JP3290220B2 - 故障点標定システム - Google Patents

故障点標定システム

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JP3290220B2 JP33079092A JP33079092A JP3290220B2 JP 3290220 B2 JP3290220 B2 JP 3290220B2 JP 33079092 A JP33079092 A JP 33079092A JP 33079092 A JP33079092 A JP 33079092A JP 3290220 B2 JP3290220 B2 JP 3290220B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、地絡事故等により発生
するガス絶縁機器の故障点を標定する故障点標定システ
ムに関するものであり、特に、絶縁スペーサによって区
切られたガス区画単位で故障点を標定する故障点標定シ
ステムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、用地の高騰や都市部における電力
供給量は増大傾向にあり、変電設備の増強化の必要性が
増している。そのため、絶縁性及び消弧性に優れたSF
6 ガスを用いて、断路器、遮断器などの変電機器を密閉
容器内に収納配置し、耐環境性とKV・A当たりの据付
け体積をコンパクト化した、いわゆるガス絶縁開閉装置
が普及し稼働している。
【0003】ここで図5を参照して、ガス絶縁開閉装置
の従来例を説明する。図5は、一般的なガス絶縁開閉装
置の一例を示すガス系統図である。図において、密封圧
力容器1は接地電位とされ、この密封圧力容器1内には
課電部として、避雷器2、変成器3、接地開閉器4、断
路器5、変流器6、遮断器7、及び母線8が配設されて
おり、接地電位とされた密封圧力容器1と前記課電部と
は、密封圧力容器1内に封入されたSF6 ガスなどの絶
縁ガス9によって電気的に絶縁されている。また、密封
圧力容器1内には、母線8を支持するために絶縁スペー
サ10a〜10dが適当な間隔をおいて配設されてお
り、母線8の機械的強度及び絶縁耐力を保持できるよう
に構成されている。
【0004】絶縁スペーサ10a〜10dは、保守上の
切離しや配置構成上の必要性から、密封圧力容器1内の
空間を気密に区分するように配設されている。すなわ
ち、密封圧力容器1は絶縁スペーサ10a〜10dによ
って複数のガス区画に区切られている。これによって、
密封圧力容器1内の絶縁ガス9の封入区分が行なわれ、
各ガス封入区分領域毎にガス封入されるように構成され
ている。
【0005】また、図中11はガスボンベであり、この
ガスボンベ11からガスキュービクル12及びバルブ1
3を介して、密封圧力容器1内の各ガス封入区分領域に
ガスが充填されるように構成されている。なお、ガスキ
ュービクル12は、各ガス封入区分領域の圧力を検出す
るガス圧力センサとしての機能も有している。
【0006】さらに図5において、主回路は、ブッシン
グ14を介し、断路器5、遮断器7を経由して変圧器1
9に接続されている。なお、図5においては、1回線受
電主回路を示しているが、この受電主回路の右側の受電
主回路(図示せず)より、断路器5を介して、変圧器1
9に電力を供給する場合もある。一方、図中15は配電
盤であり、操作キュービクル16を介して開閉器類(断
路器5、遮断器7、接地開閉器4)の操作器17に付勢
信号を与え、開閉器類の主回路切換えや遮断操作を制御
する機能を有している。また、図中18は開閉器類の駆
動源となるコンプレッサ設備であり、このコンプレッサ
設備18によって得られた所定の圧力(たとえば、15
kg/cm2 が一般的)が、操作キュービクル16を介
して操作器17に供給され、開閉器類の操作が行なわれ
るように構成されている。
【0007】以上のようなガス絶縁開閉装置は、コンパ
クト化、接地タンクの露出充電部の削減など、種々の利
点がある反面、高性能化に伴う保守診断の困難さ、保守
修復作業時間の増大など、容器内部に異常が生じた場
合、その信頼性が著しく低下するという問題点があっ
た。例えば、保守診断の困難さに関して言えば、充電部
が金属タンク内に収納されており、地絡などの事故発生
時にも遮断器により瞬時に除去されるので、閃絡事故等
により容器内部に異常が生じても、内部損傷があるにも
関わらず、容器の外部からは地絡発生点を特定すること
は困難である。
【0008】そこで、ガス絶縁開閉装置全体の信頼性の
向上を実現するために、装置の適切な設計・製作が進め
られているが、これと平行して電力供給能力の質の向上
を図る上でも、稼働運転状態が正常であることの信頼度
確認と、異常発生時の早期検出監視が可能な予防保全シ
ステムの確立が切望されている。特に最近では、ガス絶
縁開閉装置の設置箇所も増え、量産体制がとられるよう
になったため、その保守や緊急修復体制の準備と品質の
ばらつきは無視できない問題となっており、予防保全シ
ステムの確立は急務となっている。
【0009】上記のような予防保全システムとして、事
故発生点を特定する異常検出システムが従来より種々提
案されており、その一部は既に実用化されている。これ
らの異常検出システムの一つに故障点標定システムがあ
り、信頼性も高いことから実用例も増加している。故障
点標定システムとは、ガス絶縁機器に事故が発生した時
の内部アークエネルギーによるガス圧力上昇を検出する
故障点検出器を備え、この故障点検出器が故障点を検出
することにより事故発生点を特定するシステムである。
このような故障点標定システムによれば、故障点を早急
に検出することにより、事故対応を早め、早期復旧に貢
献すると共に、事故発生時に変電所の適用を効率的に行
うことができる。
【0010】故障点標定システムの導入による事故発生
時の変電所の効率的適用としては、次のような操作を行
うことが考えられている。すなわち、ガス絶縁機器に事
故が発生した場合、故障点標定システムにより事故発生
点を遠方において特定し、遠隔操作により健全回線を活
かす操作を行う。このような操作は変電所の無人化が進
む現在、極めて重要であると言える。
【0011】前記の健全回線を活かす操作について関し
て、図6に示す従来の系統運用例を用いて具体的に説明
する。図において、ライン回線A−1L,B−1L,A
−2L,B−2Lは、それぞれ断路器DS1 〜DS8
介して、第1の主母線と第2の主母線との間に並列に接
続されている。そして、断路器DS1 及びDS3 を閉路
してライン回線A−1L及びB−1Lを第1主母線に接
続し、断路器DS6 及びDS8 を閉路してライン回線A
−2L及びB−2Lを第2の主母線に接続して系統運用
している。
【0012】今、P点で地絡事故が発生したと仮定する
と、第1の主母線は一旦停止するが、地絡事故発生点が
P点であると特定することができれば、第1の主母線に
接続されているライン回線B−1Lにおいては事故が発
生していないことが判明する。そこで、遠隔操作によっ
て断路器DS1 及びDS3 を開路し、断路器DS2 及び
DS4 を閉路することにより第2の主母線に切替えるこ
とができる。このようにして、通常、ほぼ1分以内にラ
イン回線B−1Lを活かすことができる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
故障点標定システムにおいては、次のような問題点が指
摘されている。すなわち、故障点標定システムにおいて
故障点検出器が不可欠な構成要素であるが、この故障点
検出器はガス封入区分領域毎に設けられている。そのた
め、主母線部の一カ所で故障点が検出されると、その故
障点を封入しているガス封入区分領域に含まれている主
母線部全体を故障点区画である判定する。したがって、
主母線部のガス封入区分領域が複数の回線にわたってい
る場合、この主母線部に接続された健全回線であっても
故障点していると判定することになり、遠隔操作により
健全回線を活かす操作復を行うことができない。その結
果、事故発生時の変電所の効率的適用が阻害され、事故
時の早期復旧が困難となった。
【0014】また、主母線部のガス封入区分領域が複数
の回線にわたっている場合、各回線に対応させてガス封
入区分領域を絶縁スペーサによりガス区画に区切り、こ
のガス区画毎に故障点検出器を設置するということが考
えられる。但し、ガス区画単位で故障点を正確に検出す
るためには、事故が発生したガス区画からの圧力上昇の
影響が、他の健全なガス区画に伝わらないように、各ガ
ス区画を密封する必要がある。
【0015】ところが、ガス封入区分領域を複数のガス
区画に分けると、次のような不具合が生じてくる。すな
わち、図5を参照して説明したように、ガス封入区分領
域に対しては、ガスボンベ11からガスキュービクル1
2及びバルブ13を介してガスが充填されている。ま
た、ガスキュービクル12がガス封入区分領域の圧力を
検出している。そのため、ガス封入区分領域を複数の密
封されたガス区画に分割するならば、ガス区画毎に前記
ガスボンベ11、ガスキュービクル12及びバルブ13
を配設しなくてはならなくなり、ガス絶縁機器の構成が
複雑化するおそれがある。しかも、同一のガスを封入す
るガス封入区分領域に対して、各ガス区画毎にガスを封
入する作業を行う必要があるため、作業性を低下させる
ことになる。更に、事故が発生していない通常時におけ
るガス圧力等のデータも各ガス区画毎に監視しなくては
ならないため、監視作業を低下させることにもなる。こ
のような封入作業及び監視作業の低下を原因として、保
守点検の効率が大幅に低下することは明白である。以上
のような不具合が存在するため、従来の故障点標定シス
テムにおいては、ガス封入区分領域を複数のガス区画に
区切るという構成が採用されていなかった。
【0016】本発明は、以上の欠点を解消するために提
案されたものであり、その目的は、構成の複雑化や保守
点検の効率の低下を招くことなく、ガス封入区分領域を
区切ったガス区画単位で故障点を検出できるよう故障点
標定精度を向上させることにより、主母線部の絶縁ガス
の封入区分が複数回線に渡っている場合でも、該主母線
部に接続された健全回線の復旧操作を実現させ、復旧時
間の短縮化及び事故発生時の変電所の効率的適用を図る
故障点標定システムを提供することである。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の故障点標定システムは、絶縁ガスを
高電圧導体と共に接地金属容器内に収納してなるガス絶
縁機器に用いられる故障点標定システムにおいて、絶縁
スペーサによって複数のガス区画に区切られた密封圧力
容器が設けられ、前記ガス区画の各々に故障点検出器が
設けられ、同一のガスが封入される複数の前記ガス区画
をガス封入区分領域とする時、同一のガス封入区分領域
に属する前記ガス区画間を接続し、前記ガスが通過する
ガス配管部が設けられ、前記ガス配管部に、前記ガス区
画から該ガス配管部に送り込まれる定常値以上のガス圧
力波を減衰させる圧力伝搬減衰部が設けられることを特
徴とする。
【0018】また、請求項2記載の故障点標定システム
は、前記ガス配管部により接続された前記ガス区画同士
の一方に事故が発生し、該事故により上昇したガス区画
内のガス圧力波が前記ガス配管部を通過する際、該ガス
配管部に設けられた前記圧力伝搬減衰部が、前記の上昇
したガス圧力波のレベルを、事故が発生していないガス
区画側に設けられた故障点検出器の最低動作レベル以下
にまで減衰させることを特徴とする。
【0019】請求項3記載の故障点標定システムは、前
記故障点検出器が衝撃ガス圧力センサにより構成される
ことを特徴とする。
【0020】請求項4記載の故障点標定システムは、前
記圧力伝搬減衰部が突起長さの可変できる絞り弁により
構成されることを特徴としている。
【0021】
【作用】本発明の故障点標定システムによれば、次のよ
うな作用が得られる。すなわち、ガス絶縁機器に事故が
発生した場合、絶縁スペーサによって区切られたガス区
画の各々に故障点検出器を設けているため、故障点検出
器はガス区画単位で事故の発生を検出することができ
る。また圧力伝搬減衰部は、事故が発生したガス区画か
らガス配管部に送り込まれる定常値以上のガス圧力波を
減衰させる。そのため、事故が発生したガス区画からの
ガス圧力波が圧力伝搬減衰部を通過すると、定常値以上
の圧力レベルよりも低下し、このガス圧力波が正常なガ
ス区画側に設けられた故障点検出器に届いたとしても、
この故障点検出器が誤動作を行うことがない。
【0022】このように本発明の故障点標定システムに
おいては、ガス区画単位で故障点を正確に検出すること
ができる。そのため、主母線部の絶縁ガスの封入区分が
複数回線にわたっている場合でも、各回線とガス区画と
を対応させることにより、各回線単位で故障点を検出で
きるため、主母線に含まれる健全回線が故障区画として
判定されることがなく、遠隔操作により健全回線を活か
す操作を行うことが可能となる。
【0023】また、同一のガスが封入されるガス封入区
分領域においては、ガス封入区分領域に属するガス区画
同士が、相互にガス配管部によって接続されているた
め、定常圧力変化によるガスの流動は可能である。した
がって、ガス封入区分領域にガスを封入する場合、ガス
封入区分領域単位で一括して行うことが可能であり、ガ
ス区画毎にガスボンベやガスキュービクル等を配設する
必要はない。また、通常時におけるガス圧力等のデータ
も、ガス封入区分領域単位で監視することができる。そ
のため、従来の比べて保守点検の効率が低下するという
こともない。
【0024】
【実施例】以下、本発明による故障点標定システムの一
実施例を図1乃至図3を参照して具体的に説明する。図
1は本実施例の故障点検出器の取付位置を示す変電所の
ガス区画図であり、図2は本実施例の一部を示す断面
図、図3は本実施例の故障点検出器の構成を示すであ
る。
【0025】図1において2点鎖線にて囲まれたA〜L
は絶縁スペーサにより区切られた主母線部のガス区画で
ある。各ガス区画A〜Lはガス配管部43にて接続され
ており、同一のガスが封入される一つのガス封入区分領
域が構成されている。また、ガス区画A〜Lはガス監視
箱60により母線単位で、通常時におけるガス圧力等の
データが監視されるように設定されている。各ガス区画
A〜Lにはガス配管43を介して故障点検出器61が設
けられている。また、隣接するガス区画A〜L同士を接
続するガス配管43には圧力伝搬減衰部62が配設され
ている。
【0026】ここで故障点検出器61の一例として、衝
撃ガス圧力センサを図3に示す。図中41は、密封圧力
容器内に高電圧充電部を内蔵してなるガス絶縁開閉装置
である。このガス絶縁開閉装置41と衝撃ガス圧力セン
サのスイッチケース42とは、前記ガス配管部43を介
して接続されている。衝撃ガス圧力センサのスイッチケ
ース42は内部にガス室47を有している。またスイッ
チケース42底部にはガス導入孔44が形成され、ここ
にガス配管部43に接続されている。
【0027】スイッチケース42底面の内側にはシリン
ダ45が垂直に設置されている。このシリンダ45の下
部開口部はガス導入孔44に連通されている。またシリ
ンダ45の上部には端板48が固定されている。端板4
8には透孔49が開口されており、この透孔49とシリ
ンダ45の上部開口部とが連通されている。端板48に
はマイクロスイッチなどの検出スイッチ46が固定され
ている。検出スイッチ46は故障表示を行う検出回路
(図示せず)に接続されている。またシリンダ45の中
空部にはフロート50が上下動自在に取付けられてい
る。フロート50の上部には前記検出スイッチ46を押
圧する突子51が設けられている。
【0028】続いて、図2はガス区画A〜Lのうち隣接
する2つのガス区画を示している。図2ではガス区画を
33,34とする。図2中、31はガス絶縁開閉装置の
密封圧力容器、32は絶縁スペーサ、36,37は高圧
充電部である。なお、故障点検出器61はガス配管43
に対してT字形に分岐して設けられている。この図2を
参照して圧力伝搬減衰部62を説明する。
【0029】ガス区画33,34を接続するガス配管部
43には圧力伝搬減衰部62として絞り弁63が設けら
れている。この絞り弁63は、絞り込むことにより密封
圧力容器間を接続するガス配管43の開口部の面積を調
整し、ガス区画33,34間で日射による圧力変化等の
ガスの流動を可能とすると同時に、地絡事故発生時の衝
撃ガス圧力波を通し難くするように設定されている。
【0030】次に前記絞り弁63がどの程度、衝撃ガス
圧力波を通し難くするのか、すなわち絞り弁63の減衰
レベルの設定に関して説明する。絞り弁63の減衰レベ
ルを設定するためには、まずガス区画33,34におけ
るガス圧力上昇値を求める必要がある。一般に、事故発
生時にガス区画33,34内に発生するアークによる衝
撃ガス圧力は、おおむね次の式(1)により算出する。
【数1】ΔP=0.8・I/r…式(1) ΔP:ガス圧力上昇値(Kg/cm2 ) I:アーク電流(KA) r:圧力容器半径(cm) また、事故電流は変電所の電力系統上の位置により、ほ
ぼ決定している。そのため、ガス区画33,34の大き
さが決まれば、ガス区画33,34における事故発生時
のガス圧力上昇値ΔPを求めることができる。
【0031】一方、故障点検出器61の最低動作レベル
ΔPmin は、通常、0.01〜0.05Kg/cm2
あり、言うまでもなくガス区画33,34に事故が発生
した時のガス圧力上昇値ΔPよりも小さく設定されてい
る(ΔP>ΔPmin )。したがって、ガス区画33,3
4に事故が発生した場合、故障点検出器61はこれを検
出することが可能である。前述したように故障点検出器
61とガス区画33,34とはT字形に分岐したガス配
管部43により接続されている。そこで、ガス配管部4
3における絞り弁63によるガス圧力波の減衰レベルは
次の式(2),(3)により計算できることが実験的に
確かめられている。
【0032】
【数2】P2=P1・10-0.05L…式(2) P1:ガス配管部43の直管部入口の圧力上昇値(Kg
/cm2 ) P2:ガス配管部43の直管通過後の圧力上昇値(Kg
/cm2 ) L :ガス配管部43の直管部の長さ(m)
【数3】ΔP2´=2・P1´/3…式(3) P1´:ガス配管部43のT字形分岐入口の圧力上昇値
(Kg/cm2 ) P2´:ガス配管部43のT字形分岐通過後の圧力上昇
値(Kg/cm2 ) ガス配管部43の直管部の長さはあらかじめ決まってい
るので、上記(2),(3)に基づいて、絞り弁63に
よるガス配管部43でのガス圧力波の減衰レベルが求め
ることができる。
【0033】以上のようにして求めた絞り弁63の減衰
レベルは次のように設定される。すなわち、絞り弁63
の減衰レベルは、ガス配管部43により接続されたガス
区画33又は34の一方に事故が発生し、この事故によ
り上昇したガス区画33又は34内のガス圧力波がガス
配管部43を通過する際、上昇したガス圧力波のレベル
を、事故が発生していないガス区画33又は34側に設
けられた故障点検出器61の最低動作レベルΔPmin
下にまで減衰させるように設定される。
【0034】進んで、以上のような構成を有する本実施
例の故障点標定システムが故障点を検出する動作を図2
を用いて説明する。仮にガス区画33に地絡事故が発生
した場合、ガス区画33内のガス圧力は上昇し、ガス圧
力上昇値ΔPを有するガス圧力波となってガス区画33
からガス配管部43に入り込む。ガス配管部43に設け
られた故障点検出器61の最低動作レベルΔPmin はガ
ス圧力上昇値ΔPよりも小さく設定されているため、故
障点検出器61にガス圧力上昇値ΔPを有するガス圧力
波が達した時点で、即座に故障点検出器61は動作し、
ガス区画33に事故が発生したことを検出する。
【0035】次に、故障点検出器61である衝撃ガス圧
力センサの動作について図3を参照して説明する。ガス
絶縁開閉装置41の定常運転時においては、ガス絶縁開
閉装置41からの絶縁ガスが、ガス配管部43、ガス導
入孔44、シリンダ45を介してスイッチケース42の
ガス室47に入る。この時、ガス室47のガス圧力値は
定常値を保ち、フロート50は動作することがない。
【0036】ところが、ガス絶縁開閉装置41に地絡事
故が発生すると、その容器内の内部圧力が上昇する。そ
のため、ガス絶縁開閉装置41からガス配管部43及び
ガス導入孔44を介してシリンダ45に伝達されるガス
圧力が上昇し、ガス室47内におけるガス圧力との間
に、圧力差が生じる。この圧力差によりシリンダ45内
のフロート50が浮上し、突子51が検出スイッチ46
を押圧する。これにより検出スイッチ46が検出回路
(図示せず)を開閉し、故障表示を行う。
【0037】ところで、ガス圧力上昇値ΔPを有するガ
ス圧力波が絞り弁63に達すると、絞り弁63はガス圧
力波の圧力レベルを故障点検出器61の最低動作レベル
ΔPmin 以下にまで減衰する。つまり、ガス区画33か
らのガス圧力波が絞り弁63を通過すると、その圧力レ
ベルは最低動作レベルΔPmin 以下となる。したがっ
て、このガス圧力波が正常であるガス区画34側に設け
られた故障点検出器61に届いたとしても、この故障点
検出器61は動作することがない。
【0038】以上のような本実施例の故障点標定システ
ムによれば、絶縁スペーサ32によって区切られた密封
圧力容器31のガス区画33,34毎に、故障点検出器
61を設け、更にガス区画33,34同士を接続するガ
ス配管部43に絞り弁63を設けるとことにより、絞り
弁63が事故の発生したガス区画33又は34からガス
配管部43に送り込まれる定常値以上のガス圧力波を減
衰させるため、事故が発生したガス区画33又は34か
らの定常値以上のガス圧力波は、事故が起きていないガ
ス区画33又は34側の故障点検出器61に達すること
がなく、正常なガス区画に設けられた故障点検出器が誤
動作を行うことがない。このように、故障点検出器61
は事故が発生したガス区画33,34のみを検出するこ
とができる。
【0039】したがって、主母線部の絶縁ガスの封入区
分が複数回線にわたっている場合でも、各回線とガス区
画とを対応させることにより、各回線単位で故障点を検
出できる。そのため、主母線に含まれる健全回線が故障
区画として判定されることがなく、遠隔操作により健全
回線を活かす操作を行うことができる。ここで、主母線
部の絶縁ガスの封入区分が複数回線に渡っている場合の
健全回線を活かす操作について関して、図1を参照して
具体的に説明する。
【0040】すなわち、ライン回線A−1L,B−1
L,A−2L,B−2Lは、それぞれ断路器DS1 〜D
8 を介して、第1の主母線と第2の主母線間に並列に
接続されている。そして、断路器DS1 及びDS3 を閉
路してライン回線A−1L及びB−1Lを第1主母線に
接続し、断路器DS6 及びDS8 を閉路してライン回線
A−2L及びB−2Lを第2の主母線に接続して系統運
用している。
【0041】今、Q点で地絡事故が発生したと仮定する
と、第1の主母線は一旦停止するが、圧力容器Cに接続
された故障点検出器61だけが動作することにより、故
障は圧力容器Cにおいて発生したと判断することがで
き、事故点はQ点であると特定することができる。その
ため、第1の主母線に接続されているライン回線B−1
Lにおいては事故が発生していないことが判明する。そ
こで、遠隔操作によって断路器DS1 及びDS3 を開路
し、断路器DS2 及びDS4 を閉路することにより第2
の主母線に切替えることができる。
【0042】以上説明したように、本実施例によれば、
各ガス区画A〜Lに故障点検出器61を設けると共に、
隣接するガス区画A〜L間を接続するガス配管部43に
圧力伝搬減衰部62を設けるという構成により、ガス区
画A〜L単位で故障点を検出することができる。したが
って、遠隔操作により事故復旧に必要な正確な故障点情
報を得ることができ、主母線部の絶縁ガスの封入区分が
複数回線にわたっている場合でも、主母線部に接続され
た健全回線の復旧操作を行うことができる。
【0043】また、ガス区画A〜Lは1つのガス封入区
分領域に属しており、ガス区画A〜L同士はガス配管部
43によって接続されているので、定常圧力変化による
ガスの流動は可能である。したがって、ガス封入区分領
域にガスを封入する場合は、ガス封入区分領域単位で一
括して行うことができ、ガス区画毎にガスボンベやガス
キュービクル等を配設する必要がない。しかも、本実施
例においてはガス監視箱60が母線単位でガス圧力等の
データを監視しているため、従来の比べて保守点検時に
おける効率が低下するということもない。
【0044】なお、本発明の故障点標定システムは、以
上の実施例に限定されるものではなく、例えば圧力伝搬
減衰部としては図4に示すとぐろ配管64や、絞り可変
式弁等、衝撃ガス圧力波を通し難く、且つガスの定常圧
力変化による流動は可能とする構造であれば良い。な
お、図4中、35はガス区画、38は高電圧充電部を示
している。
【0045】また圧力伝搬減衰部が、距離による減衰効
果を用いたガス配管部から構成されたり、ガス配管部の
内径を単に小さくした部分から構成されたりしても、上
記実施例と同様の作用効果を期待することができる。更
に、ガス区画の大きさによってガス区画における事故発
生時のガス圧力上昇値ΔPは変化するため、これに対応
させるように、圧力伝搬減衰部62の減衰レベル及び故
障点検出器の最低動作レベルΔPmin が適宜変更可能で
あることは言うまでもない。
【0046】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の故障点標定
システムによれば、絶縁スペーサにより区分されたガス
区画毎に故障点検出器を設け、ガス区画間を接続するガ
ス配管部に圧力伝搬減衰部を設けると言う簡単な構成に
より、構成の複雑化や保守点検時の効率の低下を招くこ
となく、ガス封入区分領域を区切ったガス区画単位で故
障点を検出できるように故障点標定精度を向上させるこ
とができるため、主母線部の絶縁ガスの封入区分が複数
回線に渡っている場合でも、該主母線部に接続された健
全回線の復旧操作を実現させることが可能となり、復旧
時間の短縮化及び事故発生時の変電所の効率的適用を図
ることができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による故障点標定システムの一実施例を
示すもので、故障点検出器の取付位置を示す変電所のガ
ス区画図。
【図2】本実施例の本実施例の一部を示す断面図。
【図3】本実施例に用いられる故障点検出センサを示す
断面図。
【図4】本発明による故障点標定システムの他の実施例
の一部を示す断面図。
【図5】一般的なガス絶縁開閉装置のガス系統図。
【図6】従来の系統運用の一例を示す単線結線図。
【符号の説明】
1…密封圧力容器 2…避雷器 3…変成器 4…接地開閉器 5…断路器 6…変流器 7…遮断器 8…母線 9…絶縁ガス 10a〜10d…絶縁スペーサ 11…ガスボンベ 12…ガスキュービクル 13…バルブ 14…ブッシング 15…配電盤 16…操作キュービクル 17…操作器 18…コンプレッサ設備 19…変圧器 31…密封圧力容器 32…絶縁スペーサ 33,34,35…ガス区画 36,37,38…高圧充電部 41…ガス絶縁開閉装置 43…ガス配管部 60…ガス監視箱 61…故障点検出器 62…圧力伝搬減衰部 63…絞り弁 64…とぐろ弁 A〜L…ガス区画
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 榊原 高明 神奈川県川崎市川崎区浮島町2番1号 株式会社東芝 浜川崎工場内 (56)参考文献 特開 平3−65007(JP,A) 特開 平3−65008(JP,A) 特開 平3−284109(JP,A) 特開 平3−284108(JP,A) 特開 平4−138037(JP,A) 特開 平4−125019(JP,A) 特開 昭54−85360(JP,A) 特開 平6−82322(JP,A) 特開 平5−126896(JP,A) 特開 平6−94775(JP,A) 特開 平6−174775(JP,A) 実開 平3−39313(JP,U) 実開 昭54−122334(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01H 33/00 G01R 31/08 H02B 13/065

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁ガスを高電圧導体と共に接地金属容
    器内に収納してなるガス絶縁機器に用いられる故障点標
    定システムにおいて、 絶縁スペーサによって複数のガス区画に区切られた密封
    圧力容器が設けられ、 前記ガス区画の各々に故障点検出器が設けられ、 同一のガスが封入される複数の前記ガス区画をガス封入
    区分領域とする時、同一のガス封入区分領域に属する前
    記ガス区画間を接続し前記ガスが通過するガス配管部が
    設けられ、 前記ガス配管部に、前記ガス区画から該ガス配管部に送
    り込まれる定常値以上のガス圧力波を減衰させる圧力伝
    搬減衰部が設けられることを特徴とする故障点標定シス
    テム。
  2. 【請求項2】 前記ガス配管部により接続された前記ガ
    ス区画同士の一方に事故が発生し、該事故により上昇し
    たガス区画内のガス圧力波が前記ガス配管部を通過する
    際、該ガス配管部に設けられた前記圧力伝搬減衰部が、
    前記の上昇したガス圧力波のレベルを、事故が発生して
    いないガス区画側に設けられた故障点検出器の最低動作
    レベル以下にまで減衰させることを特徴とする請求項1
    に記載の故障点標定システム。
  3. 【請求項3】 前記故障点検出器が衝撃ガス圧力センサ
    により構成されることを特徴とする請求項1又は請求項
    2記載の故障点標定システム。
  4. 【請求項4】 前記圧力伝搬減衰部が突起長さの可変で
    きる絞り弁により構成されることを特徴とする請求項1
    又は請求項2記載の故障点標定システム。
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