JPH07143879A - Dnaの分離精製方法 - Google Patents

Dnaの分離精製方法

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JPH07143879A
JPH07143879A JP31741193A JP31741193A JPH07143879A JP H07143879 A JPH07143879 A JP H07143879A JP 31741193 A JP31741193 A JP 31741193A JP 31741193 A JP31741193 A JP 31741193A JP H07143879 A JPH07143879 A JP H07143879A
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dna
hydroxyapatite
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eluate
water
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JP31741193A
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Takayuki Ezaki
孝行 江崎
Kazuo Shimizu
和郎 清水
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Toagosei Co Ltd
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Toagosei Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】細胞からDNAを高純度で且つ簡便に分離精製
する方法を提供する。 【構成】界面活性剤、細胞壁溶解酵素及び蛋白分解酵素
との処理によりDNAを遊離させた細胞を、尿素及びリ
ン酸ナトリウムを含有する水溶液とし、該水溶液をヒド
ロキシアパタイトに接触せしめてDNAを吸着させた
後、該ヒドロキシアパタイトを、尿素及びリン酸ナトリ
ウムの混合水溶液で洗浄し、更に水洗してから、リン酸
アンモニウム、炭酸アンモニウム又は炭酸水素アンモニ
ウムの水溶液と接触せしめてDNAを含有する溶出液を
収得し、水で希釈した上でアルコール沈澱法によりDN
Aを析出させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、細胞からDNAを高純
度で且つ簡便に分離精製する方法に関する。本発明の方
法は、原核生物並びに真核生物の遺伝子解析や所謂DN
A診断又は遺伝子操作等において必要とされている生物
細胞のDNAの分離精製法として有用である。
【0002】
【従来の技術】細胞からDNAを抽出調製することに関
しては種々の方法が提案されており、広く採用されてい
る基本的なDNA抽出調製法として、以下のからの
工程からなる方法がある。 細胞を界面活性剤及び必要に応じて細胞壁分解酵素で
処理して溶解すると共に蛋白分解酵素で蛋白質を分解さ
せる。 必要に応じて、セチルトリメチルアンモニウムブロミ
ド処理により多糖類を除去する。 フェノール・クロロホルム処理により蛋白質を除去す
る。 アルコール添加によってDNA(RNAが混在する)
を沈澱収得する。 リボヌクレアーゼA処理によりRNAを分解する。 フェノール・クロロホルム処理によりリボヌクレアー
ゼAを除去する。 アルコール添加によってDNAを沈澱収得する。 上記の方法は、高価な機器を必要とせず、又DNAの収
量がμgからmgのオーダーにわたり巾広く適用できる便
利さがあるが、他方多糖類、蛋白質及びRNAの除去に
それぞれの操作が必要で、多段階の工程を要すること、
中でもフェノール・クロロホルム処理工程において発生
する廃液は煩瑣な廃棄処理が必要であり、難点を少なし
としない。
【0003】さて、ヒドロキシアパタイトがDNA吸着
能を有することは既に知られており、この性質を利用し
て上記方法を改善する試みがある。即ち、ブリテン等
は、上記工程で得られる細胞崩壊液をヒドロキシアパ
タイトと接触させるに際して、細胞崩壊液を約8モル濃
度の尿素と約0.24モル濃度のリン酸ナトリウムを含
有する水溶液としたとき、ヒドロキシアパタイトにDN
Aは吸着するが、多糖類、蛋白質及びRNAは吸着しな
いことを見出し、これを利用したDNAの分離精製方法
を提示している(R.J.Britten etal.Carnegie Inst. Wa
sh. Yearbook 68, 400 , 1970年及びW.Meinke etal. An
al. Biochem.,58,82,1974年)。しかしながら、この方
法は実際にはあまり利用されていない。それは、DNA
を溶離させるのに、0.48モル濃度という高濃度のリ
ン酸ナトリウム溶離液を使用するため、例えば制限酵素
処理等の諸酵素反応が阻害され、折角収得したDNAに
対する以降の諸操作を実施できない状況となるからであ
る。
【0004】このような状況を避けるため、溶出液中に
おいてDNAと混在するリン酸ナトリウムを除去する方
法として、溶出液の透析又はゲル濾過が考えられるが、
いずれもDNAの付着損失を招き、殊に高分子DNA鎖
では切断も起こり易く、DNAを損なうことなく収得す
ることが困難となる。又、アルコール添加によりDNA
を析出させる所謂アルコール沈殿法でも、DNAとリン
酸ナトリウムが同時に沈澱してしまい、これを回避する
には溶出液を水で約500倍に希釈する必要があるが、
このように溶出液中のDNA濃度を小さくするとDNA
も沈澱として得られない。
【0005】所で、ブリテン等の方法が実用化されてい
ないのには更に原因がある。即ち、従来吸着剤として調
製され又は提供されてきたヒドロキシアパタイトは、例
えばチゼリウス(A.Tiselius)の提示になるものは板状
又は鱗片状微小粒子で圧密されて、通液性が低く、分析
に用いる程度の流速を得るにも加圧が必要な程で、特に
本発明における分離対象のDNAは高分子である上に、
多数の電離基をもって大きく広がっており、そのうち分
子量の大きなものは、圧密されたヒドロキシアパタイト
間の細隙に捕らえられて回収することができない。又、
ヒドロキシアパタイトの微小粒子を団塊に固結したもの
もあり、あたかも液の流れは遅滞なきに見受けられる
が、大きなDNA分子は固結粒子間の行き止まりに捕捉
され、回収されないことは同然である。事実、板状又は
鱗片状のヒドロキシアパタイトを試用する実験者のいず
れもが努力を放棄する結果となっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来より広
く実施されている基本的なDNA抽出調製法をヒドロキ
シアパタイトを用いて実施する場合の問題点を解決し、
細胞からDNAを高純度で且つ簡便に分離精製する方法
を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記問題
点を解決するため鋭意検討した結果、特定の濃度を有す
るリン酸アンモニウム、炭酸アンモニウム又は炭酸水素
アンモニウムの水溶液を溶離液として試みた所、溶出液
を水で特定の倍率で希釈すると、意外にも、アルコール
沈殿法により、溶出液からリン酸アンモニウム、炭酸ア
ンモニウム又は炭酸水素アンモニウムを析出させずにD
NAのみを析出させることができることを見出し、本発
明を完成するに到った。即ち、第一の本発明は、界面活
性剤及び蛋白分解酵素との処理に附してDNAを遊離さ
せ、尿素及びリン酸ナトリウムを含有する水溶液とし、
該水溶液をヒドロキシアパタイトに接触せしめてDNA
を吸着させた後、該ヒドロキシアパタイトを、尿素及び
リン酸ナトリウムの混合水溶液で洗浄し、更に水洗して
から、溶離液である1.8〜2.0モル濃度のリン酸ア
ンモニウム水溶液と接触せしめてDNAを含有する溶出
液を収得し、該溶出液を水で10倍に希釈した後、アル
コールを添加混合して、DNAを析出させることを特徴
とするDNAの分離精製方法であり、第二の本発明は、
上記の溶離液が、炭酸アンモニウム又は炭酸水素アンモ
ニウムを1.8〜2.0モル濃度含有する水溶液であ
り、溶出液の希釈に用いる水の量が2倍(容積)である
ことを特徴とするDNAの分離精製方法であり、第三の
本発明は、上記のヒドロキシアパタイトとして、六角柱
状又は針状のヒドロキシアパタイトからなり、細孔容積
が1〜5ml/ gであるヒドロキシアパタイト凝集体を用
いることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のDN
Aの分離精製方法である。
【0008】以下、本発明を詳述する。 (細胞崩壊)本発明の方法は、細胞からその遺伝子的成
分であるDNAを分離精製することに係わり、本発明に
おいて、細胞の種類は制限はなく、原核細胞及び真核細
胞のいずれであっても良い。本発明の方法は、先ず細胞
を崩壊してDNAを遊離せしめることから出発する。細
胞崩壊を行うには、細胞を界面活性剤で処理すれば良
い。界面活性剤の好ましい具体例として、例えばドデシ
ル硫酸ナトリウムやN−ラウロイルサルコシン酸ナトリ
ウム等がある。なお、原核細胞においては、細胞壁のあ
るものが多いので、細胞崩壊を行うためには、リゾチー
ム或いはクロモペプチターゼ等の細胞壁多糖類分解酵素
を併用することが望ましい。
【0009】次に、細胞内において蛋白質と結合してい
るDNAを遊離させるために、蛋白分解酵素処理をす
る。蛋白分解酵素の好ましい具体例として、例えばプロ
ナーゼや殊に最近はプロティナーゼK(和光薬品株式会
社製)がある。
【0010】界面活性剤、細胞壁溶解酵素又は蛋白分解
酵素で細胞を処理する工程は、同時に行っても、別々に
行っても良く、好ましい処理条件は、室温から60℃、
より好ましくは37℃から60℃に至る間の温度で、数
分から数時間にわたる。そして、充分DNAを遊離せし
めることが望ましい。なお、フレンチプレス等の機械的
崩壊作用を利用することも可能であるが、DNAの解裂
を避けるため、できれば穏和な作用条件が望ましい。
【0011】上記のようにして細胞崩壊を行った後、D
NAを遊離させた細胞を尿素及びリン酸ナトリウムを含
有する水溶液とする必要がある。この水溶液をヒドロキ
シアパタイトと接触させることにより、ヒドロキシアパ
タイトに蛋白質、RNA及び多糖類等の不純物を吸着さ
せず、DNAのみを吸着させることができる。上記水溶
液における好ましい尿素の濃度は6〜8モル濃度であ
り、好ましいリン酸ナトリウムの濃度は0.20〜0.
24モル濃度である。このように各成分の濃度を調整す
ると、蛋白質等のDNA以外の不純物がヒドロキシアパ
タイトに吸着するのを抑制することができる。
【0012】(吸着)上記のようにして得た溶液をヒド
ロキシアパタイトに接触せしめて、DNAをそれに吸着
せしめる。
【0013】従来、ヒドロキシアパタイトにDNAを吸
着させる方法に特に制限はなく、例えば上記のようにし
て得たDNAを含有する溶液(以下、単にDNA含有液
という)とヒドロキシアパタイトとを、容器中で攪拌し
ながら接触させる方法、或いはカラムに充填したヒドロ
キシアパタイトにDNA含有液を通液する方法等があ
る。操作を連続的に行うには、通常カラムに通液する方
法が好ましい。しかし、一般のヒドロキシアパタイトに
おいてはカラムに充填した場合、DNA含有液は通常高
粘性であるため、カラムを円滑に通過させることは容易
ではないので、カラム通液を行う場合には、円滑にカラ
ムを通過せしめることができ、負荷、洗浄を極めて円滑
且つ効果的に遂行できることから、ヒドロキシアパタイ
トとして、ヒドロキシアパタイト凝集体を用いることが
好ましい。
【0014】上記のヒドロキシアパタイト凝集体は、特
開昭62−17690号公報又は米国特許第5,07
3,357号に記載されたものと同じであって、六角柱
状又は針状のヒドロキシアパタイト単結晶が凝集した、
平均粒径60〜100μmの凝集体であり、細孔容積が
1〜5ml/gなるもの(以下、単にヒドロキシアパタイト
凝集体と略記する)であり、市販品としてギガパイト
(東亞合成化学工業株式会社製商品名)がある。
【0015】この材料は、極めて高い通液性を有し、高
分子電解質水溶液に特有の高粘性を呈するDNA含有溶
液も円滑に通過し、その間効果的な吸脱着による分離精
製が遂行される。殊に、従前のヒドロキシアパタイト材
料に見られる大きなDNA断片の繋留損失の回避が期せ
られる。
【0016】(洗浄)上記のようにして、ヒドロキシア
パタイトにDNAを吸着させた後、尿素及びリン酸ナト
リウムの混合水溶液を暫く流して、蛋白質、RNA、多
糖類等を流去し、次いで水を通して、尿素、リン酸ナト
リウムを洗去する。尿素及びリン酸ナトリウムの好まし
い混合水溶液として、6〜8モル濃度の尿素、0.20
〜0.24モル濃度のリン酸ナトリウムを含有する緩衝
液(PH値6.8、以下PU液と略記する)がある。こ
の水溶液を用いることにより、効率的に蛋白質、RN
A、多糖類等の不純物を流去することができる。
【0017】(溶離)上記のようにして、洗浄した後、
従来の方法では、0.48M−リン酸ナトリウム水溶液
でDNAを溶離させるのであるが、本発明では溶離液と
して、1.8〜2.0モル濃度のリン酸アンモニウム水
溶液、同濃度の炭酸アンモニウム又は、同濃度の炭酸水
素アンモニウムの各水溶液を使用する。溶離液の濃度が
1.8モル濃度未満では、DNA以外の不純物が混在し
てしまい、高純度のDNAを得ることができないという
問題があり、一方溶離液の濃度が2.0モル濃度を越え
るとヒドロキシアパタイトに対するDNAの吸着効率が
低下するため、収率良くDNAを得ることが困難とな
る。
【0018】(アルコール沈殿)上記のようにして溶離
して得た溶出液を、水で希釈した後、アルコールを添加
混合して、DNAを析出させる。溶離液として、リン酸
アンモニウム水溶液を用いた場合には、水による溶出液
の希釈倍率は10倍であり、炭酸アンモニウム又は炭酸
水素アンモニウムを用いた場合には、水による溶出液の
希釈倍率は2倍である。もしも、溶離液として、0.4
8Mリン酸ナトリウム水溶液を使用した場合には、アル
コールの添加により溶出液からDNAを沈澱させるため
にも、その他の後工程のためにも、リン酸ナトリウムを
除去するために、透析乃至ゲル濾過が必要であるが、こ
れには時間と手間を要し、且つDNAの劣化、損失が招
来されるという問題がある。
【0019】上記の好ましいアルコールとして、エチル
アルコール及びイソプロピルアルコール等があり、その
好ましいアルコールの添加条件として、水で希釈した
後、その希釈した溶出液の2倍量(容積)のエチルアル
コール又は等倍量(容積)のイソプロピルアルコールを
添加する。このような条件でアルコール沈澱を行うこと
によって、リン酸アンモニウム、炭酸アンモニウム又は
炭酸水素アンモニウムを沈澱させずに、DNAのみを沈
澱させることができる。
【0020】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に具体的に説
明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもので
はない。
【0021】実施例1(グラム陰性細菌フラボバクテリ
アからのDNAの分離精製) フラボバクテリア(Flavobacteria )の普通寒天平板1
夜培養を集菌し、その100mgを10mMEDTA加生理
食塩水1mlに懸濁し10mg/ml リゾチーム液100μl
を混合し、37℃に1時間保持した。次いで、20%S
DS液50μlと10mg/ml プロティナーゼK(和光薬
品株式会社製)を50μl 添加して、60℃に1時間保
持する。
【0022】これに8M−尿素,0.24M−リン酸ナ
トリウム緩衝液pH値6.8(以下、PU液と略記す
る)9mlを混合し、予めPU液で平衡化したヒドロキシ
アパタイト凝集体1ml(0.8φ×2.0cm)を充填したカラ
ムに負荷する(流速:約0.5ml/ 分)。更に、PU液
5mlを通し、次いで水10mlで洗浄した後、2M−リン
酸アンモニウム水溶液(pH値6.8)2mlを通してD
NAを溶出する。溶出液に水を加えて20mlとした上
で、冷イソプロピルアルコール20mlを重層して放置5
分後、遠心して析出するDNAを沈澱として上澄みと分
離し、沈澱には70%エチルアルコールを加えて再度遠
心し、沈澱を収得し、乾燥する。
【0023】乾燥DNAを1mM−EDTA、10mM−ト
リス塩酸緩衝液(pH値8.0)10mlに溶解し、波長
260nm及び280nmの紫外線吸光度を測定し、下記の
値を得た。 OD260 =0.372,OD280 =0.210 これより、DNA収量は0.19mgであり、又OD260
/ OD260 =1.77と算出される。
【0024】実施例2(グラム陽性細菌ストレプトコッ
カス・ミティスからのDNAの分離精製) ストレプトコッカス・ミティス(Streptococus mitis)
をトッド・ヘィウッド(Todd・ Heywood )液体培地に1
夜培養し、6000rpm で遠心集菌し、その0.5gを
5mM−EDTA(pH8.0)5mlに懸濁し、これに細
胞壁溶解酵素アクロモペプチダーゼ(和光薬品株式会社
製)10mg/ml 液を250μl添加して、37℃2時間
保持し、次いで20%SDS・アルカリ液250μlを
加えて55℃で1時間処理し、更に10mg/ml プロティ
ナーゼKを250μl 加えて、引き続き55℃で1時間
処理する。
【0025】これにPU液45mlを混合し、予めPU液
で平衡化したヒドロキシアパタイト凝集体5ml(1.0φ
×6.5cm)を充填したカラムに負荷する(流速:約1ml/
min)。更にPU液25mlを通し、次いで水50mlで洗
浄した後、2M−炭酸水素アンモニウム水溶液(pH
8.2)10mlを通してDNAを溶出する。溶出液に水
を加えて20mlとした上で、冷エチルアルコール40ml
を重層して放置5分後、遠心して白色沈澱を上澄みと分
離し、沈澱を70%エチルアルコールに懸濁し、再度遠
心し、沈澱を分離し、乾燥する。
【0026】乾燥DNAを1mM−EDTA、10mM−ト
リス塩酸緩衝液(pH値8.0)25mlに溶解し、実施
例1に倣って紫外線吸光度を測定し、下記の値を得た。 OD260 =0.757,OD280 =0.421 これより、DNA収量は0.95mgであり、又OD260
/ OD280 =1.80と算出される。
【0027】実施例3(牛型結核菌マイコバクテリウム
・ボビスからのDNAの分離精製) マイコバクテリウム・ボビス(Mycobacterium bovis )
を小川培地に約1ヵ月培養し、集菌した。その100mg
を1mM−EDTA、10mMトリス塩酸緩衝液((pH
8.0)1mlに懸濁し、10mg/ml リゾチーム液100
μl を添加し、37℃で18時間保持した。次いで、2
0%SDS液50μl と10mg/ml プロティナーゼK液
を50μl 添加して、60℃に1時間保持する。
【0028】これにPU液9mlを混合し、予めPU液で
平衡化したヒドロキシアパタイト凝集体2ml(0.8φ×
3.5cm)を充填したカラムに負荷する(流速:約0.5ml/
分)。更に、PU液10mlを通し、次いで水20mlで洗
浄した後、2M−炭酸アンモニウム水溶液((pH値
9.2)5mlを通してDNAを溶出する。溶出液に水を
加えて10mlとした上で、冷エチルアルコール20mlを
重層して放置5分後、遠心して白色沈澱を上澄みと分離
し、沈澱に70%エチルアルコールを加えて懸濁し再度
遠心し、沈澱を収得し、乾燥する。
【0029】乾燥DNAを1mM−EDTA、10mM−ト
リス塩酸緩衝液(pH値8.0)10mlに溶解し、実施
例1に倣って紫外線吸光度を測定し、下記の値を得た。 OD260 =0.452,OD280 =0.254 これより、DNA収量は0.23mgであり、又OD260
/ OD280 =1.78と算出される。
【0030】実施例4(酵母染色体DNAの分離精製) サッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisi
ae)を5mlのYPD培養液(酵母エキス1%、ポリペプ
トン1%、グルコース2%)で1昼夜培養し遠心集菌す
る。その100mgを0.1M−EDTA(pH値7.
5)1mlに懸濁し10mg/ml のZymolyase (キリンビー
ル)を10μl 添加し、37℃に1時間保持した後、1
0%N−ラウロイルサルコシン酸ナトリウム液100μ
l と10mg/ml プロティナーゼKを50μl 添加して、
60℃に1時間保持する。
【0031】これにPU液9mlを混合し、予めPU液で
平衡化したヒドロキシアパタイト凝集体2ml(0.8φ×
3.5cm)を充填したカラムに負荷する(流速:約0.5ml/
分)。更に、PU液5mlを通し、次いで水10mlで洗浄
した後、2M−炭酸アンモニウム水溶液(pH値9.
2)5mlを通してDNAを溶出する。溶出液に水を加え
て10mlとした上で、冷エチルアルコール20mlを重層
して放置5分後、遠心して白色沈澱を上澄みと分離し、
沈澱に70%エチルアルコールを加えて懸濁し再度遠心
し、沈澱を分離し、乾燥する。
【0032】乾燥DNAを1mM−EDTA、10mM−ト
リス塩酸緩衝液(pH値8.0)10mlに溶解し、実施
例1に倣って紫外線吸光度を測定し、下記の値を得た。 OD260 =0.416,OD280 =0.233 これより、DNA収量は0.21mgであり、又OD260
/OD280 =1.79と算出される。
【0033】
【発明の効果】本発明は、高価な機器を必要とせず、又
DNAの収量がμgからmgのオーダーにわたり巾広く適
用できるという簡便さを有している。即ち、細胞崩壊液
から一段の操作で混在する蛋白質、RNA及び多糖類等
を除去することができ、従来より用いられている所謂フ
ェノール・クロロホルム水混合廃液を生ずることから免
れる。又、DNAを含有する溶出液を水で希釈するのみ
でアルコール沈澱法が可能となり、透析或いはゲル濾過
等の、DNA分子の損失をもたらす工程を不要とし、高
分子のDNAを収率良く得ることができる。本発明は、
上記のように簡便さを有すると共に、細胞からDNAを
高純度で分離精製することができ、原核生物並びに真核
生物の遺伝子解析や所謂DNA診断又は遺伝子操作等に
おいて必要とされる、生物細胞からのDNAの分離精製
法として有用である。溶離液として、リン酸アンモニウ
ム水溶液を用いる場合は、溶出液を水で約10倍に希釈
するのみで、アルコール添加によってDNAを純度良く
沈澱せしめることができ、炭酸アンモニウム又は炭酸水
素アンモニウムの水溶液を用いる場合は、溶出液を僅か
に水で2倍に希釈するのみでDNAのアルコール沈澱分
離を遂行することができる。ヒドロキシアパタイトとし
て、ヒドロキシアパタイト凝集体を用いる場合には、カ
ラム通液方式で、短時間にDNAを分離精製することが
できる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】細胞を、界面活性剤及び蛋白分解酵素との
    処理に附してDNAを遊離させ、尿素及びリン酸ナトリ
    ウムを含有する水溶液とし、該水溶液をヒドロキシアパ
    タイトに接触せしめてDNAを吸着させた後、該ヒドロ
    キシアパタイトを、尿素及びリン酸ナトリウムの混合水
    溶液で洗浄し、更に水洗してから、溶離液である1.8
    〜2.0モル濃度のリン酸アンモニウム水溶液と接触せ
    しめてDNAを含有する溶出液を収得し、該溶出液に水
    を加え10倍(容積)に希釈した後、アルコールを添加
    混合して、DNAを析出させることを特徴とするDNA
    の分離精製方法。
  2. 【請求項2】請求項1において、溶離液が、炭酸アンモ
    ニウム又は炭酸水素アンモニウムを1.8〜2.0モル
    濃度含有する水溶液であり、溶出液の希釈に用いる水の
    量が2倍(容積)であることを特徴とするDNAの分離
    精製方法。
  3. 【請求項3】ヒドロキシアパタイトとして、六角柱状又
    は針状のヒドロキシアパタイトからなり、細孔容積が1
    〜5ml/ gであるヒドロキシアパタイト凝集体を用いる
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2記載のDNAの
    分離精製方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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JP2006527993A (ja) * 2003-07-23 2006-12-14 シクロプス ゲノム サイエンス リミテッド クリーンアップビーズ
US7303876B2 (en) 2000-11-28 2007-12-04 Applera Corporation Compositions, methods, and kits for isolating nucleic acids using surfactants and proteases
JP2013523142A (ja) * 2010-04-08 2013-06-17 キアゲン ゲーエムベーハー 核酸の選択的単離および精製のための方法

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