JPH07142266A - 避雷器を取付けた変圧器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、取付面積を縮小化し、耐震性も優
れ、現地での耐圧試験も短時間にできる避雷器を取り付
けた変圧器を提供することにある。 【構成】本発明は、単位変圧器の１相を少なくとも２つ
のタンクに分割し、それぞれのタンクから共通のリード
線を当該単位変圧器に取付けたダクト内部に配置して取
り出すとともに、少なくとも２つの共通の電位のリード
線をダクトに取付けた油・ガス分離型のブッシングを介
して接続したガスダクト部分で避雷器を接続する避雷器
を取付けた変圧器において、前記避雷器を接続するリー
ド線を前記ブッシングのガス側端部より取り出し、前記
避雷器を前記ブッシングとほぼ平行して横型にし、避雷
器の課電部が前記変圧器側に位置しているので、避雷器
及び変圧器の取付面積を縮小化するとともに、耐震性も
優れた変圧器並びに現地での耐圧試験も短時間にでき、
しかも避雷器が故障の場合でも短時間で変圧器の運転が
復旧できる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、避雷器及び変圧器の取
付面積を縮小化するとともに、耐震性の優れた避雷器を
取付けた変圧器に関する。

【０００２】

【従来の技術】近年、発電所などの電力供給地は電力需
要地から離れた場所に建設される場合が多くなってき
た。そのため、遠距離からの送電としてＵＨＶ送電の検
討がなされている。このようなＵＨＶ送電においては変
電所は山中に設置される場合が多い。しかし、そのよう
な変電所に設置される変圧器も従来と同様厳しい輸送制
限の範囲内で制作されるが、高電圧大容量であることか
ら３相変圧器を多分割した単位変圧器が検討されてい
る。

【０００３】上記した３相変圧器の１相分を図４及び図
５を参照して説明する。同図において、単位変圧器１
Ａ，１Ｂはそれぞれのタンク２の内部に鉄心３や巻線４
などが収納されている。５はダクトで、単位変圧器１
Ａ，１Ｂと共通の電位を持つ高圧リード線７と中圧リー
ド線８が収納されており、この高圧リード線７はブッシ
ング９，リード線１７を介して、また中圧リード線８は
ブッシング６を介してそれぞれ図示していないガス絶縁
機器に接続されている。また、現地に輸送する場合に
は、単位変圧器１Ａ，１Ｂやダクト５等は別々に輸送さ
れ現地で組み立て一体化される。尚、２点鎖線は防音タ
ンク４５が取り付けられた場合の位置を示している。

【０００４】ところで、上記ブッシング９にはほぼＴ型
に分岐されたガスダクト１０が取付けられており、この
ダクト１０はフランジ１６，ダクト１８を介して避雷器
１２が架台２０上に縦型で接続されている。また、この
分岐されたＴ型ダクト１０の反対側には、ガスダクト１
５、スペーサ１４などを介して図示していないガス絶縁
機器が接続されている。そして、このブッシング９の部
分のダクト１０の大きさとＴ型ダクトの大きさとガスダ
クト１５の大きさはほぼ同じ位にしてある。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
たように、避雷器１２は、縦型にしてガスダクト１０の
一端に取付けられている。一方、ＵＨＶ級の避雷器は大
型になり、それを縦型で配置すると、背が高くなり耐震
性能上架台２０を大きくする必要があるばかりか、ガス
ダクト１０は変圧器タンク２との取付位置の関係より地
上に近い部分に配置されており、ガスダクト１０と避雷
器１２とを接続するためのダクト１８の長さが長くなる
ばかりか、その形状も複雑となっている。例えば、避雷
器取付部分の側面図を図５に示すが、避雷器１２の高さ
がガスダクト１０より高くなっているため、避雷器を接
続するためのダクト１８は、ほぼＬ型をしたダクトが必
要となっている。そのため、避雷器１２とガスダクト１
０との間を広くして前述のダクト１８を取付なければな
らない。また、ガスダクト１０の中間にＴ型ダクトを取
付け、さらに避雷器１２を取付けているため避雷器１２
と単位変圧器１Ｂとの間が広くなり、避雷器及び変圧器
の取付面積が大きくしなければならない。

【０００６】また、単位変圧器やガスダクト１０、避雷
器１２は、それぞれ別に輸送されて現地で組み立てられ
る。そしてガスダクト１０内のリード線１７は、避雷器
側及びガス絶縁機器側でそれぞれ取り外して輸送され、
現地で避雷器側、ガス絶縁機器側油・ガス分離型ブッシ
ング側をそれぞれ接続している。そのため、現地での作
業時間が長くなっている。

【０００７】さらに、変圧器、避雷器などは、工場で組
み立て試験後現地まで輸送され、そこで再び組み立てら
れる。そして、現地では、現地耐圧試験が実施されその
後運転状態にはいる。ところで、変圧器と避雷器が接続
された状態で現地耐圧試験を実施すると、避雷器の動作
電圧が変圧器の試験電圧以下である場合、変圧器の試験
ができないので、そのときは、避雷器を取り外し変圧器
の試験を実施している。しかし、この方法では、試験後
再び避雷器を取付けなければならず、大変な作業となっ
ている。また、避雷器が故障した場合においては、避雷
器を取り外すまで変圧器は、停止しておかなければなら
ず、変圧器の休止期間が長くなる可能性がある。

【０００８】本発明は、上記事情に鑑みなされたもの
で、その目的は避雷器及び変圧器の取付面積を縮小化す
るとともに、耐震性も優れた変圧器並びに現地での耐圧
試験も短時間にでき、しかも避雷器が故障の場合でも短
時間で変圧器の運転が復旧できる避雷器を取り付けた変
圧器を提供することにある。

【０００９】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の請求項１は、単位変圧器の１相を少なくと
も２つのタンクに分割し、それぞれのタンクから共通の
リード線を当該単位変圧器に取付けたダクト内部に配置
して取り出すとともに、少なくとも２つの共通の電位の
リード線をダクトに取付けた油・ガス分離型のブッシン
グを介して接続したガスダクト部分で避雷器を接続する
避雷器を取付けた変圧器において、前記避雷器を接続す
るリード線を前記ブッシングのガス側端部より取り出
し、前記避雷器を前記ブッシングとほぼ平行して横型に
し、避雷器の高圧課電部が前記変圧器側に位置すること
を特徴とする。

【００１０】また、請求項２は、単位変圧器の１相を少
なくとも２つのタンクに分割し、それぞれのタンクから
共通のリード線を当該単位変圧器に取付けたダクト内部
に配置して取り出すとともに、少なくとも２つの共通の
電位のリード線をダクトに取付けた油・ガス分離型のブ
ッシングを介して接続したガスダクト部分で避雷器を接
続し、また前記ガスダクトの他の部分でガス区分型スペ
ーサを介して他のガス絶縁機器と接続する避雷器を取付
けた変圧器において、前記避雷器が断路器を介して接続
され、前記避雷器を前記ブッシングとほぼ平行して横型
にし、避雷器の高圧課電部が前記変圧器側に位置するこ
とを特徴とする。

【００１１】

【作用】本発明によると、避雷器の接続端子がガスダク
トが最短となる油・ガス分離型のブッシングのシールド
部分より取付けられており、避雷器がガスダクトとほぼ
平行で横型となっているため、避雷器の取付面積を少な
くすることができる。また避雷器が横型で、その高さが
低いので、耐震性能が向上し、避雷器を取付けるための
架台が小さくてすむ。さらに避雷器及びガス絶縁機器に
接続するためのダクトと油・ガス分離型のブッシングを
接続するためのダクトの間にそれぞれガス区分型のスペ
ーサが取付けられているため、現地まで輸送する際、ダ
クト内部のリード線を避雷器及びガス絶縁機器に接続す
るためのダクト部分のガス区分型スペーサ部分までリー
ド線を接続したまま輸送できる。また避雷器とガスダク
ト間にガス区分型のスペーサが取付けられているため、
避雷器が故障した場合も避雷器側の分解ガスがブッシン
グまで流れることがないだけでなく、避雷器の取り外し
も短時間でできる。

【００１２】さらにまた、本発明によると、断路器を開
閉することによって現地耐圧試験を実施することがで
き、しかも現地耐圧試験においても断路器の開閉といっ
た簡単な動作ができるので短時間で終了する。しかも、
避雷器が故障した場合、断路器を解放状態にすれば、変
圧器を運転することができるので、変圧器運転の復旧時
間が短縮される。さらに、避雷器の点検においても断路
器を解放状態にして実施すれば、変圧器を停止すること
なく、安全に運転することができる。

【００１３】

【実施例】本発明の実施例を図を参照して説明する。な
お、既に説明した従来例と同一部分には同一符号を記し
その説明は省略する。図１は本発明の一実施例の概略平
面図、図２は図１の概略側面図である。同図において、
３１は変圧器のブッシングのガス絶縁側の端部に取付け
たシールド３０から取り出されたリード線である。リー
ド線３１の一方は、図示していないガス絶縁機器に、ま
たリード線３１の他方は、避雷器３２にそれぞれガス区
分型のガス絶縁スペーサ３３，３４を介して接続されて
いる。また、ガス区分型スペーサ３４を介して接続され
た避雷器３２は、高圧課電部を変圧器側にしてほぼブッ
シング９と平行して横型にして配置されている。３５は
避雷器３２を支えるための架台である。

【００１４】本実施例は上記のごとき構成であるので、
次のごとき特徴を有する。すなわち、避雷器の接続端子
がガスダクトが最短となる油・ガス分離型のブッシング
のシールド部分より取付けられているため変圧器に過電
圧が進入した場合においても保護性能が向上する。ま
た、避雷器がガスダクトとほぼ平行にし、横型となって
いるため、避雷器の取付面積を少なくすることができ
る。さらに避雷器が横型となっているため、高さが低く
てすみ、耐震性能が向上するため、避雷器を取付けるた
めの架台が小さくてすむ。又、避雷器の高圧課電部を変
圧器側にしているため避雷器定格の大なるものへの交換
も容易となる。さらに、避雷器及びガス絶縁機器に接続
するためのダクトと油・ガス分離型のブッシングを接続
するためのダクトの間にそれぞれガス区分型のスペーサ
が取付けられているため、現地まで輸送する際、ダクト
内部のリード線を避雷器の部分及びガス絶縁機器に接続
するためのダクト部分のガス区分型スペーサ部分までリ
ード線を接続したまま輸送できる。

【００１５】また、避雷器とガスダクト間にガス区分型
のスペーサが取付けられているため、避雷器が故障した
場合も避雷器側の分解ガスがブッシングまで流れること
がないだけでなく、避雷器の取り外しもブッシング側の
ガスを回収することなく、避雷器を取り外すことができ
るので短時間で避雷器の取り外しができる。そのため、
避雷器故障時においても、復旧時間が短縮される。さら
に、避雷器とガスダクト間にガス区分型のスペーサが取
付けらているため、変圧器のブッシング側及び避雷器側
などの現地組立を実施する場合、それぞれ独立して真空
引きガス封入等が実施できるので、現地での作業がそれ
ぞれ並列して実施することができ現地での作業時間が短
縮される。さらにまた、避雷器が工場からの輸送状態と
同じ横型でガスダクトに取付けられているため、避雷器
を縦型にすることなく、現地で取付け、取り外しができ
るので現地作業時間の短縮がはかれる。

【００１６】なお、上記実施例では、ブッシングのシー
ルド部分で避雷器の接続導体を分岐して取付けたが、シ
ールド部分だけでなく、ブッシングと他のガス絶縁機器
との間の導体で分岐して避雷器を横型にして、取付けて
も上記実施例と同様の効果が得られる。

【００１７】図３は本発明の他の実施例の概略平面図で
ある。なお、従来と同一部分は、同一符号で記しその説
明は省略する。同図において、４０は断路器であり、そ
の断路器４０はブッシング９と横型にした避雷器１４と
の間で接続され、避雷器４１と断路器４０及び断路器４
０とブッシング９を取付けるダクト１０の間には、それ
ぞれガス区分型の絶縁スペーサ４２，４３が取付けられ
ている。

【００１８】本実施例は上記のごとき構成であるので、
次のごとき特徴を有する。すなわち、現地耐圧試験時に
おいて、避雷器の耐圧試験電圧が変圧器の試験電圧より
低い場合も断路器を解放することによって、変圧器のみ
に電圧を印加することができるので、信頼性が高くなる
ばかりでなく、しかも現地耐圧試験においても断路器の
開閉といった簡単な動作でできるので短時間で終了す
る。また、避雷器が故障した場合には、断路器を解放状
態にすれば、変圧器を運転することができ、変圧器運転
の復旧時間が短縮される。さらに、変圧器を運転したま
ま、故障した避雷器を取り外すことが可能となるため、
避雷器の点検も断路器を解放状態にして実施すれば、変
圧器を停止することなく、安全に運転できる。さらにま
た、断路器と避雷器との間にガス区分型の絶縁スペーサ
が取付けられているので、避雷器が故障した場合でも分
解ガスが断路器まで進入することがないので断路器も信
頼性が向上する。

【００１９】

【発明の効果】以上説明したように、本発明によると、
現地での作業時間が短縮されるほか、避雷器の耐震性能
が向上し、また避雷器が故障した場合も分解ガスのブッ
シング側への進入を防ぐことができ、変圧器への保護性
能が向上した変圧器が得られる。さらに、現地での耐電
圧試験を短時間で実施することができる上、避雷器が故
障した場合も変圧器の停止時間を短縮することができ、
しかも変圧器を停止することなく、避雷器の点検を実施
することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例の概略平面図。

【図２】図１の概略側面図。

【図３】本発明の他の実施例の概略平面図。

【図４】従来の避雷器を取付けた変圧器の概略平面図。

【図５】図４の概略側面図。

【符号の説明】

１Ａ，１Ｂ…単位変圧器、２…タンク、３…鉄心、４…
巻線、５，１８…ダクト、６…ブッシング、７，８…リ
ード線、９…ブッシング、１０，１５…ガスダクト、１
２，３２，４１…避雷器、１４…スペーサ、１７，３１
…導体、３０…シールド、３３，３４，４２，４３…ガ
ス区分型スペーサ、２０，３５…架台、４０…断路器、
４５…防音タンク。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 単位変圧器の１相を少なくとも２つのタ
   ンクに分割し、それぞれのタンクから共通のリード線を
   当該単位変圧器に取付けたダクト内部に配置して取り出
   すとともに、少なくとも２つの共通の電位のリード線を
   ダクトに取付けた油・ガス分離型のブッシングを介して
   接続したガスダクト部分で避雷器を接続する避雷器を取
   付けた変圧器において、前記避雷器を接続するリード線
   を前記ブッシングのガス側端部より取り出し、前記避雷
   器を前記ブッシングとほぼ平行して横型にし、避雷器の
   課電部が前記変圧器側に位置することを特徴とする避雷
   器を取付けた変圧器。
2. 【請求項２】 単位変圧器の１相を少なくとも２つのタ
   ンクに分割し、それぞれのタンクから共通のリード線を
   当該単位変圧器に取付けたダクト内部に配置して取り出
   すとともに、少なくとも２つの共通の電位のリード線を
   ダクトに取付けた油・ガス分離型のブッシングを介して
   接続したガスダクト部分で避雷器を接続し、また前記ガ
   スダクトの他の部分でガス区分型スペーサを介して他の
   ガス絶縁機器と接続する避雷器を取付けた変圧器におい
   て、前記避雷器が断路器を介して接続され、前記避雷器
   を前記ブッシングとほぼ平行して横型にし、避雷器の課
   電部が前記変圧器側に位置することを特徴とする避雷器
   を取付けた変圧器。