JPH0714010Y2 - 能動型サスペンション - Google Patents

能動型サスペンション

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JPH0714010Y2
JPH0714010Y2 JP5396988U JP5396988U JPH0714010Y2 JP H0714010 Y2 JPH0714010 Y2 JP H0714010Y2 JP 5396988 U JP5396988 U JP 5396988U JP 5396988 U JP5396988 U JP 5396988U JP H0714010 Y2 JPH0714010 Y2 JP H0714010Y2
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pressure
pilot
working fluid
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valve
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雅裕 塚本
秀樹 土屋
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KYB Corp
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Nissan Motor Co Ltd
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Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、車体及び車輪間に介挿された流体圧シリン
ダと、この流体圧シリンダの作動圧を制御するパイロッ
ト操作の圧力制御弁と、この圧力制御弁のパイロット圧
を指令値に応じて調圧するパイロット弁とを備え、前記
指令値を伝達する電気系統の断線,電源ダウン等の異常
が発生したときに、その異常に的確に対処可能なフェイ
ルセーフ機能を有する能動型サスペンションに関する。
〔従来の技術〕
能動型サスペンションとしては、例えば、本出願人が先
に提案した特開昭62−295714号記載のものがある。
この従来装置は、車体側部材と各車輪側部材との間に介
挿された流体圧シリンダと、この流体圧シリンダの作動
圧を所定の指令値に応じて個別に制御する圧力制御弁
と、車体の横加速度又は前後加速度を検出する加速度検
出手段と、この加速度検出手段からの検出値に応じた指
令値を各圧力制御弁に出力する制御手段とを有し、これ
により車体の左右方向又は前後方向の姿勢変化を能動的
に抑制しようとするものである。
〔考案が解決しようとする課題〕
上記従来の能動型サスペンションにあっては、各圧力制
御弁が四輪に対応して個別に設けられており、指令値を
供給する信号線が長くなり且つ車体内を複雑に引き回さ
れることとなり、これがため、振動等による結線部の緩
み、長期間の他部材との断続的な接触による断線等が生
じる確率が非常に高くなっている。しかしながら、前記
従来装置では、このような断線等の異常事態を何ら考慮
した構成となっていないため、そのような異常が例えば
旋回走行中に生じて、外輪側の圧力制御弁に対する指令
値が零に急変するような事態が生じると、外輪側の流体
圧シリンダが最低圧で急落し、これによって、著しい車
高急変及び操縦不安定などを招来するという未解決の問
題点があった。
そこで、この考案は、このような未解決の問題点に着目
してなされたもので、車体姿勢変化抑制用の指令体を伝
達する電気系に異常が生じた場合、これを直ちに検出
し、流体圧シリンダの作動圧をその中立圧に強制設定す
るという次善策を施し、これにより著しい車高急変及び
操縦不安定等を回避することを、その目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的を達成するため、この考案は、第1図に示すよ
うに、車体及び車輪間に介挿された流体圧シリンダと、
作動流体がパイロット通路を介して作動流体供給側から
流入し且つドレン通路を介して作動流体戻り側に流出し
てパイロット圧を創成するパイロット室を有し且つ当該
パイロット圧に応じて前記流体圧シリンダの作動圧を出
力制御する圧力制御弁と、前記パイロット室から作動流
体戻り側に流出される流体量を指令値に応じて変更制御
して前記パイロット圧を調圧するパイロット弁とを備
え、前記指令値を変更制御して車体の姿勢変化を抑制す
るようにした能動型サスペンションにおいて、前記パイ
ロット弁に指令値を付与する電気系の異常を検知する異
常検知手段と、この異常検知手段による異常検知がなさ
れた場合、これに付勢され前記ドレン通路を閉鎖するド
レン通路閉鎖手段と、前記ドレン通路閉鎖手段によるド
レン通路閉鎖時に前記ドレン通路をバイパスして前記パ
イロット室から作動流体戻り側に作動流体を流出するバ
イパス通路と、このバイパス通路に設けられ、該バイパ
ス通路を通る作動流体量を制限して前記パイロット室に
パイロット圧が形成されるようにすると共に、該パイロ
ット圧により前記圧力制御弁の作動圧の中立圧が出力さ
れるようにしたパイロット圧形成手段とを備えている。
〔作用〕
この考案においては、パイロット弁に指令値を与える電
気系の異常は異常検知手段により直ちに検知される。こ
の異常が検知されたされたときには、ドレン通路閉鎖手
段によってパイロット弁のパイロット室から作動流体戻
り側に至るドレン通路が閉鎖される。これにより、それ
までドレン通路から流出していた作動流体は、今度はバ
イパス通路を介して作動流体戻り側に流れ出る。このと
き、作動流体はバイパス通路を通る作動流体量を制限す
るパイロット圧形成手段を通過して流れるため、パイロ
ット室には作動流体の例えば車両姿勢を標準的な車高に
保つ中立圧に相当した作動圧がパイロット圧として代替
的に且つ強制的に設定される。このため、圧力制御弁は
異常(フェイル)発生時であっても、少なくとも、その
中立圧を流体圧シリンダに供給し、これによって、車体
姿勢の必要以上の浮き上がり,沈み込みが回避され、操
縦安定性の悪化が排除される。
〔実施例〕
以下、この考案の一実施例を第2図乃至第7図に基づい
て説明する。この実施例は、車両の横方向の姿勢制御に
かかる能動型サスペンションについて実施した場合を示
す。
第2図において、10FL〜10RRは前左〜後右車輪を示し、
12は各車輪10FL〜10RRに連設された車輪側部材を示し、
14は車体側部材を示す。車輪側部材12,…,12と車体側部
材14との間には、油圧式の能動型サスペンション16が装
備されている。
能動型サスペンション16は、流体圧源としての油圧源18
と、この油圧源18の下流側に前輪側,後輪側に対応して
装備された蓄圧用のアキュムレータ20,20と、このアキ
ュムレータ20,20の下流側にあって車輪10FL〜10RRに各
々対応して装備された前左〜後右側の圧力制御部22FL〜
22RRと、車体側部材14と各車輪側部材12との間に個別に
介装された流体圧シリンダとしての前左〜後右油圧シリ
ンダ26FL〜26RRとを備えている。また、能動型サスペン
ション16は、横加速度センサ28と、横加速度検出信号及
び後述するフェイル時のフェイル検出信号に基づき圧力
制御部22FL〜22RRを制御するコントローラ30とを有して
いる。さらに、前記油圧シリンダ26FL〜26RRの後述する
圧力室Lの各々は、路面側からのバネ下共振周波数域の
振動を吸収するために、絞り弁32を介してアキュムレー
タ34に連通される。一方、車体側及び車輪側間には、比
較的低いバネ定数であって車体の静荷重を支持するコイ
ルスプリング36,…,36が配設されている。
前記油圧源18は、作動油を貯蔵するリザーバタンク40
と、このリザーバタンク40の作動油を吸入,加圧して吐
出する油圧ポンプ42と、このポンプ42の吐出側に配設さ
れたチェック弁44と、リザーバタンク40の作動油戻り流
路に介挿されたオペレートチェック弁(パイロット操作
形逆止弁)46と、油圧ポンプ42の吐出側とリザーバタン
ク40への戻り側との間に設けられたライン圧(ここで
は、100〔kgf/cm2〕)設定用のリリーフ弁48とを装備し
ている。この内、油圧ポンプ42は車両のエンジンを回転
駆動源とする。また、オペレートチェック弁46は、チェ
ック弁44の下流側圧力が設定値(ここでは、中立圧:50
〔kgf/cm2〕)以上である場合に弁を「開」とし、その
設定値と同一又はそれ以下である場合に「閉」とする。
このため、車両が停止しており、エンジンが回転してい
ない状態では、オペレートチェック弁46により油圧源18
の下流側の油圧回路は、標準車高に対応する中立圧に保
持される。また、エンジンが回転している状態では、そ
の回転数に応じた流量が油圧ポンプ42から出力され、油
圧源18からリリーフ弁48により決定されるライン圧が油
圧負荷に供給される。
また、前記圧力制御部22FL〜22RRの各々は第3図に示す
ように、パイロット圧操作形の圧力制御弁49FL(〜49R
R)と、この圧力制御弁49FL(〜49RR)に対するパイロ
ット圧をコントローラ30から供給される指令値としての
励磁電流Isによって調整するパイロット弁50FL(〜50R
R)と、このパイロット弁50FL(〜50RR)の後述するド
レン通路DPを必要に応じて閉鎖するドレン通路閉鎖手段
としてのカット弁51FL(〜51RR)と、ドレン通路DPをバ
イパスするバイパス通路BPと、このバイパス通路BP内に
設けられたパイロット圧形成手段としての固定絞り52と
を一体に有して形成されている。
この内、圧力制御弁49FL(〜49RR)は、ハウジング54の
第3図における右端側に設けられた挿通孔55を有し、こ
の挿通孔55にはメインスプール56がその軸方向に摺動可
能に配設されるとともに、その挿通孔55に連通する入力
ポート54i,入出力ポート54n,出力ポート54oが各々形成
されている。そして、入力ポート54iは油圧配管を介し
て油圧源18の作動油供給側に接続され、出力ポート54o
は油圧配管を介して油圧源18のドレン側に接続され、さ
らに入出力ポート54nが油圧配管を介して前記油圧シリ
ンダ26FL(〜26RR)の後述する圧力室Lに接続されてい
る。メインスプール56の軸方向の上端部,下端部にはバ
ネ室FU,FLが形成され、メインスプール56の上下端は、
バネ室FU,FLに各々配設されたオフセットスプリング57
U,57Lによりそのオフセット位置が規定されるようにな
っている。この内、上側のバネ室FUは、固定絞り58を介
して後述するパイロット室PRに連通している。
メインスプール56は、入力ポート54iに対向するランド5
6aと、出力ポート54oに対向するランド56bと、この両ラ
ンド56a,56b間に形成された環状溝状の圧力室56cと、こ
の圧力室56c及び下側のバネ室FLとを連通するフィード
バック通路56dとにより形成されている。
前記パイロット弁50FL〜50RRの各々は、第3図に示すよ
うに、ハウジング54に前記挿通孔55と同軸状に形成され
た挿通孔60と、この挿通孔60の上下を画成しその下側を
パイロット室PRとする隔壁61と、挿通孔60の上側室60A
にその軸方向摺動可能に配設されたポペット62と、この
ポペット62に付勢力を及ぼす比例ソレノイド63と、パイ
ロット室PR及び前記入力ポート54iを連通するパイロッ
ト通路PPと、前記挿通孔60の上側室60A及び出力ポート5
4oを連通するドレン通路DPとを有して形成される。この
内、パイロット通路PPには絞り67が設けられ、隔壁61に
は所定径の連通穴61aが形成されている。そして、ポペ
ット62の摺動位置を調整することによって連通穴61aの
開口面積を変化させ、入力ポート54i,パイロット通路P
P,パイロット室PR,連通穴61a,ドレン通路DP,出力ポート
54oを順に介する作動油の流量,即ちパイロット室PRの
パイロット圧PPが調整されるようになっている。また、
パイロット室PRの圧力PPは前記固定絞り58を介して上側
バネ室FUに至る。
一方、前記比例ソレノイド63は、ハウジング63Aの軸方
向に摺動自在なプランジャ65と、このプランジャ65のポ
ペット62側に固設された作動子65Aと、プランジャ65を
その軸方向に駆動させる励磁コイル66とを有している。
励磁コイル66にはコントローラ30から励磁電流Isが供給
され、比例ソレノイド63は励磁電流Isの値に比例してプ
ランジャ65に、第3図における下方に推力を与え、これ
によって、プランジャ65が移動し、作動子65Aが前記ポ
ペット62を第3図における下方に付勢するようになって
いる。
いま、前述したドレン通路DPが閉鎖されていないものと
して、圧力制御弁49FL(〜49RR)の作動原理を説明す
る。まず、励磁電流Isを与えると、この励磁電流Isに比
例した力Fが作動子65Aを介してポペット62に加わる。
ポペット62には同時に連通穴61aを通してパイロット圧P
P及びリターン圧Prが作用する。このとき、ドレン通路D
Pが閉鎖されていないときは、上側室60Aと出力ポート54
oとの間の流動抵抗は非常に小さく、リターン圧Prはほ
ぼ無視しうる値となる。つまり、ポペット62には前記推
力Fとパイロット圧PPとが作用する。また、推力Fがパ
イロット圧PPによって作用する力より大きい場合には、
ポペット62は連通穴61aを閉じる方向に移動するのでパ
イロット圧PPが上昇し、推力がパイロット圧PPによって
作用する力より小さい場合には、反対になる。したがっ
て、ポペット62は、推力Fとパイロット圧PPによって作
用する力とが等しくなる位置で安定し、結果的に、パイ
ロット圧PPは推力F,即ち励磁電流Isに比例した値に調圧
される。
一方、パイロット圧PPは、ポペット62と同時に絞り58を
介してスプール56に作用する。スプール56には同時に通
路56dを通して導かれる制御圧Pc及び2個のスプリング5
7U,57Lによる力fU,fLが作用する。通常、圧力によって
作用する力がスプリング57U,57Lによって作用する力に
比べて非常に大きいので、力fU,fLを無視すると、パイ
ロット圧PPが制御圧Pcより高いときにはスプール56は第
3図における下方に移動する。これにより、油圧シリン
ダ26FL(〜26RR)には油圧源18から作動油が流入して、
シリンダ圧Pが上昇し、同時に制御圧Pcも上昇する。こ
れとは反対に、制御圧Pcがパイロット圧PPより高い場合
には、逆に作動油が流出して、制御圧Pc及びシリンダ圧
Pは下がる。したがって、スプール56は制御圧Pc及びシ
リンダ圧Pとパイロット圧PPとが同じになる位置で安定
する。結局、圧力制御弁49FL〜49RRの出力圧Pは第4図
に示すように、励磁電流Isに比例したものとなる。ここ
で、PMAXは油圧源18からのライン圧である。
さらに、いま、スプール56の上側,下側のバネ室FU,FL
の圧力が平衡している状態(第3図のスプール位置参
照)にあるとする。この状態で、凹凸路を通過すること
等により路面側から油圧シリンダ26FL(〜26RR)を介し
て振動入力(圧力変動)が入力されると、この圧力は制
御圧Pcとしてスプール56に作用して、スプール56が上方
又は下方へ移動し、作動油が油圧源18に戻され又は油圧
源18から供給される。これにより、圧力変動が吸収さ
れ、車体側へ伝達される振動力が減少する。
一方、前記カット弁51FL(〜51RR)は、ドレン通路DPに
近接して設けられた弁体74と、この弁体74の中央部に形
成された挿通孔に摺動可能に配設され、一端に押圧バネ
75が装着され他端に作動子76Aが固設されたプランジャ7
6とを有している。また、弁体74には励磁コイル77が装
備されており、励磁コイル77に対してコントローラ30か
ら制御電流Icが供給されている。このため、制御電流Ic
の値をオン(通常時)とすると、プランジャ76が第3図
における所定上方位置に移動し、その作動子76Aの先端
部は前記ドレン通路DPを開放できる。一方、制御電流Ic
をオフ(異常時)にすると、プランジャ76が同図におけ
る所定下方位置までスプリング75の付勢力で移動し、ド
レン通路DPを遮断できる。
さらに、前記油圧シリンダ26FL〜26RRの各々は第2図に
示すように、シリンダチューブ26aを有し、このシリン
ダチューブ26aにはピストン26cにより隔設された下側圧
力室Lが形成されている。そして、シリンダチューブ26
aの下端が車輪側部材12に取り付けられ、ピストンロッ
ド26bの上端が車体側部材14に取り付けられている。
さらにまた、前記固定絞り52の絞り径は、正常時にパイ
ロット弁50FL(〜50RR)が中立圧を調圧している時の絞
り径と同一とし、圧力制御弁49FL(〜49RR)の出力圧P
が中立圧PNとなるパイロット圧PPをパイロット室PRに形
成できるように設定されている。
一方、車両の重心位置より前方の所定位置には前述した
横加速度センサ28が配設されており、この横加速度セン
サ28は、車両に作用する横加速度を検出しこれに比例し
たアナログ電圧信号でなる横加速度信号gYをコントロー
ラ30に出力するようになっている。
前記コントローラ30は、第5図に示すように、入力する
アナログ量の横加速度信号gYをデジタル量に変換するA/
D変換器88と、制御用のマイクロコンピュータ90と、こ
のマイクロコンピュータ90から出力されるデジタル量の
制御信号SC,…,SCをアナログ量に変換するD/A変換器92A
〜92Dと、このD/A変換器92A〜92Dの出力に基づき指令値
としての励磁電流Isを前記パイロット弁50FL〜50RRの励
磁コイル66,…,66に個別に出力する駆動回路94A〜94D
と、この駆動回路94A〜94Dの出力する励磁電流Isの値が
予め設定した基準値より小さいか否かを検知する異常検
知手段としてのスイッチング回路95A〜95Dとを有してい
る。
この内、マイクロコンピュータ90は、少なくともインタ
ーフェイス回路98と演算処理装置99とRAM,ROM等からな
る記憶装置100とを含んで構成されている。演算処理装
置99は、インターフェイス回路98を介して横加速度検出
信号gYを読み込み、これらに基づき後述する演算その他
の処理を行う。記憶装置100は、演算処理装置99の処理
の実行に必要な所定プログラム及び固定データ等を予め
記憶している。
また、駆動回路94A〜94Dの各々は、第6図に示すよう
に、その入力段の比較器102と、この比較器102による比
較出力を増幅しパイロット弁50FL(〜50RR)の励磁コイ
ル66に励磁電流Isを供給するトランジスタ103とを有し
ている。そして、トランジスタ103のエミッタ電位が入
力側にフィードバックされ、これとD/A変換器92A(〜92
D)の出力とが比較器102において比較され差値が演算さ
れるようになっている。
さらに、スイッチング回路95A〜95Dの各々は、電界効果
トランジスタ等から成るスイッチング素子104を要部と
して構成され、このスイッチング素子104の電源側はカ
ット弁51FL(〜51RR)の励磁コイル77を介して電源に至
る。そして、駆動回路94A(〜94D)のトランジスタ103
のエミッタ電位がスイッチング素子104の基準電圧VP
り大きければ該スイッチング素子104がオンとなり、励
磁コイル77に制御電流Icが流れ、反対に小さければオフ
となって制御電流Icが零となる。つまり、スイッチング
回路95A〜95Dは、励磁電流Isの値を、励磁電流Isの異常
降下(通常のロール抑制制御では採り得ないとされる基
準値(例えば、0.1〔A〕)以下への降下)に対応して
設定された基準電圧VPによって弁別し、これに応じて制
御電流Icをオン・オフ制御する。
次に、上記実施例の動作を説明する。
最初に、コントローラ30による処理動作を説明する。
車両のイグニッションスイッチがオン状態になると、コ
ントローラ30は、所定のメインプログラムの処理を実行
開始するとともに、その実行中に第7図に示すタイマ割
込み処理を所定時間(例えば20msec〕毎に各々実行す
る。
即ち、第7図のステップでは、マイクロコンピュータ
90の演算処理装置99は、インターフェイス回路98を介し
て、A/D変換器88によりデジタル化された横加速度信号g
Yを読み込み、ステップで、読み込んだ横加速度信号g
Yに基づき横加速度GYを記憶テーブル等を参照して設定
する。
次いで、ステップに移行し、ステップで設定した横
加速度GYに所定のゲイン定数KYを乗じて励磁電流Isの値
を演算する。このとき、車両左側の圧力制御弁49FL,49R
Lと右側の圧力制御弁49FR,49RRとでは、相互に反対の付
勢力を発生する出力圧Pとなるよう励磁電流Isの値が設
定される。
次いで、ステップに移行して、ステップで演算した
励磁電流Isの値に対応した制御信号SCを、D/A変換器92A
〜92Dに個別に出力し、メインプログラムに戻る。このD
/A変換器92A〜92Dでは制御信号SCがアナログ量に変換さ
れて、対応する駆動回路94A〜94Dに出力される。この駆
動回路94A〜94Dからステップで演算した値の励磁電流
Isが対応するパイロット弁50FL〜50RRの励磁コイル66に
個別に出力される。
次に、全体的な動作を説明する。
いま、前述したコントローラ30の駆動回路94A〜94Dから
パイロット弁50FL〜50RRに至る信号線に断線等が生じて
いない正常作動状態にあるとする。車両のイグニッショ
ンスイッチがオン状態となるとコントローラ30での処理
が開始され、エンジンの回転駆動に伴って油圧ポンプ42
の吐出圧が徐々に上昇する。この圧力が中立圧を越える
と、作動油がチェック弁44を介して負荷側に供給される
とともに、オペレートチェック弁46がそれまでの閉から
開となる。この状態では、油圧源18からリリーフ弁48の
設定圧によって決定されるライン圧(100〔kgf/cm2〕)
が圧力制御弁49FL〜49RRの入力ポート54iに供給され
る。
そして、パイロット弁50FL〜50RRでは、作動油の一部又
は全量がパイロット通路PP,パイロット室PR,ドレン通路
DPを介して流通し、その時点で与えられている励磁電流
Isの値に対応したパイロット圧PPが形成され、これに応
じた出力圧Pが圧力制御弁49FL〜49RRに対応する油圧シ
リンダ26FL〜26RRの圧力室Lに個別に供給される。
そこで、車両が走行すると、その走行状態に応じた横加
速度検出信号gYが横加速度センサ28から出力される。こ
のため、圧力制御部22FL〜22RRは、前述の如く、第7図
の処理を経て設定される励磁電流Isの供給を受け、この
励磁電流Isに応じた油圧Pを油圧シリンダ26FL〜26RRに
個別に出力する。この出力圧は、通常、定速度の直進走
行のときには中立圧近傍の値とし、また旋回時の沈み込
み側にはそれより高い圧力及び浮き上がり側にはそれよ
り低い圧力であり、これにより車体の姿勢変化が抑制さ
れる。
このような正常作動状態において、いま、コントローラ
30の駆動回路94A〜94Dからパイロット弁50FL〜50RRに至
る何れかの信号線に、長期間の振動等に起因して脱落又
は断線が生じたり、又は、車載電源或いはその電源回路
が故障して電源電圧が零に急変する等の異常状態が発生
したとする。このような状態になると、励磁電流Isの基
準値以下の降下に付勢されてパイロット弁50FL(〜50R
R)が非作動状態になってパイロット圧PPが急に低下し
ようとするとともに、スイッチング回路95A(〜95D)の
スイッチング素子104がそれまでの「オン」から「オ
フ」に切り替わり、制御電流Icが零になる。これによ
り、該当するカット弁51FL(〜51RR)が前述したように
非動作状態となり、ドレン通路DPが遮断され、パイロッ
ト圧PPを形成した作動油の戻り流路がバイパス通路BPに
自動的に切り換えられる。そして、バイパス通路BPを通
過する作動油は固定絞り52によってその流量が制限さ
れ、これによってパイロット室PRのパイロット圧PPが強
制的に中立圧相当の値に保持され、これがため、圧力制
御弁49FL(〜49RR)の出力圧Pはその中立圧PNに保持さ
れる。
このように、走行中に指令値系統の異常が生じた場合、
上述したフェイルセーフ機能によって、その異常が迅速
に検出され、その異常にかかる油圧シリンダ26FL(〜26
RR)が速やかに中立圧に強制設定され、中立圧による次
善のサスペンション状態が保持される。このため、その
後の車両姿勢、走行安定性等を著しく損なうことがない
という効果が得られる。
また、本実施例では、一度フェイルセーフ機能が作動す
ると、その中立圧を長期間に渡って保持可能である。こ
のため、走行中に前述した異常が生じても、殆どの場
合、その異常を修復できる目的値まで中立圧で走行可能
になることから、例えば、ロールしたままの危険な車体
姿勢状態で走行しなければならないという事態をも回避
できる。
なお、前述した実施例では、パイロット圧形成手段とし
てパイロット弁50FL(〜50RR)と一体に形成した固定絞
り52としたが、本考案は必ずしもこれに限定されること
なく、例えば、パイロット弁50FL(〜50RR)と一体又は
別体装備した固定リリーフ弁であってもよい。この場
合、供給圧の変動などでパイロット弁に流れる作動流体
の流量が変化しても、常にシリンダ圧を一定に保つの
で、より正常時に近いフェイル状態を実現できる。
また、前述した実施例では、何れかの指令値系統に異常
が発生した場合に、その異常にかかる油圧シリンダのみ
を中立圧に設定するとしたが、本考案は必ずしもこれに
限定されることなく、例えば、カット弁51FL〜51RRに対
する各制御電流Icを論理演算し、何れかの指令値系統に
異常が生じても、これに付勢されて四輪全部を一度に中
立圧に設定するとしてもよい。
さらにまた、前述した実施例では、異常検知の手法とし
て、コントローラ30の駆動回路94A〜94Dから出力される
励磁電流Isをスイッチング回路95A〜95Dにより監視する
構成としたが、本考案では、例えば前述した駆動回路94
A〜94Dのトランジスタ103のエミッタ電圧をフェイル信
号としてコントローラ30のマイクロコンピュータ90に入
力し、このマイクロコンピュータ90において予め記憶さ
せた基準値と比較し、これによって前述したカット弁51
FL(〜51RR)をマイクロコンピュータ90の指令の元に駆
動するという構成にしてもよい。また、第3図におい
て、カット弁51FL(〜51RR)の励磁コイル77と直列にフ
ェイル検出用のオン・オフソレノイドを接続し、指令値
信号線の断線時に前述したと同様の効果を得られるよう
にしてもよい。
さらにまた、この考案は、前述したようにロール抑制制
御の能動形サスペンションばかりでなく、ピッチ抑制制
御,バウンス減衰制御,及びこれらを合わせて行う車体
変化抑制制御の場合にも同様に適用でき、同等の作用効
果が得られる。
さらにまた、前述した実施例では、流体圧シリンダとし
て空気圧シリンダ等であってもよい。
〔考案の効果〕
以上説明したように、この考案では、パイロット弁に指
令値を伝達する電気系の異常が検知された場合、このパ
イロット弁のパイロット室から作動油戻り側に連通する
ドレン通路をドレン通路閉鎖手段によって閉鎖し、それ
までドレン通路から流出していた作動流体をバイパス通
路を通過させ、バイパス通路に設けたパイロット圧形成
手段によりバイパス通路を通る作動流体量を制限してパ
イロット室にパイロット圧を形成すると共に、該パイロ
ット圧により圧力制御弁の作動圧の中立圧が出力される
ようにしたため、走行中に、パイロット弁に指令値を伝
達する電気系が断線したり、電源装置等の故障により電
源供給が停止したりする異常が生じても、車輪,車体間
のサスペンションストロークを速やかに且つ強制的にそ
の次善策である中立圧にかかるストローク状態に設定・
保持することができ、これによって車高の著しい急変が
避けられ、操安性の悪化,乗心地の悪化が防止されると
いう優れたフェイルセーフ効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの考案の基本構成を示す実用新案登録請求の
範囲との対応図、第2図はこの考案の一実施例を示す概
略構成図、第3図は圧力制御部の概略断面図、第4図は
圧力制御弁の励磁電流に対する出力圧特性を示すグラ
フ、第5図はコントローラの構成を示すブロック図、第
6図は指令値伝達経路の異常を検知する構成を示すブロ
ック図、第7図はコントローラにおいて実行されるロー
ル抑制制御を示す概略フローチャートである。 図中、12は車輪側部材、14は車体側部材、16は能動型サ
スペンション、18は油圧源(流体圧源)、22FL〜22RRは
圧力制御部、26FL〜26RRは油圧シリンダ、49FL〜49RRは
圧力制御弁、50FL〜50RRはパイロット弁、51FL〜51RRは
ドレン通路閉鎖手段としてのカット弁、52はパイロット
圧形成手段としての固定絞り、90はマイクロコンピュー
タ、94A〜94Dは駆動回路、95A〜95Dは異常検知手段とし
てのスイッチング回路である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−212608(JP,A) 特開 平1−94009(JP,A)

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】車体及び車輪間に介挿された流体圧シリン
    ダと、作動流体がパイロット通路を介して作動流体供給
    側から流入し且つドレン通路を介して作動流体戻り側に
    流出してパイロット圧を創成するパイロット室を有し且
    つ当該パイロット圧に応じて前記流体圧シリンダの作動
    圧を出力制御する圧力制御弁と、前記パイロット室から
    作動流体戻り側に流出される流体量を指令値に応じて変
    更制御して前記パイロット圧を調圧するパイロット弁と
    を備え、前記指令値を変更制御して車体の姿勢変化を抑
    制するようにした能動型サスペンションにおいて、 前記パイロット弁に指令値を付与する電気系の異常を検
    知する異常検知手段と、この異常検知手段による異常検
    知がなされた場合、これに付勢され前記ドレン通路を閉
    鎖するドレン通路閉鎖手段と、該ドレン通路閉鎖手段に
    よるドレン通路閉鎖時に前記ドレン通路をバイパスして
    前記パイロット室から作動流体戻り側に作動流体を流出
    するバイパス通路と、このバイパス通路に設けられ、該
    バイパス通路を通る作動流体量を制限して前記パイロッ
    ト室にパイロット圧が形成されるようにすると共に、該
    パイロット圧により前記圧力制御弁の作動圧の中立圧が
    出力されるようにしたパイロット圧形成手段とを備えた
    ことを特徴とする能動型サスペンション。
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