撹拌
し、メタノールを減圧留去した後、5%炭酸水素ナトリ
ウム水150mlを加え、塩化メチレン300mlで抽出した。塩
化メチレン層は、硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧留去
し、α−アミノ−(3−ベンゾ〔b〕チオフエン)−プ
ロピオン酸メチルエステル15.8gを得た。(収率93%) IR(νmax,cm-1)2975,1730,1180 NMR(δ,CDCl3)3.0〜3.37(m,3H)、4.07(s,3H)、7.
17〜8.00(m,5H) α−アミノ−(3−ベンゾ〔b〕チオフエン)−プロピ
オン酸メチルエステル15.8gを400mlの酢酸エチルに溶解
し、p−トルエンスルホン酸・1水和物12.76gの酢酸エ
チル溶液を0℃で撹拌しながら徐々に加える。析出する
結晶を取し、ジエチルエーテルで結晶を洗浄する。α
−アミノ−(3−ベンゾ〔b〕チオフエン)−プロピオ
ン酸メチルエステル・p−トルエンスルホン酸塩24.90g
を得た。(収率91%) IR(νmax,cm-1)3050,2940,1738,1590,1500 α−アミノ−(3−ベンゾ〔b〕チオフエン)−プロピ
オン酸メチルエステル・p−トルエンスルホン酸塩4.08
gを水25mlとメタノール25mlの混合溶媒に加え、さらに3
5%ホルマリン溶液1.3mlを加え、14時間還流した。反応
液を約半分に濃縮し、一夜室温で放置した。析出した結
晶を取し、減圧乾燥して、1,2,3,4−テトラヒドロ−
ベンゾ〔b〕チエノ〔2,3−c〕ピリジン−3−カルボ
ン酸メチルエステル・p−トルエンスルホン酸塩3.94g
を得た(収率93%)。さらにクロロホルム30ml、水30ml
を加え、炭酸水素ナトリウムで水層のpHを9〜10に調整
し、クロロホルム層に抽出した。クロロホルム層は芒硝
で乾燥し、減圧留去後、1,2,3,4−テトラヒドロベンゾ
〔b〕チエノ〔2,3−c〕ピリジン−3−カルボン酸メ
チルエステル2.32gを得た。
IR(νmax,cm-1)3300,1730,1460,1435 NMR(δ,CDCl3)2.18(bs,1H)、3.02(m,2H)、3.85
(m,4H)、4.23(bs,2H)、7.66(m,4H) Mass(m/e)247(M+),187,160,128,115,94 1,2,3,4−テトラヒドロベンゾ〔b〕チエノ〔2,3−c〕
ピリジン−3−カルボン酸メチルエステル14,64gをキシ
レン900mlとジオキサン100mlの混合溶媒に溶解し、イオ
ウ粉末41gを入れ、5日間還流する。反応終了後、溶媒
を減圧留去し、残査をガラスフイルター上で、メタノー
ルにより数回洗浄する。メタノールを減圧留去し、残査
をクロロホルムに溶解し、5%クエン酸水溶液、5%炭
酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄する。クロ
ロホルム層を芒硝で乾燥し、クロロホルムを減圧留去す
る。クロロホルム−エーテルにより再結晶し、ベンゾ
〔b〕チエノ〔2,3−c〕ピリジン−3−カルボン酸メ
チルエステル12,4g(収率86%)を得た。
IR(νmax,cm-1)2950,1720,1600,1520 NMR(δ,CDCl3)4.15(s,3H)、7.50〜8.50(m,4H)、
8.91(s,1H)、9.33(s,1H) Mass(m/e)243(M+)212,184 ベンゾ〔b〕チエノ〔2,3−c〕ピリジン−3−カルボ
ン酸メチルエステル12.16gをメタノール200mlに溶解
し、1N水酸化ナトリウム−メタノール溶液55mlを加え、
30分還流する。室温に戻した後、一夜冷蔵庫で放置し、
析出した結晶を取する。結晶を水に懸濁し、1Nの塩酸
によりpHを2〜3に調整した後、室温下で一昼夜撹拌す
る。沈澱物を取し、ベンゾ〔b〕チエノ〔2,3−c〕
ピリジン−3−カルボン酸10.2g(収率88%)を得た。
IR(νmax,cm-1)1700,1600,1570,1530 NMR(δ,2−DMSO)7.60〜7.90(m,2H)、8.10〜8.40
(m,1H)、8.60〜8.80(m,1H)、9.07(s,1H)、9.51
(s,1H) Mass(m/e)229(M+)185,158,140 実施例1 N−(2−アミノエチル)−ベンゾ〔b〕チエノ〔2,3
−c〕ピリジン−3−カルボアミド塩酸塩は、以下の方
法で合成した。
参考例1で合成したベンゾ〔b〕チエノ〔2,3−c〕ピ
リジン−3−カルボン酸487mgとベンジルオキシカルボ
ニルエチレンジアミン塩酸塩(Z−NHC2H4NH2・HCl)50
8mgをジメチルホルムアミド(DMF)10mlに懸濁し、トリ
エチルアミンを307μ加え、0℃に冷却した。続いて
ジフエニルホスホリルアジド(DPPA)660mg、トリエチ
ルアミン336μを加え、氷冷下1時間、室温一夜撹拌
した合反応液を酢酸エチル200mlで希釈し、5%クエン
酸水溶液、5%炭酸水素ナトリウム水溶液飽和食塩水で
洗浄した後、硫酸ナトリウムで乾燥した。酢酸エチルを
減圧留去し、残査を酢酸10mlに溶解し、25%臭化水素−
酢酸溶液を5ml加え、50℃で2時間撹拌した。反応液を
水200mlで希釈した後、エーテルで2回洗浄した。水酸
化ナトリウムでpH11に調整した後、クロロホルムで3回
抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥した。クロロホルムを減
圧留去し、残査を酢酸エチル100mlで希釈し、1規定塩
酸/酢酸エチルを2ml滴下し、析出する結晶を取し、
N−(2−アミノエチル)−ベンゾ〔b〕チエノ〔2,3
−c〕ピリジン−3−カルボアミド塩酸塩230mg(収率3
7%)を得た。
IR(νmax,cm-1)3320,2950,2900,1650,1520,1240,760,
740 NMR(δ,d6−DMSO)2.90〜3.40(m,2H)、3.50〜3.90
(m,2H)、7.50〜7.90(m,4H)、8.10〜8.30(m,1H)、
8.30〜8.70(m,2H)、9.30(s,1H)、9.50(s,1H) Mass(m/e)271(M+),252,242,229,185,140 また、ベンジルオキシカルボニルエチレンジアミンの代
りにベンジルオキシカルボニルトリメチレンジアミンを
用い、上記と同様な操作を行うことにより、N−(3−
アミノプロピル)−ベンゾ〔b〕チエノ〔2,3−c〕ピ
リジン−3−カルボアミド塩酸塩を得た。
また、メチリデンイソプロピルアミンの代りにエチリデ
ンイソプロピルアミンを用い、上記と同様な操作を行う
ことにより、N−(2−アミノエチル)−4−メチルベ
ンゾ〔b〕チエノ〔2,3−c〕ピリジン−3−カルボア
ミド塩酸塩を得た。
また、ベンゾ〔b〕チオフエンの代りに5−クロロベン
ゾ〔b〕チオフエンを用い、上記と同様な方法により、
N−(2−アミノエチル)−6−クロロベンゾ〔b〕チ
エノ〔2,3−c〕ピリジン−3−カルボアミド塩酸塩を
得た。
また、ベンゾ〔b〕チオフエンの代りにベンゾ〔b〕フ
ランを用い、上記と同様な方法により、N−(2−アミ
ノエチル)−ベンゾ〔b〕フラノ〔2,3−c〕ピリジン
−3−カルボアミド塩酸塩を得た。
また、環化反応のときにホルマリンの代わりにベンズア
ルデヒドを用い、pHを塩酸により2に調整し、上記と同
様な方法により、N−(2−アミノエチル)−1−フエ
ニルベンゾ〔b〕チエノ〔2,3−c〕ピリジン−3−カ
ルボアミド塩酸塩を得た。
以下に、最終工程の収量、収率を表1−1に、機器分析
の結果を表1−2に示す。
実施例2 ベンゾ〔b〕チエノ〔2,3−c〕ピリジン−3−カルボ
アミドは、以下の方法により得た。
ベンゾ〔b〕チエノ〔2,3−c〕ピリジン−3−カルボ
ン酸エチルエステル487mgをエタノール30mlに溶解し、
氷冷下アンモニアガスを15分ゆつくりと吹き込んだ。3
日間室温で静置した後、析出した結晶を取し、ベンゾ
〔b〕チエノ〔2,3−c〕ピリジン−3−カルボアミド4
10mg(収率89%)を得た。
IR(νmax,cm-1)3400,3280,3160,1685,1600,1530,142
0,1360,720 NMR(δ,d6−DMSO)7.50〜7.90(m,2H)、8.00〜8.30
(m,1H)、8.50〜8.80(m,1H)、8.95(s,1H)、9.30
(s,1H) Mass(m/e)227(M+),185,158,140 実施例3 ベンゾ〔b〕チエノ〔2,3−c〕ピリジン−3−カルボ
ヒドラジドは、以下の方法により得た。
ベンゾ〔b〕チエノ〔2,3−c〕ピリジン−3−カルボ
ン酸エチルエステル515mgを乾燥メタノール20mlに溶解
し、ヒドラジン二塩酸塩252mgとトリエチルアミン700μ
を加えた。2日間撹拌し、2時間還流した後、室温に
戻し、析出した結晶を取し、ベンゾ〔b〕チエノ〔2,
3−c〕ピリジン−3−カルボヒドラジド169mg(収率30
%)を得た。
IR(νmax,cm-1)3400,1690,1570,1320,740 NMR(δ,d6−DMSO)(塩酸塩)5.80〜7.20(br,3H)、
7.50〜7.90(m,2H)、8.10〜8.40(m,1H)、8.60〜8.80
(m,1H)、9.10(s,1H)、9.50(s,1H) mass(m/e)243,212,184,140 実施例4 N−(2−ジメチルアミノエチル)−ベンゾ〔b〕チエ
ノ〔2,3−c〕ピリジン−3−カルボアミド塩酸塩は、
以下の方法により得た。
ベンゾ〔b〕チエノ〔2,3−c〕ピリジン−3−カルボ
ン酸487mgとN,N−ジメチルエチレンジアミン212mgをジ
メチルホルムアミド10mlに溶解し、続いてDPPA660mg、
トリエチルアミン335μを加え、室温下一夜撹拌し
た。反応液を酢酸エチル100mlで希釈し、1規定水酸化
ナトリウム水溶液で2回洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥
した。酢酸エチルを減圧留去した後、残査をシリカゲル
カラムクロマトグラフイー(酢酸エチル:エタノール:
アンモニア水=10:3:1)により精製した。さらに、酢酸
エチル50mlで希釈し、1規定塩酸−酢酸エチル2mlを加
え、析出する結晶を取し、N−(2−ジメチルアミノ
エチル)−ベンゾ〔b〕チエノ〔2,3−c〕ピリジン−
3−カルボアミド塩酸塩570mg(収率85%)を得た。
IR(νmax,cm-1)3300,2950,1660,1600,1420,1320,101
0,760,730 NMR(δ,d6−DMSO)2.90(s,6H)、3.00〜3.40(m,2
H)、3.50〜3.80(m,2H)、7.60〜7.90(m,2H)、8.20
〜8.40(m,1H)、8.60〜8.80(m,1H)、9.10(s,1H)、
9.50(s,1H) Mass(m/e)299(M+),229,212,184,140 実施例5 N−メチル−ベンゾ〔b〕チエノ〔2,3−c〕ピリジン
−3−カルボアミドは、以下の方法により得た。
ベンゾ〔b〕チエノ〔2,3−c〕ピリジン−3−カルボ
ン酸459mgとメチルアミン塩酸塩162mgをジメチルホルム
アミド5mlに懸濁し、トリエチルアミンを307μ加え
る。氷冷下、DPPA660mg、続いてトリエチルアミン335μ
をゆつくり滴下し、3時間撹拌した。反応液を酢酸エ
チル50mlで希釈し、常法にしたがい分液操作を行つた
後、シリカゲル薄層クロマトグラフイー(クロロホルム
−メタノール=30:1)により精製し、さらに、酢酸エチ
ル−ヘキサンにより再結晶を行い、N−メチル−ベンゾ
〔b〕チエノ〔2,3−c〕ピリジン−3−カルボアミド4
34mg(収率89%)を得た。
IR(νmax,cm-1)3400,3300,3050,2950,1660,1520,132
0,1230,770,730 NMR(δ,CDCl3)3.05(d,J=5Hz,3H)、7.50〜7.80(m,
2H)、7.80〜8.00(m,1H)、8.00〜8.20(m,2H)、8.80
(s,1H)、8.90(s,1H) Mass(m/e)242(M+),213,185,140 また、メチルアミン塩酸塩の代りにエチルアミン−p−
トルエンスルホン酸塩、プロピルアミン塩酸塩、n−ヘ
キシルアミン塩酸塩、あるいは4−アミノ酪酸エチルエ
ステル塩酸塩を用いることにより、N−エチル−ベンゾ
〔b〕チエノ〔2,3−c〕ピリジン−3−カルボアミ
ド、N−プロピル−ベンゾ〔b〕チエノ〔2.3−c〕ピ
リジン−3−カルボアミド、N−ヘキシル−ベンゾ
〔b〕チエノ〔2,3−c〕ピリジン−3−カルボアミ
ド、4−(ベンゾ〔b〕チエノ〔2,3−c〕ピリジン−
3−カルボアミノ)−酪酸エチルエステルを得た。表2
−1に反応条件、収量、収率を、表2−2に機器分析の
データを示す。
実施例6 4−(ベンゾ〔b〕チエノ〔2,3−c〕ピリジン−3−
カルボアミノ)−酪酸は、以下の方法により得られた。
4−(ベンゾ〔b〕チエノ〔2,3−c〕ピリジン−3−
カルボアミノ)−酪酸エチルエステル3.42gをエタノー
ル50mlに溶解し、6N NaOH水を2ml加え、30分還流した。
エタノールを減圧留去し、残査に水を加え、クエン酸に
よりpHを3に調整し、クロロホルムで2回抽出した。ク
ロロホルム層を硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧濃縮
し、得られた結晶をクロロホルム−エーテルで再結晶
し、4−(ベンゾ〔b〕チエノ〔2,3−c〕ピリジン−
3−カルボアミノ)−酪酸2.55g(収率81%)を得た。
IR(νmax,cm-1)3350,3050,2900,2850,1700,1640,102
0,790,740 NMR(δ,d6−DMSO)1.70〜2.10(m,2H)、2.10〜2.50
(m,2H)、3.30〜3.60(m,2H)、7.50〜7.90(m,2H)、
8.00〜8.20(m,1H)、8.30〜8.80(m,2H)、9.00(s,1
H)、9.30(s,1H) Mass(m/e)314(M+),255,241,212,185,140 (発明の効果) 本発明による化合物は、以下の特異的な抗不安作用、学
習改善作用を示す。
ウイスター雄性ラツト(6週冷)を用い、フオーゲル・
ジエー・アール,ベア・ビー,クローデイー・デイー・
イー,サイコフアルマコロジア(Vogel J.R.,Beer B.,a
nd Clody D.E.,Psychopharmacologia),1−7,21(197
1)を参考にしたウオーター・リツク・コンフリクト・
テスト(Water lick conflict test)を用い、本化合物
の抗不安作用、学習改善作用を調べた。
本テストは絶水したラツトを用い、ラツトが水を飲む毎
に電気シヨツクがかかるようにして、ラツトを葛藤(不
安)状態にして、それに対する薬物の作用を調べるもの
である。
(1) 抗不安作用 テスト前24時間絶水させたラツトに飲水させる。4〜5
時間後に薬物を投与し、処置時間をおいて試験を開始し
た。被シヨツク数とは、ラツトが水が飲み始めて5分間
に受けた電気シヨツクの数であり、飲水すると電気シヨ
ツクを被るという葛藤(不安)を抑えるか否かを示すも
のである。すなわち、被シヨツク数が増加するというこ
とは、抗不安作用が増強されたことを意味する。
表3に薬物無投与ラツトを100とした時の値を示した。
(n=5) (2) 学習改善作用 この試験系は(1)の抗不安作用の測定と同時に行つた
もので、絶水したラツトが最初に水を飲み始めるまでの
潜時時間を測定するものである。
潜時時間が長いほど学習改善作用が増強されたと判断さ
れる。表4に薬物無投与ラツトの平均値を100とした時
の値を示した。(n=5) 本化合物は、有意に潜時時間を延長し、学習改善作用を
有することが示された。このことは、本化合物が抗不安
薬、抗痴呆薬になり得る得ることを示唆した。
(3) 本発明の有用性 抗不安効果に関して、従来技術との比較を行つた。特開
昭56−43283の代表化合物であるβ−カルボリン−3−
エチルエステル(β−CCEと略す)、特公昭50−2510の
代表化合物である6−クロロ−1,2,3,4−テトラヒドロ
−ベンゾチエノ〔2,3−c〕ピリジン(C−1と略
す)、特開昭61−236779の代表化合物であるベゾチエノ
〔2,3−c〕ピリジン−3−カルボン酸エチルエステル
(A−1と略す)と本発明の代表化合物であるN−(2
−アミノエチル)−ベンゾチエノ〔2,3−c〕ピリジン
−3−カルボアミド塩酸塩(A−2と略す)の抗不安作
用の比較試験を行つた。試験法は(1)抗不安作用の方
法と全く同様にして行つた。試験結果を表5に示した。
表−5 抗不安作用の試験結果より、本発明のN−(2
−アミノエチル)−ベンゾチエノ〔2,3−c〕ピリジン
−3−カルボアミド塩酸塩は従来技術と比較して有意に
差があり、有用性は充分にあると思われる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−96189(JP,A)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式(I) (式中、Aはイオウ原子または酸素原子、R1はアミノ
    基、ヒドラジノ基またはアミノ;ジ低級アルキルアミ
    ノ;低級アルキルアミノ;カルボキシもしくは低級アル
    コキシカルボニル基で置換されていてもよい炭素数1〜
    6個のアルキル−アミノ基、R2およびR3はハロゲン原
    子、低級アルキル基またはフェニル基を表し、mは0〜
    2の整数、nは0〜4の整数であり、mおよびnが2以
    上の場合、R2およびR3はそれぞれ同一でも異なってもよ
    い。) で示されるピリジン誘導体およびその塩。
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