JPH0714071B2 - 力変換装置 - Google Patents

力変換装置

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JPH0714071B2
JPH0714071B2 JP18633288A JP18633288A JPH0714071B2 JP H0714071 B2 JPH0714071 B2 JP H0714071B2 JP 18633288 A JP18633288 A JP 18633288A JP 18633288 A JP18633288 A JP 18633288A JP H0714071 B2 JPH0714071 B2 JP H0714071B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は力変換素子、特に圧縮力を検出し電気信号とし
て出力する力変換素子の改良に関する。
[従来の技術] 力変換素子は、各種分野において圧縮力を検出するため
のセンサとして幅広く用いられている。従って、この様
な力変換素子には、周囲の環境に影響されることなく圧
縮力を正確に測定できる能力が要求される。
特に、この力変換装置は、極めて厳しい使用環境で用い
られることも多く、例えば近年においては内燃機関のシ
リンダ内における高温、高圧の燃焼ガスの圧力測定用と
して用いられている。
従って、この様な状況のもとで使用される力変換装置に
は、周囲に存在する磁気的、電気的なノイズの影響を受
けることなく、しかも加えられ圧縮力を、応答性良く確
実に測定することが要求される。
従来、この様な力変換素子としては、圧縮型ロードセル
に代表される歪みゲージタイプのものが一般的に知られ
ている。しかし、従来の力変換装置にあっては、この数
年、新規な圧縮力検知方式を取り入れて構成されたもの
は無かった。
第2図には、従来の歪ゲージタイプの力変換装置の一例
が示されている。
この力変換装置は、圧縮力Wが印加される4角柱形状を
した起歪体10を有し、この起歪体10の4つの側面12に、
第2図に示すよう半導体歪ゲージ16が接着剤14を用いて
貼付けられている。そして、これら各側面に貼付けられ
た歪ゲージ16は、互いにホイートストンブリッジ回路を
形成するよう電気的に接続されている。
そして、加えられた圧縮力Wに対応して生ずる起歪体10
の歪を、ホイートストンブリッジ回路から電圧信号とし
て出力している。
[発明が解決しようとする問題点] しかし、従来の力変換装置は、以下に述べる問題点を有
しており、その解決が望まれていた。
第1の問題点 従来の力変換装置は、温度変化に伴う半導体歪ゲージ16
の抵抗値の増減がもたらす検出特性への悪影響を低減す
るために、複数の半導体歪ゲージ16を起歪体10の各側面
12に貼付けていた。そして、これら各歪みゲージ16の電
極18、18からターミナル20、20へリード線22、22を引き
出し、しかも、これら各ターミナル20、20に引き出し線
24、24を接続し、各歪みゲージ16がホイートストンブリ
ッジ回路を形成するよう結線していた。
このため、力変換装置の製造工程が複雑化し高いノウハ
ウを必要とするため、製造された力変換装置が高価なも
のとなってしまい、しかも製品ごとの特性のバラツキも
大きいという問題があった。
第2の問題点 また、従来の力変換装置は、複数の歪ゲージ16を、接着
剤14を用いて起歪体10の側面12に貼付けている。このた
め、接着剤14がもたらすクリープ、ヒステリシス等の測
定特性への悪影響が避けられず、信頼性に欠けるという
問題があった。さらに、接着剤14を用いた歪ゲージ16の
貼付けには、高いノウハウを必要とし、しかも接着によ
る歪ゲージ特性のバラツキも大きいという問題があっ
た。
[発明の目的] 本発明は、この様な従来の課題に鑑みなされたものであ
り、その目的は、前述した問題点を解決することがで
き、信頼性が高くしかも安価な力変換装置を提供するこ
とにある。
[問題点を解決するための手段] 前記目的を達成するため、本発明は、 圧縮力が加えられる面として{110}面の結晶面を有す
るように形成されたSi単結晶体と、 前記Si単結晶体上に、その{110}面上における結晶の
<001>方向より45度の方向に対向して設けた第1の電
極と、<110>方向より45度の方向に対向して設けた第
2の電極と、を含み、これら第1および第2の電極のい
ずれか一方を出力電極とし、他方を入力電極とする複数
の電極と、 前記Si単結晶体の、{110}面の結晶面と接合され、圧
縮力をその結晶面に垂直に伝達する台座と、 前記Si単結晶体の、台座が接合された面と対向する面と
接合されるステムと、 を含み、前記ステムは、 前記Si単結晶体の台座が接合された面と対向する面と接
合され、そのSi単結晶体を支持するための支持基台と、 前記出力電極から出力される電気信号を外部に取出すた
めの複数の出力電極端子と、 前記入力電極へ外部から電流を通電するための複数の入
力電極端子と、 これら入力電極端子、出力電極端子および支持基台を一
体的に保持する保持手段と、 を含み、 前記入力電極端子からSi単結晶体に電流を流しながらSi
単結晶体の結晶面に垂直に圧縮力を作用させ、出力電極
端子から圧縮力に対応した電圧を出力することを特徴と
する。
着目点 次に、前記各問題点を解決し、本発明に至るまでの着目
点について説明する。
第1の着目点 従来は、温度の変化に伴ない増減する半導体歪ゲージの
抵抗値がもたらす特性への悪影響を低減するために、複
数の半導体歪ゲージを用いて、ホイートストンブリッジ
回路を形成していた。
本発明の第1の着目点は、この様な複数の半導体歪ゲー
ジを用いて形成されたホイートストンブリッジ回路に代
え、一つのSi単結晶体で複数の歪ゲージを構成しようと
することにある。このため、本発明においては、一つの
Si単結晶体に一対の出力電極と入力電極とを交差して設
け、望ましくは直交する方向に相対して設けるよう構成
している。
以上の構成とすることにより、本発明によれば、後述す
る理由から、温度の変動がもたらす特性への悪影響を低
減し、前述した第1の問題点を解決することができる。
第2の着目点 しかし、前述したように、一対の出力電極と入力電極と
を直交して設けたSi単結晶体を用いたとしても、従来の
ようにこのSi単結晶体を起歪体の側面へ接着剤を用いて
貼付けていたのでは、前述した第2の問題点を解決する
ことができない。
本発明の第2の着目点は、前記Si単結晶体の結晶面に対
し垂直に圧縮力を作用させ、この圧縮力に基づくSi単結
晶体のピエゾ抵抗効果を利用して圧縮力を検知するとい
う、新規な力検知方式を採用したことにある。
すなわち、従来の力変換装置は、起歪体の側面に複数の
歪ゲージを接着剤を用いて貼付け、圧縮力を起歪体の圧
縮歪として検知していた。従って、起歪体の圧縮歪が接
着剤を介して、各歪ゲージに伝達されることになり、接
着剤に起因するクリープ、ヒステリヒス等の悪影響を受
けやすく、信頼性が低いという問題があった。
これに対し、本発明では、Si単結晶体の結晶面の一方を
台座と接合し、他の結晶面を支持基台に接合し、Si単結
晶体の結晶面に対し垂直に圧縮力を作用させるという、
従来には全くない新規な構成を採用している。
従って、仮にSi単結晶体と台座および支持基台との接合
に接着剤を用いたとしても、接着剤に起因するクリー
プ、ヒステリヒス等の悪影響が著しく小さくなり、測定
データの信頼性が極めて高いものとなる。なお、この様
な接着剤の影響を確実に除去するためには、Si単結晶体
と支持基台および台座との接合を、接着剤を用いること
なく、例えば特公昭53−28747号公報に開示された静電
接合方法等を用いて行うことが好ましい。
第3の着目点 ところで、この様なSi単結晶体を用いて圧縮力の測定を
行うとする場合には、加えられる圧縮力に対応した測定
電圧を、Si単結晶体から出力することが必要とされる。
本発明者らは、この様な観点にたって、Si単結晶体のピ
エゾ抵抗係数π63′が大きな値となるようSi単結晶体の
結晶面についての検討を行った。
この検討の結果、圧力が加えられる面として(110)面
の結晶面を有するよう、Si単結晶体を形成する必要があ
ることを見い出した。
第4の着目点 また、従来の力変換装置では、第2図に示すように、半
導体歪ゲージ16から出力電圧を取出すために、歪ゲージ
16の電極18とターミナル20との間にリード線22を接続
し、しかもターミナル20から引出線24を引出し、4個の
歪ゲージ16がホイートストンブリッジ回路を構成するよ
う引出線24を引回して結線していた。従って、一定の品
質の力変換装置を製造するためには、作業者の高いノウ
ハウが必要となり、しかも引出線24の引回し方によって
は、周囲のノイズが混入し易く電気計測上問題があっ
た。
本発明の第4の着目点は、配線の長さを短くして、電気
的結線を簡単にできるようにしたことにある。
このため、本発明の力変換装置は、Si単結晶体上に設け
られた出力電極、入力電極とがそれぞれ接続される出力
電極端子、入力電極端子と、Si単結晶体を接合支持する
支持基台と、を保持手段を用いて一体的に保持するよう
形成している。
この様にすることにより、支持基台上にSi単結晶体を接
合した後、入力電極、出力電極をそれぞれ支持基台と一
体的に保持された入力電極端子、出力電極端子に結線す
るだけでよい。従って、従来のように引出線を引き回し
て結線しなければならないという問題を解決することが
でき、配線が簡単で、雑音に強く、しかも低コストの力
変換装置を得ることができる。
[作用] 第3図には、本発明に係る力変換装置が示されており、
同図(A)はその平面説明図、同図(B)はその側面説
明図である。
この力変換装置は、圧縮力Wが加えられる面として(11
0)の結晶面を有するよう形成されたSi単結晶体30と、
このSi単結晶体30の(110)面の結晶面32と接合され、
圧縮力Wをその結晶面32に垂直に伝達する台座40と、こ
のSi単結晶体30の他の結晶面34と接合されるステム60を
含む。そして、前記Si単結晶体30の表面には、結晶の
[001]方向より45度の方向に対向して設けられた第1
の電極50,50′と、[10]方向より45度の方向に対
向して設けられた第2の電極52,52′とからなる複数の
電極が設けられており、これら第1および第2の電極の
いずれが一方50,50′を出力電極、他方52,52′を入力電
極として用いている。
(a) また、本発明において、前記ステム60は、Si単
結晶体30の他の結晶面32と接合され、Si単結晶体30の支
持するための支持基台62と、前記入力電極52,52′へ外
部から電流を通電するための複数の入力電極端子66,6
6′と、出力電極52,52′から出力される電気信号を外部
に取出すための複数の出力電極端子64,64′と、これら
電極端子64,64′、66,66′および支持基台62を一体的に
保持する保持手段と、を含む。
第3図において、ステム60は、これら各電極端子64,6
4′、66,66′を支持基台60の周囲にほぼ対象となるよう
輪状配置している。そして、このステム60は、保持手段
として外環70、封着ガラス68を用い、上端を開口した略
円筒形状した外環70内に、支持基台62、各電極端子64,6
4′、66,66′を封着ガラス68を用いて一体的に取付け固
定することにより形成されている。
ここにおいて、前記電極端子64,64′、66,66′は、その
一端側がSi単結晶体30の結晶面32とほぼ面一となるよう
取付けられており、このSi単結晶体30上に設けられた各
電極50,50′、52,52′とリード線54を介して接続されて
いる。
また、これら各電極端子64,64′、66,66′の他端側は、
外環70の底面に設けられた挿通孔72を介して外部に引出
されている。そして、その端部にはコネクタが接続され
ており、このコネクタを介して外部の計測機器と電気的
に接続されている。
この様に、本発明に係る力変換装置は、支持基台62と、
各電極端子64,64′、66,66′とを一体的にステム60とし
て形成し、このステムの支持基台62上にSi単結晶体30を
接合した後、各電極50,50′、52,52′をステム60の対応
する各電極端子64,64′、66,66′にリード線54を介して
接続するのみで電気的配線を行うことができる。
従って、従来のように、半導体歪ゲージの配線を引回し
電気的な結線を行うというようなことがなくなるため、
格別なノウハウなどを必要とすることなく、その電気的
結線を簡単かつ確実に行うことができる。さらに、本発
明では、電気的配線も極めて短くなるため、従来のよう
に引回されてた配線に外部からのノイズが混入すること
がなく、極めて信頼性の高い力変換装置を得ることがで
きる。
なお、第3図においては、保持手段として外環および封
着ガラスを用いたが、保持手段は、電極端子64,64′、6
6,66′および支持基台62を一体的に保持することができ
れば他の手段を採用することもでき、例えばセラミック
スパッケージを用いてもよい。
(b) 次に、本発明の力変換装置を用いて、台座40に
加わる圧縮力Wを測定する場合を説明する。
まず、台座40に圧縮力Wを垂直に与えると、この圧縮力
Wは、台座40により均等に分散され、Si単結晶体30の結
晶面32に垂直に圧縮応力 σ=W/A として作用する。ここにおいて、Aは台座40のSi単結晶
体30に対する接合面の面積を表わす。
このとき入力電極52,52′からSi単結晶体30に電流Iを
流しておくと、圧縮応力σが作用したSi単結晶体30
は、その出力電極50,50′から次式で表わす電圧ΔVを
出力する ΔV=b・ρ・J2・π63′・σ・k …(1) ここにおいて、ρはSi単結晶体30の比抵抗、J2は電流密
度、π63′はピエゾ抵抗係数、kはSi単結晶体の電極形
状により定まる定数である。
本発明の特徴の一つは、出力電極50,50′から圧縮力に
対応した電圧ΔVを出力するため、ピエゾ抵抗係数
π63′が十分大きな値となるようにSi単結晶体30を形成
したことにある。
すなわち、本発明者等は、代表的な次の4つの結晶面
(100)、(110)、(111)、(211)を有するSi単結晶
体30について、電極を設ける方向を代えて、Si単結晶体
30から、電圧ΔVを得るために不可欠なピエゾ抵抗係数
π63′についての計算を行った。この結果、(100)、
(111)、(211)の場合、いずれの方向に電極を設けて
もピエゾ抵抗係数π63′は零となった。これに対し、
(110)の場合には、電極を[001]方向より45゜の方
向、または[10]より45゜の方向に設けることで、
絶対値が相等しく最大のピエゾ抵抗係数π63′が存在す
ることが判明した。
第4図は、比抵抗7.8Ωcmのp型(110)面Si単結晶体の
ピエゾ抵抗係数π63′の計算結果を示したものである。
同図から、出力電極を[001]方向より45゜の方向、入
力電極を[10]方向より45゜の方向に設けることに
より、最大のピエゾ抵抗係数π63′を得ることができる
ことがわかる。
なお、出力電極50,50′を[10]より45゜の方向
に、入力電極52,52′を[001]方向より45゜の方向に設
けた場合でも、ピエゾ抵抗係数π63 を同様に利用で
き、本発明の目的とする半導体圧力変換器が実現できる
ことには変りない。
また、前記[001],[10]となる結晶方向は(11
0)面のSi単結晶体30における代表的な結晶方向を示し
たもので、これらの結晶方向と等価な結晶方向において
は全く同様に考えることができる。
第1表には、Si単結晶体30の(110)面の結晶面と等価
な結晶面と、[001],[10]からなる結晶方向と
等価な結晶方向が示されている。この表から明らかなよ
うに、Si単結晶体には(110)面と等価な結晶面が複数
存在する。したがって、(110)面と等価な結晶面をも
つSi単結晶体を用いても、本発明の力変換素子1000を形
成することができる。
なお、(110)の結晶面と等価な結晶面は{110}で表わ
され、また[001],[10]と等価な結晶方向は、
<001>,<110>で一般的に表わされる。
なお、第5図ではp型Si単結晶体30のピエゾ抵抗係数π
63′を示したが、もちろんn型(110)面Si単結晶体に
あっても、そのピエゾ抵抗係数π63′は、p型の場合と
同等の大きさを有して同様に存在する。
この様にして、本発明の圧力変換器は、台座40に加えら
れた圧縮力Wを、台座40を介してSi単結晶体30の(11
0)の結晶面32に垂直に印加するという、従来にはない
新規な構成を採用することにより、Si単結晶体30の出力
電極50,50′から圧縮力Wに対応した電圧ΔVを正確に
出力することができる。
特に本発明の力変換器は、その出力電極端子64,64′お
よび入力電極端子66,66′を支持基台62と一体的にステ
ム60として形成しているため、支持基台62に接合された
Si単結晶体30の各電極50,50′、52,52′と前記各電極端
子64,64′、66,66′を、たとえば10mm程度の短いリード
線54を介して接続するのみで電気的結線が完了し、電気
的な配線が極めて簡単なものとなる。
このため、従来装置に比べ、雑音信号の影響が少なく、
信頼性の高い測定電圧ΔVを簡単に外部の計測機器へ取
出すことができる。
(c) また、本発明において、Si単結晶体30は、その
結晶面32が矩形(正方形を含む)となるよう切出され、
その厚み、不純物濃度が均一となるように形成されてい
る。また、前記出力電極50,50′は、Si単結晶体30上に
距離bを隔てて取付けられており、また入力電極52,5
2′は同様にSi単結晶体30上に所定間隔おいて取付けら
れている。
この様に各電極50,50′、52,52′を設けることにより、
50と52、52と50′、50′と52′、52′と50との間の各抵
抗値を等しくでき、また、Si単結晶体30の厚みおよび不
純物濃度が均一であることから、温度の変化に対する前
記各抵抗値もほぼ等しくできる。
従って、入力電極52,52からSi単結晶体30に電流を流
し、出力電極50,50′から電圧出力を取出すようにした
場合のオフセット電圧は、温度の変化に左右されること
なく、ほぼ零として維持されることとなり、単一のSi単
結晶体30が、前述した従来の複数の半導体歪ゲージを用
いて形成されたホイートストンブリッジ回路に置き代わ
り、前述した問題点の一つを解決することができる。
(d) また、本発明において、台座40を介して圧縮力
WをSi単結晶体30に印加するようにしたのは、Si単結晶
体30に圧縮力Wが集中して加わることがないようにする
ためである。
すなわち、Si単結晶体30は周知のように機械的にも優れ
た強度と弾性領域とを備えた材料であるが、Si単結晶体
に一点に集中して圧縮力Wが作用した場合、いかに機械
的に優れた強度を備えているといえども簡単に破壊して
しまう。
従って、支持基台62に接合固定されたSi単結晶体30を用
いて圧縮力Wを測定する場合には、結晶面32との接触面
積が小さく、結晶面32の一部に集中して垂直に圧力が加
わるような構造は避けなければならない。
このため、本発明においては、Si単結晶体30の結晶面32
に圧縮力Wが集中して加わることがないよう、圧縮力の
伝達材料として台座40を設け、圧縮力Wを常に分散して
Si単結晶体30の結晶面32へ伝達するよう形成している。
なお、結晶面32と台座40の接合面との接合領域(接合面
の面積)の外接円の半径をd/2とした場合、台座40の高
さCは、前記半径d/2以上となるよう形成することが好
ましい。この様に、台座40の高さCを設定することによ
り、シリコン単結晶体30に伝達される圧縮応力σは、
Si単結晶体30の破壊応力に対して十分小さなものとして
均等に分散されることとなる。
ただし、台座40の高さCに対しての上限は、圧縮力Wに
対し座屈を生じないこと、また圧縮力Wを分散してSi単
結晶体30に伝達し、測定電圧ΔVを得る場合の効率を低
減させない範囲に制約されることはいうまでもない。
また、本発明において、支持基台62は、ピエゾ抵抗係数
π63′の有効な利用を妨げる応力等(圧縮応力σ以外
の応力)を感知しないよう、圧縮力σの生じるZ軸方
向に十分な剛性を備えるよう配慮することが好ましい。
この様に形成することにより、Si単結晶体30の結晶面32
に垂直に圧縮力Wが作用した場合に、Si単結晶体30には
単純な圧縮応力σの歪が生じ、そのピエゾ抵抗係数π
63′を有効に利用することができる。
また、本発明において、前記台座40および支持基台62
は、接着剤による特性への悪影響を回避するために、Si
単結晶体30の結晶面32,34に接着剤を用いずに接合する
ことが好ましく、たとえば特公昭53−28747号公報に開
示された静電接合方法または特公昭39−17869号公報に
開示された生成酸化シリコンを応用した直接接合法等を
用いて行えばよい。また、これら台座40および支持基台
62は、Si単結晶体と熱膨張係数が近接し、Si単結晶体30
と電気的に絶縁され、しかもその機械的強度がSi単結晶
体30と同等以上の材料を用いて形成することが好まし
く、たとえば、Si単結晶体30と熱的に絶縁され、熱膨張
係数が近接した材料、たとえば結晶化ガラス、硼珪酸ガ
ラス、コージライト磁器等の絶縁材料を用いればよい。
[発明の効果] 以上説明したように、本発明は、圧縮力を、伝達材料で
ある台座を介してSi単結晶体の(110)面の結晶面に垂
直に加えるという新規な構成を採用している。
従って、本発明によれば、従来の力変換装置のように、
接着剤のもたらす特性の悪影響および起歪体のもたらす
特性への悪影響がなく、加えられる圧縮力に対するSi単
結晶体のピエゾ抵抗効果を有効に利用し、圧力を正確に
測定することができるという効果がある。
また、本発明によれば、一つのSi単結晶体がホイートス
トンブリッジ回路の機能を備えているので、従来の圧力
変換器に備えられていた複数の半導体歪ゲージを、一つ
のSi単結晶体に置換えることができ、構造が簡単でしか
も安価な半導体圧力変換器を得ることができるという効
果がある。
さらに、本発明によれば、Si単結晶体を支持固定する支
持基台と、Si単結晶体の入出力電極にそれぞれ接続され
る入出力電極端子とを保持手段を用いて一体的に保持固
定したステムを形成することにより、Si単結晶体の電気
的な配線をリード線などを引回すことなく、短いリード
線を用いて簡単に行うことができる。この結果、製造が
簡単でかつ雑音による影響が少ない信頼性の高い安価な
力変換装置を得ることができるという効果がある。
さらに、Si単結晶体を用いて形成された力変換装置は、
Si単結晶体がp−n接合領域を有していないことから、
高温の領域に至るまで十分な性能を発揮できるという効
果もある。
[実施例] 次に本発明の好適な実施例を図面に基づき説明する。
第1図には、本発明に係る力変換装置の好適な第1実施
例が示されており、同図(A)はその平面説明図、同図
(B)はその側断面説明図である。
本実施例の力変換装置は、圧力が加えられる面として
(110)面の結晶面を有するよう形成されたSi単結晶体3
0と、このSi単結晶体30の(110)の結晶面32と静電接合
された台座40と、そのSi単結晶体30の他の結晶面34と静
電接合されたステム60とから構成されている。
前記Si単結晶体30は、比抵抗1Ωcm、大きさ1.7mm2で、
厚さ0.15mmのp型Si単結晶体として形成されている。そ
して、このSi単結晶体30の一方の結晶面32上には、第1
図(A)に示すように結晶[001]方向より45度の方向
に、幅0.1mmの一対の出力電極50,50′が相対向するよう
アルミニウムを蒸着して形成されており、さらに結晶の
[10]方向より45度の方向に、幅0.9mmの一対の入
力電極52,52′が相対向するようアルミニウムを蒸着し
て形成されている。
また、実施例において台座40は、大きさが1mm2で高さ1.
1mmの結晶化ガラスを用いて形成されている。
また、本実施例において、前記ステム60は、Si単結晶体
30の結晶面34と静電接合され、このSi単結晶体30を支持
する支持基台62、この支持基台62の周囲にほぼ輪状に配
置された一対の出力電極端子64,64′、入力電極端子66,
66′を有し、これら各電極端子64,64′、66,66′と支持
基台62とが上端を開口したほぼ円筒形状をした外環70内
に、封着ガラス68を用いて一体的に取付け固定されるこ
とにより形成されている。
ここにおいて、前記支持基台62は、Si単結晶体30と熱膨
張係数の近接した結晶化ガラスからなり、大きさが1.7m
m2、高さが3mmに形成されている。
また、前記外環70は、Fe−Ni−Co合金を用い、一端側が
開口されたほぼ円筒形状に形成されており、その底面に
複数の電極端子挿通孔72が開口形成されている。
また、前記電極端子64,64′、66,66′は、直径0.5mmの
細長い棒形状に形成され、その一端側aがSi単結晶体30
の結晶面32とほぼ面一となるよう取付け固定されてい
る。そして、出力電極端子66,66′は、その一端側aに
金属メッキ層が設けられ、この金属メッキ層には、直径
0.05mmの金のリード線54を用いて入力電極52,52′にそ
れぞれ接続されている。さらに、前記各出力電極端子6
4,64′は、同様にその一端側a側に金メッキ層が設けら
れ、直径0.05mmの金のリード線54を用いて出力電極50,5
0′とそれぞれ接続されている。
また、これら各電極端子64,64′、66,66′は、一端側が
外環70の挿通孔72を介してステム60の外部に引出され、
図示しない計測装置へ接続されている。
また、本実施例の力変換装置は、その取付けを容易なも
のとするために、外環70の上端外周部につば部76が設け
られ、つば部76をケース80に対し溶接部78を介して取付
けるよう形成されている。この様にすることにより、本
実施例の力変換装置は、ステム60のつば部76をケース80
の所定位置に溶接するだけで、簡単に取り付けることが
できる。
第8図には、本実施例の力変換装置の製造工程の一例が
示されている。
本実施例の力変換装置を製造するにあっては、まず第8
図(a)に示すように、支持基台62、および電極端子6
4,64′、66,66′が封着ガラス68を用いて外環70に一体
的に取付け固定されたステム60を用意する。そして、こ
のステム60の支持基台62に、複数の電極50,50′、52,5
2′が設けられたSi単結晶体30の結晶面34を静電接合す
る。
次に、第8図(b)に示すように、Si単結晶体30に設け
られた複数の電極50,50′、52,52′と、前記ステム60に
一体的に取付け固定された各入出力電極端子64,64′、6
6,66′とをリード線54を介して接続する。
そして、第8図(c)に示すように、Si単結晶体30の結
晶面32に台座40を静電接合する。
この様にして、本発明の力変換装置を製造することがで
きる。
なお、この様な力変換装置の製造工程は必ずしも一連の
ものではなく、必要に応じ製造可能な範囲で各工程を入
替えてもよい。
また、封着ガラス68が非常に低融点の材料であれば、ま
ず第9図(a)に示すようにSi単結晶体30の結晶面34に
支持基台62を静電接合し、次に第9図(b)に示すよう
にSi単結晶体30の結晶面32に台座40を静電接合し、最後
に第9図(c)に示すよう、支持基台62と電極端子64,6
4′、66,66′とを封着ガラス68を用いて外環70と一体的
に形成しステム60を作成し、各電極端子64,64′、66,6
6′と電極50,50′、52,52′とをリード線54を用いて接
続してもよい。
第7図には、前記第8図に示す工程に従って、製造され
た本実施例の力変換装置の特性図が示されている。
本実施例においては、Si単結晶体30の入力電極52,52′
に直流電圧3Vを印加した状態で、台座40に垂直に圧縮力
Wを15kgまで作用させ、このとき得られる出力電圧ΔV
を測定した。
この測定試験によれば、第7図に示すように、直線的で
圧縮力Wに比例し、しかも実用上十分な大きさを持った
測定電圧ΔVを得ることができた。この様に、本発明に
よれば、圧縮力Wに比例した測定電圧ΔVを正確に出力
することができ、信頼性の高い力変換装置を得ることが
できる。
なお、本発明は前記実施例に限定されるものではなく、
本発明の範囲内で各種の変形実施が可能である。
例えば、第1図に示す実施例では、上端が開口された円
筒形状の外環70を用い、この外環70内に封着ガラス68を
充填し電極端子64,64′、66,66′と支持基台62と一体的
に支持する場合を例にとり説明した。しかし、本発明は
これに限らず、例えば第10図に示すように、平板状の外
環70上に、支持基台62が封着固定されたステム60を用い
て本発明の力変換装置を構成してもよい。
また、第1図に示す力変換装置では、圧縮力Wが加えら
れる台座40の着力点側を平面形状に形成したが、台座40
の着力点側の面の全面または一部に、凸の曲面または凹
の曲面を設けて、加圧板の加圧面より加わる圧縮力Wが
台座40のほぼ中央に作用するように形成してもよい。
例えば、第5図に示すように、台座40の着力点側の面42
を凸の曲面形状に形成してもよく、また第6図に示すよ
うに、台座40の着力点側の面42に球形状をした力伝達部
44を設け、加圧板46から圧縮力Wを台座40に印加しても
よい。
また、前記実施例においては、結晶面が(110)面のSi
単結晶体を用い力変換素子を形成した場合を例にとり説
明したが、本発明はこれに限らずこれ以外に前記第1表
に示すように(110)面と等価な{110}結晶面をもつSi
単結晶体を用いて力変換素子を形成してもよい。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明にかかる力変換装置の好適な一例を示す
説明図であり、同図(A)はその平面説明図、同図
(B)はその側面説明図、 第2図は従来の力変換装置の斜視図、 第3図は本発明の力変換装置の基本的構造の説明図、 第4図は比抵抗7.8Ωcmのp型(110)面Si単結晶体のピ
エゾ抵抗係数π63′の特性図、 第5図および第6図は他の実施例を示す説明図、 第7図は第1図に示す力変換装置の特性図、 第8図は第1図の力変換装置の製造工程を示す説明図、 第9図は第1図の力変換装置の他の製造工程を示す説明
図、 第10図は本発明の他の実施例の説明図である。 30……Si単結晶体 32,34……結晶面 40……台座 50,50′……出力電極 52,52′……入力電極 60……ステム 62……支持基台 64,64′……出力電極端子 66,66′……入力電極 68……封着ガラス 70……外環

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】圧縮力が加えられる面として{110}面の
    結晶面を有するように形成されたSi単結晶体と、 前記Si単結晶体上に、その{110}面上における結晶の
    <001>方向より45度の方向に対向して設けた第1の電
    極と、<110>方向より45度の方向に対向して設けた第
    2の電極と、を含み、これら第1および第2の電極のい
    ずれか一方を出力電極とし、他方を入力電極とする複数
    の電極と、 前記Si単結晶体の、{110}面の結晶面と接合され、圧
    縮力をその結晶面に垂直に伝達する台座と、 前記Si単結晶体の、台座が接合された面と対向する面と
    接合されるステムと、 を含み、前記ステムは、 前記Si単結晶体の台座が接合された面と対向する面と接
    合され、そのSi単結晶体を支持するための支持基台と、 前記出力電極から出力される電気信号を外部に取出すた
    めの複数の出力電極端子と、 前記入力電極へ外部から電流を通電するための複数の入
    力電極端子と、 これら入力電極端子、出力電極端子および支持基台を一
    体的に保持する保持手段と、 を含み、 前記入力電極端子からSi単結晶体に電流を流しながらSi
    単結晶体の結晶面に垂直に圧縮力を作用させ、出力電極
    端子から圧縮力に対応した電圧を出力することを特徴と
    する力変換素子。
  2. 【請求項2】特許請求の範囲(1)記載の装置におい
    て、 前記ステムは、入力電極端子、出力電極端子および支持
    基台が封着ガラスを用いて外環に一体的に取付け固定さ
    れたことを特徴とする力変換装置。
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