JP2006527993A - クリーンアップビーズ - Google Patents

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Abstract

本発明は不要成分から対象物質を分離するための試薬を提供するものであり、当該試薬は固相およびコーティングを含み、固相は不要成分に結合することができ、且つ対象物質への当該固相のいかなる結合も妨げる程度に、固相の露出表面をコーティングが覆っている。当該試薬を製造する方法、不要成分から対象物質を分離するための当該試薬の使用も提供される。

Description

電荷および/またはサイズの様な分子の物理的特性の1以上に基づいて、分子を区別して分離するための手段を開示する。分離は、固相を表面処理したものにより行なわれる。この表面処理層により、固相と試料が分離される。固相は、試料に含まれる成分の1以上に結合する能力を有することにより、汚染物のような1以上の不要成分を対象物質から除去する。表面処理を伴わない固相は、不要成分へ結合することができる。具体的には、表面処理を伴わない固相は、不要成分と対象物質の両方に結合することによって、分離が起こらない様にすることもできる。これらの場合において、対象物質または汚染物の何れかを区別して結合する固相の能力は、表面処理の特性に依存する。
表面処理層によって、対象物質溶液の成分の、固相に対する選択的バリアーが提供されることになる。この選択性は、表面処理層の下にある固相から、あるサイズおよび/または電荷を有する分子を排除するための表面処理層の能力に基づく。例えば、驚くべきことに、ハイドロキシアパタイト粒子をポリヌクレオチドで表面処理することにより、標識ヌクレオチドと標識ポリヌクレオチドの混合物に対する半透性バリアーが供されることになる。それによって、ヌクレオチドは、ポリヌクレオチドと比較して相対的に小さなサイズであるため基礎となる固相により結合されることが判明した。対象物質であるポリヌクレオチドの基礎となる固相からの排除は、表面処理層による電荷反発、結合競合および/またはサイズ排除に基づく。この例においては、不要成分である標識ヌクレオチドは、所望の標識ポリヌクレオチドから除去することができ、本発明は、例えば標識反応(Sambrookら,(1989年)Molecular Cloning:A Labratory Manual,CSH)の後に、所望の標識ポリヌクレオチドから、取り込まれていない標識化ヌクレオチドを除去するための効果的な手段を提供する。
自動高スループット配列決定では、所望の反応生成物から塩や取り込まれていない色素標識ターミネーターを除去する必須工程が求められる。ポリヌクレオチドからヌクレオチドを除去するための現行の方法は、時間がかかったり時にはコスト高となるプロセスであり、特に、例えばSephadex G−10、G−25、G−50またはG−75によるゲル濾過を必要とする(Amersham Biosciences、イギリス)。この方法は、Sephadexビーズのプレ膨潤、カラムへの注入、カラム緩衝液の補充、および所望のポリヌクレオチドを含有する画分を測定するための複数の画分の収集を必要とする。放射性試料のゲル濾過は、かなりの時間にわたりオペレータを重大な放射能暴露に曝しかねない。他のゲル濾過方法は遠心機中で用いることができるスピンカラムを利用する。この方法は、カラムを使用するよりも速いが、依然としてオペレータの手間を実施時にかなり必要とする。ゲル濾過方法は、自動化には余り適合しない。なぜならば、多くの遠心や真空乾燥工程を必要とするためである。同様に、例えばポリヌクレオチドからのヌクレオチドの除去のため慣用的に用いられる別法であるエタノール沈殿は、試料の実質的な喪失や塩による汚染を頻繁にもたらし、自動化には適せず、時間がかかり且つ不十分な方法である。
本発明は、不要成分から対象物質を分離するための迅速な方法を提供することによって、当該分野で公知の分離方法を改良するものである。有利なことに、この方法において対象物質は溶液のままであり、コストがかかり或いは対象物質の喪失を招く溶出や回収工程を必要としない。
第1の態様において、本発明は不要成分から対象物質を分離するための試薬を提供するものであり、その試薬は固相およびコーティングを含み、固相が不要成分と結合することができ、且つ、対象物質への固相のいかなる結合も妨げる程度に、固相の露出表面をコーティングが覆っている。
具体的には、コーティングの不存在下において固相は対象物質に結合することができる。つまり、コーティングは固相の対象物質への結合を妨げる。即ち、対象物質の固相への結合は、コーティングの存在により低下する。結合の阻害の程度は、コーティングの存在下および不存在下で固相への対象物質の結合を測定することにより決定することができる。
1つの実施態様において、固相とコーティングは、50%を超える不要成分が試薬の固相に結合することができるように選択される。75%を超える、または90%を超える不要成分が、固相に結合することができることが好ましい。1つの実施態様において、固相に結合する対象物質を50%未満とすることができる。好ましくは、固相に結合することができる対象物質を25%未満、または10%未満にする。
固相とコーティングは、試薬が、不要成分と所望の対象物質を含有する試料中の不要成分へ選択的に結合することができる様に選択される。
固相は不要成分と結合できなければならない。当業者であれば、特定の不要成分への結合に適した固相を同定できるであろう。不要成分の固相への結合は、吸着、吸収、電荷、疎水性、親和性、水素結合または共有結合により行うことができる。
不要成分が荷電している場合、反対の電荷を有する固相を選択することができる。この結果、静電的引力により不要成分が固相に結合する。
不要成分がキレート剤である場合、キレート剤へ結合可能な固相を選択することができる。典型的には、キレート剤へ結合可能な固相は、キレート剤が結合する金属イオンの様なカチオンを含むものとする。
固相がコーティングの不存在下で対象物質に結合できる実施形態において、コーティングは、不要成分を結合させつつ、対象物質の結合を妨げる様に選択されなければならない。当業者であれば、この目的で適当なコーティングを選択することができる。コーティングは、通常、静電反発力および/または立体障害により対象物質の結合を妨げる。
対象物質が荷電している場合、コーティングは同一の電荷を保有してもよい。その結果、コーティングは対象物質を反発し、本発明に係る試薬が固相へ結合するのを妨げる。対象物質が不要成分よりも大きな場合、コーティングは対象物質を立体的にブロックし得る。
さらなる態様において、本発明は、本発明の試薬を調製する方法を提供する。本発明方法は、固相を表面処理材料と接触させ、コーティングを形成する工程を含む。所望により、本発明方法は、得られた試薬を単離する工程も含む。
さらなる態様において、本発明は不要成分から対象物質を分離する方法を提供する。本発明方法は、不要成分が本発明試薬の固相に結合することを可能とする条件下で、対象物質および不要成分を含有する試料を本発明試薬と接触させ、所望により、対象物質を含有する試料を本発明試薬から分離することを含む。試料は気相または液相状態で存在させなければならない。
好ましい実施態様において、不要成分の少なくとも50%は材料の固相に結合する。75%を超える、または90%を超える不要成分が固相に結合することが好ましい。1つの実施態様において、固相に結合する対象物質を50%未満とする。好適には、固相に結合する対象物質を25%未満、または10%未満とする。
1つの実施態様において、「不要な」成分は試薬の固相から溶出され、回収される。
不要成分が標識されるもう1つの実施態様において、試料から回収された本発明試薬をアッセイして、結合した不要成分の量を測定する。不要成分の量は、不要成分に付着した標識をアッセイすることにより測定することができる。
さらなる態様において、本発明は、不要成分から対象物質を分離するためのキットを提供する。当該キットは、本発明の試薬を含む。当該キットは、さらに以下の成分:
a)液状またはガス状試料から試薬を分離するための手段;
b)試薬から不要成分を溶出させないが、対象物質を試薬から溶出させることができる洗浄緩衝液;
c)滅菌チューブまたは容器;
d)DNAまたはRNA標識反応を行うための成分;および
e)試薬の不要成分への結合能をテストするための対照;
のうちの少なくとも1つを含む。
本発明試薬の不要成分への結合能をテストするための対照は、典型的には、標識された不要成分を含む。この標識された不要成分の本発明試薬への結合に続き、本発明試薬を囲う試料からの標識不要成分の除去を測定することができる。典型的には、本発明試薬の効率を視覚的に評価し、または比色計/分光光度計で測定できるように、着色した不要成分を用いる。しかしながら、対照を、放射性標識、親和性標識、酵素標識または蛍光標識で標識することもできる。
本発明の1つの実施態様において、組み込まれなかったヌクレオチドのような不要成分が固相により捕捉されて除去される。その一方で、DNAのような所望の対象物質は、溶液にとどまる。シリカ粒子によるヌクレオチドとポリヌクレオチドの分離の様な現行の方法は、対象物質の固相への結合、続いて不要成分を除去するための粒子の洗浄、続いて、最後に対象物質の固相からの溶出を必要とする。本発明の利点の1つは、溶出工程を必要としないことである。なぜならば、固相は不要な反応成分のみに結合し、精製された対象物質を溶液中でフリーにするからである。
対象物質は、(i)逆転写のような重合反応、PCR、DNA配列決定反応、ニックトランスレーションまたはランダムプライニングのような標識反応、インビトロ転写反応のようなRNA重合の産物(Sambrookら,(1989年)Molecular Cloning:A Laboratory Manual,CSH)に由来するものの様な一本鎖または二本鎖DNAまたはRNAなどのポリヌクレオチド、(ii)酵素、補因子、受容体、糖タンパク質、抗体、リンタンパク質、抗原、診断バイオマーカーのようなタンパク質、または(iii)ペプチド、ステロイドまたはcAMPのような小薬剤様分子であり得る。
対象物質から除去すべき不要成分は、以下の1以上であり得る。(i)Cy5またはCy3 CyDyeTM(Amersham Pharmacia Biosciences、イギリス)などの組み込まれなかったリボヌクレオチド、デオキシリボヌクレオチドまたはジデオキシリボヌクレオチド一/二/三リン酸(「フリーヌクレオチド」ともいう)、ローダミン、フルオレセイン、TAMRA、6−FAM、TET、テキサスレッド、ジゴキシゲニン、ダブシル、TaqMan ProbesTM、ATTO590、JOE、ROX、クマリン、またはビオチン、またはコレステロール、またはアミノアルキル標識された若しくは3H、14C、35S、33Pまたは32Pで放射性標識されたヌクレオチド一、二または三リン酸、または標識された若しくは標識されていないジデオキシヌクレオチドのような標識されていない若しくは蛍光標識ヌクレオチド、(ii)CoCl2、CaCl2、LiCl2、MnCl2、MgCl2、KCl、NaCl、(NH42SO4またはリン酸ナトリウムのような塩、(iii)SDSまたはSLSのような洗浄剤、(iv)トリチウム標識チミジンのような前駆体、35Sシステイン若しくはメチオニン、または14Cグリシンのような標識されたアミノ酸、ビオチニル化リシン、蛍光標識リシン、14Cグルコースリン酸若しくは14Cガラクトースのような糖、またはリン32、(iv)クロム51、カルシウム45、コバルト57、鉄59のような放射性金属、(v)臭化エチジウムのような毒性物質、(vi)CDTA(トランス−1,2−ジアミノシクロヘキサン−N,N、N’,N’−テトラ酢酸)、EDTA(エチレンジアミンテトラ酢酸)、EGTA(エチレングリコール−O,O’−ビス(2−アミノエチル)−N,N,N’,N’−テトラ酢酸)、DTPA(ジエチレントリアミンペンタ酢酸)、HEDTA(N−(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミン−N,N,N’−トリ酢酸)、NTA(ニトリロトリ酢酸)、TTHA(トリエチレンテトラミン−N,N,N’,N”,N’’’,N’’’−ヘキサ酢酸)、ジメチル−BAPTA(Molecular Probes、米国)、クエン酸またはBAPTA(ビス(2−アミノフェノキシ)−エタン−N,N,N’,N’−テトラ酢酸)のようなキレート剤。当該キレート剤は、通常、以下の:ナトリウム、カリウム、リチウム、カルシウム、銅、アンモニウム、亜鉛、鉄、マグネシウム、マンガン、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウムまたはテトラブチルアンモニウムの1以上の塩の形態である。不要なキレート剤は、ハイドロキシアパタイト固相上のカルシウムの様な、固相に位置した金属へのキレーションによって結合することができる。好ましくは、不要成分はネット正または負電荷の何れかを担うか、或いは電荷引力を介して固相に結合することができる様に十分に分極した電荷分布を有する。より好ましくは、不要成分は、表面がコーティングされたハイドロキシアパタイトを用いて結合除去できる様に、負の電荷を担う。
不要成分が、ヌクレオチド、キレート剤、アニオン洗浄剤、またはグルタミン酸またはアスパラギン酸の様な負に荷電したアミノ酸であって、精製すべき所望の対象物質が核酸またはタンパク質である場合には、好ましくは、固相はハイドロキシアパタイトであって、表面コーティングは核酸である。
不要成分が、リシンまたはアルギニン酸の様な正に荷電したアミノ酸であって、精製すべき所望の対象物質が正に荷電したタンパク質である場合には、好ましくは、固相はハイドロキシアパタイトであって、表面コーティングはナイロンまたはポリグルタミン酸のような正に荷電したポリマーである。
上述した様に、固相はネット負または正の電荷を有するものであり、疎水性であり、例えば抗原−抗体複合体を介して分子に対する親和性を有し、或いはサイズ排除特性を有していてもよい。適当な固相の例には、アガロース、アクリルアミド、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリル、石英、ゴム、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、ナイロン、ガラス、ハイドロキシアパタイト、フルオロアパタイト、シリカ、金属、金属塩または金属酸化物が含まれる。当該金属、または当該金属塩または金属酸化物に存在する金属は、カルシウム、鉄、クロム、ガリウム、ゲルマニウム、リチウム、マグネシウム、マンガン、パラジウム、セシウム、タングステン、セレン、スズ、バナジウム、モリブデン、ニッケル、銅、亜鉛、アルミニウム、銀、金、白金または鉛であり得る。また、固相は、鉄−亜鉛ブレンドまたはその酸化物、例えばリチウム鉄III酸化物の様な、金属の混合物を含むこともできる。
好ましくは、固相は鉄のような磁性成分を含み、容易化された混合や対象物質を含有する混合物からの粒子の分離を可能とする。本発明を実施するのに特に適した磁性ハイドロキシアパタイトは、商業的に入手可能である(ハイドロキシアパタイトタイプI、Chemicell Gmbh、ドイツ)。
汚染物が固相に結合する物理的プロセスは、以下の1以上とすることができる:吸着、吸収、電荷、疎水性、親和性、水素結合または共有結合。汚染物および表面処理の固相の間の結合相互作用は永久的なものである必要はないが、結合した汚染物と結合していない汚染物との間には平衡が存在し得、相互作用は表面処理固相と同時の汚染物の除去を可能とするのに十分に永続的であるべきである。
固相は、ビーズ、粒子、磁性ビーズもしくは粒子、シート、ゲル、粉末、フィルター、膜の形態とすることができる。或いはチューブの内部に結合でき、またはクロマトグラフィカラムのパッキングとして、または96、384若しくは1536様式のようなウェルまたはピペット先端のライニングに、または容器に挿入できる細長いプローブの表面に存在する。何れの場合でも、固相は表面処理剤でコーティングされる。このコーティングは、不要成分から対象物質を区別して分離する手段を提供する。コーティングは、規定されたサイズのポアを含有する膜でもあり得る。それによって、対象物質分子のポアへの進入が、ポアそれ自体のサイズのみならず、ポアそれ自体の周り及びその内側の電荷により制御することができる。
対象物質からの汚染物の除去に続き、(i)磁石による磁性粒子の収集、(ii)0.05、0.1または0.2μm Milliporeポリカーボネートフィルターのようなフィルターによる固相の収集、または(iii)遠心または沈積による分離の様な多数の方法の何れか1つを用いて、表面処理固相を対象物質含有溶液から除去することができる。
即ち本発明は、ハイドロキシアパタイトの様な材料であり得る1以上の固相と1以上の特殊化された表面処理との組合せに関し、それにより、試料内の分子と本発明試薬との相互作用を制限する。
表面処理剤の試薬への結合は特に制限されるものではないが、共有結合、イオン結合、カプセル化コーティング、吸着、吸収または疎水性相互作用であり得る。表面処理は、その全体において、少なくとも対象物質から不要成分を有効に分離できる様な密度にて基礎となる表面相を被覆する様に、十分に密でなければならない。表面処理の密度と適応性は、不要成分からの標識された対象物質の所望の分離特性が失われるまで、表面処理を徐々に少なくして固定量の固相へ加えることにより実験的に決定することができる。これは、例えば放射性または蛍光標識対象物質および/または不要成分を用いることによって、容易に測定することができる。50%を超える、より好ましくは少なくとも75%、なおより好ましくは少なくとも90%、最も好ましくは100%の不要な反応成分が、対象物質から除去されることが好ましい。また、所望の成分の分離の間に失われる対象物質は50%未満とすることが好ましく、より好ましくは25%未満、なおより好ましくは10%未満、最も好ましくは0%が好ましい。
表面処理材料は、それが脱落したり、吸着したり、そうでなければ対象物質含有混合物を汚染しない様に、基礎となる固相へ十分しっかりと付着されることが好ましい。付着強度は、対象物質と同一の溶媒中で表面処理固相をインキュベートし、例えば秤量、IR分光測定、若しくはu/v吸収による固相からの表面処理層の喪失、または固相からの所望の分離特性の喪失を測定することによって、決定することができる。別法として、表面処理層は、例えば蛍光で標識することができ、対象物質含有溶媒における蛍光の出現の率を測定することができる。表面処理層がポリヌクレオチドである場合には、逆転写またはタンパク質翻訳の様な感受性の下流部門における適用と干渉しない様に、例えば、ポリr(C)、ポリr(U)、ポリr(G)、ポリr(A)またはポリd(C)、ポリd(T)、ポリd(U)、ポリd(G)、ポリd(A)またはポリd(A/T)、ポリd(U/A)またはポリd(G/C)から選択される非コーディングホモポリマーであるのが好ましい。ポリr(C)またはポリr(A)の様なリボポリヌクレオチドの表面コーティングは、特許出願WO/01/94626およびWO/00/75302に記載された様に、2’−OH基を例えばアセチルにより修飾することによって、リボヌクレアーゼや加水分解による攻撃から安定化させることができる。また、特許出願WO/01/94626およびWO/00/75302に記載されたように、リボポリヌクレオチドは、グルタルアルデヒドまたは塩化セバコイルを用いて共有結合により架橋させることもできる。共有結合による架橋は、固相の外部にインターロックされたメッシュを生じさせ、ポリリボヌクレオチドの何れかの1つの分子が固相の表面から脱離しない様にする。また、例えば、アドリアマイシン処理(Cullinaneら,(2000年)Nucleic.Acids.Res.28:1019)、マイトマイシンC、グルタルデヒドまたはu/v架橋によって、DNAストランドを架橋させることもできる。DNAおよびRNAの架橋は、当該分野でよく知られており、特別な方法は限定されないが、十分な架橋を得て、下流分野における適用や対象物質の分析を阻害しないレベルまで、表面処理層の吸着を低減させるべきである。
ポリリボヌクレオチドは、逆転写の促進剤(HCV Amplicor v2.0、Roche、米国)として加えられることがある。従って、表面処理の対象物質への浸出は必ずしも望まれるものではない。しかしながら、対象物質の下流分野における使用が、例えばサザンブロット法のための放射性プローブからの標識ヌクレオチドの除去の様に、表面処理材料による汚染に対して特に感受性でない場合には、ポリヌクレオチドのタイプは特に重要ではない。従って、例えば、一本鎖または二本鎖サケ精子DNAのようなゲノムDNAの様なコーディングポリヌクレオチドを用いることができる。表面処理のためのポリヌクレオチド源は、インビトロ酵素または合成反応により生じるホモポリマーよりも経済的であり得る。
表面処理材料がポリヌクレオチドである場合、前述した理由は別として、配列によっては特に制限されない。当該ポリヌクレオチドは、一本鎖、二本鎖または三本鎖ホモポリマー;大腸菌、植物またはサケまたはニシン精子ゲノムDNAの様な原核生物または真核生物ゲノムDNAなどの一本鎖、二本鎖または三本鎖へテロオリゴまたはポリヌクレオチド;ラムダファージ、M13のようなファージ由来の核酸;またはBMVまたはTMVの様なウィルス由来の核酸;ミトコンドリアDNA、全RNA、rRNA、tRNAまたはmRNAであり得る。核酸は、RNAポリメラーゼ反応またはPCR、またはインビトロDNA合成等において、インビボまたはインビトロ源から合成することができる。オリゴ−またはポリヌクレオチドの長さは特に限定されるものではないが、ハイドロキシアパタイト固相と組合わせて用いる場合には、核酸表面処理とハイドロキシアパタイトとの間で少なくとも2以上の点の電荷相互作用が存在する機会が増大する様に、より長い配列が好ましい。それによって、ハイドロキシアパタイトから未結合となり、対象物質含有溶液を汚染する表面処理材料の量を低下させる。具体的には、少なくとも20ヌクレオチドの長さの配列を用いる。好ましい配列の長さは、少なくとも50ヌクレオチド、より好ましくは250ヌクレオチド、なおより好ましくは500ヌクレオチド、最も好ましくは2000を超えるヌクレオチドである。核酸は、一本鎖、二本鎖または三本鎖何れかでもあり得るが、二本鎖が好ましい。二本鎖核酸は経済的であって、その増大した電荷のためハイドロキシアパタイトに対して一本鎖核酸よりも高い親和性を有するからである。核酸は塩フリーである必要はなく、例えば、核酸のリン酸基のリチウム、カリウム、ナトリウム、マンガンまたはマグネシウム塩を、表面コーティングとして使用することができる。塩フリーな核酸表面コーティングは、より高い負の電荷を有するので、ハイドロキシアパタイトとより強く相互作用する。よって、表面コーティングは、対象物質含有試料中へ失われることはあまりない。しかしながらテストによれば、その様な塩フリーのコーティングは、同一核酸コーティングの塩と比較して、顕著に改良された分離特性を有しない。
ハイドロキシアパタイトの表面処理で特に好ましいRNAおよびDNAのホモポリマーは、一本鎖または二本鎖分子の何れかとして商業的に入手可能である(Midland Certified Reagent Company、米国、および,Amersham Biosciences、イギリス)。
また、表面コーティングは、非生物学的材料から構成することもできる。但し、小さな不要分子がメッシュを横切って固相に固定される一方で、より長い分子についてはその様な固定が妨げられる様に、メッシュの形態で全固相にわたる十分なコーティングを供することができるものとする。そのような材料には、ナイロン繊維、ポリアミド、ポリカチオン、ポリアニオンおよびポリビニルアミンが含まれ得る。非荷電の表面コーティングを用いて、DNAの様なより大きな対象物質分子が、ハイドロキシアパタイトの様な固相と接触するのを妨げることもできる。ポリエチレンオキサイドおよびポリプロピレンオキサイド、アクリルアミドおよびアガロースの様な中性ポリマーコーティングでは、基礎となるハイドロキシアパタイトとそれらとの相互作用は電荷によるものではないので、コーティングが脱離せず使用中に失われない様に、ハイドロキシアパタイトは中性コーティングの薄いフィルムによりカプセル化されなければならない。この場合におけるコーティングは、不要成分の迅速な拡散を可能とするのに十分に薄くあるべきであるが、対象物質と固相との間の接触を妨げるのに十分厚くあるべきでもある。そのような測定は、標識された対象物質と不要成分を用いて実験的に規定することができる。
対象物質含有混合物は、水、緩衝液のような液体、EDTAまたはEGTAのようなキレート剤、酵素反応物、細胞溶解物、血清または薬剤発見のために用いる細胞上澄みの様な細胞または生物学的流体物、ホモジェナイズされた臨床試料、またはエタノール、DMSO、トルエン、テトラヒドロフランまたはアセトニトリルのような有機溶媒の何れかにて、分離材料として呈することができる。別法として、対象物質と不要成分を含有する混合物は、ガス相または蒸気とすることができる。それによって、例えばガス状混合物を、表面処理固相よりなる分離混合物を通して或いはその上をポンプで送り、精製排気ガスを分析用に捕捉する。
また、本発明は、濾過、ガスクロマトグラフィ、透析またはアフィニティクロマトグラフィの様な別の分離プロセスと組み合わせて用いて、不要成分の除去をより正確なものにすることもできる。もちろん本発明では、精製された対象物質が適用されるべき下流分野のタイプに関しては特に制限されない。そのような適用は、限定されるものではないが:サザンおよびノーザンブロット法;核酸およびタンパク質のゲル電気泳動;エレクトロブロッティング;cDNA合成;PCR増幅;ワンステップおよびツーステップRT−PCR増幅;リガーゼ鎖反応(LCR)増幅;転写媒介増幅(TMA);単一ヌクレオチド多形分析(SNP);アフィニティ、イオン交換、疎水性相互作用、逆相およびゲル濾過の様な種々の形態のクロマトグラフィ;ガスクロマトグラフィ−MS、SELDI、MALDI−TOF、ESI、MS/MSまたはFT−ICRのような種々の形態の質量分析(MS);特に蛍光色素標識配列決定反応の毛細管電気泳動、および組み込まれなかった蛍光配列決定ヌクレオチドの除去が重要なABI Prism3100、またはABI3730(Applied Biosystems、米国)の様な商業的システムを用いるSNPアッセイが含まれる。事実、配列決定反応それ自体に先行してではあるが、本発明を用いて、PCR増幅の後にdNTPを除去することもできる。この場合、増幅の間にPCR産物に組み込まれなかった全ての標識されていないヌクレオチドは除去されることが重要であり、さもなければ、それらは配列決定反応と干渉するであろう。現在、組み込まれなかったヌクレオチド三リン酸は、エビアルカリホスファターゼを用いてPCRの後に除去される(ExoSAP−IT(Amersham Biosciences;カタログ番号US78200)を参照)。PCR反応物を処理することによって、本発明で記載した表面処理固相での増幅後では、PCR産物から遊離ヌクレオチドが効果的に除去され、配列決定反応の成功が導かれる。これは、高スループットスクリーニングやSNPの用途に特によく適合する。
本発明は、試料から標識された分子を除去することによって、例えば、細胞酵素によって代謝されるか、またはポリマーに取り込まれるか、または分解された(異化された)標識の量の定量および分析を可能とする簡便な手段を提供するものである。本発明は、例えば、3H標識チミジンの取り込みを測定するためのアッセイを使用する薬剤の発見用途で特に有用である。
精製を目的とする固相への核酸の付着(例えば、固定化されたDNA、カタログ番号27−5575−02、およびポリヌクレオチド親和性、カタログ番号17−0860−01、Amersham Biosciences、米国)の間、これらの産物の目的は、親和性相互作用により固相の表面へタンパク質やRNAの様な生体分子を捕捉することにある(Grethら,(1975年)Biochem.Biophys.Acta.390:168)。対照的に、本発明の本質はその表面に分子を結合させることにあるのではなく、むしろ、不要な汚染物分子を固相に結合させることにより除去しつつ、固相へ結合する所望の対象物質分子の割合を選択的に阻止することにある。従って、表面処理の第1の作用は、基礎となる固相に対する選択的バリアーを形成することである。
ある場合には、所望の対象物質を含有する溶液から、2以上の汚染物を除去することが望ましい。複数の汚染物の除去は、(i)各汚染物が同一のネット電荷を有する場合、実施例の様に基礎となる固相への全ての汚染物の結合、(ii)固相がキレート剤結合活性や電荷の様な結合特性の混合物を有すること、(iii)別々の固相があり、各々は、(a)凝集体における様に相互に直接的な物理的接触をする、または(b)2以上の別々の粒子であるが、同時にまたは順次に一緒に用いられる、または(c)中央磁性粒子を囲う複数シェルのような重ね合わせ層を有するが独立して見出される、といった何れかの結合特性を有すること、および(iv)汚染物の1以上が、固相への結合の組合せ、または表面への結合によって除去されること、の何れかにより達成することができる。
表面処理層がオリゴ−またはポリヌクレオチドである場合、表面処理層は2つの異なる機能を提供することができる;まず、前述した様に、対象物質に対する選択的バリアーとなり、また第二に、特定のヌクレオチド配列に対して特異的な親和性捕捉試薬となる。例えば、オリゴ−またはポリヌクレオチド配列が、ヒト反復DNAエレメントの様な特異的配列に相補的である場合には、選択的バリアーとして作用することのみならず、対象物質混合物中のヌクレオチド配列のサブグループを捕獲することによって、より小さな分子を除去する手段となるであろう。この様に、不要な核酸配列を、EGTAまたは他のキレート剤の様な不要分子、または遊離ヌクレオチドと同時に除去することができ、分析する用意ができた所望の精製対象物質を溶液に残す。例えば、Line−1エレメントのようなヒト反復配列に相補的なオリゴヌクレオチドまたはペプチド核酸が、磁性ハイドロキシアパタイトビーズ(Chemicell、ドイツ)の外側に結合する場合、表面処理固相ビーズは、dNTPとPCR後における汚染されたヒトゲノム配列を共に除去するにおいて効果的である。
本発明に記載した方法は、単一または複数工程の何れかに関係し得る。例えば、表面処理固相を、汚染物と対象物質を含有する溶液に1回適用して汚染物の90%を除去することができ、次いで、対象物質含有溶液を新鮮な表面処理固相で2回目、またはさらに数回処理して、汚染物の残りの10%を次第に除去することができる。別法として、異なるタイプの表面処理固相を、系列的にまたは同時に対象物質含有溶液に添加して、電荷および疎水性の様な2以上の異なる特性を有する汚染物を除去することができる。本発明試薬または溶液の添加の順番については、特に制限はない。例えば、表面処理固相を対象物質含有溶液に加えることができ、或いはその逆もできる。また、汚染物含有溶液を表面処理固相の全体の一部(10%)で処理し、結合を起こさせて固相を除去し、次いで、表面処理固相の残りの90%、例えば、10%の9回、または90%の単一バッチで2回目、または更なる回数溶液を順次処理するのも好ましいであろう。何回かに分けた表面処理固相の添加により、除去される汚染物の量を改善することができ、失われる対象物質の量を低下させることができる。好ましい処理方法は、例えば、放射性標識汚染物および/または対象物質を用いて実験的に決定することができる。
また、対象物質よりむしろ「汚染物」を捕捉することが、ある場合には望ましいであろう。例えば、多くの修飾ヌクレオチドは高価であって、少しの割合のみを重合の間にポリヌクレオチドへ組み込む。重合に続いて、高価なヌクレオチドを実施例1で調製した表面コーティング固相で捕捉し、次いで、リン酸ナトリウムまたはEGTAのようなキレート剤を用いて固相から溶出させることにより開放して、固相がハイドロキシアパタイトである場合にはdNTPを除去することができる。
また、例えばDNA 32P dCTP標識反応に続いて、表面コーティング固相をアッセイの一部として供し、実施例1で調製した固相で捕捉することもできる。固相と会合した放射能の量は、32PのDNAへの取り込み効率の直接的な尺度となる。従って、表面コーティング固相のシンチレーションカウンティングは、例えば、単一ヌクレオチド多形アッセイの一部として供される。他のアッセイには、表面処理固相に結合した蛍光標識アミノ酸またはヌクレオチドの量の測定し、結合しなかった標識ポリマーと比較する手段が含まれ得る。従って、ある場合には、表面がコーティングされた固相それ自体に結合することができる材料を、アッセイ用の対象物質として供する。蛍光または放射能または他の標識の測定は、フルオロメーターのシンチレーションカウンターを用いる直接的なものであり、これは当業者によく知られている。
好ましい使用方法
ハイドロキシアパタイトとしても知られたハイドロキシルアパタイトは、主としてリン酸カルシウムから構成される天然に生じる鉱物である。ハイドロキシアパタイトは、種々のバイオインプラントやクロマトグラフィ材料の製造で広く用いられる。ハイドロキシアパタイトを用いるクロマトグラフィはよく確立された方法であって、主として、タンパク質、DNAおよびRNAの分離や精製で用いられる(Sambrookら,(1989年)Molecular Cloning:A Laboratory Manual、CSH)。
相互作用は、試料分子上の正の電荷およびハイドロキシアパタイトの負のホスフェート電荷、あるいは試料分子上の負の電荷およびカルシウムの正の電荷の間のイオン性引力の何れかに基づく。
同一の分子量およびサイズの2つの分子の仮定的な例として、1つの分子は電荷を有さず、他方は−1の電荷を有する例を挙げる。膜の表面コーティングが負である場合には、荷電していない分子は膜のポアを優先的に通過し、他方、負に荷電した分子は反発することによって、ポアに進入しないであろう。荷電していない分子は、拡散、毛管作用、圧力または遠心力によってポアを通過するよう誘導でき得る。荷電していない分子は、シンチレーション隣接アッセイ、蛍光アッセイまたは比色検出を含む種々の方法によって、検出することができよう。同一の電荷を有するが種々の分子量の2つの分子の場合、より小さな分子は表面コーティングをより容易に通過し、より大きな分子よりも固相と接触する傾向がある。
ここで、以下の実施例により本発明をさらに説明する。実験の詳細は、本発明を限定することを意図するものではない。
実施例1
表面をコーティングした固相の調製
磁性ハイドロキシアパタイト上での核酸表面の調製:1.5mLのポリプロピレンマイクロ遠心チューブ中、10μL(50mg/mL)の磁性ハイドロキシアパタイトI型(Chemicell、ドイツ)へ、25μgのホモポリマーポリd(A)(Midland Certified Reagent Company、USA)を含有する25μLの水を加え、MCB1200磁気ミキサー(Dexter Magnetics、UK)の0.5秒工程プログラムを用いて25℃で10分間混合した。ビーズをMCB1200磁石で集め、I型ビーズから液体を除去し、ビーズを各0.5mLの水で3回洗浄し、最後に最終容量10μLの水に再懸濁した。別法として、ポリd(A)を、同一量のポリd(T)、ポリd(U)、ポリd(C)、ポリd(G)、ポリd(I)、ポリr(A)、ポリr(U)、ポリr(C)、ポリr(G)、ポリd(A/T)、ポリd(C/G)、ポリd(I/C)、ポリr(A/U)、ポリr(A)d(T)、ポリr(U)d(A)、ポリr(C)d(G)、ポリr(G)d(C)、BMV RNA(Promega、USA)、ssM13 DNA(Amersham Biotech、UK)、pUCプラスミドDNA、ヒトゲノムDNA、一本鎖または二本鎖サケまたはニシン精子DNA(Sigma-Aldrich、USA)、25〜50量体オリゴヌクレオチド(MWG,ドイツ)で置き換えることができる。PCR増幅用の鋳型を精製するのに用いた場合に、ポリd(I/C)のように磁性ハイドロキシアパタイトから濾過された少量のヘテロポリマーが、非特異的なPCR増幅産物を誘発することが見出されたことを除き、核酸のタイプに特別な制限はない。従って、この目的では、ポリr(A)のような非コーディング一本鎖ホモポリマーが好ましい。
実施例2
溶液からの32Pアルファ−標識デオキシヌクレオシド三リン酸の除去
4つのタイプの核酸でコーティングしたハイドロキシアパタイトビーズを実施例1と同様に調製し、比較を行って、提供された特定のタイプの核酸が分離特性を改善するか否かを判断した。
磁性ハイドロキシアパタイト上の核酸表面の調製:1.5mLのポリプロピレンマイクロ遠心チューブ中、10μL(50mg/mL)の磁性ハイドロキシアパタイトI型(Chemicell,ドイツ)へ、25μgのホモポリマーポリd(I/C)、ポリr(A)、ポリr(C)またはポリd(A)(Midland Certified Reagent Company、USA)の何れかを含有する25μLの水を添加し、MCB1200磁気ミキサーの0.5秒工程プログラムを用いて25℃で10分間攪拌した。ビーズをMCB1200磁石で集め、液体をI型ビーズから除去し、ビーズを各0.5mLの水で3回洗浄し、最後に最終容量10μLの水に再懸濁した。次いで、遊離32P dATPヌクレオチド、または精製された250および1700ntのインビトロ転写RNAの32P標識混合物の何れかに対する結合能に関する2つの別々の実験で、ビーズをテストした。5μLの核酸−ビーズ混合物へ、5×103cpm 32P dATPまたは5×103cpmのRNAの何れかを含有する50μLの水を加えた。磁性ビーズおよび放射性テスト化合物を、MCB1200磁気ミキサーにより25℃で5分間混合し、しかる後に磁石を用いてビーズをチューブの側面に集め、液体を除去し、シンチレーションカウンティングによりビーズまたは液体の両方に関する放射活性を定量した。結果を表1に示す。全ての核酸−ハイドロキシアパタイトビーズは遊離ヌクレオチドの少なくとも94%を除去することができ、また、ポリr(A)はその結合を阻害するのに最も効果的であったことから、RNA対象物質の喪失を防止するのに最も効果的であった。
Figure 2006527993
実施例3
磁性ハイドロキシアパタイトの特定量をコーティングするのに必要な核酸の最少量の決定
異なる量のポリd(A)を、別々に10μL(50mg/mL)の磁性ハイドロキシアパタイトI型(Chemicell、ドイツ)と混合し、次いで、250および1700ntのインビトロ転写RNAの32P標識精製混合物に対する核酸−ビーズ混合物の結合能につきテストして、必要な最少量を決定した。
磁性ハイドロキシアパタイト上の核酸表面の調製:1.5mLのポリプロピレンマイクロ遠心チューブ中、10μL(50mg/mL)の磁性ハイドロキシアパタイトI型(Chemicell、ドイツ)へ、250、125、75ngの何れかのポリd(A)(Midland Certified Reagent Company、USA)を含有する、または含有しない25μLの水を加え、MCB1200磁気ミキサー(Dexter Magnetics、UK)の0.5秒工程プログラムを用いて25℃で10分間攪拌した。ビーズをMCB1200磁石で集め、液体をI型ビーズから除去し、ビーズを各0.5mLの水で3回洗浄し、最後に最終容量10μLの水に再懸濁した。結果を表2に示す。
Figure 2006527993
10μLの磁性ハイドロキシアパタイトI型(Chemicell、ドイツ)当たり、75〜125ngの間のポリd(A)が必要であることが判明した。
実施例4
標識されたDNAポリマーからの、組み込まれなかった32Pアルファ−標識デオキシヌクレオチド三リン酸の除去
基本的プロトコール3(Short Protocols in Molecular Biology,第4版,Ausubelら編,1999年,Wiley Publishers,第3-20〜3-21頁)に従って、DNA標識反応を行った。但し、工程6において、組み込まれなかった放射性前駆体を以下のように除去した。即ち、実施例1の通り調製した10μLのハイドロキシアパタイト−核酸ビーズを反応の完了後に添加し、MCB1200磁気ミキサーを用いて25℃で5分間混合し、しかる後に磁石を用いてビーズをチューブの側面に集め、標準的な条件を用いて32P標識対象物質DNAプローブを含有する残りの液体をハイブリダイゼーション目的で除去した。MCB1200の使用の代替法として、磁石によるビーズの分離または対象物質含有液体の遠心と回復の後に、ビーズと反応物を、共に室温にて攪拌することなく単に15分間インキュベートしてもよい。
実施例5
標識されたDNAオリゴヌクレオチドからの、組み込まれなかった32Pガンマ−標識デオキシヌクレオチド三リン酸の除去
サポートプロトコール(Short Protocols in Molecular Biology,第4版,Ausubelら編,1999年,Wiley Publishers,第6〜10頁)に従って、オリゴヌクレオチド標識反応を行った。当該標識反応に続き、組み込まれなかった放射性ガンマ標識前駆体ヌクレオチドを以下のように除去した;実施例1の通り調製した10μLのハイドロキシアパタイト−核酸ビーズを反応物に加え、MCB1200磁気ミキサーを用いて25℃で5分間混合し、しかる後に磁石を用いてビーズをチューブの側面に集め、標準的な条件を用いて32P標識対象物質DNAプローブを含有する残りの液体を、ハイブリダイゼーション目的のために除去した。MCB1200の使用の代替法として、磁石によるビーズの分離または対象物質含有液体の遠心と回復の後に、ビーズと反応物を、共に室温にて攪拌することなく単に15分間インキュベートしてもよい。
実施例6
組み込まれなかったdNTPのPCR反応物からの除去
15mMトリス−HCl pH8.8、60mM KCl、2.5mM MgCl2、400μMの各dNTP、10ピコモルの各プライマーSP6とT3、および0.25ユニットのTaq DNAポリメラーゼ(Amersham、UK)の最終濃度を有する最終容量25μL中で、PCRを行う。サイクルパラメーターは、94℃×20秒、55℃×20秒、および72℃×30秒の30サイクルであった。PCRに続き、実施例1の通り調製した10μLのハイドロキシアパタイト−核酸ビーズを反応液へ加えることによって、遊離の組み込まれなかったdNTPと無機ピロホスフェート(PPi)を除去し、MCB1200磁気ミキサーを用いて25℃で5分間混合した。しかる後にビーズを磁石によりチューブの側面に集め、標準的な条件を用い、32P標識対象物質DNAプローブを含有する残りの液体を、ハイブリダイゼーション目的で取り出した。MCB1200の使用に対する代替法として、磁石によるビーズの分離または対象物質含有液体の遠心と回復の後に、ビーズと反応物を、共に室温にて攪拌することなく単に15分間インキュベートしてもよい。
PCR成分は何れか1つのタイプに制限されず、事実、ヌクレオチドは、Tth DNAポリメラーゼ、ビシン緩衝液およびマンガン二価金属イオンを使用するもののような多数の異なるタイプの反応物から除去することができる。このようにして精製されたPCR産物は、PCR反応から残留したヌクレオチドであり組み込まれなかったものが配列決定反応を強く阻害するサイクルDNA配列決定の様なさらなる用途で、直接的に用いることができる。高濃度のdNTPが用いられるPCR反応の場合には、表面処理固相の第二のロットを加える必要がない。
実施例7
質量分析に先立つ、試料からの過剰な塩イオンの除去
エレクトロスプレー、SELDIおよびMALDI質量分析は、タンパク質および核酸のような対象物質分子と共に残留した残存塩によって、強く影響される。実施例1で調製したビーズを用いて、分析に先立ってその様な汚染イオンを、以下のように除去することができる;実施例1の通り調製した2μLのハイドロキシアパタイト−核酸ビーズを、対象物質試料を含む塩に加え、MCB1200磁気ミキサーを用いて25℃で5分間混合した。然る後に磁石を用いてビーズをチューブの側面に集め、質量分析の前に、塩フリーの対象物質分子を含有する残りの液体を定法により処理した。MCB1200の使用に対する代替法として、磁石によるビーズの分離または対象物質含有液体の遠心と回復の後に、ビーズと反応物を、共に室温にて攪拌することなく単に15分間インキュベートしてもよい。
実施例8
標識されたRNAポリマーからの、組み込まれなかった32P標識リボヌクレオチド三リン酸の除去
T7 RNAポリメラーゼRiboprobe(登録商標)キットとpGEM発現陽性対照鋳型(Part No.P1440とP256A、Promega、米国)を用いるインビトロ転写反応物を、5μLの32P rUTPを含めてメーカーの指示書に従って調製した。1ユニットのRNaseフリーDNase RQ1を加え、37℃で15分間インキュベートすることによって、鋳型DNAを除去した。当該反応で生じた32P標識RNA転写体は、かなりの量残存する組み込まれなかった32P rUTPで汚染されていた。このrUTPを、以下のように除去した;実施例1で調製した10μLのハイドロキシアパタイト−核酸ビーズを反応液に加え、MCB1200磁気ミキサーを用いて25℃で5分間混合し、然る後に磁石を用いてビーズをチューブの側面に集め、32P標識対象物質RNAプローブを含有する残りの液体をピペット先端で取り出した。MCB1200の使用に対する代替法として、磁石によるビーズの分離または対象物質含有液体の遠心と回復の後に、ビーズと反応物を、共に室温にて攪拌することなく単に15分間インキュベートしてもよい。
実施例9
標識されたタンパク質からの組み込まれなかった標識アミノ酸の除去
製造業者の指示書に従って、FluoroTectTM GreenLysとTnT T7カップルド網状赤血球溶解物キット(Part No.L5001とL4610、Promega、米国)またはTranscendTMビオチニル化Lysキット(Part No.L5001、Promega、米国)およびルシフェラーゼmRNA鋳型を用いて、蛍光標識インビトロ翻訳ルシフェラーゼタンパク質を産生した。当該反応に続き、1μLのRNase OneTM(Part No.M4261、Promega、米国)と共に37℃で10分間インキュベートすることによって、tRNA−標識Lys分子を分解した。この工程は、tRNAを分解することにより標識Lysの分子量を低下させ、それにより小さな標識Lys分子をコーティングを超えて固相に結合させるために重要である。
コーティングされた固相は以下のように調製した。1.5mLのポリプロピレンマイクロ遠心チューブ中、10μL(50mg/mL)の磁性ハイドロキシアパタイトI型(Chemicell、ドイツ)へ、25μgのポリリシン(Sigma-Aldrich、米国)を含有する25μLの水を加え、MCB1200磁気ミキサー(Dexter Magnetics、イギリス)の0.5秒工程プログラムを用いて25℃で10分間混合した。ビーズをMCB1200磁石で集め、液体をI型ビーズから除去し、ビーズを各0.5mLの水で3回洗浄し、しかる後に最後に最終容量10μLの水に再懸濁した。別法として、ポリアルギニンまたはポリヒスチジン(Sigma-Aldrich、米国)をコーティングとして用いることもできる。精製すべきタンパク質が正のネット電荷を有し、汚染標識アミノ酸が総じて正の電荷を有する場合には、総じてのネット電荷は正であるべきことを除き、コーティングとして用いるポリカチオンのタイプに特別な制限はない。負に荷電したタンパク質は、コーティングとして、25μgのポリリシンを25μgのポリアスパラギン酸またはポリグルタミン酸(CarboMer、米国)で置換することによって、アスパラギン酸やグルタミン酸のような負に荷電した汚染標識アミノ酸から分離することができる。全ての調製では、〜10μLのコーティングハイドロキシアパタイトを20μLのタンパク質翻訳混合物と混合し、MCB1200磁気ミキサー(Dexter Magnetics、イギリス)の0.5秒工程プログラムを用いて4℃で10分間混合した。MCB1200磁石でビーズを集め、精製されたタンパク質を含有する液体を取り出し、分析した。弱い正電荷、中性または弱い負電荷を有するあるタンパク質では、正または負に荷電した、または中性の表面処理材料の何れかを固相に用いることができる。好ましくは、固相はハイドロキシアパタイトである。所望の対象物質が、表面処理との相互作用により部分的に保持されている場合には、SDSやトリトンのような洗浄剤で且つ低濃度のものにより試薬を洗浄することによって、除去することができる。
実施例10
溶液からのドデシル硫酸ナトリウム(SDS)の除去
ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)およびラウリル硫酸ナトリウム(SLS)は、負に荷電した(アニオン性)洗浄剤であり、タンパク質の使用分野で頻繁に用いられるが、これら洗浄剤はタンパク質の構造を破壊することから、酵素や抗体アッセイのようなタンパク質の様々な下流分野での適用に深刻な障害を導き出しかねない。そのような洗浄剤を、透析や濾過によりタンパク質から除去するのは、かなり面倒で骨が折れる。改良された方法では、実施例1で調製された核酸をコーティングしたハイドロキシアパタイトを、以下の通り用いる;20μLの容量の10mMトリスHCl緩衝液、1%BSA中の、1%までのSDS、SLSまたは他のアニオン性洗浄剤で汚染されたタンパク質溶液を、実施例1で調製された10μLのコーティング固相に加え、MSB1200磁気ミキサー(Dexter Magnetics、イギリス)の2秒工程プログラムを用いて4℃で10分間混合した。MCB1200磁石でビーズを集め、洗浄剤フリータンパク質を含有する液体を取り出し、ビーズを捨てた。
実施例11
核酸溶液からのEGTAの除去
磁性ハイドロキシアパタイト上の核酸表面の調製:1.5mLのポリプロピレンマイクロ遠心チューブ中、10μL(50mg/mL)の磁性ハイドロキシアパタイトI型(Chemicell、ドイツ)へ、25μgのホモポリマーポリr(A)(Midland Certified Reagent Company、米国)を含有する25μLの水を加え、MCB1200磁気ミキサー(Dexter Magnetics、イギリス)の0.5秒工程プログラムを用いて25℃で10分間混合した。ビーズをMCB1200磁石で集め、液体を除去し、ビーズを各0.5mLの水で3回洗浄し、しかる後に最後に最終容量10μLの水に再懸濁した。別法として、ポリr(A)を、同一量のポリd(T)、ポリd(U)、ポリd(C)、ポリd(G)、ポリd(I)、ポリr(U)、ポリr(C)、ポリr(G)、ポリd(A/T)、ポリd(C/G)、ポリd(I/C)、ポリr(A/U)、ポリr(A)d(T)、ポリr(U)d(A)、ポリr(C)d(G)、ポリr(G)d(C)、25〜50量体オリゴヌクレオチド(MWG、ドイツ)で置き換えることができる。PCR増幅用の鋳型を精製するのに用いる場合に、ポリd(I/C)のような磁性ハイドロキシアパタイトから濾過された少量のヘテロポリマーが非特異的なPCR増幅産物を導くことが判明したことを除いて、用いる核酸のタイプに特別な制限はない。従って、この目的のためには、ポリr(A)のような非コーディング一本鎖ホモポリマーが好ましい。
そのようなビーズは、特許出願GB 0217963.8(優先日2003年8月2日)の実施例に記載された様に、磁性ハイドロキシアパタイトより溶出されたRNA溶液からキレート剤を除去するのに有用である。これらの例において、磁性ハイドロキシアパタイトは、血液または血漿由来のHIV、西ナイルウイルスまたはHCVのようなRNAの何れかを捕捉するために用いられている。しかしシリカとは異なり、核酸は水のみを用いて溶出することができない。本出願人らは、EGTAのようなキレート剤が、核酸を磁性ハイドロキシアパタイトから脱離させるための有効な手段であることを見出した。しかしながら、下流の分野におけるある用途において、特に酵素Tth DNAポリメラーゼを用いるRT−PCRでは、酵素の活性が過剰のキレート剤の存在下で低下することが判明した。これは、Tth活性にとり必須である反応液中マンガンイオンがキレート剤により隔離され、このことが酵素活性を低下させるためである。従って、例えば診断キットAmpliscreenおよびAmplicor HIVおよびHCV(Roche Diagnostics、米国)で見られるTth DNAポリメラーゼを用いてRNAが効果的にコピーされ、増幅される場合には、核酸溶液から大きな割合のキレート剤を除去することは必須である。核酸溶液からキレート剤を除去するためのいくつかの手段は、出願GB 0217963.8で述べられているが、ほとんどの有効な手段は、この実施例に記載されたように調製され、核酸でコーティングされた磁性ハイドロキシアパタイトを用いるものであることが判明している。
キレート剤を含有する溶出溶液の容量は可変であって、25〜400μLの範囲内とすることができる。GB 0217963.8に記載された好ましい溶出溶液は、10mM EDTA、pH10.2である。溶出に続き、残存するEGTA濃度は、通常約3〜5mMまで低下するが、溶液から除去することができるEGTAまたは他のキレート剤の量に対して特別な限定はなく;より多量のキレート剤のために、同様に多量の核酸でコーティングされた磁性ハイドロキシアパタイトを用いることができる。
GB 0217963.8の実施例に記載された溶出に続き;200μLのキレート剤/核酸溶液(最終の残存EGTA濃度は、約5mM EGTA)へ、ビーズをコーティングするのにポリr(C)を用いたこの実施例で調製した磁性ハイドロキシアパタイトであり、20μLの核酸でコーティングしたものを加える。核酸でコーティングした磁性ハイドロキシアパタイトビーズを、MCB1200磁気ミキサー(Dexter Magnetics、イギリス)の0.5秒工程プログラムを用いて25℃で10分間キレート剤/核酸溶液と混合した。その間に、キレート剤はポリr(C)コーティングの下に存在するハイドロキシアパタイトに結合するが、所望の対象物質である核酸は、ポリr(C)コーティングのためハイドロキシアパタイトに結合しない。次いで、ビーズをMCB1200磁石で集め、キレート剤フリー核酸を含有する液体を核酸でコーティングした磁性ハイドロキシアパタイトビーズから取り出し、例えばTth DNAポリメラーゼを含むアッセイで直接用いる。溶出溶液中のより大きな容量またはより高い残存濃度のキレート剤のためには、同様により多量の核酸でコーティングした磁性ハイドロキシアパタイトを用いることができる。
キレート剤は、ハイドロキシアパタイトに対して親和性を有するものの中の何れか1つとすることができる。例えば;CDTA(トランス−1,2−ジアミノシクロヘキサン−N,N,N’,N’−テトラ酢酸)、EDTA(エチレンジアミンテトラ酢酸)、EGTA(エチレングリコール−O,O’−ビス(2−アミノエチル)−N,N,N’,N’−テトラ酢酸)、DTPA(ジエチレントリアミンペンタン酢酸)、HEDTA(N−(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミン−N,N,N’−トリ酢酸)、NTA(ニトリロトリ酢酸)、TTHA(トリエチレンテトラミン−N,N,N’,N’’,N’’’,N’’’−ヘキサ酢酸)、ジメチル−BAPTA(Molecular Probes、米国)またはBAPTA(ビス(2−アミノフェノキシ)エタン−N,N,N’,N’−テトラ酢酸)である。
溶出における好ましい核酸は、一本鎖または二本鎖の線状または環状のRNA、DNA、RNAおよびDNAのハイブリッドであり得、植物、動物、細菌、ウイルス、血液もしくは体液のような診断試料に由来するものとすることができる。好ましい核酸は、ウイルスRNA、tRNA、rRNA、mRNA、hnRNA、アプタマー、プラスミド、オリゴヌクレオチド、ポリヌクレオチド、ゲノムDNA、ウイルスDNAまたはリボザイムとすることができる。
実施例12
HPAから溶出したポリマーからのリン酸ナトリウムの除去
リン酸ナトリウム溶液は、通常、ハイドロキシアパタイトから核酸を溶出するのに用いられる(Sambrookら,(1989年)Molecular Cloning:A Laboratory Manual,CSH;Jones(1995年)Gel Electrophoresis:Nucleic Acids Essential Techniques,Wiley)が、あいにくと核酸はリン酸ナトリウム溶液から沈殿できないので、透析または濾過によるものは除いて核酸から分離するのは困難である。過剰量(10〜50mM)のリン酸ナトリウム(pH5〜7)汚染物は、以下のようにして核酸から除去することができる;実施例1の通り調製した10μLのハイドロキシアパタイト−核酸ビーズをリン酸ナトリウム/核酸混合物に加え、MCB1200磁気ミキサーを用いて25℃で5分間混合し、しかる後に磁石を用いてビーズをチューブの側面に集め、核酸を含有する残りの液体をピペットで取り出した。次いで、実施例1の通り調製した10μLのハイドロキシアパタイト−核酸ビーズの第二のバッジを残りの液体に加え、MCB1200磁気ミキサーを用いて25℃で5分間混合し、しかる後に磁石を用いてビーズをチューブの側面に集め、精製された核酸を含有する残りの液体をピペットで取り出し、分析した。
実施例13
ポリマーからのEtBrの除去
正に荷電した分子の臭化エチジウムは、以下のようにして核酸から除去することができることが判明した;実施例1の通り調製した10μLのハイドロキシアパタイト−核酸ビーズを、DNAと低濃度(1〜50ng/mL)の臭化エチジウムの混合物に加え、MCB1200磁気ミキサーを用いて25℃で5分間混合し、しかる後に磁石を用いてビーズをチューブの側面に集め、臭化エチジウムフリー核酸を含有する残りの液体をピペットで取り出した。
実施例14
修飾されたRNA
固相のRNAコーティングは、RNaseの攻撃と分解に感受性であり得る。その様なRNAのコーティングを保護するためのシンプルな方法は、RNAの2−OH基を化学的に修飾することにより、それらをRNase抵抗性とすることである。RNAを修飾するための方法と材料は、欧州特許出願2000/929665.8および2000/929666.6に記載されているか、或いはこの目的のキットが商業的に入手可能である(StabMRTキット、RNAworks、フランス)。
1.5mLのポリプロピレンマイクロ遠心チューブ中、10μL(50mg/mL)の磁性ハイドロキシアパタイトI型(Chemicell、ドイツ)へ、25μgの2’−OH修飾ホモポリマーポリr(A)(Midland Certified Reagent Company,米国)を含有する25μLの水を加え、MCB1200磁気ミキサー(Dexter Magnetics、イギリス)の0.5秒工程プログラムを用いて25℃で10分間混合した。MCB1200磁石でビーズを集め、液体をI型ビーズから除去し、ビーズを各0.5mLの水で3回洗浄し、しかる後に最後に最終容量10μLの水に再懸濁した。別法として、2’−OH修飾ポリr(A)を、同量の2’−OH修飾ポリr(U)、ポリr(C)、ポリr(G)、ポリr(A/U)または全細胞RNAのようなRNAの天然源と置き換えることができる。
実施例15
架橋によるHPA表面へのポリマーの固定化
本発明試薬の輸送、貯蔵および使用の間に固相から洗脱する核酸またはポリペプチドコーティングの量を低下させるため、コーティングを架橋して、相互連結「メッシュ」コーティングとすることができる。架橋のために通常使用される方法には、欧州特許出願2000/929665.8および2000/929666.6に記載されたものの様な化学的架橋を含む。塩化セバコイル(ClOC(CH28COCl)、塩化アジポイル(ClOC(CH24COCl)および塩化グルタリル(ClOC(CH23COCl)の様な試薬は、全て本出願に記載された様にRNAコーティングを互いに架橋するために用いることができる。
1.5mLのポリプロピレンマイクロ遠心チューブ中、10μL(50mg/mL)の磁性ハイドロキシアパタイトI型(Chemicell、ドイツ)へ、25μgのホモポリマーポリd(A)(Midland Certified Reagent Company,米国)を含有する25μLの水を加え、MCB1200磁気ミキサー(Dexter Magnetics、イギリス)の0.5秒工程プログラムを用いて25℃で10分間混合した。ビーズをMCB1200磁石で集め、液体をI型ビーズから除去し、ビーズをテトラヒドロフランで3回洗浄し、しかる後に20%(v/v)塩化セバコイル、アジポイルまたはグルタリルを含有する最終容量100μLのテトラヒドロフランへ最後に再懸濁した。コーティングされ且つ架橋された磁性粒子の磁石による収集と、液体試薬の除去の前に、反応を25℃で1時間進行させた。次いで、コーティングされ架橋された磁性粒子を各0.5mLの水で3回洗浄し、しかる後に最終容量10μLの水に再懸濁させた。別法として、ポリr(A)を、同量のポリr(U)、ポリr(C)、ポリr(G)、ポリr(A/U)、または全RNAの様なRNAの天然源で置き換えることができる。
核酸のための他の架橋方法は、Current Protocols in Nucleic Acid Chemistry,Chapter 5,Wileyに記載されている。
実施例17
マイクロアレイ分析のための蛍光標識プローブからの蛍光標識ヌクレオチドの除去
組み込まれなかった遊離蛍光標識ヌクレオチドは、以下のようにして、ハイブリダイゼーションに先立って蛍光標識cDNAから簡単に除去することができる;CyScribeTM cDNA標識キット(Part.No.6201、Amersham Pharmacia Biosciences、イギリス)、またはFluorescein High Prime(Roche Molecular、フランス)、Nick Translation Kit(Vysis Inc、米国)、BioProbe Random Primed DNA Labeling Kit(Sigma Aldrich、米国)若しくはRenaissance Random Primer Labeling Kit(PerkinElmer、米国)のような他のDNA標識キットを、メーカーの指示書に従って用いた。実施例1の通り調製した10μLのハイドロキシアパタイト−核酸ビーズを標識反応液に加え、MCB1200磁気ミキサーを用いて25℃で5分間混合し、しかる後に磁石を用いてビーズをチューブの側面に集め、ヌクレオチドフリー標識DNAプローブ試料を含有する残りの液体をピペットで取り出し、標準的なハイブリダイゼーション手法に従って用いた。
実施例18
ビオチニル化プローブからのビオチン標識ヌクレオチドの除去
本発明試薬の固相もまた、核酸、タンパク質または他のマクロ分子であり得る。例えば、ストレプトアビジンを磁性粒子にコーティングし、次いで、核酸のコーティングで被覆することができる。その様に調製された粒子を用いて、親和性結合によりヌクレオチドなどの不要な小さなビオチニル化分子を、所望のビオチニル化対象物質ポリヌクレオチドから除去することができる。核酸のコーティングが無ければ、対象物質であるビオチニル化核酸はストレプトアビジン固相に結合することにより失われるであろう。共有結合ストレプトアビジンに適した粒子には、M−450、M−450 EpoxyまたはM−450 Tosylactivated(Dynal、ノルウェー)のような磁性ビーズが含まれるか、または、恐らくは疎水性相互作用によって、シリカおよびプラスチックビーズもまたストレプトアビジンを保持することができることが判明した。磁性ビーズをタンパク質でコーティングする方法は、当該分野でよく知られている(Wangら,(1998年)Blood 92:756)。別法として、商業的に入手可能なストレプトアビジンビーズは、多数の販売業者から入手可能である(Dynabeads M-270 Streptavidin、Dynal、ノルウェー)。表面コーティング核酸は、ビオチン修飾ポリヌクレオチドを用いることによって、最も簡単にストレプトアビジンをコーティングした固相に適用することができる。かかるビオチン修飾ポリヌクレオチドは、BioPrime DNA Labeling System(Invitrogen、米国)のような種々のキットで見られるビオチニル化ヌクレオチド三リン酸およびDNAポリメラーゼまたはキナーゼを用いて、簡単に調製される。ビオチニル化核酸でのコーティングは、ストレプトアビジンがさらに不要なビオチニル化ヌクレオチドへの結合能を保持する様にストレプトアビジンにつき経験的に決定される如く、非飽和性であるべきである。ビオチニル化表面コーティングは、ストレプトアビジンをコーティングするよう働くことによって、対象物質である核酸の結合を停止させるように働く。不要な汚染性ビオチニル化ヌクレオチドおよび所望の対象物質である核酸を共に含有する試料を表面処理固相に適用し、常温にて5〜60分間温和に攪拌することにより混合する。次いで、濾過、遠心または磁気収集を含む多数の方法により固相を取り出し、ピペッティングによって所望のビオチニル化対象物質を取り出す。
別法として、ストレプトアビジンをビオチニル化ポリグルタメートまたはポリアスパルテートの様な正に荷電したマクロ分子でコーティングして、所望のビオチニル化対象物質タンパク質またはマクロ分子から、正に荷電した不要なビオチニル化アミノ酸を分離することができる。タンパク質は、FluoReporter Mini−Biotin−XX Protain Labeling Kit(Molecular Probes、米国)の様な多数の商業化されたキットを用いてビオチニル化することができる。表面コーティングの電荷に関わらず、その機能は、所望の対象物質の固相への結合を遅らせるか、または停止することである。
以下の図を参照して本発明をさらに説明する。
図1は、本発明試薬を代表するビーズ上に存在する電荷の分布を示す模式図である。固相は正に荷電され、コーティングは負に荷電されている。 図2は、ハイドロキシアパタイト(HPA)固相およびポリヌクレオチドコーティングを含むビーズをいかにして用いて、dNTPをDNAから分離することができるかを示す模式図である。負に荷電したDNAは、ポリヌクレオチドコーティングにより静電的かつ立体的に排斥される。dNTPは、ハイドロキシアパタイト固相のCa2+イオンに結合するコーティングを通過することができる。

Claims (39)

  1. 不要成分から対象物質を分離するための試薬であって、
    固相およびコーティングを有し、
    上記固相が上記不要成分に結合することができ;且つ
    上記対象物質への上記固相のいかなる結合も妨げる程度に、上記固相の露出表面を上記コーティングが覆っていることを特徴とする試薬。
  2. 上記コーティングの不存在下においては、上記固相が上記対象物質に結合することができる請求項1記載の試薬。
  3. a)50%を超える上記不要成分が上記固相に結合し;且つ
    b)上記固相に結合する上記対象物質が50%未満である請求項2記載の試薬。
  4. a)90%を超える上記不要成分が上記固相に結合し;且つ
    b)上記固相に結合する上記対象物質が10%未満である請求項3記載の試薬。
  5. 上記固相が、負のネット電荷または正のネット電荷を有する上記請求項の何れかに記載の試薬。
  6. 上記固相が、アガロース、アクリルアミド、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリル、石英、ゴム、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、ナイロン、ニトロセルロース、ガラス、ハイドロキシアパタイト、フルオロアパタイト、シリカ、金属、金属塩または金属酸化物を含むものである上記請求項の何れかに記載の試薬。
  7. 上記金属、または上記金属塩若しくは上記金属酸化物中の金属が、カルシウム、鉄、クロム、ガリウム、ゲルマニウム、リチウム、マグネシウム、マンガン、パラジウム、セシウム、タングステン、セレン、スズ、バナジウム、モリブデン、ニッケル、銅、亜鉛、アルミニウム、銀、金、白金または鉛である請求項6記載の試薬。
  8. 上記固相がキレート剤に結合できるものである上記請求項の何れかに記載の試薬。
  9. 上記固相が、さらに磁性成分を含む上記請求項の何れかに記載の試薬。
  10. 上記固相が磁性ハイドロキシアパタイトである請求項9記載の試薬。
  11. 上記固相が、ビーズ、粒子、シート、ゲル、粉末、フィルターまたは膜の形態であるか、或いは上記固相が、クロマトグラフィカラムのパッキング中、ウェル若しくはピペット先端のライニング上、または容器に挿入できる細長いプローブの表面上において、チューブまたは容器の内部に付着している上記請求項の何れかに記載の試薬。
  12. 上記コーティングが、共有結合相互作用、イオン性相互作用、カプセル化コーティング、吸着、吸収、親和性または疎水性相互作用によって、上記固相の表面に付着した表面処理材料を含むものである上記請求項の何れかに記載の試薬。
  13. 上記表面処理材料がオリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチドである請求項12記載の試薬。
  14. 上記オリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチドが、一本鎖、二本鎖または三本鎖RNA分子である請求項13記載の試薬。
  15. 上記一本鎖、二本鎖または三本鎖RNA分子が、RNAホモポリマー、インビトロ転写RNA、全RNA、rRNA、tRNAまたはmRNAである請求項14記載の試薬。
  16. 上記一本鎖、二本鎖または三本鎖RNA分子の少なくとも1つの2’−OH基が修飾されている請求項14または15記載の試薬。
  17. 上記オリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチドが、一本鎖、二本鎖または三本鎖DNA分子である請求項13記載の試薬。
  18. 上記一本鎖、二本鎖または三本鎖DNA分子が、DNAホモポリマー、合成DNA、原核生物若しくは真核生物ゲノムDNA、ファージDNA、ウイルスDNAまたはミトコンドリアDNA分子である請求項17記載の試薬。
  19. 上記オリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチドが架橋したものである請求項13〜18の何れかに記載の試薬。
  20. 上記固相が磁性ハイドロキシアパタイトを含むものであり、上記表面処理材料が少なくとも20のヌクレオチドを有するポリヌクレオチドよりなる請求項13〜19の何れかに記載の試薬。
  21. 上記表面処理材料が、少なくとも50のヌクレオチドを有するポリヌクレオチドよりなる請求項20記載の試薬。
  22. 上記請求項の何れかに記載の試薬を製造する方法であって、
    上記固相を上記表面処理材料と接触させる工程、および、
    所望により、得られた試薬を単離する工程を含む方法。
  23. 上記不要成分から上記対象物質を分離する方法であって、
    a)上記対象物質および上記不要成分を含有する試料を、請求項1〜21の何れかに記載の試薬と、上記不要成分が上記試薬の固相へ結合することを可能とする条件下で接触させる工程;および、
    b)所望により、上記対象物質を含有する試料を上記試薬から分離する工程;を含み、
    上記試料は気相または液相である方法。
  24. 上記試料に存在する不要成分の少なくとも50%が上記試薬の固相に結合し、上記試料に存在する対象物質の50%未満が上記試薬の固相に結合する請求項23記載の方法。
  25. 上記試料に存在する不要成分の少なくとも90%が上記試薬の固相に結合し、上記試料に存在する対象物質の10%未満が上記試薬の固相に結合する請求項24記載の方法。
  26. 上記不要成分が、放射性標識、アフィニティ標識、酵素標識、または蛍光標識されたものである請求項23〜25の何れかに記載の方法。
  27. 上記試薬の固相がキレート剤に結合することができ、上記不要成分がキレート剤である請求項23〜26の何れかに記載の方法。
  28. 試薬が請求項20または請求項21記載の試薬であって、所望により対象物質がポリヌクレオチドであってもよい請求項27記載の方法。
  29. 上記対象物質がポリヌクレオチドであり、上記不要成分がヌクレオチドであって、試薬が請求項20または請求項21に記載の試薬である請求項23〜26の何れかに記載の方法。
  30. 対象物質を含有する試料が試薬から分離され、固相に結合した不要成分の量が、放射性標識、アフィニティ標識、酵素標識または蛍光標識の検出により測定される請求項26に記載の方法。
  31. 上記不要成分が上記試薬の固相から溶出され、所望により単離される請求項30に記載の方法。
  32. 上記対象物質を含有する試料が上記試薬から分離され、上記不要成分が試薬の固相から溶出され、所望により単離される請求項23〜26の何れかに記載の方法。
  33. 上記対象物質から上記不要成分を分離するための使用であって、上記不要成分および上記対象物質が液状またはガス状試料で存在する請求項1〜21の何れかに記載の試薬の使用。
  34. 上記不要成分から上記対象物質を分離するためのキットであって、
    請求項1〜21の何れかに記載の試薬;並びに
    a)液状またはガス状試料から上記試薬を分離するための手段;
    b)上記試薬から上記不要成分を溶出させないが、上記対象物質を上記試薬から溶出させることができる洗浄緩衝液;
    c)滅菌チューブまたは容器;
    d)DNAまたはRNAの標識を行うための成分;および
    e)上記試薬の上記不要成分への結合能をテストするための対照;
    のうちの少なくとも1つを含むキット。
  35. 液状またはガス状試料から上記試薬を分離するための手段が、カラム、フィルターまたは磁石を含むものである請求項34に記載のキット。
  36. DNA標識反応を行うための上記成分が、ポリメラーゼ、リガーゼまたはキナーゼを含む請求項34または35に記載のキット。
  37. DNA標識反応を行うための上記成分が、さらに:
    a)緩衝液;
    b)デオキシリボヌクレオチド;および
    c)鋳型;
    のうちの1以上を含む請求項36に記載のキット。
  38. RNA標識反応を行うための上記成分が、ポリメラーゼ、リガーゼまたはキナーゼを含む請求項34または35に記載のキット。
  39. RNA標識反応を行うための上記成分が、さらに:
    a)緩衝液;
    b)リボヌクレオチド;および
    c)鋳型;
    のうちの1以上を含む請求項38に記載のキット。
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