JPH07145564A - 被覆繊維 - Google Patents

被覆繊維

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JPH07145564A
JPH07145564A JP5291897A JP29189793A JPH07145564A JP H07145564 A JPH07145564 A JP H07145564A JP 5291897 A JP5291897 A JP 5291897A JP 29189793 A JP29189793 A JP 29189793A JP H07145564 A JPH07145564 A JP H07145564A
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polymer
fiber
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fibers
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JP5291897A
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Hoobusu Michael
マイケル・ホーブス
Walter Hassinger
ウォルター・ハッシンガー
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Hoechst Celanese Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 薄いポリマーのフィルム、特に超薄のポリマ
ーフィルムで被覆した繊維を製造する方法と装置及びそ
れによって得られる被覆繊維。 【構成】 約200オングストロームから約2000オ
ングストロームの厚さを有するプレ−キャスト(予備流
延した)フィルムを用いて微孔質の繊維を被覆する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の分野】この発明は、一般にポリマーの被覆を有
する繊維に関し、更に詳しくは超薄のポリマーの層で被
覆された繊維に関する。
【0002】
【従来技術】分離の用途に用いるのに適当な、自由起立
性の、ピンホールの無い超薄膜のフィルムを調製するこ
とは当該技術に公知である。Kohnに与えられた米国特
許第4,880,699号には、例えば、薄いポリイミド
フィルムの調製方法が開示され、特許請求されている。
そのようなフィルムは、ポリマーを溶剤に溶解し、溶液
を水の上に流延し、溶剤を蒸発させることによって調製
される。そのようにして形成されたフィルムは、次ぎに
直ちに水の表面から取り出すことができる。
【0003】前述の方法に従って加工された自由起立性
のフィルムは、例えば、ガス分離に有用な中空の繊維の
膜のモジュールのような商業的に魅力の有る構造体の中
に組み込むことが困難である。それに代わる一つのアプ
ローチとしては、中空の微孔質の繊維をディップコート
(浸漬被覆)することが考えられる。しかしながら、その
ような方法は、疑いも無くポリマーを繊維に超薄に被覆
しなければならないという不利を持つだろう。中空の繊
維に薄い、連続流延したフィルム(薄膜)を適用する別の
可能性は、機械的に繊維をポリマーで包む方法であろ
う。この方法は良くてもせいぜい骨の折れる仕事であ
り、そして被覆の厚さとフィルム品質が大体は流延の段
階で決定されて了うだろう。
【0004】Kawada他による日本国公開特許出願No.
63−104618には、中空繊維の複合膜の製造方法
が開示されている。そこに示された方法は、水の上に連
続的に薄いフィルムを流延し、ポリマー/溶剤の溶液が
流動性を持つ領域の中で微孔質の中空繊維をポリマー溶
液に通すことを含む。溶液は膜の上に薄いフィルムを沈
着し、一方、過剰のポリマーは掬い上げられ保存され
る。Kawada他によって利用されたシステムは高品質の
分離膜に必要とされるような中空繊維の周囲の回りに薄
いフィルムを均一に沈着させる問題に取り組んだもので
はない。更に、可なりの制御とポリマーのリサイクリン
グが必要であり、システムを自動化するのを又は商業的
に適当な製品を作り出すことさえ困難にしている。
【0005】
【発明の要約】本発明によれば、液体浴の表面上にポリ
マーの層を形成し、それによってフィルムを作り出す為
に浴の表面にポリマー溶液を供給し、浴を通して繊維を
引き出すことによって繊維が被覆塗工される。繊維の全
周囲の回りに均一な厚さのフィルムが沈着されるように
繊維がフィルムを通して引き出される中心点へ向かって
ポリマー溶液を半径方向に前進させる。好ましい具体例
では、ポリマーは浴に供給されたポリマーの全部が繊維
の上に沈着し、一方で溶剤が部分的に蒸発するような速
度と量で供給される。発明方法は中空の微孔質の繊維を
ポリマーで被覆して複合製品を作るのに特に有用であ
る。予備流延した(pre-cast)フィルムは気孔へ浸透しな
いから、予め決められた均一な厚さのフィルムが得られ
る。ここで用いられている“繊維"という用語は、チュ
ーブ(管)、モノフィラメント等の縦長の物体の他に加工
糸状の(thread-like)製品を指している。そのような物
体には多孔質のものや非孔質のものがある。
【0006】
【好ましい実施態様】扨、ここでポリプロピレン繊維を
ポリイミドポリマーの被覆又は層で被覆することを含む
特定の具体例を参照しながら本発明を記述しよう。しか
しながら、そのような記述は説明を目的としたものであ
って発明を限定する為のものでは無いことは理解すべき
である。本発明の概念は他のシステム、例えば、グレー
デッドインデックス光ファイバー(graded index optica
l fiber,マルチモード光ファイバーの一種)を製造する
為にポリメタクリレート繊維に多重被覆を施すとか、又
はポリエステル、ポリオレフィン繊維または浴の上にフ
ィルムを形成することができる任意のポリマーから成る
繊維などに被覆を施す場合にも同じように応用すること
ができる。
【0007】図1に略図的に描かれた装置10は、予備
成形(pre-form)されたフィルムで繊維を連続的に被覆す
る為の装置である。装置10はフィードロール(図には
示されていない)、内部のプレナムチャンバー(充気室)
17を仕切るトップ部分14を備えた円筒状の浴容器1
2を含む。トップには繊維の入り口16と浴の下には繊
維の出口の穴18がある。繊維は入り口16から入って
出口の穴18から出て乾燥域(図には示されていない)へ
運ばれる。典型的には、被覆された繊維は残留溶剤を除
去すると共に浴からの液体を駆逐する為に乾燥される。
【0008】浴容器12は、便宜的に浴液体の入り口2
0、ポリマーの供給ポート22を備える。好ましくは、
そのようなポートは浴の周囲(円周)の回りにポリマー溶
液の良好な分布を保証する為に浴の周囲に等間隔に四つ
存在する。ポリマーは23に示される溜めから供給され
る。所望の供給速度を得る為に、機械加工された注射器
(シリンジ)型式のフィーダーを用いると便利である。更
に、窒素ガスの入り口24とガスの出口26が備えられ
ている。
【0009】操作する時は、ポリマー溶液を調製し、矢
印34によって示される方向に、浴33の表面36の上
に一つ又はそれ以上の供給ポート22を通して一つ又は
一つ以上の溜め23からポリマー溶液が供給される。適
当な如何なる物質でも使用できるが、被覆に用いられる
好ましいポリマーには、ポリイミド、ポリエステル、ポ
リスルホン、ポリエーテルケトン、ポリカーボネート、
ポリオレフィン、ポリアミド等を含み、そして被覆され
る繊維も同じ物質か又は異なる物質である。ガラス状の
ポリイミド等が特に好ましい。各種の有機溶剤を使用す
ることが出来、そして連続的な流延と被覆の為にポリマ
ー溶液中に界面活性剤を使用するのは役に立つ。そのよ
うな薬剤は各種の既知のアニオン性、カチオン性の界面
活性剤のタイプ、ポリオキシエチレン、半極性物質、又
は、両性イオンの種類、例えば、ドデシル硫酸ナトリウ
ム、トリメチルドデシルアンモニウムクロリド、1モル
のドデシルアルコールと10モルの酸化エチレンの縮合
生成物、ジメチルドデシルアミンオキシド、ジメチルド
デシルアンモニウムプロピオネート等の化合物を含む。
ポリシロキサン型の界面活性剤または過弗素化(ペルフ
ルオロ化)された疎水性の部分を含むそのような界面活
性剤が特に好ましい。
【0010】装置10の操作は、一般に約0.05μl/
秒から約20μl/秒の範囲の色々なポリマーの供給速度
で行なわれるが、0.2μl/秒から約3μl/秒が好まし
い。使用される溶液のポリマー濃度は、更にここで論ず
るようにフィルム38が常に膨潤した低粘度の状態に留
どまるような適当な如何なる濃度であっても良い。一般
に、これはプロセスの開始される時点でポリマー約0.
1重量パーセントから約30重量パーセント、典型的に
はポリマー約1重量パーセントから約10重量パーセン
トの溶液を用い、ポリマーの層が被覆すべき繊維と接触
する迄に一部の溶剤の蒸発を許容することによって達成
される。ポリマーの層が繊維と接触する時にポリマーの
層を低粘度で高度に柔軟な状態に保つことが重要である
が、しかし、ポリマーの層が微孔に吸い上げられて結果
として不均一な厚さになる程ポリマー濃度が薄くても不
可い。プロセスの開始時点での好ましいポリマー濃度
は、約2〜4重量パーセント、最も好ましくは、約2.
5重量パーセントから約3.5重量パーセントである。
【0011】フィルム38が浴の上に形成されつつある
間に一方で液体の流れを開始するが、この流れは20に
始まり、円錐領域47(同じく中央の穴18を限定する)
の分離器部分46を通って流れた後に28の所で装置1
0を出る。流れ方向は矢印29によって示される。与え
られたシステムによっては液体流が必要であったり不必
要であったりするが、浴の中心領域48で発生する渦巻
30を調節する為にバルブ(弁)または任意の適当な手段
によって流量を調節することができる。渦巻30は図1
に示す装置では、円筒浴12の中心軸にある。若しもポ
リマーと繊維の供給速度の他にフィルム38の粘度と構
造的結合が適切にコントロールされるならば、液体の流
れとそれによって得られる渦巻の形成は、一般に発明方
法の実施にとって絶対に必要という訳ではない。しかし
ながら、多くの場合に、被覆すべき繊維32にフィルム
38を粘着し易くする為に、渦巻はフィルムに半径方向
の力と接線方向の力を与えるから渦巻を持つのは好まし
い。渦巻の形と大きさは流量とシステムの幾何学的形状
を変えることによって容易に調節することができる。浴
を形成する為に使用される液体は、典型的には水である
が必ずしも水とは限らないし、又液体はポリマー溶液と
部分的に混和性である場合と混和性でない場合が有る。
プレ−キャストフィルムが一般に好ましい以上、後述す
る説明実施例の場合がそうであるように、浴液体は普通
はポリマー溶液と混和性であることが必要とされる。流
延されたフィルムは、粘着を促進する為に繊維と接触す
る時は一般に残留溶剤を含むべきである。過剰の溶剤は
予定された厚さのポリマー被覆を得る為に後で蒸発させ
ることが出来る。
【0012】フィルム38が中心の渦巻30に達する前
に、典型的には、繊維32は入り口16を通して供給さ
れ、穴18を希望する線供給速度で通過する。繊維32
は、例えば、ポリアクリロニトリル又はポリアミド、ポ
リイミド、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリスル
ホン、ポリエーテルケトン、又はその混合物又はその複
合繊維のようなポリオレフィン又は置換ポリオレフィン
等の任意の適当な繊維であり、そして希望するならば、
穴18からの漏れを最少化する為に穴の大きさに合う直
径を持つ繊維にすることもできる。一般に、繊維32は
約0.5cm/秒から約100cm/秒の範囲の線速度で供給
されるが、約10cm/秒の線速度が典型的である。如何
なる直径の繊維でも使用できるが、上に述べたポリマー
溶液の供給速度で、厚さが約100オングストロームか
ら5ミクロンの均一な被覆を作るには500ミクロンの
繊維直径が典型的である。
【0013】繊維32を被覆する為に、繊維32がポリ
マー浴を通して供給されるに従ってフィルム38が渦巻
30に到達するようにポリマーが連続的に供給される。
図1に略図的に描かれるように、フィルム38は30の
点で繊維32に接触し、繊維に付着して被覆繊維35を
製造する。このプロセスの間に、矢印42と44によっ
て示されるように窒素が入り口24から入って出口26
から出るように内部を循環する。窒素雰囲気は再循環す
るか又はフィルムが余り硬くならないように浴の上部に
相当の溶剤の分圧を保つ必要があれば溶剤蒸気で強化し
ても良い。
【0014】出口18を出て領域52に進んだ後、繊維
は必要とあれば乾燥され、そして多層被覆を希望するな
らば、引取(又は巻取)ロールと供給ロールを便宜的に切
り替えることによって繊維を再被覆(re-coat)すること
もできる。本発明によれば、非常に薄い被覆を調製する
ことが出来るか、又は若しもそのように希望するならば
より厚いフィルムを被覆することも出来る。例えば、グ
レーデッドインデックス光ファイバーを製造する為にコ
ア物質の上に屈折率の異なるクラッド層(被着層)の多重
被覆を用いることができる。本発明の特に好ましい具体
例は、浴の上に流延されたポリマーフィルムの実質的に
全部が連続プロセスの中で繊維に被覆される、即ち、換
言すれば定常状態が達成されるようなものである。その
ような場合は、フィルムの厚さは希望する厚さが得られ
るように物質収支から容易に予測することができる。
【0015】浴の上に連続的にフィルムが形成され、中
心領域48に向かって水の上を半径方向に前進しつつあ
る間に、溶剤の一部は内部チャンバー17の窒素雰囲気
の中に蒸発する。フィルムが形成され、拡散し、繊維1
6に向かって運ばれるに従ってポリマーフィルム層38
の線速度および/または厚さを変えなければならない限
りは、余り多量の溶剤を蒸発させないことが重要であ
り、さもないとフィルムが硬化し、有用な製品を得る為
の連続操作を達成することが出来ない。このようにポリ
マーの層38は、プロセスの全工程を通して膨潤してい
ないポリマーと比べて低粘度の状態に保つべきであり、
この状態をここでは十分に低い粘度と呼ぶ。若しも蒸発
量が多すぎるならば、フィルムは円筒浴の上で十分に低
い粘度を保たないであろうし、フィルムが余り脆弱すぎ
て繊維の被覆操作は行き詰まるだろう。他方、若しもフ
ィルム溶液38が繊維と接触する時に濃度が余り薄すぎ
ると、フィルムは繊維の気孔の中に吸い上げられるか、
又は希望するようなプレ−キャストフィルムとして作用
するのに十分な構造的一体性を持たないだろう。
【0016】好ましくは溶剤は、図1に示されるプレナ
ム(充気室)の窒素雰囲気の中と同じように加工処理の間
にポリマー溶液から一部蒸発される。これは、N2気流
の流量をコントロールするか又は高沸点溶剤と低沸点溶
剤の溶剤混合物を使用するかのいずれかによって達成す
ることができる。ポリマー層は、被覆された繊維35の
全周囲の回りに均一な厚さの被覆が得られるように、総
ての方向から等しく中心領域48に向かって半径方向に
前進する。
【0017】好ましい具体例では、浴の溶剤液体はポリ
マーの層が繊維の回りに限定される円周の渦巻に向かっ
て半径方向に輸送され、繊維の周囲に均一で固く付着し
た被覆が得られるように中央の被覆点に於いて流出す
る。被覆領域に存在する溶剤が不十分だとフィルムの付
着が損なわれる。
【0018】繊維の全周囲の回りに均一な厚さの被覆を
得る為にフィルム38を半径方向に前進させると言うこ
とは、ポリマーフィルムが浴の平面の中で等しく約36
0°の総ての方向から繊維32に近付くこと、即ち、質
量の流束(mass flux)が円の中心点としての繊維から約
360°の全方向に於いて均等である、即ち、換言すれ
ば、任意の与えられた半径方向に於いて被覆領域30の
回りに内側に向かって流れる質量の流束速度が事実上一
定していることを指している。若しもフィルムが被覆領
域に向かって近付くにつれて、フィルム38の中の残留
溶剤の量が不十分であれば、常に一定した質量の流速を
維持するのが不可能であることが見出だされた。被覆プ
ロセスを制御し、最適化する為に、置換クマリン等の蛍
光染料を低濃度で用いて被覆プロセスを紫外線の下で観
察するのが最も有用であることが見出だされた。
【0019】発明のシステムは、希望する特徴に向かっ
てシステムが自分自身を矯正するという意味で多くの点
で自己安定性である。例えば、浴の液体の流速が余り低
すぎる為に浴の渦巻と内側へ向かう流れが特定のシステ
ムにとって最適でないとしても、繊維の上に沈着するポ
リマーの量は依然として希望するものになるだろう。何
故ならば、粘度が適当であると仮定した場合にフィルム
38の内側部分が移動する繊維によって除去されるに従
って重力と内側へ向かう流れの為にポリマー溶液が自分
自身を適当に拡散分配するであろうから。
【0020】以下の実施例に関連して本発明を更に具体
的に説明しよう。
【0021】
【実施例】2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフ
ルオロプロパンと2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフ
ェニル)ヘキサフルオロプロパン・二無水物の縮合生成
物であるポリイミド(同時継続米国出願番号第462,2
72号(1989年12月21日出願)で且つ欧州特許出
願公開No.0355,367、1990年2月28日出
願に記載されたもの)(この開示書を参考として本明細書
に組み入れる)の2.5重量パーセントを、溶剤として
1,2,3−トリクロロプロパンと酢酸ブチルの50/50混
合物と加工助剤として3/100重量パーセントの界面活性
剤Perenol 54を含む混合物溶剤に溶解してポリマー
溶液を調製した。界面活性剤のPerenol 54は米国、
ペンシルベニア州、Amblers に在るHenkel Corp.に
よって製造販売されているポリシロキサン型の界面活性
化合物である。
【0022】繊維を被覆する為に、上に調製し矢印34
によって表わされる溶液を図1に示される浴の表面36
に注射器型のフィーダーで1μl/秒の一定速度で添加す
ると共に、一方で中空の微孔質のポリプロピレン繊維3
2をポリマーフィルム層38を通して矢印40によって
示されるように10cm/秒の速度で引っ張り、窒素ガス
を矢印42と44によって示されるように循環させた。
使用した微孔質の繊維は、商標と表示名Celgardの下で
Hoechst−Celanese Corporation(米国、ニュージャ
ージー州、Summit、Morris Avenue 86、zip code
07901)から販売されている。この繊維は直径が約
500ミクロンで有効平均気孔サイズが約0.02ミク
ロンのものである。プロセスの一部として、20の所か
ら浴に水を静かに添加し、フィルムが繊維に輸送される
につれて中央に位置する渦巻30が作り出されるように
水を46と28の所から排出した。ポリマーの添加速
度、水の循環速度および繊維の供給速度を、被覆された
繊維35の周囲の回りにフィルムが均一に付着し、フィ
ルム中のポリマーの全部が繊維に被覆されるように注意
深く調節した。
【0023】本発明の多くの有利点の一つは、被覆の厚
さが定常状態の物質収支から容易に計算できる以上、ポ
リマーの全部が繊維に塗布される定常状態では均一な被
覆の厚さを容易に調節できることである。
【0024】発明方法は、繊維の被覆に於いて、特に繊
維が多孔質である時は薄いポリマーの被覆を持った繊維
を製造するのに滅多に無い位適している。溶液塗工法ま
たは溶融塗工法と違って、本発明のプレ−キャストフィ
ルムは約50オングストロームから約500オングスト
ロームの開口を有する気孔の中に浸透しない。そのよう
な開口部の寸法は円の場合は直径となり、その他の形状
の場合には、気孔の側から側迄(side to side)または端
から端迄(end to end)の寸法を表わす。一般に、繊維の
溶液塗工法または溶融塗工法(例えば、繊維をポリマー
の中に又はポリマー溶液の中に浸漬するような)は、固
有の性質として厚さが約20ミクロン、即ち、200,
000オングストロームの湿フィルムを生ずることが見
出だされた。若しも、もっと薄い薄膜を希望するなら
ば、それは、例えば、ポリマー溶液を低い濃度に希釈す
ることによって達成することができる。若しも10%の
ポリマー溶液を繊維に塗布すると、たとえ塗布したばか
りの湿フィルムの厚さでは20ミクロンと考えられたと
しても最終的な厚さは約2ミクロンになる可能性があ
る。しかしながら、複合体からの溶剤の蒸発はフィルム
に不均一性をもたらし勝ちである。
【0025】他方で、本発明によればフィルムが直に被
覆されるから、多孔質の支持体の上にさえも薄いフィル
ムが容易に得られる。この特徴は前述したようにガス分
離の場合には極めて有用であり、生医学的な用途にも同
じく有用である。当該技術に熟練した知識を有する人々
に容易に理解されるように、生医学的用途に用いる場合
は、薄いフィルムを通しての高い拡散性に対するニーズ
又は生体適合性物質または生侵食性物質が一般に高価で
あるという性質または出来るならば低い投与水準で用い
たいという希望の為に薄いフィルムが望まれるからであ
る。
【0026】例えば、血液の酸素処理装置は顕著な輸送
性質の他に生体適合性を必要とする。高度に抗血液凝固
性である外側被覆層を利用する本発明によれば適当な膜
を作ることができる。そのような層は元来抗血液凝固性
であるか又は容易に生体適合性物質にバイオライズ(bio
lize)することが出来る。同様に、生体内で用いられる
カテーテルとチュービングも生体適合性の表面を持つの
が望ましい。本発明に従って用いることのできる固有的
に抗血液凝固性のポリマーは、ポリジメチルシロキサ
ン、ポリアルキルスルホン、ペルフルオロアシルエチル
セルロース、Iopex 101、ポリ(2−ヒドロキシエチ
ルメタクリレート)、ポリアクリルアミド、ポリエーテ
ルポリウレタン尿素、ヘパリン及びKirk−Othmerのエ
ンサイクロペディア(大百科事典)、第19巻、279頁
以下参照(Wiley社発行、1982年)に記載された種々
のヘパリナイズした(抗血液凝固性化した)ポリマーを含
む。
【0027】被覆物質として使用できる他の物質には、
コラーゲン、ゼラチン又は発明の被覆方法の前か又は後
のいずれかにバイオライズされるアルブミン等の天然組
織がある。典型的には、バイオライズするには、ホルム
アルデヒド又はグルタルアルデヒドのようなアルデヒド
を用いて天然組織を熱処理する。
【0028】血液の酸素処理に加えて、本発明の工夫に
富んだ繊維は薬理学剤の制御した放出と一緒に使用する
ことができる。ポリ(グリコール酸)、ポリ(L−乳酸)、
ポリ(D.L. エチルグリコール酸)及びPolymer Scien
ce and Engineering大百科事典、補遺巻、170頁以
下参照(Willey社発行、1985年)に掲載されたよう
なポリマーを含む生侵食性のポリマー被覆が使用され
る。そのような用途では、ポリマーが侵食されるにつれ
て活性剤が放出される。
【0029】それとも又は、繊維の中心内腔に薬理学的
活性剤が組み込まれている時は、薄い耐久性のポリマー
被覆を有する中空の多孔質の繊維をレザボア(溜め)型の
拡散放出(又は拡散伝達)システムとして使用することも
できる。そのような用途では、被覆にはポリアクリル樹
脂又はポリメタクリル樹脂を使用する。
【0030】本発明に従えば、繊維に適用されたポリマ
ーの被覆は、典型的には、塗布したばかりのフィルムの
厚さ、即ち、繊維と接触した直後のフィルムの厚さは、
フィルムが硬化した時の、即ち、溶剤が完全に蒸発した
時のフィルムの厚さよりも大きくなるように若干の溶剤
を含む。
【0031】一般的に言ってフィルムは、典型的には約
100オングストロームから約20,000オングスト
ロームの厚さに被覆されるが、約200オングストロー
ムから約5000オングストロームが好ましい。ポリマ
ーが硬化したフィルム被覆は、好ましくは約200オン
グストロームから約2000オングストロームの厚さを
持つが、多くの場合に約400オングストロームから約
1000オングストロームの厚さが特に好ましい。
【0032】顕微鏡的に見て連続した被覆が多くの用途
で探し求められているが、超微孔質の又は微孔質の膜被
覆、即ち、約500オングストロームより小さな気孔を
持つフィルムを得る為に本発明に従って連続したポリマ
ーの被覆を支持体(繊維)に塗布することが可能である。
これは発明のポリマーフィルムの被覆を形成する為に用
いられるポリマー溶液に超微孔−形成剤を配合すること
によって達成される。気孔形成剤はポリマーに対して高
沸点の非溶剤、即ち、懸濁液でも良い。勿論、もっと大
きな気孔を望むならば、もっと大きなミセルが好まし
い。
【0033】以上に亙り、発明を詳細に記述してきた
が、当該技術に熟練した知識を持つ人々には各種の変
更、修正を行ない得ることは明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に関連して用いられる装置の立面図と断
面図で表した略図である。
【符号の説明】
10 発明の装置 12 円筒状の浴容器(bath container) 14 浴容器の頂部 16 繊維の入り口部分 17 内部の充気室(プレナムチャンバー) 18 繊維の出口の穴 20 浴液体の入り口 22 ポリマー溶液の供給ポート 23 ポリマー溶液の溜め 24 窒素ガスの入り口 26 窒素ガスの出口 28 浴液体の出口 29 浴液体の流れ方向を示す矢印 30 浴の中央に出来る渦巻 32 繊維 33 浴 34 ポリマー溶液の流れ方向を示す矢印 35 被覆された繊維 36 浴の表面 38 フィルム 40 繊維の引っ張り方向 42 窒素ガスの循環方向を示す矢印 44 〃 〃 〃 〃 46 分離器部分 47 浴装置の円錐部分 48 浴の中央(中心)領域 52 被覆繊維の出口の隙間領域(乾燥領域)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ウォルター・ハッシンガー アメリカ合衆国ニュージャージー州08801, アナンデール,ウィンディ・ヒル・ロード 22

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリマーの被覆を備えた繊維であって、
    該被覆が: 1) その表面上にポリマー溶液を受け取ることができ
    る流体浴を用意し; 2) 該浴の表面にポリマー溶液を添加し、該溶液と該
    浴は協同して該溶液が該浴の表面上にポリマーフィルム
    の層を形成するようにし; 3) ポリマーフィルムの層を浴の被覆領域に向かって
    半径方向に前進させ; 4) 該被覆領域に於いて該フィルム層を通して繊維を
    引く;但し、この時に該繊維は繊維の全周囲の回りに付
    着してその周囲に事実上均一な厚さのフィルムの被覆層
    を与えられ、そして該フィルムの被覆層が約100オン
    グストロームから約20,000オングストロームの塗
    布された厚さを持つ; 以上の工程を含むプロセスによって塗布されたポリマー
    被覆を備えた繊維。
  2. 【請求項2】 該フィルムの被覆が約200オングスト
    ロームから約5000オングストロームの塗布された厚
    さを有する請求項1記載の被覆された繊維。
  3. 【請求項3】 該フィルムの被覆が約200オングスト
    ロームから約2000オングストロームの硬化したポリ
    マーの厚さを有する請求項1記載の被覆された繊維。
  4. 【請求項4】 該フィルムの被覆が約400オングスト
    ロームから約1000オングストロームの硬化したポリ
    マーの厚さを有する請求項1記載の被覆された繊維。
  5. 【請求項5】 該被覆された繊維が中空の繊維である請
    求項1記載の被覆された繊維。
  6. 【請求項6】 該被覆された繊維が微孔質の繊維である
    請求項1記載の被覆された繊維。
  7. 【請求項7】 該ポリマーフィルムの被覆が血液凝固防
    止剤を含む請求項1記載の被覆された繊維。
  8. 【請求項8】 該ポリマーフィルムの被覆が抗血液凝固
    性のポリマーを含む請求項1記載の被覆された繊維。
  9. 【請求項9】 該ポリマーフィルムの被覆が生侵食性物
    質を含む請求項1記載の被覆された繊維。
  10. 【請求項10】 該被覆が生侵食性ポリマーを含む請求
    項1記載の被覆された繊維。
  11. 【請求項11】 該ポリマーフィルムの被覆が約500
    オングストローム以下の気孔を有する請求項1記載の被
    覆された繊維。
  12. 【請求項12】 約50オングストロームから約500
    オングストロームの大きさの気孔を有する中空の微孔質
    の繊維と、その上に繊維の周囲の回りに均一に付着した
    硬化フィルム厚さが約200オングストロームから約2
    000オングストロームの薄いフィルム状のポリマーの
    被覆との組み合わせを含む膜構造の複合材料。
  13. 【請求項13】 該フィルムの硬化したポリマーの厚さ
    が約400オングストロームから約1000オングスト
    ロームである請求項12記載の複合繊維。
  14. 【請求項14】 該薄いフィルムの被覆が約500オン
    グストローム以下の大きさの超微孔(ultrapore)を含む
    請求項13記載の複合繊維。
  15. 【請求項15】 該薄いフィルム状のポリマーの被覆が
    抗血液凝固性ポリマーを含む請求項12記載の複合繊
    維。
  16. 【請求項16】 該ポリマーの被覆が生侵食性のポリマ
    ーを含む請求項12記載の複合繊維。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2001526720A (ja) * 1997-05-13 2001-12-18 オウェンス コーニング ガラス及びカーボンファイバー用の非水性サイジング
CN114026049A (zh) * 2019-07-17 2022-02-08 贺利氏石英玻璃有限两合公司 制造空芯光纤和空芯光纤预制件的方法

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