JPH07140251A - オフガス中放射性ヨウ素の連続測定方法 - Google Patents

オフガス中放射性ヨウ素の連続測定方法

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JPH07140251A
JPH07140251A JP30868793A JP30868793A JPH07140251A JP H07140251 A JPH07140251 A JP H07140251A JP 30868793 A JP30868793 A JP 30868793A JP 30868793 A JP30868793 A JP 30868793A JP H07140251 A JPH07140251 A JP H07140251A
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浩一 児玉
Nobuhiko Ishimatsu
信彦 石松
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Doryokuro Kakunenryo Kaihatsu Jigyodan
Power Reactor and Nuclear Fuel Development Corp
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Doryokuro Kakunenryo Kaihatsu Jigyodan
Power Reactor and Nuclear Fuel Development Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 放射性希ガスの放射線による妨害を排除し、
オフガス中に放射性希ガスが混在する場合でも吸着材へ
のオフガスの通気を停止することなく、また連続測定系
統を複数設置する必要もなく、オフガス中の放射性ヨウ
素の放射能を自動的に迅速に且つ精度良く連続測定でき
るようにする。 【構成】 核燃料関連施設オフガスの一部を吸着材16
に連続的に通気させ、吸着した放射性ヨウ素のエネルギ
ーを、混在する放射性希ガスのエネルギーと同時に半導
体放射線検出器18で測定し、多重波高分析器32によ
り放射性ヨウ素のKαX線又はγ線のエネルギーを弁別
し、パーソナルコンピュータ34で平滑化処理を施して
放射性希ガスの妨害を除去することにより放射性ヨウ素
の量を連続測定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、核燃料関連施設オフガ
ス中の放射性ヨウ素を連続測定する方法に関し、更に詳
しく述べると、オフガス中に同時に混在する放射性希ガ
スによる妨害を除去して放射性ヨウ素の量のみを連続測
定する方法に関するものである。この方法は、核燃料再
処理施設、原子炉施設、放射性廃棄物施設、放射性ヨウ
素使用施設からのオフガス中の放射性ヨウ素の量の測
定、監視に利用できる。
【0002】
【従来の技術】核燃料関連施設から生じる気体廃棄物中
には様々な放射性核種が含まれる可能性があり、そのう
ち環境への放出が問題になるものの一つとして放射性ヨ
ウ素がある。従来、放射性ヨウ素の測定及び監視は、オ
フガスの一部を活性炭などの吸着材に連続的に導いて放
射性ヨウ素を吸着させ、吸着した放射性ヨウ素の放射線
をNaIシンチレーション検出器で連続測定すると共
に、任意期間吸着させた吸着材を回収して半導体検出器
等で精密測定することにより監視している。
【0003】ここで連続測定の方法は、NaIシンチレ
ーション検出器のエネルギー信号のうち、放射性ヨウ素
の放射線のエネルギー範囲を選別して、放射性ヨウ素の
みを測定するという方法である。NaIシンチレーショ
ン検出器によって核燃料再処理施設のオフガス中の放射
性ヨウ素のエネルギー(例えばヨウ素-129)を測定する
と、図2のような結果が得られる。連続モニタでは、こ
の分布状況に合わせて放射性ヨウ素のエネルギー分布の
範囲を決定し、その中に入った放射線を放射性ヨウ素と
して測定する。
【0004】しかし選別したエネルギー範囲には、核燃
料再処理施設の運転中(使用済燃料の剪断・溶解等)に
生じるオフガス中に多量に混在する放射性希ガス(主に
クリプトン-85 )の広範囲にわたる放射線のエネルギー
(図2の斜線部分)も含まれるため、放射性希ガスも同
時に測定されてしまい、放射性ヨウ素のみの測定ができ
ない。そこで放射性ヨウ素の分布の上下両方又は上下ど
ちらか一方に放射性希ガスのみを測定する範囲を設定
し、放射性ヨウ素の範囲の放射性希ガスの影響を除去す
る方法(比較測定法)が採用されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、核燃料再処
理施設からのオフガスでは、放射性希ガスの量が放射性
ヨウ素に比べて非常に多いため、放射性ヨウ素と放射性
希ガスが同時に測定された測定値と、放射性希ガスのみ
の測定値の比較測定を実施しても、放射性ヨウ素の量を
正確には求められない。また比較測定法では測定時間が
約1時間以上必要となるため、連続測定が不可能であ
る。
【0006】そこで、これまで、オフガス中に放射性希
ガスが混在している間の放射性ヨウ素の測定は、一時的
に吸着材へのオフガスの通気を停止し、放射性希ガスを
追い出した後に測定する方法や、連続測定系統を2系統
設置し、前記の方法を交互に繰り返す等の煩雑な方法が
試みられている。しかし、これらの方法では、測定でき
る頻度が少ないばかりでなく、測定の評価法も複雑であ
り、放射性ヨウ素の放射能を連続的に監視しているとは
言えない。また連続測定系統を2系統設置すると、装置
が大型化し、保守も煩雑となる。
【0007】本発明の目的は、放射性希ガスの放射線に
よる妨害を排除し、オフガス中に放射性希ガスが混在す
る場合でも吸着材へのオフガスの通気を停止することな
く、また連続測定系統を複数設置する必要もなく、オフ
ガス中の放射性ヨウ素の放射能を自動的に迅速に且つ精
度良く連続測定できる方法を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、核燃料関連施
設オフガスの一部を吸着材に連続的に通気させ、該吸着
材に吸着した放射性ヨウ素のエネルギーを、混在する放
射性希ガスのエネルギーと同時に半導体放射線検出器で
測定し、多重波高分析器により放射性ヨウ素のKαX線
又はγ線のエネルギーを弁別し、平滑化処理を施して放
射性希ガスの妨害を除去することにより放射性ヨウ素の
量を連続測定する方法である。半導体放射線検出器とし
ては、Ge、CdTe、HgI2 、GaAs等が使用で
きる。
【0009】
【作用】半導体放射線検出器は、エネルギー分解能が非
常に優れており、化学分析を必要とせずに多核種の同時
定量ができるため、通常は環境試料中の放射能の定性定
量分析用として使用されている。この半導体放射線検出
器は、特に微弱な放射能の定量、又は未知の放射能の定
性等に効果があるため、これまで核燃料施設のオフガス
中の放射性ヨウ素のような、核種が明確で、しかも放射
能が強い核種の連続モニタに使用された例はない。
【0010】しかし、半導体放射線検出器によって核燃
料再処理施設のオフガス中の放射性ヨウ素のエネルギー
を測定すると、エネルギー分解能が極めて良好であると
いう特性のために、得られる放射線の分布が狭くなる。
そこで、放射性ヨウ素について最も放出率の高い放射線
を選んで、放射性ヨウ素のエネルギーと放射性希ガスの
エネルギーを同時に測定し、十分な平滑化処理を加える
スペクトル解析を行うと、短時間(5分間程度)の測定
で放射性希ガスの妨害を除去した結果が得られる。従っ
て、サンプリングを停止することなく、連続した測定・
監視が可能となる。
【0011】
【実施例】図1は、本発明方法を適用したオフガス中放
射性ヨウ素の連続測定装置の一実施例を示す概略説明図
である。この装置は、核燃料関連施設からのオフガス配
管10に対して、入口管12と出口管14とによって並
列的に設置される。オフガスの一部が該入口管12から
入り、ヨウ素吸着材16を通って出口管14から出て、
オフガス配管10で合流する構成である。ヨウ素吸着材
16は活性炭等からなり、それに対向するようにGe等
の半導体放射線検出器18を設置する。半導体放射線検
出器18としては、Ge以外にもCdTe、HgI2
GaAs等が使用可能である。該半導体放射線検出器1
8の上部には、それを冷却するための冷却機20を設け
る。ヨウ素吸着材16と半導体放射線検出器18の外側
はケーシング22で覆う。半導体放射線検出器18から
の電気的出力は、増幅器30で増幅し、多重波高分析器
32及びパーソナルコンピュータ34でデータの処理を
行う。
【0012】オフガス配管10を通る核燃料関連施設か
らのオフガスの一部が、入口管12から導入され、ヨウ
素吸着材16に連続的に通気することで、放射性ヨウ素
をヨウ素吸着材16に吸着させ、半導体放射線検出器1
8でヨウ素吸着材16の放射性ヨウ素の放射線のエネル
ギーを測定する。この時、オフガス中に存在する放射性
希ガスのエネルギーも同時に測定される。半導体放射線
検出器18で測定された信号は、信号ライン28を通じ
て増幅器30に送られて増幅される。増幅した信号は、
多重波高分析器32により放射性ヨウ素のKαX線又は
γ線(いずれか放出率の高い方)のエネルギーを弁別
し、パーソナルコンピュータ34で平滑化処理を施す。
これによって放射性希ガスの妨害が除去され、放射性ヨ
ウ素のみのデータが取り出される。取り出した信号を放
射能に換算し、表示部に放射能の変化をグラフとして表
示するとともに、放射能をプリンタに出力する。
【0013】半導体放射線検出器(Ge)を使用して放
射性ヨウ素(ヨウ素-129)を測定した場合には、図3に
示すような結果が得られる。NaIシンチレーション検
出器による測定結果の図2と比較すると、半導体放射線
検出器は格段にエネルギー分解能が良いことが分かる。
このため放射性希ガスの影響が少なく(放射線の分布が
狭い)、また放出率の高い放射線を選択することで、測
定時間を短縮できることになる。
【0014】本発明における平滑化処理の一例を図4に
より説明する。ここでは多重波高分析器によってエネル
ギー弁別した各チャンネルのエネルギーについて、近接
するエネルギーを用いて荷重平均する方法を採用してい
る。基礎的試験によれば、前後それぞれ5チャンネルに
ついてガウス関数の係数で重み付けし、それを2回繰り
返す処理が最適であった。つまり図4において、C0
ャンネルの場合は、前5チャンネル(C-5〜C-1)と後
5チャンネル(C1 〜C5 )を用いて荷重平均するので
ある。なお実際には、半導体放射線検出器の種類等によ
り、荷重平均の荷重度や回数などは適宜最適となるよう
に設定する。
【0015】ところで、放射性ヨウ素のうちヨウ素-129
については上記のようにKαX線が最も放出率が高い
が、ヨウ素-131についてはγ線が最も放出率が高い。よ
って測定する核種に応じて放出率の高い放射線を選ぶの
が好ましい。
【0016】
【発明の効果】本発明は上記のように、半導体放射線検
出器を使用して放射性ヨウ素のエネルギーを、混在する
放射性希ガスのエネルギーと同時に測定し、十分な平滑
化処理を加えてスペクトル解析する方法であるので、オ
フガス中の放射性ヨウ素を、混在する放射性希ガスの妨
害を排除して測定できる。従って本発明方法では、サン
プリングを停止することが無く、また短時間で(5分間
程度)且つ一つのサンプリング系列で連続測定が可能で
ある。更に評価を自動化できるため、監視労力を省力化
できる。
【0017】この連続監視方法により、オフガス中の放
射性ヨウ素の量の監視の精度・確実性が向上し、施設の
安全性が向上する。そして施設の安全性の向上により、
公衆の被曝の可能性をより一層低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による放射性ヨウ素の連続測定装置の一
実施例を示す概略構成図。
【図2】NaI放射線検出器で測定した放射性ヨウ素の
エネルギーの説明図。
【図3】半導体放射線検出器で測定した放射性ヨウ素の
エネルギーの説明図。
【図4】本発明における平滑化処理の説明図。
【符号の説明】
10 オフガス配管 12 入口管 14 出口管 16 ヨウ素吸着材 18 半導体放射線検出器 20 冷却機

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 核燃料関連施設からのオフガスの一部を
    吸着材に連続的に通気させ、該吸着材に吸着した放射性
    ヨウ素のエネルギーを、混在する放射性希ガスのエネル
    ギーと同時に半導体放射線検出器で測定し、多重波高分
    析器により放射性ヨウ素のKαX線又はγ線のエネルギ
    ーを弁別し、平滑化処理を施して放射性希ガスの妨害を
    除去することにより放射性ヨウ素の量を測定するオフガ
    ス中放射性ヨウ素の連続測定方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB2314619B (en) * 1996-06-29 2000-10-18 Martin John Oliver Radioactive iodine monitor
JP2013190328A (ja) * 2012-03-14 2013-09-26 Nagoya Univ 捕集ユニット、放射性ガスモニタ用検出器、および、放射性ガスモニタ

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GB2314619B (en) * 1996-06-29 2000-10-18 Martin John Oliver Radioactive iodine monitor
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