JPH07146416A - 屈折率分布型光伝送体およびその製法 - Google Patents

屈折率分布型光伝送体およびその製法

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JPH07146416A
JPH07146416A JP5317490A JP31749093A JPH07146416A JP H07146416 A JPH07146416 A JP H07146416A JP 5317490 A JP5317490 A JP 5317490A JP 31749093 A JP31749093 A JP 31749093A JP H07146416 A JPH07146416 A JP H07146416A
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refractive index
transmission body
optical transmission
light transmission
lens
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JP5317490A
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Yoshihiro Uozu
吉弘 魚津
Kikue Irie
菊枝 入江
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 解像度が70%以上の屈折率分布型光伝送体を
得ること。 【構成】 3μm以上の異物を含まない屈折率分布型光
伝送体であり、半径r0が4mm未満、 0.2r0〜0.8r0 の範
囲の屈折率が、理想二次曲線にほぼ近似の屈折率分布を
備えており、4ラインペア/mmなる格子像を用いて測定
したMTFが70%以上の屈折率分布型光伝送体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光集束性光ファイバ、
光集束性棒状レンズ、光センサ等種々の光伝送路として
有用に利用しうる屈折率分布型光伝送体に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】光伝送体断面内において、その中心部か
ら外周部に向って連続的な屈折率分布を有する光伝送体
が特公昭47−816号公報、同47−28059号公
報、ヨーロッパ公開公報0208159号公報に示され
ている。特公昭47−816号公報に示された屈折率分
布型光伝送体はガラスを素材とし、イオン交換法にて作
成しているため、その生産性が低く、同一形状(とくに
同一長)で同一性能を備えたものを異ロット間で作るこ
とは難しく、同一性能を備えた屈折率分布型光伝送体の
長さは不揃いとなり、その取扱い性が不足するという難
点があった。
【0003】特公昭47−28059号公報に示された
屈折率分布型プラスチック光伝送体は、屈折率が相異な
り、かつ、特定の溶剤に対する溶解度が異なる二以上の
透明な重合体を混合したものを棒状またはファイバ状に
賦形した後、前記溶剤に浸漬して、該成形物の表面より
前記重合体の一部を抽出処理することにより、前記重合
体成形物の表面から、その中心部にかけて前記重合体の
混合割合が変化したものとすることによって作られてい
る。この方法によって一応プラスチック製屈折率分布型
光伝送体を作ることはできるが、屈折率の異なる二種以
上の重合体を混合したものは屈折率のゆらぎが多くな
り、その透明性が低下するとともに、光散乱を起しやす
いものとなり、屈折率分布型光伝送体としての特性が十
分でないという問題点があり、その用途開発は進んでい
ない。
【0004】ヨーロッパ公開特許0208159号公報
には、少なくとも1種の熱可塑性重合体(A) と、重合し
た場合に重合体(A) と相溶しえ、かつ、重合体(A) とは
異なった屈折率の重合体となる単量体(B) との均一混合
物をロッド状に成形した成形体の表面より、単量体(B)
を揮散せしめることによって、該成形物の表面から内部
にかけて単量体(B) の連続的な濃度分布を与えた後、該
成形物中の未重合単量体を重合することによって屈折率
分布型プラスチック光伝送体を作る方法が示されてい
る。
【0005】屈折率分布型光伝送体の屈折率分布曲線は
理想的には[数3]によって表わされ、図2中のaに示
した曲線となるといわれている。
【数3】
【0006】ところが、本発明者等の検討によると、上
記方法によって作られた屈折率分布型光伝送体のインタ
ーファコ干渉顕微鏡にて後述する条件で測定し、屈折率
分布曲線は図2中のbに示すごとく、その中心から半径
方向 0.5r0〜0.75r0までの範囲(同図中c〜dの範囲、
eは最外周部を示す)は比較的[数3]で示す理想曲線
に近い屈折率分布曲線を備えているが、それよりも外側
および内側の屈折率分布は、その理想曲線から大きなく
ずれを生じている。
【0007】このような光伝送体にて格子模様を観察し
てみると、その屈折率分布が[数3]で規定する二次曲
線にほぼ正確にしたがう屈折率分布を有しているなら
ば、図3(a)に示すごとく、正常な格子像の観察を行うこ
とができるが、図2bに示すごとき屈折率分布がその理
想屈折率分布より離れた光伝送体にて格子像を観察する
と、図3(b)または(c) に示したごとく、大きく歪んだ格
子像が観察され、正確な画像伝送を行い得ないものとな
っている。また、その解像度を示すモデュレーション・
トランスファ・ファクター(MTF)は30%以下と極め
て低いものしか得られず、ファクシミリ用光伝送体とし
ては到底使用できないものであった。
【0008】図2bに示したごとき屈折率分布を備えた
従来法によって作られた屈折率分布型光伝送体は、図2
dよりも外周方向の部位を切削により削り取るか、ある
いは、当該部分を溶剤によって溶出処理し、該光伝送体
の光路が比較的理想的な屈折率分布を有するものとする
ことができるが、解像度の高い光伝送体とすることは難
しく、かつ、その生産性が極めて低く、均一な特性を備
えた製品を常に製造することが極めて難しいという難点
があった。
【0009】そこで本発明者等はLED等の単色光源を
用い、ファクシミリやイメージセンサとして使用可能な
解像度が高く、色収差の少ない屈折率分布型光伝送体を
得ることを目的として検討した結果、半径r0なる円形断
面を有する屈折率分布型光伝送体であり、該光伝送体の
中心軸から外周面に向って少なくとも0.25r0〜0.70r0
範囲の屈折率分布が、[数4]で規定する屈折率分布曲
線にほぼ近似の屈折率
【数4】 分布を備えており、 n0= 1.5±0.1 0.3 ≦g≦0.7 (mm-1) r0= 0.5±0.1 (mm) なる特性を備え、かつ、4ラインペア/mmなる格子像
を、該光伝送体を通してCCDラインセンサ上に結合さ
せてその測定光量の最大値imaxと測定光量の最小値imin
を測定し、[数5]にて算出したモデュレーション・ト
ランスファ・ファン
【数5】 クション(MTF)が40%以上なる特性を備えている屈
折率分布型光伝送体に関する発明を提案した。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】この発明において、光
伝送体の半径が0.4mm 以上とされているのは、この光伝
送体の太さがさらに細いものとすると、その明るさが不
足すること、屈折率分布の均一な光伝送体を効率よく作
ることが難しく、かつ、そのMTFを70%以上と高解像
度のものが得られにくいためである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、さらに生
産技術の向上およびレンズ性能の向上を目指して検討を
進めた結果、次のごときことが判明した。屈折率分布型
棒状レンズでほぼ理想的な分布を有するレンズについ
て、光線追跡シュミレーションによる解析を行った結果
を図4に示した。図4に示すように、屈折率分布型棒状
レンズ1の光線の入射端面をplane-S1、出射端面をplan
e-S2とし、光源のある平面をplane-S0、結像面となる平
面をplane-S3とする。それぞれの平面は、平行となるよ
うに配置する。plane-S0上に座標の原点およびx軸、y
軸をとり、この平面に垂直なz軸をとる。plane-S0上の
点A0から出た光は、屈折率分布型棒状レンズの光入射端
面plane-S1上の点A1に入射し、屈折率分布型棒状レンズ
の内部で蛇行しながら進み、光の出射端面plane-S2上の
点A2から出射し、plane-S3上の点A3に結像する。
【0012】図5に示すごとく、plane-S1上の屈折率分
布型棒状レンズの光入射端面に格子をきり、plane-S0
の点A0より発した光をこのメッシュ内の中心点を通過し
た光がplane-S3上の点A3近傍で、どのような集光状態に
あるのかを示したのが、図6のスポットダイヤグラムで
ある。屈折率分布型棒状レンズの内部での屈折率分布は
次式で示される。 n2(r)=n0 2 (1−g2r2+h4g4r4−h6g6r6+…………) で示される。式中、n(r)は屈折率分布型棒状レンズ
断面内の中心から距離rにおける屈折率を、rは屈折率
分布型棒状レンズ断面中心軸からの距離、n0は中心軸部
の屈折率、gは屈折率分布定数であり、屈折率分布型棒
状レンズ内を通過する光の1周期の長さをLとしたと
き、g=2π/Lで定義される。h4、h6はレンズの屈折
率分布により決まる定数である。
【0013】シュミレーションのモデルに用いた屈折率
分布型棒状レンズ使用原料を濾過効率3μmのメッシュ
型フィルターで濾過したものを用い、後述する複合紡糸
法にて製造したものであり、その特性は、 n0=1.511 h4=0.66667 h6=0 L1=L3=3.9mm 、レンズ長L2=6.6mm のレンズである。 g値は0.562 、0.564 、0.566 でレンズ半径0.45、0.4
、0.3 の9種類のレンズのシュミレーションを行い、
求めたスポットダイヤグラムより求めたMTFを表1、
表2に示した。表1は4ラインペア/mmの格子を用いて
求めたMTFであり、表2は8ラインペア/mmの格子を
用いて求めたMTFの結果である。
【表1】
【表2】
【0014】表1、表2のどちらを見ても、同じ屈折率
分布定数g値を有しているレンズであれば、レンズ径が
細くなるほどレンズの解像度を示すMTFの値が向上す
ることがわかる。すなわち、同じ屈折率分布を有するレ
ンズであれば、細いレンズほどレンズ性能が向上するこ
とを本発明者等は見いだしたのである。
【0015】これまで開発されてきた屈折率分布型レン
ズの生産技術では、0.4mm 未満の半径の屈折率分布型レ
ンズで解像度が高く、均質性のあるものを作成すること
は困難であったが、本発明者等が検討を進めた結果、屈
折率分布型レンズを作るに際して用いる紡糸原液移送各
部の保温温度変化、とくに、紡糸口金部の温度変化を±
0.1 ℃以内に保つとともに、用いる紡糸原液を3μm以
下のメッシュのフィルターにて濾過して精製したものを
用いるとともに、紡糸ノズルへの原液移送を定量性の非
常に良好なギアポンプを用いて行うことによって、0.4m
m 未満のレンズでMTFが70%以上の屈折率分布型レン
ズを効率よく均一に作成することが可能となり、本発明
に到達した。
【0016】本発明の要旨とするところは、半径r0なる
円形断面を有する屈折率分布型光伝送体であり、該光伝
送体の中心軸から外周面に向って少なくとも0.25r0〜0.
70r0(ただし、r0はレンズ半径を示す)の範囲の屈折率
分布が、[数6]で規定する
【数6】 屈折率分布曲線にほぼ近似の屈折率分布を備えており、 n0= 1.5±0.1 0.15≦g≦0.7 (mm-1) r0<0.4 (mm) なる特性を備え、かつ、4ラインペア/mmなる格子像
を、該光伝送体を通してCCDラインセンサ上に結合さ
せ、図8に示すごとく、その測定光量の最大値imaxと測
定光量の最小値iminを測定し、次式[数7]にて算出し
たモデュレーション・トランスファ・ファンクション
(MTF)が70%以上なる特性を備えていることを特徴
とする屈折率分布型光伝送体にある。
【数7】 r0は本発明においては、 0.2≦r0<0.4 の範囲とするの
がよい。
【0017】本発明の屈折率分布型光伝送体は次のごと
くして作るのがよい。未硬化状態での粘度が 103〜108
ポイズであり、重合して得られる重合体の屈折率nがn1
>n2>……nNなるN個(N≧3)の未硬化物質を用意
し、中心から同心円状に複数層各層の屈折率が順次低く
なるように複数積層した棒状体またはファイバ状賦形物
を形成し、各層間の屈折率分布が連続的屈折率分布とな
るように拡散処理しながら、または拡散した後に硬化処
理せしめることにより作るのがよい。
【0018】Nが2である2種の未硬化物質を用い、上
記と同様にして作った屈折率分布型光伝送体は、その中
心層と最外層との屈折率差n1−n2を大きくとると、その
中心から0.25r0〜0.75r0の範囲内の屈折率分布を理想二
次曲線に近似なものとすることは難しく、本発明の目的
とする光伝送体とすることが困難となる。そこでNの値
としては3〜10、好ましくは3〜6の範囲とするのがよ
い。
【0019】本発明を実施するに際して用いる未硬化物
質は、粘度が 103〜106 ポイズで硬化性のものであるこ
とが必要である。粘度が103 ポイズ未満のものはその賦
形に際し、糸切れが生ずるようになり、糸状物の形成が
困難である。また粘度が106ポイズを越えて大きなもの
は、その賦形操作性が不良となり、各層を同心円状に積
層したときの同心円性が損なわれたり、これら未硬化物
質を賦形して得られる糸状物の太さ斑が大きくなりやす
いので好ましくない。
【0020】本発明を実施するに際して用いる硬化しう
る物質としては、ラジカル重合性ビニル単量体または該
単量体と該単量体に可溶性の重合体とよりなる組成物な
どを用いることができる。用い得るラジカル重合性ビニ
ル単量体の具体例としては、メチルメタクリレート(n=
1.49)、スチレン(n=1.59)、クロルスチレン(n=1.6
1)、酢酸ビニル(n=1.47)、2,2,3,3-テトラフルオロ
プロピル(メタ)アクリレート、2,2,3,3,4,4,5,5-オク
タフルオロプロピル(メタ)アクリレート、2,2,3,4,4,
4-ヘキサフルオロプロピル(メタ)アクリレート、2,2,
2-トリフルオロエチル(メタ)アクリレート等のフッ素
化アルキル(メタ)アクリレート(n=1.37〜1.44)、屈
折率1.43〜1.62の(メタ)アクリレート類、例えば、エ
チル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレ
ート、ベンジル(メタ)アクリレート、ヒドロキシアル
キル(メタ)アクリレート、アルキレングリコールジ
(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンまたは
トリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ、
トリまたはテトラ(メタ)アクリレート、ジクリセリン
テトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトール
ヘキサ(メタ)アクリレートなどのほか、ジエチレング
リコールビスアリルカーボネート、フッ素化アルキレン
グリコールポリ(メタ)アクリレートなどが挙げられ
る。
【0021】これら未硬化物質を糸状に賦形するに供す
る未硬化物の粘度調整および得られる糸状物中の中心か
ら外側へ向い、屈折率分布をもたせるため、前記の未硬
化物質はビニル系単量体と可溶性ポリマとにて構成され
ていることが好ましい。ここに用いうるポリマとして
は、前記のラジカル重合性ビニル単量体から生成するポ
リマとの相溶性がよいことが必要であり、例えば、ポリ
メチルメタクリレート(n=1.49)、ポリメチルメタクリ
レート系コポリマ(n=1.47〜1.50)、ポリ−4-メチルペ
ンテン-1(n=1.46)、エチレン/酢酸ビニルコポリマ
(n=1.46〜1.50)、ポリカーボネート(n=1.50〜1.5
7)、ポリフッ化ビニリデン(n=1.42)、フッ化ビニリ
デン/テトラフルオロエチレンコポリマ(n=1.42〜1.4
6)、フッ化ビニリデン/テトラフルオロエチレン/ヘ
キサフルオロプロペンコポリマ(n=1.40〜1.46)、ポリ
フツ化アルキル(メタ)アクリレートポリマなどが挙げ
られる。
【0022】硬化性物質の粘度を調整するために加える
重合体として、各層に同一の屈折率を有するポリマを用
いた場合は、中心から表面に向って連続的な屈折率分布
を有する光伝送体が得られやすくなるので好ましい。と
くに、ポリメチルメタクリレートは透明性に優れ、およ
びそれ自体の屈折率も高いので本発明の屈折率分布型光
伝送体を作るに際して用いるポリマとして好適なもので
ある。
【0023】前記未硬化物より形成した糸状物を硬化す
るには、未硬化物中に熱硬化触媒、あるいは光硬化触媒
を添加しておくことが好ましく、熱硬化触媒としては普
通パーオキサイド系触媒が用いられる。光硬化触媒とし
ては、ベンゾフェノン、ベンゾインアルキルエーテル、
4'−イソプロピル−2-ヒドロキシ−2-メチル−プロピオ
フェノン、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケト
ン、ベンジルメチルケタール、2,2-ジエトキシアセトフ
ェノン、クロロチオキサントン、チオキサントン系化合
物、ベンゾフェノン系化合物、4-ジメチルアミノ安息香
酸エチル、4-ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、N-メ
チルジエタノールアミン、トリエチルアミンなどが挙げ
られる。
【0024】次いで未硬化状の糸状物を硬化させるに
は、硬化物において好ましくは紫外線を周囲から作用さ
せ、熱硬化触媒および/または光硬化触媒を含有する糸
状物を熱処理ないし光照射処理する。
【0025】本発明の光伝送体を作るには、例えば図7
の糸成形装置を用いて実施することができる。図7は糸
状物成形装置を図式的に示す工程図で、相互拡散部およ
び硬化処理部だけを縦断面図とするものであり、図中の
記号71は同心円状複合ノズル、72は押し出された未硬化
状の糸状物、73は糸状物の各層の単量体を相互に拡散さ
せて屈折率分布を与えるための相互拡散部、74は未硬化
物を硬化させるための硬化処理部、75は引き取りローラ
ー、76は製造された屈折率分布型プラスチック光伝送
体、77は巻き取り部、78は不活性ガス導入口、79は不活
性ガス排出口である。糸状物72から遊離する揮発性物質
を相互拡散部73および硬化処理部74から除去するため、
不活性ガス導入口78から不活性ガス例えば窒素ガスを導
入する。
【0026】光重合に用いる光源としては、 150〜600n
m の波長の光を発する炭素アーク灯、高圧水銀灯、超高
圧水銀灯、低圧水銀灯、ケミカルランプ、キセノンラン
プ、レーザー光等が挙げられる。
【0027】本発明の目的とする高解像度の屈折率分布
型レンズを得るには、複合紡糸に供する原液を濾過効率
が3μmのメッシュ型フィルターにて濾過し、異物含有
量を少なくした原液を用いてストランドファイバを作る
ことにより、効率よく作ることができる。
【0028】また、半径L0が0.4mm 以上で0.25L0〜0.70
L0の範囲の屈折率が理想二次曲線にほぼ一致したレンズ
プレカーサーの外周部を削除して半径r0(r0<0.4mm )
で、0.20r0〜0.80r0の範囲の屈折率が理想二次曲線にほ
ぼ近似した分布のものとすることにより、さらに本発明
の目的とする屈折率分布型レンズを効率よく作ることが
できる。
【0029】本発明における半径が0.4mm 未満のレンズ
を作成するためには、未硬化物の供給経路、複合ノズル
の保温温度を±0.2 ℃以下、好ましくは±0.1 ℃以下の
幅で制御する必要がある。また、ギアポンプのような高
粘度の液状物質を定量的に供給できる装置の導入が必要
である。本発明の屈折率分布型光伝送体は、上述したご
とき特徴を備えており、該光伝送体複数本を、一列また
は複数列配列したものを一体化した光伝送体アレイとす
ることにより、複写器やファクシミリ用の画像伝送体と
して有用に用いることができる。
【0030】以下、実施例により本発明をさらに詳細に
説明する。
【0031】
【実施例1】ポリメチルメタクリレート([η]=0.5
6、メチルエチルケトン(MEK) 中25℃にて測定)46重量
部、ベンジルメタクリレート44重量部、メチルメタクリ
レート10重量部、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニル
ケトン 0.2重量部およびハイドロキノン 0.1重量部を70
℃に加熱混練して第1層(中心部)形成用原液とした。
ポリメチルメタクリレート([η]=0.40、MEK 中25℃
にて測定)50重量部、メチルメタクリレート20重量部、
ベンジルメタクリレート30重量部、1-ヒドロキシシクロ
ヘキシルフェニルケトン 0.2重量部およびハイドロキノ
ン 0.1重量部を65℃で加熱混練し第2層形成用原液とし
た。また、ポリメチルメタクリレート([η]=0.41、
MEK 中25℃にて測定)50重量部、メチルメタクリレート
50重量部、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン
0.2重量部およびハイドロキノン 0.1重量部を70℃に加
熱混練して第3層形成用原液とし、さらに、ポリメチル
メタクリレート([η]=0.40、MEK 中25℃にて測定)
50重量部、メチルメタクリレート30重量部、2,2,3,3-テ
トラフルオロプロピルメタクリレート20重量部、1-ヒド
ロキシシクロヘキシルフェニルケトン 0.2重量部および
ハイドロキノン.1重量部を65℃で加熱混練し第4層形成
用原液とした。
【0032】トルーコンジュゲート型複合紡糸ノズルを
備えた成形装置を用い、3種類の原液を中心から順次に
未硬化の屈折率が低くなるように配列し、同時に押し出
しストランドファイバとした。押し出し時の粘度は第1
層の原液が 4.5×104 ポイズ、第2層の原液が 4.0×10
4 ポイズ、第3層の原液が 2.0×104 ポイズ、第4層の
原液が 2.2×104 ポイズであった。複合ノズルの温度は
60℃であった。
【0033】ついで、長さ90cmの各層相互拡散処理部を
通過させ、その後、長さ 120cm、40Wの蛍光灯12本を円
状に等間隔に配置された光照射部の中心にストランドフ
ァイバを通過させ、50cm/分の速度で半径(L0)0.43mm
の光伝送体プリフォームをニップローラーで引取った。
吐出比が(第1層):(第2層):(第3層):(第4
層)=2:1:1:1として得た光伝送体プリフォーム
をインターファコ干渉顕微鏡により測定した屈折率分布
は、図1に示すごとく中心部(N0)が1.513 、周辺部が
1.481 であり、屈折率分布定数(g)は0.53で、図1中
bに示すごとくその中心から外周面に向って 0.2L0〜0.
75L0の範囲で近似的に二次曲線とほぼ一致した屈折率分
布を有していた。また、4ラインペア/mmの格子を用い
て測定したMTFはレンズ長7.1mm 、共役長14.9mmで65
%であった。さらに、この光伝送体プリフォームを複数
本組合せ、光伝送体アレイを作成した結果、そのMTF
は55%であった。
【0034】上記光伝送体プリフォームを12.5℃に保温
したクロロホルムに45秒間浸漬し、厚さ1mmのシリコン
ゴムに微小の穴をあけたその穴を通し、クロロホルムで
膨潤した部分(図1中G部分)を削り取り、半径(r0
0.38mmの光伝送体を得た。この光伝送体の屈折率分布は
中心部(n0)が1.512 、周辺部が1.485 であり、屈折率
分布定数(g)は0.53で、中心から外周面に向って0.19
r0〜0.87r0の範囲で近似的に図1中のaで示される二次
曲線とほぼ一致した屈折率分布を有していた。上記光伝
送体の両端面を研磨し、レンズ長7.1mm とし、4ライン
ペア/mmなる格子を用いて測定したMTFは80%であ
り、その時の共役長は14.9mmであった。また、得られた
格子の結像は表面を削り取る前のものと比較して、非常
に歪みの少ない鮮明な像であった。
【0035】この光伝送体複数本をレンズ長7.1mm の光
伝送体アレイに組上げ、この光伝送体アレイを4ライン
ペア/mmなる格子を用いて測定したMTFは、その共役
長15.4mmで75%であった。この光伝送体アレイにLED
を光源としてCCD受光素子として結合したイメージス
キャナーを組立てた。このイメージスキャナーは解像度
の高いものであり、鮮明な画像を伝送することができ
た。
【0036】
【比較例1】実施例1と同じ原液を用い、原液の濾過を
行わない以外、実施例1と同様にして同心円状複合ノズ
ルを用い、同時に押し出し、ストランドファイバとし
た。吐出比が(第1層):(第2層):(第3層):
(第4層)=2:1:1:1として得た光伝送体プリフ
ォームをインターファコ干渉顕微鏡により測定した屈折
率分布は、中心部(N0)が1.513 、周辺部が1.479 であ
り、屈折率分布定数(g)は0.53で、半径rは0.5mm で
あり、その中心から外周面に向って 0.2L0〜0.75L0の範
囲で近似的に二次曲線とほぼ一致した屈折率分布を有し
ていた。また、4ラインペア/mmの格子を用いて測定し
たMTFはレンズ長7.1mm 、共役長14.9mmで60%であっ
た。さらにこの光伝送体プリフォームを複数本組合せ、
実施例1と同様にして光伝送体アレイを作成した結果、
そのMTFは53%であった。
【0037】上記光伝送体プリフォームを12.5℃に保温
したクロロホルムに45秒浸漬し、厚さ1mmのシリコンゴ
ムに微小の穴をあけたその穴を通し、クロロホルムで膨
潤した部分(図7中G部分)を削り取り、半径(r0)0.
445mm の光伝送体を得た。この光伝送体の屈折率分布の
中心部(n0)が1.512 、周辺部が1.481 であり、屈折率
分布定数(g)は0.53で、中心から外周面に向って0.19
r0〜0.87r0の範囲で近似的に[数1]で示される二次曲
線とほぼ一致した屈折率分布を有していた。上記光伝送
体の両端面を研磨し、レンズ長7.1mm とし、4ラインペ
ア/mmなる格子を用いて測定したMTFは65%であり、
その時の共役長14.9mmであった。この光伝送体複数本を
レンズ長7.1mm の光伝送体アレイに組上げ、この光伝送
体アレイを4ラインペア/mmなる格子を用いて測定した
MTFは、その共役長15.4mmで58%であった。単レンズ
のMTF、アレイとしてのMTFともに実施例1のもの
よりかなり低い値であった。
【0038】
【実施例2】実施例1で用いた第1層から第4層形成用
原液として用い、さらに、ポリメチルメタクリレート
([η]=0.34、MEK 中25℃で測定)45重量部、2,2,3,
3,4,4,5,5-オクタフルオロペンチルメタクリレート35重
量部、メチルメタクリレート20重量部、1-ヒドロキシシ
クロヘキシルフェニルケトン 0.2重量部およびハイドロ
キノン 0.1重量部を70℃で加熱混練したものを第5層
(外層部)形成用原液とした。実施例1と同様にして各
紡糸原液を3μm以上の異物を濾過するメッシュ型フィ
ルターにて濾過し、同心円状複合ノズルを用い同時に押
し出しストランドファイバとした。第5層の粘度は 2.2
×104 ポイズであった。吐出比を(第1層):(第2
層):(第3層):(第4層):(第5層)=3:1:
1:1:2として得た光伝送体(L0:0.42mm)をインタ
ーファコ干渉顕微鏡により測定した屈折率分布は、中心
部(N0)が1.514 、周辺部が1.474 であり、屈折率分布
定数(g)は0.57で中心から外面に向って0.15L0〜0.85
L0の範囲の屈折率分布が近似的に[数3]で示される二
次曲線とほぼ一致しており、そのMTFはレンズ長8.0m
m、共役長15.9mmで70%であった。さらに実施例1と同
様にして作成した光伝送体アレイのMTFは63%(4ラ
インペア/mmの格子にて測定)であった。
【0039】上記光伝送体プリフォームを耐水性のサン
ドペーパー(2000番)を用いて、外周面から削除し、半
径(r0)0.37mmの光伝送体を得た。この光伝送体の屈折
率分布は、中心部(n0)が1.514 、周辺部が1.476 であ
り、屈折率分布定数(g)は0.57で、中心から外面に向
って0.13r0〜0.89r0の範囲の屈折率分布が近似的に理想
二次曲線とほぼ一致しており、そのMTFはレンズ長8.
0mm 、共役長15.9mmで83%であった。さらに実施例1と
同様にして作成した光伝送体アレイのMTFは80%(4
ラインペア/mmの格子にて測定)であり、このアレイを
用いたイメージスキャナーは非常に解像度の高い画像を
伝送することができた。
【0040】
【発明の効果】本発明の光伝送体は、従来開発されてき
た同種の光伝送体に比べ、そのレンズ性能が非常に良好
であり、高解像度が要求されるプリンタ用途、複写器用
途の光伝送体として極めて有用なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の屈折率分布型レンズの一例の屈折率分
布を示す図である。
【図2】本発明の屈折率分布型レンズの他の一例の屈折
率分布を示す図である。
【図3】格子像の屈折率分布型レンズによる読取像を示
す図である。
【図4】屈折率分布型レンズの光線追跡シュミレーショ
ン図である。
【図5】屈折率分布型光入射端面に設けた格子像であ
る。
【図6】plane-S3上に集光された光のスポットダイヤグ
ラムである。
【図7】本発明の屈折率分布型レンズ製造装置の概略図
である。
【符号の説明】 71 ………… 複合紡糸ノズル 72 ………… 押し出したストランド 73 ………… 相互拡散部 74 ………… 硬化処理部 75 ………… 引き取りローラー 76 ………… 屈折率分布型レンズ 77 ………… 巻き取り部 78 ………… 不活性ガス導入口 79 ………… 不活性ガス排出口

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半径r0なる円形断面を有する屈折率分布
    型光伝送体であり、該光伝送体の中心軸から外周面に向
    って少なくとも0.25r0〜0.70r0(ただし、r0はレンズ半
    径を示す)の範囲の屈折率分布が、[数1]で規定する
    屈折率分布曲 【数1】 線にほぼ近似の屈折率分布を備えており、 n0= 1.5±0.1 0.15≦g≦0.7 (mm-1) r0<0.4 (mm) なる特性を備え、かつ、4ラインペア/mmなる格子像
    を、該光伝送体を通してCCDラインセンサ上に結合さ
    せてその測定光量の最大値imaxと測定光量の最小値imin
    を測定し、[数2]にて算出したモデュレーション・ト
    ランスファ・ファンクション(MTF)が70%以上なる
    特性を備えていることを特徴とする屈折率分布型光伝送
    体。 【数2】
  2. 【請求項2】 重合したものの屈折率nが、n1>n2>n3
    ……nN(ただし、N≧3)なるN種の未硬化樹脂溶液
    を、濾過効率3μmのメッシュ型フィルターにて濾過
    し、同心円型複合紡糸ノズルの中心部から外側へ向っ
    て、屈折率が順次低くなるように供給してストランドを
    形成した後、重合硬化せしめることを特徴とする請求項
    1記載の屈折率分布型レンズ。
  3. 【請求項3】 重合したものの屈折率nが、n1>n2>n3
    ……nN(ただし、N≧3)なるN種の未硬化樹脂溶液
    を、濾過効率3μmのメッシュ型フィルターにて濾過し
    て、複合紡糸ノズルに中心部から外側へ向って、屈折率
    が順次低くなるように供給して吐出したストランドを硬
    化せしめ、0.20L0〜0.70L0(L0はストランドの半径で0.
    4mm 以上)の範囲の屈折率が理想二次曲線にほぼ近似の
    分布を有するプレカーサーを作成し、該プレカーサーの
    外周を削除して、半径r0が0.4 未満の屈折率分布型レン
    ズとすることを特徴とする請求項1記載の屈折率分布型
    レンズ。
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