JPH0714446U - ストロボ照明装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 明るさに変化のある被写体全体を適正に撮影
するに好適なストロボ照明装置を提供する。 【構成】 被写体に向けて瞬間的に高出力光線を投射す
るストロボ発光管と、被写体４への投射光線３１〜３８
を有効に投射するための集光レンズ２とを有するストロ
ボ照明装置において、発光管の放射面１の前面に透過率
漸化形フィルタ５を設ける構成。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、ストロボ照明装置に関し、特に明るさに変化のある被写体を照明し 撮影するに好適なストロボ照明装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、この種のストロボ照明装置は、高出力光線を瞬間的に被写体に向けて放 射するものであり、被写体が明るさに変化を有するものであるか否かにかかわら ず所定光量の光線を被写体に向けて放射するものであった。すなわち、被写体を ほぼ均一に照明するものであった。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

このような従来のストロボ照明装置では、明るさに変化のある被写体を撮影す る場合には被写体全体の適正な撮影ができなかった。例えば、道路を走行する車 両等のフロントグリルと車室内の明るさが著しく異なる被写体を撮影する場合に おいて、ナンバープレートの番号とドライバーの顔との両者を適正露出で撮影す る際には、ナンバープレートとドライバーとのどちらか一方に露出を合わせなけ ればならず、そのため他方の露出が不適切となり、映像記録が不鮮明となってし まう不都合があった。

【０００４】 本考案は、このように明るさに変化のある被写体全体を適正に撮影するに好適 なストロボ照明装置を提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案は、このような従来技術の課題を解決するために、被写体に向けて瞬間 的に高出力光線を投射するストロボ発光管と、被写体への投射光線を有効に投射 するための集光レンズとを有するストロボ照明装置において、発光管の放射面の 前面に透過率漸化形フィルタを設ける構成を特徴とする。

【０００６】

【作用】

ストロボ発光管の放射面の前面に透過率が漸化するタイプのフィルタを設置す ることにより、被写体をいわば非均一に照明することができるので、明るさに変 化のある被写体全体を適正な露出で撮影することが可能となる。

【０００７】

【実施例】

以下、本考案の一実施例につき図１を参照して詳細に述べる。

【０００８】 図１において、ストロボ照明装置におけるストロボ発光管の放射面１から放射 される光線は集光レンズ２によって集光されて被写体４を照明する。参照符号５ は、放射面１の前面に設置される本考案の透過率漸化形フィルタである。この透 過率漸化形フィルタ５を設置しない場合について、すなわち従来の場合について 光線の収束状態を説明すると、放射面１の一端である点１１から放射する光線で は集光レンズ２の上端４１を通過する投射光線３１は集光レンズ２によって屈折 され被写体４の一端Ａ点に達する。集光レンズ２の光軸と平行に集光レンズ２に 入射する投射光線３２は、集光レンズ２によって屈折し、集光レンズ２の焦点４ ２を通過しＡ点に達する。また、集光レンズ２の主点４３を通過する投射光線３ ３は直進してＡ点に達する。投射光線３４は、集光レンズ２の下端４５を通過し 、集光レンズ２で屈折しＡ点に達する。

【０００９】 なお、投射光線３１及び投射光線３４よりも外側の投射光線は、ストロボ装置 筐体の内面に設けられた無反射面により外部に反射されない。

【００１０】 同様にして、放射面１の他端である点１２から放射する光線（点線で示す）に ついて説明すると、集光レンズ２の下端４５を通過する投射光線３５は集光レン ズ２によって屈折され被写体４の他端Ｂに達する。集光レンズ２の光軸と平行に 集光レンズ２に入射する投射光線３６は、集光レンズ２によって屈折し、集光レ ンズ２の焦点４４を通過しＢ点に達する。また、集光レンズ２の主点４３を通過 する投射光線３７は直進してＢ点に達する。投射光線３８は、集光レンズ２の上 端４１を通過し、集光レンズ２で屈折しＢ点に達する。

【００１１】 このように、透過率漸化形フィルタ５が無い場合には、放射面１からの光線は 被写体４に向けて均一に投射される。図１に示すように、透過率漸化形フィルタ ５を放射面１の前面に設置すると、図面の上で下方は透過率が高く（細い線で示 す）上方に行くに従って透過率（太い線で示す）が低くなっている。従って、放 射面１の点１２から放射される光線の大部分は透過率の高い部分を通過するので 、被写体のＢ点部分は強い光線で照明されることになり、逆に一点１１よりの光 線は透過率漸化形フィルタ５の透過率の低い部分を通過するので被写体４のＡ点 部分は弱い光線で照明されることとなる。

【００１２】 この透過率漸化形フィルタ５の透過率の分布は不連続的に変化しても良く、あ るいは連続的に変化するものであっても良い。また、被写体の明るさの変化分布 に対応して透過率漸化形フィルタ５の透過率分布を設定することも可能である。

【００１３】 また更に、この透過率漸化形フィルタ５を集光レンズ２の光軸とほぼ垂直な方 向に、すなわち放射面１とほぼ平行な方向に、適当な移動手段を用いて移動させ ることにより被写体４の面の照明分布を変化させる（調整する）ことも可能であ る。

【００１４】

【考案の効果】

以上述べたように、本考案によれば被写体面をいわば不均一に照明することが できるので、明るさに変化のある被写体全体を適正な露出で撮影することが可能 となる。従って、道路を走行する車両等の例えばナンバープレートとドライバー の顔との両方を適切な光線で照明することが可能となる。また、防犯カメラ等の ストロボ照明装置としても有効である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例におけるストロボ照明装置を
示す光学的構成図である。

【符号の説明】

１ 放射面 ２ 集光レンズ ３１〜３８ 投射光線 ４ 被写体 ５ 透過率漸化形フィルタ

Claims (5)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 被写体に向けて瞬間的に高出力光線を投
   射するストロボ発光管と、被写体への投射光線を有効に
   投射するための集光レンズとを有するストロボ照明装置
   において、 前記発光管の放射面の前面に透過率漸化形フィルタを具
   備することを特徴とするストロボ照明装置。
2. 【請求項２】 請求項１において、前記透過率漸化形フ
   ィルタが、光透過率が不連続的に変化するフィルタであ
   ることを特徴とするストロボ照明装置。
3. 【請求項３】 請求項１において、前記透過率漸化形フ
   ィルタが、光透過率が連続的に変化するフィルタである
   ことを特徴とするストロボ照明装置。
4. 【請求項４】 請求項１において、前記透過率漸化形フ
   ィルタを前記発光管の前面で光軸と実質的に垂直な方向
   に移動する手段を具備することを特徴とするストロボ照
   明装置。
5. 【請求項５】 請求項１において、前記透過率漸化形フ
   ィルタの透過率変化分布を被写体の明るさの変化分布に
   対応して設定することを特徴とするストロボ照明装置。