JPH07147896A - コンテナ装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 青果物を輸送したり貯蔵したりするためのコ
ンテナ装置において、貯蔵雰囲気ガスの制御が容易に出
来るコンテナ装置を提供することを目的とする。 【構成】 外部と連通・遮断自在な二方コック４、５を
備えたガス取入口２とガス排出口３とを有する貯蔵容器
１と、貯蔵容器１のガス取入口２に気体分離複合膜から
なるスパイラルモジュール６とを有する構成であり、ス
パイラルモジュール６で空気中の窒素を濃縮し、得られ
た窒素富化空気を貯蔵機器１へ供給することにより、貯
蔵容器１内部が窒素富化空気で置換され、所定の酸素濃
度とすることができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、青果物を輸送したり貯
蔵したりするためのＭＡ（モデファイド・アトモスフェ
ア）コンテナ等のコンテナ装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】青果物は生きて呼吸しており酸素を必要
としている。しかし、この呼吸の程度が激しければ激し
い程、成熟し腐敗していく速度が速くなる。従来より青
果物を長期間に渡って貯蔵する場合、貯蔵温度の制御と
貯蔵雰囲気ガスの制御が有効とされている。これは、貯
蔵温度、雰囲気ガス（一般には低温、低酸素濃度）を制
御することにより、青果物の呼吸作用を制御することが
出来るため、青果物の熟成から腐敗への進行を抑えるこ
とが出来るからである。

【０００３】従来の貯蔵容器を用いた貯蔵雰囲気ガスの
調節方法としては、密閉容器内に青果物を収納し、収納
した青果物の呼吸作用により酸素を消費し酸素濃度を低
下させたり、プロパンガスを燃焼させて空気中の酸素を
炭酸ガスとし、この炭酸ガスを除去して残った窒素を容
器内に供給することにより酸素濃度を低下させていた。
また、輸送用としては液体窒素を庫内に放出し、庫内の
空気を追い出し、酸素濃度を低下させる方法が提案され
てきた。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】このような従来の貯蔵
容器では、貯蔵雰囲気ガスの調節方法として青果物自身
の呼吸等により保存雰囲気ガスの酸素濃度を低下させる
場合、所定の酸素濃度にするためには長時間を必要とし
たり、また容器内を青果物で充満させなければならなか
った。また、プロパンガスを燃焼させる方法では生成さ
れる炭酸ガスの除去が必要で、設備が大きくなる等の課
題を有していた。さらに液体窒素を用いる輸送コンテナ
の場合、液体窒素タンクが必要となり設備が大きくなっ
たり、青果物に直接冷たい窒素ガスが吹き付けないよう
に注意を要するという課題を有していた。

【０００５】本発明は上記課題を解決するもので、貯蔵
雰囲気ガスの制御が容易に出来ることにより、それぞれ
の青果物に最適の貯蔵雰囲気ガス条件で貯蔵できるコン
テナ装置を提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために、外部と連通・遮断自在な開閉手段を備えた
ガス取入口とガス排出口とを有する貯蔵容器と、前記貯
蔵容器のガス取入口に接続される窒素富化手段とを有す
る構成である。

【０００７】また、窒素富化手段が、圧縮ポンプと気体
分離複合膜とを有する構成である。また、窒素富化手段
は圧縮ポンプの圧力により、得られる気体組成が異なる
構成である。

【０００８】

【作用】本発明は上記した構成により、窒素富化手段で
空気中の窒素を濃縮し、得られた窒素富化空気を貯蔵容
器へガス取入口から供給することにより、貯蔵容器内部
が窒素富化空気で置換され、所定の酸素濃度とすること
ができる。

【０００９】また、青果物に最適な酸素濃度になるよう
に窒化富化手段の圧縮ポンプを調節し貯蔵容器に供給し
てやると、貯蔵容器内の酸素濃度は容易に所定の酸素濃
度になるものである。

【００１０】

【実施例】

（実施例１）以下本発明の一実施例について、図１〜図
３の図面を参照しながら説明する。

【００１１】図１において、１は青果物を貯蔵するため
のポリエチレン製の貯蔵容器、２は窒素富化空気を貯蔵
容器１内に取入れるガス取入口、３は貯蔵容器１内の空
気を排出するガス排出口、４、５は外気と貯蔵容器１内
を連通・遮断するための開閉手段で、本実施例では二方
コックを用い、前記ガス取り入れ口２、ガス排出口３に
設置している。６は平膜状の気体分離複合膜（図示せ
ず）を円筒形状ケース６内に収容したスパイラルモジュ
ールであり、気体分離複合膜に圧縮空気を供給する空気
供給口７と、気体分離複合膜により濃縮された窒素富化
空気を取り出すための取り出し口８とが設けられてい
る。９は窒素富化空気の流量を調節する流量調節バルブ
で、前記取り出し口８に設置されている。１０はスパイ
ラルモジュール６の気体分離複合膜に圧縮空気を供給す
るための圧縮ポンプである。

【００１２】以下図１を用いてその動作を説明する。内
容積が１５リットルのポリエチレン製の貯蔵容器１のガ
ス取入口２と、スパイラルモジュール６の窒素富化空気
の取出口８とを塩化ビニール製のチューブ１１で結び、
また気体分離複合膜に圧縮空気を供給する空気供給口７
に圧縮ポンプ１０をポリウレタンチューブ１２で結び、
ガス取入口２とガス排出口３の二方コック４、５を開放
し、圧縮ポンプ１０を稼働させた。この時の圧縮ポンプ
１０の供給空気圧力は１Kgｆ／cm²であった。そして、
酸素濃度が５％になるように流量調節バルブ９を調節す
ることにより６００cc／分の流量が得られ、これを貯蔵
容器１に取入した。圧縮ポンプ１０の稼働から３０分で
貯蔵容器１内の酸素濃度は９％に達し、４５分で６．５
％、１時間で５．７％に達した。

【００１３】すなわち、圧縮ポンプ１０から圧縮空気が
気体分離複合膜に供給されると、酸素が選択的に気体分
離複合膜を透過し、スパイラルモジュール６の外へ排出
され、気体分離複合膜を透過しない空気は膜表面を流れ
ていく過程に於いて、窒素が濃縮される。このとき、流
量調節バルブ９を絞り、取入流量を少なくすれば酸素濃
度は低くなり、逆に取入流量を多くすると酸素濃度は高
くなる。従って流量調節バルブ９を調節することにより
必要な酸素濃度を得ることが出来ることとなる。この調
節された窒素富化空気を貯蔵容器１内に取入すると、ガ
ス排出口５が開放になっているため貯蔵容器１内の空気
がガス排出口５より押し出されていき、貯蔵容器１内の
酸素濃度が低下していくこととなる。貯蔵容器１内が必
要な酸素濃度に達したら圧縮ポンプ１０を停止させ、ガ
ス排出口３の二方コック５を閉じ、更にガス取入口２の
二方コック４を閉じると密閉された貯蔵容器が出来るこ
ととなる。また、圧縮ポンプ１０を連続稼働しても良
い。

【００１４】本実施例では貯蔵容器はポリエチレン製を
用いたが、貯蔵容器の材質はどんなものでも良く、例え
ばポリエステル、ポリプロピレン、ナイロン、塩化ビニ
ール製等の高分子材料を用いたケースや、他に金属ケー
ス等が考えられる。また形状も変形しない固定ケース、
必要に応じて容器内の空気を追い出し、縮めることの出
来る変形自在のケースでも良い。外気と遮断出来る手段
としてガス取入口とガス排出口に二方コックを用いたが
逆止弁等でも良い。

【００１５】以上のように本実施例によれば、この貯蔵
容器は大型である必要がないので大型冷蔵庫（倉庫）内
に積み重ねて貯蔵することができるし、貯蔵容器は色々
な形、大きさが可能であり家庭用の小型冷蔵庫でも貯蔵
容器内の酸素濃度を貯蔵する青果物に適した濃度に容易
に設定することができるため、簡単に網棚に載せて貯蔵
することが出来る。しかも冷蔵庫（倉庫）は密閉する必
要がない。

【００１６】青果物の貯蔵最適酸素濃度を表１に示し
た。

【００１７】

【表１】

【００１８】

【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によればガス取入口とガス排出口を有した貯蔵容器で、
ガス取入口に窒素富化手段を接続し、窒素富化空気を容
器内に取入れ、容器内部の空気を窒素富化空気で置換す
るため貯蔵する青果物に最適な貯蔵雰囲気ガス条件を容
易に作り出すことができる。また、貯蔵容器ごとに雰囲
気ガス条件を変えることができるため、一つの冷蔵庫
（倉庫）に雰囲気ガス条件の異なった容器を同時に貯蔵
することができ、種々な青果物を一箇所で同時に貯蔵で
き、冷蔵庫（倉庫）を有効に利用することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例におけるコンテナ装置の概略
図

【図２】本発明の一実施例における貯蔵容器の構成図

【図３】本発明の一実施例における窒素富化手段のモジ
ュール構成図

【符号の説明】

１ 貯蔵容器 ２ ガス取入口 ３ ガス排出口 ４ 二方コック ５ 二方コック ６ スパイラルモジュール ７ 空気供給口 ８ 窒素富化空気取り出し口 ９ 流量調節バルブ １０ 圧縮ポンプ

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 外部と連通・遮断自在な開閉手段を備え
   たガス取入口とガス排出口とを有する貯蔵容器と、前記
   貯蔵容器のガス取入口に接続される窒素富化手段とを有
   するコンテナ装置。
2. 【請求項２】 窒素富化手段が、圧縮ポンプと気体分離
   複合膜とを有する請求項１記載のコンテナ装置。
3. 【請求項３】 圧縮ポンプの圧力調整により、窒素富化
   の量を調整可能とした請求項２記載のコンテナ装置。